JP2006256102A - 再生petファイバー積層ボードを再利用する方法、およびそれを利用したポスター、メモ等の貼着用ボード - Google Patents
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Abstract
【課題】再生PETファイバー積層ボードを使用後、そのままの形状で表面を更新して反復継続して再利用する方法を提供する。
【解決手段】再生PETペレットから再生PETファイバーボードを製造し、100%がポストコンシューマーPETの再生PETペレットの質量当たり、約26%の未使用ポリエチレン樹脂、および通常のプラスチック用添加剤約26%を添加した配合物で、インフレ−ション成膜法により厚さ30μm、幅1200m/mの再生PETフィルムを成膜し、再生PETファイバーボードの表面に重ね合わせ、130〜150℃で、熱プレスにより熱圧着して一体化して、積層ボードとし選挙ポスター掲示板用とし、使用後回収し、そのままの形状で粉砕工程を経ずに、前記再生PETフィルムで全体を被覆し、熱圧着し、積層ボ−ドの表面を更新し、再利用する。
【選択図】なし
【解決手段】再生PETペレットから再生PETファイバーボードを製造し、100%がポストコンシューマーPETの再生PETペレットの質量当たり、約26%の未使用ポリエチレン樹脂、および通常のプラスチック用添加剤約26%を添加した配合物で、インフレ−ション成膜法により厚さ30μm、幅1200m/mの再生PETフィルムを成膜し、再生PETファイバーボードの表面に重ね合わせ、130〜150℃で、熱プレスにより熱圧着して一体化して、積層ボードとし選挙ポスター掲示板用とし、使用後回収し、そのままの形状で粉砕工程を経ずに、前記再生PETフィルムで全体を被覆し、熱圧着し、積層ボ−ドの表面を更新し、再利用する。
【選択図】なし
Description
本発明は、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの再利用に関し、より詳細には、選挙ポスター用掲示板、或いは家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着・掲示用ボ−ドとして使用した再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードを、粉砕することなく、そのままの形状で、表面を更新し、反復継続して利用することを可能にする技術に関する。
本明細書において使用する用語「再生PETファイバー」は、PETボトルなどのポストコンシューマーPET素材またはプレコンシューマーPET素材の再処理フレーク、またはペレットを利用してリサイクルされた再生PET樹脂からなるファイバーと定義する。
本明細書において使用する用語「ポストコンシューマーPET素材」は、使用後に廃棄されたPET製品で、使用済みの梱包材料を含む素材と定義する。
本明細書において使用する用語「プレコンシューマーPET素材」は、PET製品を製造する工程の廃棄ルートから発生した廃棄物と定義する。ただし、原料として同一の工程(工場)内でリサイクルされるものは除く。
なお、当業界では、再生PET樹脂を使用して、ファイバー、シート、フィルム等各種成形製品を製造する場合には、再生PET樹脂を構成するポストコンシューマーPET素材及び/又はプレコンシューマーPET素材の量に応じて、未使用のポリエチレン、ポリプロピレン、或いはポリ塩化ビニル等熱可塑性樹脂を適宜配合して、成形性の改良、製品の物性の改良等を行っている。要するに、主要材料として、再生PET樹脂を使用して製造したファイバー、シート、フィルム等、各種成形製品を、再生PETを冠して呼称しているので、本明細書でも、それに従った。無論、再生PET樹脂を使用して、ファイバー、シート、フィルム等、各種成形製品を製造する場合、通常使用するプラスチック用各種添加剤を添加する。
PET樹脂は、高い熱変形温度、耐水性、剛直性、堅牢性、優れた機械的特性、鋳型への流動性、優れた耐加水分解性、価格の優位性などの性質をもち、熱可塑性樹脂の中でもその需要は急速に高まってきている。
PET樹脂は、高い熱変形温度、耐水性、剛直性、堅牢性、優れた機械的特性、鋳型への流動性、優れた耐加水分解性、価格の優位性などの性質をもち、熱可塑性樹脂の中でもその需要は急速に高まってきている。
PET樹脂は、当初ファイバーやフィルム用材料、或いはエンジニヤリングプラスチック用として使用されているが、その無毒性、無臭、透明性、光沢性、剛性などが高く評価され、樹脂の価格の低下と共に、醤油、清涼飲料用など食品向けのボトル、いわゆるPETボトル用に大量に使用されるようになってきており、PET樹脂の全生産量の50%以上に及んでいる。
我が国では、1980年後半から1990代にかけて、東京都をはじめとする大都市で、使い捨てPETボトルの処理問題が深刻化し、環境や資源保護の必要性が大きく叫ばれるようになった。
そのため、1991年(平成3年)に「再生資源の利用の促進に関する法律」(リサイクル法)が制定され、再資源の利用促進の基本方針が定められ、リサイクル促進が謳われ、それ以来、プラスチックリサイクルに間する法的整備が進んだ。
特に、PETボトルに関しては、1997年「容器包装リサイクル法」(1995年6月公布、1997年4月施行)により、使用済みPETボトルを対象容器として、その回収・リサイクルの義務化が、大企業を対象事業者にして施行された。
我が国のPETボトルのリサイクルの主流は、いわゆるマテリアルリサイクルで、破砕機などの機械的手段を使用して、洗浄したPETボトルを機械的に破砕してフレーク、ペレットにし、プラスチック製品の原料として利用する方法である。従って、現在欧米で進められている解重合を利用して、原料モノマーに戻し、クローズドループを形成するケミカルリサイクルによるものとは、品質も製品も制約があることは否めない。
従って、再生PET樹脂は、光学的透明性を必要としない製品、或いは厳しいテクスチャーが要求されない製品に利用されており、その用途は、多岐に亘ってますます拡大している。
たとえば、繊維分野では、ふとん綿やカーペット下地、自動車内装用不織布、家庭用・インテリヤ用ではカーテン、産業用資材としては遮水シートなどに利用されており、2001年4月に施行されたグリーン購入法に、制服、作業服、作業手袋、カーペット、カーテン、毛布が指定されたことにより、その数量が増大している。
また、再生PETフレークを利用して、鶏卵パック、フォルダー・ファイルや果物用仕切トレー、遮水シート、PETバンドなど用途が拡大している。さらに、未使用のポリプロピレンやポリエチレン樹脂に、25%の再生PET樹脂を添加することにより、射出成形が可能になり、文房具、PERボトル用陳列棚、下水道の蓋、空き容器回収ボックス、非食品用ボトルなどに用途が拡大している。
