JP4454891B2 - 対物レンズ鏡筒の加工装置及び加工方法 - Google Patents

対物レンズ鏡筒の加工装置及び加工方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡等の光学機器に使用するレンズ、特に対物レンズを内蔵した鏡筒(以下、対物レンズ鏡筒という)を加工する加工装置及び加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微小電子部品等の生産においては、顕微鏡などの光学機器を用いてその検査を行っている。例えば、光学機器が顕微鏡の場合、低倍率の対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒や高倍率の対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の複数個がレボルバに、それぞれ取付ねじ部を介して取り付けられている。これらの対物レンズ鏡筒のそれぞれに組み込まれる各対物レンズは、いずれの対物レンズにおいても、レボルバによる対物レンズの切換時には、焦点位置が一致するように調整されている。このような顕微鏡の操作では、観察者が接眼レンズを覗きながら、まず低倍率の対物レンズを用いて視野内に測定個所を位置決めして焦点合わせを行い、次にレボルバを回転させて高倍率の対物レンズに切り換えて測定を行う。
【0003】
このようなレンズの切換が行われる操作において、低倍率の対物レンズと高倍率の対物レンズとの間で光軸のズレ又は倒れ若しくは焦点のズレなどの光学的な差違があると、低倍率の対物レンズから高倍率の対物レンズへ切り替え時に視野中心がずれて測定個所が外れたり、焦点がずれることがある。このような場合には、視野中心を合わせるために低倍率の対物レンズに再度切り換えて、再度の測定個所の位置決めや、焦点合わせを行う必要がある。
【0004】
このような煩雑な操作をなくして検査対象となる個所(試料とも呼ばれる)を自動的に検査できるようにするため、顕微鏡等の光学機器に自動位置決め機構や自動焦点合わせ機構を設けることが行われている。図9はこのような自動焦点合わせ機構を備えた特開平5−88091号公報に記載された模式的な構造の顕微鏡で、左側に光学系、右側に制御装置が示されている。
【0005】
この顕微鏡は、試料103に焦点が合うように、試料103を載置した試料ステージ104を自動的に移動(図では上下方向に移動)させる機能を有している。この機能を実現するため、接眼レンズ105及び対物レンズ101に加えて、撮像素子106、半円状の透過平面板107及び制御装置110を備えている。なお、接眼レンズ105と対物レンズ101は、単レンズとして単純化しているが、実際には、各レンズ105、101の大部分は複数レンズから構成されるレンズ群であり、それぞれが接眼レンズ鏡筒及び対物レンズ鏡筒に組み込まれている。
【0006】
半円状の透過平面板107は、接眼レンズ105と対物レンズ101との間に設けられており、パルスモータ108によって回転されることにより、これらのレンズ105,101間の光路内に挿入及び離脱する。パルスモータ108は制御装置110によって制御されるものである。
【0007】
試料ステージ104は制御装置110によって制御されたパルスモータ120に連結されており、制御装置110からの指令に従って、光路内で上下方向に移動する。撮像素子106は接眼レンズ105の上方で、目視の場合の網膜の位置と等価な位置に位置するように顕微鏡の鏡筒に固定されており、その出力信号がビデオアンプ109によって増幅された後、制御装置110に送出される。制御装置110は、MPU(処理装置)111、ROM112、RAM113、バスライン114、モータドライバ115,116、A/Dコンバータ117を備えている。
【0008】
この顕微鏡では、制御装置110によって制御されるパルスモータ120により試料ステージ104を例えば下方から上方に移動させ、その移動の際に、光路内に透過平面板107を挿入した時と離脱した時とのそれぞれのコントラスト値を撮像素子106が測定し、制御装置110がそれらの値を比較する。この比較値から合焦点を求め、その位置まで試料ステージ104を移動させることにより自動的に試料に焦点が合うようにするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9のように自動的に合焦させる機構を備えた顕微鏡では、構成部品が多くなり、構造が複雑で、高価となる問題がある。これに対し、観察者が手作業で視野中心を合わせる場合には、熟練を要したり、焦点合わせをする際に試料ステージの移動を微細に調整する必要があり、観察の際の負担となるばかりでなく、作業時間が長くなる問題がある。
【0010】
本発明はこのような従来の問題点を考慮してなされたものであり、検査対象となる試料を観察したり測定する際に、自動位置決め機構や自動焦点合わせ機構を用いなくても、対物レンズを低倍率のものから高倍率のものに切り換えたときに、再度の位置決めや焦点合わせを必要とすることなく、観察や測定を行うことができる対物レンズ、具体的には対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒を提供するため、対物レンズ鏡筒を加工する加工装置及び加工方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
光学機器のレボルバに取り付けた対物レンズ鏡筒の切換によって、対物レンズを低倍率から高倍率に切り換えた際に視野中心や焦点がずれるのは、レボルバの支持ねじ部(雌ねじ)のそれぞれに取付ねじ部(雄ねじ)を介して取り付けた各対物レンズ鏡筒におけるレボルバへの取付位置または取付角度がずれていたり、対物レンズ鏡筒に内蔵される対物レンズの焦点位置から対物レンズ鏡筒のレボルバへの取付面までの距離が対物レンズによってずれているためである。
【0012】
本発明では、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒のレボルバへの取付位置またはレボルバへの取付角度および内蔵された対物レンズの焦点位置から対物レンズ鏡筒のレボルバへの取付面までの距離が、倍率が異なった対物レンズ間であっても常に同一となって位置決めや焦点合わせの必要がないように、対物レンズ鏡筒に対してレボルバへの取付面及び取付ねじ部(雄ねじ)を高精度に加工して課題を解決するものである。
【0013】
すなわち、請求項1の発明の対物レンズ鏡筒の加工装置は、レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒に加工する加工装置であって、前記対物レンズ鏡筒を保持するチャックと、このチャックを回転させるスピンドルと、前記対物レンズ鏡筒内の前記対物レンズに測定光を照射する光学系と、測定光が前記対物レンズを透過して結像する位置に配置される標本を有し該標本に結像したスポットを観察可能にする観察系と、前記標本の位置と前記対物レンズの焦点位置とが一致するように前記チャックと前記スピンドルとの相対位置を調整する位置調整機構部と、前記標本と前記対物レンズ鏡筒の前記取付面との間隔を一定に保った状態で前記チャックに保持した前記対物レンズ鏡筒の前記取付面を加工し、前記取付ねじ部を加工する加工工具と、前記観察系を配置した観察系支持枠と、前記加工工具を取り付けたバイト台と、を備え、前記観察系支持枠と前記バイト台とが連結されており、前記加工工具と前記標本との間隔を一定の同焦距離に固定した状態で、前記観察系支持枠と前記バイト台とが測定光の光路に沿って一体的に移動可能となっていることを特徴とする。
【0014】
