JP4455512B2 - 無線通信方法及び無線基地局 - Google Patents
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Description
そのための技術としては、MIMO技術が有力である。このMIMO技術とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一チャネル上で異なる独立な信号を送信し、受信局側において同じく複数のアンテナを用いて信号を受信し、各送信アンテナ/受信アンテナ間の伝達関数行列を求め、この行列を用いて送信局側の各アンテナから送信した独立な信号を受信側で推定し、データを再生するものである。
Rx=H・Tx+n …(1)
したがって、受信局側で受信した信号Rxをもとに、送信信号Txを推定する技術が求められている。
このMIMO通信においては、信号の伝搬路の情報を利用して、その伝搬路に対して最適な状況にて信号を送信することにより、最も効率的な通信を行うことができる。
UH・HH ・H・U=Λ …(2)
上記(2)式において、右辺の行列Λは対角成分のみが値を持ち、その他の成分がゼロである対角行列である。この様な特徴を持つユニタリ行列Uを列ベクトルTxに作用させて信号を送信することにより、(1)式は以下の(3)式の様に変換される。
Rx=H・(U・Tx)+n …(3)
ちなみに、上記(4)式の中の送信電力Piは全てのMIMOチャネルに共通の値である必要はなく、また各MIMOチャネル毎に伝送モードを変更しても構わない。
その際、端末局#1(102)に対して送信する信号は、端末局#2(103)および端末局#3(104)方向には指向性利得が極端に低くなるように調整する。この結果として端末局#2(103)および端末局#3(104)への干渉を抑制することができる。同様に、端末局#2(103)に対して送信する信号は、端末局#1(102)および端末局#3(104)方向には指向性利得が極端に低くなるように調整する。同様の処理を端末局#3(104)にも施す。
次に、指向性ビームの形成方法について、以下に説明を加える。例えば、図8において、端末局#1(102)の第1受信アンテナと基地局(101)の第jアンテナとの間の伝達関数をh1jと表記することにする。基地局(101)のj=1〜9の全てのアンテナに関する伝達関数を用い、行ベクトルh1を(h11,h12,h13,…,h18,h19)と表記する。同様に端末局#1(102)の第2受信アンテナ、第3受信アンテナと基地局101の伝達関数をh2jおよびh3jとし、対応する行ベクトルh2およびh3を(h21,h22,h23,…,h28,h29)、(h31,h32,h33,…,h38,h39)とする。
Rx[all]=H[all]・Tx[all]+n …(5)
この(5)式はシングルユーザMIMOにおける(1)式に対応する。同様に、(3)式に示すような送信指向性制御を行うため、9行9列の送信ウエイト行列Wを導入し、(3)式を以下の(6)式のように書き換える。
Rx[all]=H[all]・W・Tx[all]+n …(6)
さらに、送信ウエイト行列Wを列ベクトルw1〜w9に分解し、W=(w1,w2,w3,…,w8,w9)と表記すると、以下の(7)式の様に表せる。
Rx[1]=H[1]・Tx[1]+n1 …(9)
Rx[2]=H[2]・Tx[2]+n2 …(10)
Rx[3]=H[3]・Tx[3]+n3 …(11)
上記(9)式から(11)式において、Tx[1]=(t1,t2,t3)T、Tx[2]=(t4,t5,t6)T、Tx[3]=(t7,t8,t9)T、Rx[1]=(r1,r2,r3)T、Rx[2]=(r4,r5,r6)T、Rx[3]=(r7,r8,r9)Tとした。この様に、全体伝達関数行列H[all]を、部分行列H[1]、H[2]、H[3] に分解することにより、基地局と3つの端末局とにおける各々の通信を、3つのシングルユーザMIMO通信とみなすことができるようになる。
そして、まず、第1ステップとして、端末局#2及び#3に対応する6つの行ベクトルh4〜h9が張る6次元部分空間における6つの基底ベクトルe4〜e9を求める。この基底ベクトルを求める方法としては、グラムシュミットの直交化法の他、様々な方法があるが、ここでは例としてグラムシュミットの直交化法を例に説明する。
e4=(h4・h4 H)−1/2・h4 …(12)
上記(12)式において、(h4・h4 H)は同一ベクトルの絶対値の2乗を意味するスカラー量であり、この平方根の逆数の乗算は行ベクトルh4を規格化することを意味する。
次に、行ベクトルh5に着目し、この行ベクトルh5の中から、上記(12)式により求めた基底ベクトルe4方向の成分をキャンセルした行ベクトルh5’を、下記の(13)式により求めた後、さらに、この行ベクトルh5’を、(14)式により規格化する。
h5’=h5−(h5・e4 H)e4 …(13)
e5=(h5’・h5’H)−1/2h5’ …(14)
上記(13)式において、(h5・e4 H)はベクトルh5の基底ベクトルe4方向への射影を意味する。
hj’=hj−Σ(i)(hj・ei H)・ei …(15)