本発明者も、再生PETファイバーを圧縮成形して、ファイバーボード(以下、「再生PETファイバーボード」という)を開発した。この再生PETファイバーボードは、たとえば910mm×1,820mm×3mmで、質量2.5kgと超軽量であり、未使用のPET樹脂から成形したボードに比肩する寸法安定性、耐候性、耐水性、印刷特性、高い熱変形温度、剛直性、堅牢性、優れた機械的特性等を備えている。
本出願人が製造している再生PETファイバーボードは、取扱が容易なうえ、長期間風雨や直射日光に曝されても、また沖縄等、亜熱帯地域から北海道等、寒冷地域に至る幅広い温度環境下屋外で使用しても劣化することがない。この特性を利用して、長期間屋外で放置されて使用するポスター等の貼着・掲示板、たとえば選挙ポスター掲示板に使用されている。当然、選挙ポスター掲示板に使用する再生PETファイバーボードも、使用後は、回収されて再利用されている。
ただし、敢えて、再生PETファイバーボードの欠点をいうと、原料がPETボトルなどのポストコンシューマーPET素材またはプレコンシューマーPET素材の再処理フレーク、または、ペレットを利用して、リサイクルされたPET樹脂からなるファイバーのため、表面テクスチャーに難点があり、粗面になっていることである。そのために、選挙ポスター等を貼着する場合、接着剤或いは粘着剤が有効に効かず、押しピン、釘、又は画鋲で固定しなければならないという欠点がある。特に、昨今では、選挙ポスター掲示板へ、押しピン、釘、又は画鋲でポスターを固定することは嫌われ、両面粘着テープで貼着することになってきているので、この点が問題である。
再生PETファイバーボードを選挙ポスター掲示板に使用する場合、先ず、木枠を組んで、木枠に再生PETファイバーボードを取付け、選挙ポスターを押しピン、釘、又は画鋲で再生PETファイバーボードに固定することになる。従って、使用する資材は、木材、再生PET樹脂ボード、金属、紙と4種類になり、回収後の材料分別解体作業にコストがかかるという欠点がある。その他に、選挙ポスターを再生PETファイバーボードに、押しピン、釘、又は画鋲で固定し、長期間風雨に曝されると、選挙ポスターがずれたり、脱落することがある。従って、選挙ポスターは、再生PETファイバーボードに強力な両面粘着テープで面接着することが望ましい。
そこで、本発明者は、再生ポリエチレンテレフタレートは、ファイバーボードの表面に、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを熱圧着により接合して一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした積層ボ−ドを開発し、それを利用した選挙ポスター用掲示板、或いは家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着・掲示用ボ−ド等を開発し、特許出願している(特願2004−320747)。
本発明者が開発した再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを、熱圧着により接合して一体化した再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードは、全ての資材が再生PETであるので、使用後両面テープで接着したポスターを剥がすだけで、再生PETファイバーボ−ドと、その表面に熱圧着された再生PETフィルムと一体のまま、リサイクル工程における粉砕工程に回すことができ、リサイクルに要するコスト低減化できることが、大きな利点である。
然しながら、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの全ての資材を、粉砕工程に回すリサイクル方式により、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーに成形してから、再度、同じような形状、物性のファイバー積層ボードを成形し、それを、再び選挙ポスター用掲示板、或いは家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着・掲示用ボ−ドとして使用する方式は、無駄があり、資源の再利用という観点からは改良の余地があった。
発明が解決しようとする主たる課題は、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードを利用した選挙ポスター用掲示板、或いは家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等、各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着・掲示用ボ−ドを、粉砕工程を経ることなく、そのままの形状で、反復継続して、簡単に再利用する方法を提供することである。
再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードに、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを接合して一体化する目的は、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整して均等厚とし、その表面に、接着テープ或いは粘着テープでポスタ−やメモ等の貼着・掲示できるようにすることである。
本発明者は、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードを利用した選挙ポスター用掲示板、或いは家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着・掲示用ボ−ドを使用後、粉砕行程を経ずに、そのままの形状で、反復継続して簡単に再利用するには、その表面を更新すればよいと考えて、その方法を検討した。
表面の更新には、フィルムの接着、樹脂のコーティング等があるが、その方法を策定するに当たっては、資源の再利用、生産性、環境汚染等の観点から、次の条件を考慮することが必要と考えた。
(1)有機溶剤回収や処理コストが省けること。理想的には、環境汚染物質である有機溶剤を使用しないこと。
(2)セットタイムが短く、生産速度があげられること。
(3)自動化が可能であること。
(4)貯蔵や使用にあたって、小さなスペースで済むこと。
(5)メンテナンスやクリーニングコストが少なく済むこと。
(1)有機溶剤回収や処理コストが省けること。理想的には、環境汚染物質である有機溶剤を使用しないこと。
(2)セットタイムが短く、生産速度があげられること。
(3)自動化が可能であること。
(4)貯蔵や使用にあたって、小さなスペースで済むこと。
(5)メンテナンスやクリーニングコストが少なく済むこと。
本発明による1つの方法は、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードを、家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着・掲示用ボ−ドとして使用した後、そのままの形状で、再生PET樹脂から製造したフィルム、或いはホットメルト型接着剤で被覆して熱圧着することである。
