JP4633644B2 - 無線通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、同一の周波数チャネルを用い、異なる複数の送信アンテナより独立な信号系列を空間多重して送信し、複数の受信アンテナを用いて信号を受信し、各送受信アンテナ間の伝達関数行列をもとに受信局側でデータの復調を行うMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)通信を実現する高速無線アクセスシステムにおいて、ひとつの無線局と他の複数の無線局が、同時にかつ同一周波数チャネル上で空間多重して通信を行うマルチユーザMIMO通信技術を用いた無線通信方法に関する。
近年、2.4GHz帯または5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格などに対応したシステムの普及が目覚しい。これらのシステムにおいては、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用い、最大で54Mbpsの伝送速度を実現している。ただし、ここでの伝送速度とは物理レイヤ上での伝送速度であり、実際にはMAC(Medium Access Control )レイヤでの伝送効率が50〜70%程度であるため、実際のスループットの上限値は30Mbps程度である。
一方で、有線LAN(Local Area Network)の世界ではEthernet(登録商標)の100Base-Tインタフェースをはじめ、各家庭にも光ファイバを用いたFTTH(Fiber to the home)の普及から、100Mbpsの高速回線の提供が普及しており、無線LANの世界においても更なる伝送速度の高速化が求められている。
そのための技術としては、MIMO技術が有力である。このMIMO技術とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一チャネル上で異なる独立な信号を送信し、受信局側において同じく複数のアンテナを用いて信号を受信し、各送信アンテナ/受信アンテナ間の伝達関数行列を求め、この行列を用いて送信局側で各アンテナから送信した独立な信号を受信側にて推定し、データを再生するものである。
ここで、N本の送信アンテナを用いてN系統の信号を送信し、M本のアンテナを用いて信号を受信する場合を考える。まず、送受信局の各アンテナ間にはM×N個の伝送のパスが存在し、第i送信アンテナから送信され第j受信アンテナで受信される場合の伝達関数をhj,iとし、これを第(j,i)成分とするM行N列の行列をHと表記する。さらに、第i送信アンテナからの送信信号をtiとし(t1,t2,t3,・・・ tN)を成分とする列ベクトルをTx、第j受信アンテナでの受信信号をrjとし(r1,r2,r3,・・・rM)を成分とする列ベクトルをRx、第j受信アンテナの熱雑音をnjとし(n1,n2,n3,・・・nM)を成分とする列ベクトルをnと表記する。
上述した条件の場合、以下(1)式の関係式が成り立つ。
Rx=H・Tx+n …(1)
したがって、受信局側で受信した信号Rxをもとに、送信信号Txを推定する技術が求められている。
このMIMO通信においては、信号の伝搬路の情報を利用して、その伝搬路に対して最適な状況にて信号を送信することにより、最も効率的な通信を行うことができる。
例えば、特許文献1の「無線通信方法、並びに該方法を用いた無線通信システム」等に記載された固有モードSDM(Space Division Multiplexing)方式を用いたMIMO伝送においては、信号の伝送方向のMIMOチャネルの伝達関数行列Hを送信局側で取得できた場合に、この伝達関数行列に対応した送信信号の最適化を行う。具体的には、伝達関数行列Hとそのエルミート共役な行列H(右肩の「H」の記号はエルミート共役を表す)の積を、対角化することが可能なユニタリ行列Uを取得し、このユニタリ行列により送信信号を変換して信号を送信する(各アンテナから発信する)。
このユニタリ変換行列Uと伝達関数行列Hとの間には以下の(2)式の関係式が成り立つ。
H・HH ・H・U=Λ …(2)
上記(2)式において、右辺の行列Λは対角成分のみが値を持ち、その他の成分がゼロである対角行列である。この様な特徴を持つユニタリ行列Uを列ベクトルTxに作用させて信号を送信することにより、(1)式は以下の(3)式の様に変換される。
Rx=H・(U・Tx)+n …(3)
この変換により、送信信号はMIMOチャネル毎に直交化され、受信側での処理において簡易なZF(Zero Forcing)方式を用いた場合であっても、各送信信号をMIMOチャネル毎のSNR特性が良好になるように調整される。また、このユニタリ行列の各列ベクトルは、送信信号である列ベクトルTxを各送信アンテナに分配する際の各アンテナに乗算する係数(以降、「送信ウエイトベクトル」と呼ぶ)を与える。この送信ウエイトベクトルを用いることで、各MIMOチャネル毎に直交したビーム形成を行い、それぞれのビーム(固有ビーム)に相当するチャネルの利得がその固有ベクトルの固有値となる。したがって、全MIMOチャネルのチャネル容量Cの上限は以下の(4)式で与えられる。
Figure 0004633644
上記(4)式において、Bは帯域幅、Piは第i番のMIMOチャネルの総送信電力、λは第i固有値、σ2は雑音電力の分散値を意味する。この(4)式から求まるチャネル容量Cから、どの程度の伝送レートの伝送モード(ここではQPSK, 64QAM等の変調方式と誤り訂正の符号化率の組み合わせにより規定されるモードを「伝送モード」と定義する)を適用可能か、またさらにどの程度の数のMIMOチャネルを多重化できるかが推定できる。
ちなみに、上記(4)式の中の送信電力Piは全てのMIMOチャネルに共通の値である必要はなく、また各MIMOチャネル毎に伝送モードを変更しても構わない。
一般に、注水定理と呼ばれる手法を用いることにより、この総送信電力Piの値を最適化することが可能である。このMIMOチャネルの中において、総送信電力Pi=0となるMIMOチャネルが存在した場合、そのMIMOチャネルを実際の伝搬に用いず、このMIMOチャネルの電力を、他のMIMOチャネルに対して配分した方が効率的な伝送が行えることを意味している。つまり、MIMOチャネルの多重数を、元々の多重可能な上限値よりも少なく設定することになる。この様にして、多重化するMIMOチャネルの最適値を判断することも可能である。
以上の固有モードSDM技術は、送信側で指向性を持った送信ビームを形成し、空間上で多重化する信号を受信側において効率的に信号分離できるようにするものである。ここで、通常のMIMO通信、すなわち、ひとつの送信局とひとつの受信局との間で通信を行う通信形態をシングルユーザMIMOと呼ぶ。ここで、無線LANや携帯電話等を例に見れば、基地局はサイズ的に比較的大きく、無線端末局側はポータブルな端末としてサイズは無線基地局よりも大幅に小さい。この様な小型で携帯可能な端末の中に、MIMO通信のための複数のアンテナを実装したとしても、実装したアンテナ間の距離が短く、アンテナ相関が非常に大きくなってしまう。この場合、(4)式における固有値λiの値は小さくなる傾向にあり、実際に通信に利用できるMIMOチャネル数はそれほど多くはない。
上述した様なケースにおいて、ひとつひとつの端末(個々の端末)との間においては空間多重するMIMOチャネル数を少なくする一方、複数の異なる端末と同時に同一周波数チャネルで通信するマルチユーザMIMO通信が有効である。図5に、このマルチユーザMIMOシステムの構成例を示す。図5において、101は無線基地局、102〜104は無線端末局#1〜#3を示す。実際にひとつの無線基地局が収容する無線端末局数は多数であるが、その中の数局(図5においては無線端末局#1〜#3:102〜104)を選び出して通信を行う。各無線端末局は無線基地局と比較して送受信アンテナ数が一般的に少ない。
例えば、無線基地局から無線端末局方向への通信(ダウンリンク)を行う場合を考える。無線基地局101は、多数のアンテナを用いて、複数の指向性ビームを形成する。例えば、各無線端末局102〜104に対して、それぞれ3つのMIMOチャネルを割り当て、全体としては9系統の信号系列を送信する場合を考える。