ej=(hj’・hj’H )−1/2・hj’ …(16)
上記(15)式におけるΣ(i)は、4≦i≦j−1(jは4〜9の整数)の整数iに対する総和を意味する。つまり、既に確定した基底ベクトル方向の成分をキャンセルすることを意味している。上述した基底ベクトルの算出処理により、6つの基底ベクトルe4〜e9を求めることができる。
まず、行ベクトルh1〜h3から、基底ベクトルe4〜e9が張る6次元部分空間の成分をキャンセルする。具体的には以下の(17)式により表せる。
hj’=hj −Σ(i)(hj・ei H)・ei …(17)
上記(17)式において、jは1〜3の整数であり、Σ(i)は、4≦i≦9の整数iに対する総和を意味する。
この(17)式を用いて求めた行ベクトルh1’〜h3’に対し、適当な直交化処理を行う。簡単のためにここではグラムシュミットの直交化を例として用いるが、その他の方法を用いても良い。
e1=(h1’・h1’H)−1/2・h1’ …(18)
h2”=h2’−(h2’・e1 H)・e1 …(19)
e2=(h2”・h2”H)−1/2・h2” …(20)
h3”=h3’−(h3’・e1 H)・e1−(h3’・e2 H)・e2 …(21)
e3=(h3”・h3”H)−1/2・h3” …(22)
上記(12)式から(22)式までの処理により、端末局#1(102)に対する送信ウエイトベクトルw1〜w3を決定することができる。
上述した第1ステップから第3のステップが従来方式における送信ウエイト行列の求める処理方法である。ここで、図9に、従来技術における送信ウエイト行列Wの算出のフローチャートを示す。以下に、図9のフローチャートを簡単に説明する。
現在、MIMO技術は無線LAN等で注目を集めているが、IEEE802.11a、IEEE802.11g等の標準規格の無線LANにおいては、マルチキャリアを用いたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を採用している。このOFDM変調方式を用いるマルチユーザMIMOシステムの場合には、以上の処理を全てのサブキャリアにおいて個別に実施する必要がある。
この図10において、111aはデータ分割回路、112a−1〜112a−Lはプリアンブル付与回路、、113a−1〜113a−Lは変調回路、114aは送信信号変換回路、115a−1〜115a−MTは無線部、116a−1〜116a−MTは送受信アンテナ、117aは伝達関数行列取得回路、118aは送信ウエイト算出回路、119aは空間多重条件判断回路を表す。
また、送信局側の構成としたが、一般には基地局及び端末局は送信機能および受信機能の双方を備えており、ここで示した図9はその中の送信に関する機能のみを抜粋したものとなっている。
したがって、受信のための機能はここには明記していない。また、ここではダウンリンクでのマルチユーザMIMOを想定し、送信局側とは基地局を暗に想定しているが、必ずしも基地局である必要はない。
上記L系統に分割されたそれぞれの信号は、プリアンブル付与回路112a−1〜112a−Lに入力され、所定のチャネル推定用プリアンブルが付与され、変調回路113a−1〜113a−Lに入力される。
変調回路113a−1〜113a−Lにおいては、所定の変調処理が行われ、この変調処理された出力信号が送信信号変換回路114aに入力される。
以上がシングルキャリアの無線システムの例である。OFDM変調方式を用いるマルチユーザMIMOシステムの場合には、図11に示すように、サブキャリア毎に同様の処理を行うことになる。
まず、第1の受信アンテナ121−1から第3の受信アンテナ121−3は、それぞれ個別に受信信号を受信する。無線部122−1〜122−3を経由して、受信した信号はチャネル推定回路123に入力される。チャネル推定回路123は、送信側で付与された所定のプリアンブル信号の受信状況から、第i送信アンテナと第j受信アンテナとの間の伝達関数を取得する。
一方、プリアンブル信号に後続するデータ信号は、1シンボル分づつ受信信号管理回路124に入力される。受信信号管理回路124においては、各アンテナの受信信号(r1, r2, r3)を成分とした受信信号ベクトルRxが一旦管理される。この受信信号ベクトルRxは、行列演算回路#2(127)において、行列演算回路#1(126)にて求められた(HH・H)−1・HHと乗算される。この乗算結果により得られた信号は、送信信号ベクトルTxにノイズが乗った信号であるため、硬判定回路128にて信号判定がされ、各シンボル毎および各系統の信号はデータ合成回路129で合成され、もとのユーザデータが再生され出力される。
上述した各場合には、図12における行列演算回路126(#1),行列演算回路127(#2)及び硬判定回路128の構成の詳細が変更になるのであるが、以降の説明においてはその具体例に依存しないので、ここではその詳細は省略する。また、以上はシングルキャリアを前提とした説明であったが、OFDM変調方式を用いる場合には、サブキャリア毎に同様の処理を行うことになる。
