JP4549077B2 - シミュレーション装置及び該装置のプログラム - Google Patents

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Description

本発明はシミュレーション装置及び該装置のプログラムに関し、特に、機構部分を含む制御対象と制御装置とからなるシステムをシミュレーションし、シミュレーション結果を立体(以後3Dと記す)アニメーション画像として表示するに際して、機構部分を含む制御対象の物理モデルを用いた物理シミュレーションの結果で3Dアニメーションを動作させるシミュレーション装置及び該装置のプログラムに関する。
従来、機構部品を備えた制御対象をコンピュータ制御する場合、実際の機構部品を使用することなく、コンピュータを使用した3D画像を何枚も作成し、これを連続して動く動画(アニメーション)としてシミュレーションすることが行われている。このような3Dアニメーションのシミュレーションに必要になるのは、ハードウエアとシミュレーションソフトウエアから構成されるシミュレーション装置である。このシミュレーション装置を用いてシミュレーションを行う場合には、機構、回路等を含んだ制御システムをモデル化した物理モデルを作成し、この物理モデルを使用してシミュレーションを行うことが一般的である。
ハードウエアの構成は、通常のパーソナルコンピュータと同様であり、高速なシミュレーションを行うためにこれにコンピュータ設計支援装置が追加されることもある。図1は従来のシミュレーション装置4の構成の一例を示すものであり、パーソナルコンピュータ10にコンピュータ設計支援装置20とECU(電子制御ユニット)30が組み合わされた例を示している。
パーソナルコンピュータ10には、CD−ROM等のディスク媒体に記録されたソフトウエアを読み込むディスクドライブ11、ソフトウエアやデータを記録する外部記憶装置であるハードディスクドライブ(以後HDDと記載、図にもHDDと記載)12、HDD12から読み出されたソフトウエアやデータを展開するメモリ13、ソフトウエアやデータの処理(演算)を行う処理装置(以後CPUと記す)14、処理の結果を表示する表示器15、外部装置との通信を行う通信装置16、および外部からのデータを入力するためのデータ入力装置17があり、バス18によって相互に接続されている。また、データ入力装置17にはキーボード19や図示しないマウスが接続されている。
コンピュータ設計支援装置20は、この例では通信ケーブル21によってパーソナルコンピュータ10と接続されている。コンピュータ設計支援装置20の内部には、この通信ケーブルに接続する通信装置22、メモリ23、CPU24、及びHDD(ハードディスクドライブ)25が設けられており、バス28で相互に接続されている。
ECU30はケーブル31によってコンピュータ設計支援装置20の通信装置22に接続されている。ECU30の内部の構造は図示しないが、コンピュータ設計支援装置20と同様にマイクロコンピュータを内蔵しており、通信ケーブル31に接続する通信装置、メモリ、CPU、及びHDDが設けられていて、バスで相互に接続されているものとする。ECU30はシミュレーション装置を用いて開発しようとする制御装置に相当するものである。ECU30は、実際の制御装置の機能を果たすので、実際の製品に組み込まれる組込みシソフトウエアが格納されている。
シミュレーション装置4に必要なソフトウエアは、大きく分けて「物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示」を行うソフトウエアと、「物理モデル演算」を行うソフトウエア、及び「制御装置シミュレーション」を行うソフトウエアの3つから構成される。ここでは、「物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示」をパーソナルコンピュータ10で行い、「物理モデル演算」をコンピュータ設計支援装置20で行い、「制御装置シミュレーション」をECU30で行う場合について説明する。
この例では、ディスク媒体である3枚のCD−ROM1,2,3を用いてパーソナルコンピュータ10にソフトウエアがインストールされる。また、ECU30には既にソフトウエアがインストールされているものとする。CD−ROM1には、例えば3D画像の支援を行う3次元のコンピュータ設計支援装置(以後3D−CADと記す)のデータを読み込んだり、3Dのアニメーション機能を有する3D用ソフトウエア1Sが記録されている。また、CD−ROM2には、例えば物理モデル作成機能を有する物理モデル作成ソフトウエア2Sが記録されている。更に、CD−ROM3には、例えばシミュレーション情報設定・操作・結果表示・結果解析機能・及び物理モデル演算機能を有するシミュレーションソフトウエア3Sが記録されている。そして、ECU30は、実際の制御装置の機能を果たすので、実際の製品に組み込まれる組込みソフトウエアが格納されている。
パーソナルコンピュータ10のディスクドライブ11によって読み込まれた各ソフトウエアは、HDD12上に記憶される。そして、このソフトウエアを実際にCPU14が使用する際は、HDD12上に記憶されたソフトウエアがメモリ13上に展開され、CPU14が処理を行う。処理の結果は表示器15に表示される。表示器15には、3D−CADのアニメーションやシミュレーション情報が表示される。なお、ソフトウエアは、CD−ROM1,2,3によってHDD12に読み込まれる他、通信装置16を介してインターネット経由で入手したものを、HDD12に読み込むことも可能である。
一方、コンピュータ設計支援装置20側では、パーソナルコンピュータ10のディスクドライブ11からシミュレーションソフトウエア3Sが読み込まれると、これを通信装置16,22と通信ケーブル21を介してHDD25に記憶させる。CPU24がこのシミュレーションソフトウエア3Sを実際に使用する際は、HDD25上に記憶されたソフトウエアをメモリ23上に展開して処理が行われる。即ち、ディスクドライブ11又は通信装置16を介して入力された3D−CADデータは、パーソナルコンピュータ10で物理モデルに変換された後に、コンピュータ設計支援装置20のHDD25に格納され、コンピュータ設計支援装置20でその物理モデルを使用してシミュレーションが行われる。
