JP4454706B2 - 電子ビーム露光方法及び装置、ならびにデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子ビーム露光方法及び装置に関し、特に既に描画されているパターン上に高精度に重ね描画することのできる電子ビーム露光方法及び装置、さらにはこれを用いたデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム露光装置では、電子ビームの位置安定性がその加工精度を決定する重要な要因である。電子ビームの位置安定性が劣化する要因の一つに、電子ビームを結像する電子光学系内に付着した炭素化合物などの汚染物質の帯電、または電子光学系を支持する構造体や試料台の熱的あるいは機械的変形に起因して生じる電子ビーム位置変動がある。このような電子ビーム位置変動が生じた場合、電子ビームが定める描画座標と、試料に既に描画されているパターンが定める座標との関係が描画前後若しくは描画中にずれが生じる為重ね合わせ精度が低下する。
【0003】
従来、電子ビーム位置変動により電子ビームが定める描画座標の変動は次のようなの方法によって補正されている。
【0004】
ウエハ等の試料を載置して移動するステージ上に基準マークが設けられている。若しくはウエハ上に予め基準マークが形成されている。そして、ステージが定める座標系に基づいて、設計上の電子ビームの標準照射位置に標準マークが位置するようにステージを移動し、電子ビームにより基準マークのマーク座標(X0、Y0)を求める。そして、描画中に描画動作を一時停止し再び電子ビームの標準照射位置に基準マークが位置するようにステージを移動し、電子ビームにより標準の位置検出を行い、その時点でのマーク座標(X1、Y1)を求める。ここで、前回のマーク座標(X0、Y0)と今回のマーク座標(X1、Y1)との差(ΔX1、ΔY1)をとることで電子ビーム位置変動を得る。そして、この差(ΔX1、ΔY1)に基づいて、電子ビームの偏向位置、又はステージ位置を補正する。以降、描画終了まで、上記動作を繰り返して行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来方法において電子ビーム位置変動の補正する際、基準マークの数が一つであると、ウエハの描画領域から基準マークまでのステージ移動を必要とするので数十秒間描画動作を停止しなければならならない。また、基準マークがステージ上若しくはウエハ上に複数設けられていると、ステージ移動の時間は短縮されるが、描画に先立ち、複数の基準マークの全てについて位置を計測する必要があり、その計測時間が増大してしまう。その結果、どちらにしても、電子ビーム露光装置のスループットを低下させてしまうという解決すべき課題がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決した優れた電子ビーム露光方法及び装置、ならびにデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明の電子ビーム露光方法のある形態は、複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、前記基板を載置したステージと電子ビームとを相対移動させることにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光方法において、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークの1つの位置のみを光学的位置検出系により検出するとともに、前記基準マークに電子ビームを照射し、前記基準マークからの電子を検出することにより、前記基準マークの1つの位置のみを検出し、前記光学的位置検出系による基準マークの実測値と前記電子ビームによる基準マークの実測値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する基準マーク検知段階と、
その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記選択されたアライメントマークの位置を前記光学的位置検出系の光により順次検出する第1検出段階と、
その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出段階の実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する配列規則性決定段階と、
その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記電子ビームと前記ステージとを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークに電子ビームを照射し、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークからの電子を検出することにより、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの位置を検出する第2検出段階と、
その後、前記第2検出段階で検出された前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの実測値と前記第1検出段階で検出された前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの実測値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階とを有し、
前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階の後に再び前記第2検出段階に戻ることを特徴とする。
【0008】