その際、無線端末局#1(102)に対して送信する信号は、無線端末局#2(103)および無線端末局#3(104)方向には指向性利得が極端に低くなるように調整する。この結果として無線端末局#2(103)および無線端末局#3(104)への干渉を抑制することができる。同様に、無線端末局#2(103)に対して送信する信号は、無線端末局#1(102)および無線端末局#3(104)方向には指向性利得が極端に低くなるように調整する。同様の処理を無線端末局#3(104)にも施す。
この様に指向性制御を行う理由は、例えば無線端末局#1(102)においては、無線端末局#2(103)および無線端末局#3(104)で受信した信号の情報を知る術がないため、無線端末間での協調的な受信処理ができない。つまり、3本しかアンテナのない無線端末局#1(102)のみの受信処理において、9系統の全ての信号系列を信号分離することは非常に厳しい。そこで、各無線端末局に対して他の無線端末局宛の信号が受信されないように、送信側の無線基地局において干渉分離を事前に行う。
以上の説明が既存のマルチユーザMIMOシステムの概要に対する説明である。
次に、指向性ビームの形成方法について、以下に説明を加える。例えば、図5において、無線基地局(101)の第jアンテナと無線端末局#1(102)の第1受信アンテナとの間の伝達関数をh1jと表記することにする。無線基地局(101)のj=1〜9の全てのアンテナに関する伝達関数を用い、行ベクトルh1を(h11,h12,h13,…,h18,h19)と表記する。同様に無線基地局101と無線端末局#1(102)の第2受信アンテナ、第3受信アンテナとの伝達関数をh2jおよびh3jとし、対応する行ベクトルh2およびh3を(h21,h22,h23,…,h28,h29)、(h31,h32,h33,…,h38,h39)とする。
無線端末局#2(103)、無線端末局#3(104)の受信アンテナにも同様の連番をふり、行ベクトルh4〜h9を(h41,h42,h43,…,h48,h49)〜(h91,h92,h93,…,h98,h99)とする。加えて、無線基地局101が送信する9系統の信号をt1〜t9と表記し、これを成分とする列ベクトルをTx[all]=(t1,t2,t3,…,t8,t9Tと表記する。ここで、右肩のTの文字はベクトル行列の転置を表す。また、同様に、無線端末局#1〜#3(102〜104)の9本のアンテナでの受信信号をr1〜r9と表記し、これを成分とする列ベクトルをRx[all]=(r1,r2,r3,…,r8,,r9Tと表記する。最後に、行ベクトルh1〜h9を第1から第9行成分とする行列を、全体伝達関数行列H[all]と表記する。
この様に表記した場合、システム全体としては以下の(5)式の関係式が成り立つ。
Rx[all]=H[all]・Tx[all]+n …(5)
この(5)式はシングルユーザMIMOにおける(1)式に対応する。同様に、(3)式に示すような送信指向性制御を行うため、9行9列の送信ウエイト行列Wを導入し、(3)式を以下の(6)式のように書き換える。
Rx[all]=H[all]・W・Tx[all]+n …(6)
さらに、送信ウエイト行列Wを列ベクトルw1〜w9に分解し、W=(w,w,w,…,w,w)と表記すると、以下の(7)式の様に表せる。
Figure 0004633644
上記(7)式において、例えば6つの行ベクトルh4〜h9と3つの列ベクトルw1〜w3の乗算(各成分の乗算したものの総和、複素ベクトルの場合は内積とは異なる)が全てゼロになるように、列ベクトルw1〜w3を選択することとする。同様に、行ベクトルh1〜h3および行ベクトルh7〜h9と列ベクトルw4〜w6の積、行ベクトルh1〜h6と列ベクトルw7〜w9の積の全てがゼロになるように選択することとする。すると、(7)式に示す9行9列の行列は、3行3列の9個の部分行列を用いて表記すると以下のように表すことができる。
Figure 0004633644
上記(8)式において、部分行列H[1]、H[2]、H[3] は3行3列の行列であり、他の部分行列Oは成分が全てゼロの3行3列の行列である。この様な条件を満たす変換行列Wを選択することにより、(8)式は以下に示す(9)式〜(11)式により表される3つの関係式に分解することができる。
Rx[1]=H[1]・Tx[1]+n …(9)
Rx[2]=H[2]・Tx[2]+n …(10)
Rx[3]=H[3]・Tx[3]+n …(11)
上記(9)式から(11)式において、Tx[1]=(t,t,t、Tx[2]=(t,t,t、Tx[3]=(t,t,t、Rx[1]=(r,r,r、Rx[2]=(r,r,r、Rx[3]=(r,r,rとした。この様に、全体伝達関数行列H[all]を、部分行列H[1]、H[2]、H[3] に分解することにより、無線基地局と3つの無線端末局とにおける各々の通信を、3つのシングルユーザMIMO通信とみなすことができるようになる。
次に、送信ウエイトベクトルw〜wの決定方法の例を以下に説明する。手順としては、無線端末局#1(102)に対する送信ウエイトベクトルw〜wを決定し、順次、無線端末局#2(103)に対する送信ウエイトベクトルw〜w、無線端末局#3(104)に対する送信ウエイトベクトルw〜wを決定する。
そして、まず、第1ステップとして、無線端末局#2及び#3に対応する6つの行ベクトルh〜hが張る6次元部分空間における6つの基底ベクトルe〜eを求める。この基底ベクトルを求める方法としては、グラムシュミットの直交化法の他、様々な方法があるが、ここでは例としてグラムシュミットの直交化法を例に説明する。
まず、ひとつのベクトル、例えば行ベクトルhに着目し、この方向で絶対値が1のベクトルを基底ベクトルeとする。この基底ベクトルeを下記の(12)式で表す。
=(h・h −1/2 …(12)
上記(12)式において、(h・h )は同一ベクトルの絶対値の2乗を意味するスカラー量であり、この平方根の逆数の乗算は、行ベクトルhを規格化することを意味する。
次に、行ベクトルhに着目し、この行ベクトルhの中から、上記(12)式により求めた基底ベクトルe方向の成分をキャンセルした行ベクトルh’を、下記の(13)式により求めた後、さらに、この行ベクトルh’を、(14)式により規格化する。
’=h−(h・e )・e …(13)
=(h’・h−1/2・h’ …(14)
上記(13)式において、(h・e )はベクトルhの基底ベクトルe方向への射影を意味する。
同様の基底ベクトルの算出処理を、各ベクトルに対して、以下の(15)式及び(16)式を用いて行う。
’=h−Σ(i)(h・e )・e …(15)
=(h’・h−1/2 ・h’ …(16)
上記(15)式におけるΣ(i)は、4≦i≦j−1(jは4〜9の整数)の整数iに対する総和を意味する。つまり、既に確定した基底ベクトル方向の成分をキャンセルすることを意味している。上述した基底ベクトルの算出処理により、6つの基底ベクトルe〜eを求めることができる。
次に、第2ステップとして、端末局#1(102)に対する送信ウエイトベクトルw〜wを求める。
まず、行ベクトルh〜hから、基底ベクトルe〜eが張る6次元部分空間の成分をキャンセルする。具体的には以下の(17)式により表せる。
’=h−Σ(i)(h・e )・e …(17)
上記(17)式において、jは1〜3の整数であり、Σ(i)は、4≦i≦9の整数iに対する総和を意味する。
この(17)式を用いて求めた行ベクトルh’〜h’に対し、適当な直交化処理を行う。簡単のためにここではグラムシュミットの直交化を例として用いるが、その他の方法を用いても良い。
グラムシュミットの直交化法は、既に(12)〜(16)式において説明しているので詳細な説明は省略するが、3次元空間の3つの基底ベクトルe〜e各々を、下記の(18)式から(22)式により求めることができる。
=(h’・h−1/2 ・h’ …(18)
”=h’−(h’・e )・e …(19)
=(h”・h−1/2 ・h” …(20)
”=h’−(h’・e )・e−(h’・e )・e …(21)
=(h”・h−1/2 ・h” …(22)
さらに、上記基底ベクトルe〜e各々に対応する複素共役ベクトルの転置ベクトル、すなわちエルミート共役なベクトルを求めることにより、各基底ベクトルに対応するベクトルw=e 、w=e 、w=e として送信ウエイトベクトル(列ベクトル)が求まる。
上記(12)式から(22)式までの処理により、無線端末局#1(102)に対する送信ウエイトベクトルw〜wを決定することができる。