そして、実際のエンジンや車両の代わりにこのコンピュータ設計支援装置20を用いて、制御装置の開発、設計を行う場合は、コンピュータ設計支援装置20に組込みソフトウエアが格納されたECU30が接続される。そして、エンジンのメカニズムや電気信号の果たす役割がパーソナルコンピュータ10でモデル化され、実際のエンジンシステムと同等の動きをこのコンピュータ設計支援装置20が模擬することにより、技術者は実際のエンジンを使用することなく、机上で表示器15に示される制御系の3Dアニメーションの動きを見ながら制御装置の開発、設計ができるようになる。
以上のように構成されたシミュレーション装置4において、物理モデルとしてロボットアームRAを扱う場合の例を図2を用いて説明する。
図2は、3つの棒状の部品A,B,Cがそれぞれ1自由度の関節D,Eにより接続されたロボットアームRAを示すものである。各関節D,Eにはそれぞれモータが内蔵され、関節を駆動するようになっている。
3D−CADのデータとしては、部品の形状、部品同士の位置関係、部品の材質等がある。材質と形状とから部品の質量、重心等が算出できる。次に、そのまま3D−CADを用いて、或いは機構シミュレーションソフトウエアを用いて、関節の種類(この場合は1軸)、拘束条件、モータの種類(DCモータ、パルスモータ等)や、位置や加速度等を検出するスペック(トルク特性)センサの種類等を入力する。すると、これらの情報を基にしてロボットアームRAの物理モデルが作成される。
このような3D−CADの技術としては、例えば、組込みソフトウエア開発部から3Dモデルシミュレータに、モータ等のアクチュエータを動作させるためのアクチュエータ指令信号を送り、3Dモデルシミュレータから組込みソフトウエア開発部には、センサのオン、オフ等を表す信号が送られる技術が特許文献1に開示されている。
特開2001−222572号公報
しかしながら、このような機構部品のシミュレーションでは、そのシミュレーション結果を機構部分の3Dアニメーションとして表示するだけであり、3Dアニメーションにおける機構部分の部品間の位置関係、距離等の情報を物理モデルの演算に反映することはできなかった。そのため、例えば、3Dアニメーションにおける機構部品の部品間で干渉が発生している場合でも、その干渉に応じたシミュレーションを行うことができなかった。また、干渉に応じたシミュレーションを行う場合、干渉を判定するための演算等を物理モデルに加える必要があるが、その実現が困難であった。更に、実現できたとしても物理モデルが複雑となり、高速な演算を行うことができなかった。
そこで、本発明は、前記従来のシミュレーション装置の有する課題を解消し、機構部品のシミュレーションを行い、その結果を機構部分の3Dアニメーションとして表示する場合、物理モデル演算の結果として、機構部品の動作パラメータ(例えば、モータの回転角)を3Dアニメーション用のデータとして使用すると共に、3Dアニメーションから機構部分の部品間の位置関係、距離等の動作データをフィードバックして物理モデル演算に反映させることにより、3Dアニメーションの状態、例えば、機構部分の部品間の衝突等、を反映したシミュレーションを行うことができ、かつ高速な演算をリアルタイムに行うことができるシミュレーション装置及び該装置のプログラムを提供することを目的としている。
前記目的を達成する本発明の第1の形態は、制御装置と機構部分を含む制御対象とからなるシステムをリアルタイムにシミュレーションするシミュレーション装置であって、制御対象の物理モデルを用いて前記シミュレーションを行うシミュレーション手段と、3次元のコンピュータ設計支援装置である3D−CAD装置を使用して作成された制御対象の3D−CADデータと、シミュレーション手段によるシミュレーションの結果である、制御対象に含まれる機構部品の動作状態に基づいて、制御対象の動作の3D解析を行い、3Dアニメーション表示を行うための描画処理を行う3D解析描画処理手段と、3D解析描画処理手段で描画処理された制御対象の動作を、シミュレーションを行っている際に3Dアニメーション表示する3Dアニメーション表示手段と、を備え、3D解析描画処理手段は、3Dアニメーション表示の描画処理のために行った3D解析の結果をシミュレーション手段に供給し、シミュレーション手段は、3D解析描画処理手段から供給される3D解析の結果である、制御対象に含まれる機構部品間の衝突状態を含む機構部品間の位置関係に関する情報を、シミュレーションの物理モデル演算に反映することを特徴としている。
本発明の第2の形態は、第1の形態において制御対象に含まれる機構部品間の衝突状態が発生した場合の、当該機構部品の動作をシミュレーションする場合に、追加情報として、機構部品の質量と重心、機構部品間の摩擦力とガタツキ情報の少なくとも1つを考慮してシミュレーションを行うものであり、追加情報を、記シミュレーション手段での物理モデル演算に用いる物理モデルに追加することを特徴としている。
本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態において、シミュレーションを行っている際に、3Dアニメーション表示手段によって表示を行っている3Dアニメーションに対して、操作入力に基づいて物体の追加を行う設定を可能に構成しており、3D解析描画処理手段は、追加された物体に対する制御対象に含まれる機構部品の衝突状態を含めた、機構部品間の位置関係に関する情報を、3D解析の結果としてシミュレーション装置に供給することを特徴としている。
本発明の第4の形態は、第1から第3の何れかに記載のシミュレーション装置において、機構部品間の位置関係に関する情報が、機構部品の動作時の動作速度に干渉する情報、機構部品間の距離情報、機構部品の動作時に干渉する物体との距離情報の少なくとも1つであることを特徴としている。