本願発明の電子ビーム露光方法の他のある形態は、複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、前記基板を載置したステージと電子ビームとを相対移動させることにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光方法において、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークの1つの位置のみを光学的位置検出系により検出するとともに、前記基準マークに電子ビームを照射し、前記基準マークからの電子を検出することにより、前記基準マークの1つの位置のみを検出し、前記光学的位置検出系による基準マークの実測値と前記電子ビームによる基準マークの実測値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する基準マーク検知段階と、
その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記選択されたアライメントマークの位置を前記光学的位置検出系の光により順次検出する第1検出段階と、
その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出段階の実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する配列規則性決定段階と、
その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記電子ビームと前記ステージとを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークに電子ビームを照射し、前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークからの電子を検出することにより、前記アライメントマークの位置を検出する第2検出段階と、
その後、前記第2検出段階で検出された前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークの実測値と前記配列の規則性から算出される前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークの座標値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階とを有し、
前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階の後に再び前記第2検出段階に戻ることを特徴とする。
【0009】
本願発明の電子ビーム露光装置のある形態は、複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、電子ビームにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光装置において、
前記電子ビームを前記基板上を偏向させる偏向手段と、
前記基板を載置して移動するステージと、
前記ステージの位置を検出する測長系と、
光を前記ステージ上の照射対象物に照射し、照射対象物からの光を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第1検出系と、
前記ステージ上の前記電子ビームの照射対象物に電子ビームを照射し、前記照射対象物の電子を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第2検出系と、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークと、
前記基板の描画に先立ち、前記基準マークの1つの位置のみを前記第1検出系により検出させるとともに、前記基準マークの1つの位置のみを前記第2検出系により検出させ、前記第1検出系による基準マークの実測値と前記第2検出系による実測値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させ、その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記第1検出系により、選択された前記アライメントマークの位置を順次検出させ、その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出系による実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する第1工程を実行させ、その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記偏向手段と前記ステージによって前記電子ビームと前記基板とを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記第2検出系により、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの位置を検出し、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの第1検出系の実測値と前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの第2検出系の実測値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させる第2工程を繰り返して実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本願発明の電子ビーム露光装置のある形態は、複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、電子ビームにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光装置において、
