JP4456685B2 - パチンコ遊技機用打球発射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機の打球発射装置に関するもので、特に直線往復動型ソレノイド駆動式の打球発射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来パチンコ遊技機の打球発射装置は、耐久性に優れた小型の打球発射装置が望まれ、例えば実開平6−52884号公報に開示される直線往復動型ソレノイド駆動式の打球発射装置があり、発射レールと直線往復動型ソレノイドを遊技盤の取付枠に個々に取付けるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記した打球発射装置は、発射レールと直線往復動型ソレノイドを個々に取付けるようにしていたため、互いの最適な位置関係に取付けるのに手間取っていた。また、両者を取付ける際にソレノイドの打球杆と発射レールとの角度に微妙な誤差が生じてしまい、一定の球飛びにならずパチンコ遊技機毎に球飛びにばらつきが生じていた。
【0004】
また、ホールにおいては打球発射装置を酷使するため、ソレノイドの打球杆と発射レールとの角度がずれたり槌頭が磨耗したりして、発射レールのパチンコ球を的確に打ち出すことができず、球飛びが悪くなったり不安定な球飛びとなって、快適な遊技ができなくなるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記課題を解決し、常に正確かつ良好な球飛びができるように調節可能にした打球発射装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るパチンコ遊技機用打球発射装置は、操作ハンドルの操作によって打球供給装置から発射レールに供給されたパチンコ球を遊技盤に向けて発射する直線往復動型の発射ソレノイドを備え、遊技盤の取付枠に装着されるパチンコ遊技機用打球発射装置において、前記発射ソレノイドを支持枠に装着し、前記取付枠に該支持枠の一端を軸支すると共に調整摘みを設け、該調整摘みは偏心円盤を有し、該偏心円盤で前記支持枠を接触支持させると共に、調整摘みを回動することにより発射ソレノイドの上下方向の調整を可能とした。また、前記支持枠にガイド枠を設けるのが好ましく、該ガイド枠を前記偏心円盤で支持するようにするのがよい。
【0007】
また、操作ハンドルの操作によって打球供給装置から発射レールに供給されたパチンコ球を遊技盤に向けて発射する直線往復動型の発射ソレノイドを備え、遊技盤の取付枠に装着されるパチンコ遊技機用打球発射装置において、前記発射ソレノイドを支持枠に装着し、前記取付枠に該支持枠の一端を弾性部材を介して軸ピンにより軸支すると共に、該軸ピンに調整ギヤを支持し、該調整ギヤにはガイド突起が設けられ、一方取付枠には該ガイド突起の対向位置に漸次高くなるガイドリブが円周状に設けられ、調整摘みを回動することにより発射ソレノイドの前後方向の調整を可能とした。
【0008】
前記調整摘みに鋸歯状の係止部を同心的に設け、該係止部に爪を係合させて調整摘みを一方向のみに回動するようにした。
【0009】
前記取付枠に取付凹部を形成し、前記支持枠および調整摘みを取付ベースに取付けユニット化し、前記取付凹部に取付けるようにした。
【0010】
前記取付ベースに発射レールの取付孔および位置決めを設けた。
【0011】
前記支持枠の軸支部を発射レール側に設けるようにするのが好ましく、特に発射レールのほぼ発射位置に位置するのがよい。
【0012】
前記弾性部材は、取付枠または取付ベースに切り溝を設けることにより形成するのが好ましい。また、ウレタン等の弾性樹脂やスプリングでもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に図面に従い本発明の実施の形態を説明する。図1はガラス扉枠と前面板とを開放した状態を示すパチンコ遊技機の下部部分の斜視図である。図において、1はパチンコ遊技機の機枠であり、該機枠1の前面に開口2を有する前面枠3が開閉自在に取付けられている。該前面枠3の開口2には、ガラス扉枠4が開閉自在にに装着され、その下方に前面板5が着脱可能に取付けられ、該前面板5の前面に打球を供給する上部球受皿6が装着され、後面に打球供給装置7が設けらている。また前面枠3の下方には上部球受皿6の余剰球を貯留する下部球受皿8および打球力調節用の操作ハンドル9が設けられる。
【0014】