本発明の第5の形態は、第1から第の何れかのシミュレーション装置において、シミュレーション手段は、制御対象をシミュレーションする制御対象シミュレーション手段を有し、3D解析描画手段における処理を行う3D解析描画処理部と、制御対象シミュレーション手段における処理を行う制御対象シミュレーション処理部とは、それぞれ独立に設けられていることを特徴としている。
本発明の第6の形態は、第5の形態のシミュレーション装置において、制御装置が実際の制御装置であることを特徴としている。
更に、前記目的を達成する本発明のシミュレーション装置のプログラムは、制御装置と機構部分を含む制御対象とからなるシステムをリアルタイムにシミュレーションするシミュレーション装置のプログラムであって、シミュレーション装置に、制御対象の物理モデルを用いてシミュレーションを行うシミュレーションステップと、3次元のコンピュータ設計支援装置である3D−CAD装置を使用して作成された制御対象の3D−CADデータと、シミュレーションステップにおけるシミュレーションの結果である、制御対象に含まれる機構部品の動作状態に基づいて、制御対象の動作の3D解析を行い、3Dアニメーション表示を行うための描画処理を行う3D解析描画処理ステップと、3D解析描画処理手ステップで描画処理された制御対象の動作を、シミュレーションを行っている際に3Dアニメーション表示する3Dアニメーション表示ステップとを実行させ、3D解析描画処理ステップでは、3Dアニメーション表示の描画処理のために行った3D解析の結果である、制御対象に含まれる機構部品間の衝突状態を含む機構部品間の位置関係に関する情報を、シミュレーションの物理モデル演算に反映させることを特徴としている。
本発明の第1と第2の形態のシミュレーション装置によれば、3D解析手段から制御対象の部品の位置情報等をシミュレーションにフィードバックしてシミュレーションに反映させることにより、例えば、制御対象の部品同士が干渉した場合(部品同士が衝突し、その動作が停止した場合の制御装置のフェイルセーフ)のシミュレーションを行うことができ、シミュレーション精度を向上させることができる。
本発明の第3と第4の形態のシミュレーション装置によれば、外的な干渉情報として、例えば、制御装置を構成する部品の動きを妨げる物体を設定できることにより、制御対象の部品と物体が干渉した場合(部品と物体が衝突し、部品の動作が停止した場合の制御装置のフェイルセーフ)のシミュレーションを行うことができ、シミュレーションの精度を向上させることができる。
本発明の第5の形態のシミュレーション装置によれば、制御対象の3D表示を参照しながら、ユーザは視覚的に容易に外的な干渉情報(例えば、制御装置を構成する部品の動きを妨げる物体)を設定することができる。
本発明の第6の形態のシミュレーション装置によれば、部品の位置情報、部品間の距離情報、部品の動作時に干渉する情報等を3D解析の結果としてシミュレーションにフィードバックするために、シミュレーションの精度を向上させることができる。
本発明の第7から第9の形態のシミュレーション装置によれば、それぞれ独立した処理部を設けることにより、一層シミュレーションの精度を向上させることができる。
本発明の第10の形態のシミュレーション装置によれば、制御対象シミュレーション処理部の処理をリアルタイムに行うことにより、リアルタイムで動作する実際の制御装置またはラピッドコントローラを接続してシミュレーションを行うことができる。
本発明のシミュレーション装置のプログラムによれば、3D解析から得られる制御対象の位置情報等をシミュレーションにフィードバックしてシミュレーションに反映させることにより、制御対象の部品同士が干渉した場合のシミュレーションを行うことができ、シミュレーション精度を向上させることができる。
以下図面を用いて本発明の実施の形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、図1で説明した従来のシミュレーション装置と同じ構成部材については、同じ符号を付して説明する。
図3は、本発明のシミュレーション装置4の一実施例の構成を示すブロック図である。この実施例では、シミュレーション装置4は、パーソナルコンピュータ10とコンピュータ設計支援装置20、及びECU30とから構成されている。コンピュータ設計支援装置20は接続されない場合もあり、この場合はコンピュータ設計支援装置20の機能がパーソナルコンピュータ10側に備えられ、ECU30はパーソナルコンピュータ10に接続されることになる。
パーソナルコンピュータ10には、CD−ROM等のディスク媒体に記録されたソフトウエアを読み込むディスクドライブ11、ソフトウエアやデータを記録する外部記憶装置であるHDD(ハードディスクドライブ)12、HDD12上のソフトウエアやデータを展開するメモリ13、ソフトウエアやデータの処理(演算)を行うCPU14、処理の結果を表示する表示器15、外部装置との通信を行う通信装置16、及び外部からのデータを入力するためのデータ入力装置17があり、バス18によって相互に接続されている。また、データ入力装置17にはキーボード19や図示しないマウスが接続されている。
通信装置16は、通信ケーブル21を介してコンピュータ設計支援装置20に接続させる他に、電話回線や光ケーブルを介してインターネットに接続させることができる。即ち、通信装置16は、インターネットを介してソフトウエアやデータをパーソナルコンピュータ10に取り込むことができる。
コンピュータ設計支援装置20の内部には、この通信ケーブル21に接続する通信装置22、メモリ23、CPU24、及びHDD25が設けられており、バス28で相互に接続されている。また、ECU30は通信ケーブル31を介してコンピュータ設計支援装置20に接続される。ECU30の内部には、コンピュータ設計支援装置20の通信装置22に接続される通信装置32、メモリ33、CPU34、及びHDD(ハードディスクドライブ)35があり、相互にバス38で接続されている。