例えば、図8に示した従来技術の例においては、まず9次元のベクトル空間に対し6つの行ベクトルh4〜h9が張る6次元部分空間を求め、この空間に直交した3次元部分空間の3つの基底ベクトルe1〜e3を求める。
以上の説明においては、9次元空間から3次元空間への送信指向性絞り込みを行っていたが、実際の行ベクトルh4〜h9が張る6次元部分空間の中でも、あまり送信に用いられていない方向があるのなら、その方向に関しては、送信ウエイトベクトルw1〜w3の選択条件からその程度に応じて直交化条件を緩和することが好ましい。
これにより、本発明の無線通信方法は、第1の部分伝達関数行列を構成する各行ベクトル毎に、行ベクトルの基底ベクトル方向の各成分をキャンセルする処理において、干渉除去において意義のある範囲内にキャンセル量を制限するためのひとつの実現方法を与えるものであり、この結果として効率的な信号伝送が可能となる。
これにより、本発明の無線通信方法は、基底ベクトルへの射影量αが、基底ベクトル毎にメリハリがつくように設定するためのひとつの実現方法を与える。ここで、射影量αの値が非常に小さくなるような基底ベクトルを見つけることが出来れば、第1の部分伝達関数行列を構成する各行ベクトルからはその基底ベクトル方向の成分をキャンセルしなくても、干渉量としては低く抑えることが可能である。
これは、本発明の無線通信方法において、射影量αを算出するためのひとつの具体的な方法を与えるものである。
これは、本発明の無線通信方法において、基底ベクトルを取得するための方法として、固有ベクトルを求めるよりも演算量が少ない簡易な方法を与えるものである。
これにより、本発明の無線通信方法は、送信するアンテナ数に対し、実際に空間多重を行う信号系列数が少ない場合には、その方向への信号送信が行われない基底ベクトルが存在しうるのに対し、第1の部分伝達関数行列を構成する各行ベクトルからはその基底ベクトル方向の成分をキャンセルしなくても、干渉量としては低く抑えることが可能であり、この効果を取り込むためのひとつの方法を与えることができる。
上述した従来技術の説明において、無線端末局#1に対する送信ウエイトベクトルw1〜w3は、基底ベクトルe4〜e9に完全に直交していた。
しかしながら、上記(17)式を、以下に示す(23)式の様に変形することにより、完全な直交よりも条件を緩和する。
hj’=hj−Σ(i){f(αi)・( hj・ei H )・ei} …(23)
上記(23)式において、関数f(αi)は、他の端末局宛の伝達関数行列を構成する行ベクトルh4〜h9の張る部分空間に対する基底ベクトルeiからの射影に相当する物理量αiを引数とする単調増加関数であり、0≦f(αi) ≦1の範囲の実数値をとる。
したがって、行ベクトルhj(j=1〜3)と基底ベクトルei(i=1〜3)との内積、すなわち内積hj・ei Hは、その性質上、内積hj’・ei Hと一致する。
上記(17)式の右辺第2項の効果によって、ベクトルhj’の大きさ(絶対値)がベクトルhjの大きさよりも小さくなることから、換算伝達関数Pjiが大きな値を維持するようにするためには、ベクトルhj(j=1〜3)の大きさをなるべく維持した状態で、i=1〜3の基底ベクトルを求めることが好ましい。そこで、i=4〜9の基底ベクトルei方向の成分をベクトルhjから完全にキャンセルせず、部分的なキャンセルにとどめることが好ましい。
この様な場合には、基底ベクトルe4方向に信号を送信しても、端末局#2および端末局#3に対しては殆ど干渉とならない。このため、上述した場合、(23)式における係数f(α4)はゼロとして扱っても実効上は問題がない。
もちろん、完全に直交していなくても、行ベクトルh4〜h9と基底ベクトルe4との内積が十分に小さい値を持つのであれば、許容可能な干渉として扱うことが可能であり、その場合には係数f(α4)はその直交の度合いに応じてゼロに近い値を設定すれば良い。もし、逆に行ベクトルh4〜h9と基底ベクトルe4との内積が比較的大きな値を持つ場合には、係数f(α4)は1に近い値を設定すれば良い。
すなわち、端末局#2および端末局#3に対する指向性として、ui H方向の利得(固有値)が大きい場合には、干渉が大きくなるのでf(αi)を1に近く設定し、小さい場合にはゼロに近づける。この関数型の具体的な例としては、例えば、以下の(26)式または(27)式ようなものが考えられる。
f(αi)= min(1, C/αi) …(26)
f(αi)= min(1, Log[C/αi]) …(27)
上記(26)式及び(28)式において、Cは定数を表す。
特に、今回の例においては、端末局#2および端末局#3に対する空間多重数の和が6としていたが、この和が5以下の場合であれば、最も小さな物理量αiに対する係数f(αi)に1>βi≧0となる係数を乗算し、係数f(αi)をβi・f(αi)と置き換えても良い。なお、係数βiは物理量αiの大きさの順番に小さな値をとる(小さな物理量αiほど小さな係数βiとなる)。
これは、(9)式〜(11)式の様に各端末毎に分解した式に対し、(3)式において説明した固有モードSDMを適用することに相当する。特に、例えば端末局#1に対して空間多重する信号系統数が「3」より小さい場合、固有値の大きな方の固有ビームから順番に利用することで、より効率的に伝送を行うことが可能となる。