前記電子ビームを前記基板上を偏向させる偏向手段と、
前記基板を載置して移動するステージと、
前記ステージの位置を検出する測長系と、
光を前記ステージ上の照射対象物に照射し、照射対象物からの光を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第1検出系と、
前記ステージ上の前記電子ビームの照射対象物に電子ビームを照射し、前記照射対象物の電子を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第2検出系と、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークと、
前記基板の描画に先立ち、前記基準マークの1つの位置のみを前記第1検出系により検出させるとともに、前記基準マークの1つの位置のみを前記第2検出系により検出させ、前記第1検出系による基準マークの実測値と前記第2検出系による実測値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させ、その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記第1検出系により、前記選択されたアライメントマークの位置を順次検出させ、その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出系による実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する第1工程を実行させ、その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記偏向手段と前記ステージによって前記電子ビームと前記基板とを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記第2検出系により、前記電子ビームの照射位置に最も近い選択されたアライメントマークの位置を検出し、前記第2検出器による前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの実測値と前記配列の規則性から算出される前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの座標値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させる第2工程を繰り返して実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のデバイス製造方法は、上記いずれか記載の電子ビーム露光方法を含む製造工程によってデバイスを製造することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
電子ビーム露光装置の構成説明
図1に本発明の実施形態の電子ビーム露光装置を示す。この装置は、大きく分けて、主構造体1、電子光学系2、アライメント光学系3、ウエハステージ4、X軸用ステージ位置測長系5を有し、電子光学系2、アライメント光学系3、ウエハステージ4、X軸用ステージ位置測長系5のそれぞれをを保持する構造体が主構造体1によって保持されるように構成されている。
【0013】
電子光学系2は、電子ビームを放射する電子銃5、電子銃21からの電子ビームEBを収束させる電子レンズ系22、電子ビームEBを偏向させる偏向器23、電子ビームEBの照射対象物からの電子を検出する電子検出系24で構成される。そして各構成要素は、電子光学系制御部7によって制御される。電子ビームEBによりウエハを露光する際は、電子光学系制御部は、電子ビームEBを偏向器23により走査するとともに、描画するパターンに応じて電子ビームEBの照射を制御する。電子ビームEBにより照射対象物の位置を検出する際は、電子光学系制御部は、偏向器23により電子ビームEBを照射対象物上を走査させるとともに、電子検出系24によって照射対象物からの電子を検出して照射対象物の位置を検出する。
【0014】
アライメント光学系3は、アライメント光(ウエハ6に塗布された感光材を露光しない波長を有する)を放射するアライメント光源31、アライメント光源の光を照射対象物に向けるビームスプリッター32、照射対象物からの光をビームスプリッター32を介して結像し、照射対象物の像を検出する画像検出器33で構成される。そして、アライメント光学系制御部は各構成要素を制御し、アライメント光学系の光軸AX2に対する照射対象物の位置を検出する。
【0015】
ウエーハステージ4は、Yステージ41にXステージ42が載置された構成で、Xステージ42上に感光材が塗布されたウエハ6が保持されている。さらにXステージ42上であってウエハ6とは異なる位置に基準マークSMが形成された基準板43及びXステージ42上のX方向の一端にX軸用移動鏡44が設けられている。Yステージ41は電子レンズ系22の光軸AXに垂直な平面内の図1の紙面に垂直なY方向にウエハ6の位置決めを行い、Xステージ42は電子レンズ系22の光軸AX1に垂直な平面内でY軸に垂直なX方向にウエハ6の位置決めを行う。なお、Xステージ42上には、図示省略するも、電子光学系22の光軸AX1に平行なZ方向にウエハを位置決めを行うZステージ等も載置されている。そしてYステージ41、Xステージ42は、ステージ制御部9によって制御される。
【0016】
