JP4455731B2 - 高意匠性多層塗膜形成方法 - Google Patents

高意匠性多層塗膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層塗膜形成方法に関し、特に高意匠性多層塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体や電気機器およびその部品の表面には、通常、美観および各種機能の付与の観点から、塗膜が形成されている。
【0003】
このような塗膜の形成方法としては、具体的には、基材上に電着塗膜および/または中塗り塗膜が形成された被塗装物表面に、着色塗料を塗布して着色塗膜を形成した後、さらにクリア塗料を塗布してクリア塗膜を形成し、同時に加熱して硬化させることによって多層塗膜を形成する方法を挙げることができる。
【0004】
ところで、近年、意匠性の高い多層塗膜を得るために、クリア塗料として、カラークリアまたはにごりクリアと呼ばれる着色成分を配合したクリア塗料が用いられている。
【0005】
しかしながら、このようなカラークリアまたはにごりクリアを用いた場合、塗布した際にできる塗板のエッジ部分の着色成分の溜まりによって発生する塗膜の色ムラ、また、得られた塗膜の色落ち、耐候性の低下等の問題があった。また、クリア塗膜に着色成分が存在することによる透明感の低下という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、得られる塗膜に色ムラ、色落ちおよび耐候性の低下等の問題が発生せず、かつ、色に深みがあり、彩度の高い高意匠性多層塗膜形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被塗装物表面に対して、(1)着色成分および/または光輝材を含有している第1塗料を塗布して第1塗膜を形成する工程、(2)上記第1塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、着色成分を含有する第2塗料を塗布して第2塗膜を形成する工程、(3)さらに、上記第2塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、クリア塗料を塗布してクリア塗膜を形成する工程を含む多層塗膜形成方法であって、上記第2塗料の着色成分の含有量が塗料中の樹脂固形分に対して0.01〜1重量%であることを特徴とする高意匠性多層塗膜形成方法である。ここで、第2塗料の着色成分の含有量が塗料中の樹脂固形分に対して0.01〜0.9重量%であることが好ましく、また、第1塗料における着色成分および光輝材の含有量が塗料中の樹脂固形分に対して1〜60重量%であることが好ましい。また、クリア塗料が着色成分および光輝材を含有しないことが好ましい。ここで、被塗装物表面に、予め電着塗膜および/または中塗り塗膜が形成されていてもよい。
【0008】
また、本発明は、先の高意匠性多層塗膜形成方法によって得られた高意匠性多層塗膜である。
【0009】
【発明の詳細な態様】
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法は、被塗装物表面に対して、着色成分および/または光輝材を含有している第1塗料を塗布して第1塗膜を形成する工程(1)、上記第1塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、着色成分を含有する第2塗料を塗布して第2塗膜を形成する工程(2)、さらに、上記第2塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、クリア塗料を塗布してクリア塗膜を形成する工程(3)を含む多層塗膜形成方法であって、上記第2塗料の着色成分の含有量が塗料中の樹脂固形分に対して0.01〜1重量%であることを特徴とするものである。
【0010】
第1塗料
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法に用いられる第1塗料は、硬化型塗料、乾燥型塗料のいずれであってもよく、膜形成性成分と、着色成分および/または光輝材とを含んでいる。
【0011】
上記膜形成性成分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂成分を例示することができる。上記第1塗料が硬化型塗料である場合には、上記樹脂成分のうち硬化官能基を有するものと、これらの官能基に応じたアミノ樹脂や必要によりブロック化されたイソシアネート樹脂等の硬化剤との組合せを例示することができる。
