JP4454836B2 - 薬剤容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香剤、消臭剤、脱臭剤等の薬剤を収容する薬剤容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、芳香剤、消臭剤、脱臭剤等の薬剤を収容する薬剤容器は、一般的に内部に薬剤を収容する容器本体と、この容器本体に着脱可能に取り付けられた蓋とを備えている。容器本体には上部に開口部が設けられており、蓋には複数の穴が設けられている。そして、薬剤を収容した薬剤容器を室内等に配置することにより蓋の穴から薬剤が外部に揮散して芳香効果や消臭効果を与えたり、脱臭剤による脱臭効果を与えている。また、薬剤には、容器が倒れても外部に漏れ出さないように固形状やゲル状のものが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような薬剤容器では、容器本体内に固形状やゲル状の薬剤を収容した場合には、乳幼児や老人が食べ物と勘違いして薬剤を誤って食べてしまう問題があった。特に、前記薬剤容器を、容器本体内にゲル状薬剤を収容して冷蔵庫や冷凍庫用の脱臭剤容器等として使用した場合には、脱臭剤容器が食べ物と一緒に収容される状態となることから、ゲル状薬剤が食べ物と勘違いされやすくなり、このため薬剤の誤食が重要な問題となっていた。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、収容される薬剤の誤食を防止することができる薬剤容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1記載の薬剤容器では、底面と側面とを有するとともに上面に開口部が設けられ内部に薬剤を収容する容器本体と、この容器本体の内部に配置されて外部との仕切りを形成する仕切り板とを備える薬剤容器おいて、前記容器本体の前記底面上であって前記側面から離れた位置に、前記開口部の高さ位置よりも短い長さからなる複数の支柱を立設する一方、前記仕切り板の下面に前記支柱に対応する複数の係合穴を設け、前記支柱の上端部を前記係合穴に挿入して係合し前記仕切り板を支持した状態で前記容器本体内に固定するとともに、前記容器本体の内部であって前記仕切り板の下面側にゲル状の薬剤を収容した。
【0006】
かかる構成においては、支柱の上端部を仕切り板の下面に設けられた係合穴に係合させることにより仕切り板が容器本体内で固定されて取り外しにくくなるため、仕切り板と容器本体との間に固形状やゲル状の薬剤を収容しておくことで、これらの薬剤が取り出されるのを防ぐことができる。
【0007】
また、請求項2記載の薬剤容器においては、前記仕切り板に、複数の貫通状の穴を更に設けたものとしている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
【0018】
図1は、冷凍庫用の脱臭剤容器1の分解図である。この容器1は、容器本体2と、容器本体2の外部との仕切りを形成する仕切り板3と、容器本体2に着脱可能に装着される蓋4とから構成されている。
【0019】
容器本体2は透明のプラスチック製からなる四角形状であって、図2(A)及び(B)に示すように上面21に開口部22が設けられている。容器本体2の内部23には、底面24から各側面25に沿って上方に延出する複数の縦リブ26が設けられている。
【0020】
さらに、図3にも示すように、容器本体2の各側面25の内側には、中央の縦リブ26の上部に、容器本体2の側面25から内側方向2aに向かって湾曲した突起27がそれぞれ設けられている。したがって、側面25と中央に位置する縦リブ26と突起27とにより本発明の係合部である凹部28が構成されており、各凹部28は容器本体2内で相対向して設けられている。
【0021】
また、前記仕切り板3は半透明のプラスチック製であって、大きさが容器本体2の開口部22とほぼ同じ大きさであり、図4に示すように本発明の開口部として複数の丸穴31が設けられている。また、前記蓋4も仕切り板3と同様に半透明のプラスチック製であり、図5に示すように、一端側に丸穴41が設けられ、この丸穴41に隣接して長手方向に並列した複数のスリット42が設けられている。
【0022】