本発明においては、特に小さな物理量αiに対し、係数f(αi)を小さくすることにより、部分的な干渉の除去効果を高めることができる。基底ベクトルが固有ベクトルとなるように選んだ場合、固有値は固有ベクトル毎に大きなばらつきを有している。すなわち、特に小さな物理量αiを効率的に選択することが可能である。
しかし、一般に行列の次元が大きくなると固有ベクトルの算出は困難になる。一方で、単純にグラムシュミットの直交化法を用いる場合には、(24)式及び(25)式等で与えられる物理量αiは、基底ベクトル毎に大きさの大小の差がつきにくい。
まず、第1の基底ベクトルe4を決めるため、行ベクトルh4〜h9の中において、最も絶対値が大きい行ベクトルを選択する。
そして、その選択された行ベクトルに対して、規格化処理を行うこと、すなわち(12)式に相当する処理を行うことにより、基底ベクトルe4を設定める。
次に、ここで選択して用いた行ベクトルを除く全ての行ベクトルh4〜h9(この時点でベクトルの数は5個)に対し、(13)式に示した基底ベクトルe4方向の成分のキャンセル処理を行い、行ベクトルh4’〜h9’を求める。
次に、この行ベクトルに対して規格化処理を行い、すなわち(14)式に相当する処理により、基底ベクトルe5を定める。
さらに続けて、行ベクトルにおいて、基底ベクトルを求めるためにまだ用いていない残りの全ての行ベクトルh4〜h9(この時点でベクトルの数は4個)に対し、(13)式に示したe5方向の成分のキャンセル処理を行い、行ベクトルh4”〜h9”を求める。この様に、順次、決定済みの基底ベクトル方向の成分をキャンセルし、キャンセル後のベクトルの絶対値が大きい方から順番に基底ベクトルを決定する。この様な処理により基底ベクトルを設定することにより、後になって選ばれる基底ベクトルの方向ほど、干渉を与える程度が低くなる。この結果として、(24)式及び(25)式等で与えられる物理量αiは、値として大きなばらつきを持つようになる。以上の説明が、本発明の動作原理の説明である。
ここで、本発明の一実施形態における無線基地局および無線端末局による無線通信システムの構成に関する説明を行う。本発明の第1の無線局の送信部の構成、および第2の無線局の受信部の構成は、基本的に図10〜図12に示した従来方式と同一であるが、唯一、無線基地局の送信部における送信ウエイト算出回路(図1における118aおよび118b)の構成が異なる。図1を参照して、本発明の一実施形態における送信ウエイト算出回路を説明する。図1は本発明の一実施形態における送信ウエイト回路の構成例を示すブロック図である。図1の送信ウエイト回路を、図2に示す従来技術における送信ウエイト算出回路(図10における1118aまたは図11における1118b)の構成とを、比較しつつ説明する。
まず、図2の従来方式における送信ウエイト送信回路(図10における118aまたは図11における118b)に対して、伝達関数行列取得回路(図10における117aまたは図11における117b)からは全無線端末局の伝達関数情報が、空間多重条件管理回路(図10における119aまたは図11における119b)からは無線端末局毎の空間多重する信号系統数がそれぞれ入力され、最終的に算出した送信ウエイトベクトルに関する情報を送信信号変換回路(図10における114aまたは図11における114b)に出力する。
また、空間多重条件管理回路(図10における119aまたは図11における119b)から端末局毎の空間多重する信号系統数が入力されると、空間多重管理回路131は、送信ウエイトベクトルを順次求めるために、伝達関数行列管理回路132に対して、送信ウエイトベクトルを算出する対象の端末局との伝達関数情報を、Hmain抽出回路133およびHsub抽出回路134に出力させる指示を出す。
Hmain抽出回路133およびHsub抽出回路134各々は伝達関数情報を伝達関数行列管理回路132から入力し、無線端末局#1に対応するこの伝達関数情報から、Hmain抽出回路(133)では部分伝達関数Hmainを、Hsub抽出回路(134)では無線端末局#2及び#3に関する部分伝達関数Hsubを抽出する。
Hmain部分空間干渉成分完全除去回路135においては、Hsub部分空間基底ベクトル算出回路136から基底ベクトルが、またHmain抽出回路(133)から部分伝達関数行列Hmainが入力される。また、Hmain部分空間干渉成分完全除去回路135は、部分伝達関数行列Hmainの各行ベクトルから、Hsub部分空間基底ベクトル算出回路136から入力された基底ベクトルの成分を、上記(17)式に従って完全にキャンセルする。
送信ウエイトベクトル決定回路138は、上記部分空間に対する基底ベクトルを入力し、この基底ベクトルを送信ウエイトベクトルに変換し、送信信号変換回路114aまたは114bに出力する。