なお、本発明の従来技術として、「物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示」をパーソナルコンピュータ10で行い、「物理モデル演算」をコンピュータ設計支援装置20で行う場合について説明したが、前述のように、コンピュータ設計支援装置20の機能がパーソナルコンピュータ10側に備えられている場合には、「物理モデル演算」はパーソナルコンピュータ10側でも可能である。また、ECU30のHDD35には、予め実際の製品に組み込まれる組込みソフトウエアが、CD−ROM等の記憶媒体、或いは通信手段を用いて記憶されているものとする。
そこで、図4に示す本発明を実現するためのシミュレーション装置のシステム構成図では、「物理モデル演算」をパーソナルコンピュータ10とコンピュータ設計支援装置20のどちらで行うか、或いは「制御装置のシミュレーション」を何処で行うかについては分けて説明せず、シミュレーション装置4に、「物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示」を行う物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示部分4Aと、「物理モデル演算」を行う物理モデル演算部分4B、及び「制御装置のシミュレーション」を行う制御装置シミュレーション部分4Cとがあるものとして説明する。
この図に示されるように、ディスク媒体である3枚のCD−ROM1,2,3がディスクドライブ11にセットされ、記録されているソフトウエアがHDD12にインストールされる。HDD12の物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示部分4Aには、CD−ROM1に記録された3D用ソフトウエアからは、3D−CADデータの読込みと、3Dアニメーション機能を有するソフトウエアSF1が読み込まれる。また、CD−ROM2に記録された物理モデル作成ソフトウエアからは、物理モデル作成機能を有するソフトウエアSF3が、HDD12の物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示部分4Aに読み込まれる。
更に、CD−ROM3に記録されたシミュレーションソフトウエア3Sには、シミュレーション情報設定・操作・結果表示・結果解析機能を有するソフトウエアSF2と、物理モデル演算機能を有するソフトウエアSF4が含まれている。ソフトウエアSF2はHDD12の物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示部分4Aに読み込まれ、ソフトウエアSF4は、HDD12の物理モデル演算部分4Bに読み込まれる。ソフトウエアSF2には、3D−CADのデータをモデリングツールで読み込めるように変換し、変換したものを更に実行体にコンパイルする変換ツールを備えたシミュレーションソフトウエアが含まれている。
物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示部分4Aでは、HDD12上に記憶されたソフトウエアSF1,SF2,及びSF3は、それぞれメモリ13上に展開され、CPU14によって処理が行われる。CPU14によって処理が行われたソフトウエアSF1は表示器15に3D−CAD、或いはアニメーション画像として立体表示される。また、CPU14によって処理が行われたソフトウエアSF2は表示器15にハードウエアシミュレータの画像として表示される。また、CPU14によって処理が行われたソフトウエアSF3は表示器15にテクニカルコンピューティング環境のデータとして、電気系モデル等の形で表示される。物理モデル演算部4Bでも、HDD12上に記憶されたソフトウエアSF4がメモリ13上に展開され、CPU14で処理が行われる。
以上のように構成されたシミュレーション装置において、物理モデルとしてロボットアームを扱う場合の例を図5を用いて説明する。図5は、3つの棒状の部品A,B,Cがそれぞれ1自由度の関節D,Eにより接続されたロボットアームRAを示すものである。各関節D,Eにはそれぞれモータが内蔵され、関節D,Eを駆動するようになっている。
3D−CADのデータとしては、部品の形状、部品同士の位置関係、部品の材質等を入力する。材質と形状とから部品の質量、重心等が算出できる。従来は、前述のように、このまま3D−CADを用いて、或いは機構シミュレーションソフトウエアを用いて、関節の種類(この場合は1軸)、拘束条件、モータの種類(DCモータ、パルスモータ等)や、位置や加速度等を検出するスペック(トルク特性)センサの種類等を入力し、これらの情報を基にして物理モデルが作成されていた。
しかしながら、このような機構部品のシミュレーションでは、そのシミュレーション結果を機構部分の3Dアニメーションとして表示するだけであり、3Dアニメーションにおける機構部分の部品間の位置関係、距離等の情報を物理モデルの演算に反映することはできなかった。そのため、例えば、3Dアニメーションにおける機構部品の部品間で干渉が発生している場合でも、その干渉に応じたシミュレーションを行うことができなかった。また、干渉に応じたシミュレーションを行う場合、干渉を判定するための演算等を物理モデルに加える必要があるが、その実現が困難であった。更に、実現できたとしても物理モデルが複雑となり、高速な演算を行うことができなかった。
そこで、本発明では、このような機構部品のシミュレーションを行い、その結果を機構部分の3Dアニメーションとして表示する場合、物理モデル演算の結果として、モータの回転角を3Dアニメーション用のデータとして使用すると共に、図に斜線入りの矢印で示すように、3Dアニメーションから機構部分の部品間の位置関係、距離等の動作データを物理モデル側にフィードバックし、フィードバックしたデータを物理モデル演算に反映させることにより、3Dアニメーションの状態(例えば、機構部分の部品間の衝突等)を反映したシミュレーションを行うことができ、かつ高速な演算を行うことができるようにした。
