JP4518184B2 - 無線通信装置、無線通信方法、無線通信システム及びコンピュータプログラム - Google Patents

無線通信装置、無線通信方法、無線通信システム及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信装置、無線通信方法、コンピュータプログラム及び無線通信システムに関し、特にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式によって通信を行う無線通信装置、無線通信方法、コンピュータプログラム及び無線通信システムに関する。
送信側と受信側とでそれぞれ複数のアンテナを有して、当該複数のアンテナによって、空間分割多重を利用した通信(MIMO方式:Multiple Input Multiple Output)により伝送容量の拡大を行なう無線通信システムがある。
図17は、MIMO方式による無線通信システムを概念的に示す説明図である。図17に示した無線通信システム1では、送信機11はM本のアンテナ12a、12b、・・・、12mを有しており、受信機21はN本のアンテナ22a、22b、・・・、22nを有している。
送信機11は、k個の送信データを空間/時間符号して多重化しM本のアンテナ12a、12b、・・・、12mにそれぞれ分配してチャネルに送出し、受信機21はチャネル経由でN本のアンテナ22a、22b、・・・、22nにより受信した受信信号を空間/時間復号してK個の受信データを得る。
従って、MIMO方式は、送信機11において複数アンテナに送信データを分配して送信し、受信機21で複数アンテナにより受信した信号から信号処理によって受信データを得るものであり、チャネルの特性を利用した通信方式である。
MIMO方式によるデータ伝送の構成方式には様々な方式が存在している。MIMO方式によるデータ伝送の構成方式の理想的な形態として、チャネル行列の特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)や固有値分解を利用した固有モード伝送が知られている。
図18は、上述の固有モード伝送を概念的に説明する説明図である。SVDを用いた固有モード伝送では、送受信アンテナ間のチャネル情報を要素としたチャネル行列Hを特異値分解してUDVを求める(Vは行列Vの複素共役転置行列である)。チャネル行列Hの特異値分解によってUDVを求めて、送信側のアンテナ重み係数行列としてVを与え、受信側のアンテナ重み係数行列としてUを与える(Uは行列Uの複素共役転置行列である)。これによってチャネルは、チャネル行列Hの共分散行列(HHまたはHH)の固有値λの平方根(特異値)を対角要素に持つ対角行列Dとして表すことができるので、クロストークが全く無い状態で信号を多重化して伝送することができる。
送信機11のアンテナ本数をM本である場合、送信信号x’はM×1のベクトルで表され、受信機21のアンテナ本数をN本である場合、受信信号y’はN×1のベクトルで表される。また、チャネル行列はN行×M列の行列Hとして表される。チャネル行列Hの要素hijは、j番目の送信アンテナからi番目の受信アンテナへの伝達関数である(なお、1≦i≦Nであり、1≦j≦Mである)。そして、受信信号ベクトルy’は、下記数式1のように、送信信号ベクトルx’にチャネル行列Hを掛け、雑音ベクトルnを加算して表される。
Figure 0004518184
上述したように、チャネル行列Hを特異値分解すると、下記の数式2のようになる。
Figure 0004518184
ここで、送信側のアンテナ重み係数行列Vと受信側のアンテナ重み係数行列Uは、それぞれ下記の数式3および数式4を満たすユニタリ行列である。但しIは単位行列を表す。
Figure 0004518184
すなわち、HHの正規化された固有ベクトルを並べたものが受信機21のアンテナ重み係数行列Uであり、HHの正規化された固有ベクトルを並べたものが送信機11のアンテナ重み係数行列Vである。また、Dは対角行列であり、HH又はHHの固有値の平方根(Hの特異値)を対角成分に持つ行列である。つまり、行列Dは、送信機11の送信アンテナ数Mと、受信機21の受信アンテナ数Nのうち小さい方の数をL(=min(M,N))として、L行×L列の正方行列となる。すなわち、行列Dは下記の数式5で表すことができる。
Figure 0004518184
送信機11ではアンテナ重み係数行列Vを用いて重み付けをするとともに、受信機21ではUで重みを付けて受信すると、行列UはN行×L列の行列、行列VはM行×L列の行列であり、従って行列Uと行列Vとがユニタリ行列であることから、受信信号yは下記の数式6に示した通りとなる。
Figure 0004518184
ここで、受信信号yと送信信号xとは、共にL行×1列のベクトルである。行列Dは対角行列なので、送信機11から送信される各送信信号が、受信機21においてクロストーク無しに受信できることを表している。そして、行列Dの対角要素は固有値λ(1≦i≦L)の平方根となるので、各受信信号の電力は各送信信号の電力のそれぞれλ倍となる。また、雑音成分nについては、Uの列はノルムが1に正規化された固有ベクトルなので、Unはその雑音電力を変えるものではない。従ってサイズとしては、UnはL行×1列のベクトルとなり、受信信号y及び送信信号xと同じサイズである。
このように、MIMO伝送における固有モード伝送では、同一の周波数及び同一の時間でありながら、クロストークの無い複数の独立な論理的なパスを得ることができる。つまり、同時刻に同一周波数を使用して、複数のデータを無線通信で伝送することが可能となり、伝送速度の向上を実現することができる。
特開2005−160030号公報
MIMO伝送において、送信機におけるアンテナ重み付けの方法、特に固有モード伝送のための重み付け方法については、上述したような数式で表すことができる。特許文献1においても同様に重み付け方法について数式を用いた方法が開示されている。
ところが、固有モード伝送を行うためには、送信機のアンテナ数をM、受信機のアンテナ数をNとして、N行×M列のチャネル行列に対する演算を行わなければならない。これは、例えアンテナの本数に対して送信したいデータ・ストリーム数Sが少ない場合でも、理想的な特性を得るためには、同様にN行×M列のチャネル行列に対する演算を行う必要がある。ここで、データ・ストリーム数Sとは、上述した固有モード伝送の独立なパス数Lのうち、実際に使用するパス数を表しており、S≦Lの関係にある。
例えば、送信アンテナ数が4、受信アンテナ数が4、データ・ストリーム数が2である場合、固有モード伝送を行うためには、4行×4列のチャネル行列Hに対してSVD等の演算を行う必要がある。チャネル行列Hを特異値分解するとH=UDVとなり、行列U、D、Vは全て4行×4列の行列となる。そして、SVDによって得られた行列Vのうちの2列をアンテナ重み係数行列として用いて、2本のデータ・ストリームの送信を行う。
一般に、SVDに代表されるように、アンテナ重み係数行列を求めるための演算量はとても大きくなる。そして入力されるチャネル行列のサイズが大きくなると、或いは行列の階数が大きくなると、演算量は急激に増大する。従って、実機に実装する場合、演算量の増大は回路規模の増大あるいは演算時間の増大に直結するため、より少ない演算量が求められるが、特に上述したように様にストリーム数がアンテナ本数よりも少ない場合でも、アンテナ本数で決まる演算量が必要となるのは、実装上は非常に好ましくない問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数のアンテナを用いてデータを伝送する場合において、送受信したいデータ・ストリーム数の最大値がアンテナの本数よりも少ないときに演算量の増加を抑えることが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、コンピュータプログラム及び無線通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、N行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定部と、行列推定部が推定したチャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択部と、行列推定部が推定したチャネル行列及び選択部が生成したサブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算部と、を含み、演算部は、サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列とチャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成部と、チャネル行列及び重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後のチャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成部と、転置後の逆方向重み付け後チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算部と、を含む、無線通信装置が提供される。
み付け後チャネル行列生成部は、仮アンテナ重み係数行列の代わりにアンテナ重み係数行列計算部が算出したアンテナ重み係数行列を用いて重み付け後チャネル行列を繰り返して生成してもよい。
演算部は、サブ・チャネル行列に基づいて仮アンテナ重み係数行列を計算する第1の係数計算部と、仮アンテナ重み係数行列とチャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する第1の行列乗算部と、チャネル行列及び重み付け後チャネル行列を転置する第1の転置部と、転置後の重み付け後チャネル行列に基づいて逆方向アンテナ重み係数行列を計算する第2の係数計算部と、転置後のチャネル行列と逆方向アンテナ重み係数行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する第2の行列乗算部と、逆方向重み付け後チャネル行列を転置する第2の転置部と、転置後の逆方向重み付け後チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を計算する第3の係数計算部と、を含んでいてもよい。
第1の係数計算部はサブ・チャネル行列及びチャネル行列に基づいて仮アンテナ重み係数行列を計算し、第2の係数計算部は転置後の重み付け後チャネル行列及び転置後のチャネル行列に基づいて逆方向アンテナ重み係数行列を計算し、第3の係数計算部は転置後の逆方向重み付け後チャネル行列及びチャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を計算してもよい。