かかる構成において出荷する際には、図6や図7に示すように、容器本体2の内部23において凹部28より下の位置にゲル状の脱臭剤5を入れた後、容器本体2を外側方向に押し広げて開口部22から仕切り板3を内部に入れ、周縁部32を各凹部28に合わせて係合させる。
【0023】
このとき、図7に示すように、凹部28の上部を構成する突起27は、その内側方向2aへの長さ寸法27wが、凹部28の下部を構成する縦リブ26の内側方向2aへの長さ寸法26wよりも短く設定されている。
【0024】
このため、例えば、突起27の長さ寸法27wと縦リブ26の長さ寸法26wとが同じである場合や、突起27の長さ寸法27wより縦リブ26の長さ寸法26wの方が長い場合に比べて、凹部28より上側、すなわち開口部22側の空間が広がるため凹部28に仕切り板3の周縁部32が入れやすくなり、凹部28に仕切り板3を容易に係合させることができる。
【0025】
さらに、突起27の外面27aが容器本体2の側面25から内側方向2aに向かって湾曲状に形成されていることから、仕切り板3の周縁部を凹部28に入れる際に突起27との接触面積が少なくなって凹部28により入れやすくなり、凹部28に仕切り板3をさらに容易に係合させることができる。したがって、凹部28の上部をこの突起27で構成することによって容器1の組立作業を効率良く行うことができる。
【0026】
そして、凹部28に仕切り板3の周縁部が係合されることにより、仕切り板3が容器本体2の内側にはめ込まれるとともに複数のリブ26によって支持され、これによって容器本体2の外部との仕切りが形成される。仕切り板3を取り付けた後は、開口部22の縁にアルミ箔等の気密シート(図示せず)を貼着して、蓋4を容器本体2に取り付ける。
【0027】
使用する際には、蓋4を外して前記気密シートを剥がした後、再度蓋4を取り付けて冷凍庫等に配置する。これにより、容器本体2内の脱臭剤が蓋4の丸穴41及びスリット42と、仕切り板3の丸穴31とを介して冷凍庫内等の悪臭を脱臭することによって、冷凍庫内の空気を清潔な状態に保つことが可能となっている。
【0028】
そして、容器1の使用状態においては、図6及び図7で示したように、仕切り板3が容器本体2の内側ではめ込まれた状態となっている。これにより、仕切り板3が本体2内で固定されて取り外しにくくなっているため、内部23に収容された脱臭剤5が取り出されてしまうのを防ぐことができる。よって、本脱臭剤容器1では、収容される脱臭剤5の誤食を防止することができる。
【0029】
また、凹部28は、図7に示すように、仕切り板3の上面33が容器本体2の上面21よりも下側に位置するように容器本体2の内部23に設けられていることから、この凹部28に係合した仕切り板3は、全体が容器本体2の内部23で固定されている。このため、仕切り板3をより取り外しにくくすることができる。よって、脱臭剤5の誤食をさらに防止することができる。
【0030】
また、容器本体2に設けられた縦リブ26は、凹部28の下部を構成する構成部材の他に容器本体2の補強材も兼ねている。このため、容器本体2を補強しつつ脱臭剤5の誤食を防止することもでき、また部品点数を減らして製造コストの低減化も図ることができる。
【0031】
なお、薬剤容器として脱臭剤5を容器本体2内に収容する脱臭剤容器1の場合について説明したが、芳香剤や消臭剤等を容器本体内に収容する薬剤容器について本発明を適用した場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0032】
また、薬剤容器に収容する薬剤として、脱臭剤の他に、芳香剤、消臭剤、防虫剤等を使用することができる。また、ゲル状の薬剤の他に性状が異なる薬剤として、仕切り板3の丸穴31よりも大きいものであれば、固形状の薬剤を使用したり、液状の薬剤を適当な担持体に担持させたものを使用しても良い。
【0033】
また、本発明の仕切り部として仕切り板3を用いたが、仕切り板3の代わりに網を使用しても良い。また、仕切り板3の開口部として丸穴31を設けたが、これに限定されることはなく、容器本体2内に収容される脱臭剤が粒状である場合には丸穴31の穴径を粒径より小さくなるように設定し、また仕切り板3にスリットを設けても良い。
【0034】
図8(A)は、薬剤容器60の斜視図である。この薬剤容器60は、内部61に薬剤(図示せず)を収容し上面62に開口部63が設けられた容器本体64と、複数の丸穴65aを有し容器本体64の外部との仕切りを形成する仕切り板65とから構成されている。
【0035】