次に、第3ステップとして、第2のステップと同様の送信ウェイトベクトルの算出処理を、無線端末局#2(103)および無線端末局#3(104)に対しても施し、その結果として全ての送信ウエイトベクトルw〜wが求まる。
上述した第1ステップから第3のステップが従来方式における送信ウエイト行列の求める処理方法である。ここで、図6に、従来技術における送信ウエイト行列Wの算出のフローチャートを示す。以下に、図6のフローチャートを簡単に説明する。
まず、送信ウエイト行列の算出にあたり、全無線端末への伝達関数行列Hを取得する(S102)。宛先とする無線端末局に通し番号を付与し、その通し番号をkと表記した場合、まず通し番号kを初期化する(S103)。さらに、通し番号kをカウントアップし(S104)、着目しているk=1に対応した端末局#1(102)に対する部分伝達関数(ここでは便宜上、Hmainと表記)の抽出(S105)と、それ以外の宛先の無線端末局の部分伝達関数行列(ここでは便宜上、Hsubと表記)とを抽出(S106)する。
さらに、Hsubの各行ベクトルが張る部分空間の直交基底ベクトルを算出し、この基底ベクトルを{e}とおく(S107)。次に、上記(17)式に相当する処理として、着目している無線端末局#1(102)に対する部分伝達関数Hmainの各行ベクトルから、上記ステップS107で求めた基底ベクトル{e}に関する成分をキャンセルし、これを行列Hmain’とする(S108)。さらに、(18)〜(22)式に対応する処理として、上記行列Hmain’の行ベクトルが張る部分空間の直交基底ベクトルを算出し、これを{e}とおく(S109)。
次に、直交基底ベクトル{e}の各ベクトルのエルミート共役ベクトル(列ベクトル)として、無線端末局#1(102)宛の信号に関する送信ウエイトベクトル{w}を決定する。ここで、全ての宛先の端末局の送信ウエイトベクトルを決定済みか否かを判断し(S111)、残りの無線端末局があれば、ステップS104からステップS110の処理を繰り返す。また、上記ステップS111において、もし全ての宛先の無線端末局の送信ウエイトベクトルを決定済みであれば、送信ウエイトベクトル{w}を各列ベクトルとする行列として送信ウエイト行列Wを決定し(S112)、処理を完了する(S113)。
なお、ステップS101〜ステップS113における説明は全てシングルキャリアのシステムを仮定し、送信ウエイト行列をひとつだけ求めれば良かった。
現在、MIMO技術は無線LAN等で注目を集めているが、IEEE802.11a、IEEE802.11g等の標準規格の無線LANにおいては、マルチキャリアを用いたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を採用している。このOFDM変調方式を用いるマルチユーザMIMOシステムの場合には、以上の処理を全てのサブキャリアにおいて個別に実施する必要がある。
以上、説明を行った各種処理を実現するための従来技術における送信局側の構成例(シングルキャリアの場合)を図7に示す。
この図7において、111aはデータ分割回路、112a−1〜112a−Lはプリアンブル付与回路、、113a−1〜113a−Lは変調回路、114aは送信信号変換回路、115a−1〜115a−Mは無線部、116a−1〜116a−Mは送受信アンテナ、117aは伝達関数行列取得回路、118aは送信ウエイト算出回路、119aは空間多重条件判断回路を表す。
なお、ここでは空間多重する信号系列の総数をL(L>2、Lは整数)とし、無線部(115a−1〜115a−M)及び送受信アンテナ(116a−1〜116a−M)の系統数をMとした。さらに、装置として備える変調回路の数と、条件により適応的に決定される空間多重する信号系統数は常に一致するとは限らないが、簡単のために、本説明においては両者共に数がLであるとする。
また、送信局側の構成としたが、一般には無線基地局及び無線端末局は送信機能および受信機能の双方を備えており、ここで示した図8はその中の送信に関する機能のみを抜粋したものとなっている。
したがって、受信のための機能はここには明記していない。また、ここではダウンリンクでのマルチユーザMIMOを想定し、送信局側とは無線基地局を暗に想定しているが、必ずしも無線基地局である必要はない。
図7における無線部115a−1〜115a−M及び送受信アンテナ116a−1〜116a−Mにおいては、逐次信号の受信を個別に行う。例えば、送受信アンテナ116a−1にて受信された信号は、無線部115a−1にて周波数変換を施され、所定の処理の後、伝達関数行列取得回路117aにおいて各受信局の伝達関数情報を収集する。ここで、伝達関数情報の収集方法については、受信局側から伝達関数情報を制御チャネルを用いてフィードバックする方法、伝搬チャネル推定用のプリアンブル信号を送受双方向で適宜交換する方法など、様々な方法が選択可能であり、如何なる方法を用いても構わない。
この様にして取得した各受信局毎の伝達関数行列の情報は、伝達関数行列取得回路117a内において記録・管理しておく。空間多重条件判断回路119aは、信号を送信する際にどの受信局を同時に空間多重するか、及びその多重度をどの様に設定するかを管理する。ここで、空間多重する受信局と多重度が規定されると、送信ウエイト算出回路118aにおいては、先に示した条件に対応する送信ウエイト列ベクトル(w,w,w,…,wL−1,w)を算出する。また、送信ウエイト算出回路118aは、これらの情報を送信信号変換回路114aに入力する。
一方、データ分割回路111aは、送信すべきデータが入力されると、空間多重条件判断回路119aが判断した空間多重する受信局と多重度(全受信局でL多重とする)との条件に合わせて、データをL系統に分割する。
上記L系統に分割されたそれぞれの信号は、プリアンブル付与回路112a−1〜112a−Lに入力され、所定のチャネル推定用プリアンブルが付与され、変調回路113a−1〜113a−Lに入力される。
変調回路113a−1〜113a−Lにおいては、所定の変調処理が行われ、この変調処理された出力信号が送信信号変換回路114aに入力される。
この送信信号変換回路114aは、送信ウエイト算出回路118aが算出したベクトル群をもとに、変調回路113a−1〜113a−Lからの出力信号を成分とする送信信号ベクトルに対し、変換行列W=(w,w,w,…,wL−1,w)を乗算する。この乗算により変換されたM系統の信号は、無線部115a−1〜115a−Mにて周波数変換され、各々対応する送受信アンテナ116a−1〜116a−Mを介して送信される。
以上がシングルキャリアの無線システムの例である。OFDM変調方式を用いるマルチユーザMIMOシステムの場合には、図8に示すように、サブキャリア毎に同様の処理を行うことになる。
この図8に示すMIMOシステムと、図7に示す送信局側の構成例との差分として、各信号系列はデータ分割回路111bにてサブキャリア毎に分割され、各サブキャリアで同様の処理が行われる。また、各サブキャリアにおいて、プリアンブル付与回路112a−1〜112a−L、変調回路113a−1〜113a−L、送信信号変換回路114aに相当する処理を並列的に実施する。その後、逆フーリエ変換処理をIFFT回路120a−1〜120a−Mにおいて実施し、無線部115b−1〜115b−M、送受信アンテナ116b−1〜116b−Mを介して送信される。
次に、図9に、従来技術における受信局の構成例を示す。この図9においては無線端末局が受信局となるダウンリンクを想定し説明を行う。この場合、マルチユーザMIMOシステムの場合においても、送信局側での送信指向性制御により、他の受信局宛の信号が干渉とならないように制御しているため、受信局は通常のシングルユーザMIMOと同様に受信処理を行えばよい。ここではひとつの例として、3つのアンテナを備える場合を例にとり説明する。
図9において、121−1〜121−3は受信アンテナ、122−1〜122−3は無線部、123はチャネル推定回路、124は受信信号管理回路、125は伝達関数行列管理回路、126は行列演算回路#1、127は行列演算回路#2、128は硬判定回路、129はデータ合成回路、130はMIMO受信処理を示す。
まず、第1の受信アンテナ121−1から第3の受信アンテナ121−3は、それぞれ個別に受信信号を受信する。無線部122−1〜122−3を経由して、受信した信号はチャネル推定回路123に入力される。チャネル推定回路123は、送信側で付与された所定のプリアンブル信号の受信状況から、第i送信アンテナと第j受信アンテナとの間の伝達関数を取得する。
