JP4455820B2 - 易破断性記録材および易破断性積層体とその形成方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は記録材およびその積層体と積層体形成方法に関し、特に情報等の記録に適し、かつ、易破断性に優れた易破断性記録材およびその積層体と積層体形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
値札や商品タグ等は、紙等に商品価格、サイズ、品質表示等の必要事項を記載し、これを糸で商品にくくりつけて使用していた。最近では、糸の代わりにポリプロピレン等のプラスチック繊維やバンド等を使用してタグ等をくくりつけていることもある。糸やプラスチック繊維等を使用してタグ等をつけることは、手間がかかり煩雑であり、また、プラスチック繊維等を使用した場合には、消費者が使用の際に、ハサミ等の切断具を用いてタグ等を除去しなければならない。また、クリーニング等の利用者コードのタグ等はホッチキス等で止められているため、分別問題が発生し、作業性が悪かった。
ところで、インクジェット法による記録は騒音がなく、高速印字が可能であり、低コストであることからカラーコピー、コンピューター等の画像情報出力装置に用いられ、急速に普及しつつある。近年においては、商品タグ等にも写真の画質に近いものが使用されるようになっており、更に高品質の画像形成が要求される場合もある。従って、値段や商品説明のみならず、写真、バーコード等をタグ等に記録させる場合があり、タグ等の印刷にも、インクジェット法を利用することが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、記録を容易に行うことができ、かつ簡易に破断させることができる記録材およびその積層体と積層体形成方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の易破断性記録材は、印刷適性を有する基材を含み、該基材が易破断性を有し、かつヒートシール適性を有することを特徴とする。
本発明の別の態様の易破断性記録材は、易破断性を有する基材および印刷適性を有するインク受容層を含み、該インク受容層が易破断性を有し、かつヒートシール適性を有することを特徴とする。
ここで、前記インク受容層は下記に示す式(1)の繰り返し単位からなる樹脂を主成分とすることができる。
――[AYAR]―― (1)
(上記式(1)中、Aは下記式(2)
(式(2)中、Xは、水素原子または炭素数1以上の炭化水素基であり、a,b,cは、それぞれ1以上の正数であり、Xが炭素数1以上の炭化水素基である場合は、式 44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b=80/20〜96/4 を満足する)で表されるポリアルキレンオキシド残基であり、Yは、活性水素を2個有する化合物残基であり、Rは、ジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基である。)
また、前記インク受容層の融点は100℃以下であることができる。
また、前記インク受容層は透明であることができる。
また、前記基材は、粒径0.3μm〜1.0μmのシリカ粒子を基材を構成する樹脂中、5〜10質量%含有し、かつ基材の厚さが1〜20μmの範囲内であることができる。
また、前記インク受容層は、粒径0.3μm〜1.0μmのシリカ粒子をインク受容層を構成する樹脂中、5〜10質量%含有し、かつインク受容層の厚さが5〜20μmの範囲内であることができる。
本発明の易破断性積層体の形成方法は、上記いずれかの易破断性記録材に、情報を記録させた後、該記録させた面を凹屈曲させて該記録させた面の延長上の面同士が少なくとも一部重なるようにしてヒートシールすることを特徴とする。
ここで、易破断性記録材に情報を鏡面印刷により記録させることができる。。
また、情報の記録をインクジェット法により行うことができる。
本発明の易破断性積層体は、上記いずれかの易破断性積層体形成方法により製造されたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の易破断性記録材は印刷適性およびヒートシール適性を有するフィルム(本発明においてフィルムと言う場合にはシートの概念も含む)であり、基材自体が印刷適性を有する単層フィルムでもよいし、基材上に印刷可能なインク受容層を少なくとも1層有する積層フィルムであってもよい。基材としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を主成分とする樹脂からなるフィルムが挙げられる。ここで「主成分とする」とは、基材を構成する成分のうち質量比で最も多いことをいい、好ましくは50%以上である。
本発明の基材および/またはインク受容層は易破断性である。基材等に粒状物を添加したり、非相溶性のプラスチックをポリマーブレンドすると、基材等の主成分である樹脂の分子間結合が切断されるため膜強度を弱くすることができ、易破断性を付与することができる。粒状物としては、シリカ粒子、酸化チタン、タルク等があり、透明な基材等の場合には無色透明のシリカ粒子を用いることが好ましい。粒状物を添加する基材やインク受容層等の厚みが5μm未満であると、基材等の表面に粒状物が多量に現れるので印刷適性が劣ったものとなり易くなる。また、インク受容層の厚みが20μm以下であれば易破断性を十分に発揮することができる。なお、一般的に、粒状物の添加量を多くすれば、易破断性を達成し易くなる。したがって、粒状物の添加量と粒状物が添加される基材等の厚さは、印刷適性および易破断性の機能を発揮しうるように適宜選択されるものとする。本発明においては、例えば、基材を構成する樹脂に対して5〜10質量%の範囲内で、粒径が0.3μm〜1.0μmのシリカ粒子等の粒状物を含有させ、かつ基材の厚さを1〜20μmとすると、基材は易破断性を有し、かつ良好な印刷適性も有することができる。また、インク受容層を構成する樹脂に対して5〜10質量%の範囲内で、粒径が0.3μm〜1.0μmのシリカ粒子等の粒状物を含有させ、かつインク受容層の厚さを5〜20μmとすると、インク受容層に易破断性および印刷適性を付与することができる。
