JP4458647B2 - 自動二輪車用ブレーキ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前輪用ブレーキと後輪用ブレーキとにブレーキ液圧を分配するバルブを小型・軽量にした自動二輪車用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車において、ブレーキ時に車輪がロックするのを防止するため、アンチロック機構を備えたブレーキ装置が知られている。例えば、実開平2−15562号公報「自動2輪車のアンチロック制動装置」に記載されたものである。
上記公報の第2図(a)には、ブレーキペダル9で作動させるマスタシリンダ6に分配バルブ20を連結し、この分配バルブ20からアンチロック機構としての油圧ユニット8を介して前輪用キャリパ5A及び後輪用キャリパ5Bにそれぞれ連結したアンチロック制動装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術では、マスタシリンダ6と油圧ユニット8との間に分配バルブ20が配置されているため、車輪のロックを防止するために油圧ユニット8が作動した場合には、分配バルブ20に直接油圧ユニット8からの圧力の脈動が作用するので、分配バルブ20を油圧ユニット8の圧力の脈動に耐え得る強度まで高める必要がある。従って、分配バルブ20の各部の肉厚を厚くしなければならず、分配バルブ20が大型になって重量が増し、結果的に、自動2輪車の重量アップを招く。
【0004】
そこで本発明の目的は、自動二輪車用ブレーキ装置において、前輪用ブレーキと後輪用ブレーキにブレーキ液圧を分配するバルブを小型・軽量にし、自動二輪車の軽量化を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、レバー、ペダル等のブレーキ操作部材を操作することで単一のマスタシリンダ内のブレーキ液圧を高め、このブレーキ液圧でマスタシリンダに連結した前輪用ブレーキ及び後輪用ブレーキを共に作動させるとともに、マスタシリンダと前・後輪用ブレーキとの間に前・後輪用ブレーキに作用するブレーキ液圧を減圧もしくは保持もしくは増圧させてブレーキ操作時に前・後輪の回転がロックするのを防止するABS用圧力調整装置を設けた自動二輪車用ブレーキ装置において、マスタシリンダ及びABS用圧力調整装置の両方と前輪用ブレーキとを連結するブレーキ液通路に、ABS用圧力調整装置を作動させたときに閉じるオンオフバルブと、前輪用ブレーキと後輪用ブレーキとに供給するブレーキ液圧の配分を制御する制御バルブとをこの順に介在させ、ABS用圧力調整装置が、前・後輪用ブレーキに作用するブレーキ液圧を減圧させた後、増圧させようと作動しているときもオンオフバルブが閉じていることを特徴とする。
【0006】
マスタシリンダ及びABS用圧力調整装置の両方と前輪用ブレーキとを連結するブレーキ液通路に、オンオフバルブと、制御バルブとをこの順に介在させたことで、ABS用圧力調整装置を作動させたときにオンオフバルブが閉じ、制御バルブにABS用圧力調整装置からのブレーキ液圧の脈動が伝わらないため、ブレーキ液圧の脈動に耐え得るまで制御バルブの強度を高める必要がなく、制御バルブを小型・軽量にすることができ、製造コストも低減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るブレーキ装置を備えた自動二輪車の側面図であり、自動二輪車10は、ハンドル11に取付けた左・右ブレーキレバー12,13(奥側の左ブレーキレバー12は不図示)及びこれらの左・右ブレーキレバー12,13を握ることによりそれぞれブレーキ液圧を発生させる左・右マスタシリンダ14,15(奥側のマスタシリンダ14は不図示)と、これらの左・右マスタシリンダ14,15からのブレーキ液圧で作動する前輪用ディスクブレーキとしての前ディスクブレーキ16及び後輪用ディスクブレーキとしての後ディスクブレーキ17と、これらの前・後ディスクブレーキ16,17でそれぞれ制動する前輪21及び後輪22と、これらの前輪21及び後輪22の制動時のロックを防止するためのABS(Antilock Brake System)用圧力調整装置23と、このABS用圧力調整装置23を制御する制御装置24と、前輪21及び後輪22の各回転速度を検出して制御装置24に回転速度信号を送る車輪速センサ25,26とを備える。なお、27,28は前輪21及び後輪22のそれぞれに取付けたブレーキディスクである。