【0012】
上記着色成分としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、黄色酸化鉄等の無機着色顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、アントラピリジン、アゾオレンジ、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、アゾイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロンレッド、ペリレンレッド、アゾレッド、アントラキノンレッド、キナクリドンレッド等の有機着色顔料等、1:2クロム錯体ブラック、1:2クロム錯体イエロー、1:2コバルト錯体イエロー等の染料を例示することができる。
【0013】
また、上記光輝材としては、例えば、上記アルミニウム粉、アルミナ粉、ブロンズ粉、銅粉、スズ粉、亜鉛粉、リン化鉄、金属コーティングマイカ粉、二酸化チタンコーティングマイカ粉等を例示することができる。
【0014】
上記第1塗料の着色成分および光輝材の含有量としては特に限定されないが、意匠性の観点から、塗料中の樹脂固形分に対して1〜60重量%であることが好ましい。ここで、本発明でいう塗料中の樹脂固形分とは、上記膜形成性成分の固形分重量をいう。
【0015】
なお、本発明の高意匠性塗装塗膜形成方法に用いられる第1塗料は、意匠性の観点から、上記光輝材を含んでいることが好ましい。
【0016】
上記第1塗料は、さらに、樹脂粒子を含むことができる。上記樹脂粒子を含むことによって、塗布時および塗布後の塗膜の粘性を制御することができ、例えば、後述の工程(2)において、第1塗膜と第2塗膜の層間のなじみや反転を抑制することができる。上記樹脂粒子としては特に限定されず、例えば、有機媒体中で、有機溶剤に可溶な部分と不溶な部分を有するポリエステル樹脂またはアルキド樹脂の存在下でエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られるNAD粒子と呼ばれるアクリル樹脂粒子や、水性媒体中で、界面活性剤を存在下でエチレン性不飽和モノマーを乳化重合させて得られるアクリル樹脂粒子等を例示することができる。これらの樹脂粒子は、架橋樹脂粒子であってもよいし、非架橋樹脂粒子であってもよい。上記樹脂粒子の平均粒子径は、貯蔵安定性の観点から、20〜500nmであることが好ましい。上記第1塗料中の樹脂粒子の含有量としては、通常、塗料中の樹脂固形分に対して1〜20重量%である。
【0017】
上記第1塗料は、必要に応じて、体質顔料、硬化触媒、表面調製剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等、当業者によってよく知られているものを含むことができる。
【0018】
なお、上記第1塗料の形態としては特に限定されず、溶剤型、水分散型または水溶型のいずれであってもよい。
【0019】
第2塗料
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法に用いられる第2塗料は、硬化型塗料、乾燥型塗料のいずれであってもよく、膜形成性成分および着色成分を含んでいる。上記膜形成性成分および着色成分としては、具体的には、上記第1塗料で述べたものを挙げることができる。ここで、深みのある高い彩度および透明感の高意匠性多層塗膜を得るために、この第2塗料によって得られる第2塗膜の色相は、上記第1塗膜の色相と同系色とすることが好ましく、同色とすることがさらに好ましい。ここで、本発明における同系色とは、マンセル表示系の色相環(10色相)の色配置において、少なくとも隣り合った色をいう。
【0020】
上記第2塗料の着色成分の含有量としては、塗料中の樹脂固形分に対して0.01〜1重量%であり、0.01〜0.9重量%であることが好ましい。上記含有量が0.01重量%未満である場合、得られる多層塗膜の彩度が向上せず、また、1重量%を超える場合、得られる多層塗膜の透明感が得られない。
【0021】
上記第2塗料は、さらに、樹脂粒子を含むことができる。上記樹脂粒子および第2塗料中の樹脂粒子の含有量は、具体的には、それぞれ上記第1塗料で述べたものを挙げることができる。
【0022】