X軸用ステージ位置測長系5において、干渉計本体部51から射出されたレーザビームがビームスプリッター52により測長ビームSB及び参照ビームRBに分割される。測長ビームSBは、X軸用移動鏡44に向かって進み反射されて再びビームスプリッター52に戻り、参照ビームRBはX軸用反射プリズム53に向かって進み反射されて再びビームスプリッター52に戻る。ビームスプリッタ52に戻された両ビームSB及びRBは、干渉計本体部に付属のレシーバに入射する。ビームスプリッター52からの射出段階で測長ビームSBと参照ビームRBとは互いに周波数が微小量Δfだけ異なり、レシーバからは、X軸用移動鏡44のX方向の移動速度に応じて周波数がΔfから変化しているBと信号が出力される。このビート信号をウエハステージ位置検出部が処理することにより、参照ビームRBの光路長を基準とした測長ビームRBの光路長の変化量、言い換えればX軸用反射プリズム23を基準にした場合のX軸用移動鏡44のX方向の座標が高い分解能でかつ高精度に計測される。また、図示省略するも、主構造体1にY軸用ステージ位置測長系も保持されており、かつXステージ42上のY方向の一端にY軸用移動鏡が設けられている。そして、X方向と同様に、Y軸用ステージ位置測長系内のY軸用反射プリズムを基準にした場合のY軸用移動鏡のY方向の座標が高い分解能でかつ高精度に計測される。
【0017】
主制御系11は、上記電子光学系制御部7、アライメント光学系制御部、ウエハステージ位置検出部8、ウエハステージ制御部9からのデータを処理、各制御部への司令等を行う制御系である。
【0018】
露光動作の説明
図3を用いて本実施例の電子ビーム露光装置の露光動作について説明する。
【0019】
説明の前に、座標系について説明する。Xステージ42上に載置されるウェハ6上には、図2に示すように複数の矩形のパターン領域CPが配列座標系αβに沿ってマトリックス状に形成されている。各パターン領域CPの夫々は、電子ビームが描画するパターンと重なり合うように定められ、各パターン領域CPにはX方向及びY方向のアライメント用のマークAMが付随して形成されている。ここで配列座標系αβの原点を、ウェハ6上の中央付近に位置するパターン領域CP0の中心点と一致するように定める。配列座標系αβにおける各パターン領域CPの設計上の座標値(又はX方向とY方向のステッピング・ピッチ)は、図1の主制御系11内に予め記憶されている。Xステージ42の駆動原点(X軸用ステージ座標系XYのX軸、Y軸はXステージ42の移動方向(又はX軸用ステージ位置測長系5及びY軸用ステージ位置測長系による座標測定方向)を表わし、ここではステージ座標系XYの原点( Xステージ42上であってウエハ6を保持する箇所の中心)をアライメント光学系3の検出視野の中心(光軸AX2)と一致するように、ウエハステージ位置検出部10によって定めてある。
【0020】
露光の開始により、主制御系11は以下のステップを実行する。(図3参照)
【0021】
(ステップS101)
ステージ座標系における基準マークSMの設計上の座標位置に基づいて、基準マークSMをアライメント光学系3の光軸AX2上に位置するように移動させる(ウエハステージ4の移動とは、ウエハステージ制御部10とエハステージ位置検出部8とを協働させてウエハステージ4を移動させることを意味し、以下同様である)。アライメント光学系制御部8により、光軸AX2に対する基準マークSMの位置ずれを検出し、その位置ずれに基づいて、ステージ座標系XYの原点が光軸AX2と一致するようにウエハステージ位置検出部10が定めるステージ座標系を再設定する。
【0022】
(ステップS102)
光軸AX1と光軸AX2との設計上の位置関係(座標位置の差分(XB,YB))に基づいて、基準マークSMを電子光学系2の光軸AX1上に位置するようにウエハステージ4を移動させる。電子光学系制御部8により、電子ビームにより基準マークSMを走査し、光軸AX2に対する基準マークSMの位置ずれ(ΔXB,ΔYB)を検出し、光軸AX1と光軸AX2とのベースライン(XB−ΔXB 、YB−ΔYB )を決定する。
【0023】
(ステップS103)
ウエハ6上のアライメントマークの一部を選択し、選択されたパターン領域CPのアライメントマークAMを、設計上の座標位置に基づいて、アライメント光学系3の光軸AX2上に位置するように移動させ、アライメント光学系制御部8により、光軸AX2に対するアライメントマークAMの位置ずれを検出する。その位置ずれ量とアライメントマークAMの設計上の座標位置(ウエハステージ4の移動量)より、アライメントマークAMの位置の実測値(XXi,YYi)が得られる。
【0024】
(ステップS104)
アライメントマークAMの位置の実測値(XXi,YXi)に基づいて、ウエハ6上のパターン領域CPの配列の規則性を決定する。以下に、その決定方法について詳細に説明する。
【0025】
一枚のウェハ上でのショット(パターン領域CP)の配列の規則性については、平面上での線形な歪みを想定し、以下の6つの変数要素を導入する。
rx……ウェハのx方向の線形伸縮量(スケーリングx)
ry……ウェハのy方向の線形伸縮量(スケーリングy)
θ……配列座標系αβの回転量(ローテーション)
ω……座標系αβの傾き量(直交度)
Ox……ウェハのx方向の平行移動量(シフトx)
Oy……ウェハのy方向の平行移動量(シフトy)
【0026】
以上のような変数を想定すると、設計座標値(xi,yi)に位置するショットは次の(1)式により、座標値(Xi,Yi)に写像される。
【0027】
【外1】
【0028】
よって6つの変数が求まれば、各ショットの設計位置(xi,yi)に対する実際の位置(Xi,Yi)を一意に定めることができる。
【0029】
ここでローテーションθ、直交度ωが微小量であるものとし、以下のような6つの変数A,B,C,D,E,Fにまとめると、(1)式は(2)式のように書きあらためられる。
A=rx・cosθ≒rx
B=−rx(cosθtanω+sinθ)≒−rx(ω+θ)
C=ry・sinθ≒ry・θ
D=ry(−sinθtanω+cosθ)≒ry
E=Ox
F=Oy
【0030】
【外2】
【0031】
(2)式において未知数はA,B,C,D,E,Fの6つあるため、式が6個、すなわち最低3ショット(1ショットにつきx方向とy方向の2ケ所)の位置について選択してを行なえば、(2)式の解は一意に定まる。
【0032】
