JP4593489B2 - 無線通信方法及び無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同一の周波数チャネルを用い、異なる複数の送信アンテナより独立な信号系列を空間多重して送信し、複数の受信アンテナを用いて信号を受信し、各送受信アンテナ間のチャネル応答行列をもとに受信局側でデータの復調を行うMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)通信を用い、同時に複数の通信相手への情報伝達を実現する高速無線アクセスシステムにおいて、複数の通信相手に同一時間に、同一の情報を送信する、無線通信方法及び無線通信装置に関する。
近年、2.4GHz帯または5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格などの普及が目覚しい(例えば非特許文献1)。これらのシステムでは、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用い、最大で54Mbpsの伝送速度を実現している。ただし、ここでの伝送速度とは物理レイヤ上での伝送速度であり、実際にはMAC(Medium Access Control)レイヤでの伝送効率が50〜70%程度であるため、実際のスループットの上限値は30Mbps程度である。このような実際のスループットの低下は、基地局が送信を行っている間は、端末局は送信を行わないことや、送信が終わったあともバックオフの時間を各端末局でとることなどによる。将来の無線通信を考えるにあたって、端末局において指向性制御を行い、複雑なスケジューリングにより送信を行うようになることが想定され、このような場合、MACレイヤによるスループットの低下は、全体の通信品質の向上を大きく妨げることとなる。
送信装置と受信装置それぞれに複数のアンテナ素子を具備し、通信を行うMIMO技術が周波数利用効率を改善するため有力である。このMIMO技術とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一チャネル上で異なる独立な信号を送信し、受信局側において同じく複数のアンテナを用いて信号を受信し、各送信アンテナ/受信アンテナ間のチャネル応答行列を求め、この行列を用いて送信局側で各アンテナから送信した独立な信号を推定し、データを再生するものである。
図7において、送信装置のアンテナ素子数をM、通信相手である受信装置のアンテナ素子数をM、同時、同周波数帯において送信する通信系列数をLとして、シングルユーザにおいて最適となる指向性制御を示す。図7は伝搬環境に最適となるように送信指向性を制御し、空間多重を行い伝送速度を向上させる、従来技術における送信部の構成例である。
図7において、符号900はデータ分割回路、901−1〜901−Lは変調回路、903−1〜903−Mは無線部、904−1〜904−Mはアンテナ素子、905はチャネル応答行列取得回路、906はアンテナ選択決定回路である。
アンテナ素子904−1〜904−Mおよび無線部903−1〜903−Mは、無線信号の送受信を行うことが可能であり、これらを介して送信部の各アンテナ904−1〜904−Mと通信相手の各アンテナ間のチャネル応答行列をチャネル応答行列取得回路905において推定することができる。
このチャネル応答行列の取得方法はここでは明記しないが、アンテナ904−1〜904−Mにおいて既知信号の受信を行った際に得られる情報を元に推定するか、もしくは受信信号に含まれるフィードバック情報に含まれる情報によって、チャネル応答行列の情報が取得される。
同じ情報を送信する通信相手が決定すると、チャネル応答行列取得回路905は、対応する通信相手のチャネル応答行列を取得し、この情報はアンテナ選択決定回路906に入力され、送信を行う際に用いるアンテナを決定する。
送信されるデータは、データ分割回路900において1系統の信号がL系統の信号系列に分割され、変調回路901−1〜901−Lへ入力される。ここでは、MIMOチャネル推定用のプリアンブル信号等が付与され、変調された後、これらの信号は、不図示のアンテナ選択回路に入力される。ここで、送信データは選択されたアンテナの無線部903−1〜903−Mに入力され、選択されたアンテナを介して無線信号として送信される。
チャネル応答行列取得回路905において得られたk番目の通信相手チャネル応答行列H(M(k)×M行列)は下式のように表せる。
Figure 0004593489
ここでHk,abは送信装置のb番目のアンテナから受信装置のa番目のアンテナまでのチャネル応答行列を表す。
ここで、2つの通信相手に対し、2つの通信系列X=(x,xを1番目のアンテナと2番目のアンテナを用いて送信することを考える。()は転置行列を表すものとする。2つの通信相手はそれぞれ2つの受信アンテナを有するものとする。1番目の通信相手の受信信号Y=(y1,1,y1,2)、2番目の通信相手の受信信号Y=(y2,1,y2,2)は、選択された送信アンテナと通信相手の受信アンテナ間の選択チャネル応答行列H (2×2行列)を用いて、以下のように表すことができる。
Figure 0004593489
各通信相手は、受信信号を用いて、送信された信号を推定する。例えば受信信号Yに選択チャネル応答行列の逆行列や、擬似逆行列を乗算するZF(Zero Forcing)法と呼ばれる方法や、MMSE(Minimum Mean Square Error)法や、MLD(Maximum Likelihood Detection)法などを用いて送信信号Xを復号することができる。
守倉正博・久保田周治 監修、"改訂版 802.11高速無線LAN教科書"、2004
しかし、このような制御により信号を送信すると、以下のような幾つかの問題が生じ、これは送信する信号系列が2以上の場合でも、1つの場合でも同様である。
1.送信信号Xは通信品質が悪い通信相手に合わせて情報量を低く設定する必要があり、各通信相手で選択されたチャネル応答行列の絶対値や固有値分布に大きな差があると、大きくスループットが低下する。
2.信号が全空間に放射されるので、空間リソースを使い切ってしまい、残りの空間チャネルを用いて他の通信を行うことが難しい。
3.送受信装置が多くのアンテナ素子を有しても、通信相手の受信アンテナ数が少なければ、大きなスループットの上昇を望めない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、同じ情報を複数の通信相手に送信する際に、送信ビームを形成することで、通信相手に対する通信品質を適切に選択し、有効に空間リソースを利用し、アレー利得を得ることで全体の通信容量を増大させるようにした無線通信方法及び無線通信装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は、複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、共通のデータを送信する通信相手に対応するチャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、得られた固有ベクトルのうち二つ以上を用い、それぞれ補正値を乗算し、足し合わせたベクトルを共通送信ウエイトとして決定するステップとを備えることを特徴とする無線通信方法である。
請求項2に係る本発明は、複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、共通のデータを送信する通信相手に対応するチャネル応答行列の送信側相関行列から得られる固有ベクトルを演算するステップと、内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定するステップと、各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトとして決定するステップと、を備えることを特徴とする無線通信方法である。
請求項3に係る本発明は、複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、共通のデータを送信する通信相手に対応するチャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、各通信相手に対しどの固有ベクトルを用いるか決定するステップと、ある通信相手に用いることを決定された固有ベクトルと、それ以外の通信相手の固有ベクトルの内積値を求めるステップと、内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定し、各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトを決定するステップと、チャネル応答行列の得られた共通送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交する成分のみからなる直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、直交空間チャネル応答行列を用いて、再び第2の送信ウエイトとして決定するステップと、を備えることを特徴とする無線通信方法である。
請求項4に係る本発明は、請求項3の無線通信方法であって、チャネル応答行列から、共通送信ウエイトを演算し、共通送信ウエイトとチャネル応答行列から直交空間チャネル応答行列を演算し、直交空間チャネル応答行列から第2の共通送信ウエイトを演算し、第2の共通送信ウエイトと直交空間チャネル応答行列から第2の直交空間チャネル応答行列を演算し、第2の直交空間チャネル応答行列から、第3の共通送信ウエイトを演算し、上記の処理を繰り返すことにより任意の数の通信系列の送信ウエイトを決定することを特徴とする無線通信方法である。
