JP4459357B2 - 温度調整方法及び温度調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理体例えば半導体ウエハに対して熱処理装置により熱処理を行って形成した薄膜の膜厚の測定結果に基づいて熱処理装置の温度コントローラの温度設定値を調整する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスにおいて、半導体ウエハ(以下ウエハという)に対して熱処理を行う装置の一つにバッチ処理を行う縦型熱処理装置がある。この装置は、ウエハボートなどと呼ばれている保持具に多数枚のウエハを棚状に保持し、この保持具を縦型の熱処理炉の中に搬入して熱処理例えば酸化処理を行うものである。
【0003】
ウエハを熱処理する場合ウエハの温度を正確にコントロールする必要があり、例えば酸化処理によりウエハ上に酸化膜を形成する場合、ウエハの温度によって膜厚が左右される。このためヒータの温度コントローラの校正を高精度に行わなければならず、従来は、熱電対を付けたウエハを温度校正すべき熱処理炉内に入れてウエハの温度を測定し、この測定値と温度コントローラの指示値とを合わせ込んで校正を行っていた。また熱電対に代えて、ウエハから放射される輻射光を捉えて光電素子により電気信号に変換し、ウエハの温度を測定する放射型温度計を用いることも検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
熱電対付きウエハを温度校正すべき熱処理炉内に入れると、熱電対をなす金属が熱処理炉内に飛散して付着し、付着した金属がプロセスウエハに付着してメタル汚染を引き起こすおそれがある。また放射型温度計を用いる場合には、ウエハ以外の部位からの輻射光も受光部に入るため、放射率の補正が難しいという問題がある。
【0005】
そこで本発明者は、予めウエハに熱電対を設けてウエハの温度を検出しながら温度コントロ−ラの指示値を合わせ込み、ウエハの温度を所定の温度に正確に設定した状態でウエハに対して例えば酸化処理を行って酸化膜を形成し、この酸化膜の膜厚を測定し、以後は酸化膜の膜厚を媒体として温度コントロ−ラの設定値を調整する手法を検討している。この手法によれば最初の一台の装置にだけ熱電対を入れればよく、他の装置については熱電対を入れなくて済むという利点がある。
【0006】
ところで熱処理を終了したウエハ(モニタウエハ)は熱処理炉から搬出された後、カセットに収納されて、熱処理装置の外に設置されている膜厚測定装置まで搬送され、ここで膜厚が測定される。この間ウエハは大気雰囲気にさらされるが、大気によりウエハ表面に自然酸化膜が成長し、また大気中の有機物が付着し、こうした不純物の膜が酸化膜の上に形成されることになる。不純物の膜は極くわずかなものであるが、近年デバイスの微細化により例えばMOSトランジスタのゲ−ト酸化膜の膜厚が極めて薄くなってきていることから、熱処理後のウエハが大気にさらされる時間が長くなると、不純物の膜厚分が温度コントロ−ラの精度に影響を与えるぐらいの誤差として効いてくるようになる。即ち膜厚結果を温度コントロ−ラの設定値にフィ−ドバックするにあたり、不純物の膜厚分が測定ノイズとなって正確なフィ−ドバックができなくなる。特にウエハの面間膜厚を揃えるためには数回のフィ−ドバックを必要とするので、膜厚の値が不正確だと1回毎のフィ−ドバックの信頼性が低くなり、温度調整作業が難航する。
【0007】
そこで熱処理後のウエハについて速やかに膜厚を測定することになってはいるが、半導体工場内の現実の運用ではオペレ−タの仕事が多岐に亘ってその量も多いことなどの理由から一律に短時間で測定に入るということは難しいのが現状である。
