JP4455087B2 - 電源装置 - Google Patents

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本発明は、各種電子機器に搭載され、トランジスタ等のスイッチング素子をオンオフ制御することで直流電力の制御を行う、自励式非連続モードで動作するチョッパ電源に関し、特にその発信周波数などの変更に関するものである。
従来、自励式非連続モードで動作するチョッパ電源は、その回路構成の簡素さ、使用する回路素子数の少なさから出力容量の小さい、比較的低価格の電源装置として用いられており、なかでもディスクリート部品にて構成したDC―DCコンバータ回路については下記特許文献1がある。
特開2003−284327号公報
しかしながら、前記特許文献1で提案されている従来のチョッパ電源は、発振周波数を任意に設定することができず、発振音,ノイズ等の観点から発振周波数を変更しようとしても任意の周波数に変更することができないという問題があった。また、出力容量を上げようとすると出力電圧精度が維持できないという問題があった。
以下回路例を用いて詳細に説明する。
(基本動作)
以下、図5に従って説明する。図5はオープンコレクタ出力のコンパレータを用いたチョッパ電源の構成を示す回路図である。本チョッパ電源はIC化されたコンパレータI51,主スイッチング素子Q52,回生ダイオードD52,チョークコイルL51,小信号ダイオードD51,電解コンデンサC51,電解コンデンサC52,ツェナーダイオードZD51,電流検出抵抗R51,抵抗R52,R53,R54,R55,R56,R57,R58,R59にて構成されている。
それぞれの接続関係であるが、電解コンデンサC51は電源入力端となり、主スイッチング素子Q52の電流流入端に電流検出抵抗R51を介して接続されている。主スイッチング素子Q52の電流流出端にはチョークコイルL51が接続され、チョークコイルL51の他端には電解コンデンサC52が接続されている。主スイッチング素子Q52の電流流出端とチョークコイルL51の共通接続点には回生ダイオードD52のカソード端子が接続され、回生ダイオードD52のアノード端子は電源入力端及び電源出力端の低電位側(GND側)に接続されている。コンパレータI51の出力端子は抵抗R55を介して主スイッチング素子Q52の制御端子に接続されている。主スイッチング素子Q52の制御端子と電流流入端との間には抵抗R54が接続され、コンパレータI51がオープンコレクタ出力のときに電流流入端と制御端子間に電位差が生じないようにしている。コンパレータI51の反転入力端子には抵抗R57の一端が接続され、抵抗R57の他端には抵抗R59とツェナーダイオードZD51のカソード端子との接続点に接続されている。抵抗R59の他端は電源入力の高電位側に接続され、ツェナーダイオードZD51のアノード端子は電源入力の低電位側に接続することでコンパレータI51の反転入力端子にツェナーダイオードZD51で決める基準電圧を入力している。抵抗R57とR59との接続点にはダイオードD51のアノード端子が接続され、ダイオードD51のカソード端子はチョークコイルL51と主スイッチング素子Q52の電流流出端との接続点に接続されている。コンパレータI51の非反転入力端子には抵抗R56の一端が接続され、R56の他端には抵抗R58とR53の一端が接続される。R58の他端は出力電圧に接続される。R53の他端は過負荷保護素子Q51の電流流出端に接続され、過負荷保護素子Q51の電流流入端は電流検出抵抗R51の電源入力端側に接続され、過負荷保護素子Q51の制御端子には抵抗R52の一端が接続され、抵抗R52の他端は電流検出抵抗R51と主スイッチング素子Q52の電流流入端との接続点に接続される。