請求項5に係る本発明は、複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、同じ情報を送信する通信相手を同じグループに分け、送信を行う対象となる通信相手を複数のグループに分けるステップと、あるグループへの送信ウエイトを決定する際には、当該グループに属さない通信相手のチャネル応答行列から、干渉空間基底ベクトルを定義するステップと、当該グループの通信相手のチャネル応答行列を用い、干渉空間基底ベクトルに対し、直交する成分である直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、共通のデータを送信する通信相手に対応する直交空間チャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、各通信相手に対しどの固有ベクトルを用いるか決定するステップと、ある通信相手に用いることを決定された固有ベクトルと、それ以外の通信相手の固有ベクトルの内積値求めるステップと、内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定し、各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトとして決定するステップと、を備えることを特徴とする無線通信方法である。
請求項6に係る本発明は、複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、同じ情報を送信する通信相手を同じグループに分け、送信を行う対象となる通信相手を複数のグループに分けるステップと、あるグループへの送信ウエイトを決定する際には、当該グループに属さない通信相手のチャネル応答行列から、干渉空間基底ベクトルを定義するステップと、当該グループの通信相手のチャネル応答行列を用い、干渉空間基底ベクトルに対し、直交する成分である直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、共通のデータを送信する通信相手に対応する直交空間チャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、各通信相手に対しどの固有ベクトルを用いるか決定するステップと、ある通信相手に用いることを決定された固有ベクトルと、それ以外の通信相手の固有ベクトルの内積値を求めるステップと、内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定し、各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトを決定するステップと、当該グループの直交空間チャネル応答行列の、得られた共通送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交する成分のみからなる第2の直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、直交空間チャネル応答行列をもちいて、再び第2の共通送信ウエイトを決定するステップと、を備えることを特徴とする無線通信方法である。
請求項7に係る本発明は、請求項6の無線通信方法であって、当該グループに属する通信相手の直交空間チャネル応答行列から、共通送信ウエイトを演算し、共通送信ウエイトと直交空間チャネル応答行列から第2の直交空間チャネル応答行列を演算し、第2の直交空間チャネル応答行列から第2の共通送信ウエイトを演算し、第2の共通送信ウエイトと第2の直交空間チャネル応答行列から第3の直交空間チャネル応答行列を演算し、第3の直交空間チャネル応答行列から、第3の共通送信ウエイトを演算し、上記の処理を繰り返すことにより任意の数の通信系列の送信ウエイトを決定することを特徴とする無線通信方法である。
請求項8に係る本発明は、請求項6記載の無線通信方法であって、グループに該当する通信相手が1つである場合には、当該通信相手に対して得られた直交空間チャネル応答行列から線形演算によって得られるベクトルを送信ウエイトとすることを特徴とする無線通信方法である。
請求項9に係る本発明は、請求項1〜7の無線通信方法において、各通信相手に選択する固有ベクトルとして、第1固有ベクトルを選択することを特徴とする、複数通信相手への無線通信方法である。
請求項10に係る本発明は、請求項1〜7の無線通信方法において、各通信相手に選択する固有ベクトルとして、固有ベクトルに対応する固有値が近しい値をとるものを選択することを特徴とする無線通信方法である。
請求項11に係る本発明は、複数本のアンテナ素子を備えた送信局と、1つもしくは複数のアンテナ素子を備えた複数の通信相手局とにより構成され、送信局と複数の通信相手局のアンテナ素子、もしくはそれらアンテナ素子に形成されるビームにより構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを介して、複数の通信相手局に対し、ひとつまたは複数の信号系列を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信を行うことが可能な無線通信システムにおける、M個の通信相手について、共通の送信データを送信する無線通信装置において、M(M>1:整数)本のアンテナ素子を具備し、各アンテナ素子に接続され、受信時には受信信号からをベースバンド信号に変換し、チャネル情報取得回路へ出力し、送信時には送信信号を無線信号としてアンテナ素子から送信を行う無線部と、無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列の推定し、通信相手と送信信号が決定すると、送信を行う通信相手のチャネル応答行列を送信ウエイト候補演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、チャネル情報取得回路から入力されたチャネル応答行列を元に、各通信相手に対する送信ウエイト候補を演算する送信ウエイト候補演算回路と、送信ウエイト候補演算回路から出力された各通信相手に対する送信ウエイト候補に補正値をそれぞれ乗算し、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路と、上記チャネル応答行列取得回路、送信ウエイト候補演算回路、共通送信ウエイト演算回路から構成される送信ウエイト決定ブロックと、送信データを通信系列数に変調方式に応じて分割するデータ分割回路と、各信号系列に変調を行う変調回路と、変調された各通信系列に送信ウエイト演算回路で決定された送信ウエイトを乗算し、対応するのアンテナ素子に接続された無線部に出力を行う送信信号変換回路とを備えたことを特徴とする無線通信装置である。
請求項12に係る本発明は、請求項11記載の無線通信装置において、前記送信ウエイト決定ブロックは、無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列を推定し、通信相手と送信信号が決定すると、送信を行う通信相手のチャネル応答行列を送信ウエイト候補演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、チャネル情報取得回路から入力されたチャネル応答行列を元に、特異値分解により得られる送信側固有ベクトルおよび固有値を演算し、共通送信ウエイト演算回路に出力する送信ウエイト候補演算回路と、送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定し、選択された固有ベクトルを他の通信相手に用いた場合の当該通信相手における受信信号を推定し、全ての通信相手における受信電力がほぼ等しくなるように、固有ベクトルに重み付けをして、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路と、を備えたことを特徴とする無線通信装置である。
請求項13に係る本発明は、請求項11記載の無線通信装置において、前記送信ウエイト決定ブロックは、無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列の推定し、通信相手と送信信号が決定されると、送信を行う通信相手のチャネル応答行列を送信ウエイト候補演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、チャネル情報取得回路から入力されたチャネル応答行列、もしくは、直交空間チャネル演算回路から入力された直交空間チャネル応答行列を元に、特異値分解により得られる送信側固有ベクトルおよび固有値を演算し、共通送信ウエイト演算回路に出力する送信ウエイト候補演算回路と、送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定し、選択された固有ベクトルと、他通信相手のチャネル応答行列の固有ベクトルとの内積値を算出し、ある通信相手に選択された固有ベクトルを送信ウエイトとした際の他通信相手に対する信号の漏れこみを考慮し、全ての通信相手における受信電力がほぼ等しくなるように、固有ベクトルに重み付けをして、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路と直交空間チャネル演算回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路と、入力された送信ウエイトと、各通信相手のチャネル応答行列から、送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交する直交空間チャネル応答行列を演算し、送信ウエイト候補演算回路に出力する直交空間チャネル演算回路と、を備えたことを特徴とする無線通信装置である。
