JP4456749B2 - 柔軟媒体物搬送シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば紙,紙幣,通帳,ハガキ,切符,カード,写真フィルムなどの、柔軟性を有するシート状媒体(以下、柔軟媒体物という)を搬送する装置内での、その柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための装置に関する。本発明の装置によるシミュレーションの対象となる具体的な装置は、例えば、柔軟媒体物として紙を搬送する、プリンタ,複写機,ファクシミリや、柔軟媒体物として紙幣や通帳を搬送するATM(Automatic Tellers Machine)などである。
【0002】
【従来の技術】
上述のような柔軟媒体物の、搬送装置内での搬送動作をシミュレートする手法としては、従来、以下のような二つの技術が用いられている。
一つは、例えば特開平9−309665号公報(米国特許5838596号)に開示された技術(給紙搬送用制御シーケンスのためのシミュレーション装置)であり、この技術では、柔軟媒体物である用紙の動きの情報(用紙搬送経路等の情報)を事前に設定しておき、その用紙を両端の位置と長さとで表現しながら、その用紙の動きを計算して表示している。
【0003】
また、もう一つの技術は、DADS(Dynamic Analysis and Design System;サイバネット社製品)等のシミュレータ(機構解析ソフトウェア)として知られるもので、このシミュレータでは、柔軟媒体物の動きについて厳密な力学計算を行なうことにより、その柔軟媒体物の搬送動作を三次元的に解析して表示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、柔軟媒体物を搬送する機構を有する、例えばプリンタ,複写機,ファクシミリ,ATM等の装置のための制御プログラム(ファームウェア)を開発する際や、その装置内における柔軟媒体物の搬送動作のレビューを行なう際などには、柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートしてその様子をディスプレイ上で三次元的に表示することにより、プログラム開発担当者やレビュー対象者等が、その搬送の様子を三次元的に視認して確実に把握できるようにすることが望まれている。
【0005】
例えば、制御プログラムを開発する際には、その制御プログラムと連動して柔軟媒体物の搬送動作をリアルタイムでシミュレートし、柔軟媒体物の搬送の様子を視覚的に確認しながら、その制御プログラムを検証したいという要望がある。また、上述した装置の設計結果のレビューを行なうために、その場で与えられた搬送動作指示に対応して柔軟搬送物の搬送動作をリアルタイムでシミュレートし、その搬送動作を三次元アニメーション映像として表示できるようにすることも要望されている。
【0006】
このような要望に対し、上述した前者の技術では、用紙(柔軟媒体物)についての奥行きの情報が考慮されておらず、また、事前に設定される用紙の動きの情報(例えば用紙搬送経路情報)についても奥行き方向の情報が考慮されていないため、当然、奥行き方向の用紙サイズの違いや、用紙の奥行き方向についての位置ずれなどを表示することができない。つまり、用紙の搬送動作をディスプレイ上で三次元的に表示することができず、プログラム開発担当者やレビュー対象者等は、用紙の搬送動作を三次元的に視認できず、その搬送動作を確実に把握することができないという課題があった。
【0007】
また、上述した後者の技術では、力学的に厳密な計算を行なうため、搬送動作の解析に多大な時間を要し、リアルタイムなシミュレーションを行なうことができない。従って、制御プログラムと連動した搬送動作や、搬送動作指示に応じた搬送動作の三次元的な表示をリアルタイムに行なうことはできないという課題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、簡易な手法で柔軟媒体物の搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的に表示可能にして、柔軟媒体物の搬送の様子を、三次元的に視認し確実に把握できるようにした、柔軟媒体物搬送シミュレーション装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置(請求項1)は、シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための装置であって、該柔軟媒体物のサイズ情報として、該柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さと、該柔軟媒体物の搬送面内において前記搬送方向と直交する幅方向についての幅方向長さとを予め設定する柔軟媒体物設定部と、該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として円弧と直線とにより予め設定する搬送経路設定部と、該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力部と、該搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され該搬送機構による該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするシミュレーション部と、該柔軟媒体物の搬送動作を表示する表示部と、該シミュレーション部によるシミュレーション結果を、該柔軟媒体物の搬送動作として該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、該移動量情報入力部が、ユーザによって操作されるポインティングデバイスとして構成され、該ポインティングデバイスを用いて、該表示部上に表示された、該柔軟媒体物の三次元像を操作することにより、該三次元像の操作量が前記移動量情報として該シミュレーション部に入力されるとともに、該シミュレーション部が、該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報と、該搬送経路設定部により設定された前記三次元搬送経路と、該移動量情報入力部により入力された前記移動量情報とに基づいて、前記三次元搬送経路に沿う該柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、該柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として円弧と直線とを用いて近似的に算出する位置・形状算出部と、該位置・形状算出部により算出された前記三次元搬送位置または前記二次元形状と、該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報とに基づいて、該柔軟媒体物の三次元像を作成し、該三次元像を前記シミュレーション結果として出力する三次元像作成部とをそなえて構成されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の他の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置(請求項2)は、シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための装置であって、該柔軟媒体物のサイズ情報として、該柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さと、該柔軟媒体物の搬送面内において前記搬送方向と直交する幅方向についての幅方向長さとを予め設定する柔軟媒体物設定部と、該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として円弧と直線とにより予め設定する搬送経路設定部と、該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力部と、該搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され該搬送機構による該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするシミュレーション部と、該柔軟媒体物の搬送動作を表示する表示部と、該シミュレーション部によるシミュレーション結果を、該柔軟媒体物の搬送動作として該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、該移動量情報入力部が、ユーザによって操作されるポインティングデバイスとして構成され、該ポインティングデバイスを用いて、該表示部上に表示された、該柔軟媒体物に作用する該搬送機構の構成部品像を操作することにより、該構成部品像の操作量前記移動量情報として該シミュレーション部に入力されるとともに、該シミュレーション部が、該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報と、該搬送経路設定部により設定された前記三次元搬送経路と、該移動量情報入力部により入力された前記移動量情報とに基づいて、前記三次元搬送経路に沿う該柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、該柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として円弧と直線とを用いて近似的に算出する位置・形状算出部と、該位置・形状算出部により算出された前記三次元搬送位置または前記二次元形状と、該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報とに基づいて、該柔軟媒体物の三次元像を作成し、該三次元像を前記シミュレーション結果として出力する三次元像作成部とをそなえて構成されていることを特徴としている。
【0012】
なお、該搬送機構が、該柔軟媒体物に接触して作用するローラを含んで構成されている場合、該ローラの回転量に対する該柔軟媒体物の移動量である移動比率を設定する移動比率設定部をさらにそなえ、該シミュレーション部が、該移動比率設定部により設定された前記移動比率に基づいて該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするように構成してもよい(請求項)。
また、該シミュレーション部が、該柔軟媒体物を、複数の短冊状部材から構成されるとともに該複数の短冊状部材の相互を前記幅方向に平行な軸周りに回転可能に連結して構成される三次元モデルとして取り扱うように構成してもよい(請求項)。
【0013】
上述のような構成により、本発明の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置では、位置・形状算出部により、柔軟媒体物の搬送位置については、円弧と直線とにより予め設定された三次元搬送経路に基づいて三次元的に算出されてシミュレートされるとともに、柔軟媒体物の形状については二次元的に円弧と直線とを用いて近似的に算出されてシミュレートされる。そして、三次元像作成部において、算出された三次元搬送位置または二次元形状に、柔軟媒体物のサイズ情報(幅方向長さ)を加味することにより、柔軟媒体物の位置や形状を表す三次元像が簡易的に作成され、その三次元像がシミュレーション結果(柔軟媒体物の搬送動作)として表示部に表示される。つまり、簡易な手法で柔軟媒体物の搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的に表示することが可能になる。
【0014】
このとき、移動量情報入力部として機能するポインティングデバイスを用い、表示部上の柔軟媒体物の三次元像もしくは搬送機構の構成部品像(例えばローラ像)を操作することで、柔軟媒体物の移動量情報をシミュレーション部に入力することができる。つまり、表示部上に表示された像を参照しながらポインティングデバイスにより入力された移動量情報(搬送動作指示)が、即座に柔軟搬送物の搬送動作のシミュレーションに反映され、その移動量情報に応じた搬送動作がリアルタイムで且つ三次元的に表示される。
【0016】
さらに、シミュレーション部において、シート状の柔軟媒体物を、複数の短冊状部材を相互に回転可能に連結した三次元モデルとして取り扱うことにより、柔軟媒体物の形状変化を、隣り合う短冊状部材どうしの角度を変更するだけで三次元的にシミュレートすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本実施形態の構成の説明
図1は本発明の一実施形態としての柔軟媒体物搬送シミュレーション装置の機能構成を示すブロック図、図2は本発明の一実施形態としての柔軟媒体物搬送シミュレーション装置を実現するためのコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図1および図2に示す本実施形態のコンピュータシステム(例えばパーソナルコンピュータ)1は、シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための装置として機能するものである。
【0019】
ここで、シート状の柔軟媒体物は、例えば紙,紙幣,通帳,ハガキ,切符,カード,写真フィルムなどであり、このような柔軟媒体物を搬送する搬送機構は、例えば、プリンタ,複写機,ファクシミリやATMなどの装置内にそなえられるものである。以下、本実施形態では、用紙〔図20(A)の符号100参照〕や通帳〔帳面状媒体物;図21(A),(B)の符号200参照〕を柔軟媒体物として搬送する場合について説明する。
【0020】
さて、図2に示すように、コンピュータシステム1においては、CPU10とこのCPU10に接続されるバスライン50とがそなえられている。バスライン50には、メモリ(ROM,RAM)20が接続されるとともに、入出力インタフェース51を介してディスプレイ(例えばCRT,LCD,PDP等)30,キーボード40およびマウス41が接続されている。また、バスライン50に、入出力インタフェース52を介して制御プログラム実行部60や外部記憶装置70を接続してもよい。
【0021】
ここで、メモリ20(または外部記憶装置70)には、後述するようなアプリケーションプログラム(柔軟媒体物搬送シミュレーションプログラム)21が格納される。また、メモリ20は、CPU10が柔軟媒体物の搬送動作のシミュレーションを行なう際のワーキングメモリとしても機能するもので、このメモリ20には、後述するようなサイズ情報22,三次元搬送経路情報23,各種パラメータ情報24,三次元搬送位置情報25や二次元形状情報26が格納される。
【0022】
ディスプレイ30は、CPU10(後述する表示制御部14としての機能)によってその表示状態を制御され、CPU10(後述するシミュレーション部13としての機能)によるシミュレーション結果を柔軟媒体物の搬送動作として表示するものである。
【0023】
また、キーボード40およびマウス(ポインティングデバイス)41は、ディスプレイ30における画面を参照したオペレータ(ユーザ)によって操作され、CPU10(コンピュータシステム1)に対して各種指示や各種情報を入力するもので、本実施形態では、柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力部として機能するものである。
【0024】
このとき、キーボード40を移動量情報入力部として用いる場合、このキーボード40からコマンドや移動量を示す数値等が移動量情報としてCPU10(後述するシミュレーション部13)に入力されるようになっている。
また、マウス41を移動量情報入力部として用いる場合、このマウス41を用いて、ディスプレイ30上に表示された、柔軟媒体物の三次元像、もしくは、柔軟媒体物に作用する搬送機構の構成部品像(例えばローラ像)をドラッグ操作することにより、三次元像の操作量と操作方向、もしくは、構成部品像の操作量と操作方向が、移動量情報としてCPU10(後述するシミュレーション部13)に入力されるようになっている。
【0025】
さらに、制御プログラム実行部60は、シミュレーション対象の搬送機構(もしくは、その搬送機構をそなえた装置)の動作を制御する制御プログラムを実行し、柔軟媒体物に作用する構成部品(ローラ等)に対する制御量を算出して出力するものである。本実施形態のシミュレーション装置1においては、制御プログラムの検証を行なう場合、上述のような制御プログラム実行部60が、移動量情報入力部として接続され、この制御プログラム実行部60からの制御量が移動量情報としてCPU10(後述するシミュレーション部13)に入力されるようになっている。
【0026】