【0008】
ABS用圧力調整装置23、制御装置24及び車輪速センサ25,26は、ABSを構成するものである。
ABSは、急制動時、又は滑りやすい路面での制動時に起きる車輪ロックを防止する装置である。
【0009】
図2は本発明に係るブレーキ装置の構成図であり、ブレーキ装置30は、前述の左・右ブレーキレバー12,13、左・右マスタシリンダ14,15、前・後ディスクブレーキ16,17、ABS用圧力調整装置23、制御装置24、車輪速センサ25,26と、左ブレーキレバー12を握ったときに、左マスタシリンダ14で発生したブレーキ液圧を前ディスクブレーキ16と後ディスクブレーキ17とに配分する制御バルブ31とからなる。
【0010】
前ディスクブレーキ16は、ブレーキディスク27と、このブレーキディスク27を挟み込むブレーキパッド(不図示)と、このブレーキパッドを押圧するために図示せぬシリンダ内に移動自在に挿入したピストン32,33,34と、これらのブレーキパッド及びピストン32,33,34を収納する前ブレーキキャリパ35とからなる。
【0011】
後ディスクブレーキ17は、ブレーキディスク28と、このブレーキディスク28を挟み込むブレーキパッド(不図示)と、このブレーキパッドを押圧するために図示せぬシリンダ内に挿入したピストン36,37と、これらのブレーキパッド及びピストン36,37を収納する後ブレーキキャリパ38とからなる。
【0012】
ABS用圧力調整装置23は、前輪側ソレノイドバルブ41,42と、後輪側ソレノイドバルブ43,44と、左マスタシリンダ14及び前ブレーキキャリパ35のそれぞれの間に設けたブレーキ液通路45の途中、詳しくは制御バルブ31の左マスタシリンダ14側に介在させたオンオフバルブとしての中間ソレノイドバルブ46と、ABS用のブレーキ液圧を発生させるためのポンプ47,48及びこれらのポンプ47,48を駆動するモータ51と、ブレーキ液を貯めておくリザーバ52,53とからなる。なお、54はバイパスソレノイドバルブ、55…(…は複数個を示す。以下同様。)は、設定ブレーキ液圧を越えるブレーキ液圧が作用すると一方向にブレーキ液を流すチェックバルブである。
【0013】
前輪側ソレノイドバルブ41、後輪用ソレノイドバルブ43及び中間ソレノイドバルブ46は、ABSを作動させずに左・右ブレーキレバー12,13を操作して行う通常のブレーキ時に開いておくバルブである。
前輪側ソレノイドバルブ42、後輪用ソレノイドバルブ44及びバイパスソレノイドバルブ54は、ABSを作動させずに左・右ブレーキレバー12,13を操作して行う通常のブレーキ時に閉じておくバルブである。
【0014】
制御装置24は、各ソレノイドバルブ41〜44,46,54及びモータ51の作動を制御する装置である。
車輪速センサ25,26は、マグネットとコイルとからなる電磁誘導式のセンサである。なお、56,56は前輪21及び後輪22に取付けることで車輪速センサ25,26に前輪21及び後輪22の回転速度を検知させるロータである。
【0015】
図3は本発明に係るブレーキ装置の制御バルブのブレーキ液圧性能を示すグラフであり、縦軸は前・後ブレーキキャリパブレーキ液圧Pc、横軸は左マスタシリンダブレーキ液圧Pmである。なお、グラフ中の実線は前ブレーキキャリパブレーキ液圧、一点鎖線は前ブレーキキャリパブレーキ液圧と比較するための後ブレーキキャリパブレーキ液圧である。(符号は図2参照)
左ブレーキレバー12を握り、左マスタシリンダ14のブレーキ液圧Pmを増していくと、前ブレーキキャリパ35のブレーキ液圧Pcは、ブレーキ液圧PmがPm=p以下ではほとんど発生しないが、Pm=pを越えるとブレーキ液圧Pmの増加に伴って増加する。