なお、本発明において、「使用後の再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードを、そのままの形状で、再生PET樹再生PET樹脂から製造したフィルム、或いはホットメルト型接着剤で被覆する」とは、使用後の再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードを、粉砕工程を経ずに、そのままの形状で、再生PET樹脂から製造したフィルム、或いはホットメルト型接着剤で、片面被覆、表裏の両面被覆、或いは全体被覆を行うことを意味する。全体被覆をする場合は、たとえば、再生ET樹脂から製造したフィルム、或いはフィルム型のホットメルト型接着剤で、全体を収納できる袋を成形し、その中に収納すれば簡単に行うことができる。
再生PET樹脂からフィルムを製造するには、原料が再生PETであるので、光学的透明性、光沢は失活していること、製造コストをできるだけ低く抑えることを勘案して、Tダイ成膜法に代えて、インフレ−ション成膜法を使用することが好ましい。インフレ−ション成膜法は、装置が簡単で、操作も容易であり、両耳の屑ロスが発生せず、かつ設備費が、Tダイ法より少ないなどの利点がある。
インフレ−ション成膜法の一例を概説すると、押出機は、T−ダイ法と同じ原理ものを使用するが、ダイスは、空気入り口が押出しスリットに対して直角に配置されていて、ダイス円周方向のポリマーの流路長が等しく、偏厚の危険性が小さい特殊スパイラル構造のインフレーションダイを使用する。
押出機に取付けられた円形ダイスから、溶融再生PET樹脂をチューブ状に押し出し、次いで、チューブ内部に空気を送り込んで、チューブを所定の幅にまで徐々に膨張させ、最後に扁平に折り畳むか、あるいはチューブを2つに裁断して、2枚のフィルムとして、引取機ニップロールに夾んで巻き取る。
フィルムの厚さは、この引取り方向のフィルムの伸びと、横方向の膨張による伸びによって決定される。この縦方向の伸びと横方向の伸びは、製造されたフィルムの強度に影響を与えるため、縦方向と横方向の強さをバランスさせるために、ダイスのノズル径(D)とチューブ状フィルムの直径(d)の比に制約があり、両方向にバランスのとれた強度を得るためには、通常3倍程度の比をとることが好ましい。
冷却法には、空気冷却方式と水冷却方式があるが、空気冷却方式が好ましい。空気冷却方式は、チューブ状フィルムを外部から冷却する方法と、内部から冷却する方法がある。
本発明に従って、再生PET樹脂を使用して再生PETフィルムを製造するには、たとえば、ポストコンシューマーPET素材の100gに対して、約20〜30%のポリエチレンまたはポリプロピレン等未使用の熱可塑性樹脂、及び所定量の可塑剤、安定剤、滑剤等通常のプラスチック用各種添加剤を、所望により配合して行うことが好ましい。このようにすることにより、フィルム成型時の成形性と、成形されたフィルムの物性を改良することができる。
このようにして製造された再生PETフィルムは、光学的透明性は失われているが、その他の物性は、未使用のPETフィルムと遜色がない。たとえば、機械的特性、すなわち、極限引張強度、極限伸度、引張弾性率、引裂き強度等の機械的度が大きく、前記の厚さにおいて十分である。また、吸水率、透湿率が小さく、吸透膨張係数は、プラスチックフィルム中で、もっとも小さく、寸法の温度および湿度による変化が小さく、寸法安定性がよい。さらに、熱的性質にも優れ、耐熱、耐寒性があり、融点は256℃、可使温度は−70〜150℃、熱膨張係数は極めて小さい。
多色刷りのスクリーン印刷やグラビヤ印刷を施す場合には、フィルムの厚さを適当に調整することができる。さらに、再生PETフィルムには、極めて美しい多色印刷が可能であるので、表面に直接文字、模様を多色印刷した後、裏面を再生PTEファイバーボードの表面に積層することができる。
表面凹凸の極めて小さいフィルムから、大きい紋付けフィルムまで作り分けることができる。従って、必要ならば、滑り性を、表面の凹凸状態、特に凸部の数、高さ、形状などで調整することができる。
このように、再生PETフィルムは、各種機械的性質及び熱的性質に優れているので、屋外で長期間使用するポスター貼着板、掲示板、たとえば選挙ポスター掲示板に使用する再生PETファイバーボードの表面に積層するフィルムとして理想的である。
さらに、本発明者は、再生PETフィルムに代えて、ホットメルトタイプの接着剤を使用することを検討した。ホットメルト接着剤は、水や溶剤を含まない100%固形分の接着剤で、熱で溶融して液状にして塗布し、自然冷却すると硬化し、接着するもので、ペレット、ブロック、テープ、フィルムなどに成形されている。
本発明で使用されるホットメルト接着剤を例示すると、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ナイロン系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性ゴム系である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系ホットメルト接着剤に使用されているEVA樹脂は、エチレン含量で60〜90質量%、酢酸ビニル含量で10〜40質量%のものである。EVA共重合体の物性は、酢酸ビニル含量60%で、伸度が最大、抵張力が最低になる。EVA系ホットメルト接着剤には、主剤であるEVA以外に、種々の添加物が配合されていてもよい。代表的な配合例は、主剤20〜50%、粘着付与剤20〜50%、ワックス20〜40%、可塑剤5〜20%、充填剤1〜5%、酸化防止剤0.1〜0.5%である。
主剤は、接着力がすぐれ、120〜160℃で溶融して、塗布しやすい液体になるEVAが好ましい。粘着付与剤は、溶融物の粘度をコントロ−ルし、被着体へのぬれやホットタックを向上させるために加えられ、ロジン誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂などが使用される。ワックスは、パラフィンワックス、ミクロクリスリンワックス、ポリプロピレンワックスなどが使用され、接着剤の溶融粘度を低下させて作業性をよくし、塗布時の糸引き、塗布物のブロッキングを防止する。可塑剤は、ジメチルフタレートなどが使用され、塗布物の耐低温性の向上(低温時の割れの防止)に寄与する。充填剤は、クレーなどであり、塗布物の加温時のブロッキングを防止する。酸化防止剤は、接着剤が長時間高温で溶融されているため酸化劣化を防止するために添加され、フェノール類などが使用される。
EVA系ホットメルト接着剤をアプリケーターに入れ、加熱溶融させた液体を、ノズルから噴出させて被着面に塗布する。たとえば、154℃で溶融させた接着剤を被着体に塗布する場合、気温が12℃のとき、ノズルから出る接着剤の温度は急激に低下する。この接着剤の場合、70℃までに圧締すると、接着可能であるから、70℃まで低下する時間を求めると、7.3秒になる。これが塗布してから圧締可能までの時間で、オープンタイムという。オープンタイムが短いことがホットメルトの特徴であり、短時間接着ができるということである。オ−プンタイムを延長させたい場合は、EVAのかわりに、他の樹脂、たとえばSIS, SBS等のコポリマ−を使用するか、接着剤中に細い気泡を入れて塗布してもよい。