チョッパ電源の各部の動作を以下に説明する。主スイッチング素子Q52はPチャネルのMOSFETから構成され、電源入力としては例えば24Vを入力し、出力電圧としては例えば3.3Vを出力する降圧型のチョッパ電源の例を示している。コンパレータI51の出力がLOWのとき、主スイッチング素子Q52はオン状態となる。このときダイオードD51のカソード電位は24Vとなり、このダイオードD51は非導通状態である。コンパレータI51の反転入力端子には基準電圧である3.3Vが入力され、3.3V出力が上昇し、コンパレータI51の非反転入力端子の電圧が基準電圧より高くなると、コンパレータI51の出力はHIGHとなり、主スイッチング素子Q52はオフ状態となる。このときチョークコイルL51には主スイッチング素子Q52のオンによってエネルギーが蓄えられるため、チョークコイルL51は回生ダイオードD52を介して電流を流す。このときダイオードD51のカソード電位は電源入力の低電位側の電圧(この場合GND)より回生ダイオードD51の電圧降下分だけ低い電位になるため、ダイオードD51は導通状態となり、コンパレータI51の反転入力端子電圧は回生ダイオードD52とダイオードD51の電圧降下の差分の電圧となる。すなわち回生ダイオードD52の電圧降下が0.3V程度でダイオードD51の電圧降下が0.7V程度だとすると反転入力端子電圧は−0.3V+0.7V=0.4Vとなる。従って回生ダイオードD52が導通状態を維持している間はコンパレータI51の出力はHIGHレベルを維持し、主スイッチング素子Q52はオフ状態を維持することになる。チョークコイルL51の回生が終了し、回生ダイオードD52が非導通状態となるとコンパレータI51の反転入力端子電圧は上昇し、基準電圧となる。その後基準電圧に比べてコンパレータI51の非反転入力電圧が低下してくると、コンパレータI51の出力はLOWとなり、主スイッチング素子Q52は再びオン状態となる。
以上の動作を繰り返すことで負荷に応じた発振周波数で発振し、負荷に電力を供給する。
抵抗R56とR57はコンパレータI51の入力インピーダンスを揃えるために接続されている。また電流検出抵抗R51は主スイッチング素子Q52,チョークコイルL51に流れる電流を電圧に変換し、過負荷保護のために設けられているPNPトランジスタQ51のベース,エミッタ間に電位差を生じさせるよう動作する。電流検出抵抗R51に流れる電流により生じる電圧がPNPトランジスタQ51の動作電圧(例えば0.7V)以上になるとPNPトランジスタQ51はオン状態となり、コレクタ端子の電圧が上昇する。コレクタ電圧の上昇によりコンパレータI51の非反転入力電圧は上昇し、基準電圧より高くなることにより、コンパレータI51の出力がHIGHとなり、主スイッチング素子Q52はオフ状態に強制的に遷移することになる。この過負荷保護用の動作はチョッパ電源の立ち上がり時、過負荷時に主スイッチング素子Q52に流れる電流を制限する役割を果たすために設けられており、通常動作時に動作することはない。
(問題となる動作)
主スイッチング素子Q52がオン状態に移行してからオフ状態へ移行するまでの時間(主スイッチング素子Q52のオン時間)はチョークコイルL51,電解コンデンサC52を介して出力電圧が上昇し、出力電圧の分圧値が基準電圧を越えるまでの時定数及び電圧の上昇をコンパレータI51が検知するまでの時間で決まる。通常、負荷変動範囲を広げる場合、チョークコイルL51のインダクタンス値を下げ、単位時間あたりにチョークコイルL51に与えるエネルギーを大きくするが、インダクタンス値を小さくすることによりオン時間が短くなるが、インダクタに蓄えられるエネルギーは変化せず、インダクタの回生時間はインダクタンス値に比例して小さくなるため、発振周波数が上昇してしまうことになる。以下に詳細を説明する。
下記(1)式よりLが1/2になるとIは2倍になる。そのため(2)式よりオン時間が変わらなければ単位時間あたりにインダクタに蓄えられるエネルギーが4倍になるはずであるが、このときの出力電圧は(3)式よりtonが1/2で同じ上昇幅になるため、tonが1/2になる。そのため(2)式によりインダクタに蓄えられるエネルギーは変わらないことになる。すなわちLが1/2になるとtonも1/2になってしまうことになる。

I=Vin×ton/L ・・・・・・・・・・・・・(1)
E=0.5×(Vin×ton/L) ・・・・・・(2)
V=I×ton/C ・・・・・・・・・・・・・・(3)
また、出力電圧のリップル電圧を下げるために電解コンデンサC52の容量等を上昇させると、(3)式により主スイッチング素子Q52のオン時間が長くなる。こういった調整により負荷条件にあわせて動作させることはできるものの、目的の負荷条件に対して発振周波数を任意に設定することはできない。すなわち、発振音,放射ノイズ等から発振周波数を変更する必要が生じても負荷に対して一義的に発振周波数が決定してしまうため、定数選定に自由度が少ないという問題がある。また、コストを抑えるためにコストに占める割合の高い主スイッチング素子Q52の定格を下げようとしても、チョークコイルL51,電解コンデンサC52等の周辺部品の定数により電流定格が決定してしまうため、コストを抑えることが非常に難しいという問題がある。