なお、ここまでの説明では特定の無線端末局宛の信号に着目して説明したが、空間多重管理回路131においては、全ての無線端末局宛の信号の空間多重を管理し、以上説明した処理を全無線端末局宛の信号として実施できるよう、並列的、ないしは直列的に処理を実施できるようにしている。つまり、無線端末局#1に関する伝達関数をHmainとし、無線端末局#2及び#3に関する伝達関数をHsabとして処理した内容を端末局を入れ替えて同様の処理を行う。この結果として、送信ウエイトベクトル決定回路138は、送信信号変換回路114aまたは114bへの出力として、送信する全ての信号系列に対する送信ウエイトベクトルを全て含む送信ウエイト行列Wを形成する。
一方、図1に示す本実施形態においては、この干渉成分の除去を、(23)式に対応して行うように変更した。この計算式の変更に合わせて、図5におけるHmain部分空間干渉成分完全除去回路135を、図1に示すように、Hmain部分空間部分成分部分除去回路3に置き換え、さらに、Hsub部分空間射影量αi算出回路1及びf(αi)算出回路2の構成を追加した。
f(αi)算出回路2は、上記射影量αiに対応した係数f(αi)を算出する。
Hmain部分空間部分成分部分除去回路3は、算出された上記f(αi)の値及びHsub部分空間基底ベクトル算出回路136の求めた基底ベクトルが入力されると、(23)式に従って部分的に干渉成分をキャンセルする。
図3に示すフローチャートは、基本的に図9に示す従来技術のフローチャートと同様であり、差分としてはステップ(処理)S108の代わりに、ステップS8,S9及びS10が行われる。
ステップS8において、Hsub部分空間射影量αi算出回路1は、ステップS7にてHsub部分空間基底ベクトル算出回路136が求めた基底ベクトル{ei}に対し、(24)式及び(25)式等に記載した演算により、基底ベクトルei毎に、行列Hsubの行ベクトルが張る部分空間への射影に相当する物理量αiを算出する。
このため、ステップS10において、Hmain部分空間部分成分部分除去回路3は、上記(23)式に相当する処理を実施する。
上述した差分以外、図3に示すフローチャートと、図9に示す従来技術のフローチャートとは同様の処理が行われる。
上記図3の説明においては、ステップS7における直交基底ベクトルの算出方法について言及がなかったが、例えばグラムシュミットの直交化法やQR分解法、特異値分解による固有ベクトル算出など、様々な方法が考えられる。図4においては、この様々な方法の中から固有ベクトルを用いる場合について具体的に説明している。
例えば、図8で示した無線通信システムようなケースにおいては、行列Hsubは6行9列であり、(Hsub)H・Hsubの固有ベクトルは9個存在する。しかし、そのうちの少なくとも3個は固有値がゼロである。これは、部分伝達関数行列Hsubの行ベクトルが張る部分空間が6次元以下の空間であるからである。
ここで、意味のある固有ベクトルは非ゼロの固有値の固有ベクトルであり、固有値の大きさ順に固有ベクトルを抽出する(S23)。そして、図3のフローチャートにおけるステップS8としては、物理量αiに各固有ベクトルの固有値λiを代入することにより、Hsub部分空間射影量αi算出回路1は物理量αiの算出処理を実現する(S24)。以上の処理後、ステップS9に戻り処理を続ける。
そこで、その他の直交化手法の中で、物理量αiに大きなばらつきが現れやすいように、Hsubの各行ベクトルが張る部分空間から、なるべく基底ベクトル方向の成分が大きい方から順番に基底ベクトルを決める方法を考える。
図5は、本発明の一実施形態におけるHsub部分空間基底ベクトル算出回路136における他の直交基底ベクトルの算出動作を示すフローチャートである。
次に、行ベクトル群{hj}の各ベクトルの大きさ(ないしはその近似値)を求める(S33)。この各ベクトルの大きさとしては、絶対値、絶対値の2乗の他に、ベクトルの各成分の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和を近似値として用いても構わない。
上記近似操作は、回路を構成する際に乗算回路を用いずに、加算回路のみで構成することを可能としており、通常の絶対値をユークリット距離、近似値をマンハッタン距離と呼ぶことがある。
次に、全ての基底ベクトルの決定が完了したか否かを判断し(S36)、未決定の基底ベクトルがある場合(Noに対応)には、行ベクトル群{hj}の中から、今、求めた行ベクトルhjを除外し、残りのベクトルを新しい行ベクトル群{hj}として管理する(S37)。
さらに、更新した行ベクトル群{hj}の各々から、最後に求めた基底ベクトルek方向の成分をキャンセルし、再度、行ベクトル群{hj}として管理し(S38)、処理S33に戻る。
一方、処理S36において、未決定の基底ベクトルがない場合(Yesに対応)には、処理S8を実施する(S39)。
図3の説明では、ステップS11での直交基底ベクトルの算出方法について言及がなったが、例えばグラムシュミットの直交化法やQR分解法、特異値分解による固有ベクトル算出など、様々な方法が考えられる。
また、図1のステップS12において、送信ウエイトベクトルを決定する際に、着目する無線端末局宛に空間多重する信号系列数(Nsmと表記する)が部分伝達関数行列Hmainの行数よりも少ないという場合もある。この場合、実質的には送信ウエイトベクトルおよび直交基底ベクトルはNsm個求めればよい。