即ち、本発明では、機構部分を含む制御対象とこの制御対象を制御する制御装置とからなるシステムをシミュレーションし、シミュレーション結果を3Dアニメーション画像として表示するシミュレーション装置において、物理モデル作成ソフトウエアにより機構部分を含む制御対象の物理モデルを作成し、この物理モデルを用いて物理シミュレーション演算を行うシミュレーションソフトウエアと、3Dアニメーション動作を行わせるアニメーションソフトウエアとを設け、シミュレーションソフトウエアは、機構部分の3Dアニメーションに必要なデータをアニメーションソフトウエアに供給し、アニメーションソフトウエアは、機構部分の3Dアニメーション動作中のシミュレーションデータを、シミュレーションソフトウエアに送り返し、シミュレーションソフトウエアは、アニメーションソフトウエアからのデータを物理シミュレーション演算に反映させるようにした。即ち、本発明における制御対象の3D解析は、シミュレーションの結果に基づいて制御対象を構成する部品を動作させた場合の干渉解析である。
このような本発明の実施の形態を、以下に幾つかの具体的な実施例に基づいて、図6から図12を用いて説明する。
図6は図4に示した本発明を実施するためのシステム構成図において、機構部分の3Dアニメーションに必要なデータをアニメーションソフトウエアに供給し、アニメーションソフトウエアは、機構部分の3Dアニメーション動作中のシミュレーションデータを、物理演算ソフトウエアに供給し、物理演算ソフトウエアは、アニメーションソフトウエアからのデータを物理シミュレーション演算に反映されるまでのデータの流れを示すものである。また、図7は図6におけるデータの流れの手順を説明するフローチャートである。ここで、図6に示す丸付き数字は、図7の各ステップの丸付き数字に対応しているので、図6を参照しながら図7のフローチャートの各ステップを説明する。
図7のフローチャートに示すデータ処理は、物理モデル作成、シミュレーション情報設定、結果表示部分4Aにおいて、3D−CADで機構部分を設計し、3D−CAD形式のデータとして保存した後に実行される。まず、ステップ701ではソフトウエアSF1に3D−CAD形式のデータを読み込ませる(図6の丸付き数字1を参照)。次のステップ702では、ソフトウエアSF1の上で部品同士の接続(リレーション)情報、拘束条件等の3Dアニメーションに必要な情報を入力し、ソフトウエアSF1形式のデータとして保存する。(図6の丸付き数字2を参照)
続くステップ703では、ソフトウエアSF2に備えられたコンバータで、ソフトウエアSF1形式のデータをソフトウエアSF2形式のデータに変換する(図6の丸付き数字3を参照)。そして、ステップ704において、ソフトウエアSF2形式に変換されたデータをソフトウエアSF3で開く(図6の丸付き数字4を参照)。この状態では自由にモデル情報を追加することが可能であるので、ステップ705において、例えば、ソフトウエアSF3上で摩擦力の情報や、部品間のガタの情報を加えたり、モデルの追加、修正を実行する(図6の丸付き数字5を参照)。
この後、ステップ706において、ソフトウエアSF3上のモデルからCコード(C言語)を作成し、ソフトウエアSF2で実行できる形式にコンパイルする。このコンパイルによってモデル実行体が作られる(図6の丸付き数字6を参照)。そして、次のステップ707において、物理モデル演算部分4BのソフトウエアSF4によりこのモデル実行体が演算される(図6の丸付き数字7を参照)。続いて、ステップ708において、制御装置シミュレーション部分4Cとの間で信号を送受信し、制御装置を含むシステム全体をシミュレートする(図6の丸付き数字8を参照)。
演算を行うと結果がサンプリングデータという形で出る。物理モデル作成、シミュレーション情報設定、結果表示部分4Aは物理モデル演算部分4Bからこの演算結果を受け取り、演算結果の解析と表示を行う(図6の丸付き数字9を参照)。次のステップ710では、物理モデル演算の結果(ここでは、例えばモータの回転角とする)、3D解析とアニメーションの描画処理を行う(図6の丸付き数字10を参照)。この結果、このシミュレーションの通りにアニメーションが動作するので、リアルなアニメーションの挙動を確認することができる。
最後のステップ711では、アニメーションからの機構部品の部品間の位置関係、距離等のデータを物理モデル演算部分4Bにフィードバックし、アニメーションの状態を反映したシミュレーションを行う(図6の丸付き数字11を参照)。そして、ステップ711の終了後にこのルーチンを終了する。
以上説明したように、本発明によるシミュレーション装置では、物理モデル演算中に、3Dアニメーションから機構部分の部品間の位置関係、距離等のデータを物理モデル演算に反映させることができるので、3Dアニメーションの状態(例えば、機構部分の部品間の衝突等)のシミュレーションを行うことが可能となる。例えば、アニメーションで表示した物体がアニメーションの中で動き、アニメーションの中の他の物体に接近していった場合、2つの物体のお互いの位置の情報を見れば、2つの物体が接近した、或いは衝突した等の状況を把握することができる。そして、この位置の情報を逆に物理モデルに与えることにより、2つの物体が接近した時、或いは衝突した時等の状況を反映したシミュレーションが可能となる。即ち、単にアニメーションに情報を流すだけではなく、逆にアニメーションの中の情報を取り出すことによって、よりリアルなシミュレーションを実行することができる。
このリアルなシミュレーションの実行について、以下にいくつかの具体的な例を挙げて説明する。
第1の具体例は、例えば、アニメーションの中に通常は衝突しない第1と第2の部品があるが、何らかの原因で第1の部品が第2の部品に衝突して停止した場合の例である。アニメーションの中で第1の部品が第2の部品に衝突して停止した場合は、停止したそれらの部品の位置情報等を物理モデルの演算にフィードバックすることにより、第1の部品が第2の部品に衝突して停止した場合のシステムのシミュレーションを行うことができる。つまり、第1の部品が30°回転するはずが、20°回転したところで第2の部品に衝突して停止した場合、この20°という情報が物理モデルの演算にフィードバックされるのである。