第1の係数計算部〜第3の係数計算部の少なくともいずれか1つは、サブ・チャネル行列に基づいて仮アンテナ重み係数行列を計算する第4の係数計算部と、チャネル行列と仮アンテナ重み係数行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する第3の行列乗算部と、重み付け後チャネル行列を特異値分解する特異値分解部と、特異値分解部で得られる行列と仮アンテナ重み係数行列とを乗算してアンテナ重み係数行列を生成する第4の行列乗算部と、を含んでいてもよい。
選択部は、行列の各要素の二乗和が最大となるS行を選択してもよい。また、選択部は、行列の共分散行列の固有値または行列の特異値の最大値が最大となるS行を選択してもよい。また、選択部は、行列の共分散行列の固有値または行列の特異値の最小値が最大となるS行を選択してもよい。また、選択部は、行列の共分散行列の行列式が最大となるS行を選択してもよい。また、選択部は、行列の共分散行列の行列式を該行列の各要素の二乗和で割った値が最大となるS行を選択してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、N行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定ステップと、行列推定ステップで推定したチャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択ステップと、行列推定ステップが推定したチャネル行列及び選択ステップが生成したサブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算ステップと、を含み、演算ステップは、サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列とチャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成ステップと、チャネル行列及び重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後のチャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成ステップと、転置後の逆方向重み付け後チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算ステップと、を含む、無線通信方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、N行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定ステップと、行列推定ステップで推定したチャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択ステップと、行列推定ステップが推定したチャネル行列及び選択ステップが生成したサブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算ステップと、を含み、演算ステップは、サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列とチャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成ステップと、チャネル行列及び重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後のチャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成ステップと、転置後の逆方向重み付け後チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置とを含み、第1の無線通信装置は、複数本のアンテナを介して第2の無線通信装置にリファレンス信号を送信する送信部を備え、第2の無線通信装置は、複数本のアンテナを介して受信したリファレンス信号に基づいてN行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定部と、行列推定部が推定したチャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択部と、行列推定部が推定したチャネル行列及び選択部が生成したサブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算部と、を含み、演算部は、サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列とチャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成部と、チャネル行列及び重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後のチャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成部と、転置後の逆方向重み付け後チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算部と、を含む、無線通信システムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、複数のアンテナを用いてデータを伝送する場合において、送受信したいデータ・ストリーム数の最大値がアンテナの本数よりも少ないときに演算量の増加を抑えることが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、コンピュータプログラム及び無線通信システムを提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信装置、および当該無線通信装置を用いた無線通信システムについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システム10について説明する説明図である。以下、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システム10について説明する。
図1に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システム10は、送信機100と、受信機200と、を含んで構成される。
送信機100及び受信機200は、共に本発明の無線通信装置の一例である。送信機100は、受信機200に対して、複数のアンテナを用いてMIMO方式によってデータを送信するものであり、受信機200は送信機100から送信されたデータを、複数のアンテナを用いてMIMO方式によって受信するものである。
ここで、送信機100から受信機200へのデータリンクをフォワードリンクと定義し、受信機200から送信機100へのリンクをバックワードリンクと定義する。フォワードリンクのチャネル行列HはN行×M列の行列となり、バックワードのチャネル行列HはM行×N列の行列となる。また理想的には下記の数式7に示すような関係がある。
Figure 0004518184
送信機100は、M本のアンテナ101a、101b、・・・、101mと、チャネル推定回路102と、重み係数行列演算回路104と、送信回路106と、を含んで構成される。そして、送信回路106には重み付け回路110を含んで構成される。
チャネル推定回路102は、受信機200が送信する既知のパターン(例えば、リファレンス信号など)を用いて、受信機200から送信機100へのチャネル行列Hを推定するものである。チャネル行列の推定方法は従来から用いられている方法を採用することができるので、ここでは詳細な説明は割愛する。上記の数式7より、理想的にはH=Hが成り立つので、チャネル推定回路102によってチャネル行列Hを推定することができる。チャネル推定回路102によって推定したチャネル行列Hは重み係数行列演算回路104に入力される。
重み係数行列演算回路104は、チャネル推定回路102から渡されたチャネル行列Hを用いて、送信ビーム・フォーミングのためのアンテナ重み係数行列Wを求めるものである。重み係数行列演算回路104で生成されたアンテナ重み係数行列Wは重み付け回路110に入力される。
送信回路106は、送信機100から受信機200に向けて送信する送信データ・ストリームの入力を受けて、アンテナ101a、101b、・・・、101mから送信するための送信信号を生成するものである。そして、重み付け回路110は、送信機100から受信機200に向けて送信する送信データ・ストリームxに対して、重み係数行列演算回路104で生成されたアンテナ重み係数行列Wを乗算して送信信号x’を生成するものである。重み付け回路110で生成された送信信号x’を各アンテナから出力することで送信ビーム・フォーミングを行う。
なお、チャネル推定回路102は受信機200にあってもよい。受信機200にチャネル推定回路102を設けた場合には、送信機100が送信する既知のパターンを受信し、それを元にチャネル行列Hを推定する。そして、受信機200は送信機100に何らかの方法で(受信機200から送信機100に対して推定したチャネル行列Hに関するデータを送信することによって)チャネル行列Hを知らせる。
また、重み係数行列演算回路104も受信機200にあってもよい。受信機200に重み係数行列演算回路104を設けた場合には、チャネル行列Hを元にアンテナ重み係数行列Wを計算する。そして受信機200は送信機100に何らかの方法で(例えば、受信機200から送信機100に対してアンテナ重み係数行列Wに関するデータを送信することによって)アンテナ重み係数行列Wを知らせる。
送信回路202は、受信機200から送信機100に向けてアンテナ201a、201b、・・・、201nから送信するための送信信号を生成するものである。送信回路202は、上述のチャネル推定回路102でチャネル行列Hを推定するための既知のパターン(例えば、リファレンス信号など)をアンテナ201a、201b、・・・、201nを介して送信機100に向けて送信する。
以上、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システム10について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる重み係数行列演算回路104の構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる重み係数行列演算回路104の構成について説明する説明図である。以下、図2を用いて本発明の第1の実施形態にかかる重み係数行列演算回路104の構成について説明する。