具体的には、図3のフローチャートにおけるステップS10を実施後(S41)、(Hmain)H・Hmainの固有ベクトルおよび固有値を求め(S42)、着目する無線端末局の空間多重数を取得し(S43)、固有値の絶対値の大きい方から順番にNsm個のベクトルを抽出し、これを基底ベクトル群{ei}とし、次のステップS12を実施する(S46)。
先の動作原理でも説明したが、着目している無線端末局以外の部分伝達関数行列Hsubの行数(Nsubと表記する)に対し、実際にこれらの端末局に対して空間多重する信号系統数が少ない場合、これらの無線端末局宛の信号はNsub次元空間よりも次元が小さな部分空間に信号が送信されることになる。
すなわち、残された次元の基底ベクトルの方向は、着目している無線端末局の信号送信において用いることが許容できる。
次に、αiの大きさの順番に係数βiを決定し(S53)、さらに、(26)式及び(27)式等の所定の基準により、一旦、係数f(αi)を算出する(S54)。
そして、この係数f(αi)に対して、上記係数βiを乗算し、この乗算結果、すなわちβi・f(αi)により、係数f(αi)を更新する(S55)。
以上の処理の後、ステップS10に戻る(S56)。
2…f(αi)算出回路
3…Hmain部分空間干渉成分部分除去回路
101…基地局
102,103,104…無線端末局#1〜#3
111a,111b…データ分割回路
112a−1,112a−2,112a−L…プリアンブル付与回路
112b−1,112b−2,112b−L…プリアンブル付与回路
113a−1,113a−2,113a−L…変調回路
113b−1,113b−2,113b−L…変調回路
114a,114b…送信信号変換回路
115a−1,115a−2,115a−MT…無線部
115b−1,115b−2,115b−MT…無線部
116a−1,116a−2,116a−MT…送受信アンテナ
116b−1,116b−2,116b−MT…送受信アンテナ
117a,117b…伝達関数行列取得回路
118a,118b…送信ウエイト算出回路
119a,119b…空間多重条件判断回路
120a−1,120a−2,120a−L…IFFT回路
120b−1,120b−2,120b−L…IFFT回路
121−1,121−2,121−3…受信アンテナ
122−1,121−2,122−3…無線部
123…チャネル推定回路 124…受信信号管理回路
125…伝達関数行列管理回路 126…行列演算回路#1
127…行列演算回路#2 128…硬判定回路
129…データ合成回路 130…MIMO受信処理部
131…空間多重管理回路 132…伝達関数行列管理回路
133…Hmain抽出回路 134…Hsub抽出回路
135…Hmain部分空間干渉成分完全除去回路
136…Hsub部分空間基底ベクトル算出回路
137…Hmain部分空間基底ベクトル算出回路
138…送信ウエイトベクトル決定回路
Claims (9)
- 一つの第1の無線局と複数の第2の無線局により構成され、該第1の無線局は複数本のアンテナで構成される第1のアンテナ群を備え、該第2の無線局は複数本のアンテナで構成される第2のアンテナ群を備え、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群および前記第2の無線局の全てないしはその一部の備える前記第2のアンテナ群により構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを介して複数の信号系統を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信することが可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記第1の無線局における送信処理は、
前記第1のアンテナ群と前記複数の第2のアンテナ群の間のMIMOチャネルの各伝達関数情報を取得する伝達関数行列取得ステップと、
前記複数の第2の無線局の中からその全てないしはその一部の無線局を同時に空間多重する通信相手局として選択する空間多重条件判断ステップと、
前記第1のアンテナ群と該選択された複数の第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報の中から、前記第1のアンテナ群と着目する第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される第1の部分伝達関数行列を抽出する第1の部分伝達関数抽出ステップと、
前記第1のアンテナ群と該選択された複数の第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報の中から、前記第1のアンテナ群と着目する第2の無線局以外のひとつまたは複数の第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される第2の部分伝達関数行列を抽出する第2の部分伝達関数抽出ステップと、