この例では、例えば、制御信号の通りに第1の部品が動作しなかった場合に、第1の部品を動作前の位置に戻すという制御装置のロジックを、シミュレーションによって検証することができる。
第2の具体例は、例えば、アニメーションの中に制御対象の動作に影響する外的な干渉情報を設定する例である。この場合は、アニメーションの中に、突然その部品の動作を止めるような物体が出現したような場合である。実際の例では、CD−ROMのようなディスク装置の中のディスク媒体を排出しようとしたところ、ディスク装置のディスク媒体を出し入れする扉の前に異物が置かれていたような場合がこれに相当する。この場合は、アニメーションの中に突然壁や棒等の障害物を出現させる設定を行うことによって、この情況に応じたシミュレーションを行うことができる。
第3の具体例は、例えば、アニメーションの中に制御対象の動作に影響する外的な干渉情報の設定として、アニメーションの中に制御対象の動作速度を遅くする、或いは速くするような設定を行う例である。アニメーションの中の物体の動作速度を遅くするために、その動作を遅くするような要素をアニメーションの中に設定する場合は、例えば、物体の移動方向の後ろ側に弱い引っ張りばね要素を接続する、或いは、物体の移動方向の前方側に弱い圧縮ばね要素を接続する等してその動作速度を遅くする設定を行うことによりこれを実現することができる。また、逆に、アニメーションの中の物体の動作速度を速くする場合は、例えば、物体の移動方向の後ろ側に弱い圧縮ばね要素を接続する、或いは、物体の移動方向の前方側に弱い引っ張りばね要素を接続する等してこれを実現することができる。実際の例では、CD−ROMのようなディスク装置へのディスク媒体の挿入中に、操作者がディスク媒体を引っ張ったり、ディスク媒体を押し込んだりするような場合がこれに相当する。この場合も、アニメーションの中の物体の位置情報等をフィードバックすることにより、このような情況に応じたシミュレーションを行うことができる。
図8は、図6で説明した本発明のシミュレーション装置において、物理モデル演算部分4Bを独立させて、例えば、図3に示したコンピュータ設計支援装置20の中に設けた実施例におけるデータの流れを説明する図である。この場合には、シミュレーション装置4の中に、通信装置として機能するネットワークコントローラ6が設けられており、同様に、コンピュータ設計支援装置20の中に、通信装置として機能するネットワークコントローラ26が設けられている。ネットワークコントローラ6とネットワークコントローラ26とは通信ケーブル7で接続されている。この図におけるデータの流れを説明するものが図9に示すフローチャートである。ここで、図8に示す丸付き数字は、図9の各ステップの丸付き数字に対応しているので、図8を参照しながら図9のフローチャートの各ステップを説明する。
図9のフローチャートに示すデータ処理は、物理モデル作成、シミュレーション情報設定、結果表示部分4Aにおいて、3D−CADで機構部分を設計し、3D−CAD形式のデータとして保存した後に実行される。そして、図8に示す丸付き数字1から丸付き数字6までのデータの流れ、即ち、モデル実行体が作られるまでのデータの流れは、図6で説明した手順と全く同じであるので、図8に示す丸付き数字1から丸付き数字6までのデータの流れを説明するフローチャートのステップには、図7のフローチャートのステップ番号と同じステップ番号を付してその説明を省略する。図8に示す丸付き数字1から丸付き数字6までのデータの流れを説明する図9のフローチャートのステップ番号は、ステップ701からステップ706までである。
このようにしてステップ706において、モデル実行体が作られる(図8の丸付き数字6を参照)と、次のステップ901において、コンパイルされたモデル実行体をネットワークコントローラ6、26経由でコンピュータ設計支援装置20内にある物理モデル演算部分4Bに送る(図8の丸付き数字7を参照)。物理モデル演算部分4Bには、この実施例では、メモリ23、CPU24、及びHDD25がある。そして、ステップ902において、物理モデル演算部分4BのソフトウエアSF4により、このモデル実行体が演算される(図8の丸付き数字8を参照)。続いて、ステップ903において、ネットワークコントローラ6、26経由で制御装置シミュレーション部分4Cとの間で信号を送受信し、制御装置を含むシステム全体をシミュレートする(図8の丸付き数字9を参照)。
演算を行うと結果がサンプリングデータという形で出る。次のステップ904では、物理モデル作成、シミュレーション情報設定、結果表示部分4Aは、ネットワークコントローラ6、26経由で物理モデル演算部分4Bからこの演算結果を受け取り、演算結果の解析と表示を行う(図8の丸付き数字10を参照)。次のステップ905では、物理演算の結果(ここでは、例えばモータの回転角とする)を受け取り、3D解析とアニメーションの描画処理を行う(図8の丸付き数字11を参照)。すると、このシミュレーションの通りにアニメーションが動作するので、リアルなアニメーションの挙動を確認することができる。
最後のステップ906では、アニメーションからの機構部品の部品間の位置関係、距離等のデータを物理モデル演算部分4Bにフィードバックし、アニメーションの状態を反映したシミュレーションを行う(図8の丸付き数字12を参照)。そして、ステップ906の終了後にこのルーチンを終了する。
以上説明したように、この実施例でも、物理モデル演算中に、3Dアニメーションから機構部分の部品間の位置関係、距離等のデータを物理モデル演算に反映させることができるので、3Dアニメーションの状態(例えば、機構部分の部品間の衝突等)のシミュレーションを行うことが可能となる。