この発明では、標本の所定位置と対物レンズの焦点位置とが一致するように位置調整を行い、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の取付面と標本との間隔を一定に保った状態で取付面の加工を行うと共に取付ねじ部の加工を行う。
【0015】
このような加工では、標本と対物レンズ鏡筒の取付面との距離が常に一定となっているため、異なった対物レンズ鏡筒を加工しても、それに内蔵される対物レンズの焦点位置と取付面との距離が常に一定となる。このため、加工された対物レンズ鏡筒を顕微鏡等の光学機器のレボルバに取り付けても、レボルバに対する方向(取付位置または取付角度)が常に所定の方向となるため、レボルバの回転により対物レンズを切り換えても視野中心が一定となり、焦点がずれることがなくなる。
【0016】
このような発明では、高価な自動位置決め機構や自動焦点合わせ機構が不要となり、また、再度の位置決めや焦点合わせが不要となって作業時間を短縮することができる。
【0017】
請求項2の発明の対物レンズ鏡筒の加工装置は、レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒に加工する加工装置であって、前記対物レンズ鏡筒を保持するチャックと、このチャックを回転させるスピンドルと、前記対物レンズ鏡筒内の前記対物レンズに測定光を照射する光学系と、測定光が前記対物レンズを透過して結像する位置に配置される標本を有し該標本に結像したスポットを観察可能にする観察系と、前記標本の位置と前記対物レンズの焦点位置とが一致するように前記チャックと前記スピンドルとの相対位置を調整する位置調整機構部と、前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と前記対物レンズ鏡筒の前記取付面との間隔を同焦距離とした状態で、前記対物レンズ鏡筒の前記取付面を加工し、前記取付ねじ部を加工する加工工具と、前記観察系を配置した観察系支持枠と、前記加工工具を取り付けたバイト台と、を備え、前記観察系支持枠と前記バイト台とが連結されており、前記加工工具と前記標本との間隔を一定の同焦距離に固定した状態で、前記観察系支持枠と前記バイト台とが測定光の光路に沿って一体的に移動可能となっていることを特徴とする。
【0018】
この発明では、標本の所定位置と対物レンズの焦点位置とが一致するように位置調整を行い、対物レンズを透過して結像する位置に配置された標本との間隔を同焦距離に固定した加工工具によって、対物レンズ鏡筒の取付面の加工を行うと共に取付ねじ部の加工を行う。
【0019】
この加工では、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の取付面と標本との距離が常に一定の同焦距離となっているため、異なった対物レンズ鏡筒を加工しても、それに内蔵される対物レンズの焦点位置と取付面との距離が常に一定となる。このため、加工された対物レンズ鏡筒を顕微鏡等の光学機器のレボルバに取り付けても、レボルバに対する方向(取付位置または取付角度)が常に所定の方向となるため、レボルバの回転により対物レンズを切り換えても視野中心が一定となり、焦点がずれることがなくなる。
【0020】
また、請求項1又は2記載の発明は、対物レンズ鏡筒の加工装置であって、前記標本を有する観察系を配置した観察系支持枠と対物レンズ鏡筒の少なくとも取付面を加工する加工工具を取り付けたバイト台とが連結されており、対物レンズ鏡筒の取付面を加工する加工工具と標本との間隔を一定の同焦距離に固定した状態で、観察系支持枠とバイト台とが測定光の光路に沿って一体的に移動可能となっていることを特徴とする。
【0021】
この発明では、観察系と少なくとも取付面を加工する加工工具とが一体的に移動可能となっていることから、加工工具は、標本と対物レンズ鏡筒の取付面との距離を常に同焦距離に保った状態で取付面を加工することができる。このような発明では、同焦距離が同じ対物レンズ鏡筒であれば、複数の対物レンズ鏡筒に対する取付面の加工の際にも、その都度、同焦距離の調整を行う作業が必要がなくなる。
【0022】
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の対物レンズ鏡筒の加工装置であって、前記加工工具は、前記取付面及び取付ねじ部を加工する工具であることを特徴とする。
【0023】
この発明では、単一の加工工具によって、対物レンズ鏡筒の取付面及び取付ねじ部を加工するため、加工工具の数が少なく、簡単な構造とすることができる。
【0024】
請求項の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の対物レンズ鏡筒の加工装置であって、前記加工工具は、前記取付面を加工する取付面加工工具と、取付ねじ部を加工する取付ねじ部加工工具とからなることを特徴とする。
【0025】
このようにそれぞれの加工工具によって対物レンズ鏡筒の取付面及び取付ねじ部を個々に加工する場合には、対応した加工部位に合わせた加工工具を用いるため、高精度に加工することができると共に、加工時の制御を簡単に行うことができる。
【0026】
また、前段での加工の際に、その加工工具が熱を帯びていても、その熱が後段の加工の加工工具に伝わることがなく、このため、熱による加工工具の伸縮がなく、高精度での加工を行うことができる。
【0027】
請求項5の発明の対物レンズ鏡筒の加工方法は、レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒に加工する方法であって、前記対物レンズに照射した測定光を標本に結像させ、前記標本と前記対物レンズの焦点位置を一致させると共に、対物レンズ鏡筒の取付面を加工する加工工具を取り付けた取付台と前記標本とを連結して設けるとともに、前記標本と前記対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を一定に保った状態で、前記取付台に対して加工工具を移動して、前記取付面及び前記取付ねじ部を加工することを特徴とする。
【0028】
この発明では、標本と対物レンズの焦点位置を一致させると共に、対物レンズ鏡筒の取付面を加工する加工工具を取り付けた取付台と前記標本とを連結して設け、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の取付面と標本との間隔を一定に保った状態で取付台に対して加工工具を移動して取付面及び前記取付ねじ部を加工するため、標本と対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を一定に保った状態で取付面の加工及び取付ねじ部の加工を行うことができ、このため、加工後の対物レンズ鏡筒を顕微鏡等の光学機器のレボルバに取り付け、レボルバの回転により対物レンズを切り換えても視野中心が一定となり、焦点がずれることがなくなる。
【0029】
請求項6の発明の対物レンズ鏡筒の加工方法は、レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵する対物レンズ鏡筒に加工する方法であって、 前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と前記対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を同焦距離とし、前記結像する位置を標本の位置にする観察系と該標本に対し同焦距離を保った位置に固定した加工工具を取り付けた取付台と前記標本とを連結して設けると共に、前記観察系と前記取付台とを一体に移動する移動手段を測定光の光路に沿って移動自在に配置し、前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と前記標本の位置が一致するように前記移動手段を測定光の光路に沿って移動調整し、その後、前記同焦距離に保った位置に固定した前記加工工具により前記対物レンズ鏡筒の前記取付面を加工する工程及び前記加工工具または前記加工工具とは異なる加工工具により前記対物レンズ鏡筒の前記取付ねじ部を加工する工程を行うことを特徴とする。