図2に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる重み係数行列演算回路104は、選択回路112と、演算回路114と、を含んで構成される。
選択回路112は、入力されたN行×M列のチャネル行列Hから、適当にS行を選択して、サブ・チャネル行列Hを出力するものである。ここで、Sはデータ・ストリーム数の最大値であり、SとN及びMとの関係はS<min(M,N)である。また、選択回路112が出力するサブ・チャネル行列HはS行×M列の行列となる。選択回路112から出力されたサブ・チャネル行列Hは演算回路114に送られる。
演算回路114は、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hと、選択回路112から送られたサブ・チャネル行列Hを元に、送信ビーム・フォーミングのためのアンテナ重み係数行列Wを演算して出力するものである。演算回路114から出力されたアンテナ重み係数行列Wは、重み付け回路110に送られる。演算回路114におけるサブ・チャネル行列Hを元にしたアンテナ重み係数行列Wの演算方法については後に詳述する。
以上、図2を用いて本発明の第1の実施形態にかかる重み係数行列演算回路104の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114の構成について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114の構成について説明する説明図である。以下、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114の構成について説明する。
図3に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114は、係数計算回路322a、322b、322cと、行列乗算回路324a、324bと、転置回路326a、326b、326cと、を含んで構成される。
係数計算回路322aは、サブ・チャネル行列Hを元に仮アンテナ重み係数行列Wを計算するものである。係数計算回路322aにおける仮アンテナ重み係数行列Wの計算方法としては、例えば、特異値分解によって計算することができる。サブ・チャネル行列Hを特異値分解すると、下記の数式8の通りとなる。
Figure 0004518184
特異値分解によって仮アンテナ重み係数行列Wを求める場合、係数計算回路322aは、数式8の行列V(右特異行列)を仮アンテナ重み係数行列Wとする。係数計算回路322aは、算出した仮アンテナ重み係数行列Wを行列乗算回路324aに出力する。
行列乗算回路324aは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路324aは、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hと、係数計算回路322aで算出された仮アンテナ重み係数行列Wとを乗算し、重み付け後チャネル行列H(H=HW)を生成するものである。ここでHはM行×S列の行列である。行列乗算回路324aで生成された重み付け後チャネル行列Hは転置回路326aに出力する。
転置回路326aは、行列を転置する演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる転置回路326aは、行列乗算回路324aで生成された重み付け後チャネル行列Hを入力し、重み付け後チャネル行列Hを転置して、転置後の重み付け後チャネル行列H を出力するものである。転置後の重み付け後チャネル行列H は係数計算回路322bに入力される。
係数計算回路322bは、転置回路326aから出力される転置後の重み付け後チャネル行列H を元に逆方向アンテナ重み係数行列Wを計算するものである。係数計算回路322bにおける逆方向アンテナ重み係数行列Wの計算方法としては、例えば、特異値分解によって計算することができる。転置後の重み付け後チャネル行列H を特異値分解すると、下記の数式9の通りとなる。
Figure 0004518184
特異値分解によって逆方向アンテナ重み係数行列Wを求める場合、係数計算回路322bは、この数式9の行列(右特異行列)Vを逆方向アンテナ重み係数行列Wとする。係数計算回路322bは、算出した逆方向アンテナ重み係数行列Wを行列乗算回路324bに出力する。
転置回路326bは、行列を転置する演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる転置回路326bは、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hを入力し、チャネル行列Hを転置して、転置後のチャネル行列Hを出力するものである。転置後のチャネル行列Hは行列乗算回路324bに入力される。
行列乗算回路324bは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路324bは、係数計算回路322bから出力される逆方向アンテナ重み係数行列Wと、転置回路326bから出力される転置後のチャネル行列Hとを乗算し、逆方向重み付け後チャネル行列HWR(HWR=H)を生成するものである。ここで、逆方向重み付け後チャネル行列HWRはN行×S列の行列である。行列乗算回路324bで生成された逆方向重み付け後チャネル行列HWRは転置回路326cに入力される。
転置回路326cは、行列を転置する演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる転置回路326cは、行列乗算回路324bで生成された逆方向重み付け後チャネル行列HWRを転置して、転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を生成するものである。転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR は係数計算回路322cに入力される。
係数計算回路322cは、転置回路326cから出力される転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を入力し、転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を元にアンテナ重み係数行列Wを生成するものである。係数計算回路322cにおけるアンテナ重み係数行列Wの計算方法としては、例えば、特異値分解によって計算することができる。転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を特異値分解すると、下記の数式10の通りとなる。
Figure 0004518184
特異値分解によってアンテナ重み係数行列Wを求める場合、係数計算回路322cは、この数式10の行列(右特異行列)Vをアンテナ重み係数行列Wとする。係数計算回路322cは、算出したアンテナ重み係数行列Wを重み付け回路110に出力する。
なお、係数計算回路322cから出力されるアンテナ重み係数行列Wは、行列乗算回路324aに再度入力されるようにしてもよい。係数計算回路322cから出力されるアンテナ重み係数行列Wを用いて繰り返して演算処理を実行することで、通信特性を改善することができる。
以上、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる、アンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する流れ図である。以下、図4を用いて、本発明の第1の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する。
重み係数行列演算回路104にN行×M列のチャネル行列Hが入力されると、選択回路112において、チャネル行列Hから適当にS行を選択してサブ・チャネル行列Hを生成する(ステップS302)。選択回路112においてサブ・チャネル行列Hを生成すると、生成したサブ・チャネル行列Hを元に、仮アンテナ重み係数行列Wを係数計算回路322aで演算する(ステップS304)。上述したように、係数計算回路322aにおける仮アンテナ重み係数行列Wの演算には、例えば上述したように数式8で表される特異値分解を用いることができる。
上記ステップS304において仮アンテナ重み係数行列Wの生成が完了すると、続いて、行列乗算回路324aにおいて、チャネル行列Hと、仮アンテナ重み係数行列Wとを乗じて、重み付け後チャネル行列Hを生成する(ステップS306)。
上記ステップS306において重み付け後チャネル行列Hを生成すると、重み付け後チャネル行列Hを転置回路326aで転置した後に、係数計算回路322bで転置後の重み付け後チャネル行列H を特異値分解して、逆方向アンテナ重み係数行列Wを生成する(ステップS308)。
上記ステップS308において逆方向アンテナ重み係数行列Wを生成すると、転置回路326bでチャネル行列Hを転置して得られる転置後のチャネル行列Hと、逆方向アンテナ重み係数行列Wとを行列乗算回路324bで乗じる。転置後のチャネル行列Hと、逆方向アンテナ重み係数行列Wとを乗じた結果、逆方向重み付け後チャネル行列HWRを得る(ステップS310)。
上記ステップS310において逆方向重み付け後チャネル行列HWRが得られると、逆方向重み付け後チャネル行列HWRを転置回路326cで転置して転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を得る。そして、転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を係数計算回路322cで特異値分解することで、アンテナ重み係数行列Wを計算する(ステップS312)。
このように行列の転置を行いつつ、最終的にアンテナ重み係数行列Wを得ることで、双方向のビーム・フォーミングを演算回路114で実行しているのと同等の効果を得ることができる。
ここで、S<min(M,N)の関係から、固有モード伝送に比べて、特異値分解される行列の階数が小さくなる分、演算量は少なくなる。また特異値分解で生成される行列の要素が少なくなる分、演算量が少なくなる。また、通信特性を改善するために、係数計算回路322cから出力されるアンテナ重み係数行列Wを用いて、上述のステップS306〜ステップS312の処理を繰り返して実行してもよい。上述の様に全体として手順は増えるが、複雑な特異値分解の演算量が減らせる分、全体として演算量を抑えることが出来る。