【0006】
易破断性記録材が基材上にインク受容層を有する態様の場合には、インク受容層のみがヒートシール適性を有していてもよい。
本発明において、インク受容層は印刷適性を有する層であり、インクジェット記録が可能な層であることが好ましい。インク受容層は吸水性樹脂を主成分とする。ここで「吸水性樹脂を主成分とするインク受容層」とは、インク受容層を構成する成分のうち、吸水性樹脂が質量比で最も多いことを指し、好ましくは50%以上である。インク受容層に含まれる化合物等はインク受容層に望まれる特性を阻害しないものであれば、特に限定されることはない。例えば、無機または有機のフィラー、界面活性剤、増粘剤等を含有することができる。
本発明において吸水性樹脂の溶融温度は65℃以下であることが好ましい。吸水性樹脂としては熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば、ポリアルキレンオキシド、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂、セルロース系化合物、およびこれらの変性物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2以上を混合して用いてもよい。
【0007】
本発明においては、吸水性樹脂として、下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される親水性の熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。
――[AYAR]―― (1)
(上記式(1)中、Aは下記式(2)
(式(2)中、Xは、水素原子または炭素数1以上の炭化水素基である。また、a,b,cは、それぞれ1以上の整数であり、Xが炭素数1以上の炭化水素基である場合は、式 44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b=80/20〜94/6 を満足する)で表されるポリアルキレンオキシド残基であり、Yは、活性水素を2個有する化合物残基であり、Rは、ジカルボン酸類化合物残基またはジイソシアネート系化合物残基である。)
【0008】
ここで、活性水素基を2個有する有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、ブチルアミン、アニリン、アニリンプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等がある。
【0009】
上述した質量比、すなわち44(a+c)/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとなる。Xは前記一般式(1)で示される樹脂組成物に疎水性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましいものとしてはエチル基等のアルキル基等が挙げられ、a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができる。
かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物またはジイソシアネート化合物を反応させて生成することができる。
【0010】
上記ジカルボン酸類化合物としては環状ジカルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ましく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジカルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、上記各種ジカルボン酸のメチルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。
特に好ましくは、炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オクタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記その低級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いることが好ましい。
【0011】
上記ジイソシアネート系化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上併せて用いることができる。
【0012】
上記式(1)で表される繰り返し単位からなる樹脂組成物を主成分とする吸水性樹脂は、融点が約60℃であり、延伸時の条件下で容易に溶融して、基体の延伸に追随可能となる。また、分解温度が200℃以上であり、熱処理条件下で分解することはなく、外観を悪化させることはない。ここで「主成分とする」とは、式(1)で表される繰り返し単位からなる樹脂が質量比で最も多いことを指し、好ましくは50%以上である。
【0013】
本発明の易破断性記録材は、基材上にインク受容層を有する積層形態の場合には、種々の積層方法が採用できる。また、本発明に係るシートは2層に限定されるものではなく、基材とインク受容層の間や、基材の外側に1層以上の層を有することもできる。
積層方法としては、例えば、