図10は、図8に示したシミュレーション装置において、更に制御装置シミュレーション部分4Cも独立させて、例えば、図3に示したECU30の中に設けた実施例におけるデータの流れを説明する図である。この場合には、ECU30の中に、通信装置として機能するネットワークコントローラ36が設けられており、このネットワークコントローラ36は、図8で説明したネットワークコントローラ6、26と通信ケーブル8で接続されている。
また、ECU30の中には、物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示部分4AにおけるHDD12に相当するHDD35、メモリ13に相当するメモリ33、及びCPU14に相当するCPU34が設けられている。ネットワークコントローラ36を通じてHDD35に記憶されたデータが、それぞれメモリ33上に展開され、CPU34によって処理が行われる点は、物理モデル作成、シミュレーション情報設定、及び結果表示部分4Aにおける前述の動作と同じである。
そして、図10に示したシミュレーション装置におけるデータの流れは、図8に示したシミュレーション装置におけるデータの流れと同じであるので、フローチャートを用いた説明は省略する。
図11は、図10に示したシミュレーション装置において、制御装置シミュレーション部分4Cを構成するECU30を実際の装置(以後実機と記す)50で置き換えた場合のデータの流れを説明する図である。この場合には、ECU30におけるネットワークコントローラ36、HDD35、メモリ33、及びCPU14の代わりに、通信を行うインタフェースI/F2、駆動回路42、データ処理を行うマイクロコンピュータ44、制御ソフトウエア(前述の組込みソフトウエア)が格納されているROM45、及びデータの展開を行うメモリ43がある。駆動回路42、マイクロコンピュータ44、ROM45、及びメモリ43はバス48で相互に接続されている。また、物理モデル演算部分4Bを備えたコンピュータ設計支援装置20側には、ECU30のインタフェースI/F2に接続するインタフェースI/F1が設けられている。
この実施例に記載の実際の制御装置50では、インタフェースI/F2を通じて入力された制御対象等からの信号が入力され、駆動回路42でマイクロコンピュータ44で処理できる信号に変換される。そして、ROM45に記録された制御ソフトウエアがメモリ43上に展開され、内部状態や入力信号がマイクロコンピュータ44によって処理される。この処理の結果得られた制御信号は、駆動回路42において制御対象を駆動できる信号に変換され、インタフェースI/F2から出力される。この処理を繰り返すことにより、連続した制御が可能になる。
そして、図11に示したシミュレーション装置4におけるデータの流れは、図8に示したシミュレーション装置4におけるデータの流れと同じであるので、フローチャートを用いた説明は省略する。
なお、図11に示したシミュレーション装置では、物理モデル演算をリアルタイム(実時間)で行うことにより、制御装置シミュレーション部分4Cを実際の制御装置50に置き換えてシミュレーションを行うことができる。即ち、制御装置シミュレーション部分4Cをシミュレーションで行う場合は、制御対象となる物理モデルの演算と制御装置のシミュレーションとはいずれもソフトウエアによる演算で処理が行われるので、演算が早く終わった方が演算に時間がかかる方に合わせて待っていれば良く、シミュレーション内部の演算時間が外部の実際の時間(実時間)と異なっていてもシミュレーションに影響は生じない。一方、図11のように、制御装置シミュレーション部分4Cに実際の制御装置50が接続された場合は、実際の制御装置50は電気回路で構成されたハードウエアで実時間で動作するため、処理を早めたり待ったりすることはできない。そこで、実際の制御装置50が接続されている場合は、物理モデル演算を実時間(リアルタイム)で行って実際の制御装置50の動作と同期を取るのである。
図12は、図11に示したシミュレーション装置において、制御装置シミュレーション部分4Cを構成する実機をラピッドコントローラ40で置き換えた場合のデータの流れを説明する図である。ラピッドコントローラ40は、実際の制御装置の動作を汎用コンピュータを用いて代用するものであり、エミュレータと呼ばれるものである。ラピッドコントローラ40を使用することにより、実際の制御装置が完成する前に、制御装置で実行する制御ソフトウエアの検証が可能になる。
制御装置シミュレーション部分4Cを構成する実機をラピッドコントローラ40で置き換えた場合には、実機におけるインタフェースI/F2、駆動回路42、マイクロコンピュータ44、ROM45、及びメモリ43が、インタフェースI/F2、制御ソフトウエアを格納するHDD41、データを展開するメモリ46、及びCPU47によって構成される。このラピッドコントローラ40の駆動回路42、マイクロコンピュータ44、ROM45、及びメモリ43はバス48で相互に接続されている。また、物理モデル演算部分4Bを備えたコンピュータ設計支援装置20側には、ラピッドコントローラ40のインタフェースI/F2に接続するインタフェースI/F1が設けられている。
この実施例では、インタフェースI/F2を通じて入力されたデータが、HDD41に格納された後にメモリ43上に展開され、CPU47によって処理が行われる。
そして、図12に示したシミュレーション装置におけるデータの流れは、図8に示したシミュレーション装置におけるデータの流れと同じであるので、フローチャートを用いた説明は省略する。この実施例においても、物理モデル演算をリアルタイムに行うことにより、制御装置シミュレーション部分4Cをラピッドコントローラに置き換えてシミュレーションを行うことができる。