請求項14に係る本発明は、請求項11の無線通信装置において、送信ウエイト決定ブロックは、無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列の推定し、通信相手と送信信号が決定されると、同じ情報を送信する通信相手を同じグループとしてグループ分けを行う通信相手グループ分け回路と、送信を行う通信相手のチャネル応答行列を直交空間チャネル演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、入力された送信ウエイトを決定する第k番目のグループに属する通信相手のチャネル応答行列に対し、第kのグループに属さない、且つ送信ウエイトが決定されていない通信相手に対応するチャネル応答行列と、送信ウエイト演算回路から入力された送信ウエイトから、演算された第kグループ第1の干渉空間基底ベクトルと、直交する第kグループ第1の直交空間チャネル応答行列を演算し、送信ウエイト候補演算回路に出力する、直交空間チャネル演算回路と、直交空間チャネル演算回路から入力された直交空間チャネル応答行列を元に、特異値分解により得られる送信側固有ベクトルおよび固有値を演算し、共通送信ウエイト演算回路に出力する送信ウエイト候補演算回路と、送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定し、選択された固有ベクトルと、他通信相手のチャネル応答行列の固有ベクトルとの内積値を算出し、ある通信相手に選択された固有ベクトルを送信ウエイトとした際の他通信相手に対する信号の漏れこみを考慮し、全ての通信相手における受信電力がほぼ等しくなるように、固有ベクトルに重み付けをして、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路と直交空間チャネル演算回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路とを備えたことを特徴とする無線通信装置である。
請求項15に係る本発明は、請求項11〜14記載の無線通信装置において、前記送信ウエイト決定ブロックは、送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路において決定された送信ウエイトから、直交空間チャネル演算回路において、この送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交するチャネル応答行列、もしくは直交空間チャネル応答行列を求め、再び送信ウエイト候補演算回路を介して、送信ウエイトを決定する処理を任意の回数繰り返すことで、共通の通信相手に対する送信ウエイトを任意の通信系列数分演算することが可能な、送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路、直交空間チャネル演算回路、送信ウエイト候補演算回路を備えたことを特徴とする無線通信装置である。
請求項16に係る本発明は、請求項11〜14の無線通信装置において、送信ウエイト決定ブロックは、グループに属する通信相手が一つである場合には、入力された固有ベクトルを送信ウエイトとする送信ウエイト演算回路を備えたことを特徴とする無線通信装置である。
請求項17に係る本発明は、請求項11〜14の無線通信装置において、送信ウエイト決定ブロックは、送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定する際に、第1固有ベクトルを選択する送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路を備えたことを特徴とする無線通信装置である。
請求項18に係る本発明は、請求項11〜14の無線通信装置において、送信ウエイト決定ブロックは、送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定する際に、固有ベクトルに対応する固有値が近しい値をとる固有ベクトルを選択する送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路を備えたことを特徴とする無線通信装置である。
本発明によれば、複数の通信相手局宛に、同じ情報を送信する場合に、各通信相手において近しい伝送品質を達成する共通の送信ウエイトを決定できる。このように制御することで、余分な空間に信号を送信することを避けることができ、また、他の指向性制御法と併用する場合に、送信アンテナの自由度の消費量を大きく削減する利点がある。共通の情報を送信するいくつかの通信相手をグループ化し、各グループに同時に送信を行うことも可能である。この場合にも各通信相手に独立に送信ビームを形成する場合に比べ、送信アンテナの自由度をより有効に利用できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明第1の実施形態における送信部の構成例を示す。図1において、100はデータ分割回路、101−1〜101−Lは変調回路、102は送信信号変換回路、103−1〜103−Mは無線部、104−1〜104−Mはアンテナ、105はチャネル情報取得回路、106は送信ウエイト候補演算回路、107は共通送信ウエイト演算回路を示す。110は送信ウエイト決定ブロックを示し、送信ウエイト決定ブロック110は、チャネル情報取得回路105、送信ウエイト候補演算回路106、共通送信ウエイト演算回路107からなる。
送信装置のアンテナ素子数をM、同時に通信を行う全通信相手の全受信アンテナ素子数をM、k番目の通信相手の受信素子数をM(k)、同時、同周波数帯において送信する通信系列数をLとする。従来技術の場合と同様に、アンテナ104−1〜104−Mおよび無線部103−1〜103−Mは、無線信号の送受信を行うことが可能であり、無線部103−1〜103−Mにおいて変換された受信信号をもとに、チャネル情報取得回路105において、送信部の各アンテナ104−1〜104−Mと複数の通信相手の受信アンテナ、もしくは受信ビームとの間のチャネル応答行列を推定することができる。このチャネル応答行列の取得方法はここでは明記しないが、アンテナ104−1〜104−Mにおいて既知信号の受信を行った際に得られる情報を元に推定するか、もしくは受信信号に含まれるフィードバック情報に含まれる情報によって、各通信相手に対するチャネル応答行列の情報が取得される。
通信相手およびその送信すべきデータが決定されると、チャネル情報取得回路105から、対応する通信相手のチャネル応答行列が送信ウエイト候補演算回路106に出力される。送信ウエイト候補演算回路106においては、入力されたチャネル応答行列を用い、線形演算により得られる送信ウエイト候補とチャネル応答行列を、共通送信ウエイト演算回路107に出力する。
共通送信ウエイト演算回路107は入力された送信ウエイト候補の少なくとも1つは用い、それらに線形演算して得られる共通送信ウエイトを決定し、予想される伝送品質から、変調方式や誤り訂正の符号化率などからなる伝送モードを決定し、これらの情報をデータ分割回路100、変調回路101−1〜101−L、送信信号変換回路102に出力する。
送信データは、データ分割回路100において、L系統の信号系列に分割され、変調回路101−1〜101−Lへ入力される。ここで、MIMOチャネル推定用のプリアンブル信号等が付与され、変調された後、これらの信号は、送信信号変換回路102に入力される。ここで、送信データは、送信ウエイトを乗算され、無線部103−1〜103−Mに入力され、アンテナ104−1〜104−Mを介して無線信号として送信される。
図1に示す本発明の第1実施形態の制御方法の一例を以下に示す。ここで、2つの通信相手に同じ信号系列を送信する。送信素子数をM、k番目の通信相手の受信アンテナ素子数はM(k)である。
まず、送信ウエイト候補演算回路106は、入力されたチャネル応答行列H、Hを以下のように特異値分解し、
=U
特異分解した際に得られる固有ベクトルV
=(vk,1, vk,2, ・・・, vk,M(k)
と、固有値λk,1, λk,2,・・・, λk,M(k)を演算し、共通送信ウエイト演算回路107に出力する。
M(k)は、送信素子数Mと受信アンテナ素子数M(k)の小さい方の数である。固有値はDの対角成分であり、
λk,1>λk,2>・・・>λk,M(k)
とする。vk,1, vk,2, ・・・, vk,M(k)はこれらの固有値に対応するものとする。送信ウエイト候補演算回路106は、送信ウエイト候補、V、と、期待される伝送品質、λk,1, λk,2,・・・, λk,M(k)、を共通送信ウエイト演算回路107に出力する。
共通送信ウエイト演算回路107において、入力された通信相手の固有ベクトル同士で以下の演算を行う。
Figure 0004593489
χkl,ijはk番目の通信相手のi番目の固有ベクトルと、l番目の通信相手のj番目の固有ベクトルとの内積を表し、αkl,ijjはχkl,ijの振幅値、θkl,ijはχkl,ijの位相角を表す。χkl,ij=χlk,jiとなる。
第kの通信相手の第iの固有ベクトルvk,iを第lの通信相手に用いる場合、第lの通信相手において受信される総電力Pl,k,iは、以下のように表すことができる。
Figure 0004593489
まず、本発明により、1番目と2番目の通信相手に共通の通信系列を1つ形成することを考える。共通の通信系列は共通ビームにより通信を行う全ての通信相手で同じ通信品質となることが望ましい。本発明では通信相手k番目とl番目の固有ベクトルを足し合わせて用いることを特徴とする。
第1の固有ベクトルを用いると、両者に高い情報量を伝送可能な共通送信ウエイトを決定できる。このとき、2番目の通信相手の第1固有値が、1番目の通信相手の第1固有値より小さいものとする。このとき、まず2番目の通信相手の第1固有ベクトルを用いた際の1番目の通信相手の受信電力を数式4から推定する。このとき、1番目の通信相手の受信電力が、2番目の通信相手の第1固有値と等しければ、これを送信ウエイトとする。
以下、1番目の通信相手の受信電力が、2番目の通信相手の第1固有値以下になった場合について、最大の伝送容量を実現する共通ウエイトの演算方法を示す。
第1の通信相手の第1の固有ベクトルの割合をη、第2の通信相手の第1の固有ベクトルの割合をη、第2の固有ベクトルに与える位相回転角をφとする。|η1,1+η2,1|=1である。すると、第1の通信相手において期待される共通ビームによる、第1番目の通信相手の受信電力Γc1,1と、第2番目の通信相手の受信電力Γc1,2は、以下のように表すことができる。
Figure 0004593489
受信電力を最大にするには、φ=−θ12,11と設定すればよく、共通ビームにより、Γc1,2=Γc1,2を実現する配分比η/ηは、以下の2次方程式と、|η1,1+η2,1|=1、1≧η≧0、1≧η≧0から解を求めることができる。