被着体に接着剤を塗布し、貼り合わせて圧締するとき、圧締法によって接着剤層の温度低下が異なり、強く圧締した方が早く温度が下がる。このために、短時間接着がとくに必要なときには強く圧締する。
本発明では、ポリアミド系ホットメルト接着剤も使用できる。ポリアミド系ホットメルト接着剤は、EVA接着剤よりも狭い温度範囲で溶融と固化が行われるので、管理された条件下では使いやすいが、一方では十分な温度管理が工程で必要になる。汎用性のポリアミド系ホットメルト接着剤は、ダイマー酸とアルキレンポリアミンとの縮合物である、本発明では普通のナイロンタイプのポリアミドも使用される。
本発明では、ナイロンタイプのポリアミドホットメルト接着剤も使用できる。ナイロン6,ナイロン66等のプラスチックは、融点が高く(たとえば、ナイロン66は250℃)、かつ吸湿性が高いので、本発明で使用するホットメルト接着剤としては適当ではない。好ましく使用されるホットメルトナイロンは共重合物であって。特にナイロン12(ラウリラクタムの重合物)を主体にした共重合物が好ましい。ナイロン12は、エチレン鎖長が長いので融点が高く(172℃)、共重合したときに、さらに融点が低下する。
本発明では、ポリエステル系ホットメルト接着剤も使用できる。本発明で好ましく使用されるポリエステル系ホットメルト接着剤は、共重合によって融点を低下したタイプである。たとえば、テレフタール酸やエチレングリコールとのポリエステルは、融点が260℃であるが、セバスチン酸やアジピン酸を共重合させたものは融点が室温まで降下するので好ましい。また、エチレングリコールとプロピレングリコールやブタンジオールとの共重合によっても、融点が低下するので好ましい。
本発明では、熱可塑性ゴム接着剤も使用できる。本発明で好ましく使用される熱可塑性ゴム接着剤は、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)を主成分とする熱可塑性ゴム系ホットメルト接着剤である。
特に、本発明における被着体が再生ポリエチレンテレフタレートであるので、ポリエステルへの接着性が良好な、EVAベースか、EEAベースか、スチレンブロックコポリマーベースのものが好ましい。
特に本発明で、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、またはポリオレフィンを主成分とする熱可塑性樹脂からなるフィルム状ホットメルトタイプ接着剤を使用することにより、被着体への仮止め、接着、除去、再接着が可能であり、数秒の加熱圧着で強い接着力が得られ、正確な位置に均一な厚さで接着できる。
本発明で特に好ましいホットメルト接着剤の配合を例示すると、[Elvax210](EVAコポリマー)10質量部、[Kraton 1102](SBSブロックコポリマー)25質量部、F.R.パラフィンワックス(融点150℃)15質量部、White mineral oil.U.S.P.10重量部、[Sylvatac 95]40質量部、トリノニルフェニルホスフェート0.15質量部から成るものである。なお、[Kraton 1102]は、Shell Chemical社の、[Sylvatac 95]は、Arizona Chemical社の、[Elvax210]は、DuPont社の登録商標である。
本発明で、前述したホットメルトタイプの接着剤を使用するか、未使用PETフィルムを使用するか、或いは再生PETフィルムを使用するかは、再生PETファイバーボードの使用目的に応じて選択される。たとえば、光学的透明性が必要な場合は、前述したホットメルトタイプの接着剤、または未使用PETフィルムが好ましい。また、ポスター貼着・掲示板に使用する再生PETファイバーボードの表面に積層するフィルムとしては、光学的透明性は必要ないので、再生PETフィルムで十分である。
再生PETフィルムを再生PETファイバーボードの表面に積層するには、溶剤を使用することができないので熱接合により行う。再生PETフィルムの熱接合温度は、135〜204℃と比較的高く、従って、超音波接合法を使用することが好ましい。ただし、接着強度が余り良好ではないので、ポリエチレンを積層するか、予めコーティング処理した再生PETフィルムを使用することが好ましい。また、工夫次第で、赤外線ランプ、遠赤外線ランプによる熱線加熱、電熱器やバーナーによる熱風加熱、高周波加熱、熱プレスなどが利用される。
さらに、再生PETフィルムを加熱活性して粘着化したのち、再生PETファイバーボードの表面に貼り合わせる方法も利用できるが、通常は、再生PETフィルムと再生PETファイバーボードの表面を重ね合わせたのち、外部から加熱・加圧して接着する方法が好ましい。
本発明で、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードを、家庭、店舗、学校等教育施設、病院、図書館、役所等、各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着・掲示用ボ−ドとして使用した後、そのままの形状で、全体の表面を更新するには、表面に形成するフィルムの厚さは、一般用の30〜350μmの範囲でよい。この範囲であれば、再生PETファイバーボードの表面の不陸を埋めることができ、所望により、グラビヤ印刷或いはスクリーン印刷を施すことができる。再生PETフィルムの厚さが30μm以下の場合、大きな不陸を埋めることができない場合がある。逆に、再生PETフィルムの厚さが350μm以上の場合、過剰物性となり、不要なコストを引き上げることになるので好ましくない。
再生PETフィルムを再生PETファイバーボードの表面に積層するには、溶剤を使用することができないので、熱接合により行う。再生PETフィルムの熱接合温度は、135〜204℃と比較的高く、従って、超音波接合法を使用することが好ましい。ただし、接着強度が余り良好ではないので、ポリエチレンを積層するか、予めコーティング処理した再生PETフィルムを使用することが好ましい。また、工夫次第で、赤外線ランプ、遠赤外線ランプによる熱線加熱、電熱器やバーナーによる熱風加熱、高周波加熱、熱プレスなどが利用される。
再生PETフィルムを加熱活性して粘着化したのち、再生PETファイバーボードの表面に貼り合わせる方法も利用できるが、通常は、再生PETフィルムと再生PETファイバーボードの表面を重ね合わせたのち、外部から加熱・加圧して接着する方法が好ましい。
本発明により、再生PETファイバーボードの表面に、ホットメルトタイプ接着剤を貼るには、ホットメルトタイプ接着剤の形状によって適した方法を採用する。すなわち、ホットメルトタイプ接着剤がフィルムの場合には、そのまま、フィルムで再生PETファイバーボードの全体表面を被覆し、その後加熱して熱融着すればよい。
