JP2007096744A - 複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数アンテナを備えたアクセスポイントがMIMO伝送により複数の無線通信端末に対してマルチキャスト送信を行う場合に、各無線通信端末で良好な受信特性を得ること。
【解決手段】複数の第1のアンテナ311,312,321,322,を備えた端末A、Bに対してマルチキャスト送信を行う第2のアンテナ301,302,303,304と、第2のアンテナから前記第1のアンテナまでのチャネル応答を取得するチャネル応答取得手段503と、このチャネル応答から、アクセスポイント300がMIMO伝送を行う際に必要なMIMOパラメータの値を設定する設定手段503と、設定されたMIMOパラメータの値にしたがい、各前記無線通信端末へマルチキャスト送信を行う手段501を具備した。
【選択図】図5

Description

本発明は、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式を使用して、複数の無線通信端末(STA)に同時に同じ信号を送信(マルチキャスト送信)する、複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法において、複数の無線通信端末に対して効率の良い高速伝送を行う、複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法に関する。
近年、限られた周波数帯域の中で高速伝送を実現する手法として、セルラー無線通信システムや無線LANシステムにおいてMIMO技術の適用が考えられている。MIMOによれば、送信と受信に複数のアンテナを設けることにより、マルチパス環境において複数の直交する伝送路を見出し、そこに並列に信号を伝送することにより伝送速度の高速化をはかることができる。このようなMIMOを適用したシステムは、家庭内における映像情報などの高速無線伝送に適用されることが期待されている。実際に次世代無線LANであるIEEE802.11nでは高速化をはかる方式としてMIMOの適用が検討されている。
MIMOにおいては、送受に複数のアンテナおよび無線部を必要とするため、例えば、通信状態や通信すべきデータ特性に応じて、動作しないアンテナおよび無線部の電源を切断する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−33284公報
しかし、上述した特許文献1では、MIMO伝送方式を使用して、複数の無線通信端末に同時に同じ信号を送信するマルチキャスト送信において、如何に受信側の無線端末が良好な特性を得るように通信を行うかについては開示されていない。
この発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、MIMO伝送によりマルチキャストを行う場合に、複数の無線通信端末のいずれもが良好な特性を達成することができる、複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の無線通信システムは、複数の異なる無線通信端末と、各該無線通信端末に対してMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式によるマルチキャスト送信を行う無線通信装置とを備え、
各前記無線通信端末は、複数の第1のアンテナを具備し、
前記無線通信装置は、複数の第2のアンテナと、各前記第2のアンテナから各前記第1のアンテナまでの複数のチャネル応答を取得するチャネル応答取得手段と、前記複数のチャネル応答から、該無線通信装置がMIMO伝送を行う際に必要なMIMOパラメータの値を設定する設定手段と、前記設定されたMIMOパラメータの値にしたがい、各前記無線通信端末へマルチキャスト送信を行う送信手段と、を具備し、
前記無線通信端末は、前記マルチキャスト送信されたデータを受信する受信手段と、をさらに具備することを特徴とする。
本発明の無線通信装置は、複数の第1のアンテナを備えた複数の異なる無線通信端末に対してMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式によるマルチキャスト送信を行うための複数の第2のアンテナと、各前記第2のアンテナから各前記第1のアンテナまでの複数のチャネル応答を取得するチャネル応答取得手段と、前記複数のチャネル応答から、該無線通信装置がMIMO伝送を行う際に必要なMIMOパラメータの値を設定する設定手段と、設定されたMIMOパラメータの値にしたがい、各前記無線通信端末へマルチキャスト送信を行う送信手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明の無線通信方法は、複数の第1のアンテナを備えた複数の異なる無線通信端末に対してMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式によるマルチキャスト送信を行うための複数の第2のアンテナを用意し、各前記第2のアンテナから各前記第1のアンテナまでの複数のチャネル応答を取得し、前記複数のチャネル応答から、該無線通信装置がMIMO伝送を行う際に必要なMIMOパラメータの値を設定し、設定されたMIMOパラメータの値にしたがい、各前記無線通信端末へマルチキャスト送信を行うことを特徴とする。
本発明の、複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法によれば、MIMO伝送により複数の無線通信端末に同時に同じ信号の送信を行う、いわゆるマルチキャストを行う場合に、複数の無線通信端末のいずれもが良好な特性を達成することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態にかかる、複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法について詳細に説明する。