しかし実際のウェハ上でのモデルは設計値(xi,yi)、実測値(XXi,YYi)に対し残差項(εxi,εyi)が存在し、次の(3)式のような写像関係が成り立つ。
【0033】
【外3】
【0034】
そこで残差の二乗和Σεxi2とΣεyi2を最小とするようにA,B,C,D,E,Fを決定してやればよい。ここで最小二乗法を用いるものとして、(3)式におけるx成分は(4)式のようになる。
XXi=A・xi+B・yi+E+εxi……(4)
サンプルアライメントを行なうショット数をkとすると、二乗和Σεxi2は(5)式のように表わされる。
【0035】
【外4】
【0036】
この(5)式を最小とするA,B,Eを求めるために、(5)式を未知数A,B,Eでそれぞれ偏微分し、各偏微分式を零とおく。こうして得られた3つの式を行列の形に書き直すと、(6)式のように表わされる。
【0037】
【外5】
【0038】
(3)式におけるy成分についても同様に(7)式のように書き表わされる。
【0039】
【外6】
【0040】
すなわち、1ショットの計測が終了するたびに、Σxi,Σyi,Σxi2,Σyi2,Σxi・yiΣXXi・xi,ΣXXi・yi,ΣXXi,ΣYYi・xi,ΣYYi・yi,ΣYYi等の各々を加算してゆき、kショット目(kは、ウエハ上のショット数より小さい値)の計測が終了したところで(6)式と(7)式を解けば、未知数A,B,C,D,E,Fの全てが求まる。A,B,C,D,E,Fが求まれば、これら未知数を(2)式に代入することにより、パターン領域CPの配列の規則性を決定できる。
【0041】
(ステップS105)
ステップS102で決定されたベースラインにも基づいて、パターン領域CP0の中心点(配列座標系αβの原点)を光軸AX1に対して予め決められた位置に移動させる。
【0042】
(ステップS106)
決定された配列の規則性に基づいて、各パターン領域CP内の設計上の各位置(xi,yi)に対する実際の位置(Xi,Yi)を算出し、この実際の位置(Xi,Yi)に、電子ビームEBが位置決めされるように偏向器23及びウエハステージ4の少なくと一方を動作させて、パターン領域CPの設計値(xi,yi)に対応したパターンを描画する。
【0043】
(ステップS107)
ステップS106の描画時間が所定の時間を過ぎると、描画を停止する。
【0044】
(ステップS108)
ウエハ6の全ての描画領域が描画されている場合は、ウエハの露光を終了する。
【0045】
(ステップS109)
現在の電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークAMを調査する。そのアライメントマークが配列の規則性を決定する際に、その位置が実測されていなくても構わない。
【0046】
(ステップS110)
決定された配列の規則性に基づいて、現在の電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークAMの設計上の位置(xi,yi)に対する実際の位置(Xi,Yi)を算出し、実際の位置(Xi,Yi)が電子光学系2の光軸AX1上に位置するようにウエハステージ4を移動させる。電子光学系制御部8により、電子ビームによりアライメントマークAMを走査し、光軸AX2に対するアライメントマークAMの位置ずれ量(ΔXE,ΔYE)を検出する。
【0047】
(ステップS111)
位置ずれ量(ΔXE,ΔYE)が描画中の電子ビーム位置変動値(ドリフト値)とみなし、位置ずれ(ΔXE,ΔYE)に基づいて、電子ビームの偏向位置、又はウエハステージ位置を補正する。そしてステップS106に戻る。
【0048】
<他の実施例>
先の実施例においては、配列の規則性を決定する為に、アライメントマークの位置を非露光光によって検出している。その理由は、露光されたウエハを現像し、エッチング若しくは成膜し、再度露光する際、同じアライメントマークを使用する為である。(もちろん電子ビームによってその位置を検出されたアライメントマークはつぶれるが、それ以外は使用できるので、つぶれるアライメントマークを最小限にできる。)
【0049】
本実施例では、再度露光する際、同じアライメントマークを使用しない場合で、アライメント光学系3に代わり電子光学系2によって、アライメントマークの位置を検出している。したがって、実施例1との構成上の違いは、アライメント光学系3及びアライメント光学系制御部8が無い点であるので、構成の説明は省略する。
【0050】
本実施例の電子ビーム露光装置の露光動作について、図4を用いて説明する。
【0051】
なお、本実施例では、ステージ座標系XYの原点(Xステージ42上であってウエハ6を保持する箇所の中心)を電子光学系2の検出視野の中心(光軸AX2)と一致するように、ウエハステージ位置検出部10によって定めてある。
【0052】
露光の開始により、主制御系11は以下のステップを実行する。
【0053】
(ステップS201)
ステージ座標系における基準マークSMの設計上の座標位置に基づいて、基準マークSMを電子光学系2の光軸AX1上に位置するように移動させる(ウエハステージ4の移動とは、ウエハステージ制御部10とウエハステージ位置検出部9とを協働させてウエハステージ4を移動させることを意味し、以下同様である)。電子光学系制御部7により、光軸AX1に対する基準マークSMの位置ずれを検出し、その位置ずれに基づいて、ステージ座標系XYの原点が光軸AX2と一致するようにウエハステージ位置検出部10が定めるステージ座標系を再設定する。
【0054】
(ステップS202)
ウエハ6上のアライメントマークの一部を選択し、選択されたパターン領域CPのアライメントマークAMを、設計上の座標位置に基づいて、電子光学系2の光軸AX1上に位置するように移動させ、電子光学系制御部7により、光軸AX1に対するアライメントマークAMの位置ずれを検出する。その位置ずれ量とアライメントマークAMの設計上の座標位置(ウエハステージ4の移動量)より、アライメントマークAMの位置の実測値(XXi,YYi)が得られる。