上記第2塗料は、必要に応じて、体質顔料、硬化触媒、表面調製剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等、当業者によってよく知られているものを含むことができる。
【0023】
なお、上記第2塗料の形態としては特に限定されず、溶剤型、水分散型または水溶型のいずれであってもよい。
【0024】
クリア塗料
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法に用いられるクリア塗料は、得られる塗膜の性能の観点から、硬化型クリア塗料であることが好ましい。上記硬化型クリア塗料は、硬化塗膜形成性成分を含んでいる。上記硬化塗膜形成性成分としては、上記第1塗料が硬化型塗料である場合に述べた樹脂成分と硬化剤との組合せを挙げることができるが、耐酸性の観点から、水酸基等の活性水素含有官能基を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂と、必要に応じてブロック化されたポリイソシアネート樹脂の硬化剤との組合わせや、カルボン酸基含有アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とエポキシ基含有アクリル樹脂との組み合わせであることが好ましい。
【0025】
さらに、本発明の高意匠性多層塗膜形成方法に用いられるクリア塗料は、表面調整剤、粘性制御剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の当業者によってよく知られている各種添加剤を含むことができる。
【0026】
また、上記クリア塗料は、得られる塗膜の色落ち性や耐候性および色の深みの観点から、着色成分および光輝材を含有しないことが好ましい。上記着色成分および光輝材としては、上記第1塗料で述べたものを例示することができる。
【0027】
なお、上記クリア塗料の形態としては特に限定されず、溶剤型、水分散型、水溶型または粉体のいずれであってもよい。
【0028】
高意匠性多層塗膜形成方法
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法は、被塗装物表面に対して形成するものである。
【0029】
上記被塗装物としては、例えば、鉄、鋼、アルミニウム、スズ、亜鉛等の金属やこれらを含む合金、および、これらの金属のメッキまたは蒸着した成型物、ならびに、ガラス、プラスチックや発泡体による成型物等を挙げることができる。これら被塗装物は、脱脂処理や表面処理されていることが好ましい。さらに、上記被塗装物表面には、下塗り塗膜や中塗り塗膜が形成されていてもよい。例えば、被塗装物が自動車車体や部品である場合には、その表面に下塗り塗膜や中塗り塗膜が形成されている。
【0030】
上記下塗り塗膜は、素材表面の隠蔽性や防食性および防錆性を付与するために形成されるものであり、下塗り塗料を塗布した後、焼き付け硬化することで得ることができる。上記下塗り塗膜の膜厚は、例えば、10〜50μmである。このような下塗り塗膜を形成するために用いられる下塗り塗料としては特に限定されず、具体的には、カチオン電着塗料やアニオン電着塗料等を挙げることができ、具体的には、水酸基含有樹脂およびブロック化ポリイソシアネートを含んだものや、スルホニウム基およびプロパルギル基を含有する樹脂を含んだもの等、当業者によってよく知られているものを例示することができる。これらは電着塗装された後、用いた塗料の種類に応じて焼き付け硬化される。
【0031】
また、上記中塗り塗膜は、被塗装物表面や下塗り塗膜の隠蔽性や付着性、さらに耐チッピング性を付与するために形成されるもので、上記被塗装物表面や上記下塗り塗膜上に形成されるものであり、中塗り塗料を塗布することで得ることができる。上記中塗り塗膜の膜厚は、例えば、10〜50μmである。上記中塗り塗膜を形成するために用いられる中塗り塗料は、膜形成性成分を含んでおり、例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂および/または水酸基含有アクリル樹脂と、メラミン樹脂および/またはブロック化ポリイソシアネートとを含んだもの等、当業者によってよく知られているものを例示することができる。これらは用いる塗料の形態に応じて、塗布された後、常温または焼き付けることによって、乾燥または硬化される。
【0032】
<工程(1)>