本発明の実施形態では、MIMO伝送により無線通信装置(アクセスポイント;以下、「AP」と称する。)から複数の異なる無線通信端末(以下、「STA」と称する。)に対してマルチキャスト送信を行う場合に、APと各々のSTA間のMIMO伝送路特性(チャネル応答)をフィードバックして、所定の判断基準にしたがって、複数のSTAができるだけ良い特性が得られるようなMIMOパラメータを設定する。ここでMIMOパラメータの例としては、送信アンテナの番号、送信アンテナの数、送信ビーム番号、送信ビーム数、送信ビームの形状のパタンが挙げられる。
最初に、MIMO伝送方式の概念について図1、図2を参照して説明する。ここでは、無線通信装置と無線通信端末とが1対1の通信をすることを仮定している。
一般に、屋内無線通信では、反射波や散乱波が多数存在するマルチパス/フェージング環境となる。この場合、通信を行う2つの無線機の間には、互いに干渉しない独立な伝送路(空間的に直交する伝送路とも呼ばれる)が複数存在する可能性がある。この互いに干渉しない独立な伝送路の数は、並列化パス数と呼ばれる。MIMOでは、この独立な伝送路を見出して、各々の伝送路に異なる信号を並列に伝送することにより高速伝送を実現する。この独立な複数の伝送路を分離して認識するために送受ともに複数のアンテナを設ける必要があり、例えば、図1に示すように、送信側にM個のアンテナ、受信側にN個のアンテナをもつような構成を用いる。
アンテナの自由度を勘案すると、理論的には、K個(Kは、MとNとのうちのいずれか小さい方の数)の独立な伝送路を見出す可能性がある。例えば、MIMO伝送の幾つかある方式の一つである特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)では、この独立な伝送路を見出すために、送受の各アンテナ間の伝送路特性(チャネル応答)を求め(又は、測定し)、このチャネル応答から計算されるチャネル応答行列を固有値分解する。
さらに、ここで求められる固有ベクトルに基づくビームを形成して送受信を行うことにより、効率的なMIMO伝送が行える。結果的に、図2に示すような、仮想的な伝送路が存在すると考えても良いことになる。図2では、送信側に3個のアンテナを設け、受信側に4個のアンテナを設ける。ここで、固有値λに対応する伝送路に対しては、送信側ではウェイトwt1により形成される送信ビーム1を用い、受信側ではウェイトwr1により形成される受信ビーム1を用いて信号Sの送受信を行う。同様な送受信を、λ、λに対しても行うことにより、複数の異なる信号の並列伝送を行う。
図1、図2に示した例は、MIMOにより、無線通信装置と無線通信端末とが1対1の通信を行う場合のものであり、求められるチャネル応答は送受の無線通信装置と無線通信端末との位置等に依存しており、それにより求まる直交伝送路や最適な送受アンテナウェイトも無線通信装置と無線通信端末との位置等の電波伝搬環境に依存する。
ここで問題になるのは、MIMOを用いて複数の無線通信端末に同時に同じ信号を送信するマルチキャストの場合である。例えば、MIMOを用いた無線システムが普及してきた場合に、図3に示すように、複数の無線通信端末(STA)に同時に同じ情報を配信するというような要求が発生すると考えられる。しかし、従来の手法により決定される送受ウェイトなどのMIMOパラメータは、無線通信装置と無線通信端末とが1対1の状況において最適化されているため、図3に示すような状況においては、一方の無線通信端末においては受信状態が最適であるが、もう一方の無線通信端末においては受信状態が適当でなく、良好なマルチキャスト送信ができない場合がある。
(利用形態)
本発明で用いる、複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法の利用形態について図3を参照して説明する。
無線通信装置(アクセスポイント、AP)1には4個のアンテナ301、302、303、304がある。また、無線通信端末(STA)は2つあり、無線通信端末A310には2個のアンテナ311、312、無線通信端末B320には2個のアンテナ321、322がある。ここで、APと各々のSTA間で2×2のMIMO伝送を行う(送受とも2個のアンテナがあり、2伝送路の並列伝送を行う)ものとする。APにはMIMO伝送に用いる伝送路よりも多いアンテナ数を設けていることが特徴の一つである。
このときの伝送路の状況のイメージについて図4を参照して説明する。ここで、APの送信アンテナiからSTAの受信アンテナjまでのチャネル応答をhi,jとする。例えば、APの送信アンテナ301からSTAの受信アンテナ311までのチャネル応答はh301,311である。チャネル応答はマルチパス/フェージング環境における送受アンテナ間の伝送路特性となる。
(第1の実施形態)
(構成例)
本発明の第1の実施形態に係る、複数アンテナを備えた無線通信装置(アクセスポイント、AP)および無線通信端末(STA)について図5を参照して説明する。
図5において、アクセスポイント300は、4つのアンテナ301、302、303、304、MIMO送信器501、アンテナ選択器502、処理部503を備えている。アンテナ301、302、303、304は4本設けられているが、この中で実際に送信に用いるのはこの中の2つとする。
MIMO送信器501は、2×2のMIMO伝送を行うための2ストリーム(2パス)分の送信信号を生成する。
アンテナ選択器502は、4つのアンテナの中の2つを選択し、送信信号をアンテナへ伝達する。その後、その各々のアンテナから送信信号は電波として放射される。
処理部503は、APがMIMOで送信する以前に、各STAの2つのアンテナにおいて受信されたAPの4つアンテナからのチャネル応答hi,jをAP側にフィードバックし、このチャネル応答よりAP側で送信する最適なアンテナを2つ選択する。