【0030】
この発明では、対物レンズに照射した測定光が結像する位置と対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を同焦距離とし、前記結像する位置を標本の位置にする観察系と該標本に対し同焦距離を保った位置に固定した加工工具を取り付けた取付台と前記標本とを連結して設けると共に、前記観察系と前記取付台とを一体に移動する移動手段を測定光の光路に沿って移動自在に配置し、前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と前記標本の位置が一致するように前記移動手段を測定光の光路に沿って移動調整し、その後、前記同焦距離に保った位置に固定した前記加工工具により前記対物レンズ鏡筒の前記取付面を加工する工程及び前記加工工具または前記加工工具とは異なる加工工具により前記対物レンズ鏡筒の前記取付ねじ部を加工する工程を行うことから、異なった対物レンズであっても焦点位置と取付面との距離が常に一定の同焦距離となる。このため、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒を顕微鏡の光学機器のレボルバに取り付け、レボルバの回転により対物レンズを切り換えても視野中心が一定となり、焦点がずれることがなくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における加工装置であり、図2はレボルバに対する対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の装着状態である。
【0033】
対物レンズ鏡筒1は対物レンズ1aを構成するレンズ群(図示省略)を内部に有している。図2に示すように対物レンズ鏡筒1の上部には、平面である取付面23及びこの取付面23に雄ねじの有効径の中心軸線が垂直になるような取付ねじ部24(雄ねじ)が形成されている。
【0034】
そして、レボルバ25には対物レンズ鏡筒1を取り付けるための平坦な当て付け面25a及び支持ねじ部25b(雌ねじ)が、レボルバ25の回転軸25cを中心にして円周方向に沿って複数箇所形成されている。対物レンズ鏡筒1は取付ねじ部24(雄ねじ)をレボルバ25の支持ねじ部25b(雌ねじ)に螺合させ、取付面23をレボルバ25の平坦な当て付け面25aに当て付けることによりレボルバ25に装着される。従って、レボルバ25に対する対物レンズ鏡筒1の取付位置及び取付角度(取付方向)は、取付面23及び取付ねじ部24によって決定される。これにより、対物レンズ鏡筒1に内蔵される対物レンズ1aの焦点位置P(図2で2点鎖線で示す結像光束の位置)から取付面23までの距離Lも決定されることになり、この距離Lおよび取付の方向が対物レンズを内蔵した全ての対物レンズ鏡筒において同一であると、対物レンズの切換に際して再度の位置決めや焦点合わせの必要がなくなる。
【0035】
対物レンズ1aを内蔵した対物レンズ鏡筒1の加工装置は、図1の正面図で示すように、旋盤のスピンドル5と、スピンドル5に取り付けられると共に後述するチャック2を保持し、保持したチャック2の位置および向きをスピンドル5の回転中心軸線に対し調整自在とする位置調整手段としての位置調整機構部4と、この位置調整機構部4に取り付けられたチャック2と、チャック2に保持される対物レンズ鏡筒1内の対物レンズ1aに対し測定光としての平行光束を照射する第1の光学系としての光学系9と、対物レンズ1aを透過して結像したスポット(スポット像ともいう)を観察可能とする観察系14と、対物レンズ鏡筒1の取付面23を加工するように対物レンズ鏡筒1に対し進退自在に制御される取付面加工工具としての取付面切削バイト16と、対物レンズ鏡筒1の取付ねじ部24を加工するように対物レンズ鏡筒1に対し進退自在に制御され、またスピンドル5の回転中心軸線に平行な方向にも移動自在な取付ねじ部加工工具としての取付ねじ部切削バイト18とを備えている。
【0036】
チャック2は加工される対物レンズ鏡筒1の外周面をチャッキングし保持することにより、対物レンズ鏡筒1に内蔵される対物レンズ1aを位置決め保持するものである。チャック2にはスリット2aが設けられてチャック部分の内径が縮径されるようになっている。チャック2における対物レンズ鏡筒1の外周面と接触するチャック部分の内面には、ベークライト、デルリン(商標名)等の非金属材料からなる緩衝材3が貼り付けられることにより、チャック時に対物レンズ鏡筒1の外周面を傷付けることがないようになっている。なお、チャッキングにより保持される対物レンズ鏡筒1は、内部には対物レンズ1aを構成するレンズ群(単玉レンズでもよい)が組み込まれており、外部には取付面23及び取付ねじ部24を形成する前の切削代23a及び24a(図3(a)でそれぞれを2点鎖線で示す部分)が若干残っているものである。この切削代24aを有する部分の外径m1は、図3(b)で示す取付ねじ部24のねじ外径m2より大きく、また、切削代23aを有する部分の厚さt1は取付面24を形成した後の厚さt2よりも厚くなっている。
【0037】
図1において、スピンドル5は、旋盤の周知の回転駆動源となるモータ(不図示)に連結され、スピンドル5に取り付けられた位置調整機構部4とともにチャック2を回転させる。スピンドル5は紙面における左右方向及び上下方向での振れが極小となるように調整されている。これは、後述する取付面加工工具である取付面切削バイト16によって対物レンズ鏡筒1の取付面23を加工する際の取付面23の面精度を向上させるためである。また、光学系9から対物レンズ1aに対して照射される平行光の光路に対するスピンドル5の回転中心軸線(回転中心軸ともいう)との平行度のズレもサブミクロンオーダの精度で調整してある。
【0038】
スピンドル5は回転駆動源となるモータ(図示省略)によって回転駆動するが、モータの発熱による加工装置全体の熱変位を抑制するため、モータを取り付けた架台(図示省略)を図1に示すスピンドル5や観察光学系4等の構成とは別に設け、さらにモータおよびモータを取り付けた架台は、エアで冷却されるようになっている。なお、スピンドル5の形態としてはベアリングを組み合わせたもの、エアスピンドルを用いたもの、その他のものを使用することができる。
【0039】
チャック2の位置および向きをスピンドル5の回転中心軸線に対して調整する位置調整機構部4は、スピンドル5に取り付けられるとともに、このスピンドル5の回転中心軸線に対するチャック2の調整すなわちチャック2に保持される対物レンズ鏡筒1の調整をシフト及びチルト方向にすることにより、スピンドル5及びチャック2(対物レンズ1a)の相対位置を調整する。この調整は、光学系9から照射される平行光の光路に対する調整、すなわち平行光が対物レンズ1aによって結像する位置とスピンドル5の回転中心軸線との位置関係の調整であり、後述の結像する位置に配置される標本10とスピンドル5の回転中心軸線との交点(標本10の所定位置)に対し平行光が対物レンズ1aにより結像する位置(焦点位置)を一致させる調整となる。そして、この調整後の状態でスピンドル5に対してチャック2すなわち対物レンズ1aを内蔵した対物レンズ鏡筒1を固定する。微調整の構造としては、ガイドシャフトとマイクロヘッドを用いて行うものや、磁石を用いて行うものなどを選択することができる。
【0040】
図4はガイドシャフト及びマイクロヘッドを用いて調整を行う位置調整機構部の一例を示している。この位置調整機構部50では、スピンドル5の上面に対し下面が取り付けられた台座 51aの上に、X方向およびY方向にそれぞれ移動制御(シフト制御)されるXステージ51bおよびYステージ51cからなるXYステージ51が取り付けられている(各ステージ51b、51cには、各方向に押し引き作動用のマイクロヘッドが取り付けられているが、不図示である)。