一方、メモリ20には、図1に示す柔軟媒体物設定部11,搬送経路設定部12,シミュレーション部13(位置・形状算出部131,三次元像作成部132を含む),表示制御部14,移動比率設定部15,誤差量設定部16および位置設定部17としての機能を実現するためのアプリケーションプログラム(柔軟媒体物搬送シミュレーションプログラム)21が格納されている。
【0027】
そして、CPU10がバスライン50を介してメモリ20から上記アプリケーションプログラム21を読み出して実行することにより、柔軟媒体物設定部11,搬送経路設定部12,シミュレーション部13,表示制御部14,移動比率設定部15,誤差量設定部16および位置設定部17としての機能(その詳細については後述)、つまりは、本発明の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置としての機能が実現されるようになっている。
【0028】
上述したアプリケーションプログラム21は、例えばフレキシブルディスク,CD−ROM等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、コンピュータシステム1はその記録媒体からプログラム21を読み取って内部記憶装置(メモリ20)または外部記憶装置70に転送し格納して用いる。また、そのプログラム21を、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介してコンピュータシステム1に提供するようにしてもよい。
【0029】
柔軟媒体物設定部11,搬送経路設定部12,シミュレーション部13,表示制御部14,移動比率設定部15,誤差量設定部16および位置設定部17としての機能を実現する際には、内部記憶装置(本実施形態ではメモリ20)に格納されたプログラム21がコンピュータのマイクロプロセッサ(本実施形態ではCPU10)によって実行される。このとき、記録媒体に記録されたプログラム21をコンピュータシステム1が直接読み取って実行するようにしてもよい。
【0030】
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。
【0031】
アプリケーションプログラム21は、このようなコンピュータ(コンピュータシステム1)に柔軟媒体物設定部11,搬送経路設定部12,シミュレーション部13,表示制御部14,移動比率設定部15,誤差量設定部16および位置設定部17としての機能を実現させるためのプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラム21ではなくオペレーションシステムによって実現されてもよい。
【0032】
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD−ROM,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することができる。
【0033】
さて、次に、CPU10により実現される各種機能(柔軟媒体物設定部11,搬送経路設定部12,シミュレーション部13,表示制御部14,移動比率設定部15,誤差量設定部16および位置設定部17としての機能)について、詳細に説明する。
【0034】
柔軟媒体物設定部11は、柔軟媒体物のサイズ情報として、柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さL〔図20(A)参照〕と、柔軟媒体物の搬送面内において搬送方向と直交する幅方向(搬送機構の奥行き方向)についての幅方向長さW〔図20(A)参照〕と、柔軟媒体物の厚さt(図示略)を予め設定するもので、実際には、キーボード40等を用いて外部から入力された値L,W,tをサイズ情報22としてメモリ20に書き込むか、もしくは、シミュレーション部13に出力するものである。
【0035】
搬送経路設定部12は、搬送機構内における柔軟媒体物の搬送経路(図11の符号300参照)を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として予め設定するもので、実際には、外部から入力された三次元搬送経路に関する情報を、三次元搬送経路情報23としてメモリ20に書き込むか、もしくは、シミュレーション部13に出力するものである。
【0036】
このとき、搬送経路設定部12は、シミュレーション部13による演算処理を簡単にするため、三次元搬送経路を、円弧と直線とにより設定する。
なお、ここでいう幅方向への偏移とは、柔軟媒体物の横ずれ,スキューといった動きを予め考慮して設定されるものである。
【0037】
また、図11は本実施形態において設定される搬送経路300の例を示す図であり、この図11中の円は、搬送機構の構成部品であるローラを示している。図11に示すごとく、本実施形態でシミュレーション対象となる搬送機構は、柔軟媒体物に接触して作用しながらこの柔軟媒体物を搬送するローラを、構成部品として有している。
【0038】
移動比率設定部15は、上述のようなローラの回転量に対する柔軟媒体物の移動量である移動比率Pを設定するもので、キーボード40等を用いて外部から入力された所望の移動比率Pの値を各種パラメータ情報24としてメモリ20に書き込むか、もしくは、移動比率を自動的に生成してシミュレーション部13に出力するものである。移動比率設定部15が移動比率Pの値を自動的に生成する場合、移動比率設定部15は、その移動比率Pを所定の統計分布(例えば図32に示すような正規分布)に従ってランダムに生成して設定するように構成される。
【0039】
誤差量設定部16は、所定の誤差量eを設定するもので、キーボード40等を用いて外部から入力された所望の誤差量eの値を各種パラメータ情報24としてメモリ20に書き込むか、または、誤差量eを自動的に生成してシミュレーション部13に出力するものである。誤差量設定部16が誤差量eを自動的に生成する場合、誤差量設定部16は、その誤差量eを所定の統計分布(例えば図32に示すような正規分布)に従ってランダムに生成して設定するように構成される。なお、上述した所定の誤差量eは、後述するごとく柔軟媒体物の振れをシミュレートすべく、搬送経路設定部12により設定された三次元搬送経路における、所定区間の経路長Dに加算されるものである。
【0040】
位置設定部17は、異常発生位置(所定位置)を設定するもので、キーボード40等を用いて外部から入力された所望の異常発生位置を各種パラメータ情報24としてメモリ20に書き込むか、もしくは、異常発生位置を自動的に生成してシミュレーション部13に出力するものである。位置設定部17が異常発生位置を自動的に生成する場合、位置設定部17は、その異常発生位置を所定の統計分布(例えば図32に示すような正規分布)に従ってランダムに生成して設定するように構成される。なお、上述した異常発生位置は、後述するごとく、搬送シミュレーションに際して柔軟媒体物の搬送異常(ジャム,ローラ滑り等)が発生する位置として指定されるものである。
【0041】
シミュレーション部13は、搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され、その搬送機構による柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするもので、その際、柔軟媒体物設定部11,搬送経路設定部12,移動比率設定部15,誤差量設定部16および位置設定部17から入力された情報、もしくは、メモリ20から読み出したサイズ情報22,三次元搬送経路情報23および各種パラメータ情報24を用い、さらに、必要に応じ、前回のシミュレーション結果である三次元搬送位置情報25および二次元形状情報26をメモリ20から読み出して考慮する。
【0042】
このシミュレーション部13は、位置・形状算出部131および三次元像作成部132としての機能を有している。
位置・形状算出部131は、サイズ情報22,三次元搬送経路情報23および各種パラメータ情報24と、マウス41あるいは制御プログラム実行部60から入力された移動量情報とに基づいて、三次元搬送経路に沿う柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として算出するものである。このとき、位置・形状算出部131は、現在の柔軟媒体物の三次元搬送位置(メモリ20内の情報25)からの変位量や、現在の柔軟媒体物の二次元形状(メモリ20内の情報26)からの変化量として、移動量情報に応じた三次元搬送位置や二次元形状を算出している。
【0043】
また、三次元像作成部132は、位置・形状算出部131により算出された三次元搬送位置または二次元形状と、サイズ情報22とに基づいて、柔軟媒体物の三次元像を作成し、その三次元像をシミュレーション結果として出力するものである。
【0044】
このとき、三次元像作成部132は、柔軟媒体物の二次元形状に、サイズ情報22に含まれる幅方向長さ(奥行き)Wを一様に与えることにより、柔軟媒体物の三次元像を簡易的に作成している。さらに、三次元像作成部132は、柔軟媒体物の二次元形状に、サイズ情報22に含まれる厚さtを一様に与えることにより、厚さtをも考慮した柔軟媒体物の三次元像を簡易的に作成している。
【0045】
ここで、シミュレーション部13において、図20(A)に示すような用紙(柔軟媒体物)100は、図20(B)および図20(C)に示すごとく、複数の短冊状部材101から構成され、且つ、これらの短冊状部材101の相互を幅方向に平行な回転軸102の周りに回転可能に連結して構成される三次元モデルとして取り扱われる(下記項目〔2−6〕参照)。なお、図20(A)〜図20(C)は本実施形態における用紙(柔軟媒体物)100のモデルを説明するための模式的な斜視図である。
【0046】
さらに、位置・形状算出部131は、以下のような機能▲1▼〜▲6▼を用いて柔軟媒体物の三次元搬送位置や二次元形状を算出し、柔軟媒体物の搬送動作のシミュレーションを行なっている。
▲1▼位置・形状算出部131は、演算処理を簡単にするため、二次元形状を、円弧と直線とを用いて近似的に算出する。その詳細については図13および図14を参照しながら後述する(下記項目〔2−3〕参照)。
【0047】
▲2▼移動量情報が、柔軟媒体物に対する力の作用点の位置を固定した状態で入力された場合、位置・形状算出部131が、柔軟媒体物に対する力の固定作用点の位置と、移動量情報とに基づいて、二次元形状を算出する。その詳細については図5および図12(A)〜図13(B)を参照しながら後述する(下記項目〔2−3〕参照)。
【0048】
このとき、柔軟媒体物が、図21(A)および図21(B)に示すごとく、複数のページ201からなる通帳(帳面状媒体物)200である場合、固定作用点の位置は、通帳201の、外部に露出したページ上に制限されるようになっている(下記項目〔2−5〕参照)。
【0049】
▲3▼移動量情報が、柔軟媒体物に対する力の作用点の位置が変動するように入力された場合、位置・形状算出部131が、柔軟媒体物における作用点の位置を認識しながら、移動量情報に基づいて二次元形状を算出する。その詳細については図6および図16(A)〜図19(B)を参照しながら後述する(下記項目〔2−4〕参照)。
【0050】
このとき、柔軟媒体物が前述した通帳200である場合、図21(A)および図21(B)に示すように、各ページ201のページ番号0〜4を予め定義しておき、ページ番号に基づいて作用点の存在するページを、作用点の位置とともに認識することにより、通帳200のページめくり動作のシミュレーションが行なわれるようになっている。その詳細については図7〜図10および図22(A)〜図25(C)を参照しながら後述する(下記項目〔2−5〕参照)。なお、図21(A),図21(B)は本実施形態における通帳(帳面状媒体物)200の各ページに関する変数の定義を説明するための図である。
【0051】
▲4▼位置・形状算出部131が、移動比率設定部15により設定された移動比率Pに基づいて柔軟媒体物の三次元搬送位置や二次元形状を算出し、柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートする。その詳細については図31を参照しながら後述する(下記項目〔2−10〕参照)。
【0052】
▲5▼位置・形状算出部131は、搬送経路設定部12により設定された三次元搬送経路における、所定区間の経路長Dに、誤差量設定部16により設定された誤差量eを加算した値を用いて、三次元搬送位置を算出することにより、所定区間を搬送される柔軟媒体物の振れをシミュレートする。その詳細については図26(A)〜図27(B)を参照しながら後述する(下記項目〔2−8〕参照)。
【0053】
▲6▼位置・形状算出部131は、位置設定部17により設定された所定位置(異常発生位置)に柔軟媒体物が到達した時点で、三次元搬送位置をその所定位置に固定することにより、もしくは、柔軟媒体物の搬送速度が減速するように三次元搬送位置を算出することにより、その所定位置で柔軟媒体物の搬送異常が生じたことをシミュレートする。その詳細については図28(A)〜図30を参照しながら後述する(下記項目〔2−9〕参照)。
【0054】
表示制御部14は、シミュレーション部13によるシミュレーション結果(柔軟媒体物の三次元搬送位置や二次元形状)を、柔軟媒体物の搬送動作としてディスプレイ30に表示させるものである。
【0055】
〔2〕本実施形態の動作の説明
次に、上述のごとく構成された柔軟媒体物搬送シミュレーション装置1の動作について、図3〜図32を参照しながら説明する。
〔2−1〕シミュレーション処理の流れ全体の説明
まず、図3に示すフローチャート(ステップS1〜S8)に従って、本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置1によるシミュレーション処理の流れ全体について説明する。
【0056】
なお、ここでは、シミュレーション処理を開始するのに先立ち、柔軟媒体物設定部11,搬送経路設定部12,移動比率設定部15,誤差量設定部16および位置設定部17により、メモリ20に、サイズ情報22,三次元搬送経路情報23および各種パラメータ情報24(移動比率P,誤差量e,異常発生位置等)が設定されているものとする。このとき、三次元搬送経路情報23には、前述したような三次元搬送経路のほか、搬送機構を成す構成部品(柔軟媒体物に作用するローラ等)の位置も設定されている。
【0057】
図3に示すように、CPU10(シミュレーション部13)においては、マウス41もしくは制御プログラム実行部60からの移動量情報の入力有無を判断しており(ステップS1)、移動量情報が入力されると(ステップS1のYESルート)、その移動量情報が、▲1▼柔軟媒体物全体の移動,▲2▼柔軟媒体物の固定作用点による移動,▲3▼柔軟媒体物の不定作用点による移動,▲4▼帳面状媒体物に対するページめくりのいずれに係るものであるかを判断する(ステップS2)。
【0058】
移動量情報が、▲1▼柔軟媒体物全体の移動に係るものであると判断された場合、CPU10(位置・形状算出部131)は、図4に示すフローチャート(ステップS11〜S13)に従って、柔軟媒体物全体の移動シミュレーション処理を実行する(ステップS3;下記項目〔2−2〕参照)。
【0059】
移動量情報が、▲2▼柔軟媒体物の固定作用点による移動に係るものであると判断された場合、CPU10(位置・形状算出部131)は、図5に示すフローチャート(ステップS21〜S26)に従って、柔軟媒体物の固定作用点による移動シミュレーション処理を実行する(ステップS4;下記項目〔2−3〕参照)。
【0060】
移動量情報が、▲3▼柔軟媒体物の不定作用点による移動に係るものであると判断された場合、CPU10(位置・形状算出部131)は、図6に示すフローチャート(ステップS31〜S38)に従って、柔軟媒体物の不定作用点による移動シミュレーション処理を実行する(ステップS5;下記項目〔2−4〕参照)。
【0061】
移動量情報が、▲4▼帳面状媒体物に対するページめくりに係るものであると判断された場合、CPU10(位置・形状算出部131)は、図7〜図10に示すフローチャート(ステップS31′〜S36′,S41〜S58,S61〜S72)に従って、帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理を実行する(ステップS6;下記項目〔2−5〕参照)。
【0062】
ステップS3〜S6のいずれかにおいてシミュレーション処理を完了すると、CPU10(三次元像作成部132)により、そのシミュレーション結果である三次元搬送位置や二次元形状に基づいて、その三次元搬送位置に存在する柔軟媒体物の三次元像、あるいは、その二次元形状を有する柔軟媒体物の三次元像が作成される(ステップS7)。
【0063】