なお、STAからAPへチャネル応答hi,jをフィードバックするための手段(ハードウェア構成)の詳細な説明については省略する。無線通信を行える送信機、受信機なら何でも利用可能であり、場合によっては異なる無線通信システム、光信号による伝送、有線通信などを利用することができる。
なお、チャネル応答hi,jをSTAからAPへフィードバックする手段は必ずしも必要ではない。例えば、同じ周波数で送受を時分割で行うシステムの場合にAPから見た送受のチャネル応答は同一になるので、APからSTAへ送信する以前に一旦STAから送信されてAPで受信した通信信号やパイロット信号からAP自身がチャネル応答を推定し、記憶しておくことにより、このようなフィードバックは不要になる。
無線通信端末A310は、アンテナ311、312、MIMO受信器504を備え、無線通信端末B320は、アンテナ321、322、MIMO受信器505を備えている。
アンテナ311、312、アンテナ321、322は、それぞれAPから放射された電波を受け取る。MIMO受信器504、505は、各々のSTAにおいて2つのアンテナで受け取った信号を復調する。
(制御方法)
本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの動作について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態でのAPとSTAとの間の信号のやりとりと制御について示している。
アクセスポイント(AP)300は、4つのアンテナ301、302、303、304からチャネル応答hi,jをSTA側で推定するためパイロット信号を送信する(ステップS601)。ここで、AP側の4つのアンテナと、STA側の4つのアンテナ(2(各STAのアンテナ数)×2(STAの数))の16通りの組合せのチャネル応答が必要になる。また、パイロット信号は、時間軸で送信アンテナ毎に切り替えて送信してもよいし、直交符号により重ね合わせて送信することも可能である。また、アクセスポイント300は、特別にパイロット信号を作らずとも、通常の通信を行っている(MIMO伝送していない)ときの信号により推定してもよい。
無線通信端末A310および無線通信端末B320の2つのSTAにおいて、APからのパイロット信号を受信し、チャネル応答hi,jを推定し、識別する(ステップS602)。
無線通信端末A310および無線通信端末B320は、それぞれAPに向けて、hi,jをフィードバックする(ステップS603)。このときに2つのSTAからAPに向けて情報伝送する必要があるので、混信しないようにする必要がある。混信しないのであれば、時分割で送信してもよいし、直交符号化で多重化してもよい。
アクセスポイント300では、各STAから送られてきたhi,jを元に処理部503が送信に最適なアンテナを、アンテナ301、302、303、304から2つ選択する(ステップS604)。ここでアンテナを選択するための判断基準としては、例えば後述するように、最大公約数的に2つのSTAに対する伝送レートを最適化する。アクセスポイント300では、処理部503は、最大電力を2つのSTAへ送信できるアンテナや、最大S/N(信号対雑音比)で2つのSTAへ送信できるアンテナを選択する。
アクセスポイント300では、処理部503が選択した2つのアンテナがどのアンテナであるかという情報に基づいて、アンテナ選択器502が2×2のMIMO伝送信号を生成し、選択されたアンテナから伝送信号が送信される(ステップS605)。ここで、MIMO伝送の方式は特に限定されない。例えば、送信ダイバーシチであるSTC(Space Time Code)でも構わないし、SDM(Space Division Multiplexing)でも構わない。また、もちろん、SDMで送信アンテナに重み付けをしたW−SDM(Weighted SDM)やチャネル応答行列を固有値展開することにより設定される固有ビームSDM(E−SDM: Eigenbeam SDM)などを利用してもよい。このようなMIMO信号を2つのアンテナより各STAへ向けてマルチキャスト送信する。
無線通信端末A310および無線通信端末B320では、それぞれ2つのアンテナで受信した信号をMIMO受信器504、MIMO受信器505でMIMO復調を行う(ステップS606)。復調の手法はMIMOの送信方式により異なり、例えば、STCの場合には特定の時空間復号が用いられるし、SDMの場合には空間フィルタリング、順序付け逐次復号、並列干渉キャンセラ、MLD(Maximum Likelihood Detection)などが用いられる。
以上で最も重要な点は、ステップS604において、2つのSTAに対してできるだけ最適な伝送レートあるいはMIMOチャネル容量を提供できる二つのアンテナを選択してMIMO伝送することである。このようにすることにより、マルチキャスト送信する場合の効率化がはかられる。
(判断基準)
次に、処理部503が送信に最適なアンテナを選択するための判断基準について説明する。判断基準については、以下のようなものが考えられる。
(1)2つのSTAに対する伝送レートの最小値を、できる限り大きくする。
(2)2つのSTAに対する伝送レートの平均値を、できる限り大きくする。
(3)2つのSTAに対するMIMOチャネル容量の最小値を、できる限り大きくする。
(4)2つのSTAに対するMIMOチャネル容量の平均値を、できる限り大きくする。
(5)2つのSTAに対して伝送したときのBER(Bit Error Rate)もしくはPER(Packet Error Rate)の最悪値を、できる限り大きくする。
(6)2つのSTAに対して伝送したときのトータルのBER(Bit Error Rate)もしくはPER(Packet Error Rate)を、最小化にする。