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法における工程(1)は、上記被塗装物表面に対して、着色成分および/または光輝材を含有している上記第1塗料を塗布して第1塗膜を形成するものである。この第1塗膜によって、被塗装物表面の色を隠蔽し、後述の第2塗膜およびクリア塗膜と相まって、高い彩度と透明感の意匠性を発現することができる。
【0033】
なお、塗布される第1塗料の固形分濃度および粘度は、有機溶剤および/または水を用いて希釈することによって適宜調整することができる。上記工程(1)における上記第1塗料の塗布方法としては、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装等を例示することができるが、塗着効率の観点から、静電スプレー塗装であることが好ましい。塗布膜厚としては特に限定されないが、通常、5〜20μmである。
【0034】
さらに、上記工程(1)によって得られた第1塗膜と後述の工程(2)で得られる第2塗膜との層間でのなじみや反転を抑制するために、上記工程(1)の後、続く工程(2)へ進む前に、インターバルと呼ばれる時間的間隔を開ける操作を行うことが好ましい。このインターバルによって、上記第1塗膜に含まれる有機溶剤および/または水を充分に揮発させることができ、得られる多層塗膜の外観が向上する。上記インターバルは、例えば、15秒〜15分間である。また、上記第1塗料の形態が水分散型または水溶型である場合は、上記インターバル中に、第1塗膜を形成した被塗装物に対してプレヒートと呼ばれる加熱操作を行ってもよい。このプレヒートによって、上記第1塗膜に含まれる有機溶剤および/または水の揮発を、短時間で効率的に行うことができる。この加熱操作は、第1塗膜を積極的に硬化させるものではなく、上記加熱条件としては、例えば、40〜80℃で2〜10分間である。上記プレヒートは、例えば、温風ヒータや赤外線ヒータを用いて行うことができる。
【0035】
<工程(2)>
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法における工程(2)は、上記工程(1)で得られた第1塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、着色成分を含有する上記第2塗料を塗布して第2塗膜を形成するものである。この第2塗膜によって、第1塗膜で得られた色を微調整し、さらに彩度を増すことができる。
【0036】
なお、上記第2塗料の固形分濃度および粘度は、有機溶剤および/または水を用いて希釈することによって適宜調整することができる。
【0037】
また、上記工程(2)における塗布方法および塗布膜厚は、それぞれ上記工程(1)で述べたものと同様である。
【0038】
さらに、上記工程(2)で得られた第2塗膜と後述の工程(3)で得られる上記クリア塗膜との層間でのなじみや反転を抑制するために、上記工程(2)の後、続く工程(3)へ進む前に、上記工程(1)の後と同様に、インターバルと呼ばれる時間的間隔を開ける操作、および、上記インターバル中に、第2塗膜を形成した被塗装物に対してプレヒートと呼ばれる加熱操作を行ってもよい。上記インターバルおよびプレヒートは上記工程(1)と同様にして行うことができる。
【0039】
<工程(3)>
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法における工程(3)は、さらに、上記第2塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、上記クリア塗料を塗布してクリア塗膜を形成するものである。このクリア塗膜は、上記第1塗膜および第2塗膜の色落ちを防止し、さらに、得られる多層塗膜に高い透明感と色の深みを与えることができる。
【0040】
なお、上記工程(3)において、塗布されるクリア塗料が溶剤型、水分散型または水溶型である場合、その固形分濃度および粘度は、有機溶剤および/または水を用いて希釈することによって適宜調整することができる。
【0041】
上記工程(3)における塗布方法としては特に限定されず、クリア塗料の種類および形態に応じて適宜選択することができ、具体的には、溶剤型、水分散型または水溶型の場合、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装および静電スプレー塗装等を、また、粉体の場合、粉体塗装を挙げることができる。塗布膜厚としては特に限定されないが、通常、30〜50μmである。