▲1▼インク受容層を、接着剤を介して、基体と貼り合わせる方法、
▲2▼インク受容層を構成する樹脂を融解させて、基体に貼り合わせる方法、
▲3▼インク受容層を構成する樹脂を、水溶液やアルコール溶液等にして、基体に塗布する方法、
▲4▼各層を構成する樹脂を別々の押出機で溶融させた後、共押出して積層シートとする方法等がある。
また、これらのシートには必要に応じて、延伸、熱処理等が施されていてもよい。
【0014】
積層方法▲1▼は、いわゆるウェットラミネーションでも、ドライラミネーションでもよい。ラミネート時の接着剤としては、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系等が用いられる。通常、ラミネーターで貼り合わせを行う場合には、貼り合わせ前に各層フィルムを予熱し、貼り合わせ後にも溶剤の乾燥と接着剤の硬化を目的にして、エージングすることが多いが、フィルムが軟化して平面性を損なったり、収縮したりしないように、予熱やエージングの加熱温度は80℃以下にすることが好ましい。また、インク受容層をごく薄いものにする場合には、ラミネート時に伸張したり破断する恐れがあるので注意を要する。
【0015】
積層方法▲2▼では、インク受容層を構成する樹脂を押出機等で溶融させ、フィルム状に押出したものを、基材上にロールで圧着して、あるいはローラーで熱圧着させて、貼り合わせる方法である。貼り合わせ時の、インク受容層フィルムの温度は、80℃を越えないことが好ましい。これ以上の温度では、▲1▼と同様に、シートの変形を生じさせる恐れがある。
【0016】
積層方法▲3▼では、基材上にインク受容層を構成する樹脂の溶液を、ノズルから噴霧して塗布したり、あるいはローラーで塗布した後、シートを乾燥する。この際の乾燥温度は、80℃を越えないことが好ましい。水溶液の場合、80℃以下の乾燥では長時間を要し、短時間に仕上げるためには減圧乾燥する必要があり、工程上不利である。乾燥を容易にする点では、アルコール等の低沸点溶剤を用いるのが好ましい。
【0017】
積層方法▲4▼では、基材を形成する樹脂とインク受容層を形成する樹脂とを、それぞれ別々の押出機で溶融した後、同一の導管内に導き、そのまま押出してシートを得る、いわゆるフィードブロック法や、2層に分かれた口金に、それぞれの溶融樹脂を導き押出す、いわゆるマルチマニホールド法等、公知の方法を採用することができる。
【0018】
例えば、インク受容層、基材等の各層を形成する樹脂組成物を、それぞれ配合し、あるいは必要に応じてペレット状にして、Tダイを共有連結した2層Tダイ押出機の各ホッパーにそれぞれ投入し、温度100〜170℃の範囲で溶融して、2層Tダイから共押出し、冷却ロール、水中または空冷等で冷却固化して、2層積層体の易破断性記録材を形成することができる。または、押出によりフィルムを形成した後、このフィルムを基材上にラミネートしても、もしくは基材上に接着剤を介して積層してもよい。
【0019】
本発明においては、本発明の特性を損なわない範囲内で記録材を構成する基材、インク受容層などの各層に酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のために添加する酸化防止剤の量としては、0.5質量%程度が適当である。
また、手触りや柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を含めることができる。本発明に好ましく用いられる充填剤としては例えばタルク等の無機充填剤を挙げることができる。
【0020】
本発明の記録材の各層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、記録材が基材のみの1層からなる場合には、基材の厚みは、10〜100μmの範囲であることが好ましく、基材上にインク受容層を有する2層以上の層からなる場合に、インク受容層は、5〜20μmの範囲であることが特に好ましく、基材は1〜20μmの範囲であることが特に好ましく、記録材全体としては6〜40μmの範囲であることが特に好ましい。
【0021】
本発明において、基材およびインク受容層にはそれぞれ、グラビア印刷、インクジェット等により情報を記録させることができる。
例えば、基材の少なくとも一方の面に、またはフィルムのインク受容層に商品価格、品質表示、サイズ表示等の情報を鏡面印刷(逆打ち)で記録させ、これを商品タグ等として用いる。以下に、商品タグ等として使用する態様を図面を用いて具体的に説明する。
【0022】
図1(a)には長方形の透明な易破断性記録材に印刷を施した状態を示し、(b)には、(a)の易破断性記録材を用いて商品タグを形成した状態を示す。すなわち、本発明の易破断性記録材1の一方の面の半分より端部分2に商品価格情報3を鏡面印刷で記録させ、他方の端を洋服のボタン穴4等に通して印刷面が内側となるように折り返し、印刷面とその延長面とをヒートシールにより貼り合わせる。このようにして、商品等に商品タグ5等を付すことができる。その後、購入者等が使用に際し、タグ等を除去する場合には、手で簡単に破断させてタグ等を除去することができる。なお、この形態のタグ等は、情報を記録した印刷部分が表面に露出しておらず、層の内部に存在することになるので、すなわち印刷部分を覆うように層が存在するので、耐傷性、耐湿性に優れたタグとなる。
また、貼り合わせる面と面との間に電波発信体等を封入して、認証機能、セキュリティー機能を付与しても良い。
【0023】