また、後ブレーキキャリパ38のブレーキ液圧Pcは、ブレーキ液圧Pmの増加に伴い、増加する。
【0016】
このように、本発明のブレーキ装置は、左マスタシリンダ14で発生したブレーキ液圧を、後ブレーキキャリパ38には直接伝達し、前ブレーキキャリパ35には制御バルブ31を介して伝達する構造を有することにより、制御バルブ31によって後ブレーキキャリパ38と前ブレーキキャリパ35とに伝えるブレーキ液圧の配分割合を制御する。
【0017】
以上に述べたブレーキ装置30の作用を次に説明する。
図4は本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第1作用図である。
まず、通常ブレーキ時の作用を説明する。
左ブレーキレバー12を握ると、左マスタシリンダ14でブレーキ液圧が発生し、この液圧が矢印(1)のように後輪側ソレノイドバルブ43を介して後ブレーキキャリパ38に伝わる。
これにより、後ブレーキキャリパ38内のピストン36,37がブレーキパッドを介してブレーキディスク28を押付けるため、後輪にブレーキが掛かる。
【0018】
これと同時に、左マスタシリンダ14のブレーキ液圧は中間ソレノイドバルブ46を介して矢印(2)(3)のように制御バルブ31に伝わり、左マスタシリンダ14のブレーキ液圧が所定圧を越えると、制御バルブ31でブレーキ液圧を調整した後に矢印(4)のように前ブレーキキャリパ35に伝わる。
これによって、前ブレーキキャリパ35内のピストン33がブレーキパッドを介してブレーキディスク27を押付けるため、前輪にブレーキが掛かる。
【0019】
また、右ブレーキレバー13を握ると、右マスタシリンダ15でブレーキ液圧が発生し、この液圧が矢印(5)のように前輪側ソレノイドバルブ41を介して前ブレーキキャリパ35に伝わる。
これにより、前ブレーキキャリパ35内のピストン32,34がブレーキパッドを介してブレーキディスク27を押付けるため、前輪にブレーキが掛かる。
【0020】
次に、ABSが作動した場合の作用を説明する。
図5は本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第2作用図である。
図5以降では、左ブレーキレバー12と右ブレーキレバー13との両方を握った場合について説明し、左ブレーキレバー12又は右ブレーキレバー13の一方のみを握った場合の説明は、レバー12,13の両方を握った場合のそれぞれの後輪側、前輪側の作用と同一なので省略する。
左ブレーキレバー12と右ブレーキレバー13との両方を握った状態で、ブレーキ装置30の制御装置24は、前輪側及び後輪側に取付けた車輪速センサ25,26から前輪、後輪の回転速度信号RS1,RS2を受け、前輪、後輪の回転速度(=車輪速度)と、別に得られる車体速度とからスリップ率(スリップ率λ=(車体速度−車輪速度)/車体速度×100%)を求める。
【0021】
スリップ率は、スリップの大きさを表すものであり、ブレーキを掛けると、車体速度に対して車輪速度が減少してスリップ現象を起こし、車体速度と車輪速度との差が多くなると、スリップ率は大きくなる。
【0022】
そして、制御装置24は、前輪、後輪がロックしないようなブレーキ力を前・後ディスクブレーキ16,17に与えるために、それぞれ前輪側ソレノイドバルブ41に閉信号CS、前輪側ソレノイドバルブ42に開信号KS、後輪側ソレノイドバルブ43に閉信号CS、後輪側ソレノイドバルブ44に開信号KS、バイパスソレノイドバルブ54に開信号KSを送る。また、制御装置24は、中間ソレノイドバルブ46に閉信号CSを送り、更に、モータ51に駆動信号DSを送る。
【0023】
この結果、前輪側ソレノイドバルブ41、後輪側ソレノイドバルブ43及び中間ソレノイドバルブ46は閉じ、前輪側ソレノイドバルブ42、後輪側ソレノイドバルブ44及びバイパスソレノイドバルブ54は開く。また、モータ51は作動し、ポンプ47,48を駆動する。
【0024】
これによって、前ブレーキキャリパ35からブレーキ液が矢印(1)(2)のように前輪側ソレノイドバルブ42を通ってリザーバ52内に流れ込むとともに、ブレーキ液の一部は矢印(3)(4)のようにポンプ47で右マスタシリンダ15に戻る。