そして、CPU10(表示制御部14)は、三次元像作成部132によって作成された三次元像を、ディスプレイ30上に表示させるように、ディスプレイ30の表示状態を制御する(ステップS8)。これにより、柔軟媒体物の三次元像が、例えば図25(A)〜図25(C)に示すように表示される。図25(A)〜図25(C)に示す表示例は、帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理結果に対応するもので、その表示内容の詳細については後述する。
表示制御後に、CPU10(シミュレーション部13)は、ステップS1に戻り、移動量情報の入力待ち状態となる。
【0064】
次に、上述したステップS3〜S6における各シミュレーション処理の詳細について、図12(A)〜図19(B)および図21(A)〜図25(C)を参照しながら、図4〜図10に示すフローチャートに従って説明する。また、本実施形態のシミュレーション部13が有する、その他の機能について、図11,図20(A)〜図20(C)および図26(A)〜図32を参照しながら説明する。
なお、以下の説明において、柔軟媒体物の位置や形状は、二次元平面上で説明する。ほとんどの搬送機構は二次元平面上で動きを記述することができる。
【0065】
〔2−2〕柔軟媒体物全体の移動シミュレーション処理の説明
移動量情報が、▲1▼柔軟媒体物全体の移動に係るものであると判断された場合、柔軟媒体物全体の移動シミュレーション処理は、図4のフローチャート(ステップS11〜S13)に示す手順で実行される。
なお、前述した通り、シミュレーション処理の開始前には、柔軟媒体物の三次元搬送経路が三次元搬送経路情報23としてメモリ20に予め設定されている。この三次元搬送経路は、幅方向への偏移を含むものであるが、図11に示すごとく、基本的に二次元平面上において直線と円弧との組み合わせで作成・設定される。
【0066】
位置・形状算出部131は、柔軟媒体全体の移動操作による移動量を入力されると(ステップS11)、まず、柔軟媒体物の現在の両端位置(端点位置)を、入力された移動量だけ、三次元搬送経路に沿って移動させ、新しい両端位置を求める(ステップS12)。
【0067】
これにより、柔軟媒体物の位置が決まるので、次いで三次元搬送経路上で、柔軟媒体物が存在する範囲を求め、その範囲の三次元搬送経路の形状に基づいて柔軟媒体物の形状を算出・決定する(ステップS13)。このとき、三次元搬送経路は、前述の通り、直線と円弧との組み合わせにより設定されているので、柔軟媒体物の形状も、直線と円弧の組み合わせで表現されることになる。
【0068】
〔2−3〕柔軟媒体物の固定作用点による移動シミュレーション処理の説明移動量情報が、▲2▼柔軟媒体物の固定作用点による移動に係るものであると判断された場合、柔軟媒体物の固定作用点による移動シミュレーション処理は、図5のフローチャート(ステップS21〜S26)に示す手順で実行される。その手順を図12(A)〜図15を参照しながら説明する。
【0069】
なお、図12(A)および図12(B)は制約条件が無い場合の柔軟媒体物100の変形状態を説明するための図、図13(A)および図13(B)は制約条件が有る場合の柔軟媒体物100の変形状態を説明するための図、図14は、本実施形態における、制約条件が無い場合の柔軟媒体物100の形状近似手法を説明するための図、図15は、本実施形態における、制約条件が有る場合の柔軟媒体物100の形状近似手法を説明するための図である。
【0070】
ここで、柔軟媒体物100に対する力の作用点の位置を固定した状態での移動量情報の入力は、例えば、ディスプレイ30上に表示された柔軟媒体物の三次元像の所望点(固定作用点)を、マウス41により指定し、その所望点についての移動量(変位量)や移動方向を入力することによって行なわれる。
【0071】
以下の説明では、図12(A)〜図13(B)に示すごとく、柔軟媒体物100の一方の端もしくは両端を固定作用点として指定し、各固定作用点の移動量(移動方向は三次元搬送経路に沿う方向とする)を移動量情報として入力した場合について説明する。
【0072】
なお、図12(A)および図12(B)では、制約条件の無い状態の柔軟媒体物(用紙)100の両端間距離が、図12(A)に示すLから図12(B)に示すW1(<L)へ圧縮されるように、移動量を入力した例を示す。また、図13(A)および図13(B)では、2つのローラ301,302による制約を受ける柔軟媒体物(用紙)100のローラ間用紙長が、図13(A)に示すごとくローラ間距離W2と等しい状態から、図13(B)に示すL2(>W2)となるように、移動量を入力した例を示す。
【0073】
位置・形状算出部131は、上述のごとく柔軟媒体物100上の固定作用点(ここでは両端もしくは一端)に対する移動量を入力されると(ステップS21)、その移動量と柔軟媒体物100の現在の位置(メモリ20の三次元搬送位置情報25)とに基づいて、移動後の両端の位置を算出する(ステップS22)。このとき、用紙100の大きさ(搬送方向長さL)以上に両端を移動させようとした場合には、その移動量入力操作を無視する。
【0074】
そして、位置・形状算出部131は、柔軟媒体物100が現在存在している搬送経路上の位置(三次元搬送位置情報25)に基づいて制約条件があるか否かをチェックする(ステップS23)。
ここで、制約条件の有無は、柔軟媒体物100と干渉して柔軟媒体物100の形状に影響を与える要素(搬送機構の構成部品であるローラ等)の存在の有無と等価であり、図12(A)および図12(B)には制約条件が無い例が示されている。また、図13(A)および図13(B)には、前述した通り2つのローラによって柔軟媒体物100の一部の形状変形に制約が加えられる場合、つまり、ローラによる制約条件が有る例が示されている。
【0075】
図12(A)および図12(B)に示すように制約条件が無い場合(ステップS23のNOルート)、位置・形状算出部131は、柔軟媒体物100の長さLと両端移動後の両端間距離W1とに基づいて、柔軟媒体物100の二次元形状を算出する(ステップS24)。その二次元形状の算出は、図14を参照しながら説明する手法により近似的に行なわれる。
【0076】
一方、図13(A)および図13(B)に示すように制約条件が有る場合(ステップS23のYESルート)、位置・形状算出部131は、その制約条件に関する情報を入力された後(ステップS25)、柔軟媒体物100が制約を受けている位置の間隔つまりローラ間距離W2と、そのローラ間における柔軟媒体物100の長さ(用紙長)L2とに基づいて、柔軟媒体物100の二次元形状を算出する(ステップS26)。その二次元形状の算出は、図15を参照しながら説明する手法により近似的に行なわれる。
【0077】
位置・形状算出部131において用いられる形状算出手法としては、様々ものがある。
例えば、前述したLおよびW1と、実際の柔軟媒体物100の形状パターンとの関係、もしくは、前述したW2およびL2と、実際の柔軟媒体物100の形状パターンとの関係を予めテーブルとして登録しておく。そして、制約条件が無い場合、サイズ情報22として得られる長さLと、入力された移動量に基づいて算出される両端間距離W1(=L−移動量)とをキーにしてテーブルを検索することにより、形状パターンを得る。一方、制約条件が有る場合、三次元搬送経路情報23として得られるロー間距離W2と、入力された移動量に基づいて算出される用紙長L2(=W2+移動量)とをキーにしてテーブルを検索することにより形状パターンを得る。
【0078】
上述のごとくテーブルを検索して形状パターンを得る手法のほか、材料力学の座屈の計算に基づいて柔軟媒体物100の形状を求める手法や、柔軟媒体物100の形状を円弧や直線により簡易的に記述・算出する形状近似手法などがある。本実施形態では、上記形状近似手法が採用されており、その手法について図14および図15を参照しながら説明する。
【0079】
通常、搬送機構の解析に際して柔軟媒体物100の正確な形状を考慮する必要はなく、その形状を円弧により簡易かつ近似的に記述することができていれば十分である。
制約条件が無い場合には、柔軟媒体物100の二次元形状を示す曲線を、図14に示すような円弧として近似し、前述したLとW1に基づいて、その円弧の半径Rと角度αとを算出する。LおよびW1と、Rおよびαとの間には、下式(1)および(2)の関係があるので、これらの式(1)および(2)から、円弧の半径Rおよび角度αは極めて容易に算出される。
【0080】
1=2*R*sin(α/2) (1)
L =R*α (2)
【0081】
一方、制約条件がある場合には、2つのローラ301,302間における柔軟媒体物100の二次元形状を示す曲線を、図15に示すような4つの円弧により近似することができる。これらの円弧は、いずれも、半径R2および角度α2を有している。L2およびW2と、R2およびα2との間には、下式(3)および(4)の関係があるので、これらの式(3)および(4)から、円弧の半径R2および角度α2は極めて容易に算出される。
【0082】
2/4=R2*sin(α2) (3)
2/4=R22 (4)
【0083】
〔2−4〕柔軟媒体物の不定作用点による移動シミュレーション処理の説明移動量情報が、▲3▼柔軟媒体物の不定作用点による移動に係るものであると判断された場合、柔軟媒体物の不定作用点による移動シミュレーション処理は、図6のフローチャート(ステップS31〜S38)に示す手順で実行される。その手順を図16(A)〜図19(B)を参照しながら説明する。
【0084】
なお、図16(A)〜図18(B)はいずれも柔軟媒体物100と2つのローラ301,302との位置関係が変化するタイミングを説明するための図で、図16(A)および図16(B)は、柔軟媒体物100がローラから抜けるタイミング例を示し、図17(A)および図17(B)は、柔軟媒体物100がローラ302と接触するタイミング例を示し、図18(A)および図18(B)は、ローラ301,302間における柔軟媒体物100の膨らみが消えるタイミング例を示している。また、図19(A)および図19(B)は、2つのローラ301,302の速度差によって、搬送中の柔軟媒体物100に膨らみが生じる状況を説明するための図である。
【0085】
ここで、柔軟媒体物100に対する力の作用点の位置が変動する状態での移動量情報の入力は、例えば、移動量情報が、柔軟媒体物100に接触して作用するローラ301,302の回転量(操作量,制御量)を入力することによって行なわれる。
【0086】
本実施形態では、図16(A)〜図19(B)に示すような、ローラ301,302と柔軟媒体物100との接触点を、柔軟媒体物100の不定作用点として扱う場合について説明する。このとき、ローラ301,302の位置にある柔軟媒体物100の微小領域が、各ローラ301,302の回転に応じて移動するものと考える。
【0087】
この場合、1回の入力として各ローラ301,302の回転量が移動量情報として与えられ、その回転量に応じて柔軟媒体物100を移動している途中で、ローラ302から柔軟媒体物100が抜けたり、柔軟媒体物100がローラ302と新たに接触したりすることがある。また、2以上のローラ301,302が柔軟媒体物100に接触・作用する場合には、ローラ301,302間における力関係によって、ローラ301,302の回転量が決まることがある。
【0088】
このような状況に対して、本実施形態の位置・形状算出部131は、ローラ301,302と柔軟媒体物100との位置関係が変化するタイミング(後述する比ratio)を算出し、そのタイミングの前後で分けて、柔軟媒体物100の動きや形状を算出する。即ち、柔軟媒体物100の不定作用点による移動シミュレーション処理を行なう際、柔軟媒体物100の移動に伴いローラ301,302からの作用点の位置が変化するので、位置・形状算出部131は、計算毎に作用点の位置を求め、その作用点の変位に基づいて柔軟媒体物100の位置・形状を計算している。
【0089】
図6に示すフローチャート(ステップS31〜S38)に従って、柔軟媒体物100の不定作用点による移動シミュレーション処理について説明する。
なお、1回の移動量情報の入力操作に応じて、複数のローラ(1〜n;複数の不定作用点)と接触する柔軟媒体物100が存在する場合、各ローラ(不定作用点)による移動量qi(i=1〜n)を求め、その移動量を配列Q〔n〕として保存しておく。例えば図16(A)〜図19(B)に示すごとく、2つのローラ301,302が柔軟媒体物100に接触・作用している場合には、1回の入力操作に応じた、各ローラ301,302による移動量q1,q2が求められることになる。
【0090】
また、以下の説明では、ある不定作用点(ローラ)iについて、1回の入力操作に応じた全移動時間(もしくは全移動量)をTとし、その入力操作に応じて移動を開始してから、不定作用点(ローラ)iと柔軟媒体物100との位置関係が変化するまでの時間をSとし、これらの比S/Tを移動比率ratio-iとしている。当然、1回の入力操作により前記位置関係の変化が無い場合には、ratio-i=1となる。
【0091】
位置・形状算出部131は、1回の移動量情報の入力操作に応じて得られた前記配列Q〔n〕を入力されると(ステップS31)、まず、各ローラiについての移動比率ratioを、全て最大値“1”に初期設定した後(ステップS32)、今回の入力操作で、各ローラiと柔軟媒体物100との位置関係に変化が生じるか否かを調べる。各ローラi(301,302)と柔軟媒体物100との位置関係が変化するタイミングの種類としては、次の3つがある。
【0092】
▲1▼柔軟媒体物100がローラiから抜けるタイミング〔図16(A)および図16(B)参照〕。
▲2▼柔軟媒体物100が新たにローラiと接触するタイミング〔図17(A)および図17(B)参照〕。
▲3▼ローラ間における柔軟媒体物100の膨らみが消えるタイミング〔図18(A)および図18(B)参照〕。
【0093】
上述した▲3▼のタイミングでは、次のような理由で位置関係が変化するものと考える。ローラ間において柔軟媒体物100に膨らみがある場合、図18(A)および図18(B)に示すローラ302は、入力操作の通りに回転することができる。しかし、柔軟媒体物100の膨らみが無くなると、それ以降は、ローラ302を回転させようとしてもローラ301の影響を受けて、ローラ302は入力操作の通りに回転することができなくなり、ローラ301の回転に依存してローラ302の回転動作が決まることになる。
【0094】
例えば、ローラ301の回転方向とローラ302の回転方向とが逆であれば、柔軟媒体物100を引っ張り合うことになるので、ローラ302の回転は制限される。このように、膨らみがある場合と無い場合ではローラ302の回転量が変化するので、本実施形態では、柔軟媒体物100の膨らみが無くなるタイミングを、位置関係の変化タイミングとして捉えている。
【0095】
位置・形状算出部131は、ローラ1〜nの中から、柔軟媒体物100に作用するローラを選択し(ステップS33)、現時点から、柔軟媒体物100とローラとの位置関係が最初に変化するまでの移動時間(または移動量)Sを求めるとともに、その移動時間(移動量)Sと、今回の入力操作に伴うローラの全移動時間(全移動量)Tとの比である移動比率ratioを算出する(ステップS34)。このとき、今回の入力操作に伴い上述のような位置関係の変化が生じる場合、S<Tであり、移動比率ratioは1未満の値となる。一方、位置関係の変化が生じない場合には、移動比率ratio=1とする。
【0096】
そして、位置・形状算出部131は、現時点から、柔軟媒体物100とローラとの位置関係が最初に変化するまでの、各ローラiの移動量を、移動比率ratioに相当する移動量qi*ratioとして算出した後(ステップS35)、算出された各ローラiの移動量に基づいて、柔軟媒体物100の三次元搬送位置および二次元形状を算出する(ステップS36)。柔軟媒体物100の三次元搬送位置や二次元形状の算出手法としては、ステップS12,S13,S22,S24,S26において用いられる、前述と同様の手法が用いられる。
【0097】
このとき、隣り合うローラ301および302が同じ回転方向に回転していても速度差があると、図19(A)および図19(B)に示すように柔軟媒体物100に膨らみが生じたり、あるいは、柔軟媒体物100を引っ張り合ったりすることになる。引っ張り合う場合は、どちらか一方のローラ301,302が滑るかまたは回転しないことになるが、このような状況は、ローラ301,302の摩擦係数やモータのトルクなどによって決まる。処理を簡単にするために、上述のような状況では、両方のローラ301,302の回転を止めてしまうといった手法を用いてもよい。
【0098】
位置・形状算出部131は、柔軟媒体物100の位置・形状を算出した後、ステップS34で算出された移動比率ratioの値に基づいて、処理を終了するか否かを判定する(ステップS37)。ここでは、移動比率ratioが“1”であるか否かに応じて、終了判定を行なっている。