【0042】
上記工程(1)、(2)および(3)の後、例えば、所定温度にて所定時間乾燥または硬化させることによって、上記被塗装物表面に高意匠性多層塗膜を得ることができる。上記所定温度および所定時間は、上記クリア塗料の種類に応じて適宜設定することができる。
【0043】
高意匠性多層塗膜
本発明の高意匠性多層塗膜は、先の高意匠性多層塗膜の形成方法によって得られるものであり、透明感に優れ、色に深みがあり、かつ、彩度が高い意匠性を有するものである。上記高意匠性多層塗膜は、着色成分および/または光輝材を含有している第1塗膜、着色成分を含有している第2塗膜およびクリア塗膜からなるものである。上記第1、第2およびクリア塗膜は、それぞれ先の高意匠性多層塗膜の形成方法のところで述べた第1塗料、第2塗料およびクリア塗料を用いた方法によって得られるものである。
【0044】
【実施例】
製造例1〜5 第1塗料および第2塗料A〜Dの調製
表1の配合に基づき、原料を均一に分散混合して、ブルーメタリック塗色の第1塗料およびブルー塗色の第2塗料A〜Dを得た。各特数値は表1に示した。
【0045】
製造例6 クリア塗料の調製
カルボン酸基含有熱硬化性アクリル樹脂 100.00重量部(酸価137、数平均分子量3000、スチレン/メタクリル酸シクロヘキシル/アクリル酸イソブチル/無水マレイン酸=30/23/23/24、共重合後、メタノールによって無水マレイン酸をハーフエステル化したアクリル樹脂、固形分50重量%)
エポキシ基および水酸基含有熱硬化性アクリル樹脂 82.00重量部
(水酸基価46、エポキシ当量420、数平均分子量3400、固形分61重量%)
テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.30重量部
シリコン系表面調整剤 0.10重量部
架橋アクリル樹脂粒子 10.00重量部
(平均粒子径55nm、固形分20重量%)
上記原料を、カルボン酸基とエポキシ基とのモル比が1/1となるように混合し、均一に分散して、塗料固形分52重量%のクリア塗料を得た。
【0046】
製造例7 カラークリア塗料の調製
製造例6で得られたクリア塗料 192.40重量部
シャニンブルー G−314 0.40重量部
(山陽色素社製ブルー顔料)
上記原料を混合し均一に分散して、塗料固形分52重量%のカラークリア塗料を得た。
【0047】
製造例8 被塗装物の調製
リン酸亜鉛処理した300×400×0.8mmのダル鋼板に、パワートップU−50(日本ペイント社製カチオン型電着塗料)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付け硬化させた。次に、得られた電着塗膜上に、オルガ P−2グレー(日本ペイント社製メラミン硬化型ポリエステル樹脂中塗り塗料、グレー色)を、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、10分間セッテイングの後、140℃で20分間焼き付け硬化させ、被塗装物表面を中塗り塗膜にした。
【0048】
実施例1
製造例8で得られた被塗装物表面に、予め、酢酸エチル:酢酸ブチル:キシレン:ソルベッツ#100(エッソ社製芳香族系溶剤):セロソルブアセテート=30:10:30:20:10(重量比)で混合して得られた希釈溶剤を用いて、#3フォードカップにて18秒(20℃)となるように希釈された製造例1で得られた第1塗料を、乾燥膜厚が9μmとなるように、エアスプレー塗装して第1塗膜を得た。90秒間のセッティングの後、同様に希釈された製造例2で得られた第2塗料Aを、乾燥膜厚が9μmとなるように、第1塗膜上にエアスプレー塗装して第2塗膜を得た。4分間のセッティングの後、予め、ソルベッツ#100(エッソ社製芳香族系溶剤):ソルベッツ#150(エッソ社製芳香族系溶剤):ジエチレングリコールモノブチルエーテル=36:55:9(重量比)で混合して得られた希釈溶剤を用いて、#4フォードカップで20秒(20℃)となるように希釈された製造例6のクリア塗料を、乾燥膜厚が35μmとなるように、第2塗膜上にスプレー塗装し、さらに7分間のセッティングの後、140℃で20分間焼き付け硬化させて高意匠性多層塗膜1を得た。
【0049】
実施例2および3
製造例2の第2塗料Aの代わりに、それぞれ製造例3および4で得られた第2塗料BおよびCとしたこと以外は、実施例1と同様にして、高意匠性多層塗膜2および3を得た。
【0050】
比較例1