前記前面枠3の後面には取付枠10を介して遊技盤11が装着されており、その前面にガイドレール12が配設され、ファール球落下口13を介して取付枠10に発射レール14および本発明に係る打球発射装置15が取着される。
【0015】
前記打球供給装置7は、図11に示すように前面板5に取付けられるケース体16と、発射レール14に打球を1個ずつ供給する球送り部材17と、該球送り部材17を作動する電磁石18とで構成される。ケース体16には上部球受皿6のパチンコ球を1列に整列して流下する傾斜樋19が設けられ、その下流端に球送り部材17が回動自在に設けられる。球送り部材17は、図12に示すように傾斜樋19の最先のパチンコ球を支持する球支持部20と回動によってそのパチンコ球を受入れる球受部21が形成され、下端部一側には鉄等の強磁性体金属からなる板状の磁着片22が一体的にインサート成形されている。前記電磁石18は、電磁コイルを巻回した鉄芯23を前記磁着片22と対峙させるようにケース体16に固定される。24は球送り部材17の回動規制部で、該回動規制部24により電磁石18の鉄芯23に球送り部材17の磁着片22とが直接接触しないようにして、磁着片22が磁気を帯びないようにしている。
【0016】
前記操作ハンドル9は、図14に示すように前面枠3の前面に固定される握り部25と、該握り部25に回動自在に設けられる操作レバー26とを備える。握り部25は、前面枠3に固着される後半体25aと、該後半体25aに固定的に結合される前半体25bとの二部材で構成される。また、前半体25b内にはボリュームスイッチ27が組み込まれ、操作レバー26の回動によってボリュームスイッチ27がボリューム調整され、打球の発射力が調節される。
【0017】
前記打球発射装置15は、図4に示すように箱状の取付ベース28に駆動源である直線往復動式の発射ソレノイド29が設置され、取付枠10の取付凹部30に収納されている。前記発射ソレノイド29は、長手方向にプランジャ式の打球杆31が挿通支持されており、先端にゴム製の槌頭32が設けられ、後端のストッパ33および先端側のストッパ34によって往復動が規制されると共に、衝撃が緩和するようになっている。また、発射ソレノイド29は、図3に示すように支持板35にL型金具を介してビス着されており、該支持板35下面の案内溝36,36を支持枠37の突条38,38に沿ってスライドし、突片39,39により支持板35を押え、支持枠37の下面からゴム製の抜け止め部材40,40によって支持板35を固定している。このとき、抜け止め部材40,40は発射ソレノイド29の振動を吸収する働きを兼ねる。
【0018】
このように打球発射装置15が装備されたパチンコ遊技機は、遊技者が操作ハンドル9の操作レバー26を回動してボリュームスイッチ27のボリューム調整をすることによりパルス信号が出力され、このパルス信号により打球供給装置7の電磁石18に電流が流されて該電磁石18が励磁され、図13に示したように鉄芯23に磁着片22が吸着され該送り部材17が後傾状に回転動することで、球支持部20で支持された最先端のパチンコ球Bが該送り部材17の球受部21に受入れられ、次いで電磁石18の励磁が解かれ自重で図12の状態に戻ったとき、該パチンコ球Bが発射レール14の発射位置14aに送給される。そして、その作動に同期して打球発射装置15の発射ソレノイド29を作動させ、打球杆31を反復動させ、発射レール14の発射位置14aのパチンコ球Bを遊技盤11に打ち出すようになっている。
【0019】
しかして、打球発射装置15には、発射ソレノイド29の角度調節機構が設けられ、上下調節および前後調節が可能となっている。具体的には、図2および図5に示すように、支持枠37は一端に設けた軸ピン41を取付ベース28の軸孔42に挿通することで回動自在に支持される。また、取付ベース28には第1調整摘み43が鋸刃状の係止部44と爪45により左方向にのみ回転可能に軸支46されている。該第1調整摘み43には偏心円盤47が一体に形成されており、該偏心円盤47が支持枠37の上方に設けられたガイド枠48を接触支持するようになっている。また、支持枠37のピン49を取付ベース28に形成した円弧長孔50に挿通することで、支持枠37の回動を規制している。
【0020】