なお、条件によっては係数計算回路322a、322b、322cを共用することが可能であり、行列乗算回路324a、324b、324cを共用することが可能であり、転置回路326a、326b、326cを共用することが可能である。
図5A及び図5Bは、固有モード伝送と、本発明の第1の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送との比較を折れ線グラフによって説明する説明図である。図5A及び図5Bでは、固有モード伝送でS本のデータ・ストリームを送った時の通信容量をC、上述のアンテナ重み係数行列Wを用いた時の通信容量をCとして、通信容量の比(C/C)について、10000サンプルの最大値及び最小値をプロットしている。また、それぞれの折れ線グラフにおいて、横軸は上述のステップS306〜ステップS312の繰り返し処理の回数を示している。なお、アンテナ重み係数行列Wの代わりに係数計算回路322aで算出される仮アンテナ重み係数行列Wを用いた場合を繰り返し回数が0回であるとして表している。
ここで通信容量Cは下記の数式11を用いて求めている。
Figure 0004518184
Pは送信パワーで、数式11では1としている。σはノイズパワーで、数式11では0.1(SNR=10dB相当)としている。また、Mは送信アンテナの本数、IはS行×S列の単位行列である。また、Hは重み付けを行った後のチャネル行列であって、下記の数式12で表される行列となる。また、チャネル行列Hの各要素は平均0で分散1の複素正規分布を仮定している。
Figure 0004518184
そして図5A及び図5Bでは、送信アンテナの本数をM、受信アンテナの本数をN、チャネル行列から選択した行の数をSとして、6通りの(M×N×S)の組み合わせについて、通信容量の比を示している。
図5Aの(a)は(M×N×S)が(3×3×2)の場合の特性について示したものであり、図5Aの(b)は(M×N×S)が(4×4×2)の場合の特性について示したものであり、図5Aの(c)は(M×N×S)が(4×4×3)の場合の特性について示したものである。また、図5Bの(a)は(M×N×S)が(5×5×2)の場合の特性について示したものであり、図5Bの(b)は(M×N×S)が(5×5×3)の場合の特性について示したものであり、図5Bの(c)は(M×N×S)が(5×5×4)の場合の特性について示したものである。
図5A及び図5Bに示した6つの折れ線グラフから分かるように、どのケースにおいても通信容量比が1へ収束していることが分かる。つまり、上述のアンテナ重み係数行列Wを用いた時の通信容量が、固有モード伝送時の通信容量に収束していることが分かる。
次に、この通信容量を改善するために、選択回路112の動作として、下記に挙げるパターンを用いる。N行×M列のチャネル行列Hにおいて、N行の中からS行を選んで出来る行列の数は個となる。この個の行列の集合をG(H)とする。
G(H)から1つの行列H(HはS行×M列の行列である)を選択する際には、例えば行列の大きさが大きくなるような行列を選択してもよく、また行列の逆行列を求めやすくなる行列(行列の逆行列の求めやすさを「可逆性が高い」と定義する)を選択してもよい。本実施形態では、G(H)から1つの行列Hを選択する際に、下記の5つのパターンを用いて選択した場合について説明するが、本発明においては、N行の中からのS行の選択はかかる例に限定されない。
(パターン1)
G(H)の中で、その行列の共分散行列の固有値(またはその行列の特異値)の最小値が最大となる行列を選択する。つまり、H∈G(H)として、H またはH の固有値(またはHの特異値)の最小値をλminとする。このλminが最大となる行列Hを選択して、サブ・チャネル行列Hとして出力する。
(パターン2)
G(H)の中で、その行列の共分散行列の行列式が最大となる行列を選択する。つまり、H∈G(H)として、det(H )が最大となる行列Hを選択して、サブ・チャネル行列Hとして出力する。なお、H は行列Hの複素共役転置行列を表す。
(パターン3)
G(H)の中で、その行列の共分散行列の固有値(またはその行列の特異値)の最大値が最大となる行列を選択する。つまり、H∈G(H)として、H またはH の固有値(またはHの特異値)の最大値をλmaxとする。このλmaxが最大となる行列Hを選択して、サブ・チャネル行列Hとして出力する。
(パターン4)
G(H)の中で、その行列の各要素の二乗和が最大となる行列を選択する。つまり、H∈G(H)として、trace(H )が最大となる行列Hを選択して、サブ・チャネル行列Hとして出力する。
(パターン5)
G(H)の中で、その行列の共分散行列の行列式を、その行列の各要素の二乗和で割った値が最大となる行列を選択する。つまり、H∈G(H)として、det(H )/trace(H )が最大となる行列Hを選択して、サブ・チャネル行列Hとして出力する。なお、このパターン5に関しては、det(H α/trace(H β(α、βは任意の値)が最大となる行列Hを選択してもよい。
なお、行列の大きさが大きくなるような行列を選択するパターンは、上記パターン3、4が該当し、可逆性が最も高くなるような行列を選択するパターンは、上記パターン1、2、5が該当する。
図6A及び図6Bは、上記パターン1〜パターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いてアンテナ重み係数行列Wを計算した場合における通信容量の収束について折れ線グラフで示す説明図である。図6A及び図6Bでは、(M×N×S)が(3×3×2)の場合に、上記パターン1〜パターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いてアンテナ重み係数行列Wを計算した場合を示している。
図6Aの(a)は、図5Aの(a)と同じものを示したものであり、図6Aの(b)はパターン1によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものであり、図6Aの(c)はパターン2によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものである。また、図6Bの(a)はパターン3によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものであり、図6Bの(b)はパターン4によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものであり、図6Bの(c)はパターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものである。
図6A及び図6Bに示したグラフにより、パターン1〜パターン5のいずれのケースにおいても、N行×M列のチャネル行列HのN行の中から、適当にS行を選んでサブ・チャネル行列Hを生成した場合に比べて収束特性が改善されていることが分かる。そして、収束特性が改善されることによって演算時間を短くすることが可能となる。
なお、上述の説明では(M×N×S)が(3×3×2)の場合について示したが、(M×N×S)の組み合わせが他の場合であっても、同様にN行×M列のチャネル行列HのN行の中から、適当にS行を選んでサブ・チャネル行列Hを生成した場合に比べて収束特性の改善がみられることが分かっている。
以上、図4を用いて本発明の第1の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明した。以上説明したように本発明の第1の実施形態によれば、送信ビーム・フォーミングしたいデータ・ストリーム数の最大値がアンテナ本数よりも少ない場合に、チャネル行列Hと、チャネル行列Hからデータ・ストリーム数の最大値分の行を抽出したサブ・チャネル行列Hとを元にアンテナ重み係数行列Wを計算する。
このように、チャネル行列Hとサブ・チャネル行列Hとを元にしてアンテナ重み係数行列Wの演算を行うことで、ある程度の特性を維持したまま、演算に用いられる行列の階数が小さくなり、SVDに代表される行列演算の演算量を減らすことが可能となる。そして、特性劣化を抑えた上で、重み係数行列演算回路全体の回路規模を減らすことが可能となる。実際の通信装置に実装する場合、演算量は回路規模や演算時間に直結するため、より小さい回路規模やより短い演算時間での実装が可能となる。
また、サブ・チャネル行列Hを生成する際に、行選択の条件を与えることによって、少ない演算量の増加で通信容量の収束特性を改善することが出来る。
(第2の実施形態)
上述したように本発明の第1の実施形態では、サブ・チャネル行列Hから仮アンテナ重み係数行列Wを一度算出した後に、行列の転置によって逆方向アンテナ重み係数行列Wを得て、さらに行列の転置によってアンテナ重み係数行列Wを算出した。なお、図3に示した係数計算回路322a、322b、322cの構成を変えることで、さらなる通信容量の収束特性の改善を図ることができる。その前提として、本発明の第2の実施形態では、チャネル行列H及びサブ・チャネル行列Hを用いてアンテナ重み係数行列Wを算出する場合について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態にかかる演算回路214の構成について説明する説明図である。以下、図7を用いて本発明の第2の実施形態にかかる演算回路214の構成について説明する。
図7に示した演算回路214は、図2に示した本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114に置き換えられるものである。すなわち、演算回路214は、選択回路112で選択されたサブ・チャネル行列Hと、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hとの入力を受けて、送信ビーム・フォーミングのためのアンテナ重み係数行列Wを出力するものである。図7に示したように、本発明の第2の実施形態にかかる演算回路214は、係数計算回路222と、行列乗算回路224a、224bと、SVD回路226と、を含んで構成される。
係数計算回路222は、サブ・チャネル行列Hを元に仮アンテナ重み係数行列Wを計算するものである。係数計算回路222における仮アンテナ重み係数行列Wの計算方法としては、例えば、特異値分解によって計算することができる。サブ・チャネル行列Hを特異値分解すると、下記の数式13の通りとなる。
Figure 0004518184
特異値分解によって仮アンテナ重み係数行列Wを求める場合、係数計算回路222は、この数式13の行列(右特異行列)Vを仮アンテナ重み係数行列Wとする。係数計算回路222は、算出した仮アンテナ重み係数行列Wを行列乗算回路224a、224bに出力する。