【0099】
ステップS34で算出された移動比率ratioが“1”であるということは(ステップS37のYESルート)、各ローラiと柔軟媒体物100との位置関係に変化が無かったということである。この場合、ステップS35において、今回の入力操作に応じた全移動量による位置・形状算出を完了しているので、位置・形状算出部131は処理を終了する。
【0100】
一方、ステップS34で算出された移動比率ratioが“1”でない場合(ステップS37のNOルート)、今回の入力操作に応じた全移動量による位置・形状算出を未だ完了しておらず、位置関係の変化後の移動量に応じた処理を続行する必要がある。そこで、位置・形状算出部131は、各ローラiの残りの移動量をqi*(1−ratio)として算出し、その移動量qi*(1−ratio)を各ローラiの全移動量(全移動時間)に置き換えた後(ステップS38)、再びステップS32に戻り、前述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0101】
ここで、図16(A)〜図18(B)に示す具体的な例を、図6に示すフローチャートに適用した場合について説明する。
図16(A)および図16(B)に示すごとく、柔軟媒体物100がローラ302から抜けるタイミングで位置関係の変化が生じる場合、最初のループのステップS33において2つのローラ301および302が選択され、ステップS34において、今回入力された全移動量(全移動時間)Tに対する、柔軟媒体物100がローラ302から抜けるまでの移動量(移動時間)Sの比S/Tが、移動比率ratioとして算出される。
【0102】
移動量Sだけ移動するタイミングの前後でローラ302と柔軟媒体物100との位置関係が変化するので、最初のループのステップS35およびS36において、そのタイミングまでの柔軟媒体物100の動き(位置や形状)が算出され、柔軟媒体物100の三次元搬送位置情報25および二次元形状情報26が更新される。
【0103】
このとき、移動比率ratio=S/Tが1未満であれば、ステップS37のNOルートを通り、ステップS38において、全移動量(全移動時間)がTからT*(1−S/T)=T−Sに置き換えられてから、ステップS32へ、つまり2回目のループへ移行する。
【0104】
2回目のループでは、ステップS33においてローラ301だけが選択される。さらに、ローラ301による残りの移動量T−Sでは、柔軟媒体物100がローラ301を抜けることがないので、ステップS34において移動比率ratioとして“1”が算出される。
そして、ステップS35およびS36において、前回の柔軟媒体物100の位置・形状に対して、ローラ301による今回の移動量(T−S)を考慮した、柔軟媒体物100の動き(位置・形状)が算出され、柔軟媒体物100の三次元搬送位置情報25および二次元形状情報26が更新される。
【0105】
なお、もしローラ301による残りの移動量T−Sに応じて柔軟媒体物100がローラ301を抜ける場合には、前述した最初のループと同様の処理が行なわれ、ステップS37のNOルートを通って、3回目のループへ移行することになる。また、最初のループにおいて、全移動量Tに応じて柔軟媒体物100が移動してもローラ302から抜けない場合には、ステップS34で算出される移動比率ratioが“1”となり、位置・形状算出部131は、柔軟媒体物100の位置・形状を算出した後、ステップS37のYESルートを通って処理を終了する。
【0106】
図17(A)および図17(B)に示すごとく、柔軟媒体物100が新たにローラiと接触するタイミングで位置関係の変化が生じる場合、最初のループのステップS33においてローラ301が選択され、ステップS34において、今回入力された全移動量(全移動時間)Tに対する、柔軟媒体物100が新たにローラ302に接触するまでの移動量(移動時間)Sの比S/Tが、移動比率ratioとして算出される。
【0107】
前述した通り、移動量Sだけ移動するタイミングの前後でローラ302と柔軟媒体物100との位置関係が変化するので、最初のループにおけるステップS35およびS36において、そのタイミングまでの柔軟媒体物100の動き(位置や形状)が算出され、柔軟媒体物100の三次元搬送位置情報25および二次元形状情報26が更新される。
【0108】
このとき、移動比率ratio=S/Tが1未満であれば、ステップS37のNOルートを通り、ステップS38において、全移動量(全移動時間)がTからT*(1−S/T)=T−Sに置き換えられてから、ステップS32へ、つまり2回目のループへ移行する。
【0109】
2回目のループでは、ステップS33においてローラ301および302が選択される。さらに、残りの移動量T−Sでは、柔軟媒体物100がローラ301を抜けることがないので、ステップS34において移動比率ratioとして“1”が算出される。
そして、ステップS35およびS36において、前回の柔軟媒体物100の位置・形状に対して、ローラ301による今回の移動量(T−S)を考慮した、柔軟媒体物100の動き(位置・形状)が算出され、柔軟媒体物100の三次元搬送位置情報25および二次元形状情報26が更新される。
【0110】
なお、もしローラ301による残りの移動量T−Sに応じて柔軟媒体物100がローラ301を抜ける場合には、前述した最初のループと同様の処理が行なわれ、ステップS37のNOルートを通って、3回目のループへ移行することになる。また、最初のループにおいて、全移動量Tに応じて柔軟媒体物100が移動しても新たにローラ302と接触しない場合には、ステップS34で算出される移動比率ratioが“1”となり、位置・形状算出部131は、柔軟媒体物100の位置・形状を算出した後、ステップS37のYESルートを通って処理を終了する。
【0111】
図18(A)および図18(B)に示すごとく、ローラ301,302間における柔軟媒体物100の膨らみが消えるタイミングで位置関係の変化が生じる場合、最初のループのステップS33においてローラ301および302が選択され、ステップS34において、今回入力された全移動量(全移動時間)Tに対する、柔軟媒体物100の膨らみが消えるまでの移動量(移動時間)Sの比S/Tが、移動比率ratioとして算出される。
【0112】
前述した通り、移動量Sだけ移動するタイミングの前後でローラ302と柔軟媒体物100との位置関係が変化する。つまり、柔軟媒体物100の膨らみが無くなるまでは、ローラ302は制約なく回転することが可能であるが、柔軟媒体物100の膨らみが無くなると、ローラ302はローラ301よりも速く回転することができなくなる。
【0113】
従って、最初のループにおけるステップS35およびS36において、そのタイミングまでの柔軟媒体物100の動き(位置や形状)が算出され、柔軟媒体物100の三次元搬送位置情報25および二次元形状情報26が更新される。
このとき、移動比率ratio=S/Tが1未満であれば、ステップS37のNOルートを通り、ステップS38において、各ローラ301,302についての全移動量(全移動時間)がTからT*(1−S/T)=T−Sに置き換えられてから、ステップS32へ、つまり2回目のループへ移行し、以降は、前述と同様の処理が繰り返し実行される。
【0114】
〔2−5〕帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理の説明移動量情報が、▲4▼帳面状媒体物に対するページめくりに係るものであると判断された場合、帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理は、図7〜図10のフローチャート(ステップS31′〜S36′,S41〜S58,S61〜S72)に示す手順で実行される。その手順を図21(A)〜図25(C)を参照しながら説明する。
【0115】
なお、図7は帳面状媒体物(通帳200)に対するページめくりシミュレーション処理の流れ全体を説明するためのフローチャート、図8〜図10はそのページめくりシミュレーション処理の詳細を説明するためのフローチャートである。また、図21(A)および図21(B)は、前述した通り、本実施形態における通帳200の各ページに関する変数の定義を説明するための図、図22(A)〜図24(B)はいずれも本実施形態でのページめくりシミュレーション処理を説明するための図、図25(A)〜図25(C)は本実施形態におけるシミュレーション結果の表示例を示す図である。
【0116】
ここでは、搬送機構において、本や通帳などの複数ページからなる柔軟媒体物(帳面状媒体物)を搬送する場合のシミュレーション処理について説明する。帳面状媒体物としての通帳200〔図21(A)および図21(B)参照〕が、1枚だけの柔軟媒体物100と異なる点は、一方の端が綴じ目となり他の柔軟媒体物と連結されている点である。
【0117】
なお、通帳200の全体の移動シミュレーション処理は、図4に示したフローチャートに従って実行される。その際、通帳200は1枚ずつ移動することはないので、通帳200の全てのページ201に共通の移動操作変数を設定し、その変数を用いて移動量情報を入力する。全体移動のシミュレーション処理は、1枚の用紙(柔軟媒体物)100の時とほぼ同様であるが、位置・形状算出部131において、各ページ201の厚さを考慮して計算を行ない、搬送経路からのオフセット量を付けて、通帳200の位置を決定する。
【0118】
通帳200に対する、固定作用点による移動シミュレーション処理は、図5に示したフローチャートに従って実行される。ただし、その際、固定作用点の位置は、通帳(帳面状媒体物)200の、外部に露出したページ201上に制限される。つまり、外部に見えているページ(開いているページ)201だけに、操作を加えられるよう、操作対象が制限される。これにより、1枚だけの柔軟媒体物100に対してシミュレーションを行なう場合と同様にして、位置・形状の算出を行なうことができる。
【0119】
そして、通帳200に対する、不定作用点による移動シミュレーション処理、即ち、ローラによるページめくりシミュレーション処理は、図7〜図10に示すフローチャートに従って実行される。
ここで、通帳200のページ構成と現在のページ番号との定義について、図21(A)および図21(B)により説明する。図21(A)および図21(B)に示す通帳200は、5枚のページ201(全ページ数N=5)を有しており、各ページにはページ番号0〜4が付与されている。
【0120】
本実施形態においては、図21(A)に示すごとく、通帳200を閉じ且つページ番号0のページ201(表紙)が一番上に配置された状態を、ページp=0として取り扱う。また、図21(B)に示すごとく、図21(A)に示す状態から通帳200のページ201を1枚だけめくって通帳200のページ番号0,1を開いた状態を、ページp=1として取り扱う。
【0121】
以下同様に、通帳200のページ番号1,2を開いた状態をページp=2、通帳200のページ番号2,3を開いた状態をページp=3、通帳200のページ番号3,4を開いた状態をページp=4として取り扱う。そして、図21(A)に示す例とは逆に、通帳200を閉じ且つ最後のページ201(ページ番号N−1=4;裏表紙)が一番上に配置された状態を、ページp=N=5として取り扱う。
【0122】
位置・形状算出部131は、入力された移動量情報が通帳200に対するページめくりに係るものであると判断した場合には、まず、現在のページ番号による処理の振り分けを、図7に示すフローチャートに従って行なう。
つまり、位置・形状算出部131は、通帳200の現在の状態を示すページpと、通帳200の全ページ数Nとを取得し(ステップS31′)、p=0であるか否か〔つまり、通帳200が図21(A)に示すような状態であるか否か〕を判断する(ステップS32′)。
【0123】
p=0である場合(ステップS32′のYESルート)、位置・形状算出部131は、通帳200の一番上に配置された、ページ番号0のページ(柔軟媒体物)201に対し、図8に示すフローチャート(サブルーチンSR1)に従った位置・形状計算を実行する(ステップS33′)。
p=0でない場合(ステップS32′のNOルート)、位置・形状算出部131は、p=Nであるか否か〔つまり、通帳200が最後のページ201(ページ番号N−1のページ)を一番上に配置した状態であるか否か〕を判断する(ステップS34′)。
【0124】
p=Nである場合(ステップS34′のYESルート)、位置・形状算出部131は、通帳200の一番上に配置された、ページ番号N−1のページ(柔軟媒体物)201に対し、図8に示すフローチャート(サブルーチンSR1)に従った位置・形状計算を実行する(ステップS35′)。
一方、p=Nでない場合(ステップS34′のNOルート)、つまり、p=1〜N−1の場合、位置・形状算出部131は、通帳200が、現在、ページ番号p−1,pのページ201を開いた状態であると認識し、これらのページ(柔軟媒体物)201に対し、図10に示すフローチャート(サブルーチンSR3)に従った位置・形状計算を実行する(ステップS36′)。
【0125】
〔2−5−1〕表紙/裏表紙に対するページめくりシミュレーション処理の説明
通帳200の表紙もしくは裏表紙に対するページめくりシミュレーション処理(サブルーチンSR1)の詳細な手順について、図22(A)〜図24(B)を参照しながら、図8に示すフローチャート(ステップS41〜S50)に従って説明する。
【0126】
サブルーチンSR1では、図22(A)〜図24(B)に示すごとく、通帳200の一番上のページ(表紙もしくは裏表紙)201に対し、上側からローラ301,302が接触しており、そのローラ301,302による移動量を算出してページめくり動作のシミュレーションを行なう。その際、表紙や裏表紙よりも下のページ201にローラ301が接触して作用を及ぼす場合がある。そのような場合のページめくり動作のパターンを図22(A)〜図24(B)に示す。
【0127】
図22(A)および図22(B)に示すパターンでは、複数のローラ301,302による移動に伴い、通帳200の全体が移動するとともに、端のローラ301から一番上のページ(柔軟媒体物)201が抜ける。このパターンでは、ローラ301によってめくられるページ201は、最初は表紙もしくは裏表紙であるが、1回の入力操作による移動の途中から、表紙や裏表紙の下のページになっている。このとき、1回の入力操作による全移動時間(全移動量)をT、ローラ301,302による移動を開始した後、下のページ201にローラ301が接触するまでの移動時間(移動量)をVとすると、一番上のページ(表紙もしくは裏表紙)201はT時間分移動し、下のページ201は(T−V)時間分移動する。
【0128】
図23(A)および図23(B)に示すパターンでも、複数のローラ301,302による移動に伴い、通帳200の全体が移動するが、このパターンでは、一番上のページ(柔軟媒体物)201が、最初から端のローラ301から抜けている。つまり、このパターンでは、最初から下のページ201がローラ301によってめくられることになり、上のページ201も下のページ201もT時間分移動する。
【0129】
図24(A)および図24(B)に示すパターンでは、通帳200の一番上のページ(柔軟媒体物)201に接触・作用しているローラ301が1つだけであり、1回の入力操作による移動の途中で、ローラ301から一番上のページ(柔軟媒体物)201が抜けている。このとき、一番上のページ201はV時間分移動し、下のページ201は(T−V)時間分移動する。
【0130】
ローラ301,302によるページめくり動作のパターンとしては、以上のようなものがあるが、いずれのパターンにおいても上のページと下のページとが連動してめくられることを考慮する必要がある。以下に説明するサブルーチンSR1〜SR3による処理では、上述のようなページめくり動作の連動が考慮されている。
【0131】
さて、図8に示すサブルーチンSR1において、位置・形状算出部131は、処理対象のページ201のページ番号p2として入力されると(ステップS41)、そのページ番号p2に応じて、ページ増減用のパラメータincを設定する(ステップS42)。ここで入力されるページ番号p2は、0またはN−1のいずれか一方であり、p2=0の場合(表紙からめくる場合)には、ページめくり動作に応じてページ番号p2が増加するようにincとして“+1”を設定する一方、p2=N−1の場合(裏表紙からめくる場合)には、ページめくり動作に応じてページ番号p2が減少するようにincとして“−1”を設定する。
【0132】
そして、位置・形状算出部131は、通帳200の、綴じ目の現在位置をpos1として得てから(ステップS43)、ページ番号p2のページ(柔軟媒体物)201の位置・形状計算を、図9に示すサブルーチンSR2(ステップS51〜S58)に従って実行し、途中でローラ301からページ201が抜ける場合には、移動比率ratioを算出する(ステップS44)。