発振周波数と負荷との関係について考察する。前述のように主スイッチング素子Q52のオン時間は周辺部品の定数により一義的に決定される。また、回生ダイオードD52の回生時間に関しても同様である。負荷が増加すると出力電圧がより速く低下するため、本チョッパ電源においては回生ダイオードD52が回生を終了するまでは再び主スイッチング素子Q52はオン状態になれないが、回生が終了してしまえばオンできる状態であるため、負荷が増加すると主スイッチング素子Q52のオン時間、回生ダイオードD52の回生時間は固定のまま、主スイッチング素子Q52のオンから次のオンまでの時間を短くするように制御される。すなわち、発振周波数が上昇する。しかしながら、主スイッチング素子Q52のオン時間と回生ダイオードD52の回生時間が固定されているため、周波数の変化範囲には上限が存在することになる。また、主スイッチング素子Q52のオン状態が終了した後、ダイオードD52が回生し、再びオン状態に移行するまでの間にはダイオードD51が導通から非導通状態になるまで必ず一定の時間が存在する。そのため、この上限の周波数になる負荷よりもさらに負荷が増えると、ダイオードD51が導通から非導通まで遷移するまでの時間は一定であるため、この時間の間に電解コンデンサC52の電荷が負荷側に移動するため、出力電圧は低下し始める。詳細には出力電圧のリップル電圧成分のうち、リップル電圧の上限が基準電圧と同じになり、リップル電圧の下限が下がることになる。このとき、主スイッチング素子Q52のオン時間を延ばすことで出力電圧を維持しようとするため、発振周波数が下がり始める。しかしながら、負荷が増加した状態ではダイオードD51の遷移時間にさらに出力電圧が低下するため、出力電圧のリップル下限がさらに下がり始める。よって平均化してみた場合、出力電圧が低下してしまうことになる。
この現象は単位時間に与えるエネルギーを増加させようとチョークコイルL51のインダクタンス値を下げることで実現するのが常であるが、インダクタンス値を下げることにより発振周波数が上昇するため、出力電圧の低下し始める負荷がより低い方に移動するように働くことになる。
そのため本来であれば、発振周波数の上限と負荷変動範囲の上限が一致しているのが理想的であるが、前述の理由で発振周波数を任意に変更することが難しいため、ある程度負荷が増加してくると出力電圧の平均値が低下してしまうのは避けられないという問題があった。
図4には実施例での改善結果とあわせて、本従来例に係るチョッパ電源回路を作成し、実測にて求めた負荷増加による発振周波数の変化、出力電圧の変化を示している。こちらからも本現象が確認できた。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、ディスクリート部品で構成した非連続動作チョッパ電源からなる電源装置において、発振周波数,スイッチング素子の定格等を任意に設定できるようにし、負荷変動による出力電圧の変動を抑制することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明では、電源装置を次ぎの(1)ないし(7)のとおりに構成する。
(1)電源出力側に一端が接続されたインダクタと、電源入力側と前記インダクタの間に接続され、前記インダクタを介して出力される出力電圧を制御するための電圧制御手段と、前記電圧制御手段の電流流出側にカソードが接続され、アノードが電源入力及び電源出力の低電位側に接続される整流手段と、前記出力電圧に比例した電圧と基準電圧入力され入力された前記出力電圧と前記基準電圧の比較結果に応じて前記電圧制御手段をオン状態またはオフ状態とする差動増幅手段と、前記電圧制御手段を流れる電流が所定値を超えたとき、前記差動増幅手段によって前記電圧制御手段をオフ状態にして過負荷保護を行うために、前記差動増幅手段の2つの入力側のうち、前記出力電圧に比例した電圧入力側に、前記電源入力側の電圧を重畳する過負荷保護手段と、前記差動増幅手段の2つの入力側のうち、前記基準電圧入力側と前記電圧制御手段の電流流出側との間に接続され、前記電源出力側に接続される負荷に応じて前記基準電圧を変更する電圧設定手段とを備え、前記電圧設定手段は、前記インダクタのエネルギーの蓄積時に前記差動増幅手段に入力される前記基準電圧を該基準電圧より高い電圧に上昇させ、前記インダクタのエネルギー放出時に前記差動増幅手段に入力される前記基準電圧を該基準電圧より低い電圧に低下させる電源装置。