従って、前ブレーキキャリパ35内のブレーキ液圧は減圧する。
【0025】
また、後ブレーキキャリパ38からブレーキ液が矢印(5)(6)のように後輪側ソレノイドバルブ44を通ってリザーバ53内に流れ込み、且つ前ブレーキキャリパ35からブレーキ液が矢印(7)のように制御バルブ31及びバイパスソレノイドバルブ54を通ってリザーバ53に流れ込むとともに、ブレーキ液の一部は矢印(8)(9)のようにポンプ48で左マスタシリンダ14に戻る。
従って、後ブレーキキャリパ38内のブレーキ液圧は減圧する。
【0026】
更に、中間ソレノイドバルブ46を閉じることで、以降のABS作動時にABS用圧力調整装置23から、詳しくはポンプ48から制御バルブ31に過大な圧力や圧力変化(脈動)が作用するのを防止することができる。
【0027】
図6は本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第3作用図である。
図5で説明したブレーキ液圧減圧後、図6において、制御装置24は、前輪側ソレノイドバルブ42、後輪用ソレノイドバルブ44及びバイパスソレノイドバルブ54に閉信号CSを送る。
この結果、前輪側ソレノイドバルブ42、後輪用ソレノイドバルブ44及びバイパスソレノイドバルブ54は閉じる。これによって、前ブレーキキャリパ35及び後ブレーキキャリパ38内のブレーキ液圧を保持するため、前・後ディスクブレーキ16,17で一定のブレーキ力を維持することができる。
この時に、制御装置24はモータ51に停止信号SSを送り、モータ51を停止させ、ポンプ47,48の駆動を停止させる。
【0028】
図7は本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第4作用図である。
図6で説明したブレーキ液圧保持後、図7において、制御装置24は、モータ51に駆動信号DSを送るとともに前輪側ソレノイドバルブ41及び後輪側ソレノイドバルブ43に開信号KSを送る。
【0029】
これにより、モータ51が作動してポンプ47,48を駆動し、前輪側ソレノイドバルブ41及び後輪側ソレノイドバルブ43は開くため、右マスタシリンダ15のブレーキ液圧とABS用圧力調整装置23のブレーキ液圧とが矢印(1)(2)のように前輪用ソレノイドバルブ41を介して前ブレーキキャリパ35内に伝わり、左マスタシリンダ14のブレーキ液圧とABS用圧力調整装置23のブレーキ液圧とが矢印(3)(4)のように後輪用ソレノイドバルブ43を介して後ブレーキキャリパ38内に伝わる。
【0030】
この結果、前ブレーキキャリパ35内のブレーキ液圧及び後ブレーキキャリパ38内のブレーキ液圧は増圧し、前ディスクブレーキ16及び後ディスクブレーキ17のブレーキ力が高まる。
【0031】
以上図5図7で説明したブレーキ液圧減圧、ブレーキ液圧保持、ブレーキ液圧増圧を必要に応じて繰り返してもよい。
ABSの作動を終了させた後は、制御装置24によって、各ソレノイドバルブ41〜44,46,54を図4の状態に戻す。
【0032】
図8は本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第1フロー、図9は本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第2フローであり、図4図7で説明したブレーキ装置30の作用の流れを第1フロー(前半)と第2フロー(後半)に分けて再度説明する。なお、ST××はステップ番号を示す。説明の都合上、ここでは、ブレーキ装置30の前輪側ソレノイドバルブ41,42を第1・第2ソレノイドバルブ、後輪側ソレノイドバルブ43,44を第3・第4ソレノイドバルブ、中間ソレノイドバルブ46を第5ソレノイドバルブ、バイパスソレノイドバルブ54を第6ソレノイドバルブと名称変更する。
ST01……第1・第3ソレノイドバルブを開け、第2・第4・第6ソレノイドバルブを閉じ、第5ソレノイドバルブを開ける。
【0033】
ST02……左・右ブレーキレバーを握り、それぞれ左・右マスタシリンダに入力してブレーキを開始する。