【0133】
ここで、サブルーチンSR2による処理について説明する。サブルーチンSR2のステップS51〜S58は、それぞれ、図6に示したフローチャート(不定作用点による移動シミュレーション処理)におけるステップS31〜S38に対応している。
【0134】
つまり、位置・形状算出部131は、1回の移動量情報の入力操作に応じて得られた、各ローラの全移動量(配列Q)を入力されると(ステップS51)、まず、各ローラについての移動比率ratioを、全て最大値“1”に初期設定した後(ステップS52)、今回の入力操作で、ページ201とローラ301との位置関係に変化が生じるか否か、つまり、ページ201がローラ301から抜けるか否かを調べる。
【0135】
位置・形状算出部131は、複数のローラの中から、ページ201に接触・作用するローラ301,302を選択し(ステップS53)、現時点から、ページ201とローラ301との位置関係が最初に変化するまでの移動時間(または移動量)Vと、移動比率ratioとを算出する(ステップS54)。
【0136】
ここで、移動時間Vは、現時点から、ページ201とローラ301との位置関係が最初に変化するまでの移動時間である。特に、ローラ301からページ201が抜ける場合、その移動時間Vは、現時点から、下のページ201がローラ301による作用を受けて移動を始めるまでの時間となる。今回の入力操作に伴うローラ301の全移動時間(全移動量)Tとすると、移動比率ratioは、V/Tとして算出される。このとき、今回の入力操作に伴い上のページ201がローラ301から抜ける場合、V<Tであり、移動比率ratioは1未満の値となる。一方、上のページ201がローラ301から抜けない場合、即ち、下のページ201にローラ301が作用しない場合は、移動比率ratio=1とする。
【0137】
そして、位置・形状算出部131は、現時点から、上のページ(柔軟媒体物)201とローラ301との位置関係が最初に変化するまでの、各ローラ301,302の移動量を、移動比率ratioに相当する移動量qi*ratio(i=1,2)として算出した後(ステップS55)、算出された各ローラ301,302の移動量に基づいて、上のページ201の三次元搬送位置や二次元形状を算出する(ステップS56)。このとき、三次元搬送位置や二次元形状の算出手法としては、ステップS12,S13,S22,S24,S26において用いられる、前述と同様の手法が用いられる。
【0138】
位置・形状算出部131は、上のページ201の位置・形状を算出した後、上のページ(柔軟媒体物)201がローラ301から抜けるか否か、または、ステップS54で算出された移動比率ratioの値が“1”であるか否かに応じ、サブルーチンSR2の終了判定を行なっている(ステップS57)。
上のページ201がローラ301から抜ける場合(ステップS57のYES判定)、位置・形状算出部131は、サブルーチンSR2を終了してサブルーチンSR1に戻り、後述するごとくページ番号p2の更新処理等を行なう。
【0139】
また、ステップS54で算出された移動比率ratioの値が“1”である場合(ステップS57のYES判定)、各ローラ301,302と上のページ201との位置関係に変化が無かったということである。この場合、ステップS55において、今回の入力操作に応じた全移動量による、ページ201の位置・形状算出を完了しているので、位置・形状算出部131は、サブルーチンSR2を終了してサブルーチンSR1に戻る。
【0140】
一方、上のページ(柔軟媒体物)201がローラ301から抜けず、且つ、ステップS54で算出された移動比率ratioが“1”でない場合(ステップS37のNOルート)、位置・形状算出部131は、位置関係の変化後の移動量に応じた処理を続行する。つまり、位置・形状算出部131は、各ローラ301,302の残りの移動量を、qi*(1−ratio)として算出し、その移動量qi*(1−ratio)を各ローラ301,302の全移動量(全移動時間)に置き換えた後(ステップS58)、再びステップS52に戻り、前述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0141】
サブルーチンSR2を終了すると、位置・形状算出部131は、通帳200の新しい綴じ目の位置をpos2として求めるとともに、この新しい綴じ目の位置pos2と前回の綴じ目の位置pos1との差pos2−pos1を、通帳200の移動量moveとして算出した後(ステップS45)、ステップS44(サブルーチンSR2)において算出された移動比率ratioが“1”であるか否かを判定する(ステップS46)。
【0142】
移動比率ratio=1である場合(ステップS46のYESルート)、今回の入力操作に応じた全移動量による位置・形状算出を完了しているので、位置・形状算出部131は、下のページ201の全体(通帳200)を、ステップS45で算出された移動量moveだけ移動させ(ステップS47)、ページめくりのシミュレーション処理を終了する。
【0143】
一方、移動比率ratio=1でない場合(ステップS46のNOルート)、位置・形状算出部131は、ページ番号p2をp2+incに更新してから(ステップS48)、更新後のページ番号p2が0未満(p2<0)であるか否か、もしくは、全ページ数N以上(p2>N−1)であるか否かを判定する(ステップS49)。
更新後のページ番号p2が0未満もしくは全ページ数N以上である場合(ステップS49のYESルート)、通帳200の全ページをめくり終わった状態であるので、位置・形状算出部131は処理を終了する。
【0144】
また、更新後のページ番号p2が0以上N未満である場合(ステップS49のNOルート)、今回の入力操作に応じてページめくりが続行される状態であるので、位置・形状算出部131は、ローラ301,302の移動量を、qi*(1−ratio)として設定するとともに、ステップS45で得られた綴じ目位置p2をp1に置き換えた後(ステップS50)、再びステップS44に戻り、前述と同様の処理を繰り返し実行する。
【0145】
上述のような処理においては、ページ番号p2のページ201が上のページとして扱われ、ページ番号(p2+inc)のページ201が下のページとして扱われ、下のページ201にローラ301の影響(作用)が及ぶ限り、下のページ201に対するページめくりシミュレーションが続行される。なお、下のページ201に対する移動量としては、ステップS50にて前述した通り、ローラ301の最初の移動量q1を(1−ratio)倍にした値を設定する。ただし、下のページ201でローラ301に接触しない部分の移動は、上のページ201に連動するものとする。
【0146】
以上のようなページめくりシミュレーション処理の結果に基づいて三次元像作成部132により作成され、ディスプレイ30上に表示された柔軟媒体物(ページ201)の三次元像の例を、図25(A)〜図25(C)に示す。これらの図25(A)〜図25(C)に示すように、ディスプレイ30上には、搬送機構を成すローラ301,302の三次元像(構成部品像)も表示される。
【0147】
図25(A)の三次元像は、上のページ201にローラ301,302が接触しており、上のページ201に対するページめくりを開始する直前の状態を示すものである。この図25(A)に示す状態からページめくりが開始され、図25(B)では、ローラ301が下のページ(図示略)に接触する直前(位置関係が変化する直前)となった状態での三次元像が示されている。また、図25(C)の三次元像は、上のページ201がローラ301から抜け、この上のページ201がローラ301の上方へめくり上がった状態を示すものである。
【0148】
〔2−5−2〕見開きページに対するページめくりシミュレーション処理の説明
通帳200の見開きページに対するページめくりシミュレーション処理(サブルーチンSR3)の詳細な手順について、図10に示すフローチャート(ステップS61〜S72)に従って説明する。
【0149】
サブルーチンSR3では、見開きページL,Rの両方を移動させる。見開きページL,Rのそれぞれに対して、ローラによる移動計算を行なうと、計算後にこれらのページL,Rを連結するのが難しい。そこで、サブルーチンSR3では、後述するごとく、見開きの2枚のページL,Rを1枚のページ(柔軟媒体物)Mと見なして、ページMの位置・形状を計算している。
なお、2枚のページL,Rを連結すると、連結部(綴じ目)の位置が分からなくなるので、その位置は最後に計算する。なお、サブルーチンSR3による処理においても、図22(A)〜図24(B)により前述した、ページめくり動作の連動が考慮されている。
【0150】
さて、図10に示すサブルーチンSR3において、位置・形状算出部131は、見開きの2枚のページL,Rとしてページ番号p−1pを設定・入力されると(ステップS61)、これらのページL,Rを連結して1枚のページMを作成し(ステップS62)、通帳200の、綴じ目の現在位置をpos1として求める(ステップS63)。
【0151】
この後、位置・形状算出部131は、ページ(柔軟媒体物)Mの位置・形状計算を、図9に示すサブルーチンSR2(ステップS51〜S58)に従って実行し、途中でローラからページMが抜ける場合は、移動比率ratioを算出する(ステップS64)。なお、サブルーチンSR2による処理については、前述した通りであるので、その説明は省略する。
【0152】
サブルーチンSR2を終了すると、位置・形状算出部131は、サブルーチンSR2による処理後のページMからページLとページRとを作成し(ステップS65)、通帳200の新しい綴じ目の位置をpos2として算出し(ステップS66)、この新しい綴じ目の位置pos2と前回の綴じ目の位置pos1との差pos2−pos1を、通帳200の移動量moveとして算出した後(ステップS67)、ステップS64(サブルーチンSR2)において算出された移動比率ratioが“1”であるか否かを判定する(ステップS68)。
【0153】
移動比率ratio=1である場合(ステップS68のYESルート)、今回の入力操作に応じた全移動量による位置・形状算出を完了しているので、位置・形状算出部131は、下のページの全体(通帳200)を、ステップS67で算出された移動量moveだけ移動させ(ステップS69)、ページめくりのシミュレーション処理を終了する。
【0154】
一方、移動比率ratio=1でない場合(ステップS68のNOルート)、位置・形状算出部131は、ローラから抜けたページがLであるならばL=L−1、またローラから抜けたページがRであるならばR=R+1の、ページ番号の更新を行なってから(ステップS70)、更新後のページLが0未満(L<0)であるか否か、もしくは、更新後のページRが全ページ数N以上(R>N−1)であるか否かを判定する(ステップS71)。
更新後のページLが0未満もしくは更新後のページRが全ページ数N以上である場合(ステップS71のYESルート)、通帳200の全ページをめくり終わった状態であるので、位置・形状算出部131は処理を終了する。
【0155】
また、更新後のページLが0以上もしくは更新後のページRがN未満である場合(ステップS71のNOルート)、今回の入力操作に応じてページめくりが続行される状態であるので、位置・形状算出部131は、ローラの移動量を、qi*(1−ratio)として設定するとともに、ステップS66で得られた綴じ目位置p2をp1に置き換えた後(ステップS72)、再びステップS64に戻り、前述と同様の処理を繰り返し実行する。
上述のような処理により、サブルーチンSR3おいても、下のページにローラの影響(作用)が及ぶ限り、下のページに対するページめくりシミュレーションが続行される。
【0156】
〔2−6〕柔軟媒体物の三次元モデルの説明
上述したように、柔軟媒体物100,200の動きや形状の計算結果を三次元モデルとして高速に表示することが要望されているが、曲面で構成される柔軟媒体物モデル(三次元像)を精度良く生成するには、多大な計算コストがかかる。
そこで、本実施形態においては、柔軟媒体物としての用紙100や通帳200の各ページ201を、前述した通り、図20(A)〜図20(C)に示すような三次元モデルとして取り扱うことにより、三次元像生成部132が、位置・形状算出部131により得られた二次元形状から、曲面で構成される柔軟媒体物モデル(三次元像)を、極めて簡易に且つ精度良く生成できるようになっている。
【0157】
つまり、図20(A)に示す、搬送方向長さがLで幅方向長さがWの柔軟媒体物100(ページ201)は、図20(B)に示すように、複数の短冊状部材101から構成され、且つ、これらの短冊状部材101の相互を幅方向に平行な回転軸102の周りに回転可能に連結して構成される三次元モデルとして取り扱われる。これにより、柔軟媒体物100(201)の形状変化(変形)を、隣接する短冊部材101間の角度を変えるだけで表現することができる。
【0158】
〔2−7〕柔軟媒体物の移動手法の説明
ところで、入力された移動量に対して、柔軟媒体物100(ページ201)を移動させる手法としては、関節を使う手法と経路を使う手法とがある。
前者の関節を使う手法では、例えば、ローラによって柔軟媒体物が送られる場合、ローラに回転関節を設定するとともに柔軟媒体物にスライド関節を設定し、これら2種類の関節の間に、移動量に関する関係を設定する。この関係は、例えば、回転関節がa度回転したらスライド関節がbmm移動するというような比例関係等である。関節、および、関節間の関係を予め設定しておくことにより、ローラに回転量が入力されると、その回転量に応じて柔軟媒体物を並進移動させることができる。
【0159】
一方、後者の経路を使う手法では、予め柔軟媒体物100,200が移動する搬送経路を設定しておき、その搬送経路に沿って柔軟媒体物を移動させていく。本実施形態では、この手法が採用されており、図11を参照しながら前述した通り、柔軟媒体物100,200の搬送経路300が搬送経路設定部12により三次元搬送経路情報23として予め設定されている。
そして、位置・形状算出部131により、柔軟媒体物100,200の搬送経路上での位置や搬送経路に沿う動きが、三次元搬送経路情報23に基づいて極めて簡易に算出できるようになっている。
【0160】
〔2−8〕柔軟媒体物の振れシミュレーションの説明
次に、本実施形態のシミュレーション部13において実行される、柔軟媒体物100の振れのシミュレーション処理について、図26(A)〜図27(B)を参照しながら説明する。
なお、図26(A)および図26(B)は柔軟媒体物が理想的な搬送経路に沿って搬送される状態を示す図、図27(A)および図27(B)は柔軟媒体物が理想的な搬送経路に対して振れながら搬送される状態を示す図である。
【0161】
本実施形態のシミュレーション部13では、上述のごとく、予め設定された搬送経路300に沿って柔軟媒体物100を移動させているが、柔軟媒体物100の振れのシミュレーションを行なう際、この搬送経路300を、理想的な搬送経路(定常の搬送経路)として設定する。
【0162】
実際の搬送では、柔軟媒体物100はぶれたり振動したりしながら移動していく。これにより、同じ移動量を指令しても、柔軟媒体物100の位置に差が出てくる場合がある。
この様子をシミュレーション部13により再現するため、本実施形態では、前述した通り、誤差量設定部16により、理想の搬送経路に対する誤差量eを設定することができるようになっている。
【0163】
例えば図26(A)に示すように柔軟媒体物100の先端がローラ302の位置に到達した状態から、図26(B)に示すように、柔軟媒体物100が理想的な搬送経路に沿って搬送され、その先端がローラ301の位置に到達する場合、柔軟媒体物100の先端の移動距離は、ローラ301,302間における、理想的な搬送経路による経路長(直線長)Dとなる。
このとき、ローラ302に対する柔軟媒体物100の移動比率をPとすると、柔軟媒体物100の先端をローラ302からローラ301まで移動させるために必要なローラ302の回転量RはD/Pとなる。
【0164】
これに対して、本実施形態の位置・形状算出部131では、搬送経路設定部12により設定された三次元搬送経路における、所定区間(例えばローラ301,302間)の経路長Dに、誤差量設定部16により設定された誤差量eを加算した値を用いて、三次元搬送位置が算出される。
【0165】
つまり、搬送経路の中で、誤差をのせたい所定区間(柔軟媒体物100に振れが生じる区間)を設定し、その所定区間の経路長が理想的にはD(mm)となるところを、誤差がある時(振れが生じる時)には、その区間を通過するための経路長がD+e(mm)となるように設定する。この誤差量eは一定値であってもよいし、ランダムな値であってもよい。
【0166】