【0041】
そして、XYステージ51上には、XZ軸で形成される面に沿って移動する、即ちXZ方向のチルト調整ステージ53が設けられている。このXZ方向のチルト調整ステージ53は、XYステージ51上に設けられている一対のガイド受け51dに支持されたガイドシャフト52を中心に回動するようになっている。
【0042】
チルト調整ステージ53におけるガイドシャフト52を挟んだ一側は、該ステージ53の下面に配置されたばね54によってF方向に付勢されていると共に、他側には、マイクロヘッド55が取り付けられている。この構造では、マイクロヘッド55の調整つまみを回転操作することにより、チルト調整ステージ53がXZ方向に傾くため、同方向へのチルト調整を行うことができる。
【0043】
さらに、XZ方向のチルト調整ステージ53上には、YZ軸で形成される面に沿って移動する、即ちYZ方向のチルト調整ステージ56が設けられている。XZ方向のチルト調整ステージ56は、前記一対のガイド受け51dと直交する方向に設けられた一対のガイド受け53aによって支持されている。XZ方向のチルト調整ステージ56には、前記ガイドシャフト52の軸方向と直交する方向のガイドシャフト57が設けられており、このガイドシャフト57を中心としてYZ軸で形成される面に沿って回動する。チルト調整ステージ56上に取り付けられたマイクロヘッド 58の調整つまみを回転操作することによりYZ方向に傾くため、同方向のチルト調整を行うことができる。なお、マイクロヘッドに対して他側に設けられるバネは不図示である。
【0044】
上述したチャック2は、チルト調整ステージ56の上に取り付けられている。なお、台座51a、Xステージ51b、Yステージ51c、チルト調整ステージ53およびチルト調整ステージ56の各部材の中央部分およびスピンドル5の中心部分には、チャック2に保持される対物レンズ鏡筒1が移動調整可能なように、それぞれ孔(貫通孔)が形成されている。
【0045】
光学系9は、対物レンズ鏡筒1内の対物レンズ1aに測定光としての平行光を照射するものであり、チャック2の上方に配置されている。光学系9は光源としてのレーザ6、光源からの光を平行光にするためのレンズ系7、平行光を偏向させるためのPBS(偏向ビームスプリッタ)8を備えている。レーザ6としては、波長633nmのHe−Neレーザを用いることが良好である。なお光源として、ハロゲン、水銀、メタルハライド等のランプを用いることもできる。
【0046】
観察系14はスピンドル5の下方側に配置され、チャック2に保持された対物レンズ鏡筒1内の対物レンズ1a側から標本10、コリメートレンズ11、結像レンズ12、CCD13が平行光の光路上に順に、観察系支持枠30に配置されることにより構成されている。又、CCD13には、モニタ15が接続されている。なお、観察系支持枠30に配置される前記各要素の取付部材は、図示を省略している。
【0047】
標本10は平行平板のガラス板に多層膜を形成することにより、光学系9からの平行光の一部を反射し、一部を透過させるハーフミラーからなっている。この標本10は光学系9からの平行光の光路となるスピンドル5の回転中心軸線に対して直交するように配置されている。
【0048】
CCD13は標本10を透過し、コリメートレンズ11および結像レンズ12からなる光学系(第2の光学系)によって結像したスポット(第2のスポット像)をモニタ15に写し出すようになっている。なお、このスポットがモニタ15の中心に来るように、すなわち対物レンズ1aにより標本10に結像したスポット(第1のスポット像)が、コリメートレンズ11および結像レンズ12によってモニター15の中心に第2のスポット(第2のスポット像)として位置するように、スピンドル5の回転中心軸線と、モニター15の中心と、標本10、コリメータレンズ11、結像レンズ12およびCCD13からなる観察系14との位置関係が本加工装置製作時に調整されている。
【0049】
観察系14を載置した観察系支持枠30は、スポットが最小になるときが合焦位置になるように予め調整した状態で、モニタ15上に映し出されるスポット(第2のスポット像)を最小にするように、平行光の光路に沿って(図では上下方向)調整可能となっている。
【0050】
この調整は、観察系支持枠30がスピンドル5の回転中心軸線に平行に配置された一対のガイド部材14aに案内され且つパルスモータ31に接続されることによって移動制御されて行われる。なお、パルスモータ31の代わりに、マイクロヘッドを用い、自動あるいは手動の構成として移動制御してもよい。
【0051】
この実施の形態では、後述するように、取付面切削バイト16を取り付けた第1のバイト台33と、観察系14を配置した観察系支持枠30とがL字形の連結アーム26によって連結されている。観察系支持枠30及び連結アーム26は、測定光の光路に沿って移動する移動手段となっている。従って、観察系14及び取付面切削バイト16とが一体となって光路(スピンドル5の回転中心軸線)に沿って移動可能となっている。この移動調整は上述したパルスモータ31によって行われる。
【0052】
このように連結アーム26によって観察系14と取付面切削バイト16とが一体的となっているため、観察系14の標本10の位置と取付面切削バイト16(即ち、該バイトの刃先16a)との位置関係(切削バイト16の刃先16aがスピンドル5の回転中心軸線に垂直な方向に移動したときの該刃先16aと標本10との前記回転中心軸線上での距離)を予め設定した状態で、取付面切削バイト16をスピンドル5の回転中心軸線に垂直な方向に移動してチャック2に保持された対物レンズ鏡筒1の取付面23を切削加工することにより、標本10の上面から対物レンズ鏡筒1の取付面23までの距離を常に一定にすることができる。
【0053】
このため、第1のバイト台33に取り付けられた取付面切削バイト16は、紙面の平面方向の一軸(スピンドル5の回転中心軸線に直交する方向)に沿って移動可能となっており、そのための一対のガイド部材33aが設けられている。そして取付面切削バイト16はガイド部材33aに沿って進退移動するバイト固定台座33bに取り付けられ、バイト固定台座33bがモータ17に連結されている。このような構造では、取付面切削バイト16は、バイト固定台座33bと共にスピンドル5の回転中心軸線に直交する軸に沿いながら対物レンズ鏡筒1側に駆動されることにより、対物レンズ鏡筒1の取付面23の切削代23a部分(図3(a)図示)を切削する。なお、取付面切削バイト16の移動方向は、スピンドル5の回転中心軸線と精密に直角となるように、切削面取付バイト16を本加工装置の第1のバイト台33にバイト固定台座33bを介して取付けた時に図示せぬ測定装置により予め位置出しされている。
【0054】
L字形の連結アーム26によって第1のバイト台33と観察系支持枠30とを連結することにより、取付面切削バイト16が観察系14と一体となっており、従って、観察系14の標本10と取付面切削バイト16(即ち、該バイトの刃先16a)との間隔が常時、同焦距離として設定されている。即ち、対物レンズ1aに入射した平行光が、対物レンズ1aによって結像した位置(焦点位置)と、対物レンズ1aを内蔵した対物レンズ鏡筒1の取付面との間隔Lがスピンドル5の回転中心軸線上で同焦距離となるように一定になっている。
【0055】
これにより、異なる倍率の対物レンズを内蔵する複数の対物レンズ鏡筒1、或いは同じ倍率の対物レンズを内蔵する多数個の対物レンズ鏡筒1を製作する際にも、標本10の上面から取付面23(取付面切削バイト16の刃先16a)の間での間隔が同焦距離として一定となるようにセットされていることになる。なお、取付面切削バイト16の材質としては、単結晶ダイヤモンド、超硬金属、ハイスなどを用いることができる。又、取付面切削バイト16を第1のバイト台33に取り付ける際の段取り時には、ツールプリセッタなどによって位置決めしてからセットする。