ホットメルトタイプ接着剤が、ペレット、ブロック、テ−プの場合は、ホットメルトアプリケータ−を利用することが好ましい。本発明で使用できるホットメルトアプリケータ−としては、パン方式ローラ−コータ−、ニップフィード式ロールコータ−、エクストルージョンコ−タ−、スロットコ−タ−、スプレーアプリケータ−等がある。それぞれ長所、短所があるが、被着体の不陸の程度が塗布量に影響を与えないという点では、パン方式ローラ−コータ−、ニップフィード式ロールコータ−が優れている。被着体への接着性という点では、パン方式ローラ−コータ−、ニップフィード式ロールコータ−、エクストルージョンコ−タ−が優れている。少量生産という点では、パン方式ローラ−コータ−、ニップフィード式ロールコータ−が優れている。
本発明によると、上記課題は、下記の手段により解決される。
(1)再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面に、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを接合して一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボ−ドを使用した後、粉砕することなく、そのままの形状で再生PETフィルムで被覆し、接合して一体化し膜形成し、使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を更新する。
(1)再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面に、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを接合して一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボ−ドを使用した後、粉砕することなく、そのままの形状で再生PETフィルムで被覆し、接合して一体化し膜形成し、使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を更新する。
(2)上記(1)において、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さを12〜350μmとする。
(3)上記(1)または(2)において、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムが、ポストコンシューマーポリエチレンテレフタレートの質量に対して20〜30%のポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから成る群から選択された未使用の熱可塑性樹脂と添加した配合物から製造されたものとする。
(4)再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面に、ホットメルトタイプ接着剤を塗布し、加熱圧着して一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボ−ドを使用後、粉砕せずにそのままの形状でホットメルトタイプ接着剤を塗布し、加熱圧着して一体化し膜形成し、使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を反復継続して更新する。
(5)上記(4)において、ホットメルトタイプ接着剤を、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ホットメルトタイプ接着剤、ナイロン系ホットメルトタイプ接着剤、ポリエステル系ホットメルトタイプ接着剤、ポリアミド系ホットメルトタイプ接着剤、および熱可塑性ゴム系ホットメルトタイプ接着剤から成る群から選択されたものとする。
(6)上記(5)において、ホットメルトタイプ接着剤を、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、またはポリオレフィンを主成分とする熱可塑性樹脂からなるフィルム状ホットメルトタイプ接着剤とする。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項により表面が更新された再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードとする。
(8)上記(7)に記載した再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードを、家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着用ボ−ドとして使用する。
(9)上記(8)に記載した再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードを、選挙ポスタ−掲示板として使用する。
請求項1に記載した発明によると、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面に、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを接合一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボ−ドを使用後、粉砕せずにそのままの形状で再生PETフィルムで被覆し、接合一体化し膜形成して、使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を反復継続して更新するので、粉砕工程に回して、さらにボードに成形するために要するコストが不要になるので、資源のリサイクル、リサイクルに要するコストの低減という本発明の第一義的目的に沿うことになる。
請求項2に記載した発明によると、再生PETフィルムの厚さが12〜350μmなので、再生PETファイバーボードの表面の不陸を完全に調整して均等厚にすることができ、且つ文字、模様等を直接確実に美麗にスクリーン印刷やグラビヤ印刷をすることができる。
請求項3に記載した発明によると、再生PETフィルムを、ポストコンシューマーPETの質量に対して20〜30%のポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから成る群から選択された未使用の熱可塑性樹脂と添加した配合物から製造するので、成形性が向上し、成形されたフィルムの各種物性も改良される。
請求項4に記載した発明によると、ホットメルトタイプ接着剤を使用するので、下記の効果が奏功される。
(1)有機溶剤を使用しなので、その回収や処理コストが省け、環境汚染をしない。
(2)セットタイムが短く、生産速度があげられる。
(3)自動化が可能である。
(4)貯蔵や使用にあたって、小さなスペースでよい。
(5)メンテナンスやクリーニングコストが少なく済む。