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、熱処理により形成された薄膜の膜厚を正確に測定できる方法、及び高い精度で熱処理装置の温度コントロ−ラの校正を行うことができる方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の温度調整方法は、反応容器の周囲にヒータを設けてなる熱処理炉内に熱電対を搬入し、この熱電対を用いて当該熱処理炉内の温度を目標処理温度に設定し、当該熱処理炉内で被処理体に対して熱処理を行って薄膜を成膜し、この薄膜の膜厚を測定してその測定値を目標膜厚として得る工程と、
その後、被処理体を熱処理炉内に搬入し、前記目標膜厚を得るための熱処理と同じ条件で熱処理を行って薄膜を形成する工程と、
この工程で得られた被処理体の薄膜の膜厚を測定する工程と、
前記熱処理の後、前記膜厚の測定に至るまでの経過時間を計測する工程と、
被処理体が放置されていた時間と膜厚の増加量との関係デ−タと、前記工程で計測した経過時間とに基づいて膜厚の増加量を求め、既に測定した膜厚の測定値から膜厚の増加量を差し引いて熱処理中に形成された薄膜の膜厚を求める工程と、
この工程で得られた薄膜の膜厚と前記目標膜厚との偏差に基づいて、前記ヒータをコントロールするための温度コントロ−ラの温度設定値を調整する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の温度調整装置は、反応容器の周囲にヒータを設けてなる熱処理炉内に搬入された被処理体に対して熱処理を行って薄膜を形成すると共に温度コントロ−ラにより前記ヒータを介して処理温度が制御される熱処理装置の温度を調整する装置において、
被処理体の薄膜の膜厚を測定する膜厚測定部と、
被処理体が放置されている時間と膜厚の増加量との関係を示すデ−タを保有し、熱処理の後、薄膜の膜厚を測定するまでの経過時間と前記デ−タとに基づいて膜厚の増加量を求め、既に測定した膜厚の測定値から膜厚の増加量を差し引いて熱処理中に形成された薄膜の膜厚を求める機能と、目標膜厚を得るための熱処理と同じ条件で熱処理炉内にて熱処理が行われた被処理体について前記膜厚測定部で測定された膜厚の測定値を前記機能を用いて補正した補正値と目標の処理温度に対応する目標膜厚との偏差に基づいて前記温度コントロ−ラの温度設定値を調整する機能と、を有する制御部と、を備え、
前記目標膜厚は、熱処理炉内に搬入された熱電対を用いて当該熱処理炉内の温度を目標処理温度に設定し、当該熱処理炉内で被処理体に対して熱処理を行って薄膜を成膜し、この薄膜の膜厚を測定して得られた測定値であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の温度調整方法を、縦型熱処理装置の温度コントロ−ラの温度設定値を調整する方法に適用した実施の形態について説明する。先ずこの方法が適用される縦型熱処理装置について図1及び図2を参照しながら説明する。
【0015】
図1において、1は縦型熱処理装置であり、外装体を構成する筐体11の前面にカセットステ−ジ12が設けられ、その奥にカセット移載機13、カセットストッカ14、中間受け渡し部15が設けられている。更に中間受け渡し部15の奥側には、ウエハ移載機16、ボ−トエレベ−タ21、被処理体保持具であるウエハボ−ト22及び熱処理炉3が設けられている。
【0016】
カセットステ−ジ12に搬入されたカセットCは移載機13により例えばストッカ14を介して中間受け渡し部15に受け渡され、次いでウエハ移載機16が前記カセットCの中の被処理体であるウエハWをウエハボ−ト22に移載する。ウエハボ−ト22はボ−トエレベ−タ21の上に搭載されており、ボ−トエレベ−タ21の上昇により熱処理炉3内に搬入される。
【0017】