該第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第2部分空間基底ベクトル算出ステップと、
該基底ベクトル毎に、前記第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間から前記基底ベクトルへの射影量αを算出する射影量算出ステップと、
算出された該射影量αを引数とし、該射影量に対し、単調増加関係をもつ物理量を与える係数f(α)(0≦f(α)≦1)を出力する係数算出ステップと、
前記第1の部分伝達関数行列を構成する各行ベクトル毎に、該行ベクトルの前記基底ベクトル方向の各成分を前記係数f(α)を乗算してキャンセルする部分空間干渉成分部分除去ステップと、
該キャンセル処理を行った前記第1の部分伝達関数行列を構成する各行ベクトルに対し、該行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第1部分空間基底ベクトル算出ステップと、
該基底ベクトルをもとに送信ウエイトベクトルを決定する送信ウエイトベクトル決定ステップと、
該送信ウエイトベクトルにより構成される送信ウエイト行列を求める送信ウエイト行列生成ステップと、
複数の信号系列の送信信号を各成分として構成される送信信号ベクトルに対して前記送信ウエイト行列を乗算する送信信号変換ステップと、
該乗算後の結果を前記第1のアンテナ群を介して送信する送信ステップと
を実施することを特徴とする無線通信方法。 - 前記請求項1に記載の無線通信方法であって、
前記第1の無線局は、該第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第2部分空間基底ベクトル算出ステップにおいて、
第2の部分伝達関数行列ないしは該行列と該行列のエルミート共役である行列の積として与えられる行列に対し、その固有ベクトル及び固有値を求めるステップと、
前記固有値の絶対値ないしは絶対値の近似値の大きいほうから、所定の数だけ固有ベクトルを選択することにより前記基底ベクトルを算出するステップと
を実施することを特徴とする無線通信方法。 - 前記請求項2に記載の無線通信方法であって、
前記射影量算出ステップは、前記射影量αに前記各固有ベクトルの固有値を代入することを特徴とする無線通信方法。 - 前記請求項1に記載の無線通信方法であって、
前記第1の無線局は、該第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第2部分空間基底ベクトル算出ステップにおいて、
該第2の部分伝達関数行列から、第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトル群を抽出するステップと、
該抽出するステップにより抽出された行ベクトル群の中で絶対値ないしは絶対値の近似値が最も大きい行ベクトルを選択するステップと、
該選択するステップにより選択された該最も大きい行ベクトルを規格化し、該規格化した行ベクトルを基底ベクトルの一つとして設定するステップと、
全ての基底ベクトルの決定が完了したか否かを判定するステップと、
該判定するステップで全ての基底ベクトルの決定が完了したと判定された場合、該第2部分空間基底ベクトル算出ステップを終了し、基底ベクトルを出力するステップと、
全ての該行ベクトルが選択済みではないと該判定するステップで判定された場合、該行ベクトル群から、該規格化された該最も大きい行ベクトルを除外して、新たな行ベクトル群として生成するステップと、
該新たな行ベクトル群として生成するステップが生成した該行ベクトル群の各行ベクトルから、最後に求めた該基底ベクトルの成分をキャンセルして行ベクトル群を更新するステップと
を備え、
該行ベクトル群を更新するステップにより得られた行ベクトル群を抽出された行ベクトル群に用いて、前記選択するステップから全ての基底ベクトルの決定が完了するまで繰り返す
ことを特徴とする無線通信方法。 - 前記請求項1に記載の無線通信方法であって、
前記第1の無線局は、
前記基底ベクトル毎に求めた射影量αの大小関係を判断するステップと、
該大小判断の結果としてαの大きさの順番に対応した所定の係数βを前記射影量α毎に定めるステップと、
該射影量に対して単調増加関係をもつ物理量を与える前記係数f(α)を、係数βを乗算し、β×f(α)に置き換えるステップと
を実施することを特徴とする無線通信方法。 - 一つの無線基地局と複数の無線端末局により構成され、該無線基地局は複数本のアンテナで構成される第1のアンテナ群を備え、該無線端末局は複数本のアンテナで構成される第2のアンテナ群を備え、前記無線基地局の前記第1のアンテナ群および前記無線端末局の全てないしはその一部の備える前記第2のアンテナ群により構成されるMIMOチャネルを介して複数の信号系統を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信することが可能な無線通信システムにおける無線基地局であって、
前記第1のアンテナ群と前記複数の第2のアンテナ群の間のMIMOチャネルの各伝達関数情報を取得する伝達関数行列手段と、