(1)有機溶剤を使用しなので、その回収や処理コストが省け、環境汚染をしない。
(2)セットタイムが短く、生産速度があげられる。
(3)自動化が可能である。
(4)貯蔵や使用にあたって、小さなスペースでよい。
(5)メンテナンスやクリーニングコストが少なく済む。
請求項5に記載した発明によると、ホットメルトタイプ接着剤を、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ホットメルトタイプ接着剤、ナイロン系ホットメルトタイプ接着剤、ポリエステル系ホットメルトタイプ接着剤、ポリアミド系ホットメルトタイプ接着剤、または熱可塑性ゴム系ホットメルトタイプ接着剤としたので、再生ポリエチレンテレフタレートとも熱融着する。
請求項6に記載した発明によると、ホットメルトタイプ接着剤が、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、またはポリオレフィンを主成分とする熱可塑性樹脂からなるフィルム状ホットメルトタイプ接着剤とすることにより、仮止め、接着、除去、再接着が可能であり、数秒の加熱圧着で強い接着力が得られ、正確な位置に均一な厚さで接着できる。
請求項7に記載した発明によると、粉砕工程を経ずに簡単な方法で表面が更新された再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードを、反復継続して使用できるので、資源のリサイクル、リサイクルに要するコストの低減という本発明の第一義的目的に沿うことになる。
請求項8に記載した発明によると、粉砕工程を経ずに簡単な方法で表面が更新された再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードは、寸法安定性、耐候性、耐水性、印刷特性、高い熱変形温度、剛直性、堅牢性、優れた機械的特性等を備えているので、家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着用ボ−ドとして使用するのに適している。
請求項9に記載した発明によると、粉砕工程を経ずに簡単な方法で表面が更新された再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードは、寸法安定性、耐候性、耐水性、印刷特性、高い熱変形温度、剛直性、堅牢性、優れた機械的特性等を備えているので、取扱が容易なうえ、長期間風雨や直射日光に曝されても、また沖縄等亜熱帯地域から北海道等寒冷地域に至る幅広い温度環境下屋外で使用しても劣化することがないので、この特性を利用して、長期間屋外で放置されて使用するポスター等貼着・掲示板、たとえば選挙ポスター掲示板に使用される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例を以て説明する。
[実施例1]
再生PETファイバーボードの製造
原料として西日本ペットボトルリサイクル(株)製の、100%がポストコンシューマーPETの再生PETペレットを使用した。
[実施例1]
再生PETファイバーボードの製造
原料として西日本ペットボトルリサイクル(株)製の、100%がポストコンシューマーPETの再生PETペレットを使用した。
西日本ペットボトルリサイクル(株)製の再生PETペレットを溶融押出し→トウ集束→延伸→クリンプ→熱処理→切断して再生PET短繊維を製造した。
この短繊維の比重は1.34、平均断面積は0.70mm2、平均繊維長は25mm、引張強度は312N/mm2、ヤング係数は2,000N/mm2であった。
成形後の製品の形状が910mm×1,365×3.0mmになるように設計した金型に前記再生PET短繊維を充填し、圧縮成形して質量1.9kgの選挙ポスター掲示板用再生PETファイバーボードを製造した。
再生PETフィルムの製造
原料として、西日本ペットボトルリサイクル(株)製の100%がポストコンシューマーPETの再生PETペレットの質量当たり、約26%の未使用(バージン)ポリエチレン樹脂、および通常のプラスチック用添加剤約26%を添加した配合物を用意した。
原料として、西日本ペットボトルリサイクル(株)製の100%がポストコンシューマーPETの再生PETペレットの質量当たり、約26%の未使用(バージン)ポリエチレン樹脂、および通常のプラスチック用添加剤約26%を添加した配合物を用意した。
原料が再生PETであるので、光学的透明性、光沢は失活していること、製造コストをできるだけ低く抑えることを勘案して、Tダイ成膜法に代えて、装置が簡単で操作も容易であるインフレ−ション成膜法を採用した。
前記の配合物を、φ65m/m高性能・高混練タイプの押田機から250〜300℃で、チューブ状に押出した。この際、ダイスとして、ダイス円周方向のポリマーの流路長が等しく、偏肉の危険性少ない空気入口が押し出しスリットに対して直角に配置されているインフレーションダイを使用した。
次いで、チューブ状フィルムの内部に空気を送り込んで、チューブを所定の幅にまで徐々に膨張させ、ガイド板に沿ってニップロールに夾んで巻き取り、最後に2枚に切断して、それぞれリール幅1200m/mの水冷却装置付き引取りロールを経て2軸ターレット式巻取機で巻き取った。
このようにして、厚さ30μm、幅1200m/mの再生PETフィルムを成膜した。
再生PETファイバーボードと再生PETフィルムの熱接合
このようにして製造した再生PETフィルムを再生PETファイバーボードの表面に重ね合わせ、130〜150℃の温度で熱プレスにより熱圧着して一体化して積層ボードを製造した。
このようにして製造した再生PETフィルムを再生PETファイバーボードの表面に重ね合わせ、130〜150℃の温度で熱プレスにより熱圧着して一体化して積層ボードを製造した。
接着剤の剥離接着強さ試験
被着体ボードの製造
比較のために、PETフィルム、不織布、再生紙を材料として,本発明の再生PETファイバーボードと同じ形状の選挙ポスター掲示板用ボードを製造し、被着体ボードとした。
被着体ボードの製造
比較のために、PETフィルム、不織布、再生紙を材料として,本発明の再生PETファイバーボードと同じ形状の選挙ポスター掲示板用ボードを製造し、被着体ボードとした。
なお、表1では、PETフィルム製のボードを「PET」と略記し、不織布製のボードを「不織布」と略記し、再生紙製のボードを「再生紙」と略記し、本発明の再生PETフィルムを熱圧着した再生PETファイバーボードを「再生PET」と略記した。
接着剤の剥離接着強さ試験方法
JISK6854(ISO Item 473(T):Adhesives−90 degree and 180 degree peel tests)に従って、各被着体ボードの表面にテープを貼り、180度剥離時の最大点荷重を接着強度(N/15mm)とした。測定は乾燥状態(dry)及び湿潤状態(wet)の両方で測定した。湿潤状態(wet)での測定は、乾燥状態(dry)でテープを貼った被着体ボードを、水中に30分間浸漬して湿潤状態とした。