このような判断基準に基づくアンテナ選択の具体的な手法を以下に説明する。
<伝送レート最大化の手法>(1)、(2)
2つのSTAに対する伝送レートを、できる限り大きくする手法として、以下のような具体的な指標が考えられる。
(a)S/Nの良い伝送路を選択する。つまり、チャネル応答のレベル(電力)の高い伝送路を選択する。
(b)伝送路の直交性の良い伝送路を選択する。つまり、チャネル応答の相関値を比較して、相関が低くなるような組合せを選択する。
(c)上記の(a)と(b)の組合せ。(a)と(b)の結果を見て、(a)と(b)のそれぞれに適度な重み付けを行った評価関数を定義して、この評価関数に基づいて判断する。
上記の(a)、(b)、(c)の指標に基づき、評価関数を定義して、伝送レートを最大化するアンテナを選択することになる。例えば、以下の2つの手法がある。
例えば評価関数としてS/Nを考えると、2つのSTAに対する伝送レートの最小値(二つのSTAの場合はどちらか小さい方の値)を、できる限り大きくする手法(上記の(1))としては、APの4つの送信アンテナから2つを選択する6通りの送信アンテナの組合せのうち、2つのSTAの各々2つのアンテナで受信した際に、評価関数としてS/Nの最小値が最も大きい送信アンテナの組合せの中を選ぶ。図7は、アンテナの組合せと各STAでのS/Nの値を表にしたものである。図7の例では、送信アンテナ1番と2番の組合せで二つのSTAのS/Nの最小値は3.0、送信アンテナ1番と3番の組合せで二つのSTAのS/Nの最小値は2.0、送信アンテナ1番と4番の組合せで二つのSTAのS/Nの最小値は5.0、送信アンテナ2番と3番の組合せで二つのSTAのS/Nの最小値は3.0、送信アンテナ2番と4番の組合せで二つのSTAのS/Nの最小値は2.0、送信アンテナ3番と4番の組合せで二つのSTAのS/Nの最小値は3.0である。この中でS/Nの最小値が最も大きいのは、送信アンテナ1番と4番の組合せであるので、この組み合わせを最適なMIMOパラメータ(この場合は送信アンテナの番号)とする。
2つのSTAに対する伝送レートの平均値を、できる限り大きくする手法(上記の(2))としては、APの4つの送信アンテナから2つを選択した6通りの送信アンテナの組合せのうち、2つのSTAの各々2つのアンテナで受信した際に、送信アンテナ2、受信アンテナ4の8個の伝送路の上記評価関数の平均値が最大となる送信アンテナの組合せを選ぶ。図7の例では、送信アンテナ1番と2番の組合せで二つのSTAのS/Nの平均値は6.5、送信アンテナ1番と3番の組合せで二つのSTAのS/Nの平均値は3.5、送信アンテナ1番と4番の組合せで二つのSTAのS/Nの平均値は5.5、送信アンテナ2番と3番の組合せで二つのSTAのS/Nの平均値は5.0、送信アンテナ2番と4番の組合せで二つのSTAのS/Nの平均値は5.0、送信アンテナ3番と4番の組合せで二つのSTAのS/Nの平均値は3.5である。この中でS/Nの平均値が最も大きいのは、送信アンテナ1番と2番の組合せであるので、この組合せを最適なMIMOパラメータ(この場合は送信アンテナの番号)とする。図7の例は、評価関数としてS/Nを採用したが、前述したようにS/Nだけでなく、チャネル応答の相関値を用いてもよく、S/Nとチャネル応答の相関値を組み合わせた評価関数を用いてもよい。
<チャネル容量最大化の手法>(3)、(4)
2つのSTAに対する伝送レートのチャネル容量を最大化する手法について、次に述べる。
MIMO伝送路のチャネル容量は、チャネル応答ベクトルの相関行列により求められる(例えば、A. Paulraj, R. Nabar, and D. Gore, Introduction to Space-Time Wireless Communications, Cambridge University Press, Cambridge, 2003. 65ページの式(4.9)、式(4.10)、68ページの式(4.19)を参照。)。したがって、チャネル容量を最大化するような相関行列を選択すればよい。例えば、以下の2つの手法がある。
2つのSTAに対するMIMOチャネル容量の最小値を最大化する手法(上記の(3))としては、APの4つの送信アンテナから2つを選択した6通りの送信アンテナの組合せのうち、2つのSTAの各々2つのアンテナで受信した際に、2つのSTAに対する相関行列により計算される各STAに対するチャネル容量の最小値が最も大きい送信アンテナの組合せを選ぶ。
2つのSTAに対するMIMOチャネル容量の平均値を最大化する手法(上記の(4))としては、同様に、APの4つの送信アンテナから2つを選択した6通りの送信アンテナの組合せのうち、2つのSTAの各々2つのアンテナで受信した際に、2つのSTAに対する相関行列により計算される2つのSTAに対するチャネル容量の平均値が最大になる送信アンテナの組合せを選ぶ。
<BERもしくはPER最小化の手法>(5)、(6)
2つのSTAに対する誤り率(BER)もしくはパケット誤り率(PER)を最小化する手法について、以下のような具体的な手法が考えられる。
(A)APからトレーニング信号を実際に送信し、STAが受信し、STA側でBERもしくはPERを測定し、それを評価関数とする。
(B)チャネル応答に基づき、AP内もしくは外部においてシミュレーションを実施し、そこで得られたBERもしくはPERを評価関数とする。
(C)チャネル応答に基づき、STAのSINR(Signal power to Interference plus Noise power Ratio)を計算し、誤差補関数を用いてSTAの誤り率を推定する。
このように得られた評価関数を用いて、例えば、以下の2つの手法がある。