(2)前記インダクタは、一端が前記電圧制御手段の電流流出側に接続され、他端が前記電源出力側に接続されたコンデンサ前記差動増幅手段の前記出力電圧に比例した電圧の入力側に接続されたチョークコイルであり、前記電圧設定手段は、アノードが前記差動増幅手段の前記基準電圧入力側に接続され、カソードが前記電圧制御手段の電流流出側に接続されたツェナーダイオードであり、前記電圧制御手段は、電流流入が前記電源入力側に接続され、電流流出が前記インダクタに接続されるとともに、前記電圧設定手段のカソードに接続され、制御端子が前記差動増幅手段の出力側に直接あるいは抵抗を介してあるいはコンデンサを介して接続されたスイッチング素子である前記(1)記載の電源装置。
(3)前記ツェナーダイオードのツェナー電圧は、前記電源入力側の電圧と前記差動増幅手段の前記基準電圧入力側に入力される前記基準圧との差分電圧よりも小さい前記(2)記載の電源装置。
(4)前記差動増幅手段は、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を上回った場合に前記電圧制御手段をオフ状態とし、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を下回った場合に前記電圧制御手段をオン状態とするコンパレータである前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の電源装置。
(5)前記差動増幅手段は、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を上回った場合に前記電圧制御手段をオフ状態とし、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を下回った場合に前記電圧制御手段をオン状態とするオペアンプである前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の電源装置。
(6)前記差動増幅手段は、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を上回った場合に前記電圧制御手段をオフ状態とし、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を下回った場合に前記電圧制御手段をオン状態とするディスクリートの差動増幅器である前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の電源装置。
(7)前記過負荷保護手段は、一端が前記電源入力側に接続され、他端が前記電圧制御手段の電流流入側に接続された電流検出抵抗と、電流流入側が前記電源入力側に接続され、電流流出側が前記差動増幅手段の前記出力電圧に比例した電圧入力側に接続され、前記電流検出抵抗の電圧降下が閾値を越えたときにオン状態となるスイッチング素子とを有し、前記スイッチ素子がオン状態となったとき、前記差動増幅手段の前記出力電圧に比例する電圧入力側に前記電源入力側の電圧を重畳する前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の電源装置。
従来例のようにオン時間が固定されてしまっているために、負荷の増加に応じて発振周波数は上昇してしまい、出力電圧の低下ポイントが目的とする負荷変動範囲に対して任意に発振周波数を設定することができないという問題に対して、本発明によれば、主スイッチング素子のオン時間を独立に変化させることができるため任意の発振周波数に設定できる。また、設定したい負荷変動範囲内において出力電圧の低下を防止することができる。そのため、発振音,ノイズ等の観点から発振周波数を変更する必要が生じた場合にも自在に変更することが可能である。また、コストの観点からも比較的コスト比率の高いMOSFET等の定格を上げずに設計することが可能となる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