【0055】
(ステップS203)
パターン領域CPの位置の実測値(XXi,YXi)に基づいて、ウエハ6上のパターン領域CPの配列の規則性を決定する。その決定方法は実施例1のステップS104に同じであるので省略する。
【0056】
(ステップS204)
パターン領域CP0の中心点(配列座標系αβの原点)を光軸AX1に対して予め決められた位置に移動させる。
【0057】
(ステップS205)
決定された配列の規則性に基づいて、各パターン領域CP内の設計上の各位置(xi,yi)に対する実際の位置(Xi,Yi)を算出し、この実際の位置(Xi,Yi)に、電子ビームEBが位置決めされるように偏向器23及びウエハステージ4の少なくと一方を動作させて、パターン領域CPの設計値(xi,yi)に対応したパターンを描画する。
【0058】
(ステップS206)
ステップS205の描画時間が所定の時間を過ぎると、描画を停止する。
【0059】
(ステップS207)
ウエハ6の全ての描画領域が描画されている場合は、ウエハの露光を終了する。
【0060】
(ステップS208)
現在の電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークAMを調査する。そのアライメントマークが配列の規則性を決定する際に、その位置が実測されていなくても構わない。
【0061】
(ステップS209)
決定された配列の規則性に基づいて、現在の電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークAMの設計上の位置(xi,yi)に対する実際の位置(Xi,Yi)を算出し、実際の位置(Xi,Yi)が電子光学系2の光軸AX1上に位置するようにウエハステージ4を移動させる。電子光学系制御部8により、電子ビームによりアライメントマークAMを走査し、光軸AX1に対するアライメントマークAMの位置ずれ量(ΔXE,ΔYE)を検出する。
【0062】
(ステップS210)
位置ずれ量(ΔXE,ΔYE)が描画中の電子ビーム位置変動値(ドリフト値)とみなし、位置ずれ(ΔXE,ΔYE)に基づいて、電子ビームの偏向位置、又はウエハステージ位置を補正する。そしてステップS205に戻る。
【0063】
なお上記いずれの実施例でも、現在の電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークAMの位置を検出して、電子ビーム位置変動値を検出しているが、現在の電子ビームの照射位置に最も近く、配列の規則性を決定するために実測されたアライメントマークを用い(ステップS103、ステップS202でその位置を実測されたアライメントマーク)の位置を検出して、電子ビーム位置変動値を求めるようにしてもよい。
【0064】
<デバイスの製造方法>
上記説明した電子ビーム露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。
【0065】
図5は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(露光制御データ作成)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、露光制御データが入力された露光装置とウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0066】
図6は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によって回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0067】
本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを低コストに製造することができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、ウエハ上にパターンの配列の規則性を求める際に利用されるアライメントマークを流用して電子ビームの位置変動値を検出するので、電子ビームの位置変動の補正の為の時間が短縮できる。さらに、その規則性を利用して、その位置を実測されていない任意のアライメントマークを用いて電子ビームの位置変動を補正できるので、補正の際のステージの移動を最小限にでき、従来に比べ補正頻度が多くできる。したがって、電子ビーム露光装置のスループット、重ねあわせ精度の向上が達成できる。又、これを用いてデバイスを製造すれば従来以上に高精度なデバイスの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子ビーム露光装置を示す図。
【図2】パターン領域の配列座標系とステージ座標系について説明する図。
【図3】実施例1の露光フローを説明する図。
【図4】実施例2の露光フローを説明する図。
【図5】微小デバイスの製造フローを説明する図。
【図6】ウエハプロセスを説明する図。
【符号の説明】
1 主構造体
2 電子光学系
3 アライメント光学系
4 ウエハステージ
5 X軸用ステージ位置測長系
6 ウエハ
7 電子光学系制御部
8 アライメント光学系制御部
9 ウエハステージ制御部
10 ウエハステージ位置検出部
11 主制御系
Claims (4)
- 複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、前記基板を載置したステージと電子ビームとを相対移動させることにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光方法において、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークの1つの位置のみを光学的位置検出系により検出するとともに、前記基準マークに電子ビームを照射し、前記基準マークからの電子を検出することにより、前記基準マークの1つの位置のみを検出し、前記光学的位置検出系による基準マークの実測値と前記電子ビームによる基準マークの実測値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する基準マーク検知段階と、