行列乗算回路224aは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路224aは、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hと、係数計算回路222で算出された仮アンテナ重み係数行列Wとを乗算し、重み付け後チャネル行列H(H=HW)を生成するものである。ここで行列HはM行×S列の行列である。行列乗算回路224aで生成された重み付け後チャネル行列HはSVD回路226に出力する。
SVD回路226は特異値分解を行う回路である。本実施形態においては、行列乗算回路224aで生成された重み付け後チャネル行列Hを入力して、重み付け後チャネル行列Hの特異値分解を行う。重み付け後チャネル行列Hを特異値分解すると、下記の数式14の通りとなる。
Figure 0004518184
この数式14で得られる行列(右特異行列)Vを、行列乗算回路224bに出力する。
行列乗算回路224bは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路224bは、係数計算回路222で算出された仮アンテナ重み係数行列Wと、SVD回路226で算出された行列Vとを乗算して、アンテナ重み係数行列W(W=WV)を生成するものである。
以上、図7を用いて本発明の第2の実施形態にかかる演算回路214の構成について説明した。次に、本発明の第2の実施形態にかかる、アンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する流れ図である。以下、図8を用いて、本発明の第2の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する。
重み係数行列演算回路104にN行×M列のチャネル行列Hが入力されると、選択回路112において、チャネル行列Hから適当にS行を選択してサブ・チャネル行列Hを生成する(ステップS202)。選択回路112においてサブ・チャネル行列Hを生成すると、生成したサブ・チャネル行列Hを元に、仮アンテナ重み係数行列Wを係数計算回路222で演算する(ステップS204)。上述したように、係数計算回路222における仮アンテナ重み係数行列Wの演算には、例えば上述の数式13で示したような特異値分解を用いることができる。
上記ステップS204において仮アンテナ重み係数行列Wの生成が完了すると、続いて、行列乗算回路224aにおいて、チャネル行列Hと、仮アンテナ重み係数行列Wとを乗じて、重み付け後チャネル行列Hを生成する(ステップS206)。このように、重み付け後チャネル行列Hを生成して、チャネル行列Hにとって最適なアンテナ重み計数行列を再度算出する。
上記ステップS206において重み付け後チャネル行列Hを生成すると、SVD回路226において、重み付け後チャネル行列Hを特異値分解して、行列Vを得る(ステップS208)。
上記ステップS206において重み付け後チャネル行列Hを特異値分解すると、行列乗算回路224bにおいて、上記ステップS204において生成した仮アンテナ重み係数行列Wと、上記ステップS208において得られた行列Vとを乗算することで、アンテナ重み係数行列Wを計算する(ステップS210)。仮アンテナ重み係数行列Wの計算の際には捨てていた行(すなわち、サブ・チャネル行列Hに含まれていないチャネル行列Hの行)を、アンテナ重み係数行列Wの計算の際に考慮に入れることで特性を上げることができる。
ここで、S<min(M,N)の関係から、固有モード伝送に比べて、特異値分解される行列の階数が小さくなる分、演算量は少なくなる。また特異値分解で生成される行列の要素が少なくなる分、演算量が少なくなる。上述の様に全体として手順は増えるが、複雑な特異値分解の演算量が減らせる分、全体として演算量を抑えることが出来る。
なお、条件によっては係数計算回路222とSVD回路226とは共用することが可能である。
図9は、固有モード伝送と、本発明の第2の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送との比較を棒グラフによって説明する説明図である。図9では、固有モード伝送でS本のデータ・ストリームを送った時の通信容量をC、上述のアンテナ重み係数行列Wを用いた時の通信容量をCとして、通信容量の比(C/C)について、10000サンプルの平均値をプロットしている。そして図9では、送信アンテナの本数をM、受信アンテナの本数をN、チャネル行列から選択した行の数をSとして、6通りの(M×N×S)の組み合わせについて、通信容量の比を示している。例えば、(3×3×2)であれば、送信アンテナの本数が3本、受信アンテナの本数が3本、チャネル行列から選択した行の数が2行であることを示している。
ここで通信容量Cは上述の数式11を用いて求めている。また、チャネル行列Hの各要素は平均0で分散1の複素正規分布を仮定している。
図9に示したように、各ケースの通信容量は固有モード伝送の通信容量の90〜95%となっていることが分かる。
次に、この通信容量を改善するために、選択回路112の動作として、上述の本発明の第1の実施形態で説明したパターン1〜パターン5によってチャネル行列HからS行を選択した場合について説明する。
図10A及び図10Bは、上記パターン1〜パターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いてアンテナ重み係数行列Wを計算した場合における通信容量の比について棒グラフで示す説明図である。図9と同様に、固有モード伝送でS本のデータ・ストリームを送った時の通信容量をC、上述のアンテナ重み係数行列Wを用いた時の通信容量をCとして、通信容量の比(C/C)について、10000サンプルの平均値をプロットしている。
なお、図10A及び図10Bに図示したそれぞれの棒グラフについて、横軸の“sel0”はN行×M列のチャネル行列HのN行の中から、適当にS行を選んでサブ・チャネル行列Hを生成した場合の特性であり、それぞれ図4の特性と同じものとなっている。また、横軸の“sel1”〜“sel5”は、それぞれ上記パターン1〜パターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを生成した場合の特性を示したものである。
図10Aの(a)は(M×N×S)が(3×3×2)のパターンにおける特性を示した棒グラフであり、図10Aの(b)は(4×4×2)のパターンにおける特性を示した棒グラフであり、図10Aの(c)は(4×4×3)のパターンにおける特性を示した棒グラフである。また、図10Bの(a)は(5×5×2)のパターンにおける特性を示した棒グラフであり、図10Bの(b)は(5×5×3)のパターンにおける特性を示した棒グラフであり、図10Bの(c)は(5×5×4)のパターンにおける特性を示した棒グラフである。
図10A及び図10Bに示した6つの棒グラフにより、上記パターン1〜パターン5のいずれのケースにおいても、N行×M列のチャネル行列HのN行の中から、適当にS行を選んでサブ・チャネル行列Hを生成した場合に比べて通信特性が改善されていることが分かる。
以上、図8を用いて本発明の第2の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明した。以上説明したように本発明の第2の実施形態によれば、送信ビーム・フォーミングしたいデータ・ストリーム数の最大値がアンテナ本数よりも少ない場合に、チャネル行列Hと、チャネル行列Hからデータ・ストリーム数の最大値分の行を抽出したサブ・チャネル行列Hとを元にアンテナ重み係数行列Wを計算する。
このように、チャネル行列Hとサブ・チャネル行列Hとを元にしてアンテナ重み係数行列Wの演算を行うことで、ある程度の特性を維持したまま、演算量の増加を抑えることが出来る。実際の通信装置に実装する場合、演算量は回路規模や演算時間に直結するため、より小さい回路規模やより短い演算時間での実装が可能となる。
また、サブ・チャネル行列Hを生成する際に、本発明の第1の実施形態と同様に、行選択の条件を与えることによって、少ない演算量の増加で特性を改善することが出来る。
(第3の実施形態)
上述したように本発明の第2の実施形態では、チャネル行列Hと、チャネル行列Hからデータ・ストリーム数の最大値分の行を抽出したサブ・チャネル行列Hとを演算回路214に入力してアンテナ重み係数行列Wを求めた。本発明の第3の実施形態では、上述の本発明の第1の実施形態に本発明の第2の実施形態を組み合わせて、チャネル行列Hとサブ・チャネル行列Hとを用いてアンテナ重み係数行列Wを算出する場合について説明する。
図11は、本発明の第3の実施形態にかかる演算回路414の構成について説明する説明図である。以下、図11を用いて本発明の第3の実施形態にかかる演算回路414の構成について説明する。
図11に示した演算回路414は、図2に示した本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114に置き換えられるものである。すなわち、演算回路414は、選択回路112で選択されたサブ・チャネル行列Hと、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hとの入力を受けて、送信ビーム・フォーミングのためのアンテナ重み係数行列Wを出力するものである。
図11に示したように、本発明の第3の実施形態にかかる演算回路414は、第1係数計算回路422a、422b、422cと、行列乗算回路424a、424bと、転置回路426a、426b、426cと、を含んで構成される。
第1係数計算回路422aは、チャネル行列Hとサブ・チャネル行列Hとを入力し、チャネル行列Hとサブ・チャネル行列Hとを元に仮アンテナ重み係数行列Wを計算するものである。第1係数計算回路422aの構成については後述する。第1係数計算回路422aは、算出した仮アンテナ重み係数行列Wを行列乗算回路424aに出力する。
行列乗算回路424aは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路424aは、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hと、第1係数計算回路422aで算出された仮アンテナ重み係数行列Wとを乗算し、重み付け後チャネル行列H(H=HW)を生成するものである。ここでHはM行×S列の行列である。行列乗算回路424aで生成された重み付け後チャネル行列Hは転置回路426aに出力する。
転置回路426aは、行列を転置する演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる転置回路426aは、行列乗算回路424aで生成された重み付け後チャネル行列Hを入力し、重み付け後チャネル行列Hを転置して、転置後の重み付け後チャネル行列H を出力するものである。転置後の重み付け後チャネル行列H は第1係数計算回路422bに入力される。