図1は実施例1である“チョッパ電源”の構成を示す回路図である。従来例と同じ機能である箇所には同符号を付与し、動作説明は省略することにする。本実施例における従来例との相違点は、チョークコイルL51の回生を検知するダイオードD51をツェナーダイオードZD11に変更している点である。
以下本実施例における動作について詳細に説明する。
ツェナーダイオードZD11のツェナー電圧(Vz)としては電源入力電圧である24V(Vin)からコンパレータI51の基準入力側の入力電圧(Vref)を引いた差分の電圧よりも小さく数値のものが選択される。すなわち下記(4)式を満足するように選択する。このツェナーダイオードZD11の動作であるが、コンパレータI51の出力がLOWになり、主スイッチング素子Q52がオン状態となったときはツェナーダイオードZD11のカソード端子には入力電圧である24Vが印加され、アノード端子の電圧がコンパレータI51の基準電圧入力側の電圧になっているため、ツェナーダイオードZD11は定電圧動作し、コンパレータI51の基準電圧入力側の電圧が上昇する。このときの電圧は(4)式よりツェナー電圧が選択されていれば、VinとVrefとの電圧の間の電圧になる。

Vz<Vin−Vref ・・・・・(4)
すなわち、コンパレータI51の基準入力側の電圧は上昇することになるので、主スイッチング素子Q52はオン状態を継続することになる。その後、主スイッチング素子Q52に流れる電流、すなわち電流検出抵抗R51に流れるが増加していく。この電流値が過負荷保護手段用に設けられているPNPトランジスタQ51の動作電圧(例えば0.7V)を越えると、PNPトランジスタQ51はオン状態となり、PNPトランジスタQ51の電流流出端子の電圧が上昇する。この上昇によりコンパレータI51の非反転入力側の入力電圧が上昇することになるため、コンパレータI51の出力が反転してHIGHとなり、主スイッチング素子Q51はオフ状態になる。このときチョークコイルL51には主スイッチング素子Q52のオンによってエネルギーが蓄えられるため、チョークコイルL51は回生ダイオードD52を介して電流を流す。このときツェナーダイオードZD11のカソード電位は電源入力の低電位側の電圧(この場合GND)より回生ダイオードD52の電圧降下分だけ低い電位になるため、ツェナーダイオードZD11は導通状態となり、コンパレータI51の反転入力端子電圧は回生ダイオードD52とツェナーダイオードZD11の電圧降下の差分電圧となる。すなわち回生ダイオードD52の電圧降下が0.3V程度でツェナーダイオードZD11の電圧降下が0.7V程度だとすると反転入力端子電圧は−0.3V+0.7V=0.4Vとなる。従って回生ダイオードD52が導通状態を維持している間はコンパレータI51の出力はHIGHレベルを維持し、主スイッチング素子Q52はオフ状態を維持することになる。チョークコイルL51の回生が終了し、回生ダイオードD52が非導通状態となるとコンパレータI51の反転入力端子電圧は上昇し、基準電圧となる。その後、基準電圧に比べてコンパレータI51の非反転入力電圧が低下してくると、コンパレータI51の出力はLOWとなり、主スイッチング素子Q52は再びオン状態となる。
以上の動作を繰り返すことで負荷に応じた発振周波数で発振し、負荷に電力を供給する。
すなわち、出力電圧の低下により主スイッチング素子Q52はオン状態になるが、オフ状態に移行するタイミングについては過負荷保護手段として用いているPNPトランジスタQ51のオン動作に依存していることになる。通常、負荷変動範囲を広げる場合、従来例にて述べたように、チョークコイルL51のインダクタンス値を下げることで単位時間あたりにチョークコイルL51に与えるエネルギーを大きくするが、従来例のようにオン時間が固定されてしまっている場合には発振周波数は上昇してしまい、出力電圧の低下ポイントがより負荷の低い方に移動してしまうのに対して、本実施例の場合には、チョークコイルL51のインダクタンス値を下げたとしても、主スイッチング素子Q52のオン時間を電流検出抵抗R51によって変化させることができるため任意の発振周波数に設定できる。また、設定したい負荷変動範囲内において出力電圧の低下を防止することができる。また、仮に出力電圧のリップル電圧を下げようとして、電解コンデンサC22の容量を大きくしようとすると従来例では発振周波数が変動してしまったのに対して、本実施例では発振周波数を変動させることなく、出力電圧に発生するリップル電圧を独立に調整することが可能となる。