Figure 0004593489
また、共通ビームを形成するための送信ウエイトwc1は、以下のように表わすことができる。
Figure 0004593489
次に、1番目の通信相手の受信電力が2番目の通信相手の第1固有値以上になった場合を考える。この場合、1番目の通信相手に対し、送信する必要のある他の通信ストリームが存在しない場合については、2番目の通信相手の第1固有ベクトルを送信ウエイトとしてよい。しかし、1番目の通信相手に、他の情報を送信する必要がある場合には、共通ウエイトが過剰な空間リソースを使用してしまっており、1番目の通信相手における受信電力を下げるよう制御する必要がある。この場合には、1番目の通信相手の送信側固有ベクトルv1,1〜v1,M(1)と直交する付加固有ベクトルv1,M(1)+1を新たに演算する。この付加固有ベクトルは、例えば、2番目の通信相手の第1固有ベクトルからv1,1〜v1,M(1)との内積から非直交成分を減算していき、求めることで2番目の第1固有ベクトルと高い相関値を有するように求めると、2番目の通信相手の品質の劣化を軽減できる。
1番目の通信相手の付加固有ベクトルと、2番目の通信相手の第1固有ベクトルの重ね合わせで、1番目と2番目の通信相手の受信電力を表わすと以下のようになる。
Figure 0004593489
共通ビームにより、Γc1,2=Γc1,2を実現する配分比η/ηは、数式6と同様に、2次方程式から得ることができ、共通送信ウエイトは以下のように表わすことができる。
Figure 0004593489
通信相手が2より大きい場合においても、同様に共通ウエイトを決定することができるが、通信相手の数がM個あるとすると、この場合には、足し合わせる際の位相の回転角φ〜φ1MCを一意に決定することができない。受信電力Γc1,1,Γc1,2・・・Γc1,Mcは以下のように表わせる。
Figure 0004593489
図2は、本発明第1の実施形態における送信フローを示す。図2において、通信を行う前に、送信を行う通信相手に対応するチャネル応答行列を予め推定する(ステップS101)。
通信相手が決定され(ステップS102)、送信データが決定される(ステップS103)と、該当するMc個の通信相手のチャネル応答行列を用いて、各通信相手に対し固有ベクトルと固有値が演算され(ステップS104)、各通信相手に対し、どの固有ベクトルを用いて共通送信ウエイトを決定するかを決定する(ステップS105)。ここでk番目の通信相手に決定されたt番目の固有ベクトルと、k番目以外の通信相手における全固有ベクトルとの内積値が演算され(ステップS106)、決定されたベクトル同士の内積値と固有値から、固有ベクトルの足し合わせによって共通送信ウエイトを演算し、変調方式や符号化率からなる伝送モードを決定する(ステップS107)。
送信するデータに、変調処理および既知信号の付与がなされ(ステップS108)、信号変換回路における処理は、シンボル単位で行われ、例えばk番目の通信相手に対するシンボルでの信号ベクトルをSとし、k番目の通信相手に対する送信ウエイトをWとすると、S→W・Sの信号変換処理を実施する信号変換処理を実施する(ステップS109)。このように、処理されたベースバンド信号は、各アンテナに対応する無線部によりRF信号に変換され送信される(ステップS110)。
(第2実施形態)
図3に本発明第2の実施形態における送信ウエイト決定ブロック110の構成例を示す。図3において、205はチャネル情報取得回路、206は送信ウエイト候補演算回路、207は共通送信ウエイト演算回路、208は直交空間チャネル演算回路を示す。
通信相手およびその送信すべきデータが決定されると、チャネル情報取得回路205から、対応する通信相手のチャネル応答行列が送信ウエイト候補演算回路206と直交空間チャネル演算回路208に出力される。送信ウエイト候補演算回路206においては、入力されたチャネル応答行列を用い、線形演算により得られる送信ウエイト候補とチャネル応答行列を、共通送信ウエイト演算回路207に出力する。
共通送信ウエイト演算回路207は、入力された送信ウエイト候補の少なくとも1つは用い、それらに線形演算して得られる共通送信ウエイトを決定し、予想される伝送品質から、変調方式や誤り訂正の符号化率などからなる伝送モードを決定し、これらの情報を、データ分割回路100、変調回路101−1〜101−L、送信信号変換回路102および直交空間チャネル演算回路208に出力する。
直交空間チャネル演算回路208においては、入力されたチャネル応答行列に対し、共通送信ウエイトを用いた場合の通信相手の受信ビームに直交する成分から直交空間チャネル応答行列を各通信相手に対し演算し、送信ウエイト候補演算回路206に出力する。
本発明の第2の実施形態の制御方法の一例を以下に示す。本発明の第2の実施形態では、複数の信号系列を共通ビームにより伝送することを想定しており、Mc個の通信相手に同じ信号系列を送信することを考える。送信素子数をM、k番目の通信相手の受信アンテナ素子数はM(k)である。
まず、送信ウエイト候補演算回路206は、入力されたMc個のチャネル応答行列を用い、線形演算して得られる送信ウエイト候補とチャネル応答行列を、共通送信ウエイト演算回路207に出力する。共通送信ウエイト演算回路207は、第1の実施形態と同様に、第1の共通送信ウエイトwc1(M×1ベクトル)を演算し、直交空間チャネル演算回路208に出力する。
直交空間チャネル演算回路208は、共通ウエイトを用いた場合に通信相手が用いる受信ウエイトを推定し、この受信ウエイトに送信信号が干渉しないように、直交空間チャネル応答行列H’〜H’Mcを演算する。例えば、k番目のチャネル応答行列Hのi番目の行ベクトルをhk,i(1×Mベクトル)とし、k番目の直交空間チャネル応答行列H’のi番目の行ベクトルをh’k,i(1×Mベクトル)とし、k番目のチャネル応答行列に共通ウエイトを乗算して得られるk番目の通信相手に対する干渉空間ベクトルをw’=wcl とすると、k番目の直交チャネル応答行列は以下のように演算することができる。
Figure 0004593489
このようにして得られた直交空間チャネル応答行列H’〜H’Mcを元に、第1の実施形態において述べた方法と同様に、直交チャネル応答行列を用いて第2の共通送信ウエイトwc2を演算することができる。
さらに3つ目の通信系列を共通ビームによって送信を行う場合には、上記のように得られた第2の共通送信ウエイトwc2を直交空間チャネル演算回路208に出力し、第2の共通ウエイトを用いた際に通信相手で形成される受信ウエイトと直交する行列である、第2の直交空間チャネル応答行列H’’〜H’’Mcを演算する。k番目のチャネル応答行列に共通ウエイトを乗算して得られるk番目の通信相手に対する干渉空間ベクトルをw’’=wc2 H’ H’とすると、k番目の通信相手に注目すると、以下のように演算することができる。
Figure 0004593489
このようにして直交空間チャネル応答行列を求めていくことで、min(M(k))個以下の任意の数の共通送信ウエイトを決定することができる。
図4に、本発明第2の実施形態における送信フローを示す。図4において、通信を行う前に、送信を行う通信相手に対応するチャネル応答行列を予め推定する(ステップS201)。
通信相手が決定され(ステップS202)、送信データが決定される(ステップS203)と、該当するMc個の通信相手のチャネル応答行列、または直交空間チャネル応答行列を用いて、各通信相手に対し固有ベクトルと固有値が演算され(ステップS204)、各通信相手に対し、どの固有ベクトルを用いて共通送信ウエイトを決定するかを決定する(ステップS205)。ここでk番目の通信相手に決定されたt番目の固有ベクトルと、k番目以外の通信相手における全固有ベクトルとの内積値が演算され(ステップS206)、決定されたベクトル同士の内積値と固有値から、共通送信ウエイトおよび変調方式や符号化率からなる伝送モードを決定する(ステップS207)。
このとき送信する通信系列の送信ウエイトが全て決まっているかを判定する(ステップS208)。決定されていなければ、得られた送信ウエイトより、固有ベクトルを算出した、チャネル応答行列もしくは直交空間チャネル応答行列に対し、送信ウエイトを用いた場合の通信相手が用いる受信ウェイトを推定し、この受信ビームに直交する直交空間チャネル応答行列を演算し(ステップS209)、再び送信ウエイトの決定フローを繰り返す。
決定されていれば、送信するデータを、各通信系列に決定された伝送モードをもとにL系列に分割し(ステップS210)、変調処理および既知信号の付与がなされ(ステップS211)、信号変換回路における処理は、シンボル単位で行われ、例えばk番目の通信相手に対するシンボルでの信号ベクトルをSとし、k番目の通信相手に対する送信ウエイトをWとすると、S→W・Sの信号変換処理を実施する信号変換処理を実施する(ステップS212)。このように、処理されたベースバンド信号は、各アンテナに対応する無線部によりRF信号に変換され送信される(ステップS213)。
(第3の実施形態)
図5は、本発明第3の実施形態における送信ウエイト決定ブロック110の構成例を示す。図5において、305はチャネル情報取得回路、306は送信ウエイト候補演算回路、307は送信ウエイト演算回路、308は直交空間チャネル演算回路、309は通信相手グループ分け回路を示す。
本発明の第3の実施形態では、予め共通ビームを用いて送信を行う通信相手をグループ分けし、それぞれ決定されるグループに対し共通ビームを決定し、送信を行うことを想定している。
通信相手およびその送信すべきデータが決定されると、通信相手グループ分け回路309において、共通の通信系列を用いる通信相手をM(>1)のグループに分け、グループ情報と通信系列に要求されるデータ量が、チャネル情報取得回路305に出力される。
チャネル情報取得回路305においては、入力された情報から、対応する通信相手のチャネル応答行列を直交空間チャネル演算回路308に出力する。