この様にして取得された伝達関数行列は、伝達関数行列管理回路125にて伝達関数行列Hとして管理される。行列演算回路#1(126)では、伝達関数行列管理回路125で管理された伝達関数行列Hをもとに、H、H・H、(H・H)−1、(H・H)−1を順次、演算により求める。
一方、プリアンブル信号に後続するデータ信号は、1シンボル分づつ受信信号管理回路124に入力される。受信信号管理回路124においては、各アンテナの受信信号(r, r, r)を成分とした受信信号ベクトルRxが一旦管理される。この受信信号ベクトルRxは、行列演算回路#2(127)において、行列演算回路#1(126)にて求められた(H・H)−1・Hと乗算される。この乗算結果により得られた信号は、送信信号ベクトルTxにノイズが乗った信号であるため、硬判定回路128にて信号判定がされ、各シンボル毎および各系統の信号はデータ合成回路129で合成され、もとのユーザデータが再生され出力される。
なお、上述した説明においては簡単のため、行列演算回路#1(126)および行列演算回路#2(127)における処理は、ZF(Zero Forcing)法と呼ばれる簡単なMIMO信号検出法を仮定して説明したが、MMSE(Minimum Mean Square Error)法や、MLD(Maximum Likelihood Detection)法などを用いても構わない。また、ZF法の説明として正方行列以外の伝達関数行列Hを想定し、擬似逆行列(H・H)−1・Hを用いる場合について説明したが、伝達関数行列Hが正方行列であれば簡易に伝達関数行列Hの逆行列を用いても構わない。
さらに、硬判定回路128においては硬判定を行うことを仮定していたが、誤り訂正を組み合わせ、軟判定を用いることも可能である。
上述した各場合には、図9において点線で囲ったMIMO受信処理部130の構成の詳細が変更になるのであるが、以降の説明においてはその具体例に依存しないので、ここではその詳細は省略する。また、以上はシングルキャリアを前提とした説明であったが、OFDM変調方式を用いる場合には、サブキャリア毎に同様の処理を行うことになる。
次に、図9の従来例の受信部の受信処理の動作を説明する。図10は、従来の受信部の受信処理の動作を示すフローチャートである。
従来技術においては、仮にマルチユーザMIMO通信の場合であっても、基本的に送信側が送信指向性制御を行い干渉除去を行っていることを前提とし、受信側では特にマルチユーザMIMO通信を意識した処理は行わない。つまり、通常のシングルユーザMIMO通信と同様のの受信処理が行われる。
受信局において、無線部(121−1〜121−3)が信号を受信すると(S201)、チャンネル推定回路123は自局宛の全信号系列のチャネル推定を行い、これを伝達関数行列H[i]とし、伝達関数行列H管理回路125へ記憶させる(S202)。
次に、MIMO受信処理部130は、受信受信信号管理回路124を介して、この伝達関数行列をもとに、後続するデータ信号を受信し、信号検出処理を行う(S203)。
そして、MIMO受信処理部130は、後続するシンボルにデータが存在することを検出した場合(S204)、処理S203に戻り受信処理を継続する。
一方、MIMO受信処理部130は、全シンボルの信号検出が完了したことを検出した場合処理を終了し(S204)、データ合成回路129はこれまでの信号検出済みの信号からデータ合成・再生を行、再生したデータの出力を行う(S205)。
以上説明した様に、従来技術によりマルチユーザMIMO通信が実現可能であるが、マルチユーザMIMOにおいては、同時に通信を行う端末局の選び方によって、伝達関数等の特性が異なる。例えば、ひとつの基地局から見た際、ほぼ同方向に存在する無線端末局に対して、同時に空間多重を行う場合を考える。この場合、無線通信局から発信される電波に対して、無線端末局間のアンテナ相関が非常に強くなる危険性がある。
この際、マルチユーザMIMO通信においては、上記(7)式に示した送信指向性制御を行うことにより、無線端末局間の干渉を低減することになる。しかしながら、この干渉の低減処理は、言わば他の無線通信局宛の送信ビーム方向に対して、アンテナ利得を極端に下げるヌル形成を行うことを意味する。
ところが、有限の数の送信アンテナで形成される送信ビームには所定のビーム幅が存在し、一方向に対してヌル点を向けた場合、その一方向の近傍においてもアンテナ利得が下がってしまう欠点がある。
この結果、送信先である無線基地局に対する希望信号を、効率的な電力により送信することができず、目的の送信先である無線基地局に対する通信の品質をも低下させてしまうことになる。このアンテナ干渉の低減処理における結果は、マルチユーザMIMO通信の利点を活かす利用方法とはいえず、更なる効率化が求められている。
このための解決手法としては、特許文献2の「複数送受信アンテナを用いる移動通信システムにおけるスケジューリングマルチユーザのための方法と装置」などに記載されているように、複数の無線端末局に対する送信ウエイトベクトルを事前に生成しておき、多数の送信待ちの宛先無線端末局の中から、それぞれの送信ウエイトベクトルの内積が小さくなるような組み合わせを選択し、その送信ウエイトベクトルに対応した無線端末局を選択して通信を行うという方法がある。
なお、ここでの無線端末局の選択処理は、従来技術においては、図7または図9の空間多重条件判断回路(119aまたは119b)にて実施される処理に対応する。
WO2005/055484A1 US2005/0032521A1
ここで、上述した従来の無線通信方法において、送信データが送信バッファ内に存在し、送信待ちの宛先である無線端末局がN局あったとする。
そのとき、例えば、無線端末局のN個の中の4局を選択して割り当てを行う場合、組み合わせの数としてはとなる。仮に、N=8であったとしても、=70となり、選択した4局に対して、70通りの組み合わせを確認する必要がある。
このとき、それぞれの無線端末局が2系統の空間多重を行うとすれば、送信ウエイトベクトルの内積演算は、各組み合わせで24回ずつ行う必要がある。しかも、ここで求められる送信ウエイトベクトルが9次元の複素ベクトルであるため、この複素ベクトルに対する複素乗算の数は、9×24×70=15120回が必要となる。
これではあまりにも演算量が多く、送信処理が煩雑となるため、簡単に相関が小さな組み合わせを簡易な処理で検索できる必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マルチユーザMIMO通信を行う際の送信指向性制御において、各無線端末局に関する部分伝達関数行列から行う干渉成分除去処理における内積演算を無線端末局の組合せ毎に行うことなく、簡易にマルチユーザMIMOに適した組合せの無線端末局を選択することが可能な無線通信方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明の無線通信方法は、一つの第1の無線局と複数の第2の無線局により構成され、該第1の無線局は複数本のアンテナで構成される第1のアンテナ群を備え、該第2の無線局は複数本のアンテナで構成される第2のアンテナ群を備え、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群および前記第2の無線局の全てないしはその一部の備える前記第2のアンテナ群により構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを介して複数の信号系統を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信することが可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第1の無線局の送信処理は、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と前記複数の第2の無線局の各第2のアンテナ群との間のMIMOチャネルの各伝達関数情報を取得する伝達関数行列取得ステップと、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と複数の中の一つの前記第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