図4は、本実施例のチョッパ電源と従来例のチョッパ電源の実際の測定結果を示している。左側のグラフの横軸は負荷変動を縦軸は発振周波数を示している。また、右側のグラフの横軸は同じく負荷変動を縦軸は出力電圧を示している。いずれもチョークコイルは同一のものとしており、電流検出抵抗も同じである。発振周波数に関してみてみると、従来例では負荷変動範囲の間に最高周波数のポイントがあり、それ以上の負荷になると発振周波数が徐々に低下していくのに対して、本実施例では負荷変動範囲内にて発振周波数が負荷の増加に伴ってリニアに増加しているのがわかる。発振周波数の絶対値自身は従来例に比べて低くなっているが、これはチョークコイル,電流検出抵抗を調整することで上下させることが可能である。また、出力電圧の精度に関しては従来例では発振周波数が下がり始めるポイントから出力電圧が下がり始め、負荷の増加に応じて徐々に下がっていくのに対して、本実施例では出力電圧の低下は認められず、本実施例が出力電圧の低下にも有効であることが確認できる。
本実施例においては電圧設定手段ZD11にツェナーダイオードを用いた場合を示したが、本発明では同じ機能を有するものであればツェナーダイオードに限定したものではない。
図2は実施例2である、プッシュプル出力のオペアンプI21を用いた“チョッパ電源”を示す回路図である。前記実施例1との違いはコンパレータI51の代わりにオペアンプI21を用いたところにあり、オペアンプI21の出力端と主スイッチング素子Q52の制御端子に接続されている抵抗R55との間にカップリング用のコンデンサC21が接続されている。オペアンプI21を用いたときの動作に関してもコンパレータI51を用いたときと変わらないためここでの説明は省略する。
図3は、実施例3であるディスクリートの差動増幅器I31を用いた“チョッパ電源”を示す回路図である。前記実施例1との違いはコンパレータI51の代わりに差動増幅器I31を用いたところにあり、差動増幅器I31はトランジスタQ31及びトランジスタQ32を有し、トランジスタQ31とQ32の電流流出端子には抵抗R31が接続され、抵抗R31の他端はGNDに接続されている。
差動増幅器I31の反転入力端子はトランジスタQ32の制御端子に接続され、非反転入力端子はトランジスタQ31の制御端子に接続されている。トランジスタQ31の電流流入端子は抵抗R55を介して主スイッチング素子Q52の制御端子に、トランジスタQ32の電流流入端子は抵抗を介さず、直接主スイッチング素子Q52の制御端子に接続されている。
本実施例の動作,効果は実施例1と同様なので、ここでの説明は省略する。
なお、チョッパ電源の構成を示す図1から図3においては一回路を例として示したが、例えば主スイッチング素子Q52をバイポーラトランジスタから構成する場合などの如く、適宜構成に変更を加えることが可能である。また、各実施例では基準電源をツェナーダイオードで作成したが、本発明は基準電圧の作成方法を本手段に限定したものではない。
実施例1の回路図 実施例2の回路図 実施例3の回路図 実施例と従来例における、負荷電流と発振周波数及び出力電圧の特性図 従来例の回路図
符号の説明
I51 オープンコレクタ出力コンパレータ
I21 プッシュプル出力オペアンプ
I31 差動増幅器
Q52 主スイッチング素子
L51 チョークコイル
D52 回生ダイオード
ZD11 ツェナーダイオード
R51 電流検出抵抗
Q51 小信号トランジスタ

Claims (7)

  1. 電源出力側に一端が接続されたインダクタと、
    電源入力側と前記インダクタの間に接続され、前記インダクタを介して出力される出力電圧を制御するための電圧制御手段と、
    前記電圧制御手段の電流流出側にカソードが接続され、アノードが電源入力及び電源出力の低電位側に接続される整流手段と、
    前記出力電圧に比例した電圧と基準電圧入力され入力された前記出力電圧と前記基準電圧の比較結果に応じて前記電圧制御手段をオン状態またはオフ状態とする差動増幅手段と、