また、取付ベース28には切り溝51によって弾性を付与された支持突起52,52が複数設けられ、該複数の支持突起52,52に支持枠37裏面が接触している。取付ベース28の裏面側には、図7に示すように前記軸孔42を中心としたギア収納部53が形成され、調整ギヤ54が前記軸ピン41に軸支され、Eリング55で抜け止め収納されている。そして、調整ギヤ54に歯合して第2調整摘み56が軸支57されている。該第2調整摘み56の外周には鋸刃状の係止部58が設けられ、カバー板59に設けた爪60により右方向にのみ回転可能に軸支57されている。前記ギア収納部53には軸孔42を中心として4等分した鋸刃状のガイドリブ61が設けられ、該ガイドリブ61に対向位置して調整ギヤ54に設けたガイド突起62,62が鋸刃状のガイドリブ61上を移動して支持枠37が繰り返し前後方向に動くようになっている。なお、切り溝51によって弾性を付与された支持突起52,52の代りに、取付ベース28と支持枠37との間にウレタン等の弾性樹脂部材またはスプリング等の弾性体を介在させるようにしてもよい。63はカバー板59に設けられた発射レール14の取付用のビス孔、64は位置決め用の突起である。
【0021】
以上のように構成される打球発射装置15は、発射ソレノイド29を固着した支持板35を支持枠37に装着し、該支持枠37の軸ピン41を取付ベース28の軸孔42に挿通し、取付ベース28のギア収納部53の調整ギヤ54を軸支して、Eリング55で抜け止めされ、支持枠37が支持突起52,52に接触して回動自在に装着される。そして、第1調整摘み43を支持枠37に軸支46して偏心円盤47によりガイド枠48を接触支持させ、第2調整摘み56を調整ギヤ54に歯合して軸支57することによって組立られる。
【0022】
そして、発射レール14の始端を位置決め用の突起64に合致させ、ビス孔63にビス着65することによって、発射ソレノイド29の打球杆31と発射レール14とが設定位置に取着される。このとき、前記支持枠37の軸ピン41位置は、発射レール14の発射位置14aとほぼ一致した位置にある。このように発射レール14を取着した打球発射装置15は、取付枠10の取付凹部30に収納し設置される。
【0023】
次に、この打球発射装置15の発射ソレノイド29の角度調節を説明する。まず上下方向の調節は、第1調整摘み43を図2矢印(イ)方向に回動すると、鋸刃状の係止部44と爪45により偏心円盤47が回動固定し、それに伴い該偏心円盤47が接触支持するガイド枠48によって支持枠37が軸ピン41を支軸として上下方向に回動する。具体的には図8(A)に示すように、発射レール14が水平線に対して24.5度の発射角で取付けられており、発射ソレノイド29は、ガイド枠が偏心円盤47の最も小径の位置で接触している状態で打球杆31が水平線に対して25度の角度で取付けられる。そして、第1調整摘み43を90度回動すると、図8(B)に示すように偏心円盤47により支持枠37が上動回動し、打球杆31の取付角度が水平線に対して23.14度となる。さらに、第1調整摘み43を90度回動すると、偏心円盤47の最も大径の位置となり、図8(C)に示すように打球杆31の取付角度が水平線に対して21.2度となる。それ以降は打球杆31の取付角度が大きくなり、第1調整摘み43を90度回動した時点で、図8(D)に示すように打球杆31の取付角度が水平線に対して23度となり、以後(A)〜(D)の状態を繰り返す。
【0024】
このように、第1調整摘み43を回動するだけで容易に打球杆31の取付角度が調節でき、しかも支持枠37の軸ピン41がほぼ発射レール14の発射位置14aに位置しているため槌頭32の動きも少なく、細かな調整が可能となる。また、鋸刃状の係止部44を細かくすることで、より微妙な調整が可能となる。
【0025】
一方前後方向の調節は、第2調整摘み56を図2矢印(ロ)方向に回動すると、鋸刃状の係止部58と爪60により回動固定し、それに伴い第2調整摘み56に歯合した調整ギヤ54が回動する。このとき調整ギヤ54に設けたガイド突起62,62が鋸刃状のガイドリブ61上を移動することにより支持枠37が前後方向の移動を繰り返す。具体的には、図9(A)に示すように調整ギヤ54に設けたガイド突起62,62が鋸刃状のガイドリブ61の最も低い位置にあり、発射レール14の取付レベルから打球杆31までの距離が9mmに設定されている。そして、第2調整摘み56を回動すると、図9(B)に示すようにガイド突起62,62が鋸刃状のガイドリブ61を上り、調整ギヤ54を後方に移動させる。それに伴い軸ピン41が引張られ、同時に支持枠37が切り溝51によって弾性を付与された支持突起52,52を押えながら移動し、発射レール14の取付レベルから打球杆31までの距離が8.5mmとなる。そしてさらに第2調整摘み56を回動すると、図9(C)に示すようにガイド突起62,62が鋸刃状のガイドリブ61の最も高い位置に移動し、支持枠37がさらに支持突起52,52を押えながら後方に移動し、発射レール14の取付レベルから打球杆31までの距離が7.8mmとなる。そしてさらに第2調整摘み56を回動すると、図9(A)の状態に戻り以後(A)〜(C)の状態を繰り返す。