例えば図27(B)に示すように柔軟媒体物100の先端がローラ302の位置に到達した状態から、図27(B)に示すように、柔軟媒体物100が理想的な搬送経路に対して振れながら搬送され、その先端がローラ301の位置に到達する場合、柔軟媒体物100の先端の移動距離は、前記経路長Dと誤差量eとを加算した値として取り扱われる。
【0167】
このとき、ローラ302に対する柔軟媒体物100の移動比率としてPが予め設定されているものとすると、柔軟媒体物100の先端をローラ302からローラ301まで移動させるために必要なローラ302の回転量R’は(D+e)/Pとなる。
【0168】
理想的な搬送経路に対して柔軟媒体物100が振れていても、見かけ上振れていないように柔軟媒体物100の搬送位置を計算するために、柔軟媒体物100の先端が前記所定区間に入ると、位置・形状算出部131においては、予め設定された移動比率PにD/(D+e)を乗算して補正し、補正後の移動比率P’=P*D/(D+e)を用いる。これにより、所定区間を搬送される柔軟媒体物100の振れをシミュレートすることができる。
【0169】
〔2−9〕柔軟媒体物のジャム発生シミュレーションの説明
次に、本実施形態のシミュレーション部13において実行される、柔軟媒体物100のジャム発生シミュレーション処理について、図28(A)〜図30を参照しながら説明する。
なお、図28(A)〜図28(C)は通常の搬送シミュレーション状態を説明するための図、図29(A)〜図29(C)は本実施形態におけるジャム発生時の搬送シミュレーション状態を説明するための図、図30は本実施形態におけるジャム発生シミュレーション手法を説明するための図である。
【0170】
ジャム等の異常が発生しない通常の搬送シミュレーションでは、柔軟媒体物100は、例えば図28(A)〜図28(C)に順に示すように、柔軟媒体物100は、ローラ302,301の回転に伴って搬送されていく。
しかし、柔軟媒体物100の搬送機構では、柔軟媒体物100が搬送途中で何かに引っかかって止まってしまったり、ローラ301,302が滑って正確に柔軟媒体物100を搬送できなかったりといった異常状態が多く発生し問題となっている。
【0171】
従って、このような異常状態をシミュレーションでも再現する必要がある。上記異常状態によって生じる現象は、搬送動作から見ると、柔軟媒体物100の動きが止まるか、減速することである。
そこで、例えば、柔軟媒体物100が、ローラ302により搬送され、図29(A)に示す位置から図29(B)に示す位置(ジャム位置)に達したら、図29(C)に示すごとく柔軟媒体物100の搬送動作を停止・減速させることにより、ローラ302が回転しても柔軟媒体物100が移動しないようにして、ローラ302,301間の搬送経路上でジャムが発生したことをシミュレートする。
【0172】
このような現象を実際に再現・シミュレートするために、本実施形態では、事前に設定される搬送経路上において、異常状態が発生する位置Pj(図30参照)を、位置設定部17により前述した異常発生位置(各種パラメータ24の一つ)として予め設定・保存しておく。
そして、図30に示すように、搬送シミュレーション中に柔軟媒体物100がその異常発生位置Pjに達した場合、柔軟媒体物100の三次元搬送位置をその位置Pjに固定・停止させることにより、もしくは、柔軟媒体物100の搬送速度が減速するように三次元搬送位置を算出することにより、その位置Pjで柔軟媒体物100の搬送異常が生じたことをシミュレートする。
【0173】
なお、異常発生位置Pjは、搬送経路上において事前に設定しておいてもよいし、ランダムに生成されてもよい。また、搬送シミュレーション中に、オペレータ(ユーザ)が、マウス41等を用いて任意のタイミングで異常発生位置Pjを指定し、柔軟媒体物100の移動停止/減速の指令を与え、位置・形状算出部131が、その指令を受けた場合に、柔軟媒体物100の動きを停止または減速するようにしてもよい。
【0174】
〔2−10〕ローラに対する柔軟媒体物の移動量(移動比率)の説明
ローラによって柔軟媒体物100を移動させる場合、ローラの回転速度と柔軟媒体物100の移動速度とを関連付ける必要がある。通常、ローラによる搬送に際しては、滑りが生じるため、柔軟媒体物100を、滑りの全く無い理想的な状態で搬送することはできない。
【0175】
図31は、ローラ301に対する柔軟媒体物100の移動量(移動比率P)を説明するための図であり、この図31に示すように、ローラ301の回転量Rに対して、柔軟媒体物(用紙)100がVだけ移動する場合、その比(移動比率)P(=V/R)が求められる。例えばローラ301の半径をr、回転量Rの単位がdegreeとすれば、P=2πr/360となる。しかし、この移動比率Pは、ローラ301のゴムの状態や柔軟媒体物(用紙)100の状態などによって変化する。
【0176】
本実施形態では、上述のような移動比率Pを、移動比率設定部15により自由に設定できるようになっている。このように予め設定された移動比率Pを用い、シミュレーション時には、ローラの回転角(回転量R)の、移動比率P分を、柔軟媒体物100の移動量Vとして使用することで、様々な状況における搬送動作をシミュレートすることができる。
【0177】
〔2−11〕各種パラメータのランダム設定の説明
前述した、誤差量eや、異常発生位置Pjや、ローラ301と柔軟媒体物100との移動比率P等のパラメータは、実際には、ある幅をもった値(不確定なパラメータ)である。このようなパラメータ幅を再現すべく、本実施形態では、平均値と標準偏差Aとにより図32に示すような正規分布を設定し、その正規分布に従って、ランダムにパラメータが変更されるようにしている。なお、図32は本実施形態におけるパラメータのランダム設定時に用いられる統計分布例(正規分布)を示す図である。
【0178】
つまり、移動比率設定部15により移動比率Pを自動的に設定する際や、誤差量設定部16により誤差量eを自動的に設定する際や、位置設定部17により異常発生位置Pjを自動的に設定する際には、各設定部15〜17により、各パラメータ(移動比率P,誤差量e,異常発生位置Pj)が、所定の統計分布(例えば図32に示すような正規分布)に従ってランダムに生成されて設定される。
なお、図32に示すような正規分布に代えて、最小/最大値を設定し、一様分布として前記所定の統計分布を設定し、このような一様分布に従ってパラメータをランダムに設定・変更するようにしてもよい。
【0179】
〔3〕本実施形態の効果の説明
このように、本発明の一実施形態としての柔軟媒体物搬送シミュレーション装置1によれば、以下のような効果ないし利点が得られる。
〔3−1〕位置・形状算出部131において、柔軟媒体物100,200の搬送位置は、予め設定された三次元搬送経路に基づいて三次元的にシミュレートされるとともに、柔軟媒体物100,200の形状は二次元的にシミュレートされる。そして、三次元像作成部132において、位置・形状算出部131により得られた三次元搬送位置または二次元形状に、柔軟媒体物100,200のサイズ情報(幅方向長さW)22を加味することにより、柔軟媒体物100,200の三次元像が簡易的に作成され、その三次元像がディスプレイ30に表示される。従って、簡易な手法で柔軟媒体物100,200の搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的〔例えば図25(A)〜図25(C)参照〕に表示することが可能になり、ユーザは、柔軟媒体物100,200の搬送の様子を、三次元的に視認し確実に把握することができる。
【0180】
〔3−2〕三次元搬送経路に沿った柔軟媒体物100,200の搬送位置(幅方向の偏移を含む搬送位置)が表示されるので、柔軟媒体物100,200の幅方向の移動を規制しうるガイド(図示せず)との干渉状況や、柔軟媒体物100,200の幅方向位置を検出しうるセンサ(図示せず)の動作状況を容易に確認することが可能になるほか、柔軟媒体物100,200の搬送時に、幅方向(奥行き方向)に柔軟媒体物100,200がずれていく状況(横ずれ,スキューの状況)を再現しディスプレイ30上で表示することもできる。
【0181】
〔3−3〕ディスプレイ30上に表示された三次元像を参照しながらマウス(ポインティングデバイス)41により入力された移動量情報を、即座に柔軟搬送物100,200の搬送動作のシミュレーションに反映させて、その移動量情報に応じた搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的にディスプレイ30上に表示することができる。従って、例えば、搬送機構を有する装置の設計結果のレビューを行なうような場合には、その場でマウス41により搬送動作指示をしながら、柔軟搬送物100,200の搬送動作を、リアルタイムで三次元アニメーション映像としてディスプレイ30上に表示し、レビュー対象者に確実に視認・把握させることができる。
【0182】
〔3−4〕マウス41を用いて搬送機構の構成部品像(例えばローラ像)を操作することによっても、柔軟媒体物100,200の移動量情報をシミュレーション部13に入力することができるので、ある一つの構成部品(ローラ301あるいは302)を指定し、その構成部品の動作に伴う柔軟媒体物100,200の搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的にディスプレイ30上に表示でき、その構成部品の動作状況を容易に確認することが可能になる。
【0183】
〔3−5〕制御プログラム実行部60からの制御量(移動量情報)を、即座に柔軟搬送物100,200の搬送動作のシミュレーションに反映させ、その制御量に応じた搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的にディスプレイ30上に表示することができる。従って、例えば、搬送機構を有する装置のための制御プログラムを開発する際には、その制御プログラムと連動した柔軟媒体物100,200の搬送動作を、リアルタイムで三次元アニメーション映像としてディスプレイ30上に表示し、プログラム開発担当者に確実に視認・把握させることが可能になり、制御プログラム開発の効率化に大きく寄与することになる。
【0184】
〔3−6〕移動比率Pは、ローラ301,302を成すゴム等の状態や柔軟媒体物100,200の状態に応じて変化するものであるので、移動比率設定部15を用いて移動比率Pを自由に設定することにより、様々な状況における搬送動作をシミュレートすることができる。このとき、移動比率Pを、図32に示したような所定の統計分布に従ってランダムに設定することで、ランダムに生じる状況変化を搬送動作のシミュレーションに反映させることができる。
【0185】
〔3−7〕シミュレーション部13において、シート状の柔軟媒体物100(201)を、複数の小さい部品モデル(短冊状部材101)を相互に回転可能に連結した三次元モデルとして取り扱うことにより、柔軟媒体物100(201)の形状変化を、隣り合う短冊状部材101どうしの角度を変更するだけで三次元的にシミュレートすることができる。従って、柔軟媒体物100,201の形状算出を大幅に簡易化することができるほか、柔軟媒体物100,201の三次元像も極めて容易に作成することができる。
【0186】
〔3−8〕柔軟媒体物100,200の三次元搬送経路や二次元形状を、円弧と直線とにより表現することで、柔軟媒体物100,200の三次元搬送位置や二次元形状の算出を大幅に簡易化することができる。
【0187】
〔3−9〕マウス41や制御プログラム実行部60などにより、柔軟媒体物100に対する力の作用点の位置を固定した状態で移動量情報を入力した場合、位置・形状算出部131により、柔軟媒体物100に対する力の固定作用点の位置と、入力された移動量情報とに基づいて、柔軟媒体物100の二次元形状が算出される。これにより、柔軟媒体物100上のある位置(固定作用点)を指定しその位置に対して力が作用した時の、柔軟媒体物100の二次元形状をシミュレートして、そのシミュレーション結果を三次元像としてディスプレイ30上に表示することができる。従って、ユーザは、上述のような力が柔軟媒体物100に作用した状況を、三次元的に視認し確実に把握することができる。
【0188】
〔3−10〕このとき、柔軟媒体物が、複数のページからなる帳面状媒体物(通帳)200である場合、固定作用点の位置を、帳面状媒体物200の、外部に露出したページ201上に制限することにより、ページ201を一枚ずつめくる動作等をディスプレイ30上で容易に再現することができる。
【0189】
〔3−11〕マウス41や制御プログラム実行部60などにより、柔軟媒体物100に対する力の作用点の位置が変動するようにして移動量情報を入力した場合、位置・形状算出部131により、柔軟媒体物100における作用点の位置を認識しながら、入力された移動量情報に基づいて、柔軟媒体物100の二次元形状が算出される。これにより、搬送機構の構成部品(ローラ301,302等)が柔軟媒体物100に接触しながらこの柔軟媒体物100を駆動する場合の、柔軟媒体物100の二次元形状をシミュレートして、そのシミュレーション結果を三次元像としてディスプレイ30上に表示することができる。従って、ユーザは、搬送機構の構成部品により柔軟媒体物100が駆動される状況を、三次元的に視認し確実に把握することができる。
【0190】
〔3−12〕このとき、柔軟媒体物が、複数のページからなる帳面状媒体物(通帳)200である場合、各ページ201のページ番号を予め定義しておき、そのページ番号に基づいて作用点の存在するページ201を、その作用点の位置とともに認識することにより、搬送機構の構成部品(ローラ301等)によりページ201をめくる動作をディスプレイ30上で容易に再現することができる。
【0191】
〔3−13〕位置・形状算出部131において、三次元搬送経路における所定区間の経路長Dに所定の誤差量eを加算した値を用いて三次元搬送位置を算出することにより、その所定区間を搬送される柔軟媒体物100の振れがシミュレートされる。実際の搬送に際しては、柔軟媒体物100は理想的な搬送経路からぶれたり振動したりすることになるが、上述のような誤差量eを加味することで、そのぶれや振動(振れ)を極めて容易にシミュレートすることができる。このとき、誤差量eを、図32に示したような所定の統計分布に従ってランダムに設定することにより、ランダムに生じる振れを搬送動作のシミュレーションに反映させることができる。
【0192】
〔3−14〕位置・形状算出部131において、柔軟媒体物100が所定位置Pjに到達した時点で、三次元搬送位置をその所定位置Pjに固定することにより、もしくは、柔軟媒体物100の搬送速度が減速するように三次元搬送位置を算出することにより、その所定位置Pjで柔軟媒体物100の搬送異常が生じたことをシミュレートすることができる。即ち、柔軟媒体物100が何らかの要因により詰まった状態(ジャム)や、ローラ301,302の滑りによって柔軟媒体物100を搬送できない状態などの異常状態を極めて容易にシミュレートすることができる。このとき、その所定位置Pjを、図32に示したような所定の統計分布に従ってランダムに設定することにより、ランダムに生じる異常状態を搬送動作のシミュレーションに反映させることができる。
【0193】
〔3−15〕柔軟媒体物100,201のサイズ情報22としてその厚さtを予め設定し、シミュレーション部13において、その厚さtを考慮して柔軟媒体物100,201の搬送動作をシミュレートすることにより、厚さtを有する柔軟媒体物100,201のシミュレーションや、三次元像の表示が可能になり、例えば複写機のスタッカ等に、柔軟媒体物である用紙100が積載されて貯まっていく様子をディスプレイ30上で再現することができる。
【0194】
〔4〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、ポインティングデバイスとしてマウス41を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチペン等をポインティングデバイスとして用いてもよい。
【0195】
また、上述した実施形態では、柔軟媒体物が用紙100である場合や帳面状媒体物が通帳200である場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、柔軟媒体物が、例えば、紙幣,ハガキ,切符,カード,写真フィルムなど、柔軟性を有する各種シート状媒体である場合にも、上述した実施形態と同様に適用され、上述と同様の作用効果を得ることができる。
【0196】
〔5〕付記
〔付記1〕シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための装置であって、