JISK6854(ISO Item 473(T):Adhesives−90 degree and 180 degree peel tests)に従って、各被着体ボードの表面にテープを貼り、180度剥離時の最大点荷重を接着強度(N/15mm)とした。測定は乾燥状態(dry)及び湿潤状態(wet)の両方で測定した。湿潤状態(wet)での測定は、乾燥状態(dry)でテープを貼った被着体ボードを、水中に30分間浸漬して湿潤状態とした。
テープは、下記の4種類を使用した。
A:「ナイスタックNW−K15」(ニチバンの登録商標)(粘着力が強力な両面テープ)。表1では「A」と略記した。
B:「ナイスタックNW−15」(ニチバンの登録商標)(粘着力が普通の一般タイプの両面テープ)。表1では「B」と略記した。
C:「ナイスタックNW−P15S」(ニチバンの登録商標)(スポンジ両面テープ)。表1では「C」と略記した。
D:「セロファンテープ」(ニチバン製)。表1では「D」と略記した。
A:「ナイスタックNW−K15」(ニチバンの登録商標)(粘着力が強力な両面テープ)。表1では「A」と略記した。
B:「ナイスタックNW−15」(ニチバンの登録商標)(粘着力が普通の一般タイプの両面テープ)。表1では「B」と略記した。
C:「ナイスタックNW−P15S」(ニチバンの登録商標)(スポンジ両面テープ)。表1では「C」と略記した。
D:「セロファンテープ」(ニチバン製)。表1では「D」と略記した。
実施例1で製造した再生PETファイバーボードに、ポスタ−を接着剤で固定し、沖縄で最も環境条件が厳しい7〜8月の2ヶ月間、および北海道旭川で最も環境条件が厳しい1〜2月の2ヶ月間、屋外に放置した後、回収し、ポスタ−、粘着テ−プ、押しピン等をすべて除去し、455mm×682mm×3.0mmに裁断した。
一方、上述した再生PETフィルムで、455mm×682mm×3.0mmに裁断した再生PETファイバーボードの全体を完全に被覆する袋をあらかじめ成形しておき、その袋の中に、再生PETファイバーボードを収容し、130〜150℃の温度で熱プレスにより熱圧着して一体化して、回収した再生PETファイバーボードの表面を更新した。
ついで、このようにして表面を更新した再生PETファイバーボードに対して、叙述したと同じ方法で接着剤の剥離接着強さ試験を行った結果、表1に示したと同じ結果を得た。
[実施例2]
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、再生PETフィルムに代えて、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−406」(登録商標)を使用した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がエチレン・アクリル酸共重合体の透明タイプで、剥離接着強さ(kN/m)が1.7、厚さが75μmである。
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、再生PETフィルムに代えて、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−406」(登録商標)を使用した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がエチレン・アクリル酸共重合体の透明タイプで、剥離接着強さ(kN/m)が1.7、厚さが75μmである。
このフィルム状ホットメルト接着剤で、実施例1と同じようにして袋を成形し、
その袋の中に、再生PETファイバーボードを収容し、100〜110℃の温度で熱プレスにより熱圧着して一体化して、回収した再生PETファイバーボードの表面を更新した。
その袋の中に、再生PETファイバーボードを収容し、100〜110℃の温度で熱プレスにより熱圧着して一体化して、回収した再生PETファイバーボードの表面を更新した。
ついで、このようにして表面を更新した再生PETファイバーボードに対して、叙述したと同じ方法で接着剤の剥離接着強さ試験を行った結果、表1に示したと同じ結果を得た。
[実施例3]
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−560」(登録商標)を使用したことを除いて、実施例2の手順を繰り返した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がエチレン酢酸ビニル酸共重合体の透明タイプで、剥離接着強さ(kN/m)が0.4、厚さが100μmである。実験の結果、実施例2と同じ結果を得た。
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−560」(登録商標)を使用したことを除いて、実施例2の手順を繰り返した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がエチレン酢酸ビニル酸共重合体の透明タイプで、剥離接着強さ(kN/m)が0.4、厚さが100μmである。実験の結果、実施例2と同じ結果を得た。
[実施例4]
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−615」(登録商標)を使用したことを除いて、実施例2の手順を繰り返した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がポリエステルで強接着タイプで、剥離接着強さ(kN/m)が1.5、厚さが100μmである。実験の結果、実施例2と同じ結果を得た。
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−615」(登録商標)を使用したことを除いて、実施例2の手順を繰り返した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がポリエステルで強接着タイプで、剥離接着強さ(kN/m)が1.5、厚さが100μmである。実験の結果、実施例2と同じ結果を得た。
[実施例5]
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−845」(登録商標)を使用したことを除いて、実施例2の手順を繰り返した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がポリオレフィンで、剥離接着強さ(kN/m)が4。2、厚さが100μmである。実験の結果、実施例2と同じ結果を得た。
回収した再生PETファイバーボードの表面を更新するためのフィルムとして、住友スリーエム株式会社製のフィルム状ホットメルト接着剤「3Mサーモンドフィルム TBF−845」(登録商標)を使用したことを除いて、実施例2の手順を繰り返した。このフィルム状ホットメルト接着剤は、主成分がポリオレフィンで、剥離接着強さ(kN/m)が4。2、厚さが100μmである。実験の結果、実施例2と同じ結果を得た。