また、図8(B)にも示すように、容器本体64の各側面66の内側において上部の中央部に突起67x,67yが上下に離間して設けられている。したがって、側面66と両突起67x,67yとにより本発明の係合部である凹部68が構成されており、各凹部68は容器本体64内で相対向して設けられている。
【0036】
そして、この凹部68に仕切り板65の周縁部69が係合されて仕切り板65が容器本体64の内側にはめ込まれ、これによって容器本体64の外部との仕切りが形成されている。
【0037】
この結果、仕切り板65が容器本体64内で固定されて取り外しにくくなっているため、内部61に収容された薬剤が取り出されてしまうのを防ぐことができる。よって、薬剤容器60においても、薬剤の誤食を防止することができる。
【0038】
なお、両突起67x,67yを容器本体64の各側面66の内側上部の中央部に設けて凹部68を構成したが、これに限定されることはなく、例えば両突起67x,67yを各側面66の内側上部の全体に渡って設けることによって凹部を構成しても良い。
【0039】
また、両突起67x,67yにおいて、上側の突起67xまたは下側の突起67yの何れか一方を側面66の内側上部全体に渡って設け、上側の突起67xまたは下側の突起67yの何れか他方を側面66の内側上部の任意の箇所に設けることによって凹部を構成しても良い。
【0040】
また、凹部68の上部を構成する上側の突起67xは、その外面67aが側面66から容器本体64の内側方向64aに向かって斜め下方に延在するように形成されている。これにより、凹部68より上側の空間が広がるため、凹部68に仕切り板65を容易に係合させることができる。よって、薬剤容器60の組立作業を効率良く行うことができる。
【0041】
図9(A)は、薬剤容器70の斜視図である。この薬剤容器7は、内部71に薬剤(図示せず)を収容し上面72に開口部73が設けられた容器本体74と、複数の丸穴75aを有し容器本体74の外部との仕切りを形成する仕切り板75とから構成されている。
【0042】
また、図9(B)にも示すように、容器本体74の各側面76の内側において上部に四角形状の溝77が形成されている。したがって、この溝77によって本発明の係合部である凹部が構成されており、各溝77は容器本体74内で相対向して設けられている。
【0043】
また、仕切り板75には、周縁部において各溝77に対応する位置に外側に向かって突出した突起78が設けられており、各突起78が対応する溝77にそれぞれ係合されて仕切り板75が容器本体74の内側にはめ込まれ、これによって容器本体74の外部との仕切りが形成されている。
【0044】
この結果、仕切り板75が容器本体74内で固定されて取り外しにくくなっているため、内部71に収容された薬剤が取り出されてしまうのを防ぐことができる。よって、薬剤容器70においても、薬剤の誤食を防止することができる。
【0045】
なお、溝77を容器本体74の各側面76の内側上部の任意の箇所に設けたが、これに限定されることはなく、例えば溝77を各側面76の内側上部の全体に渡って設けるようにしても良い。この場合には、仕切板75の周縁部全体に渡って突起78を設けることが可能となるため、仕切板75と容器本体74との係合箇所が増加して仕切板75をさらに取り外しにくくすることができ、薬剤の誤食防止効果を高めることができる。
【0046】
図10(A)は、薬剤容器80の斜視図である。この薬剤容器8は、内部81に薬剤(図示せず)を収容し上面82に開口部83が設けられた容器本体84と、複数の丸穴85aを有し容器本体84の外部との仕切りを形成する仕切り板85とから構成されている。
【0047】
また、図10(B)に示すように容器本体84の後方の側面86の上部87が外側方向84aに屈曲形成されており、側面86の下部に連設して上下方向に延在する連設部88と、連設部88の上端から外側方向Yに屈曲した屈曲部89と、屈曲部89の上端から上方に延出した延出部90とから構成されている。
【0048】
さらに、延出部90の内側には、屈曲部89から離間して突起が91が設けられており、この突起91と屈曲部89とにより本発明の係合部である凹部92が構成されている。そして、この凹部92に仕切り板85の周縁部85aが係合されて仕切り板85が容器本体84の内側にはめ込まれ、これによって容器本体84の外部との仕切りが形成されている。
【0049】