2つのSTAに対して伝送したときのBER(Bit Error Rate)もしくはPER(Packet Error Rate)の最悪値を最小化する手法(上記の(5))としては、APの4つの送信アンテナから2つを選択した6通りの送信アンテナの組合せのうち、2つのSTAに対してMIMO伝送をして得られるBERもしくはPERに関するSTA毎に求まる2つ評価関数の最大値が最も小さい送信アンテナの組合せを選ぶ。
2つのSTAに対して伝送したときのトータルのBER(Bit Error Rate)もしくはPER(Packet Error Rate)を最小化する手法(上記の(6))としては、STA毎に得られるBERもしくはPERの合算値(トータルのBERもしくはPER)を最小にする送信アンテナの組合せを選ぶ。
以上に説明した第1の実施形態の構成、制御方法、判断基準などを用いることにより、以下のような効果がある。
(1)特定の複数STAに同時通信(マルチキャスト)する際に、全てのSTAが全体的に効率の良い高速伝送を達成できる。一方の無線通信端末は高速であるが、残りは低速な伝送しかできずに、無線通信端末の一部にマルチメディア無線サービスが行えないような状況が生じることを防ぐ、無線通信端末全体が快適な無線サービスを受けることが可能となる。
(2)複数の無線通信端末全てが、ある一定以上の高速伝送を達成でき、特定の低速の無線通信端末があるために再送を繰り返すなどして、マルチキャスト無線伝送が無線通信端末全体で非効率になるような状況を防ぐことができる。これからも、マルチキャスト時に無線通信端末全体が快適な無線サービスを受けることが可能となる。
言い換えれば、マルチキャスト時の収容STA数が従来よりも多い場合にも快適な無線サービスを受けることが可能となる。したがって、収容無線通信端末数の向上化に効果がある。
さらに、同一チャネルでより多くの無線通信端末に対して無線伝送が行えることから、結果的に、周波数資源の利用効率の向上にも有効である。
なお、第1の実施形態において、以下のような変更を行っても、効果は同様である。
マルチキャスト時に最適化するMIMO伝送のパラメータとして、どの送信アンテナを選択するか(すなわち、最適な送信アンテナ番号をどう設定するか)という場合について述べた。この他にも、最適化するMIMOパラメータとして、送信アンテナの数、送信ビーム番号、送信ビーム数、送信ビームの形状のパタン、アンテナもしくはビーム毎の変調方式もしくは送信電力などを用いても効果は同じである。以下、それぞれのMIMOパラメータの場合について説明する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、AP側の送信アンテナとして、4つのアンテナから2つを選択する例について説明したが、元々設置されるAPのアンテナ数とそこから選択するアンテナ数についてはこの例に限らず、他の場合でもよい。また、選択するアンテナ数自体を最適化することも考えられる。この場合、送受のアンテナ数(つまりAPとSTAのアンテナ数)が同一と考えてもよいし、ダイバーシチ効果を期待して送信もしくは受信のアンテナ数がMIMOでの並列化パス数より多くてもよい。
アンテナ数を最適化する手法として、以下のような手法が考えられる。
前述の判断基準(伝送レート、チャネル容量、BER、PERなど)に基づきアンテナ数を最適化する。アンテナ数を最適化することにより、より高速で良好なマルチキャスト無線を実現できる。
上記の場合、一般的にアンテナ数が増えれば、特性が良くなるのは当然である。そこで、アンテナを動作させる数を増やした場合のマイナス要因、例えば消費電力や処理時間を考慮して、伝送レート等特性の向上分とマイナス要因による劣化分の双方を加味した適切な評価関数を定義して、アンテナ数を最適化する。このような手法により、許容できる消費電力や処理時間の中で効率的な高速伝送を行えることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る、複数アンテナを備えた無線通信装置(アクセスポイント、AP)および無線通信端末(STA)について図8を参照して説明する。以下、既に説明した装置部分と同様なものは同一の番号を付してその説明を省略する。
第1の実施形態でのAPとSTAとの差異は、本実施形態では各アンテナに重み付けを行うこと、すなわち送受信信号に所定の振幅と位相を設定する手段を設けていることである。
重み付け器701、702、703、704は、処理部705からの指示に基づいて、アンテナ301、302、303、304のそれぞれが送信する送信信号に重み付けを行う。
処理部705は、処理部503が行う処理に加えて、各STAの2つのアンテナにおいて受信されたAPの4つアンテナからのチャネル応答hi,jに基づいて重み付け制御も行う。送信アンテナに重み付けを行うことにより、送信ダイバーシチや送信ビーム形成、空間分割多重化を行うことができ、送信信号の利得向上や不要放射の低減なども行える。同様に、受信アンテナに重み付けを行うことより、受信ダイバーシチや受信ビーム形成(パス分離のためのヌルフォーミング等も含む)、空間多重波の分離などが行え、受信信号の品質向上や不要干渉波の抑圧などが行える。
同様に、STA側のアンテナ311、312、321、322にも各々受信信号に重み付けを行うための重み付け器711、712、721、722を設ける。これらの重み付け器711、712、721、722の制御は各無線端末装置に設置されている制御部(図示せず)により行われる。
これらの重み付け器は、信号がベースバンド帯のディジタル信号であれば、ディジタル回路により容易に実現できる。信号がアナログ信号であっても、利得可変アンプや移相器を用いて容易に実現できる。
ここで、アンテナ選択器502は送信アンテナの中で必要なもののみを選択する機能をもつが、アンテナ選択器502を取り除いて、全てのアンテナを使用するような構成であっても構わない。