前記複数の無線端末局の中からその全てないしはその一部の無線局を同時に空間多重する通信相手局として選択する空間多重条件判断手段と、
前記第1のアンテナ群と該選択された複数の第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報の中から、前記第1のアンテナ群と着目する第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される第1の部分伝達関数行列を抽出する第1の部分伝達関数抽出手段と、
前記第1のアンテナ群と該選択された複数の無線端末局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報の中から、前記第1のアンテナ群と着目する無線端末局以外のひとつまたは複数の無線端末局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される第2の部分伝達関数行列を抽出する第2の部分伝達関数抽出手段と、
該第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第2部分空間基底ベクトル算出手段と、
該基底ベクトル毎に、前記第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間から前記基底ベクトルへの射影量αを算出する射影量算出手段と、
求められた該射影量αを引数とし、該射影量に対し単調増加関係をもつ物理量を与える係数f(α)(0≦f(α)≦1)を出力する係数算出手段と、
前記第1の部分伝達関数行列を構成する各行ベクトル毎に、該行ベクトルの前記基底ベクトル方向の各成分を前記係数f(α)を乗算してキャンセルする部分空間干渉成分部分除去手段と、
該キャンセル処理を行った前記第1の部分伝達関数行列を構成する各行ベクトルに対し、該行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第1部分空間基底ベクトル算出手段と、
該基底ベクトルをもとに送信ウエイトベクトルを決定する送信ウエイトベクトル決定手段と、
該送信ウエイトベクトルにより構成される送信ウエイト行列を求める送信ウエイト行列生成手段と、
複数の信号系列の送信信号を各成分として構成される送信信号ベクトルに対して前記送信ウエイト行列を乗算する送信信号変換手段と、
該乗算後の結果を前記第1のアンテナ群を介して送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする無線基地局。 - 前記請求項6に記載の無線基地局であって、
該第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第2部分空間基底ベクトル算出手段は、
第2の部分伝達関数行列ないしは該行列と該行列のエルミート共役である行列の積として与えられる行列に対し、その固有ベクトル及び固有値を求める手段と、
前記固有値の絶対値ないしは絶対値の近似値が大きいほうから所定の数だけ固有ベクトルを選択することにより前記基底ベクトルを算出する手段と
を備えたことを特徴とする無線基地局。 - 前記請求項6に記載の無線基地局であって、
該第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトルが張る部分空間の基底ベクトルを算出する第2部分空間基底ベクトル算出手段は、
該第2の部分伝達関数行列から、第2の部分伝達関数行列を構成する行ベクトル群を抽出する手段と、
該抽出する手段により抽出された行ベクトル群の中で絶対値ないしは絶対値の近似値が最も大きい行ベクトルを選択する手段と、
該選択する手段により選択された該最も大きい行ベクトルを規格化し、該規格化した行ベクトルを基底ベクトルの一つとして設定する手段と、
全ての基底ベクトルの決定が完了したか否かを判定する手段と、
該判定する手段で全ての基底ベクトルの決定が完了したと判定された場合、該第2部分空間基底ベクトル算出手段を終了し、基底ベクトルを出力する手段と、
全ての該行ベクトルが選択済みではないと該判定する手段で判定された場合、該行ベクトル群から、該規格かされた該最も大きい行ベクトルを除外して、新たな行ベクトル群として生成する手段と、
該新たな行ベクトル群として生成する手段が生成した該行ベクトル群の各行ベクトルから、最後に求めた該基底ベクトルの成分をキャンセルして行ベクトル群を更新する手段と
を備え、
該行ベクトル群を更新する手段により得られた行ベクトル群を抽出された行ベクトル群に用いて、前記選択する手段から全ての基底ベクトルの決定が完了するまで繰り返す
ことを特徴とする無線基地局。 - 前記請求項6に記載の無線基地局であって、
前記基底ベクトル毎に求めた射影量αの大小関係を判断する手段と、
該大小判断の結果としてαの大きさの順番に対応した所定の係数βを前記射影量α毎に定める手段と、
該射影量に対し単調増加関係をもつ物理量を与える前期係数f(α)をβ×f(α)に置き換える手段と
を備えたことを特徴とする無線基地局。
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