製造例2の第2塗料Aの代わりに製造例1の第1塗料としたこと、および、製造例6のクリア塗料の代わりに、製造例7のカラークリア塗料としたこと以外は、実施例1と同様にして、高意匠性多層塗膜4を得た。
【0051】
比較例2
製造例2の第2塗料Aの代わりに製造例5の第2塗料Dとしたことを以外は、実施例1と同様にして、高意匠性多層塗膜5を得た。
【0052】
評価試験
実施例1〜3および比較例1および2で得られた高意匠性多層塗膜1〜5について以下の評価試験を行った。評価結果は表2に示した。
【0053】
<意匠性>
得られた各高意匠性多層塗膜の透明性および彩度を目視にて観察することにより意匠性を評価した。評価基準を以下に示した。
◎:透明感に優れ、色に深みがあり、彩度が高い
○:透明感があり、彩度が高い
△:透明感がある
【0054】
<色落ち性>
得られた各高意匠性多層塗膜の上に置いたカーワックスを含ませたネル上に、300gの分銅を付けた200gの摩擦子を乗せ、色落ち試験器RT−200(DAIEI KAGAKU SEIKI社製)を用いて往復1000回の摩擦試験を行い、試験後のネルに対する色の付着の有無を評価した。
○:色の付着なし
×:色の付着あり
【0055】
<耐候性>
得られた各高意匠性多層塗膜をサンシャインカーボンウェザオメータ(スガ試験機社製)を使用し、2000時間試験後の60度鏡面光沢度と色差(ΔE)を光沢度計、カラーコンピュータSM−7(いずれもスガ試験機社製)にて測定した。
○:60度鏡面光沢度が75以上、かつ、ΔEが3以下
×:60度鏡面光沢度が75未満、または、ΔEが3を超える
【0056】
<エッジの着色成分の溜まり>
得られた各高意匠性多層塗膜のエッジ部分において、着色成分の溜まりの有無について目視にて評価した。評価基準を以下に示した。
○:溜まりがない
×:溜まりがある
【0057】
【表1】
Figure 0004455731
【0058】
【表2】
Figure 0004455731
【0059】
表2から明らかなように、本発明の高意匠性多層塗膜形成方法によって得られた多層塗膜は、意匠性に優れ、色落ち性、耐候性が良好であり、かつ、塗膜のエッジ部分のクリア塗膜に着色成分の溜まりがなかった。
【0060】
【発明の効果】
本発明の高意匠性多層塗膜形成方法によって得られる多層塗膜は、第1塗料に光輝材を含有させ、かつ、第2塗料の着色成分の含有量を規定しているので、透明性に優れ、色に深みがあり、彩度が高い。
【0061】
さらに、クリア塗料が着色成分および光輝材を含有しないことによって、得られた多層塗膜の色の深みが減少せず、さらに、色落ち性、耐候性が良好であり、かつ、塗膜のエッジ部分のクリア塗膜に着色成分や光輝材の溜まりが発生しない。

Claims (6)

  1. 被塗装物表面に対して、
    (1)着色成分および/または光輝材を含有している第1塗料を塗布して第1塗膜を形成する工程、
    (2)前記第1塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、着色成分を含有している第2塗料を塗布して第2塗膜を形成する工程、
    (3)さらに、前記第2塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、クリア塗料を塗布してクリア塗膜を形成する工程
    を含む多層塗膜形成方法であって、前記第2塗料の着色成分の含有量が塗料中の樹脂固形分に対して0.01〜1重量%であることを特徴とする高意匠性多層塗膜形成方法。
  2. 前記第2塗料の着色成分の含有量が塗料中の樹脂固形分に対して0.01〜0.9重量%である請求項1に記載の高意匠性多層塗膜形成方法。
  3. 前記第1塗料における着色成分および光輝材の含有量が、塗料中の樹脂固形分に対して1〜60重量%である請求項1または2に記載の高意匠性多層塗膜形成方法。
  4. 前記クリア塗料が着色成分および光輝材を含有しない請求項1ないし3のうちのいずれか1つに記載の高意匠性多層塗膜形成方法。
  5. 前記被塗装物表面に、予め電着塗膜および/または中塗り塗膜が形成されている請求項1ないし4のうちのいずれか1つに記載の高意匠性多層塗膜形成方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の高意匠性多層塗膜形成方法によって得られた高意匠性多層塗膜。
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