転置回路426bは、行列を転置する演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる転置回路426bは、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hを入力し、チャネル行列Hを転置して、転置後のチャネル行列Hを出力するものである。転置後のチャネル行列Hは、第1係数計算回路422b及び行列乗算回路424bに入力される。
第1係数計算回路422bは、転置回路426aから出力される転置後の重み付け後チャネル行列H と、転置回路426bから出力される転置後のチャネル行列Hとを元に、逆方向アンテナ重み係数行列Wを計算するものである。第1係数計算回路422bは、算出した逆方向アンテナ重み係数行列Wを行列乗算回路424bに出力する。
行列乗算回路424bは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路424bは、第1係数計算回路422bから出力される逆方向アンテナ重み係数行列Wと、転置回路426bから出力される転置後のチャネル行列Hとを乗算し、逆方向重み付け後チャネル行列HWR(HWR=H)を生成するものである。ここで、逆方向重み付け後チャネル行列HWRはN行×S列の行列である。行列乗算回路424bで生成された逆方向重み付け後チャネル行列HWRは転置回路426cに入力される。
転置回路426cは、行列を転置する演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる転置回路426cは、行列乗算回路424bで生成された逆方向重み付け後チャネル行列HWRを転置して、転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を生成するものである。転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR は第1係数計算回路422cに入力される。
第1係数計算回路422cは、チャネル推定回路102で推定されたチャネル行列Hと、転置回路426cから出力される転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR とを入力し、チャネル行列Hと転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR とを元に、アンテナ重み係数行列Wを生成するものである。第1係数計算回路422cは、算出したアンテナ重み係数行列Wを重み付け回路110に出力する。
なお、第1係数計算回路422cから出力されるアンテナ重み係数行列Wは、行列乗算回路424aに再度入力されるようにしてもよい。第1係数計算回路422cから出力されるアンテナ重み係数行列Wを用いて繰り返して演算処理を実行することで、通信特性を改善することができる。
以上、図11を用いて本発明の第3の実施形態にかかる演算回路414の構成について説明した。次に、本発明の第3の実施形態にかかる第1係数計算回路の構成について説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態にかかる第1係数計算回路422aの構成について説明する説明図である。以下、図12を用いて本発明の第4の実施形態にかかる第1係数計算回路422aの構成について説明する。
第1係数計算回路422aは、サブ・チャネル行列Aとチャネル行列Bとを入力して、アンテナ重み係数Wを計算するものである。図11に示した演算回路414においては、第1係数計算回路は3箇所で用いられている。第1係数計算回路422aにおける(A、B、W)の関係は(H、H、W)であり、第1係数計算回路422bにおける(A、B、W)の関係は(H 、H、W)であり、第1係数計算回路422cにおける(A、B、W)の関係は(HWR 、H、W)である。ここでは第1係数計算回路422aのみを例示して説明するが、第1係数計算回路422b、422cも同様の構成を有している。
図12に示したように、本発明の第3の実施形態にかかる第1係数計算回路422aは、第2係数計算回路432と、行列乗算回路434a、434bと、SVD回路436と、を含んで構成される。図11に示した第1係数計算回路422aの構成は、図7に示した本発明の第2の実施形態にかかる演算回路214と同様の構成を有している。
第2係数計算回路432は、サブ・チャネル行列A(ここではサブ・チャネル行列H)を元に仮アンテナ重み係数行列WATを計算するものである。第2係数計算回路432における仮アンテナ重み係数行列WATの計算方法としては、例えば、特異値分解によって計算することができる。サブ・チャネル行列Aを特異値分解すると、下記の数式15の通りとなる。
Figure 0004518184
特異値分解によって仮アンテナ重み係数行列WATを求める場合、第2係数計算回路432は、この数式15の行列(右特異行列)Vを仮アンテナ重み係数行列WATとする。第2係数計算回路432は、算出した仮アンテナ重み係数行列WATを行列乗算回路434a、434bに出力する。
行列乗算回路434aは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路434aは、チャネル行列B(ここではチャネル行列H)と、第2係数計算回路432で算出された仮アンテナ重み係数行列WATとを乗算し、重み付け後チャネル行列HAW(HAW=BWAT)を生成するものである。ここで行列HAWはM行×S列の行列である。行列乗算回路434aで生成された重み付け後チャネル行列HAWはSVD回路436に出力する。
SVD回路436は特異値分解を行う回路である。本実施形態においては、行列乗算回路434aで生成された重み付け後チャネル行列HAWを入力して、重み付け後チャネル行列HAWの特異値分解を行う。重み付け後チャネル行列HAWを特異値分解すると、下記の数式16の通りとなる。
Figure 0004518184
この数式16で得られる行列(右特異行列)Vを、行列乗算回路434bに出力する。
行列乗算回路434bは、行列同士を乗じる演算処理を実行する回路である。本実施形態にかかる行列乗算回路434bは、第2係数計算回路432で算出された仮アンテナ重み係数行列WATと、SVD回路436で算出された行列Vとを乗算して、アンテナ重み係数行列W(W=WATV)を生成するものである。アンテナ重み係数行列Wは、ここでは仮アンテナ重み係数行列Wとなる。仮アンテナ重み係数行列WATの計算の際には捨てていた行(すなわち、サブ・チャネル行列Aに含まれていないチャネル行列Bの行)を、アンテナ重み係数行列Wの計算の際に考慮に入れることで、特性を上げることができる。
なお、行列乗算回路434bで生成されるアンテナ重み係数行列Wは、第1係数計算回路422bでは逆方向アンテナ重み係数行列Wとなり、第1係数計算回路422cではアンテナ重み係数行列Wとなる。
以上、図12を用いて本発明の第3の実施形態にかかる第1係数計算回路422aの構成について説明した。次に本発明の第3の実施形態にかかる、アンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する流れ図である。以下、図13を用いて、本発明の第3の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する。
重み係数行列演算回路104にN行×M列のチャネル行列Hが入力されると、選択回路112において、チャネル行列Hから適当にS行を選択してサブ・チャネル行列Hを生成する(ステップS402)。選択回路112においてサブ・チャネル行列Hを生成すると、生成したサブ・チャネル行列H及びチャネル行列Hを元に、仮アンテナ重み係数行列Wを第1係数計算回路422aで演算する(ステップS404)。上述したように、第1係数計算回路422aにおける仮アンテナ重み係数行列Wの演算には、例えば特異値分解を用いることができる。
上記ステップS404において仮アンテナ重み係数行列Wの生成が完了すると、続いて、行列乗算回路424aにおいて、チャネル行列Hと、仮アンテナ重み係数行列Wとを乗じて、重み付け後チャネル行列Hを生成する(ステップS406)。
上記ステップS406において重み付け後チャネル行列Hを生成すると、重み付け後チャネル行列Hを転置回路426aで転置した後に、第1係数計算回路422bに転置後の重み付け後チャネル行列H とチャネル行列Hの転置行列Hとを入力して、転置後の重み付け後チャネル行列H とチャネル行列Hの転置行列Hとを用いて逆方向アンテナ重み係数行列Wを得る(ステップS408)。
上記ステップS408において逆方向アンテナ重み係数行列Wを生成すると、転置回路426bでチャネル行列Hを転置して得られる転置後のチャネル行列Hと、逆方向アンテナ重み係数行列Wとを行列乗算回路424bで乗じる。転置後のチャネル行列Hと、逆方向アンテナ重み係数行列Wとを乗じた結果、逆方向重み付け後チャネル行列HWRを得る(ステップS410)。
上記ステップS410において逆方向重み付け後チャネル行列HWRが得られると、逆方向重み付け後チャネル行列HWRを転置回路426cで転置して転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR を得る。そして、転置後逆方向重み付け後チャネル行列HWR とチャネル行列Hとを第1係数計算回路422cに入力して、アンテナ重み係数行列Wを計算する(ステップS412)。
このように行列の転置を行いつつ、最終的にアンテナ重み係数行列Wを得ることで、双方向のビーム・フォーミングを演算回路414で実行しているのと同等の効果を得ることができる。
ここで、S<min(M,N)の関係から、固有モード伝送に比べて、特異値分解される行列の階数が小さくなる分、演算量は少なくなる。また特異値分解で生成される行列の要素が少なくなる分、演算量が少なくなる。また、通信特性を改善するために、第1係数計算回路422cから出力されるアンテナ重み係数行列Wを用いて、上述のステップS406〜ステップS412の処理を繰り返して実行してもよい。上述の様に全体として手順は増えるが、複雑な特異値分解の演算量が減らせる分、全体として演算量を抑えることが出来る。
なお、条件によっては第1係数計算回路422a、422b、422cを共用することが可能であり、行列乗算回路424a、424b、424c、434a、434bを共用することが可能であり、転置回路426a、426b、426cを共用することが可能である。また、第2係数計算回路432とSVD回路436とを共用することも可能である。