ところで、送信アンテナの重み付け係数を調整することにより、送信ビームのビーム方向やビーム形状を最適化することが可能である。例えば、ビームの最適化の手法として、以下のようなことが考えられる。
(1)APが、2つのSTAをカバーするような送信ビームを形成する。このようにすることにより、2つのSTAに対して良好なS/N、通信品質が確保できる。また、より遠くのSTAをカバーすることができ、広いエリアに分散したSTAにマルチキャスト送信が行える。
(2)2つのSTAの両方において各々のアンテナで受信する信号の相関係数、もしくはSTAが形成する複数のビームで受信する信号の相関係数が小さくなるように、APが送信ビームを形成する。MIMO伝搬路の直交性が向上し、より高い伝送レートで情報を伝達することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、送信および受信の両方のアンテナに重み付けを行って、2つのSTAに対する伝送路が直交化するように最適化することを特徴とする。原理としては、一対一のMIMO伝送を行う場合に、チャネル応答に基づくチャネル行列を固有値展開して得られる固有ビームを形成して、MIMO伝送を行ういわゆる特異値分解(Singular Value Decomposition:SVD)と似ている。しかし、受信端末が複数あるために、どちらの無線通信端末に対しても厳密に同時に直交化する伝送路を見出すことは一般的に難しい。そこで、本実施形態では、送受のアンテナの重み付け係数を最適化して、両方の無線通信端末に対してほぼ同程度に直交化するような伝送路を形成するように重み付けを行う。本実施形態では、一例として、送信側のアンテナ数が2、受信側のアンテナ数が2のアンテナを用いたMIMO伝送の場合について説明する。
本発明の第4の実施形態に係る、複数アンテナを備えた無線通信装置(アクセスポイント、AP)および無線通信端末(STA)について図9を参照して説明する。
アクセスポイント(AP)800は、MIMO送信器801、ビーム形成部802、803、合成器804、805、送信アンテナ806、807を備え、ビーム形成部802は、分配器808、重み付け器809、810を含み、ビーム形成部803は、分配器811、重み付け器812、813を含んでいる。
MIMO送信器801は、MIMO送信用の2系統の信号を送信信号として生成し、この送信信号を、各々、ビーム形成部802、803に入力する。
ビーム形成部802では、信号が分配器808により分配され、分配された信号は重み付け器809、810により重み付けされる。また、ビーム形成部803では、信号が分配器811により分配され、分配された信号は重み付け器812、813により重み付けされる。また、第1の実施形態で説明したように、処理部(図示せず)が各重み付け器809、810、812、813に対してどの様な重み付けをするかを指示する。処理部は後述するように重み係数を最適化し、各重み付け器809、810、812、813に重み係数を出力する。
合成器804は、重み付け器809、812から出力された重み付けされた信号を合成し、合成された信号はアンテナ806から送信される。また、合成器805は、重み付け器810、813から出力された重み付けされた信号を合成し、合成された信号はアンテナ807から送信される。ここで、2つのビーム形成部802、803でアンテナが共用されているため、各々のMIMO送信用の2系統の信号はアンテナ毎に合成器804、805で合成され送信されることになる。
無線通信端末A830は、アンテナ831、832、分配器833、834、ビーム形成部835、836、MIMO受信器837を備えている。ビーム形成部835は、重み付け器838、839、合成器840を含み、ビーム形成部836は、重み付け器841、842、合成器843を含んでいる。無線通信端末B850も図9に示すように無線通信端末A830と同様である。2つの無線通信端末(STA)830、850がMIMO信号を受信する。ここでは、無線通信端末Aを例に説明する。
アンテナ831、832、アンテナ851、852は、それぞれAPから放射された電波を受け取る。分配器833、834は、アンテナ831、832で受信した信号を、2つのビーム形成部835、836に向けて伝達する。ビーム形成部835は、2つのアンテナで受信した信号に、重み付け器838、839が各々重み付けし、合成器840が重み付けされた信号を合成する。MIMO受信器837は、2つの合成器840、843が出力した信号を入力し、送信された信号を復調する。無線通信端末B850も無線通信端末A830と同様な動作をする。
また、処理部(図示せず)が各重み付け器838、839に対してどの様な重み付けをするかを指示する。処理部は後述するように重み係数を最適化し、各重み付け器838、839に重み係数を出力する。この指示は無線通信装置から無線通信端末A830内の処理部を介して行われても良い。
次に、処理部が行う重み係数の最適化の手法について説明する。
前述したように、2つの無線通信端末に対して、厳密な意味での直交化ではないが、ほぼ同程度に直交化するような伝送路を形成するように重み付けを行うことにより、どちらの無線通信端末に対しても高速な伝送レートで信号伝達することができる。その手法として、例えば、下記のような手法が考えられる。
(1)送受のアンテナに重み付けされて設定されるビームにより得られる各伝送路の受信レスポンス(受信信号)の電力値を評価関数として、これらの平均値、もしくし最低値を最大化する。この最大化する重み係数の求め方としては、最小2乗法や最急降下法などを用いることができる。初期値として、どちらか一方の無線通信端末においてSVD等で最適化された重み係数を用いてもよい。
(2)送受のアンテナに重み付けされて設定されるビームにより得られる各伝送路の受信レスポンス(受信信号)の相関値を評価関数として、これらの平均値、もしくは最大値を最小化する。この最小化する重み係数の求め方は、上記(1)と同様である。