される伝達関数行列または該行列と該行列のエルミート共役である行列との積のいずれかの行列の固有ベクトル及び固有値を求める固有値算出ステップと、求められた該固有ベクトルの中の全てまたは一部のベクトルに対し、第1のアンテナ群の中から該ベクトルの各成分の絶対値または絶対値の近似値の中で最大の値の成分を与えるアンテナをメインビームとして選択するメインビーム選択ステップと、前記第2の無線局毎に、該第2の無線局の固有値の絶対値の大きい方から所定の数だけ各固有ベクトルのメインビームに関する情報を記憶するメインビーム情報記憶ステップと、複数の前記第2の無線局に対して空間多重を行いながら信号を送信する際には、送信すべきデータの存在する宛先の前記第2の無線局をリストアップする宛先リストアップステップと、リストアップされた第2の無線局に対して順番に、空間多重を行う行う数だけ固有値の大きい方から順番に固有ベクトルのメインビーム情報を読み出すメインビーム情報読出ステップと、読み出されたメインビームが既に割り当て済みか否かを判断するメインビーム割当判断ステップと、該判断で割り当て済みでない場合には当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施を判断し、一方、該判断で割り当て済みの場合には当該固有ベクト
ルに対応した信号系統の信号送信の実施不可と判断する送信不可判断ステップと、該判断で当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施が判断された場合には該メインビーム及びまたは該メインビームに隣接するメインビームを割り当て済みとして記録するメインビーム割当記録ステップと、割り当て可能なメインビームが残っている場合には次の固有ベクトルないしは次の第2の無線局への割り当てを行うため、宛先リストアップステップに処理を戻す再処理ステップとを実施することを特徴とする。
本発明の無線通信方法は、一つの第1の無線局と複数の第2の無線局とにより構成され、該第1の無線局は複数本のアンテナで構成される第1のアンテナ群を備え、該第2の無線局は複数本のアンテナで構成される第2のアンテナ群を備え、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群および前記第2の無線局の全てないしはその一部の備える前記第2のアンテナ群により構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを介して複数の信号系統を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信することが可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第1の無線局の送信処理は、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と前記複数の第2の無線局の各第2のアンテナ群との間のMIMOチャネルの各伝達関数情報を取得する伝達関数情報取得ステップと、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と複数の中のひとつの前記第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される伝達関数行列または該行列と該行列のエルミート共役である行列との積のいずれかの行列の固有ベクトル及び固有値を求める固有値算出ステップと、求められた該固有ベクトルの中の全てまたは一部のベクトルに対し、第1のアンテナ群の中から該ベクトルの各成分の絶対値または絶対値の近似値の中で最大の値の成分を与えるアンテナをメインビームとして選択するメインビーム選択ステップと、前記第2の無線局毎に、該第2の無線局の固有値の絶対値の大きい方から所定の数だけ各固有ベクトルのメインビームに関する情報及び固有ベクトルの各成分を記憶するメインビーム情報記憶ステップと、複数の前記第2の無線局に対して空間多重を行いながら信号を送信する際には、送信すべきデータの存在する宛先の前記第2の無線局をリストアップする宛先リストアップステップと、リストアップされた第2の無線局に対して順番に、空間多重を行う行う数だけ固有値の大きい方から順番に固有ベクトルのメインビーム情報を読み出すメインビーム情報読出ステップと、読み出されたメインビームが既に割り当て済みか否かを判断する第1の割り当て判断ステップと、割り当て済みの固有ベクトルのうちのメインビームに対応するアンテナ以外の各成分の絶対値ないしは絶対値の近似値の累積値が所定の閾値を超えているか否かを
判断する第2の割り当て判断ステップと、本固有ベクトルの割り当てが行われた場合、新たな割り当てにより既に割り当て済みのメインビームに対応するアンテナに関する前記累積値が新たに所定の閾値を超えることになるか否かを判断する第3の割り当て判断ステップと、前記第1の割り当て判断ステップで割り当て済みではないと判断され、かつ前記第2の割り当て判断ステップで前記累積値が所定の閾値を超えていないと判断され、かつ前記第3の割り当て判断ステップで前記累積値が新たに所定の閾値を超えることはないと判断された場合にのみ当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施可を判断し、一方、その他の場合には当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施不可と判断する送信不可判断ステップと、該判断で当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施可が判断された場合、該メインビームを割り当て済みとして記録するメインビーム割当記録ステップと、該固有ベクトルのうちのメインビームに対応するアンテナ以外の各成分の絶対値ないしは絶対値の近似値を逐次加算し累積値を記憶する累積値記憶ステップと、割り当て可能なメインビームが残っている場合には次の固有ベクトルないしは次の第2の無線局への割り当てを行うため、宛先リストアップステップに処理を戻す再処理ステップとを実施することを特徴とする。
本発明の無線通信方法は、上記記載の無線通信方法であって、前記第1の無線局における前記第1のアンテナ群を構成するアンテナがそれぞれ別々の指向性をもつ指向性アンテナであることを特徴とする。
本発明の無線通信方法は、上記記載の無線通信方法であって、前記第1の無線局における前記第1のアンテナ群が、複数のアンテナ素子の結合として指向性が形成された複数の仮想アンテナによって構成されることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、多数の無線端末の中から効果的に空間多重できる端末の組合せを容易に探すため、複数の指向性ビームアンテナを形成し、各アンテナの通信ウエイトによりメインビームを選び、メインビームが重複しないような端末の組合せを選択することにより、内積演算を無線端末局の組合せ毎に大量に行うことなく、簡単にマルチユーザMIMO通信を行うに有効な組合せとなる無線端末局を選択することが可能となる。
これにより、本発明は、マルチユーザMIMO通信における送信指向性制御の効率が向上し、伝送する電力の損失を抑制することができ、品質を低下させずに送信指向性制御を行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、マルチユーザMIMO通信を行う際、無線基地局から各無線端末局への送信指向性制御において、内積演算を無線端末局の組合せ毎に大量に行うことなく、かつ各端末局に関する部分伝達関数行列から行う干渉成分除去処理を、必要最低限の干渉除去に範囲を限定的に行うことにより、部分伝達関数行列の各行ベクトルが縮小するのを防ぎ、伝送する電力の空間上での損失を抑制することができ、その結果として効率的に伝送を行うことが可能となる。
本発明の無線通信システムにおける無線通信方法を説明する前に、本発明における無線基地局におけるデータの送受信処理の動作原理を説明する。
まず、複数の指向性アンテナを用いて、例えば、図5に示した無線基地局101の9本のアンテナ(第1のアンテナ群)が、図1に示すように全方位を9分割したビームを形成し、サービスエリアを分割的にカバーしている場合を例として考える。