【0056】
対物レンズ鏡筒1に支持ねじ部24を切削するための取付ねじ部切削バイト18は、取付面切削バイト16とは別個に設けられている。このため、取付ねじ部切削バイト18は第1のバイト台33とは別個の第2のバイト台34に取り付けられている。この取付ねじ部切削バイト18は、紙面の平面方向の一軸(スピンドル5の回転中心軸線に直交する軸)と該軸に垂直な軸(スピンドル5の回転中心軸線と平行な方向の軸)との2軸に沿って移動可能となっている(第2のバイト台34を案内するガイド部材、これを支持する台、およびこの台を案内するガイド部材は不図示である)。
【0057】
そして、取付ねじ部切削バイト18はNC制御モータ19の制御によって、第2のバイト台34をスピンドル5の回転中心軸線に直交する軸に沿いながら対物レンズ鏡筒1側に、又はスピンドル5の回転中心軸線に平行な軸に沿いながら上下に、あるいは両者の組合わせによって移動し、対物レンズ鏡筒1の取付ねじ部24の切削代部分24aを切削加工する。このため制御モータ19は直交する上下(スピンドル5の回転中心軸線と平行な方向)及び左右(スピンドル5の回転中心軸線に垂直な方向)の2方向への移動を制御する第1モータ19a及び第2モータ19bを有するものである。この切削バイト18も取付面切削バイト16と同様、本加工装置の第2のバイト台34への段取り時にツールプリセッタにより、スピンドル5の回転中心軸線に直交するように、また左右の移動方向も、スピンドル5の回転中心軸線と直角になるように予め位置決めしてからセットされる。
【0058】
取付ねじ部切削バイト18による加工は、ねじの外径加工、完全ねじ部形成のためのねじ切削を行う。このため、この実施の形態では、外径加工用とねじ切り用の2つの刃が一体となったバイトを使用するものである。
【0059】
このバイト18は、図5に示すように、外径加工の刃先18aが突出しており、この刃先18aに対して、間隔n、間隔rを設けてねじ切り用の刃先18bが形成されている。この間隔nは、刃先18aによるねじの外径加工の際、刃先18bが対物レンズ鏡筒1に接触しないように設定され、また、間隔rは、刃先18bによる完全ねじ部形成の際、刃先18aがレンズ鏡筒に接触しないようにねじの長さよりも大きく設定されている。
【0060】
このように、取付ねじ部切削バイト18と取付面切削バイト16の2種類のバイトを用いることにより、例えば、取付ねじ部切削加工後に取付面切削加工を行う加工工程を採用する場合、前段で行う取付ねじ24の切削加工中に発生したバイト18の熱(切削熱)が取付面23を切削する際にはそのバイト18から伝わることがなくなる。
【0061】
これにより、対物レンズ鏡筒1の全長方向が、前段での切削熱を有するバイト18を使用することにより、切削熱で伸びて対物レンズの光学特性が変化し、標本10の上面から取付面までの距離が変化することを防止することができる。
【0062】
次に、この実施の形態による加工方法について説明する。
【0063】
対物レンズ1aを内蔵した対物レンズ鏡筒1をチャック2内に挿入し、チャック2を閉じることにより対物レンズ鏡筒1をチャック2に保持する。この対物レンズ鏡筒1における取付ねじ部と取付面の加工状態前は、図3(a)のように切削代23a、24aがある。
【0064】
次いで、光学系9から平行光を照射しながら、対物レンズ1aおよび観察系14を介して光学系9からの平行光の結像をモニタ15に写し出した状態で、スピンドル5を介してチャック2および対物レンズ鏡筒1を回転させる。
【0065】
そして、第1段階として、対物レンズ1aによって標本10に結像されるスポット(第1のスポット像)が最小(最小径)になるように、即ちCCD13を介してモニタ15上に映し出されるスポット(第2のスポット像)を最小にするように観察しながら、平行光の光路に沿って、即ち、スピンドル5の回転中心軸線に沿って観察系支持枠30をパルスモータ31によって移動制御する。この第1段階により、モニタ15上でのスポットを最小にする。
【0066】
その後、第2段階として、モニタ15を観察しながら、スピンドル5を回転させつつスポット(第2のスポット像)の回転軌跡の中心がモニタ15の中心に位置するようにし、次いで、スポット(第2のスポット像)の位置がモニタ15の中心に一致するように、チャック2に保持された対物レンズ鏡筒1のX方向、Y方向へのシフト調整およびXZ方向、YZ方向へのチルト調整を位置調整機構部4により行う。これにより、スポット(スポットの位置)をスピンドル5の回転中心軸線と標本10との交点(所定位置)上に位置させる。
【0067】
第2段階を終了した時点で、モニタ15上に映し出されたスポットが最小になっているかをチェックし、スポットが最小になっていたら、対物レンズ鏡筒1の位置で位置調整機構部4を固定する。
【0068】
スポットが最小になっていない場合は、上述した第1段階と第2段階の各調整を反復して最小に設定した後、位置調整機構部4を固定する。なお第1段階と第2段階の調整操作は逆に行ってもよい。また、第1段階でスポットが最小で且つスポットの位置がモニタの中心に位置している場合には、第2段階の調整を行う必要がない。
【0069】
このようにして、スポット(結像)がモニタ15の中心に(即ち、スピンドル5の回転中心軸線と標本10との交点に)一致するように位置調整機構部4を調整することにより、平行光束の焦点の位置Pが常に標本10の所定位置にあって、いずれの対物レンズにおいても一定に定まる位置となる。
【0070】
この状態で、制御装置からの制御指令によりモータ17のスタートスイッチ(図示省略)を押すことにより、取付面切削バイト16がスピンドル5の回転中心軸線に直交する軸に沿いながら対物レンズ鏡筒1側に移動し、取付面切削バイト16の刃先16aにより、対物レンズ鏡筒1の取付面23の端面切削を行う。この端面切削により対物レンズ鏡筒1の不完全ねじ部も形成される。
【0071】
その後、モータ17により取付面切削バイト16を後退させ、NC制御モータ19の第2のモータ19bにより取付ねじ部切削バイト18を対物レンズ鏡筒1側に移動し、次いで第1のモータ19aによりスピンドル5の回転中心軸線と平行な方向に移動して取付ねじ部切削バイト18の外径加工用刃先18aにより取付ねじ部24のねじ外径を切削する。
【0072】
ねじ外径の切削が終了した時点で、第2のモータ19bにより対物レンズ鏡筒1に対してバイト18を一旦後退し、その後第1のモータ19aにより前記とは逆方向送りする。そして、第2のモータ19bにより再度バイト18を対物レンズ鏡筒1側に向けて移動したのち、第1のモータ19aにより再度スピンドル5の回転中心軸線と平行な方向に移動しながら取付ねじ部切削バイト18のねじ切削用刃先18bによって残余の削りしろを切削除去して取付ねじ部24(完全ねじ部)を切削加工する。
【0073】
次の対物レンズ鏡筒1を切削加工する際は、加工後の対物レンズ鏡筒1をチャック2から外した後、同様の段取りを行った後、次の加工を行う。これによって、どの対物レンズ鏡筒1を加工しても、対物レンズ鏡筒1に内蔵された対物レンズ1aの焦点位置から対物レンズ鏡筒1の取付面23位置までのスピンドル5の回転中心軸線上における距離を常に同焦距離として一定にすることができる。
【0074】
従って、観察者が顕微鏡等の光学機器のレボルバ25に対物レンズ鏡筒1を取り付け、レボルバ25を回転して対物レンズを低倍率のものから高倍率のものに切り換えても焦点がずれることがなく、視野中心を一定とすることができる。これにより、観察や測定の際の操作性が向上すると共に、煩雑な構造の自動焦点合わせ機構や移動位置決め機構が不要となる。