直交空間チャネル演算回路308において、まず第1のグループの送信ウエイトを求めるとすると、第1のグループ以外のチャネル応答行列の少なくとも一部を干渉空間チャネル応答行列として定義し、これら干渉空間に対し、直交する成分をもつ第1のグループのチャネル応答行列、第1グループ第1の直交空間チャネル応答行列を求め、送信ウエイト候補演算回路306に出力する。
送信ウエイト候補演算回路306においては、入力された第1グループ第1の直交空間チャネル応答行列を用い、線形演算により得られる送信ウエイト候補とチャネル応答行列を、送信ウエイト演算回路307に出力する。
送信ウエイト演算回路307は、入力された送信ウエイト候補の少なくとも1つは用い、それらに線形演算して得られる第1グループの第1の送信ウエイトを決定し、予想される伝送品質から、変調方式や誤り訂正の符号化率などからなる伝送モードを決定し、これらの情報をデータ分割回路100、変調回路101−1〜101−L、送信信号変換回路102および直交空間チャネル演算回路308に出力する。
直交空間チャネル演算回路308においては、引き続き第1のグループの第2の送信ウエイトを決定する場合には、第1のグループの第1の直交空間チャネル応答行列の、第1のグループの第1の送信ウエイトを用いた場合に通信相手が形成する受信ビームに直交する成分である、第1のグループの第2の直交空間チャネル応答行列を演算し、再び送信ウエイト候補演算回路306に出力し、第1のグループの第1の送信ウエイトと同様に第2の送信ウエイトを決定できる。またこのような処理を任意の回数繰り返すことで、第1のグループに任意の数の通信系列の送信ウエイトを決定できる。
次に第2のグループに共通の送信ウエイトを決定する。直交空間チャネル演算回路308において、第2のグループに属さない、第3〜M番目のグループに属する通信相手へのチャネル応答行列の少なくとも一部と、第1のグループへの送信ウエイトを用いた場合に通信相手が形成する受信ビームに対応するベクトルを、干渉空間チャネル応答行列として定義し、この干渉空間に対し、直交する成分を持つ第2のグループのチャネル応答行列、第2グループ第1の直交空間チャネル応答行列を求め、送信ウエイト候補演算回路に出力する。
送信ウエイト候補演算回路306においては、入力された第2グループ第1の直交空間チャネル応答行列を用い、線形演算により得られる送信ウエイト候補とチャネル応答行列を、送信ウエイト演算回路307に出力する。
送信ウエイト演算回路307は入力された送信ウエイト候補の少なくとも1つは用い、それらに線形演算して得られる第2グループの第1の送信ウエイトを決定し、予想される伝送品質から、変調方式や誤り訂正の符号化率などからなる伝送モードを決定し、これらの情報をデータ分割回路100、変調回路101−1〜101−L、送信信号変換回路102および直交空間チャネル演算回路308に出力する。
直交空間チャネル演算回路308においては、引き続き第2のグループの第2の送信ウエイトを決定する場合には、第2のグループの第1の直交空間チャネル応答行列の、第2のグループの第1の送信ウエイトを用いた場合に通信相手が形成する受信ビームに直交する成分である、第2のグループの第2の直交空間チャネル応答行列を演算し、再び送信ウエイト候補演算回路306に出力し、第2のグループの第1の送信ウエイトと同様に、第2のグループの第2の送信ウエイトを決定できる。またこのような処理を任意の回数繰り返すことで、第1のグループに任意の数の通信系列の送信ウエイトを決定できる。
上記のような演算を各グループに行うことで、全グループに対する送信ウエイトを決定できる。通信相手は複数のグループに属してもよく、グループは1つの通信相手から構成されてもかまわない。また、送信ウエイト決定の順番は、任意に変更することができる。
本発明の第3の実施形態の制御方法の一例を以下に示す。ここで、第1〜第5の通信相手に対し送信を行うものとし、第1〜第3、第3〜第4の通信相手は共通の情報を必要としており、更に第4、第5の通信相手は独立な信号系列を必要としているものとする。まず、グループ分け回路は、第1〜第3の通信相手を第1のグループ、第3〜第4の通信相手を第2のグループ、第4の通信相手を第3のグループ、第5の通信相手を第4のグループと決定する。
まず、チャネル情報取得回路305は、5つの通信相手のチャネル応答行列を直交空間チャネル演算回路308に出力する。直交空間チャネル演算回路308においては、まず第1グループ以外の通信相手である、第4と第5の通信相手から、干渉空間基底ベクトルを演算する。第1の干渉空間行列を
[H(4) ,H(5) ((M(4)+M(5))×M行列)
として定義すると、この行列で構成される空間に信号を送信すると、他グループの通信相手への干渉信号となる。
干渉空間行列[H(4) ,H(5) の行ベクトルに直交化法を用いることで、第1の干渉空間基底ベクトルを決定できる。干渉空間基底ベクトルの数は(M(4)+M(5))個である必要はなく、例えば、第4、第5の通信相手に受信ウエイトを仮定することで、1以上M(4)+M(5)以下の数であるM(1)個の干渉空間基底ベクトルを選ぶことができる。
このような干渉基底ベクトルを得るため、干渉空間行列[H(4) (5) からM(1)個の行ベクトルを選択して、構成した行列をG(1)(M(1)×M行列)とし、a番目の行ベクトルをg1,aとすると、第1の干渉空間基底ベクトルe1,1, e1,2, ・・・, e1,MI(1)は。以下のように求めることができる。
Figure 0004593489
(1) =[e1,1 1,2 ・・・ e1,MI(1)
が第1のグループの通信相手に対する第1の干渉空間基底ベクトル群である。
また、この第1の干渉空間基底ベクトルとして、第1のグループの通信相手以外の通信相手に対応するチャネル応答行列H(4)、H(5)を特異値分解し、
(4)=U(4)(4)(4)
(5)=U(5)(5)(5)
における送信側固有ベクトルV(4)
(4)=(v4,1,…,v4,MR(4))、
(5)=(v5,1,…,v5,MR(5)
の共役複素ベクトルに直交化法を用い手得られるベクトルをE(1)として選ぶこともできる。
次に、この第1の干渉干渉基底ベクトルを用い、第1〜3番目の通信相手に対する第1の直交空間チャネル応答行列H’(1)〜H’(3)を求める。この第1の直交空間チャネル応答行列H’(1)〜H’(3)は、第1〜3番目の通信相手のチャネルの全部または一部と完全に直交するベクトルから構成される行列である。
この第1の直交空間内において送信ウエイトを決定すれば、第4〜5番目の通信相手に対する他通信系列への干渉を低減できる。第1の直交空間チャネル応答行列H’(1)〜H’(3)は、チャネル応答行列H(
H()=[h1,1 ,h1,2 ,・・・,h1,MR(1)
H()=[h2,1 ,h2,2 ,・・・,h2,MR(2)
H()=[h3,1 ,h3,2 ,・・・,h3,MR(3)
と干渉空間基底ベクトル群E(1)
(1) =[e1,1 1,2 ・・・,e1,MI (1)
により、以下のようにして得ることができる。
Figure 0004593489
第1の直交空間チャネル応答行列H’(1)〜H’(3)は、送信ウエイト候補演算回路306に出力され、これらのチャネル行列を特異値分解し、
H’=U’D’V’ (k=1,2,3)
特異分解した際に得られる固有ベクトルV’
V’=(v’k,1, v’k,2, ・・・, v’k,M(k)
と、固有値
λ’k,1, λ’k,2,・・・, λ’k,M(k)
を演算し、送信ウエイト演算回路307に出力する。
M(k)は送信素子数Mと受信アンテナ素子数M(k)の小さい方の数である。固有値はDの対角成分であり、
λ’k,1>λ’k,2>・・・>λ’k,M(k)
とし、v’k,1, v’k,2, ・・・, v’k,M(k)はこれらの固有値に対応するものとする。
送信ウエイト候補演算回路306は、送信ウエイト候補、V’、と、期待される伝送品質、λ’k,1, λ’k,2,・・・, λ’k,M(k)を送信ウエイト演算回路307に出力する。(k=1,2,3)
送信ウエイト演算回路307において、入力された通信相手の固有ベクトル同士で以下の演算を行う。
Figure 0004593489
χ(1,1) kl,ijは1グループ目、1回目のk番目の通信相手のi番目の固有ベクトルと、l番目の通信相手のj番目の固有ベクトルとの内積を表し、α(1,1) kl,ijはχ(1,1) kl,ijの振幅値、θ(1,1) kl,ijはχ(1,1) kl,ijの位相角を表す。
χ(1,1) kl,ij=χ(1,1) lk,ji
となる。
以下、第1の実施形態と同様に、グループ1に対し、任意の数の共通送信ウエイトを決定することができる。ここで、グループ1に対して決定した送信ウエイトの数が2であり、これらの共通ウエイトをw1c1,w1c2とする。
グループ1への送信ウエイトが決定されると、次にグループ2への送信ウエイトを決定する。そのために、第2のグループに対応する第2の直交空間チャネル応答行列を演算する。
直交空間チャネル演算回路308においては、まず第2グループ以外で、まだ送信ウエイトを決定していない通信相手である、第5の通信相手のチャネル応答行列と、既に決定されている第1のグループへの送信ウエイトw1c1, w1c2から干渉空間基底ベクトルを演算する。
第1のグループへの共通送信ウエイトに対し、第1〜第3の通信相手で形成する受信ウエイトは、[H(1)1c1、H(2)1c1、H(3)1c1、H’(1)1c2、H’(2)1c2、H’(3)1c2と表わせる。*は複素共役を表す。
上記受信ウエイトの複素共役行列を用いて、第2の干渉空間行列[(w1c1 (1) (1),(w1c1 (2) (2),(w1c1 (3) (3),(w1c2 H’(1) H’(1),(w1c2 H’(2) H’(2),(w1c2 H’(3) H’(3),H(5) ((6+M(5))×M行列)を定義すると、この行列で構成される空間に信号を送信すると、他グループの通信相手への干渉信号となる。