図14A及び図14Bは、固有モード伝送と、本発明の第3の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送との比較を折れ線グラフによって説明する説明図である。図14A及び図14Bでは、固有モード伝送でS本のデータ・ストリームを送った時の通信容量をC、上述のアンテナ重み係数行列Wを用いた時の通信容量をCとして、通信容量の比(C/C)について、10000サンプルの最大値及び最小値をプロットしている。また、それぞれの折れ線グラフにおいて、横軸は上述のステップS406〜ステップS412の繰り返し処理の回数を示している。なお、アンテナ重み係数行列Wの代わりに第1係数計算回路422aで算出される仮アンテナ重み係数行列Wを用いた場合を繰り返し回数が0回であるとして表している。
そして図14A及び図14Bでは、送信アンテナの本数をM、受信アンテナの本数をN、チャネル行列から選択した行の数をSとして、6通りの(M×N×S)の組み合わせについて、通信容量の比を示している。
ここで、通信容量Cは上述の数式11を用いて求めている。また、チャネル行列Hの各要素は平均0で分散1の複素正規分布を仮定している。
図14Aの(a)は(M×N×S)が(3×3×2)の場合の特性について示したものであり、図14Aの(b)は(M×N×S)が(4×4×2)の場合の特性について示したものであり、図14Aの(c)は(M×N×S)が(4×4×3)の場合の特性について示したものである。また、図14Bの(a)は(M×N×S)が(5×5×2)の場合の特性について示したものであり、図14Bの(b)は(M×N×S)が(5×5×3)の場合の特性について示したものであり、図14Bの(c)は(M×N×S)が(5×5×4)の場合の特性について示したものである。
図14A及び図14Bに示した6つの折れ線グラフから分かるように、どのケースにおいても、本発明の第1の実施形態で示した折れ線グラフと同様に、通信容量比が1へ収束していることが分かる。つまり、上述のアンテナ重み係数行列Wを用いた時の通信容量が、固有モード伝送時の通信容量に収束していることが分かる。
以上、本発明の第3の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明した。次に、本発明の第3の実施形態の変形例について説明する。
図15は、本発明の第3の実施形態の変形例にかかる演算回路414’の構成について説明する説明図である。以下、図15を用いて本発明の第3の実施形態の変形例にかかる演算回路414’の構成について説明する。
図15に示した演算回路414’は、図11に示した演算回路414の第1係数計算回路422b、422cの代わりに、第2係数計算回路432a、432bを設けたものである。このように演算回路414’を構成した場合であっても、図11に示した演算回路414による通信特性と同等の通信特性を得ることができる。
なお、第1係数計算回路と第2係数計算回路との組み合わせは、かかる例に限定されない。例えば、第1係数計算回路422bの代わりに第2係数計算回路を設けてもよく、第1係数計算回路422cの代わりに第2係数計算回路を設けてもよい。
以上、本発明の第3の実施形態の変形例にかかる演算回路414’の構成について説明した。次に、この通信容量の収束速度を改善するために、選択回路112の動作として、上述の本発明の第1の実施形態で説明したパターン1〜パターン5によってチャネル行列HからS行を選択した場合について説明する。
図16A及び図16Bは、上記パターン1〜パターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いてアンテナ重み係数行列Wを計算した場合における通信容量の収束について折れ線グラフで示す説明図である。図16A及び図16Bでは、(M×N×S)が(3×3×2)の場合に、上記パターン1〜パターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いてアンテナ重み係数行列Wを計算した場合を示している。
図16Aの(a)は、図14Aの(a)と同じものを示したものであり、図16Aの(b)はパターン1によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものであり、図16Aの(c)はパターン2によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものである。また、図16Bの(a)はパターン3によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものであり、図16Bの(b)はパターン4によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものであり、図16Bの(c)はパターン5によって選択されたサブ・チャネル行列Hを用いた場合の特性について示したものである。
図16A及び図16Bに示したグラフにより、本発明の第1の実施形態で示した折れ線グラフと同様に、パターン1〜パターン5のいずれのケースにおいても、N行×M列のチャネル行列HのN行の中から、適当にS行を選んでサブ・チャネル行列Hを生成した場合に比べて収束特性が改善されていることが分かる。そして、収束特性が改善されることによって演算時間を短くすることが可能となる。
なお、上述の説明では(M×N×S)が(3×3×2)の場合について示したが、(M×N×S)の組み合わせが他の場合であっても、同様にN行×M列のチャネル行列HのN行の中から、適当にS行を選んでサブ・チャネル行列Hを生成した場合に比べて収束特性の改善がみられることが分かっている。
以上説明したように本発明の第3の実施形態によれば、送信ビーム・フォーミングしたいデータ・ストリーム数の最大値がアンテナ本数よりも少ない場合に、チャネル行列Hと、チャネル行列Hからデータ・ストリーム数の最大値分の行を抽出したサブ・チャネル行列Hとを元にアンテナ重み係数行列Wを計算する。
このように、チャネル行列Hとサブ・チャネル行列Hとを元にしてアンテナ重み係数行列Wの演算を行うことで、ある程度の特性を維持したまま、演算に用いられる行列の階数が小さくなり、SVDに代表される行列演算の演算量を減らすことが可能となる。そして、特性劣化を抑えた上で、重み係数行列演算回路全体の回路規模を減らすことが可能となる。実際の通信装置に実装する場合、演算量は回路規模や演算時間に直結するため、より小さい回路規模やより短い演算時間での実装が可能となる。
また、サブ・チャネル行列Hを生成する際に、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、行選択の条件を与えることによって、少ない演算量の増加で通信容量の収束特性を改善することが出来る。
なお、上述の本発明の第1の実施形態〜第3の実施形態で説明したアンテナ重み係数行列Wの計算方法は、上述したように行列を推定したり、行列に対して演算したりするコンピュータプログラムを送信機100や受信機200の内部に格納し、格納されたコンピュータプログラムを、CPU(Central Processing Unit)のような演算装置が読み出して順次実行することによって行ってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、無線通信装置、無線通信方法、コンピュータプログラム及び無線通信システムに適用可能であり、特にMIMO方式によって通信を行う無線通信装置、無線通信方法、コンピュータプログラム及び無線通信システムに適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる無線通信システム10について説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる重み係数行列演算回路104の構成について説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかる演算回路114の構成について説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する流れ図である。 本発明の第1の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送と固有モード伝送との比較を折れ線グラフによって説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送と固有モード伝送との比較を折れ線グラフによって説明する説明図である。 通信容量の収束について棒グラフで示す説明図である。 通信容量の収束について棒グラフで示す説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる演算回路214の構成について説明する説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する流れ図である。 本発明の第2の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送と固有モード伝送との比較を棒グラフによって説明する説明図である。 通信容量の比について棒グラフで示す説明図である。 通信容量の比について棒グラフで示す説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかる演算回路414の構成について説明する説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかる第1係数計算回路422aの構成について説明する説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法について説明する流れ図である。 本発明の第3の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送と固有モード伝送との比較を折れ線グラフによって説明する説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかるアンテナ重み係数行列Wの演算方法によって求められたアンテナ重み係数行列Wを用いた伝送と固有モード伝送との比較を折れ線グラフによって説明する説明図である。 本発明の第3の実施形態の変形例にかかる演算回路414’の構成について説明する説明図である。 通信容量の収束について棒グラフで示す説明図である。 通信容量の収束について棒グラフで示す説明図である。 MIMO方式による無線通信システムを概念的に示す説明図である。 固有モード伝送を概念的に説明する説明図である。
符号の説明
1 無線通信システム
10 無線通信システム
11 送信機
12a〜12m アンテナ
21 受信機
22a〜22n アンテナ