次に図2を用いて熱処理炉3に関して述べると、この熱処理炉3は、例えば二重構造の石英よりなる反応管31、この反応管31を囲むように設けられた抵抗発熱体からなる加熱部であるヒ−タ32などからなり、反応管31の底部にはガス供給管33及び排気管34が接続されていて、反応管31の外管31aの内側から内管31bに形成されたガス穴30を介して内管31bの中にガスが流れるようになっている。35は均熱用容器である。前記ヒ−タ32は温度コントロ−ラ4により電力が制御されて発熱量がコントロ−ルされるように構成されている。このヒ−タ32は例えば複数個に分割されており、この例では上、中、下の3段に分割されている。そして各ヒ−タ32(32A、32B、32C)毎に温度コントロ−ラ4(4A、4B、4C)が設けられており、ウエハボ−ト22に保持されているウエハW群の上部、中央部、下部の温度制御を夫々受け持つようになっている。なおヒ−タ32は分割されていなくてもよいし、4個以上に分割されていてもよい。
【0018】
ウエハボ−ト22は複数の支柱に形成された溝にウエハWの周縁を挿入して保持し、複数のウエハWを棚状に保持するように構成されている。ウエハボ−ト22は、熱処理炉3の下端開口部23を開閉する蓋体24の上に設けられた保温筒25の上に載置されている。蓋体24はボ−トエレベ−タ21に設けられており、ボ−トエレベ−タ21が昇降することにより、熱処理炉3に対してウエハボ−ト22の搬出入が行われる。
【0019】
図1に説明を戻すと、前記縦型熱処理装置1の近くには、膜厚測定部5が設置されている。膜厚測定部5はウエハ搬送口51を備えた筐体5の中に例えばエリプソメ−タが設けられており、ウエハ搬送口51を介して図では見えない載置台に搬入されたウエハの表面の薄膜の膜厚をエリプソメ−タにより測定できるように構成されている。エリプソメ−タは、落射照明型顕微鏡、分光器及びデ−タ処理部を含む光干渉式膜厚計であり、光源から対物レンズを経てウエハに光が照射され、ここで反射された光を分光器に入射し、ここに入射された反射スペクトルをコンピュ−タで解析することにより膜厚が算出される。
【0020】
また膜厚測定部5に臨む位置の左右両側には夫々カセット載置台52及びウエハ保持棚53が設けられると共に、これらの間にはカセット載置台52に載置されたカセットCとウエハ保持棚53と膜厚測定部5との間でウエハの受け渡しを行うように進退自在、昇降自在及び鉛直軸回りに回転自在な受渡しア−ム54が設けられている。
【0021】
更に例えば熱処理装置1の背面側の図示しないコントロ−ルユニットには制御部41(図2参照)が設けられており、この制御部41は熱処理後のウエハWを熱処理炉3から搬出した時刻t1、膜厚測定部5にて膜厚を測定した時刻t2、膜厚測定値及び膜厚設定値(目標膜厚)が入力されるようになっている。時刻t1に関しては、オペレ−タがマニュアルで入力してもよいが、例えばボ−トエレベ−タ21からの降下開始信号を図示しないホストコンピュ−タにより監視し、そのときの時刻t1をホストコンピュ−タからオンラインで受け取るようにしてもよいし、あるいは前記降下開始信号を制御部41が受け取って制御部41の中の時計によりその時刻t1を記憶するようにしてもよい。また時刻t2及び膜厚測定値については、膜厚測定部5からオンラインで受け取るようにしてもよいし、マニュアルで入力するようにしてもよい。
【0022】
一方熱処理後のウエハが大気雰囲気にさらされると、熱処理により得られた酸化膜の上に、既述のように自然酸化膜や有機物が付着するので、ウエハが大気雰囲気にさらされる時間(経過時間)と膜厚の増加量との関係を予め調べておき、その関係デ−タを制御部41のメモリ(図示せず)内に記憶させておく。この場合大気雰囲気とは半導体製造工場内のクリ−ンル−ム雰囲気という意味である。図3は前記関係のデ−タをイメ−ジとして示したものである。後述のように熱処理後のウエハ及び例えばフッ酸で表面を洗浄したウエハのいずれについても経過時間に対する膜厚の増加量はほとんど変わらないことから、関係デ−タの基礎になる実験デ−タはいずれを用いてもよいが、実際に形成される薄膜を用いることが好ましい。