図2(a)にはくくりつけ部分を有する易破断性記録材に情報を印刷した状態を示し、(b)には、(a)に示すくくりつけ部分を有する形状の易破断性記録材を用いて、商品タグ等を形成した状態を示す。すなわち、矩形状の記録部分11の一端にくくりつけ部分12を形成した易破断性記録材13において、矩形状の記録部分11に品質表示、サイズ、製造元等の情報14を記録させ、くくりつけ部分12を衣類のボタン穴15に通して折り曲げ、くくりつけ部12で輪を形成するようにして、くくりつけ部分の一箇所(積層部分)16をヒートシールにより貼り合わせて部分的積層体である商品タグ17を形成する。このようにして、商品等に商品タグを簡単につけることができる。この態様の商品タグもハサミ等の切断具を使用せず、手で容易に破断させることができるので、不用になったときに、簡単に除去することができる。
【0024】
なお、図1および図2において、かかる記録材は基材のみからなる単一層のフィルムでも、インク受容層を有する積層フィルムでもよいが、インク受容層を有するフィルムの場合には、インク受容層に情報を記録した後、インク受容層が内側となるように折り曲げて、ヒートシールにより接着させて、基材/情報が記録されたインク受容層/インク受容層/基材の順の構成の積層体を形成している。なお、基材にヒートシール適性を付与し、インク受容層に印刷適性を付与した記録材の態様も可能であり、この態様の記録材では、印刷層が外側となるように折り曲げて、使用することができる。この場合には、情報は鏡面印刷にする必要はない。
また、タグ等の形状も長方形等に限定されるものではなく、適宜選択される。
【0025】
本発明において、易破断性記録材をヒートシールする方法としては、具体的には、インパルスシーラ、ヒートバーシーラ、熱ロールシーラ、アイロン等を用いる方法が挙げられる。なお、ヒートシール時のシール面温度は65〜100℃であることが好ましい。また、部分的シールにヒートシールしても良いが、全面的にヒートシールしてラミネートしても良い。
【0026】
【実施例】
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えエステル反応を行い、重量平均分子量が15万の吸水性樹脂を得た。吸水性樹脂と変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製の「エコマティー」)と、シリカ粒子(水澤化学工業社製の「ミズカシル」)とを質量比3:4:3で混合した樹脂をTダイを用い、温度160℃で押出成形した。厚み80μmの単層フィルムを50mm×10mmの大きさに切断する。このフィルムの半分以下の位置にヒューレットパッカード社製のインクジェットプリンター「デスクジェット1120C」を用いて会社名および商品名を鏡面印刷した。このフィルムの一端をシャツのボタン穴に通し、印刷層が内側となるように折り曲げて印刷層同士を重ねあわせて、アイロンで熱圧着させてタグを形成した。
【0027】
(実施例2)
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えエステル反応を行い、重量平均分子量が15万の吸水性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェロール(「UVINUL2000AO」、BASF社製)1部配合した。
得られた吸水性樹脂を押出機で溶融し、Tダイ温度140℃で厚さ30μmのフィルムを押し出してインク受容層を形成した。形成されたインク受容層と、基材として厚さ50μmの透明のアクリプレンフィルム(三菱レイヨン社製)とを積層して易破断性記録材を作製した。得られた易破断性記録材のインク受容層上にヒューレットパッカード社製のインクジェットプリンター「デスクジェット1120C」を用いて企業ロゴを鏡面打ち(逆打ち)により記録させた。
次いで、企業ロゴの周囲を印刷部が長方形50mm×10mmの半分より端部分となるように切断した。この50mm×10mmの大きさの易破断性記録材の一端をシャツのボタン穴に通して、印刷部が内側となるように折り曲げ、アイロンで熱ラミネートして、商品タグを形成した。
【0028】
実施例1および2で作製された各商品タグについて、耐久性の実験を行った。すなわち、得られた各商品タグを30日間放置した後、表面状態や情報の保存状態等を肉眼で観察したところ、破損、文字のにじみ等は発生せず良好であることが分かった。また、除去する際には手で容易に破断させることができた。
【0029】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、簡易、短時間で商品タグをとりつけることができ、かつ容易に破断させることができる易破断性記録材を提供することができた。また、本発明によれば、不用になった際には容易に破断させることができるので、廃棄も容易になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は情報が記録された状態の易破断性記録材の斜視図であり、(b)は(a)の易破断性記録材を使用して、商品タグを形成した状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は情報が記録された状態のくくりつけ部分を有する易破断性記録材の斜視図であり、(b)は(a)の易破断性記録材を使用して、商品タグを形成した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 易破断性記録材
2 半分より端部分
3 商品価格情報
4 ボタン穴
5 商品タグ
11 矩形状の記録部分
12 くくりつけ部分
13 易破断性記録材
14 情報
15 ボタン穴
16 積層部分
17 商品タグ
Claims (4)
- 情報の記録がインクジェット法により行われることを特徴とする請求項1または2の易破断性積層体の形成方法。
- 請求項1から3のいずれか一項の易破断性積層体の形成方法により製造されたことを特徴とする易破断性積層体。
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