該柔軟媒体物のサイズ情報として、該柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さと、該柔軟媒体物の搬送面内において前記搬送方向と直交する幅方向についての幅方向長さとを予め設定する柔軟媒体物設定部と、
該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として予め設定する搬送経路設定部と、
該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力部と、
該搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され該搬送機構による該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするシミュレーション部と、
該柔軟媒体物の搬送動作を表示する表示部と、
該シミュレーション部によるシミュレーション結果を、該柔軟媒体物の搬送動作として該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、
該シミュレーション部が、
該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報と、該搬送経路設定部により設定された前記三次元搬送経路と、該移動量情報入力部により入力された前記移動量情報とに基づいて、前記三次元搬送経路に沿う該柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、該柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として算出する位置・形状算出部と、
該位置・形状算出部により算出された前記三次元搬送位置または前記二次元形状と、該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報とに基づいて、該柔軟媒体物の三次元像を作成し、該三次元像を前記シミュレーション結果として出力する三次元像作成部とをそなえて構成されていることを特徴とする、柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0197】
〔付記2〕該移動量情報入力部が、ユーザによって操作されるポインティングデバイスとして構成され、
該ポインティングデバイスを用いて、該表示部上に表示された、該柔軟媒体物の三次元像を操作することにより、該三次元像の操作量が前記移動量情報として該シミュレーション部に入力されることを特徴とする、付記1記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0198】
〔付記3〕該移動量情報入力部が、ユーザによって操作されるポインティングデバイスとして構成され、
該ポインティングデバイスを用いて、該表示部上に表示された、該柔軟媒体物に作用する該搬送機構の構成部品像を操作することにより、該構成部品像の操作量が前記移動量情報として該シミュレーション部に入力されることを特徴とする、付記1記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0199】
〔付記4〕該移動量情報入力部が、該搬送機構の動作を制御する制御プログラムを実行し、該柔軟媒体物に作用する該搬送機構の構成部品の制御量を算出する制御プログラム実行部として構成され、
該制御プログラム実行部からの前記制御量が前記移動量情報として該シミュレーション部に入力されることを特徴とする、付記1記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0200】
〔付記5〕該搬送機構が、該柔軟媒体物に接触して作用するローラを含んで構成されている場合、該ローラの回転量に対する該柔軟媒体物の移動量である移動比率を設定する移動比率設定部をさらにそなえ、
該シミュレーション部が、該移動比率設定部により設定された前記移動比率に基づいて該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートすることを特徴とする、付記3または付記4に記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0201】
〔付記6〕該移動比率設定部が、前記移動比率を所定の統計分布に従ってランダムに設定することを特徴とする、付記5記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
〔付記7〕該シミュレーション部が、該柔軟媒体物を、複数の短冊状部材から構成され、且つ、該複数の短冊状部材の相互を前記幅方向に平行な軸周りに回転可能に連結して構成される三次元モデルとして取り扱うことを特徴とする、付記1〜付記6のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0202】
〔付記8〕該搬送経路設定部が、前記三次元搬送経路を、円弧と直線とにより設定することを特徴とする、付記1〜付記7のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
〔付記9〕該位置・形状算出部が、前記二次元形状を、円弧と直線とを用いて近似的に算出することを特徴とする、付記1〜付記8のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0203】
〔付記10〕該移動量情報入力部が、該柔軟媒体物に対する力の作用点の位置を固定した状態で前記移動量情報を入力し、
該位置・形状算出部が、該柔軟媒体物に対する前記力の固定作用点の位置と、前記移動量情報とに基づいて、前記二次元形状を算出することを特徴とする、付記1〜付記9のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
〔付記11〕該柔軟媒体物が、複数のページからなる帳面状媒体物である場合、該固定作用点の位置を、該帳面状媒体物の、外部に露出したページ上に制限することを特徴とする、付記10記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0204】
〔付記12〕該移動量情報入力部が、該柔軟媒体物に対する力の作用点の位置が変動するようにして前記移動量情報を入力し、
該位置・形状算出部が、該柔軟媒体物における該作用点の位置を認識しながら、前記移動量情報に基づいて、前記二次元形状を算出することを特徴とする、付記1〜付記9のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0205】
〔付記13〕該柔軟媒体物が、複数のページからなる帳面状媒体物である場合、各ページのページ番号を予め定義しておき、該ページ番号に基づいて該作用点の存在するページを、該作用点の位置とともに認識することを特徴とする、付記11記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0206】
〔付記14〕該位置・形状算出部が、該搬送経路設定部により設定された前記三次元搬送経路における所定区間の経路長に、所定の誤差量を加算した値を用いて、前記三次元搬送位置を算出することにより、前記所定区間を搬送される該柔軟媒体物の振れをシミュレートすることを特徴とする、付記1〜付記13のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0207】
〔付記15〕前記所定の誤差量を所定の統計分布に従ってランダムに設定する誤差量設定部をさらにそなえたことを特徴とする、付記14記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
〔付記16〕該位置・形状算出部が、該柔軟媒体物が所定位置に到達した時点で、前記三次元搬送位置を前記所定位置に固定することにより、もしくは、該柔軟媒体物の搬送速度が減速するように前記三次元搬送位置を算出することにより、前記所定位置で該柔軟媒体物の搬送異常が生じたことをシミュレートすることを特徴とする、付記1〜付記15のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0208】
〔付記17〕前記所定位置を所定の統計分布に従ってランダムに設定する位置設定部をさらにそなえたことを特徴とする、付記16記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
〔付記18〕該柔軟媒体物設定部が、該柔軟媒体物のサイズ情報として、さらに、該柔軟媒体物の厚さを予め設定するとともに、
該シミュレーション部が、該柔軟媒体物設定部により設定された前記厚さを考慮して、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートすることを特徴とする、付記1〜付記17のいずれか一つに記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
【0209】
〔付記19〕シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示する方法であって、
該柔軟媒体物のサイズ情報として、該柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さと、該柔軟媒体物の搬送面内において前記搬送方向と直交する幅方向についての幅方向長さとを予め設定する柔軟媒体物設定ステップと、
該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として予め設定する搬送経路設定ステップと、
該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力ステップと、
該搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され該搬送機構による該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするシミュレーションステップと、
該シミュレーションステップでのシミュレーション結果である、該柔軟媒体物の搬送動作を表示部において表示する表示ステップとを有し、
該シミュレーションステップが、
該柔軟媒体物設定ステップで設定された前記サイズ情報と、該搬送経路設定ステップで設定された前記三次元搬送経路と、該移動量情報入力ステップで入力された前記移動量情報とに基づいて、前記三次元搬送経路に沿う該柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、該柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として算出する位置・形状算出ステップと、
該位置・形状算出ステップで算出された前記三次元搬送位置または前記二次元形状と、該柔軟媒体物設定ステップで設定された前記サイズ情報とに基づいて、該柔軟媒体物の三次元像を作成し、該三次元像を前記シミュレーション結果として出力する三次元像作成ステップとを有していることを特徴とする、柔軟媒体物搬送シミュレーション方法。
【0210】
〔付記20〕シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための機能をコンピュータに実現させるための柔軟媒体物搬送シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
該柔軟媒体物搬送シミュレーションプログラムが、
該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として予め設定する搬送経路設定部、
既定位置からの該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力部、
該搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され該搬送機構による該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするシミュレーション部、および、
該シミュレーション部によるシミュレーション結果を、該柔軟媒体物の搬送動作として表示部に表示させる表示制御部として、該コンピュータを機能させるとともに、
該シミュレーション部として該コンピュータを機能させる際に、
予め設定された、該柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さ、および、該柔軟媒体物の搬送面内において前記搬送方向と直交する幅方向についての幅方向長さとを含むサイズ情報と、予め該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路として設定された、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路と、移動量情報入力部により入力された、該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報とに基づいて、前記三次元搬送経路に沿う該柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、該柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として算出する位置・形状算出部、および、
該位置・形状算出部により算出された前記三次元搬送位置または前記二次元形状と、前記サイズ情報とに基づいて、該柔軟媒体物の三次元像を作成し、該三次元像を前記シミュレーション結果として出力する三次元像作成部として、該コンピュータを機能させることを特徴とする、柔軟媒体物搬送シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0211】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置によれば、以下のような効果ないし利点が得られる。
〔1〕柔軟媒体物の搬送位置は、予め設定された三次元搬送経路に基づいて三次元的にシミュレートされる一方、柔軟媒体物の形状は二次元的にシミュレートされ、得られた三次元搬送位置または二次元形状に、柔軟媒体物のサイズ情報(幅方向長さ)を加味することにより、柔軟媒体物の三次元像が簡易的に作成され、その三次元像が表示部に表示される。従って、簡易な手法で柔軟媒体物の搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的に表示することが可能になり、柔軟媒体物の搬送の様子を、三次元的に視認し確実に把握することができる(請求項1)。
【0212】
〔2〕三次元搬送経路に沿った柔軟媒体物の搬送位置が表示されるので、柔軟媒体物の幅方向の移動を規制しうるガイドとの干渉状況や、柔軟媒体物の幅方向位置を検出しうるセンサの動作状況を容易に確認することが可能になるほか、柔軟媒体物の搬送時に、幅方向(奥行き方向)に柔軟媒体物がずれていく状況(横ずれ,スキューの状況)を再現し表示することもできる(請求項1)。
【0213】
〔3〕表示部上に表示された像を参照しながらポインティングデバイスにより入力された移動量情報が、即座に柔軟搬送物の搬送動作のシミュレーションに反映され、その移動量情報に応じた搬送動作がリアルタイムで且つ三次元的に表示されるので、例えば、搬送機構を有する装置の設計結果のレビューを行なうような場合には、その場でポインティングデバイスにより搬送動作指示をしながら、柔軟搬送物の搬送動作を、リアルタイムで三次元アニメーション映像として表示し、レビュー対象者に確実に視認・把握させることができる(請求項2,3)。
【0214】
〔4〕ポインティングデバイスを用いて搬送機構の構成部品像(例えばローラ像)を操作することによっても、柔軟媒体物の移動量情報をシミュレーション部に入力することができるので、ある一つの構成部品を特定し、その構成部品の動作に伴う柔軟媒体物の搬送動作をリアルタイムで且つ三次元的に表示でき、その構成部品の動作状況を容易に確認することが可能になる(請求項3)。
【0215】
〔5〕制御プログラム実行部からの制御量(移動量情報)が、即座に柔軟搬送物の搬送動作のシミュレーションに反映され、制御量に応じた搬送動作がリアルタイムで且つ三次元的に表示されるので、例えば、制御プログラムを開発する際には、その制御プログラムと連動した柔軟媒体物の搬送動作を、リアルタイムで三次元アニメーション映像として表示し、プログラム開発担当者に確実に視認・把握させることが可能になり、制御プログラム開発の効率化に大きく寄与することになる(請求項4)。
【0216】