【0023】
そして前記制御部41は、入力された膜厚測定値に対して前記関係デ−タを用いて補正し、膜厚設定値との偏差に基づいて温度コントロ−ラ4の温度設定値を調整する機能を備えている。この点については以下の作用説明のところで詳述する。
【0024】
次に上述の実施の形態の装置により温度コントロ−ラ4の校正を行う方法について図4を参照しながら述べる。先ず反応管31内の上部領域、中央領域及び下部領域の各処理温度を目標温度にするために夫々の温度コントロ−ラ4A,4B,4Cの温度設定値を調整する。この段階では温度設定値と処理温度との関係はまだ分かっていないので、目標としている処理温度が得られるであろう値に温度設定値を調整する (ステップS1)。例えば反応管31の上部領域の処理温度を900℃にするのであれば、温度コントロ−ラ4Aの温度設定値を900℃に調整する。
【0025】
そして被処理体であるモニタウエハWを既述のように縦型熱処理装置1の熱処理炉3内に搬入し(ステップS2)、前記温度設定値に対応する処理温度まで反応管31内の温度をヒ−タ32により昇温し、酸素ガスを反応管31内に供給してウエハWに対して熱処理である酸化処理を行い、ウエハWのシリコン膜の表面部を酸化して薄膜である酸化膜(シリコン酸化膜)を形成する(ステップS3)。
【0026】
熱処理が終了した後、反応管31内を不活性ガス雰囲気にして所定温度例えば300℃まで降温し、ボ−トエレベ−タ21を降下させてウエハWを搬出する (ステップS4)。このときウエハWの搬出の時刻t1が例えば既述のようにホストコンピュ−タから制御部41に取り込まれる(ステップS5)。搬出後のウエハWは図1に示す中間受け渡し台15上のカセットC内に戻され、このカセットCはカセットステ−ジ12を介して例えば図示しない自動搬送ロボットにより膜厚測定部5側のカセット載置台52に搬送され、受け渡しア−ム54により例えば一旦ウエハ保持棚53に受け渡されて待機した後、膜厚測定部5に搬入される(ステップS6)。なお縦型熱処理装置1から膜厚測定部5までのウエハの搬送の一部または全部をオペレータが行ってもよい。
【0027】
膜厚測定部5ではウエハW上の酸化膜の膜厚が自動であるいはオペレ−タによる手動で測定され、その測定値が制御部41に取り込まれる(ステップS7)と共に、測定時刻t2が制御部41に取り込まれる(ステップS8)。制御部41は時刻t1、t2に基づいてウエハWが熱処理炉3から搬出されてから膜厚測定部5にて測定されるまでの経過時間を求め、この経過時間に基づいて膜厚測定値を補正する。即ち経過時間と図3に示したデ−タとにより膜厚増加量を求め、膜厚測定値から膜厚増加量を差し引いて熱処理により形成された薄膜(酸化膜)の膜厚を求める(ステップS9)。
【0028】
こうして薄膜の膜厚(補正値)が求まると、この膜厚と目標膜厚(膜厚設定値)との偏差を求め、この偏差に基づいて温度コントロ−ラ3の温度設定値を調整する(ステップS10)。即ち、初めに設定した温度設定値は処理温度が得られるであろう予測の値であり、もし目標とする処理温度が得られていれば、その目標処理温度で形成される膜厚が得られるはずであり、前記偏差は実質ゼロになる。しかし処理温度が目標とする処理温度から外れていれば、その温度差に応じた膜厚偏差が生じる。例えば目標処理温度が900℃で温度コントロ−ラ4Aの温度設定値を900℃に調整し、例えば酸化膜の膜厚温度係数(処理温度を1℃変化させると膜厚がどれだけ変化するかを示す係数)が0.12nm(1.2オングストロ−ム)/℃であり、膜厚(実測補正膜厚)が目標膜厚である例えば2nmよりも0.12nm(1.2オングストロ−ム)だけ大きいとすると、1℃だけ処理温度が高すぎたことになり、前記温度設定値を1℃だけ下げた899℃に調整する。