この結果、仕切り板85が容器本体84内で固定されて取り外しにくくなっているため、内部81に収容された薬剤が取り出されてしまうのを防ぐことができる。よって、薬剤容器80においても、薬剤の誤食を防止することができる。
【0051】
図11(A)は、本発明の一実施の形態を示す薬剤容器100の斜視図である。この薬剤容器100は、内部101に薬剤(図示せず)を収容し上面102に開口部103が設けられた容器本体104と、複数の貫通穴である丸穴105aを有し容器本体104の外部との仕切りを形成する仕切り板105とから構成されている。
【0052】
本実施の形態では(B)にも示すように容器本体104の内部101において底面106に、複数の支柱107が側面108と平行に、かつ側面108から離れた位置に起立して設けられている。また、仕切り板105には、各支柱107に対応して複数の係合穴109が設けられている。また、この係合穴109と前記丸穴105aとを兼用して設けても良い。
【0053】
そして、仕切り板105の各係合穴109にそれぞれ支柱107の上端部107aが挿入されて係合することにより、仕切り板105が容器本体104の内側にはめ込まれるとともに支持され、これによって容器本体104の外部との仕切りが形成されている。
【0054】
この結果、仕切り板105が容器本体104内で固定されて取り外しにくくなっているため、内部101に収容された薬剤が取り出されてしまうのを防ぐことができる。よって、本実施の形態の薬剤容器100においても、薬剤の誤食を防止することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の薬剤容器においては、容器本体の側面から離れた位置に立設された支柱の上端部を、仕切り板の下面に設けられた係合穴に係合させることにより、仕切り板が容器本体内で固定されて取り外しにくくなるため、仕切り板と容器本体との間に固形状やゲル状の薬剤を収容しておくことで、これらの薬剤が取り出されるのを防ぐことができる。よって、薬剤の誤食を防止することができる。
【0057】
また、請求項2記載の薬剤容器においては、前記仕切り板に複数の貫通穴が設けられているので、脱臭剤を収容しておくことで、冷凍庫内等の悪臭を脱臭し、冷凍庫内の空気を清潔な状態に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 脱臭剤容器の分解図である。
【図2】 (A)は容器本体の平面図、(B)は(A)のC−C線に沿う断面図である。
【図3】 図3(B)におけるD部の拡大図である。
【図4】 仕切り板の平面図である。
【図5】 蓋の平面図である。
【図6】 (A)は容器本体に仕切り板を係合させた状態での平面図、(B)は(A)のC−C線に沿う断面図である。
【図7】 図6(B)におけるD部の拡大図である。
【図8】 (A)は薬剤容器の斜視図であり、(B)は仕切り板と凹部との係合状態を示す断面図である。
【図9】 (A)は薬剤容器の斜視図であり、(B)は仕切り板と溝との係合状態を示す断面図である。
【図10】 (A)は薬剤容器の斜視図であり、(B)は仕切り板と凹部との係合状態を示す断面図である。
【図11】 (A)は本発明の一実施の形態を示す薬剤容器の斜視図であり、(B)は仕切り板と支柱との係合状態を示す断面図である。
【符号の説明】
100 薬剤容器
101 内部
102 上面
103 開口部
104 容器本体
105 仕切り板
105a 丸穴
106 底面
107 支柱
108 側面
Claims (2)
- 底面と側面とを有するとともに上面に開口部が設けられ内部に薬剤を収容する容器本体と、この容器本体の内部に配置されて外部との仕切りを形成する仕切り板とを備える薬剤容器おいて、
前記容器本体の前記底面上であって前記側面から離れた位置に、前記開口部の高さ位置よりも短い長さからなる複数の支柱を立設する一方、前記仕切り板の下面に前記支柱に対応する複数の係合穴を設け、前記支柱の上端部を前記係合穴に挿入して係合し前記仕切り板を支持した状態で前記容器本体内に固定するとともに、
前記容器本体の内部であって前記仕切り板の下面側にゲル状の薬剤を収容したことを特徴とする薬剤容器。 - 前記仕切り板に、複数の貫通状の穴を更に設けたことを特徴とする請求項1記載の薬剤容器。
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