ST03……前・後ブレーキキャリパにブレーキ液圧を作用させる。
ST04……車体速度VB、車輪速度VWを検出する。
【0034】
ST05……スリップ率λがスリップ率所定値λSTより大きいかどうか判断する。(スリップ率λはλ(%)=(VB−VW)/VB×100となる。)
スリップ率λがスリップ率所定値λSTより大きくない、即ち、λ≦λSTである(NO)ならば、ST06に進む。
スリップ率λがスリップ率所定値λSTより大きい(YES)ならば、ST07に進む。
【0035】
ST06……左・右ブレーキレバーから手を放し、左・右マスタシリンダへの入力を解除して、ブレーキを終了する。
ST07……ABS制御を開始する。
この後、結合子C1を介して図9のST08に進む。
【0036】
ST08……第1・第3ソレノイドバルブを閉じ、第2・第4・第6ソレノイドバルブを開け、第5ソレノイドバルブを閉じる。
ST09……モータを作動させ、ポンプを駆動する。
ST10……前・後ブレーキキャリパに作用するブレーキ液圧を減圧する。
ST11……モータを停止させ、ポンプを停止させる。
ST12……第2・第4・第6ソレノイドバルブを閉じて、前・後ブレーキキャリパに作用するブレーキ液圧を保持する。
【0037】
ST13……スリップ率λがスリップ率所定値λSTより小さいか又は等しいかどうか判断する。
スリップ率λがスリップ率所定値λSTより大きい(NO)ならば、ST08に戻る。
スリップ率λがスリップ率所定値λSTより小さいか又は等しい(YES)ならば、ST14に進む。
【0038】
ST14……第1・第3ソレノイドバルブを開ける。
ST15……モータを作動させ、ポンプを駆動する。
ST16……前・後ブレーキキャリパに作用するブレーキ液圧を増圧する。
この場合、ポンプを作動させても、ABS用圧力調整装置内のブレーキ液量が少なく、ポンプから前・後ブレーキキャリパへ吐出するブレーキ液が少ないため、ブレーキ液圧の脈動が小さくなるので、第5ソレノイドバルブを、第1・第3ソレノイドバルブと同じタイミングで開いてもよい。
【0039】
ST17……モータを停止させ、ポンプを停止させる。
ST18……第5ソレノイドバルブを開ける。
この後、結合子C2を介して図8のST03に戻る。
【0040】
以上の図2で説明したように、本発明は、左ブレーキレバー12、ペダル等のブレーキ操作部材を操作することで単一の左マスタシリンダ14内のブレーキ液圧を高め、このブレーキ液圧で左マスタシリンダ14に連結した前ディスクブレーキ16及び後ディスクブレーキ17を共に作動させるとともに、左マスタシリンダ14と前・後ディスクブレーキ16,17との間にABS用圧力調整装置23を設けることでブレーキ操作時に前・後輪21,22の回転がロックするのを防止するようにした自動二輪車10用のブレーキ装置30において、左マスタシリンダ14及びABS用圧力調整装置23の両方と前ディスクブレーキ16とを連結するブレーキ液通路45に、ABS用圧力調整装置23を作動させたときに閉じる中間ソレノイドバルブ46と、前ディスクブレーキ16と後ディスクブレーキ17とに供給するブレーキ液圧の配分を制御する制御バルブ31とをこの順に介在させたことを特徴とする。
【0041】
左マスタシリンダ14及びABS用圧力調整装置23の両方と前ディスクブレーキ16とを連結するブレーキ液通路45に、中間ソレノイドバルブ46と、制御バルブ31とをこの順に介在させたことで、ABS用圧力調整装置23を作動させたときに中間ソレノイドバルブ46を閉じ、制御バルブ31にABS用圧力調整装置23からのブレーキ液圧の脈動が伝わらないようにすることができるため、ブレーキ液圧の脈動に耐え得るように制御バルブ31の強度、特に疲労強度を高める必要がなく、制御バルブ31を小型・軽量にすることができ、また、制御バルブ31の材料費を低減することができる。従って、自動二輪車10(図1参照)の軽量化と製造コスト低減とを図ることができる。
【0042】