【0075】
なお、この実施の形態では、スピンドル5の回転中心軸線と標本10との交点を所定位置とし、この位置に対物レンズ1aの焦点を一致させるように、位置調整機構部4のシフト調整およびチルト調整を行ったが、これに限らず、前記所定位置に対し焦点を一致させるのは、シフト調整あるいはチルト調整のみで行ってもよい。
【0076】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における対物レンズ鏡筒の加工装置を示す。この実施の形態では、チャック2とスピンドル5との間に配置された位置調整機構部4に調整モータ21が連結されている。
【0077】
調整モータ21は第1モータ21a及び第2モータ21bの二つのモータによって構成されており、位置調整機構部4のXテーブルおよびYテーブルを少なくとも2方向に自動制御するようになっている。二つのモータ21a、21bは制御装置20に接続されており、チャック2に保持された対物レンズ鏡筒1内に内蔵される対物レンズ1aを介して、光学系9から照射される平行光を標本10上に結像したスポット(第1のスポット像)を観察系14を介してモニタ15で観察し、モニタ15上におけるスポットの位置を制御装置20によってフイードバックすることにより、スポットがモニタ15の中心に一致するようにXY方向にシフト制御して位置決めすることができる。
【0078】
なお、XZ方向およびYZ方向のチルト調整テーブルは、平行光が対物レンズ1aによって結像した位置(焦点位置)と標本10の所定位置との一致を容易にするために実施の形態1と同様に設けられており、各マイクロヘッドの代わりに制御装置20によって制御される制御モータを用いるようにしてもよい。
【0079】
以上に加えて、この実施の形態では、観察系14を載置した観察系支持枠30と取付面切削バイト16を取り付けた第1のバイト台33とを連結する連結アーム26が、観察系14の標本10とバイト16の刃先16aとの間隔を同焦距離に固定した状態で上下動するように、上下動用のパルスモータ22に連結されている。上下動用のパルスモータ22は観察系14と取付面切削バイト16とが一体となって平行光の光路に沿って、即ちスピンドル5の回転中心軸線方向に上下動できるように制御するものである。
【0080】
このように上下動用のパルスモータ22を設けることにより、モニタ15上のスポットが最小径になるように制御装置20内で画像処理し、合焦した位置で取付面切削バイト16を位置決めすることができる。このとき、観察系14と取付面切削バイト16とが連結アーム26によって連結されているため、観察系14も取付面切削バイト16と一体となって移動する。このため、標本10と取付面切削バイト16(バイト16の加工する部分である刃先16a)との間隔を前記同焦距離として予め設定しておくことにより、同焦距離を保った状態で対物レンズ鏡筒1の取付面23を加工することができる。
【0081】
このような実施の形態では、位置調整機構部4に保持された対物レンズ鏡筒1内の対物レンズ1aの、スピンドル5の回転中心軸線と標本10との交点(所定位置)に対する位置ずれと焦点ずれとを自動制御によって補正するため、対物レンズ鏡筒1を作製する作業時間を短縮することができる。
【0082】
(実施の形態3)
図7及び図8は、実施の形態3における対物レンズ鏡筒の加工装置を示す。この実施の形態では、1つの加工工具で対物レンズ鏡筒1の取付面23の加工と、取付ねじ部24の加工を実施するものである。
【0083】
図7の正面図で示すように、標本10を有する観察系14を備えた観察系支持枠30と第1のバイト台33とを連結するL字型の連結アーム26によって、移動手段を形成している。連結アーム26の上部側には、スピンドル5の回転中心軸線に対し平行なアリ溝構造の凸ガイド60と、該凸ガイド60の中央に穿設された長孔61とが形成されている。
【0084】
そして、図8に示すように連結アーム26の上部側の凸ガイド60には、凸ガイド60と嵌合する凹状のアリ溝62を有した第1のバイト台33が取り付けられている。第1のバイト台33はアリ溝62の中央を通るボルト孔が貫通しており、ボルト孔および長孔61を貫通したボルト64とその一端にネジ締めされたナット65とによって、連結アーム26と一体的に固定されている。
【0085】
第1のバイト台33の上面には、アリ溝62と平行な一対のガイド部材66が固定されている。一対のガイド部材66上には、ガイド部材66に沿って上下動自在なバイト支持台67が取り付けられている。
【0086】
バイト支持台67は、第1のバイト台33上のモータ68によって、上下方向(スピンドル5の回転中心軸線方向)に移動自在に制御されるようになっている。このバイト支持台67は、第1のバイト台33上面に固定された基準位置停止ストッパ70によって、下動側停止位置が設定されている。
【0087】
また、バイト支持台67上には、アリ溝67の向きと直交する方向(スピンドル5の回転中心軸線に直交する方向)に延びた一対のガイド部材71が固定されている。ガイド部材71の上には、ガイド部材71に沿って水平方向に移動自在なバイト固定台座72が取り付けられ、バイト支持台67上のモータ73によって水平方向(スピンドル5の回転中心軸線直交する方向)に移動制御されるようになっている。
【0088】
実施の形態3においては、対物レンズ鏡筒1の取付面23を加工し、かつ取付ねじ部24の加工する加工工具としてのバイト74がバイト固定台座72に取り付けられている。そして、第1のバイト台33上面の基準位置停止ストッパ70により、バイト支持台67が停止したときには、バイト固定台座72に取り付けられたバイト74の位置は、対物レンズ1aの焦点位置に移動され配置される標本10に対して該バイト74(即ち、バイト74の刃先74a)との間隔が同焦距離Lとなるように設定されている。
【0089】
実施の形態3による加工方法について説明する。
【0090】
実施の形態1と同様に、対物レンズ1aを内蔵した対物レンズ鏡筒1をチャック2内に挿入し、チャック2を閉じることにより対物レンズ鏡筒1をチャック2に保持する。この対物レンズ鏡筒1における取付ねじ部と取付面の加工以前では、図3(a)のように切削代23a、24aがある。次いで、光学系9から平行光を照射しながら対物レンズ1aおよび観察系14のCCD13を介して光学系9からの平行光の結像をモニタ15に写し出した状態で、スピンドル5を介してチャック2および対物レンズ鏡筒1を回転させる。
【0091】
そして第1段階として、予めスポットが最小になるときが合焦位置になるように調整した状態で、対物レンズ1aによって標本10に結像されるスポット(第1のスポット像)が最小(最小径)になるように、即ちCCD13を介してモニタ15上に映し出されるスポット(第2のスポット像)を最小にするように、平行光の光路に沿って、即ちスピンドル5の回転中心軸線と平行な方向に、観察系支持枠30をパルスモータ31によって移動制御する。この第1段階で、モニタ15上でのスポットを最小にする。
【0092】
その後、第2段階として、モニタ15を観察しながら、スピンドル5を回転させつつスポット(第2のスポット像)の回転軌跡の中心がモニタ15の中心に位置するようにし、その後、該スポットの位置がモニタの中心に一致するように、チャック2に保持された対物レンズ鏡筒1のX方向、Y方向へのシフト調整及びXZ方向、YZ方向へのチルト調整を位置調整機構部4によって行う。これにより、スポット(スポットの位置)をスピンドル5の回転中心軸線と標本10との交点(所定位置)に位置させる。
【0093】
第2段階を終了した時点で、モニタ15上に映し出されたスポットが最小になっているかをチェックし、スポットが最小になっていたら、対物レンズ鏡筒1の位置で位置調整機構部4を固定する。
【0094】