従来のシミュレーション装置の構成を示すブロック構成図である。 従来のシミュレーション装置における物理モデルが二軸ロボットアームである場合の応用例を説明する図である。 本発明のシミュレーション装置のハードウエアの構成の一実施例を示すブロック構成図である。 本発明を実現するためのシミュレーション装置のシステム構成を示す図である。 本発明のシミュレーション装置における物理モデルが二軸ロボットアームである場合の、アニメーションデータの機構部分の部品間のデータの物理モデル演算への反映を説明する図である。 本発明のシステムにおけるデータの流れの一実施例を示す図である。 図6のシステムにおける動作手順を説明するフローチャートである。 本発明のシミュレーション装置において、物理モデル演算部分を独立させた場合のデータの流れを説明する図である。 図8のシステムにおける動作手順を説明するフローチャートである。 図8に示したシミュレーション装置において、更に制御装置シミュレーション部分も独立させた場合のデータの流れを説明する図である。 図10に示したシミュレーション装置において、制御装置シミュレーション部分を実機で置き換えた場合のデータの流れを説明する図である。 図11に示したシミュレーション装置において、実機をラピッドコントローラに置き換えた場合のデータの流れを説明する図である。
符号の説明
4…シミュレーション装置
7、8、9、21、31…通信ケーブル
10…パーソナルコンピュータ
18、28、38、48…バス
20…コンピュータ設計支援装置
30…ECU
40…ラピッドコントローラ
50…実際の制御装置
RA…ロボットアーム

Claims (7)

  1. 制御装置と機構部分を含む制御対象とからなるシステムをリアルタイムにシミュレーションするシミュレーション装置であって、
    前記制御対象の物理モデルを用いて前記シミュレーションを行うシミュレーション手段と、
    3次元のコンピュータ設計支援装置である3D−CAD装置を使用して作成された前記制御対象の3D−CADデータと、前記シミュレーション手段による前記シミュレーションの結果である、前記制御対象に含まれる機構部品の動作状態に基づいて、前記制御対象の動作の3D解析を行い、3Dアニメーション表示を行うための描画処理を行う3D解析描画処理手段と、
    前記3D解析描画処理手段で描画処理された前記制御対象の動作を、前記シミュレーションを行っている際に3Dアニメーション表示する3Dアニメーション表示手段と、を備え、
    前記3D解析描画処理手段は、前記3Dアニメーション表示の描画処理のために行った前記3D解析の結果を前記シミュレーション手段に供給し、
    前記シミュレーション手段は、前記3D解析描画処理手段から供給される前記3D解析の結果である、前記制御対象に含まれる機構部品間の衝突状態を含む機構部品間の位置関係に関する情報を、前記シミュレーションの物理モデル演算に反映することを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 請求項1に記載のシミュレーション装置であって、
    前記制御対象に含まれる機構部品間の衝突状態が発生した場合の、当該機構部品の動作をシミュレーションする場合に、追加情報として、前記機構部品の質量と重心、前記機構部品間の摩擦力とガタツキ情報の少なくとも1つを考慮してシミュレーションを行うものであり、
    前記追加情報を、前記シミュレーション手段での物理モデル演算に用いる物理モデルに追加することを特徴とするシミュレーション装置。
  3. 請求項1又は2に記載のシミュレーション装置であって、
    前記シミュレーションを行っている際に、前記3Dアニメーション表示手段によって表示を行っている3Dアニメーションに対して、操作入力に基づいて物体の追加を行う設定を可能に構成しており、
    前記3D解析描画処理手段は、前記追加された物体に対する前記制御対象に含まれる機構部品の衝突状態を含めた、機構部品間の位置関係に関する情報を、前記3D解析の結果として前記シミュレーション装置に供給することを特徴とするシミュレーション装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のシミュレーション装置であって、
    前記機構部品間の位置関係に関する情報が、前記機構部品の動作時の動作速度に干渉する情報、前記機構部品間の距離情報、前記機構部品の動作時に干渉する物体との距離情報の少なくとも1つであることを特徴とするシミュレーション装置。
  5. 請求項1からの何れか1項に記載のシミュレーション装置であって、
    前記シミュレーション手段は、前記制御対象をシミュレーションする制御対象シミュレーション手段を有し、
    前記3D解析描画手段における処理を行う3D解析描画処理部と、前記制御対象シミュレーション手段における処理を行う制御対象シミュレーション処理部とは、それぞれ独立に設けられていることを特徴とするシミュレーション装置。
  6. 請求項5に記載のシミュレーション装置であって、
    前記制御装置が実際の制御装置であることを特徴とするシミュレーション装置。
  7. 制御装置と機構部分を含む制御対象とからなるシステムをリアルタイムにシミュレーションするシミュレーション装置のプログラムであって、前記シミュレーション装置に、
    前記制御対象の物理モデルを用いて前記シミュレーションを行うシミュレーションステップと、
    3次元のコンピュータ設計支援装置である3D−CAD装置を使用して作成された前記制御対象の3D−CADデータと、前記シミュレーションステップにおける前記シミュレーションの結果である、前記制御対象に含まれる機構部品の動作状態に基づいて、前記制御対象の動作の3D解析を行い、3Dアニメーション表示を行うための描画処理を行う3D解析描画処理ステップと、
    前記3D解析描画処理手ステップで描画処理された前記制御対象の動作を、前記シミュレーションを行っている際に3Dアニメーション表示する3Dアニメーション表示ステップと、を実行させ、
    前記3D解析描画処理ステップでは、前記3Dアニメーション表示の描画処理のために行った前記3D解析の結果である、前記制御対象に含まれる機構部品間の衝突状態を含む機構部品間の位置関係に関する情報を、前記シミュレーションの物理モデル演算に反映させることを特徴とするシミュレーション装置のプログラム。
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