第2の干渉空間行列の行ベクトルに直交化法を用いることで、第2の干渉空間基底ベクトルを決定できる。干渉空間基底ベクトルの数は(2+M(5))個である必要はなく、1以上2+M(5)以下の数であるM(2)個の干渉空間基底ベクトルを選ぶことができる。例えば、通信相手にある受信ウエイトW(M(5)×M’(5))を仮定し、第2の干渉空間行列を、[(w1c1 (1) (1),(w1c1 (2) (2),(w1c1 (3) (3),(w1c2 H’(1) H’(1),(w1c2 H’(2) H’(2),(w1c2 H’(3) H’(3),(W (5)として用いることができる。M’(5)≦M(5)である。または、上記第2の干渉空間行列からM(2)個の行ベクトルを選択して、G(2)(M(2)×M行列)を形成することができる。M(2)≦(6+M(5))である。このとき、受信側において干渉信号となる場合があるが、通信相手の復号手段により、除去することが可能である。受信G(2)のa番目の行ベクトルをg2,aとすると、第2の干渉空間基底ベクトルe2,1,e2,2・・・,e2,MI(2)は、以下のように求めることができる。
Figure 0004593489
(2) =[e2,1 ,e2,2 ,・・・,e2,MI(2) が第2のグループの通信相手に対する第2の干渉空間基底ベクトル群である。
次に、この第1の干渉干渉基底ベクトルを用い、第3〜4番目の通信相手に対する第2の直交空間チャネル応答行列H’’(3)、H’’(4)を求める。この第2の直交空間チャネル応答行列H’’(3)、H’’(4)は、第1のグループへの通信系列と、第5番目の通信相手のチャネルの全部または一部と完全に直交するベクトルから構成される行列である。この第1の直交空間内において送信ウエイトを決定すれば、第1のグループの通信系列および第5番目の通信相手に対する他通信系列への干渉を低減できる。
第2の直交空間チャネル応答行列H’’(3)、H’’(4)は、チャネル応答行列
H()=[h3,1 ,h3,2 ,・・・,h3,MR(3)
H()=[h4,1 ,h4,2 ,・・・,h4,MR(4)
と干渉空間基底ベクトル群E(2)
(2)=[e1,1 1,2 ・・・ e1,MI(2)
として、以下のようにして得ることができる。
Figure 0004593489
このようにして得られた第2の直交空間チャネル応答行列から、固有ベクトルおよび固有値を演算し、第1の実施形態に記載したように、共通送信ウエイトを任意の数決定することができる。ここで、第2のグループへの通信系列が1つであり、第2のグループへの送信ウエイトw2c1が決定されたものとする。
次に、第3のグループへの送信ウエイトを決定する。そのために、第3のグループに対応する第3の直交空間チャネル応答行列を演算する。直交空間チャネル演算回路308においては、まず第3グループ以外で、まだ送信ウエイトを決定していない通信相手である、第5の通信相手のチャネル応答行列と、既に決定されている第1のグループへの送信ウエイトw1c1,w1c2と第2のグループへの送信ウエイトw2c1から干渉空間基底ベクトルを演算する。
第3の干渉空間行列[(w1c1 (1) (1),(w1c1 (2) (2),(w1c1 (3) (3),(w1c2 H’(1) H’(1),(w1c2 H’(2) H’(2),(w1c2 H’(3) H’(3),(w2c1 H’’(3) H’’(3),(w2c1 H’’(4) H’’(4),H(5) ((8+M(5))×M行列)を定義すると、この行列で構成される空間に信号を送信すると、他グループの通信相手への干渉信号となる。
第3の干渉空間行列[(w1c1 (1) (1),(w1c1 (2) (2),(w1c1 (3) (3),(w1c2 H’(1) H’(1),(w1c2 H’(2) H’(2),(w1c2 H’(3) H’(3),(w2c1 H’’(3) H’’(3),(w2c1 H’’(4) H’’(4),H(5) の行ベクトルに直交化法を用いることで、第3の干渉空間基底ベクトルを決定できる。
干渉空間基底ベクトルの数は(3+M(5))個である必要はなく、1以上3+M(5)以下の数であるM(3)個の干渉空間基底ベクトルを、第2のグループと同様に選ぶことができ、G(3)(M(3)×M行列)を形成することができる。G(3)のa番目の行ベクトルをg3,aとすると、第3の干渉空間基底ベクトルe3,1,e3,2・・・,e3,MI(3)は、以下のように求めることができる。
Figure 0004593489
(3) =[e3,1 3,2 ・・・ e3,MI(3)
が第3のグループの通信相手に対する第3の干渉空間基底ベクトル群である。
このようにして得られた第3の干渉空間基底ベクトル群と、チャネル応答行列H(4)から、第3の直交空間チャネル応答行列H’’’(4)を演算することができる。ここで、第3のグループに属するのは、第4の通信相手のみであることから、送信ウエイトは第3の直交空間チャネル応答行列H’’’(4)から線形演算で得られるベクトルから決定できる。
例えば、特異値分解
H’’’(4)= U’’’(4)D’’’(4) V’’’(4)
から得られる固有ベクトルV’’’(4)の列ベクトルを送信ウエイトとして決定できる。ここで、第3のグループへの送信ウエイトw3c1が決定されたものとする。
最後に第4のグループへの送信ウエイトを決定する。ここで、第4のグループ以外で送信ウエイトが決定されていない通信相手が存在しないため、第1〜3のグループへの通信系列に決定された送信ウエイトに干渉を生じないように第4の干渉空間行列[(w1c1 (1) (1),(w1c1 (2) (2),(w1c1 (3) (3),(w1c2 H’(1) H’(1),(w1c2 H’(2) H’(2),(w1c2 H’(3) H’(3),(w2c1 H’’(3) H’’(3),(w2c1 H’’(4) H’’(4),(w3c1 H’’’(4) H’’’(4)から、第4の直交空間チャネル応答行列H’’’’(5)を演算し、属する通信相手が1つであることから、送信ウエイトは第4の直交空間チャネル応答行列H’’’’(5)から線形演算で得られるベクトルから決定できる。
また、ここまでチャネル応答行列、もしくは直交空間チャネル応答行列の第1の固有ベクトルを用いて本発明を説明してきたが、任意の固有ベクトルを用いることもできる。例えば、各通信相手のチャネル応答行列、もしくは直交空間チャネル応答行列の固有値が近い値をとるものに対応する固有ベクトルを用いて、数式(5)から(9)のように送信ウエイトを決定することもできる。または、必要とされる伝送速度に応じて、第2番目やそれ以下の低いランクの固有ベクトルを用いることもできる。
ここで、Mc個の通信相手に共通送信ウエイトを演算することを考え、k番目の通信相手に対し、第t番目の固有ベクトルを用いることとする。すると、数式(8)は、以下のように表すことができる。
Figure 0004593489
ここで、Γc1,1,Γc1,2,・・・,Γc1,Mcをできるだけ同じ値にそろえるか、もしくはmin(Γc1,k)を最小にするように、もしくは、min(Γc1,k)を最大かつmax(Γc1,j)を最小にするように、η 〜ηMc とθ12,τ1τ2 〜θ1Mc,τ1τMc を決定できる。kは1〜M全ての通信相手を指し、jは他に通信を行う必要のある通信相手を指している。
図6に、本発明第3の実施形態における送信フローを示す。図6において、通信を行う前に、送信を行う通信相手に対応するチャネル応答行列を予め推定する(ステップS301)。
通信相手が決定され(ステップS302)、送信データが決定される(ステップS303)と、同じ送信データを送信する通信相手毎にグループ分けが行われ、通信相手に対する応答行列が推定され(S133−1)、1番目のグループ(m=1)から順に送信ウエイトを決定していく(ステップS305)。
m番目のグループに属さず、且つ送信ウエイトが決定されていない通信相手のチャネル応答行列から、干渉空間基底ベクトル群を算出し(ステップS306)、これら干渉空間基底ベクトルと直交するようにm番目のグループに属する通信相手に対するチャネル応答行列の直交空間チャネル応答行列を求める(ステップS307)。m番目のグループに属するMc(m)個の通信相手の直交空間チャネル応答行列を用いて、各通信相手に対し固有ベクトルと固有値が演算され(ステップS308)、各通信相手に対し、どの固有ベクトルを用いて共通送信ウエイトを決定するかを決定する(ステップS309)。ここでk番目の通信相手に決定されたt番目の固有ベクトルと、k番目以外の通信相手における全固有ベクトルとの内積値が演算され(ステップS310)、決定されたベクトル同士の内積値と固有値から、共通送信ウエイトおよび変調方式や符号化率からなる伝送モードを決定する(ステップS311)。
このときm番目のグループに送信する通信系列の送信ウエイトが全て決まっているかを判定する(ステップS312)。m番目のグループに送信する通信系列の送信ウエイトが全て決定されていなければ、得られた送信ウエイトより、固有ベクトルを算出した、直交空間チャネル応答行列に対し、決定された送信ウエイトに対し通信相手が形成する受信ウエイトに直交する成分からなる第2の直交空間チャネル応答行列を演算し(ステップS313)、再び送信ウエイトの決定フローを繰り返す。
m番目のグループに送信する通信系列の全ての送信ウエイトが決定されていれば、全てのグループに送信ウエイトが決定されているかを判定する(ステップS314)。
全てのグループに送信ウエイトが決定されていなければ、mをインクリメントし(ステップS315)m+1番目のグループについて、干渉空間基底ベクトルを演算し、同様に送信ウエイトを決定していく。
全てのグループに送信ウエイトが決定されていれば、送信するデータを、各通信系列に決定された伝送モードをもとにL系列に分割し(ステップS316)、変調処理および既知信号の付与がなされ(ステップS317)、信号変換回路における処理は、シンボル単位で行われ、例えばk番目の通信相手に対するシンボルでの信号ベクトルをSとし、k番目の通信相手に対する送信ウエイトをWとすると、S→W・Sの信号変換処理を実施する信号変換処理を実施する(ステップS318)。このように、処理されたベースバンド信号は、各アンテナに対応する無線部によりRF信号に変換され送信される(ステップS319)。