ここでの指向性ビームは、物理的にセクタアンテナを用いて形成しても良いし、複数のアンテナアレー素子により構成されるものであっても構わない。以降の説明では、一例として複数のアレー素子をアナログ的に結合し、指向性ビームを形成した仮想アンテナが存在するものとして説明を行う。
図1は本発明実施形態における指向性アンテナによる指向性ビーム形成例を示す。図において、B1〜B9は各仮想アンテナの指向性ビームを表す。図1の中心にアンテナが存在し、360度の全方位を9等分する形で指向性ビームB1〜B9を形成している。
マルチユーザMIMO通信を行う際に、デジタル的に行う送受信指向性制御においては、この仮想アンテナを実際のアンテナとみなし、これらを線形結合して、更なる指向性ビーム形成を行う。
ここで、ある無線端末局(無線端末局102〜104のいずれか)とのシングルユーザMIMO通信を行う場合を考える。
このとき、無線基地局の送信部においては、送受信先の無線端末局のアンテナと、上記仮想アンテナとの間の伝達関数行列Hを取得する。この伝達関数行列Hの取得方法は、如何なるフィードバック手法を用いても構わない。最終的にはマルチユーザMIMO通信を行うことが目的であるが、ここでは簡単化のためまずシングルユーザMIMO通信とみなして考える。例えば、図5に示すように各無線端末局が3本のアンテナを備えているとすると、伝達関数行列Hは3行9列の行列となる。
これに対し、固有モードSDMを行う場合には、上記(2)式に示した様に伝達関数行列Hに対する対角化のため、伝達関数行列Hに乗ずるユニタリー行列を求める。
ここで、実際には、行列H・Hはランクが「3」であり、非ゼロの固有値は3個しか存在しない。つまり有意な固有ベクトルは3つあり、これらが送信ウエイトベクトルとなる。これらの送信ウエイトベクトルは9つの成分からなるベクトルであり、その絶対値の値が各仮想アンテナの利用の重みを意味する。したがって、その重みが大きい仮想アンテナが、実際の送信において主として用いられるアンテナを意味し、ここではこれをメインビームと呼ぶことにする。このメインビームは固有ベクトル毎に規定される。
次に、マルチユーザMIMO通信において、一つの無線端末局に対して空間多重可能な最大信号系統数は、無線端末局の受信アンテナ数であり、図5の例においては、各無線端末局毎に3系統まで空間多重可能である。
しかし、一例として、一つの無線端末局が2系統(後述する第1及び第2固有ビーム)までの信号系列を空間多重することができるという条件を仮定し説明を行う。
この条件の場合には、3つの送信ウエイトベクトルのうち、固有値の大きい方から二つの固有ベクトルの指向性を主として利用することを意味する。ただし、上述した固有ベクトルは、シングルユーザMIMOの場合に有効な送信ウエイトベクトルであり、マルチユーザMIMO通信において、実際にはこれとは別の送信ウエイトベクトルを用いることとなる。あくまでも、この固有ベクトルは空間多重する信号系列毎のメインビームを選択するために用いるものである。
上述の様にして求めたメインビームの定性的な性質を考える。ある無線端末局へのある信号系列に対するメインビームと、他の無線端末局へのある信号系列に対するメインビームとが共通となるとき、それらの信号系列を同時に空間多重した場合、送信ウエイトベクトルの相関が強い可能性が高く、信号の分離が効率的に行えない危険性が高くなる。
逆に言えば、上述した様にメインビームが重ならない状態に、無線端末局および信号系列を選択して空間多重することにより、無線端末局において受信時の信号分離が効果的に行える可能性が高くなる。
そこで、空間多重を行う相手として無線端末局を選択する際、このメインビームが重ならないようなルールの下で無線端末局、ないしは信号系列を選択すればよい。その後、割り当てられた信号系列に対し、送信ウエイト行列を算出する。
以降、具体例を用い、上述した指向性ビームの生成について説明する。無線基地局101における9つの仮想アンテナ(指向性ビーム)に対し、無線端末局の第1、第2固有ビームの方向を各仮想アンテナに対応させ、第1端末局の第1固有ビーム、第2固有ビームから順番に各無線端末局間で重複のないように、空間多重を行う無線端末局を選択する。
例えば、端末局#1が仮想アンテナB1およびB4を選択、端末局#2が仮想アンテナB3及びB7を選択したとする。
続けて、端末局#3の第1固有ビームは仮想アンテナB1であった場合、端末局#3の割り当てはメインビームが端末局#1の第1固有ベクトルのメインビーム(第1固有ビーム)と重なるため、で割り当ては行わず、次の端末局の割り当てを行う。
次に、端末局#4の第1固有ビームが仮想アンテナB6、第2固有ビームが仮想アンテナB1であったとすると、第1固有ビームは未占有の仮想アンテナB6なので、メインビームとしての割り当ては可能であるが、第2固有ビームは仮想アンテナB1なので割り当ては不可となる。したがって、ひとつの信号系列だけ割り当てを行うか、全ての割り当てを行わないかのいずれかとする。この様に順番に割り当てを行い、全仮想アンテナのメインビームとしての割り当てが終わったら割り当てを確定する。
なお、実際にはメインビーム以外にも信号の漏れ込みがあるため、その漏れ込み量が各仮想アンテナにどの程度洩れ込むかを累積し、
(1)非占有の仮想アンテナにおける漏れ込み量の累積値が閾値を越えたらその仮想アンテナは占有仮想アンテナとみなす、
(2)新たな信号系列の割り当てにより、既占有仮想アンテナの累積値が閾値(固定の閾値、ないしはその仮想アンテナをメインビームにするビームの電力に係数をかけたものを閾値としてもよい)を超える場合には、その新たな信号系列の割り当てを禁止する、
等の処理をおこなうことにより、信号系列間干渉を一定レベル以下に抑えることも可能である。
また、必ずしも全ての仮想アンテナに対してメインビームの割り当てを行わず、一部の仮想アンテナを残しても構わない。特に、仮想アンテナの本数が多い場合には、隣接した仮想アンテナに同時に割り当てを行わないように、隣接させないように仮想アンテナを割り当てるようにすることで、相互干渉を低減することも可能である。
また、本発明における実施形態の送信部及び受信部の構成は従来例と同様であり、メインビームを用いた割り当て判断を行う点において異なっている。
上述した動作原理に対し、以下に処理のフローチャートを具体的な実施形態例として示す。図2は、本発明の第1の実施形態におけるメインビームの選択動作を示すフローチャートである。このフローチャートの動作を図8の送信局に基づいて説明する。
まず、伝達係数行列取得回路117bは、何らかのフィードバック手法により、ある無線端末局に対する伝達関数情報を入手すると(S1)、空間多重条件判断回路119bは、特異値分解により、その伝達関数行列Hに対する第1固有値および第2固有値を求め、これらの固有値に対する固有ベクトルを算出する(S2)。
次に、空間多重条件判断回路119bは、各固有ベクトルの各成分の絶対値(またはその近似値)の大小比較を行い(S3)、絶対値が最大となる成分の方向に対応する仮想アンテナを固有ベクトル毎に選択することでメインビームを選択する(S4)。
そして、空間多重条件判断回路119bは、選択したメインビーム(場合によっては各固有ベクトルの成分またはその絶対値)を内部に記憶し(S6)、メインビーム選択処理を完了する(S7)。
次に図を参照して、本発明の第1の実施形態における送信先の無線端末局の選択処理について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態における送信先の無線端末局の選択動作を示すフローチャートである。
空間多重条件判断回路119bは、データの送信の準備が起動されると(S11)、送信バッファ内に送信すべきデータが存在する宛先である無線端末局のリストアップを行う(S12)。
そして、空間多重条件判断回路119bは、送信データのある宛先の無線端末局として、メインビームの割り当ての順番待ちをしている次の無線端末局がある場合には(S13)、その先頭の無線端末局を選択し(S14)、第1の固有値に対応した信号系列のメインビームBを記憶されたデータテーブルから取得し(S15)、そのメインビームBが割り当て可能であるか否かを、他の無線端末局のメインビーム、すなわち仮想アンテナと重ならないか否かにより判断する(S16)。
このとき、空間多重条件判断回路119bは、メインビームBが割り当て不可能であることを検出すると、次の無線端末局の割り当てのため、処理をステップS13へ戻し、一方、割り当てが可能であれば、処理をステップS17へ進める(S16)。