スポットが最小になっていない場合は、第1段階と第2段階の各調整を反復して最小に設定した後、位置調整機構部4を固定する。なお、第1段階と第2段階の調整操作は逆に行ってもよい。また、第1段階でスポットが最小で、且つスポットの位置がモニタの中心に位置している場合には、第2段階の調整を行う必要がない。
【0095】
このようにして、スポット(結像)がモニタ15の中心に位置するように位置調整機構部4を調整することにより、対物レンズ鏡筒1による平行光束の焦点の位置Pが、スピンドル5の回転中心軸線と標本10のとの交点である所定位置にあって、いずれの対物レンズにおいても一定に定まる位置となる。
【0096】
この状態で、制御装置からの制御指令によりモータ73のスタートスイッチ(図示省略)を押すことにより、バイト74がスピンドル5の回転中心軸線に直交する軸に沿いながら対物レンズ鏡筒1側に移動し、バイト74の刃先74aにより、対物レンズ鏡筒1の取付面23の端面切削を行う。この端面切削により対物レンズ鏡筒1の不完全ねじ部も形成される。その後、モータ73によりバイト74を後退させる。
【0097】
次いで、モータ68によりバイト支持台67を基準位置停止ストッパ70から離して上昇させると共にバイト74をモータ73により取付ねじ部24の外径加工位置とし、その後、モータ68によりバイト74をスピンドル5の回転中心軸線に平行に上昇して取付ねじ部24の外径の切削加工を行う。次いで、モータ73により一旦バイト74を後退させるとともにモータ68によりバイト支持台67を基準位置停止ストッパ70の位置まで下降する。
【0098】
そして、再度、モータ73によりバイト固定台座72を取付ねじ部24の加工のためにスピンドル5の回転中心軸線と直交する向きに所定量送り込み、次いで、モータ68とモータ73の送り量の制御によりバイト74の刃先74aの位置を制御して取付ねじ部24の切削加工を行う。
【0099】
この実施の形態では、対物レンズ鏡筒1のバイト74による切削加工の一工程終了した後、バイト74の切削熱の放熱が充分に行われるようにすると、1つの加工工具によって対物レンズ鏡筒1の取付面23および取付ねじ部24の切削加工をチャック2から対物レンズ鏡筒1を外すことなく、チャック2に対物レンズ鏡筒1を取り付けた状態で継続して加工することができる。なお、放熱を速めるために、窒素ガスなどの冷却気体を吹き付けてもよい。
【0100】
次の対物レンズ鏡筒1を切削加工する際は、加工後の対物レンズ鏡筒1をチャック2から外した後、同様の段取りを行って後、次の加工を行う。これによって、どの対物レンズ鏡筒1を加工しても、対物レンズ鏡筒1に内蔵された対物レンズ1aの焦点位置から対物レンズ鏡筒1の取付面23位置までのスピンドル5の回転中心軸線上における距離を常に同焦距離として一定にすることができる。
【0101】
従って、観察者が顕微鏡等の光学機器のレボルバ25に対物レンズ鏡筒1を取り付け、レボルバ25を回転して対物レンズを低倍率のものから高倍率のものに切り換えても焦点がずれることがなく、視野中心を一定とすることができる。これにより、観察や測定の際の操作性が向上すると共に、煩雑な構造の自動焦点合わせ機構や移動位置決め機構が不要となる。また、単一のバイト74によって、対物レンズ鏡筒1の取付面23及び取付ねじ部24の加工を行うため、バイトの数が少なくなると共に、バイトを設置するためのスペースが小さくなり、小型化することができる。
【0102】
なお上記実施の形態2、3では、スピンドル5の回転中心軸線と標本10との交点を所定位置とし、この位置に対物レンズ1aの焦点を一致させるように位置調整機構部4のシフト調整およびチルト調整を行ったが、これに限らず、所定位置に対し対物レンズ1aの焦点を一致させる操作を実施の形態1と同様にシフト調整あるいはチルト調整のみで行ってもよい。
【0103】
以上の説明から、本発明は次に示す付記項の発明を包含するものである。
【0104】
(付記項1) レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及びレボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵する対物レンズ鏡筒に加工する方法であって、前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を同焦距離とし、前記結像する位置を標本の位置にする観察系と該標本に対し同焦距離を保った位置に固定した加工工具とを移動手段に隔離して設けるとともに該移動手段を前記測定光の光路に沿って移動自在に配置し、前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と標本の位置とが一致するように前記移動手段を前記測定光の光路に沿って移動調整するとともに、該標本の所定位置と対物レンズに照射した測定光が結像する位置とが一致するように位置調整し、その後、前記同焦距離に保った位置に固定した加工工具により対物レンズ鏡筒の取付面を加工する工程及び前記加工工具または前記加工工具とは異なる加工工具により対物レンズ鏡筒の取付ねじ部を加工する工程を行うことを特徴とする対物レンズ鏡筒の加工方法。
【0105】
この発明では、対物レンズに照射した測定光が結像する位置と標本の位置とを一致させると共に、標本の所定位置と対物レンズに照射した測定光が結像する位置とを一致させ、その後、この結像する位置(即ち、標本の位置)に対し同焦距離を保って固定した加工工具により対物レンズ鏡筒を加工するため、異なった対物レンズ鏡筒であっても焦点位置と取付面との距離が常に一定の同焦距離となる。このため、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒を顕微鏡の光学機器のレボルバに取り付け、レボルバの回転により対物レンズを切り換えても視野中心が一定となり、焦点がずれることがなくなる。
【0106】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、観察系の標本の位置と対物レンズの焦点位置とが一致するように位置調整した後、標本と対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を一定に保った状態で取付面の加工及び取付ねじ部の加工を行うことができる。この加工により、対物レンズ鏡筒に内蔵される対物レンズの焦点位置と取付面との距離が常に一定となるので、加工された対物レンズ鏡筒を顕微鏡等の光学機器のレボルバに取り付けてもレボルバに対する方向(取付位置または取付角度)が常に所定の方向となるから、レボルバの回転で低倍率のものから高倍率のものへと対物レンズを交換した際にも、視野中心がずれず、測定個所を再び探す必要がなく、操作性が向上するばかりでなく、自動位置決め機構が不要なため、対物レンズ鏡筒を取り付ける顕微鏡等の光学機器の構成を単純かつ安価にできる。
【0107】
請求項2の発明によれば、観察系の標本の位置と対物レンズの焦点位置とが一致するように位置調整した後、標本と対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を同焦距離に固定した加工工具により取付面の加工及び取付ねじ部の加工を行うことができる。この加工により、対物レンズ鏡筒に内蔵される対物レンズの焦点位置と取付面との距離が常に同焦距離となるので、加工された対物レンズ鏡筒を顕微鏡等の光学機器のレボルバに取り付けてもレボルバに対する方向(取付位置または取付角度)が常に所定の方向となるから、レボルバの回転で低倍率のものから高倍率のものへと対物レンズを交換した際にも、視野中心がずれず、測定個所を再び探す必要がなく、操作性が向上するばかりでなく、自動位置決め機構が不要なため、対物レンズ鏡筒を取り付ける顕微鏡等の光学機器の構成を単純かつ安価にできる。