【0029】
目標膜厚は、(発明が解決しようとする課題)の項目で述べたように、予め熱電対を用いて正確に温度が目標処理温度に設定された状態で酸化膜を形成し、この膜厚を測定することにより得られ、これを制御部41に入力しておけばよい。またウエハWに対して行う熱処理は、目標膜厚を得るために行った処理と同じ条件で、つまりウエハWの搬入時、搬出時の温度、昇温速度、温度安定時間、処理時間、処理ガス及びその流量などを同じにして行われる。また温度コントロ−ラ4Aを代表で説明したが、他の温度コントロ−ラ4B,4Cについても、夫々中央領域、下部領域のウエハWの膜厚について同様にして調整(更新)される。こうして温度設定値と温度との関係が分かり、温度コントロ−ラ4の校正が行われたことになる。
【0030】
なお経過時間の長短は不純物の膜厚分による膜厚増加量に影響を与えるものの、わずかな時間の誤差は実質効いてこないので、時刻t1はウエハボ−ト22が降下した後、移載ア−ム16によりウエハがボ−トから取り出されるタイミングなどであってもよい。また時刻t2は測定開始時でもよいし、膜厚測定部5に搬入された時刻であってもよい。
【0031】
上述実施の形態によれば、次のような効果がある。即ち熱処理を終了した後、モニタウエハW上の酸化膜の膜厚を測定する間に酸化膜上に自然酸化膜が成長したり有機物が付着するが、予めこうした不純物の付着量とウエハWが大気にさらされる時間(経過時間)との関係を調べておき、測定した経過時間に応じた膜厚の増加量(不純物の付着量)を膜厚の測定値から差し引いているので経過時間の長短にかかわらず、熱処理によって生成された酸化膜の膜厚を常に正確に知ることができる。このためモニタウエハWの膜厚を介して温度コントローラ4の温度設定値を調整する場合、精度の高い調整を行うことができる。またこの調整は熱電対を反応管31内に挿入しなくて行うことができるのでウエハWに対して熱電対を構成する金属によるウエハWの汚染を引き起こすおそれがない。
【0032】
次に本発明の他の実施の形態について図5を参照しながら説明する。この実施の形態は膜厚測定部5で測定した膜厚測定値を補正しない点、膜厚測定部5の隣に置かれたウエハ保持棚53の代りに不活性ガス雰囲気の気密容器である収納ユニット6を設けた点にある。
【0033】
収納ユニット6は図6に示すように搬出入室(ロードロック室)61と待機室62とを備え、いずれにも不活性ガス例えば窒素ガスを供給するためのガス供給管63及び排気管64が接続されている。不活性ガスとしてはアルゴンガスや二酸化炭素などであってもよい。搬出入室61と大気側との間、及び搬出入室61と待機室62との間には、夫々ウエハWの搬送口を開閉し、一方が開かれるときには他方が閉じるゲートバルブG1、G2が設けられ、待機室62内に大気が流入しないようになっている。なおV1〜V4はバルブである。搬出入室61内には、昇降部65aにより昇降自在で、前後が開口しているウエハ保持棚65が設けられると共に、待機室62内には昇降、進退、鉛直軸まわりの回転が可能な受け渡しアーム66及びウエハ保持棚67が設けられている。
【0034】
このような実施の形態においては、膜厚測定部5側のカセット載置台52に置かれたカセットC内からウエハWが受け渡しアーム54に受け渡された後、収納ユニット6の搬出入室61内の保持棚65及び受け渡しアーム66を介して待機室62の保持棚67に保持され、ここで膜厚測定の順番を待つことになる。工場内の運用では、通常ウエハWを熱処理した後、カセットC内に収納されて膜厚測定部5側まで速やかに搬送されるが、その後膜厚の測定を行うまでの順番待ちの時間が長いことから、不活性ガス雰囲気の待機室62内でウエハWを待機させれば、膜厚測定に至るまでの酸化膜の上に付着する不純物量は少ないので、先の実施の形態のように経過時間を考慮しなくとも、酸化膜の膜厚を高い信頼性で把握することができる。なお収納ユニット6内は不活性ガス雰囲気の代りに減圧雰囲気であってもよい。