次に、空間多重条件判断回路119bは、そのメインビームBを上記無線端末局へ割り当てる(S17)。
そして、空間多重条件判断回路119bは、全体の仮想アンテナ(ないしは指向性ビーム)へのメインビームの割り当てが完了したか否か(すなわち、これ以上の割り当てが不可能となる状況であるか否か)を、割当の行われていない仮想アンテナが存在する(残っている)か否かにより判断する(S18)。
このとき、空間多重条件判断回路119bは、まだメインビームの割り当てを行える仮想アンテナが残っている場合、第2の固有値に対応した信号系列のメインビームBを記憶されたデータテーブルから取得し(S19)、そのメインビームBが割り当て可能であるか否かを、ステップS16と同様の処理により判断する(S20)。
ここで、空間多重条件判断回路119bは、メインビームBの割り当てが不可能であることを検出すると、次の無線端末局の割り当てのために処理をステップS13へ戻す。
一方、空間多重条件判断回路119bは、メインビームBの割り当てが可能であることを検出すると、そのメインビームを、無線端末局に割り当てる(S21)。
そして、空間多重条件判断回路119bは、全体の仮想アンテナへのメインビームの割り当てが完了したか否かを、ステップS18と同様の処理により判断する(S22)。
このとき、空間多重条件判断回路119bは、まだ割り当てを行える仮想アンテナが残っていることを検出した場合、ステップS13に処理を戻して割り当ての処理を続ける。
ここで、空間多重条件判断回路119bは、ステップS13において、割り当て待ちの次の無線端末局がない場合、ないしはステップS18およびステップS22にて割り当てが完了している場合、割り当て処理を終了する(S23)。
この後、送信ウエイト算出回路118bにて、割り当てられた信号系列に対する送信ウエイト行列を、例えば、図6に示すような手法により求める。これ以降の処理はすでに説明した従来技術と同様である。
次に、図を参照して本発明の第2の実施形態におけるメインビームの選択動作を説明する。図4は、本発明の第2の実施形態におけるメインビームの選択動作を示すフローチャートである。このフローチャートの動作を、第1の実施形態と同様に、図8の送信局に基づいて説明する。
この図4に示す第2の実施形態のフローチャートと、図3に示す第1の実施形態のフローチャートとの差分は、ステップS24およびステップS25において、干渉情報の加算処理が加わる点である。この干渉情報は、割り当て済みの固有ベクトルの内、メインビームに対応する仮想アンテナ以外の各成分の絶対値ないしは絶対値の近似値である。
これは、メインビームに設定された仮想アンテナ以外の仮想アンテナの成分が、メインビームに設定された仮想アンテナへ干渉の漏れこみを考慮するものである。この考慮としては、図2のステップS6において、空間多重条件判断回路119bが、各固有ベクトルの成分またはその絶対値を記憶した場合、その絶対値(その近似値、またはそのべき乗値でも可)を仮想アンテナ毎に累積する処理を行うことを意味している。
この場合、空間多重条件判断回路119bは、ステップS16およびステップS20における当該メインビームの割り当てが可能か否かを判断する際、まだメインビームとしての割り当てがなされていない仮想アンテナであっても、上記仮想アンテナ毎に累積された固有ベクトルの成分の累積値が閾値を超えている場合、その仮想アンテナの割り当てを不可とする判断がなされる。
また、空間多重条件判断回路119bは、当該信号系列のメインビームの割り当てを、割当のされていない仮想アンテナに対して行うことにより、一旦割り当てがなされた他のメインビームにおける仮想アンテナにおける累積干渉が閾値を越え、この割り当て済みの他のメインビームに悪影響を及ぼすと判断した場合、上記割当がされていない仮想アンテナに対してメインビームの割り当てを不可とすることも可能である。
さらには、図3および図4におけるフローチャートにおける共通の動作として、空間多重条件判断回路119bを、割当を行おうとする仮想アンテナに隣接する仮想アンテナに対して、すでにメインビームの割り当てが行われている場合、その割当を行おうとする仮想アンテナをメインビームとする割り当てを不可と判断するように構成することも可能である。
また、図3及び図4におけるステップS20の処理において、例えば、ある無線端末局の第2固有値が所定の閾値以下である場合、充分な通信の品質が得られないとして、メインビームの割り当て状況に関係なく、仮想アンテナの割り当てを行わない(NO:割り当て不可とする)ことも可能である。
以上の実施形態を説明するための図中においては、アンテナの本数など、各種パラメータを特定の条件(例えばアンテナの本数を送信側9本としたり、第1及び第2固有値ベクトルに対応させて各無線端末局に2系統までの信号系列を空間多重するとしていた)に仮定して説明を行ったが、当然ながらその他の一般的なパラメータによって実施可能である。また、ダウンリンクにおけるマルチユーザMIMOにおける同時に空間多重する無線端末局の選択に加えて、アップリンクにおいても適用することが可能である。特に、ダウンリンクとアップリンクでは近似的にメインビームが等しいと仮定して、ダウンリンク用として求めたメインビーム情報を、そのままアップリンク用として流用して用いることも可能である。
また、従来方式の場合の拡張と同様に、全ての処理を各サブキャリア毎に実施することにより、OFDM変調方式との併用も可能である。またさらに、複数の端末局の中で、同時に空間多重を行う端末局が固定的な場合であっても、ないしは時間と共に適応的に一部のユーザを選択してマルチユーザMIMO通信を行う場合であっても、すなわち、以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することが出来る。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
なお、図3及び図4における送信局側の送信部の各処理の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより送信処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明における仮想アンテナ(指向性アンテナ)によりメインビーム形成例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態におけるメインビームの選択の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における無線端末局の選択の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における無線端末局の選択の動作例を示すフローチャートである。 マルチユーザMIMOシステムの構成例を示す概念図である。 従来技術における送信ウエイト行列Wの算出の動作を示すフローチャートである。 従来技術における送信局側の構成例(シングルキャリアの場合)を示すブロック図である。 従来技術における送信局側の構成例(OFDMの場合)を示すブロック図である。 従来技術における受信局の構成例を示すブロック図である。 従来技術における送信局側における信号受信の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
101…基地局
102,103,104…無線端末局#1〜#3
111a,111b…データ分割回路
112a−1,112a−2,112a−L…プリアンブル付与回路
112b−1,112b−2,112b−L…プリアンブル付与回路
113a−1,113a−2,113a−L…変調回路
113b−1,113b−2,113b−L…変調回路
114a,114b…送信信号変換回路
115a−1,115a−2,115a−M…無線部
115b−1,115b−2,115b−M…無線部
116a−1,116a−2,116a−M…送受信アンテナ
116b−1,116b−2,116b−M…送受信アンテナ
117a,117b…伝達関数行列取得回路
118a,118b…送信ウエイト算出回路
119a,119b…空間多重条件判断回路
120a−1,120a−2,120a−L…IFFT(逆フーリエ変換)回路