〔6〕移動比率(柔軟媒体物に接触して作用するローラの回転量に対する柔軟媒体物の移動量)は、ローラを成すゴム等の状態や柔軟媒体物の状態に応じて変化するものであるので、移動比率を自由に設定することにより、様々な状況における搬送動作をシミュレートすることができる。このとき、移動比率を所定の統計分布に従ってランダムに設定することもでき、この場合、ランダムに生じる状況変化を搬送動作のシミュレーションに反映させることができる。
【0217】
〔7〕シート状の柔軟媒体物を、複数の短冊状部材を相互に回転可能に連結した三次元モデルとして取り扱うことにより、柔軟媒体物の形状変化を、隣り合う短冊状部材どうしの角度を変更するだけで三次元的にシミュレートすることができるので、柔軟媒体物の形状算出を大幅に簡易化することができるほか、柔軟媒体物の三次元像も極めて容易に作成することができる(請求項5)。
【0218】
〔8〕柔軟媒体物の三次元搬送経路や二次元形状を、円弧と直線とにより表現することで、柔軟媒体物の三次元搬送位置や二次元形状の算出を大幅に簡易化することができる。
【0219】
〔9〕移動量情報入力部により、柔軟媒体物に対する力の作用点の位置を固定した状態で移動量情報を入力した場合、位置・形状算出部により、柔軟媒体物に対する力の固定作用点の位置と、入力された移動量情報とに基づいて、柔軟媒体物の二次元形状が算出される。これにより、柔軟媒体物上のある位置(固定作用点)を指定しその位置に対して力が作用した時の、柔軟媒体物の二次元形状をシミュレートして、そのシミュレーション結果を三次元像として表示部に表示することができる。従って、上述のような力が柔軟媒体物に作用した状況を、三次元的に視認し確実に把握することができる。
【0220】
〔10〕このとき、柔軟媒体物が、複数のページからなる帳面状媒体物(通帳等)である場合、固定作用点の位置を、帳面状媒体物の、外部に露出したページ上に制限することにより、ページを一枚ずつめくる動作を表示部上で容易に再現することができる。
【0221】
〔11〕移動量情報入力部により、柔軟媒体物に対する力の作用点の位置が変動するようにして移動量情報を入力した場合、位置・形状算出部により、柔軟媒体物における作用点の位置を認識しながら、入力された移動量情報に基づいて、柔軟媒体物の二次元形状が算出される。これにより、搬送機構の構成部品(ローラ等)が柔軟媒体物に接触しながらこの柔軟媒体物を駆動する場合の、柔軟媒体物の二次元形状をシミュレートして、そのシミュレーション結果を三次元像として表示部に表示することができる。従って、搬送機構の構成部品により柔軟媒体物が駆動される状況を、三次元的に視認し確実に把握することができる。
【0222】
〔12〕このとき、柔軟媒体物が、複数のページからなる帳面状媒体物(通帳等)である場合、各ページのページ番号を予め定義しておき、そのページ番号に基づいて作用点の存在するページを、その作用点の位置とともに認識することにより、搬送機構の構成部品によりページをめくる動作を表示部上で容易に再現することができる。
【0223】
〔13〕位置・形状算出部において、三次元搬送経路における所定区間の経路長に所定の誤差量を加算した値を用いて三次元搬送位置を算出することにより、前記所定区間を搬送される柔軟媒体物の振れがシミュレートされる。実際の搬送に際しては、柔軟媒体物は理想的な搬送経路からぶれたり振動したりすることになるが、上述のような誤差量を加味することで、そのぶれや振動(振れ)を極めて容易にシミュレートすることができる。このとき、誤差量を所定の統計分布に従ってランダムに設定することにより、ランダムに生じる振れを搬送動作のシミュレーションに反映させることができる。
【0224】
〔14〕位置・形状算出部において、柔軟媒体物が所定位置に到達した時点で、三次元搬送位置をその所定位置に固定することにより、もしくは、柔軟媒体物の搬送速度が減速するように三次元搬送位置を算出することにより、その所定位置で柔軟媒体物の搬送異常が生じたことをシミュレートすることができる。即ち、柔軟媒体物が何らかの要因により詰まった状態(ジャム)や、ローラの滑りによって柔軟媒体物を搬送できない状態などの異常状態を極めて容易にシミュレートすることができる。このとき、その所定位置を所定の統計分布に従ってランダムに設定することにより、ランダムに生じる異常状態を搬送動作のシミュレーションに反映させることができる。
【0225】
〔15〕柔軟媒体物のサイズ情報として柔軟媒体物の厚さを予め設定し、シミュレーション部において、その厚さを考慮して柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートすることにより、厚さを有する柔軟媒体物のシミュレーションや、三次元像の表示が可能になり、例えば複写機のスタッカ等に、柔軟媒体物である用紙が積載されて貯まっていく様子を表示部上で再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての柔軟媒体物搬送シミュレーション装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての柔軟媒体物搬送シミュレーション装置を実現するためのコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置によるシミュレーション処理の流れ全体を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置における、柔軟媒体物全体の移動シミュレーション処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置における、柔軟媒体物の固定作用点による移動シミュレーション処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置における、柔軟媒体物の不定作用点による移動シミュレーション処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置における、帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理の流れ全体を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置における、帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置における、帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置における、帳面状媒体物に対するページめくりシミュレーション処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施形態において設定される搬送経路の例を示す図である。
【図12】(A),(B)は制約条件が無い場合の柔軟媒体物の変形状態を説明するための図である。
【図13】(A),(B)は制約条件が有る場合の柔軟媒体物の変形状態を説明するための図である。
【図14】本実施形態における、制約条件が無い場合の柔軟媒体物の形状近似手法を説明するための図である。
【図15】本実施形態における、制約条件が有る場合の柔軟媒体物の形状近似手法を説明するための図である。
【図16】(A),(B)は柔軟媒体物とローラとの位置関係が変化するタイミング(柔軟媒体物がローラから抜ける場合)を説明するための図である。
【図17】(A),(B)は柔軟媒体物とローラとの位置関係が変化するタイミング(柔軟媒体物がローラと接触する場合)を説明するための図である。
【図18】(A),(B)は柔軟媒体物とローラとの位置関係が変化するタイミング(ローラ間における柔軟媒体物の膨らみが消える場合)を説明するための図である。
【図19】(A),(B)は、2つのローラの速度差によって、搬送中の柔軟媒体物に膨らみが生じる状況を説明するための図である。
【図20】(A)〜(C)は本実施形態における柔軟媒体物のモデルを説明するための模式的な斜視図である。
【図21】(A),(B)は本実施形態における帳面状媒体物の各ページに関する変数の定義を説明するための図である。
【図22】(A),(B)は本実施形態における帳面状媒体物のページめくりシミュレーション処理を説明するための図である。
【図23】(A),(B)は本実施形態における帳面状媒体物のページめくりシミュレーション処理を説明するための図である。
【図24】(A),(B)は本実施形態における帳面状媒体物のページめくりシミュレーション処理を説明するための図である。
【図25】(A)〜(C)は本実施形態におけるシミュレーション結果の表示例を示す図である。
【図26】(A),(B)は柔軟媒体物が理想的な搬送経路に沿って搬送される状態を示す図である。
【図27】(A),(B)は柔軟媒体物が理想的な搬送経路に対して振れながら搬送される状態を示す図である。
【図28】(A)〜(C)は通常の搬送シミュレーション状態を説明するための図である。
【図29】(A)〜(C)は本実施形態におけるジャム発生時の搬送シミュレーション状態を説明するための図である。
【図30】本実施形態におけるジャム発生シミュレーション手法を説明するための図である。
【図31】ローラに対する柔軟媒体物の移動量(移動比率)を説明するための図である。
【図32】本実施形態におけるパラメータのランダム設定時に用いられる統計分布例を示す図である。
【符号の説明】
1 柔軟媒体物搬送シミュレーション装置(コンピュータシステム)
10 CPU
11 柔軟媒体物設定部
12 搬送経路設定部
13 シミュレーション部
131 位置・形状算出部
132 三次元像作成部
14 表示制御部
15 移動比率設定部
16 誤差量設定部
17 位置設定部
20 メモリ
21 柔軟媒体物搬送シミュレーションプログラム(アプリケーションプログラム)
22 サイズ情報
23 三次元搬送経路情報
24 各種パラメータ情報
25 三次元搬送位置情報
26 二次元形状情報
30 ディスプレイ(表示部)
40 キーボード(移動量情報入力部)
41 マウス(移動量情報入力部,ポインティングデバイス)
50 バス
51,52 入出力インタフェース
60 制御プログラム実行部(移動量情報入力部)
70 外部記憶装置
100 用紙(柔軟媒体物)
101 短冊状部材
102 回転軸
200 通帳(帳面状媒体物,柔軟媒体物)
201 ページ(柔軟媒体物)
300 搬送経路
301,302 ローラ(搬送機構の構成部品)

Claims (4)

  1. シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための装置であって、
    該柔軟媒体物のサイズ情報として、該柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さと、該柔軟媒体物の搬送面内において前記搬送方向と直交する幅方向についての幅方向長さとを予め設定する柔軟媒体物設定部と、
    該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として円弧と直線とにより予め設定する搬送経路設定部と、
    該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力部と、
    該搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され該搬送機構による該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするシミュレーション部と、
    該柔軟媒体物の搬送動作を表示する表示部と、
    該シミュレーション部によるシミュレーション結果を、該柔軟媒体物の搬送動作として該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、
    該移動量情報入力部が、ユーザによって操作されるポインティングデバイスとして構成され、
    該ポインティングデバイスを用いて、該表示部上に表示された、該柔軟媒体物の三次元像を操作することにより、該三次元像の操作量が前記移動量情報として該シミュレーション部に入力されるとともに、
    該シミュレーション部が、
    該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報と、該搬送経路設定部により設定された前記三次元搬送経路と、該移動量情報入力部により入力された前記移動量情報とに基づいて、前記三次元搬送経路に沿う該柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、該柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として円弧と直線とを用いて近似的に算出する位置・形状算出部と、
    該位置・形状算出部により算出された前記三次元搬送位置または前記二次元形状と、該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報とに基づいて、該柔軟媒体物の三次元像を作成し、該三次元像を前記シミュレーション結果として出力する三次元像作成部とをそなえて構成されていることを特徴とする、柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
  2. シート状の柔軟媒体物を搬送する搬送機構内での、該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートして三次元的に表示するための装置であって、
    該柔軟媒体物のサイズ情報として、該柔軟媒体物の搬送方向についての搬送方向長さと、該柔軟媒体物の搬送面内において前記搬送方向と直交する幅方向についての幅方向長さとを予め設定する柔軟媒体物設定部と、
    該搬送機構内における該柔軟媒体物の搬送経路を、前記幅方向への偏移を含む三次元搬送経路として円弧と直線とにより予め設定する搬送経路設定部と、
    該柔軟媒体物の移動量に係る移動量情報を入力する移動量情報入力部と、
    該搬送機構を三次元機構モデルとして内部に構築され該搬送機構による該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートするシミュレーション部と、
    該柔軟媒体物の搬送動作を表示する表示部と、
    該シミュレーション部によるシミュレーション結果を、該柔軟媒体物の搬送動作として該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、
    該移動量情報入力部が、ユーザによって操作されるポインティングデバイスとして構成され、
    該ポインティングデバイスを用いて、該表示部上に表示された、該柔軟媒体物に作用する該搬送機構の構成部品像を操作することにより、該構成部品像の操作量が前記移動量情報として該シミュレーション部に入力されるとともに、
    該シミュレーション部が、
    該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報と、該搬送経路設定部により設定された前記三次元搬送経路と、該移動量情報入力部により入力された前記移動量情報とに基づいて、前記三次元搬送経路に沿う該柔軟媒体物の三次元搬送位置を算出するとともに、該柔軟媒体物の形状を、前記幅方向と直交する面内における二次元形状として円弧と直線とを用いて近似的に算出する位置・形状算出部と、
    該位置・形状算出部により算出された前記三次元搬送位置または前記二次元形状と、該柔軟媒体物設定部により設定された前記サイズ情報とに基づいて、該柔軟媒体物の三次元像を作成し、該三次元像を前記シミュレーション結果として出力する三次元像作成部とをそなえて構成されていることを特徴とする、柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
  3. 該搬送機構が、該柔軟媒体物に接触して作用するローラを含んで構成されている場合、該ローラの回転量に対する該柔軟媒体物の移動量である移動比率を設定する移動比率設定部をさらにそなえ、
    該シミュレーション部が、該移動比率設定部により設定された前記移動比率に基づいて該柔軟媒体物の搬送動作をシミュレートすることを特徴とする、請求項記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
  4. 該シミュレーション部が、該柔軟媒体物を、複数の短冊状部材から構成され、且つ、該複数の短冊状部材の相互を前記幅方向に平行な軸周りに回転可能に連結して構成される三次元モデルとして取り扱うことを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の柔軟媒体物搬送シミュレーション装置。
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