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態によれば、複数の通信相手局宛に、同じ情報を送信する場合に、各通信相手において近しい伝送品質を達成する共通の送信ウエイトを決定できる。このように制御することで、余分な空間に信号を送信することを避けることができ、また、他の指向性制御法と併用する場合に、送信アンテナの自由度の消費量を大きく削減する利点がある。共通の情報を送信するいくつかの通信相手をグループ化し、各グループに同時に送信を行うことも可能である。この場合にも各通信相手に独立に送信ビームを形成する場合に比べ、送信アンテナの自由度をより有効に利用できる。
本発明は、同一の周波数チャネルを用い、異なる複数の送信アンテナより独立な信号系列を空間多重して送信し、複数の受信アンテナを用いて信号を受信し、各送受信アンテナ間のチャネル応答行列をもとに受信局側でデータの復調を行うMIMOでの通信に用いることができる。
本発明第1の実施形態の送信部の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における送信フローを示す図である。 本発明第2の実施形態における送信ウエイト決定ブロックの構成例を示す図である。 本発明の第2の実施形態における送信フローを示す図である。 本発明第3の実施形態における送信ウエイト決定ブロックの構成例を示す図である。 本発明の第3の実施形態における送信フローを示す図である。 従来技術における送信部の構成例を示す図である。
符号の説明
100・・・データ分割回路
101−1〜101−L・・・ 変調回路
102・・・送信信号変換回路
103−1〜103−M・・・無線部
104−1〜104M・・・ アンテナ
105・・・チャネル情報取得回路
106・・・ 送信ウエイト候補演算回路
107・・・共通送信ウエイト演算回路
110・・・送信ウエイト決定ブロック
205・・・チャネル情報取得回路
206・・・送信ウエイト候補演算回路
207・・・共通送信ウエイト演算回路
208・・・直交空間チャネル演算回路
305・・・チャネル情報取得回路
306・・・送信ウエイト候補演算回路
307・・・送信ウエイト演算回路
308・・・直交空間チャネル演算回路
309・・・通信相手グループ分け回路
900・・・データ分割回路

Claims (18)

  1. 複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、
    共通のデータを送信する通信相手に対応するチャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、
    得られた固有ベクトルのうち二つ以上を用い、それぞれ補正値を乗算し、足し合わせたベクトルを共通送信ウエイトとして決定するステップと、
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  2. 複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、
    共通のデータを送信する通信相手に対応するチャネル応答行列の送信側相関行列から得られる固有ベクトルを演算するステップと、
    内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定するステップと、
    各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトとして決定するステップと、
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  3. 複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、
    共通のデータを送信する通信相手に対応するチャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、
    各通信相手に対しどの固有ベクトルを用いるか決定するステップと、
    ある通信相手に用いることを決定された固有ベクトルと、それ以外の通信相手の固有ベクトルの内積値を求めるステップと、
    内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定し、各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトを決定するステップと、
    チャネル応答行列の得られた共通送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交する成分のみからなる直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、
    直交空間チャネル応答行列を用いて、再び第2の送信ウエイトとして決定するステップと、
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  4. 請求項3記載の無線通信方法であって、
    チャネル応答行列から、共通送信ウエイトを演算し、
    共通送信ウエイトとチャネル応答行列から直交空間チャネル応答行列を演算し、
    直交空間チャネル応答行列から第2の共通送信ウエイトを演算し、
    第2の共通送信ウエイトと直交空間チャネル応答行列から第2の直交空間チャネル応答行列を演算し、
    第2の直交空間チャネル応答行列から、第3の共通送信ウエイトを演算し、
    上記の処理を繰り返すことにより任意の数の通信系列の送信ウエイトを決定することを特徴とする無線通信方法。
  5. 複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、
    同じ情報を送信する通信相手を同じグループに分け、送信を行う対象となる通信相手を複数のグループに分けるステップと、
    あるグループへの送信ウエイトを決定する際には、当該グループに属さない通信相手のチャネル応答行列から、干渉空間基底ベクトルを定義するステップと、
    当該グループの通信相手のチャネル応答行列を用い、干渉空間基底ベクトルに対し、直交する成分である直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、
    共通のデータを送信する通信相手に対応する直交空間チャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、
    各通信相手に対しどの固有ベクトルを用いるか決定するステップと、
    ある通信相手に用いることを決定された固有ベクトルと、それ以外の通信相手の固有ベクトルの内積値求めるステップと、
    内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定し、各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトとして決定するステップと、
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  6. 複数のアンテナ素子を備え、通信相手の具備するアンテナ間との伝搬環境を表すチャネル応答行列を推定し、送信ウエイトを決定して送信信号に送信重み付けを行ったうえで複数の通信相手に同一の送信信号を送信する無線通信方法であって、
    同じ情報を送信する通信相手を同じグループに分け、送信を行う対象となる通信相手を複数のグループに分けるステップと、
    あるグループへの送信ウエイトを決定する際には、当該グループに属さない通信相手のチャネル応答行列から、干渉空間基底ベクトルを定義するステップと、
    当該グループの通信相手のチャネル応答行列を用い、干渉空間基底ベクトルに対し、直交する成分である直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、
    共通のデータを送信する通信相手に対応する直交空間チャネル応答行列の送信側相関行列から得られる、固有ベクトルと、固有値を演算するステップと、
    各通信相手に対しどの固有ベクトルを用いるか決定するステップと、
    ある通信相手に用いることを決定された固有ベクトルと、それ以外の通信相手の固有ベクトルの内積値を求めるステップと、
    内積値からある通信相手に対する固有値を用いた場合に他の通信相手に受信される受信信号を推定し、各通信相手に同等の受信信号が受信されるように、選択された固有ベクトルに補正値を乗算し、足し合わせ、共通送信ウエイトを決定するステップと、
    当該グループの直交空間チャネル応答行列の、得られた共通送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交する成分のみからなる第2の直交空間チャネル応答行列を演算するステップと、
    直交空間チャネル応答行列をもちいて、再び第2の共通送信ウエイトを決定するステップと、
    を備えることを特徴とする無線通信方法。
  7. 請求項6記載の無線通信方法であって、
    当該グループに属する通信相手の直交空間チャネル応答行列から、共通送信ウエイトを演算し、
    共通送信ウエイトと直交空間チャネル応答行列から第2の直交空間チャネル応答行列を演算し、
    第2の直交空間チャネル応答行列から第2の共通送信ウエイトを演算し、
    第2の共通送信ウエイトと第2の直交空間チャネル応答行列から第3の直交空間チャネル応答行列を演算し、
    第3の直交空間チャネル応答行列から、第3の共通送信ウエイトを演算し、
    上記の処理を繰り返すことにより任意の数の通信系列の送信ウエイトを決定することを特徴とする無線通信方法。
  8. 請求項6記載の無線通信方法において、
    グループに該当する通信相手が1つである場合には、当該通信相手に対して得られた直交空間チャネル応答行列から線形演算によって得られるベクトルを送信ウエイトとすることを特徴とする無線通信方法。
  9. 請求項1〜7記載の無線通信方法において、
    各通信相手に選択する固有ベクトルとして、第1固有ベクトルを選択することを特徴とする無線通信方法。