    前記電圧制御手段を流れる電流が所定値を超えたとき、前記差動増幅手段によって前記電圧制御手段をオフ状態にして過負荷保護を行うために、前記差動増幅手段の2つの入力側のうち、前記出力電圧に比例した電圧入力側に、前記電源入力側の電圧を重畳する過負荷保護手段と、
    前記差動増幅手段の2つの入力側のうち、前記基準電圧入力側と前記電圧制御手段の電流流出側との間に接続され、前記電源出力側に接続される負荷に応じて前記基準電圧を変更する電圧設定手段とを備え、
    前記電圧設定手段は、前記インダクタのエネルギーの蓄積時に前記差動増幅手段に入力される前記基準電圧を該基準電圧より高い電圧に上昇させ、前記インダクタのエネルギー放出時に前記差動増幅手段に入力される前記基準電圧を該基準電圧より低い電圧に低下させることを特徴とする電源装置。
  2. 前記インダクタは、一端が前記電圧制御手段の電流流出側に接続され、他端が前記電源出力側に接続されたコンデンサ前記差動増幅手段の前記出力電圧に比例した電圧の入力側に接続されたチョークコイルであり、
    前記電圧設定手段は、アノードが前記差動増幅手段の前記基準電圧入力側に接続され、カソードが前記電圧制御手段の電流流出側に接続されたツェナーダイオードであり、前記電圧制御手段は、電流流入が前記電源入力側に接続され、電流流出が前記インダクタに接続されるとともに、前記電圧設定手段のカソードに接続され、制御端子が前記差動増幅手段の出力側に直接あるいは抵抗を介してあるいはコンデンサを介して接続されたスイッチング素子であることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記ツェナーダイオードのツェナー電圧は、前記電源入力側の電圧と前記差動増幅手段の前記基準電圧入力側に入力される前記基準圧との差分電圧よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記差動増幅手段は、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を上回った場合に前記電圧制御手段をオフ状態とし、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を下回った場合に前記電圧制御手段をオン状態とするコンパレータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源装置。
  5. 前記差動増幅手段は、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を上回った場合に前記電圧制御手段をオフ状態とし、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を下回った場合に前記電圧制御手段をオン状態とするオペアンプであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 前記差動増幅手段は、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を上回った場合に前記電圧制御手段をオフ状態とし、前記出力電圧に比例した電圧が前記基準電圧を下回った場合に前記電圧制御手段をオン状態とするディスクリートの差動増幅器であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源装置。
  7. 前記過負荷保護手段は、
    一端が前記電源入力側に接続され、他端が前記電圧制御手段の電流流入側に接続された電流検出抵抗と、
    電流流入側が前記電源入力側に接続され、電流流出側が前記差動増幅手段の前記出力電圧に比例した電圧入力側に接続され、前記電流検出抵抗の電圧降下が閾値を越えたときにオン状態となるスイッチング素子とを有し、
    前記スイッチ素子がオン状態となったとき、前記差動増幅手段の前記出力電圧に比例する電圧入力側に前記電源入力側の電圧を重畳することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電源装置。
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