(3)上記(1)の各伝送路の電力値と上記(2)の各伝送路間の相関値の両方を加味した評価関数を定義し、これを最適化するような重み係数を用いる。
以上に説明した第4の実施形態により、複数の無線通信端末に同一信号を同時に無線伝送するマルチキャスト送信時に、MIMOによる並列伝送が効果的に行え、従来に比較して高速な伝送レートで情報伝送することができる。また、伝送効率が非常に良いマルチキャストサービス環境を実現できることができる。
なお、第3、第4の実施形態において、以下のような変更を行っても上述した効果と同様な効果を得ることができる。
(1)処理部が各送信アンテナもしくは送信ビーム毎に変調方式を最適化することにより、最大効率の伝送レートが実現できる。例えば、多値QAM変調方式を用いた場合に、伝送路毎に、通信品質を維持したまま(誤りを生じないレベルで)伝送可能な最大の多値数を設定することにより、最も高速な伝送レートを実現することができる。
(2)処理部が各送信アンテナもしくは送信ビーム毎に送信電力を最適化することにより、電力効率を最適化できる利点がある。つまり、電波法で規定されるEIRP(Effective Isotropic Radiated Power、実効等方放射電力)の限度いっぱいのEIRPになるように送信電力を設定することにより、電波法を遵守しつつ、高速伝送レートをより遠くまで達成できることができる。マルチキャスト無線の無線通信端末のサービスエリア拡大化に効果がある。一方、所定の伝送レートを実現するために最小限必要な送信電力を設定することにより、APの消費電力を低減することができる。
(3)直交ビームは、理論的にアンテナ数分だけ形成することが可能である。したがって、直交化ビーム(厳密な直交化ではなく、擬似的に直交化しているレベルも含める)の数は、2〜アンテナ数まで自由に設定できる。実現しようとする伝送レートに対して、最低限必要なビーム数を設定することにより、消費電力や処理時間などの点で効率化が行える。第3又は第4の実施形態での構成および手法により、マルチキャスト時に最適なビーム数と直交化を行うことにより、このような効率化が行える。
なお、さらに、ここまでの全ての実施例において、以下のような変更を行っても、上述した効果は変わらない。
(1)マルチキャスト送信する無線通信端末(STA)数が2個の場合について説明したが、これ以上の無線通信端末数がある場合も同様な効果が期待できる。
(2)アンテナ数やMIMO伝送での並列化パス数も上記の実施形態の限りではない。
(3)上記の実施形態では、アクセスポイントから送信して無線通信端末で受信する場合について例を示して説明したが、無線通信端末からアクセスポイントに送信するような場合があっても、送受が逆で、同様な構成で実現できる。もちろん、アクセスポイント、無線通信端末ともに送信、受信をともに持つことは可能である。
(4)受信側のアンテナ数を並列伝送するパス数(並列化パス数)をより多く設け、受信側で、送信側で行ったように受信信号を受け取る受信アンテナ数もしくはアンテナ番号を所定の判断基準により、最適な値に設定するような構成も可能である。この場合には、受信時の特性(例えば利得など)が向上し、各無線通信端末の受信品質が良くなったり、受信可能エリアが広がったりする効果がある。
図10に、この場合の無線通信システムの一例を示す。アクセスポイント300側は、図5の構成と同じである。しかしこの例では、2つの無線通信端末(無線通信端末A910、無線通信端末B920)には各々3つのアンテナ911〜913、921〜923をもち、各無線通信端末はこの中の2つのアンテナを選択し、送信側の2つのアンテナ、受信側の2つアンテナによるMIMO伝送を行う。無線通信端末側での受信アンテナの選択手法は、第1の実施形態で説明したAP側での送信アンテナの選択手法と同様であるので説明は省略する。
以上に示した実施形態によれば、十分に高速な伝送速度を実現するなど良好な特性を達成できる、複数アンテナを備えた無線通信装置および無線通信システム、無線通信方法を提供することができる。これにより、複数のSTAに対して平均的に良好な通信(例えば平均的に高速な伝送)を実現することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
MIMO伝送の概念を示す図。 仮想的な伝送路を用いてMIMO伝送路を等価的に表現した場合を示す図。 MIMOを用いたマルチキャスト伝送による本発明の実施形態に係る無線通信システムを示す図。 図3での伝送路の状況を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図。 図5の無線通信システムの動作を示すフローチャート。 二つの無線通信装置のアンテナの組合せと、各無線通信端末におけるS/Nを示す表。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図。 本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムを示すブロック図。 受信側の受信信号を受け取るアンテナ数を可変にする場合の無線通信システムの一例を示すブロック図。
符号の説明
300、800…アクセスポイント、301、302、303、304、311、312、321、322、806、807、831、832、851、852、911、912、913、921、922、923…アンテナ、310、830、910…無線通信端末A、320、850、920…無線通信端末B、501、801…MIMO送信器、502…アンテナ選択器、503、705…処理部、504、505…MIMO受信器、701、702、703、704、711、712、721、722、809、810、812、813、838、839、841、842、858、859、861、862…重み付け器、802、803、835、836、855、863…ビーム形成部、804、805、840、843、860、863…合成器、808、811、833、834、853、854…分配器。