【0035】
また本発明は、熱処理後のウエハWをカセットCに入れて大気にさらした状態で搬送する代りに、不活性ガス雰囲気あるいは減圧雰囲気にした密閉容器に入れて搬送してもよい。この場合には例えば図7に示すように熱処理炉3の下方側を、不活性ガス供給管71及び排気管72が接続され、不活性ガス雰囲気とされた気密な部屋であるロードロック室70として構成すると共に、このロードロック室70の壁面に、密閉容器であるクローズ型カセット8を適合させ、このカセット8内に熱処理後のウエハWを移載し、カセット8に蓋81により蓋をした後、当該カセット8を搬送するようにすればよい。なお蓋81は例えば前記壁面の開口部82を閉じる蓋とカセット8側の蓋とが重なったものであり、開閉機構83により開閉されると共に、カセット8側の蓋は壁面側の蓋に対して着脱できるようになっている。
【0036】
このような実施の形態では例えばカセット8をカセット載置台52に搬送した後、この中でウエハWを待機させてもよいし、あるいは前記収納ユニット6内に移し替えてもよい。この実施の形態は不活性ガス雰囲気のカセット8でウエハWを搬送することから、ウエハW面への不純物の付着量が抑えられるので、前記経過時間を考慮しなくとも酸化膜の膜厚を高い信頼性で把握することができる。
【0037】
なお本発明実施の形態及び収納ユニット6を用いた実施の形態において、不活性ガス雰囲気あるいは減圧雰囲気とはいっても完全に大気と遮断できるわけではなく、そのようにすると装置が大掛りになることから、実際には大気中より程度は小さいが、膜厚は増加すると考えられるので、予め不活性ガス雰囲気(減圧雰囲気)中にウエハを放置した時間と膜厚増加量との関係を求めておいて膜厚測定値を補正するようにしてもよい。
【0038】
ここでウエハを大気中に放置することにより膜厚が増加することを確認した実験結果を図8〜図10に示しておく。図8の実験で用いたウエハは、酸素ガスを処理ガスとして用いたいわゆるドライ酸化膜を形成したものであり、図9の実験で用いたウエハは表面を希フッ酸で洗浄したベアシリコンウエハである。いずれもウエハ中の7ポイントの膜厚を測定したものであるが、ほぼ経過時間に対して直線的に膜厚が増加していることが分かる。なお図9において経過時間がゼロのときに膜厚の数値が出ているのは、フッ酸で洗浄した表面は活性化しているので、大気にさらした直後に一時的な自然酸化膜が急速に成長した結果であると考えられる。また図10の実験で用いたウエハは水蒸気を加えていわゆるウェット酸化膜を形成したものであり、数時間立ってもほぼ直線的に膜厚が増加していることから、工場内で仮に長時間ウエハが放置されたとしても、その放置時間は高々数時間程度であることから、このデータに基づいて膜厚測定値を補正することは有効である。
【0039】
以上において本発明は、熱処理で形成された膜厚を測定した後、この膜厚を温度コントローラの調整に用いることに限定されるものではなく、例えばデバイス設計段階における電気的特性と膜厚との関係を知るために用いてもよい。
【0040】
更にプロセスとしては酸化処理に限らず、例えばアンモニアとジクロルシランとを用いて窒化膜を成膜する場合など、他の成膜プロセスであってもよい。更にまた最初にウエハの温度を測定する場合には、熱電対を用いることに限ることなく放射温度計などを用いてもよい。なお温度校正の対象となる装置としてはバッチ炉に限らず、1枚ずつ熱処理を行う枚葉式の熱処理装置であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、熱処理で形成された薄膜の膜厚を正確に測定することができる。また温度校正すべき熱処理装置の温度コントローラの校正を被処理体の汚染を伴うことなく高い精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施の形態を実施するための装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に用いられる縦型熱処理装置の要部を示す断面図である。