100 送信機
101a〜101m アンテナ
102 チャネル推定回路
104 重み係数行列演算回路
106 送信回路
110 重み付け回路
112 選択回路
114 演算回路
200 受信機
201a〜201n アンテナ
202 送信回路
214 演算回路
222 係数計算回路
224a、224b 行列乗算回路
226 SVD回路
322a、322b、322c 係数計算回路
324a、324b 行列乗算回路
326a、326b、326c 転置回路
414、414’ 演算回路
422a、422b、422c 第1係数計算回路
424a、424b 行列乗算回路
426a、426b、426c 転置回路
432、432a、432b 第2係数計算回路
434a、434b 行列乗算回路
436 SVD回路

Claims (13)

  1. N行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定部と、
    前記行列推定部が推定した前記チャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択部と、
    前記行列推定部が推定した前記チャネル行列及び前記選択部が生成した前記サブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算部と、
    を含み、
    前記演算部は、
    前記サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列と前記チャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成部と、
    前記チャネル行列及び前記重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の前記重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後の前記チャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成部と、
    転置後の前記逆方向重み付け後チャネル行列に基づいて前記アンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算部と、
    を含む、無線通信装置。
  2. 記重み付け後チャネル行列生成部は、前記仮アンテナ重み係数行列の代わりに前記アンテナ重み係数行列計算部が算出した前記アンテナ重み係数行列を用いて重み付け後チャネル行列を繰り返して生成する、請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記演算部は、
    前記サブ・チャネル行列に基づいて仮アンテナ重み係数行列を計算する第1の係数計算部と、
    前記仮アンテナ重み係数行列と前記チャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する第1の行列乗算部と、
    前記チャネル行列及び前記重み付け後チャネル行列を転置する第1の転置部と、
    転置後の前記重み付け後チャネル行列に基づいて逆方向アンテナ重み係数行列を計算する第2の係数計算部と、
    転置後の前記チャネル行列と前記逆方向アンテナ重み係数行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する第2の行列乗算部と、
    前記逆方向重み付け後チャネル行列を転置する第2の転置部と、
    転置後の前記逆方向重み付け後チャネル行列に基づいて前記アンテナ重み係数行列を計算する第3の係数計算部と、
    を含む、請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記第1の係数計算部は前記サブ・チャネル行列及び前記チャネル行列に基づいて仮アンテナ重み係数行列を計算し、
    前記第2の係数計算部は転置後の前記重み付け後チャネル行列及び転置後の前記チャネル行列に基づいて逆方向アンテナ重み係数行列を計算し、
    前記第3の係数計算部は転置後の前記逆方向重み付け後チャネル行列及び前記チャネル行列に基づいて前記アンテナ重み係数行列を計算する、請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記第1の係数計算部〜前記第3の係数計算部の少なくともいずれか1つは、
    前記サブ・チャネル行列に基づいて仮アンテナ重み係数行列を計算する第4の係数計算部と、
    前記チャネル行列と前記仮アンテナ重み係数行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する第3の行列乗算部と、
    前記重み付け後チャネル行列を特異値分解する特異値分解部と、
    前記特異値分解部で得られる行列と前記仮アンテナ重み係数行列とを乗算して前記アンテナ重み係数行列を生成する第4の行列乗算部と、
    を含む、請求項3に記載の無線通信装置。
  6. 前記選択部は、行列の各要素の二乗和が最大となる前記S行を選択する、請求項1に記載の無線通信装置。
  7. 前記選択部は、行列の共分散行列の固有値または行列の特異値の最大値が最大となる前記S行を選択する、請求項1に記載の無線通信装置。
  8. 前記選択部は、行列の共分散行列の固有値または行列の特異値の最小値が最大となる前記S行を選択する、請求項1に記載の無線通信装置。
  9. 前記選択部は、行列の共分散行列の行列式が最大となる前記S行を選択する、請求項1に記載の無線通信装置。
  10. 前記選択部は、行列の共分散行列の行列式を該行列の各要素の二乗和で割った値が最大となる前記S行を選択する、請求項1に記載の無線通信装置。
  11. N行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定ステップと、
    前記行列推定ステップで推定した前記チャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択ステップと、
    前記行列推定ステップが推定した前記チャネル行列及び前記選択ステップが生成した前記サブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算ステップと、
    を含み、
    前記演算ステップは、
    前記サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列と前記チャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成ステップと、
    前記チャネル行列及び前記重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の前記重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後の前記チャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成ステップと、
    転置後の前記逆方向重み付け後チャネル行列に基づいて前記アンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算ステップと、
    を含む、無線通信方法。
  12. N行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定ステップと、
    前記行列推定ステップで推定した前記チャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択ステップと、
    前記行列推定ステップが推定した前記チャネル行列及び前記選択ステップが生成した前記サブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算ステップと、
    を含み、
    前記演算ステップは、
    前記サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列と前記チャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成ステップと、
    前記チャネル行列及び前記重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の前記重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後の前記チャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成ステップと、
    転置後の前記逆方向重み付け後チャネル行列に基づいて前記アンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算ステップと、
    を含む処理をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
  13. 第1の無線通信装置と第2の無線通信装置とを含み、
    前記第1の無線通信装置は、複数本のアンテナを介して前記第2の無線通信装置にリファレンス信号を送信する送信部を備え、
    前記第2の無線通信装置は、
    複数本のアンテナを介して受信した前記リファレンス信号に基づいてN行M列(N、Mは自然数)のチャネル行列を推定する行列推定部と、
    前記行列推定部が推定した前記チャネル行列の中からS行(Sは自然数で、S<MIN(M,N))を選択して作られたS行M列のサブ・チャネル行列を生成する選択部と、
    前記行列推定部が推定した前記チャネル行列及び前記選択部が生成した前記サブ・チャネル行列に基づいてアンテナ重み係数行列を演算する演算部と、
    を含み、
    前記演算部は、
    前記サブ・チャネル行列に基づいて計算した仮アンテナ重み係数行列と前記チャネル行列とを乗算して重み付け後チャネル行列を生成する重み付け後チャネル行列生成部と、
    前記チャネル行列及び前記重み付け後チャネル行列を転置し、転置後の前記重み付け後チャネル行列に基づいて計算した逆方向アンテナ重み係数行列と転置後の前記チャネル行列とを乗算して逆方向重み付け後チャネル行列を生成する逆方向重み付け後チャネル行列生成部と、
    転置後の前記逆方向重み付け後チャネル行列に基づいて前記アンテナ重み係数行列を計算するアンテナ重み係数行列計算部と、
    を含む、無線通信システム。
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