  10. 請求項1〜7記載の無線通信方法において、
    各通信相手に選択する固有ベクトルとして、固有ベクトルに対応する固有値が近しい値をとるものを選択することを特徴とする無線通信方法。
  11. 複数本のアンテナ素子を備えた送信局と、
    1つもしくは複数のアンテナ素子を備えた複数の通信相手局とにより構成され、
    送信局と複数の通信相手局のアンテナ素子、もしくはそれらアンテナ素子に形成されるビームにより構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを介して、複数の通信相手局に対し、ひとつまたは複数の信号系列を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信を行うことが可能な無線通信システムにおける、M個の通信相手について、共通の送信データを送信する無線通信装置において、
    (M>1:整数)本のアンテナ素子を具備し、
    前記各アンテナ素子に接続され、受信時には受信信号からをベースバンド信号に変換し、チャネル情報取得回路へ出力し、送信時には送信信号を無線信号としてアンテナ素子から送信を行う無線部と、
    無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列の推定し、通信相手と送信信号が決定すると、送信を行う通信相手のチャネル応答行列を送信ウエイト候補演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、
    チャネル情報取得回路から入力されたチャネル応答行列を元に、各通信相手に対する送信ウエイト候補を演算する送信ウエイト候補演算回路と、
    送信ウエイト候補演算回路から出力された各通信相手に対する送信ウエイト候補に補正値をそれぞれ乗算し、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路と、
    上記チャネル応答行列取得回路、送信ウエイト候補演算回路、共通送信ウエイト演算回路から構成される送信ウエイト決定ブロックと、
    送信データを通信系列数に変調方式に応じて分割するデータ分割回路と、各信号系列に変調を行う変調回路と、
    変調された各通信系列に送信ウエイト演算回路で決定された送信ウエイトを乗算し、対応するのアンテナ素子に接続された無線部に出力を行う送信信号変換回路と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  12. 請求項11記載の無線通信装置において、
    前記送信ウエイト決定ブロックは、
    無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列を推定し、通信相手と送信信号が決定すると、送信を行う通信相手のチャネル応答行列を送信ウエイト候補演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、
    チャネル情報取得回路から入力されたチャネル応答行列を元に、特異値分解により得られる送信側固有ベクトルおよび固有値を演算し、共通送信ウエイト演算回路に出力する送信ウエイト候補演算回路と、
    送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定し、選択された固有ベクトルを他の通信相手に用いた場合の当該通信相手における受信信号を推定し、全ての通信相手における受信電力がほぼ等しくなるように、固有ベクトルに重み付けをして、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  13. 請求項11記載の無線通信装置において、
    前記送信ウエイト決定ブロックは、
    無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列の推定し、通信相手と送信信号が決定されると、送信を行う通信相手のチャネル応答行列を送信ウエイト候補演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、
    チャネル情報取得回路から入力されたチャネル応答行列、もしくは、直交空間チャネル演算回路から入力された直交空間チャネル応答行列を元に、特異値分解により得られる送信側固有ベクトルおよび固有値を演算し、共通送信ウエイト演算回路に出力する送信ウエイト候補演算回路と、
    送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定し、選択された固有ベクトルと、他通信相手のチャネル応答行列の固有ベクトルとの内積値を算出し、ある通信相手に選択された固有ベクトルを送信ウエイトとした際の他通信相手に対する信号の漏れこみを考慮し、全ての通信相手における受信電力がほぼ等しくなるように、固有ベクトルに重み付けをして、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路と直交空間チャネル演算回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路と、
    入力された送信ウエイトと、各通信相手のチャネル応答行列から、送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交する直交空間チャネル応答行列を演算し、送信ウエイト候補演算回路に出力する直交空間チャネル演算回路と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  14. 請求項11記載の無線通信装置において、
    前記送信ウエイト決定ブロックは、
    無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル応答行列の推定し、通信相手と送信信号が決定されると、同じ情報を送信する通信相手を同じグループとしてグループ分けを行う通信相手グループ分け回路と、
    送信を行う通信相手のチャネル応答行列を直交空間チャネル演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、
    入力された送信ウエイトを決定する第k番目のグループに属する通信相手のチャネル応答行列に対し、第kのグループに属さない、且つ送信ウエイトが決定されていない通信相手に対応するチャネル応答行列と、送信ウエイト演算回路から入力された送信ウエイトから、演算された第kグループ第1の干渉空間基底ベクトルと、直交する第kグループ第1の直交空間チャネル応答行列を演算し、送信ウエイト候補演算回路に出力する、直交空間チャネル演算回路と、
    直交空間チャネル演算回路から入力された直交空間チャネル応答行列を元に、特異値分解により得られる送信側固有ベクトルおよび固有値を演算し、共通送信ウエイト演算回路に出力する送信ウエイト候補演算回路と、
    送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定し、選択された固有ベクトルと、他通信相手のチャネル応答行列の固有ベクトルとの内積値を算出し、ある通信相手に選択された固有ベクトルを送信ウエイトとした際の他通信相手に対する信号の漏れこみを考慮し、全ての通信相手における受信電力がほぼ等しくなるように、固有ベクトルに重み付けをして、足し合わせ、送信ウエイトを決定し、送信信号変換回路と直交空間チャネル演算回路に出力し、各通信系列に適用する変調方式を変調回路とデータ分割回路に出力する共通送信ウエイト演算回路と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  15. 請求項11〜14記載の無線通信装置において、
    前記送信ウエイト決定ブロックは、
    送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路において決定された送信ウエイトから、直交空間チャネル演算回路において、この送信ウエイトを用いた際の受信側装置の受信ビームに直交するチャネル応答行列、もしくは直交空間チャネル応答行列を求め、再び送信ウエイト候補演算回路を介して、送信ウエイトを決定する処理を任意の回数繰り返すことで、共通の通信相手に対する送信ウエイトを任意の通信系列数分演算することが可能な、送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路、直交空間チャネル演算回路、送信ウエイト候補演算回路を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  16. 請求項11〜14記載の無線通信装置において、
    前記送信ウエイト決定ブロックは、
    グループに属する通信相手が一つである場合には、入力された固有ベクトルを送信ウエイトとする送信ウエイト演算回路を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  17. 請求項11〜14記載の無線通信装置において、
    前記送信ウエイト決定ブロックは、
    送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定する際に、第1固有ベクトルを選択する送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  18. 請求項11〜14記載の無線通信装置において、
    前記送信ウエイト決定ブロックは、
    送信ウエイト候補演算回路から入力された各通信相手に対する固有ベクトルから、共通送信ウエイトを求めるために用いる固有ベクトルを決定する際に、固有ベクトルに対応する固有値が近しい値をとる固有ベクトルを選択する送信ウエイト演算回路もしくは共通送信ウエイト演算回路、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
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