【図3】 ウエハが大気雰囲気にさらされる時間と膜厚増加量との関係にかかるデ−タの一例を示す説明図である。
【図4】本発明方法の実施の形態のフロ−を示す説明図である。
【図5】 本発明方法の他の実施の形態を実施するための装置を示す斜視図である。
【図6】図5で用いられる収納ユニットを示す断面図である。
【図7】 本発明方法の更に他の実施の形態を実施するための装置を示す斜視図である。
【図8】ウエハを大気中に放置した時間と膜厚との関係を示す説明図である。
【図9】ウエハを大気中に放置した時間と膜厚との関係を示す説明図である。
【図10】ウエハを大気中に放置した時間と膜厚との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 縦型熱処理装置
11 筐体
12 カセットステ−ジ
C ウエハカセット
21 ボ−トエレベ−タ
22 ウエハボ−ト
3 熱処理炉
31 反応管
32(32A〜32C) ヒ−タ
4 温度コントロ−ラ
41 制御部
5 膜厚測定部
52 カセット載置台
53 ウエハ保持棚
54 受け渡しア−ム
6 収納ユニット
61 搬出入室
62 待機室
7 ロ−ドロック室
8 クロ−ズ型カセット
Claims (2)
- 反応容器の周囲にヒータを設けてなる熱処理炉内に熱電対を搬入し、この熱電対を用いて当該熱処理炉内の温度を目標処理温度に設定し、当該熱処理炉内で被処理体に対して熱処理を行って薄膜を成膜し、この薄膜の膜厚を測定してその測定値を目標膜厚として得る工程と、
その後、被処理体を熱処理炉内に搬入し、前記目標膜厚を得るための熱処理と同じ条件で熱処理を行って薄膜を形成する工程と、
この工程で得られた被処理体の薄膜の膜厚を測定する工程と、
前記熱処理の後、前記膜厚の測定に至るまでの経過時間を計測する工程と、
被処理体が放置されていた時間と膜厚の増加量との関係デ−タと、前記工程で計測した経過時間とに基づいて膜厚の増加量を求め、既に測定した膜厚の測定値から膜厚の増加量を差し引いて熱処理中に形成された薄膜の膜厚を求める工程と、
この工程で得られた薄膜の膜厚と前記目標膜厚との偏差に基づいて、前記ヒータをコントロールするための温度コントロ−ラの温度設定値を調整する工程と、を含むことを特徴とする温度調整方法。 - 反応容器の周囲にヒータを設けてなる熱処理炉内に搬入された被処理体に対して熱処理を行って薄膜を形成すると共に温度コントロ−ラにより前記ヒータを介して処理温度が制御される熱処理装置の温度を調整する装置において、
被処理体の薄膜の膜厚を測定する膜厚測定部と、
被処理体が放置されている時間と膜厚の増加量との関係を示すデ−タを保有し、熱処理の後、薄膜の膜厚を測定するまでの経過時間と前記デ−タとに基づいて膜厚の増加量を求め、既に測定した膜厚の測定値から膜厚の増加量を差し引いて熱処理中に形成された薄膜の膜厚を求める機能と、目標膜厚を得るための熱処理と同じ条件で熱処理炉内にて熱処理が行われた被処理体について前記膜厚測定部で測定された膜厚の測定値を前記機能を用いて補正した補正値と目標の処理温度に対応する目標膜厚との偏差に基づいて前記温度コントロ−ラの温度設定値を調整する機能と、を有する制御部と、を備え、
前記目標膜厚は、熱処理炉内に搬入された熱電対を用いて当該熱処理炉内の温度を目標処理温度に設定し、当該熱処理炉内で被処理体に対して熱処理を行って薄膜を成膜し、この薄膜の膜厚を測定して得られた測定値であることを特徴とする温度調整装置。
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