以上説明したように、本発明により、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面に、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを接合一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボ−ドを使用後、粉砕せずにそのままの形状で再生PETフィルムで被覆し、接合一体化し膜形成して、使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を反復継続して更新するので、粉砕工程に回して、さらにボードに成形するために要するコストが不要になるので、リサイクルに要するコストが低減され、資源のリサイクルに資することができる。
さらに、無溶剤タイプのホットメルトタイプ接着剤を使用することにより、環境汚染を引き起こさないので、理想的な資源のリサイクル法になる。
また、本発明によると、使用後回収された再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を更新するためのフィルムとして、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエステル系ホットメルトタイプ接着剤を使用することにより、全ての資材がポリエステル系なので、使用後両面テープで接着したポスターを剥がすだけで、再生PETファイバーボ−ドと、その表面に熱圧着された再生PETフィルムまたはポリエステル系ホットメルトタイプ接着剤と一体のままリサイクル工程における粉砕工程に回すことができるので、リサイクルに要するコスト低減化に資することができる。
Claims (9)
- 再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面に、再生ポリエチレンテレフタレートフィルムを接合一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボ−ドを使用した後、粉砕することなく、そのままの形状で再生PETフィルムで被覆し、接合一体化し膜形成して使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を更新することを含む、使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードを再利用する方法。
- 再生ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さが12〜350μmである請求項1に記載の方法。
- 再生ポリエチレンテレフタレートフィルムが、ポストコンシューマーポリエチレンテレフタレートの質量に対して20〜30%のポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから成る群から選択された未使用の熱可塑性樹脂と添加した配合物から製造されたものである請求項1又は2に記載した方法。
- 再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面に、ホットメルトタイプ接着剤を塗布し、加熱圧着して一体化し、再生ポリエチレンテレフタレートファイバーボードの表面の不陸を調整し均等厚にした再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボ−ドを使用後、粉砕せずにそのままの形状でホットメルトタイプ接着剤を塗布し、加熱圧着して一体化し膜形成して使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードの表面を更新することを含む、使用済み再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードを再利用する方法。
- ホットメルトタイプ接着剤が、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ホットメルトタイプ接着剤、ナイロン系ホットメルトタイプ接着剤、ポリエステル系ホットメルトタイプ接着剤、ポリアミド系ホットメルトタイプ接着剤、および熱可塑性ゴム系ホットメルトタイプ接着剤から成る群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- ホットメルトタイプ接着剤が、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、またはポリオレフィンを主成分とする熱可塑性樹脂からなるフィルム状ホットメルトタイプ接着剤である請求項5に記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により、表面が更新された再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボード。
- 請求項7に記載した再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードから形成された、家庭、店舗、学校等教育施設・病院・図書館・役所等各種公共施設等におけるポスタ−、メモ等の貼着用ボ−ド。
- 請求項7に記載した再生ポリエチレンテレフタレートファイバー積層ボードから形成された選挙ポスタ−掲示板。
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JP2005076671A JP2006256102A (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 再生petファイバー積層ボードを再利用する方法、およびそれを利用したポスター、メモ等の貼着用ボード |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2012250398A (ja) * | 2011-06-01 | 2012-12-20 | Nippon Steel & Sumikin Coated Sheet Corp | サンドイッチパネルの製造方法 |
JP2013536277A (ja) * | 2010-07-26 | 2013-09-19 | マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ホットメルト接着剤及び該ホットメルト接着剤の製造方法 |
KR102079699B1 (ko) * | 2019-11-08 | 2020-02-19 | 주식회사 에스에스하우징 | 간판 문자 스카시용 eva 폼 컬러판 및 그 제조방법 |
-
2005
- 2005-03-17 JP JP2005076671A patent/JP2006256102A/ja active Pending
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