尚、本実施の形態の制御バルブは、左マスタシリンダのブレーキ液圧を増加させたときに、所定のブレーキ液圧までは前ブレーキキャリパのブレーキ液圧がほとんど発生せず、所定のブレーキ液圧を越えると、前ブレーキキャリパのブレーキ液圧が発生するものであればよく、例えば、電気的に制御することができるソレノイドバルブでもよい。
また、本発明のブレーキ操作部材は、ブレーキレバーに限らず、ペダルでも差し支えない。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の自動二輪車用ブレーキ装置は、マスタシリンダ及びABS用圧力調整装置の両方と前輪用ブレーキとを連結するブレーキ液通路に、ABS用圧力調整装置を作動させたときに閉じるオンオフバルブと、前輪用ブレーキと後輪用ブレーキとに供給するブレーキ液圧の配分を制御する制御バルブとをこの順に介在させ、ABS用圧力調整装置が、前・後輪用ブレーキに作用するブレーキ液圧を減圧させた後、増圧させようと作動しているときもオンオフバルブが閉じているので、ABS用圧力調整装置を作動させたときにオンオフバルブを閉じて制御バルブにABS用圧力調整装置からのブレーキ液圧の脈動が伝わらないようにすることができるため、ブレーキ液圧の脈動に耐え得るように制御バルブの強度を高める必要がなく、制御バルブを小型・軽量にすることができ、また、制御バルブの材料費を低減することができる。
従って、自動二輪車の軽量化と製造コスト低減とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブレーキ装置を備えた自動二輪車の側面図
【図2】 本発明に係るブレーキ装置の構成図
図3】 本発明に係るブレーキ装置の制御バルブのブレーキ液圧性能を示すグラフ
図4】 本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第1作用図
図5】 本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第2作用図
図6】 本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第3作用図
図7】 本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第4作用図
図8】 本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第1フロー
図9】 本発明に係るブレーキ装置の作用を説明する第2フロー
【符号の説明】
10…自動二輪車、12,13…レバー(左ブレーキレバー、右ブレーキレバー)、14…マスタシリンダ(左マスタシリンダ)、16…前輪用ブレーキ(前ディスクブレーキ)、17…後輪用ブレーキ(後ディスクブレーキ)、21…前輪、22…後輪、23…ABS用圧力調整装置、30…ブレーキ装置、31…制御バルブ、45…ブレーキ液通路、46…オンオフバルブ(中間ソレノイドバルブ)。

Claims (1)

  1. レバー、ペダル等のブレーキ操作部材を操作することで単一のマスタシリンダ内のブレーキ液圧を高め、このブレーキ液圧でマスタシリンダに連結した前輪用ブレーキ及び後輪用ブレーキを共に作動させるとともに、前記マスタシリンダと前・後輪用ブレーキとの間に前記前・後輪用ブレーキに作用するブレーキ液圧を減圧もしくは保持もしくは増圧させてブレーキ操作時に前・後輪の回転がロックするのを防止するABS用圧力調整装置を設けた自動二輪車用ブレーキ装置において
    記マスタシリンダ及び前記ABS用圧力調整装置の両方と前輪用ブレーキとを連結するブレーキ液通路に、前記ABS用圧力調整装置を作動させたときに閉じるオンオフバルブと、前記前輪用ブレーキと前記後輪用ブレーキとに供給するブレーキ液圧の配分を制御する制御バルブとをこの順に介在させ
    前記ABS用圧力調整装置が、前記前・後輪用ブレーキに作用するブレーキ液圧を減圧させた後、増圧させようと作動しているときも前記オンオフバルブが閉じていることを特徴とする自動二輪車用ブレーキ装置。
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