120b−1,120b−2,120b−L…IFFT(逆フーリエ変換)回路
121−1,121−2,121−3…受信アンテナ
122−1,121−2,122−3…無線部
123…チャネル推定回路 124…受信信号管理回路
125…伝達関数行列管理回路 126…行列演算回路#1
127…行列演算回路#2 128…硬判定回路
129…データ合成回路 130…MIMO受信処理部

Claims (4)

  1. 一つの第1の無線局と複数の第2の無線局により構成され、該第1の無線局は複数本のアンテナで構成される第1のアンテナ群を備え、該第2の無線局は複数本のアンテナで構成される第2のアンテナ群を備え、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群および前記第2の無線局の全てないしはその一部の備える前記第2のアンテナ群により構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを介して複数の信号系統を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信することが可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記第1の無線局の送信処理は、
    前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と前記複数の第2の無線局の各第2のアンテナ群との間のMIMOチャネルの各伝達関数情報を取得する伝達関数行列取得ステップと、
    前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と複数の中の一つの前記第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される伝達関数行列または該行列と該行列のエルミート共役である行列との積のいずれかの行列の固有ベクトル及び固有値を求める固有値算出ステップと、
    求められた該固有ベクトルの中の全てまたは一部のベクトルに対し、第1のアンテナ群の中から該ベクトルの各成分の絶対値または絶対値の近似値の中で最大の値の成分を与えるアンテナをメインビームとして選択するメインビーム選択ステップと、
    前記第2の無線局毎に、該第2の無線局の固有値の絶対値の大きい方から所定の数だけ各固有ベクトルのメインビームに関する情報を記憶するメインビーム情報記憶ステップと、
    複数の前記第2の無線局に対して空間多重を行いながら信号を送信する際には、送信すべきデータの存在する宛先の前記第2の無線局をリストアップする宛先リストアップステップと、
    リストアップされた第2の無線局に対して順番に、空間多重を行う行う数だけ固有値の大きい方から順番に固有ベクトルのメインビーム情報を読み出すメインビーム情報読出ステップと、
    読み出されたメインビームが既に割り当て済みか否かを判断するメインビーム割当判断ステップと、
    該判断で割り当て済みでない場合には当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施を判断し、一方、該判断で割り当て済みの場合には当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施不可と判断する送信不可判断ステップと、
    該判断で当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施が判断された場合には該メインビーム及びまたは該メインビームに隣接するメインビームを割り当て済みとして記録するメインビーム割当記録ステップと
    を実施することを特徴とする無線通信方法。
  2. 一つの第1の無線局と複数の第2の無線局とにより構成され、該第1の無線局は複数本のアンテナで構成される第1のアンテナ群を備え、該第2の無線局は複数本のアンテナで構成される第2のアンテナ群を備え、前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群および前記第2の無線局の全てないしはその一部の備える前記第2のアンテナ群により構成されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを介して複数の信号系統を同一周波数チャネルおよび同一時刻に空間多重してMIMO通信することが可能な無線通信システムにおける 無線通信方法であって、
    前記第1の無線局の送信処理は、
    前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と前記複数の第2の無線局の各第2のアンテナ群との間のMIMOチャネルの各伝達関数情報を取得する伝達関数情報取得ステップと、
    前記第1の無線局の前記第1のアンテナ群と複数の中のひとつの前記第2の無線局の前記第2のアンテナ群との間の伝達関数情報により構成される伝達関数行列または該行列と該行列のエルミート共役である行列との積のいずれかの行列の固有ベクトル及び固有値を求める固有値算出ステップと、
    求められた該固有ベクトルの中の全てまたは一部のベクトルに対し、第1のアンテナ群の中から該ベクトルの各成分の絶対値または絶対値の近似値の中で最大の値の成分を与えるアンテナをメインビームとして選択するメインビーム選択ステップと、
    前記第2の無線局毎に、該第2の無線局の固有値の絶対値の大きい方から所定の数だけ各固有ベクトルのメインビームに関する情報及び固有ベクトルの各成分を記憶するメインビーム情報記憶ステップと、
    複数の前記第2の無線局に対して空間多重を行いながら信号を送信する際には、送信すべきデータの存在する宛先の前記第2の無線局をリストアップする宛先リストアップステップと、
    リストアップされた第2の無線局に対して順番に、空間多重を行う行う数だけ固有値の大きい方から順番に固有ベクトルのメインビーム情報を読み出すメインビーム情報読出ステップと、
    読み出されたメインビームが既に割り当て済みか否かを判断する第1の割り当て判断ステップと、
    割り当て済みの固有ベクトルのうちのメインビームに対応するアンテナ以外の各成分の絶対値ないしは絶対値の近似値の累積値が所定の閾値を超えているか否かを判断する第2の割り当て判断ステップと、
    本固有ベクトルの割り当てが行われた場合、新たな割り当てにより既に割り当て済みのメインビームに対応するアンテナに関する前記累積値が新たに所定の閾値を超えることになるか否かを判断する第3の割り当て判断ステップと、
    前記第1の割り当て判断ステップで割り当て済みではないと判断され、かつ前記第2の割り当て判断ステップで前記累積値が所定の閾値を超えていないと判断され、かつ前記第3の割り当て判断ステップで前記累積値が新たに所定の閾値を超えることはないと判断された場合にのみ当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施可を判断し、一方、その他の場合には当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施不可と判断する送信不可判断ステップと、
    該判断で当該固有ベクトルに対応した信号系統の信号送信の実施可が判断された場合、該メインビームを割り当て済みとして記録するメインビーム割当記録ステップと、
    該固有ベクトルのうちのメインビームに対応するアンテナ以外の各成分の絶対値ないしは絶対値の近似値を逐次加算し累積値を記憶する累積値記憶ステップと
    を実施することを特徴とする無線通信方法。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の無線通信方法であって、
    前記第1の無線局における前記第1のアンテナ群を構成するアンテナがそれぞれ別々の指向性をもつ指向性アンテナであることを特徴とする無線通信方法。
  4. 前記請求項1または請求項2に記載の無線通信方法であって、
    前記第1の無線局における前記第1のアンテナ群が、複数のアンテナ素子の結合として指向性が形成された複数の仮想アンテナによって構成されることを特徴とする無線通信方法。
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