【0026】
このように、第2調整摘み56を回動するだけで容易に打球杆31の前後位置が調節できる。また、鋸刃状の係止部58を細かくすることで、細かな調整が可能となる。なお、図10に示すように軸孔42を中心として2等分のガイドリブ61にすることで、より微妙な前後方向の調整が可能となる。
【0027】
以上のことから、打球発射装置15が酷使され、槌頭32が磨耗するなどして、球飛びにばらつきが起きても、調整摘み43,56を回動するだけで三次元的な調整が可能となる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のパチンコ遊技機用打球発射装置は、発射ソレノイドを支持枠に装着し、遊技盤の取付枠に該支持枠の一端を軸支すると共に調整摘みを設け、該調整摘みに偏心円盤を設け、該偏心円盤で前記支持枠を接触支持させるようにしたので、調整摘みを回動するだけで容易に打球杆の上下位置が調節できるようにした。また、支持枠の軸ピンに調整ギヤを支持し、該調整ギヤに設けたガイド突起と、取付枠に設けた漸次高くなるガイドリブによって、調整ギヤに歯合した調整摘みを回動することにより発射ソレノイドの前後方向の調整を可能とした。このことから、1つの軸で上下,前後の複数の調節ができ、簡単に正確かつ良好な球飛びができるように調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス扉枠と前面板とを開放した状態を示すパチンコ遊技機の下部部分の斜視図である。
【図2】本発明に係る打球発射装置部分の正面図である。
【図3】打球発射装置の分解斜視図である。
【図4】打球発射装置を取付枠から外した状態の斜視図である。
【図5】上下調節機構部分の断面図である。
【図6】前後調節機構部分の断面図である。
【図7】取付ベースの要部裏面斜視図である。
【図8】(A)〜(D)は上下調節の作用説明図である。
【図9】(A)〜(C)は前後調節の作用説明図である。
【図10】他の実施の形態のガイドリブの斜視図である。
【図11】打球供給装置の斜視図である。
【図12】打球供給装置の断面図である。
【図13】打球供給装置の作用を示す断面図である。
【図14】操作ハンドルの断面図である。
【符号の説明】
7 打球供給装置
9 操作ハンドル
10 取付枠
11 遊技盤
14 発射レール
15 打球発射装置
29 発射ソレノイド
30 取付凹部
37 支持枠
41 軸ピン
43 第1調整摘み
44,58 係止部
45,60 爪
47 偏心円盤
52 支持突起(弾性部材)
53 ガイドリブ
54 調整ギヤ
56 第2調整摘み
62 ガイド突起
63 取付孔
64 位置決め
Claims (4)
- 操作ハンドルの操作によって打球供給装置から発射レールに供給されたパチンコ球を遊技盤に向けて発射する直線往復動型の発射ソレノイドを備え、遊技盤の取付枠に装着されるパチンコ遊技機用打球発射装置において、前記発射ソレノイドを支持枠に装着し、前記取付枠に備えられた取り付けベースに該支持枠の一端を軸支すると共に調整摘みを設け、該調整摘みは偏心円盤を有し、該偏心円盤で前記支持枠を接触支持させると共に、調整摘みを回動することにより発射ソレノイドの上下方向の調整を可能としたことを特徴とするパチンコ遊技機用打球発射装置。
- 前記調整摘みに鋸歯状の係止部を同心的に設け、該係止部に爪を係合させて調整摘みを一方向のみに回動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機用打球発射装置。
- 前記取付枠に取付凹部を形成し、前記支持枠および調整摘みを取付ベースに取付けユニット化し、前記取付凹部に取付けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機用打球発射装置。
- 前記取付ベースに発射レールの取付孔および位置決めを設けたことを特徴とする請求項3記載のパチンコ遊技機用打球発射装置。
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