【0109】
請求項の発明によれば、請求項1〜の発明と同様な効果を有するのに加えて、単一の加工工具によって対物レンズ鏡筒の取付面及び取付ねじ部を加工するため、加工工具の数が少なく、簡単な構造とすることができる。
【0110】
請求項の発明によれば、請求項1〜の発明と同様な効果を有するのに加えて、取付面加工工具と取付ねじ部加工工具の2種類の工具を用いて加工することができ、前段の加工時に発生した加工工具の熱が対物レンズ鏡筒の後段の切削加工時に影響することがなく、対物レンズ鏡筒の全長が熱影響で伸びて焦点がずれることを防止できる。
【0111】
請求項の発明によれば、異なった対物レンズであっても焦点位置と取付面との距離が常に一定となり、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒を顕微鏡等のレボルバに取り付けて、対物レンズを切り換えても視野中心が一定となり、焦点がずれることがなくなる。
【0112】
請求項の発明によれば、異なった対物レンズであっても焦点位置と取付面との距離が常に一定の同焦距離となる。このため、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒を顕微鏡の光学機器のレボルバに取り付け、レボルバの回転により対物レンズを切り換えても視野中心が一定となり、焦点がずれることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の加工装置を示す正面図である。
【図2】対物レンズ鏡筒をレボルバに取り付けた状態の部分破断正面図である。
【図3】(a)、(b)は、対物レンズ鏡筒の加工前及び加工後を示す側面図である。
【図4】位置調整機構部の正面図である。
【図5】対物レンズ鏡筒を切削加工する加工工具の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2の加工装置を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態3の加工装置を示す正面図である。
【図8】実施の形態3の加工装置のA−A線における断面図である。
【図9】自動調整機能を備えた従来の顕微鏡のブロック図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ鏡筒
1a 対物レンズ
2 チャック
4 位置調整機構部
5 スピンドル
9 光学系
10 標本
14 観察系
16 取付面切削バイト(加工工具)
18 取付ねじ部切削バイト(加工工具)
23 取付面
24 取付ねじ部
25 レボルバ

Claims (6)

  1. レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒に加工する加工装置であって、
    前記対物レンズ鏡筒を保持するチャックと、
    このチャックを回転させるスピンドルと、
    前記対物レンズ鏡筒内の前記対物レンズに測定光を照射する光学系と、
    測定光が前記対物レンズを透過して結像する位置に配置される標本を有し該標本に結像したスポットを観察可能にする観察系と、
    前記標本の位置と前記対物レンズの焦点位置とが一致するように前記チャックと前記スピンドルとの相対位置を調整する位置調整機構部と、
    前記標本と前記対物レンズ鏡筒の前記取付面との間隔を一定に保った状態で前記チャックに保持した前記対物レンズ鏡筒の前記取付面を加工し、前記取付ねじ部を加工する加工工具と、
    前記観察系を配置した観察系支持枠と、
    前記加工工具を取り付けたバイト台と、を備え、
    前記観察系支持枠と前記バイト台とが連結されており、
    前記加工工具と前記標本との間隔を一定の同焦距離に固定した状態で、前記観察系支持枠と前記バイト台とが測定光の光路に沿って一体的に移動可能となっていることを特徴とする対物レンズ鏡筒の加工装置。
  2. レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒に加工する加工装置であって、
    前記対物レンズ鏡筒を保持するチャックと、
    このチャックを回転させるスピンドルと、
    前記対物レンズ鏡筒内の前記対物レンズに測定光を照射する光学系と、
    測定光が前記対物レンズを透過して結像する位置に配置される標本を有し該標本に結像したスポットを観察可能にする観察系と、
    前記標本の位置と前記対物レンズの焦点位置とが一致するように前記チャックと前記スピンドルとの相対位置を調整する位置調整機構部と、
    前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と前記対物レンズ鏡筒の前記取付面との間隔を同焦距離とした状態で、前記対物レンズ鏡筒の前記取付面を加工し、前記取付ねじ部を加工する加工工具と、
    前記観察系を配置した観察系支持枠と、
    前記加工工具を取り付けたバイト台と、を備え、
    前記観察系支持枠と前記バイト台とが連結されており、
    前記加工工具と前記標本との間隔を一定の同焦距離に固定した状態で、前記観察系支持枠と前記バイト台とが測定光の光路に沿って一体的に移動可能となっていることを特徴とする対物レンズ鏡筒の加工装置。
  3. 前記加工工具は、前記取付面及び取付ねじ部を加工する工具であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の対物レンズ鏡筒の加工装置。
  4. 前記加工工具は、前記取付面を加工する取付面加工工具と、取付ねじ部を加工する取付ねじ部加工工具とからなることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の対物レンズ鏡筒の加工装置。
  5. レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵した対物レンズ鏡筒に加工する方法であって、
    前記対物レンズに照射した測定光を標本に結像させ、
    前記標本と前記対物レンズの焦点位置を一致させると共に、
    対物レンズ鏡筒の取付面を加工する加工工具を取り付けた取付台と前記標本とを連結して設けるとともに、前記標本と前記対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を一定に保った状態で、前記取付台に対して加工工具を移動して、前記取付面及び前記取付ねじ部を加工することを特徴とする対物レンズ鏡筒の加工方法。
  6. レボルバの支持ねじ部に螺合する取付ねじ部及び前記レボルバの当て付け面に当て付けられる取付面を、対物レンズを内蔵する対物レンズ鏡筒に加工する方法であって、
    前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と前記対物レンズ鏡筒の取付面との間隔を同焦距離とし、
    前記結像する位置を標本の位置にする観察系と該標本に対し同焦距離を保った位置に固定した加工工具を取り付けた取付台と前記標本とを連結して設けると共に、前記観察系と前記取付台とを一体に移動する移動手段を測定光の光路に沿って移動自在に配置し、
    前記対物レンズに照射した測定光が結像する位置と前記標本の位置が一致するように前記移動手段を測定光の光路に沿って移動調整し、
    その後、前記同焦距離に保った位置に固定した前記加工工具により前記対物レンズ鏡筒の前記取付面を加工する工程及び前記加工工具または前記加工工具とは異なる加工工具により前記対物レンズ鏡筒の前記取付ねじ部を加工する工程を行うことを特徴とする対物レンズ鏡筒の加工方法。
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