Claims (14)

  1. 複数の異なる無線通信端末と、
    各該無線通信端末に対してMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式によるマルチキャスト送信を行う無線通信装置と、を備え、
    各前記無線通信端末は、
    複数の第1のアンテナを具備し、
    前記無線通信装置は、
    複数の第2のアンテナと、
    各前記第2のアンテナから各前記第1のアンテナまでの複数のチャネル応答を取得するチャネル応答取得手段と、
    前記複数のチャネル応答から、該無線通信装置がMIMO伝送を行う際に必要なMIMOパラメータの値を設定する設定手段と、
    前記設定されたMIMOパラメータの値にしたがい、各前記無線通信端末へマルチキャスト送信を行う送信手段と、を具備し、
    前記無線通信端末は、
    前記マルチキャスト送信されたデータを受信する受信手段と、をさらに具備することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記MIMOパラメータは、前記無線通信装置および各前記無線通信端末により形成される送信ビームの形状のパタンであることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 複数の第1のアンテナを備えた複数の異なる無線通信端末に対してMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式によるマルチキャスト送信を行うための複数の第2のアンテナと、
    各前記第2のアンテナから各前記第1のアンテナまでの複数のチャネル応答を取得するチャネル応答取得手段と、
    前記複数のチャネル応答から、該無線通信装置がMIMO伝送を行う際に必要なMIMOパラメータの値を設定する設定手段と、
    設定されたMIMOパラメータの値にしたがい、各前記無線通信端末へマルチキャスト送信を行う送信手段と、を具備したことを特徴とする無線通信装置。
  4. 前記設定手段は、前記無線通信装置から各前記無線通信端末へ送信する信号の伝送レートの最小値又は平均値が最大となるように前記MIMOパラメータを設定することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記設定手段は、前記無線通信装置から各前記無線通信端末へ送信する信号のチャネル容量の最小値又は平均値が最大となるように前記MIMOパラメータを設定することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  6. 前記設定手段は、前記無線通信装置から各前記無線通信端末へ送信する信号の通信誤り率の最大値が最大となるように前記MIMOパラメータを設定することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  7. 前記設定手段は、前記無線通信装置から各前記無線通信端末へ送信する信号のトータルの通信誤り率を最小化するように前記MIMOパラメータを設定することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  8. 前記MIMOパラメータは、前記無線通信装置および各前記無線通信端末により形成される送信ビームの形状のパタンであることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  9. 前記MIMOパラメータは、信号を送信するために使用する前記第2のアンテナの数であることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  10. 前記MIMOパラメータは、信号を送信するために使用する前記第2のアンテナの番号であることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  11. 前記MIMOパラメータは、前記無線通信装置により形成される送信ビーム数であることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  12. 前記MIMOパラメータは、前記無線通信装置により形成される送信ビームの形状のパタンごとに対応させた変調方式、又は、各前記第2のアンテナから送信される信号に使用される変調方式であることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  13. 前記MIMOパラメータは、前記無線通信装置により形成される送信ビームの形状のパタンごとに対応させる送信電力値、又は、各前記第2のアンテナから送信される信号に対応させる送信電力値であることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  14. 複数の第1のアンテナを備えた複数の異なる無線通信端末に対してMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式によるマルチキャスト送信を行うための複数の第2のアンテナを用意し、
    各前記第2のアンテナから各前記第1のアンテナまでの複数のチャネル応答を取得し、
    前記複数のチャネル応答から、該無線通信装置がMIMO伝送を行う際に必要なMIMOパラメータの値を設定し、
    設定されたMIMOパラメータの値にしたがい、各前記無線通信端末へマルチキャスト送信を行うことを特徴とする無線通信方法。
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