その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記選択されたアライメントマークの位置を前記光学的位置検出系の光により順次検出する第1検出段階と、
その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出段階の実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する配列規則性決定段階と、
その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記電子ビームと前記ステージとを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークに電子ビームを照射し、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークからの電子を検出することにより、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの位置を検出する第2検出段階と、
その後、前記第2検出段階で検出された前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの実測値と前記第1検出段階で検出された前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの実測値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階とを有し、
前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階の後に再び前記第2検出段階に戻ることを特徴とする電子ビーム露光方法。 - 複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、前記基板を載置したステージと電子ビームとを相対移動させることにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光方法において、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークの1つの位置のみを光学的位置検出系により検出するとともに、前記基準マークに電子ビームを照射し、前記基準マークからの電子を検出することにより、前記基準マークの1つの位置のみを検出し、前記光学的位置検出系による基準マークの実測値と前記電子ビームによる基準マークの実測値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する基準マーク検知段階と、
その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記選択されたアライメントマークの位置を前記光学的位置検出系の光により順次検出する第1検出段階と、
その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出段階の実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する配列規則性決定段階と、
その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記電子ビームと前記ステージとを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークに電子ビームを照射し、前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークからの電子を検出することにより、前記アライメントマークの位置を検出する第2検出段階と、
その後、前記第2検出段階で検出された前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークの実測値と前記配列の規則性から算出される前記電子ビームの照射位置に最も近いアライメントマークの座標値との差を求め、その差に基づいて前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階とを有し、
前記電子ビームと前記ステージとの相対位置を補正する段階の後に再び前記第2検出段階に戻ることを特徴とする電子ビーム露光方法。 - 複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、電子ビームにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光装置において、
前記電子ビームを前記基板上を偏向させる偏向手段と、
前記基板を載置して移動するステージと、
前記ステージの位置を検出する測長系と、
光を前記ステージ上の照射対象物に照射し、照射対象物からの光を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第1検出系と、
前記ステージ上の前記電子ビームの照射対象物に電子ビームを照射し、前記照射対象物の電子を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第2検出系と、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークと、
前記基板の描画に先立ち、前記基準マークの1つの位置のみを前記第1検出系により検出させるとともに、前記基準マークの1つの位置のみを前記第2検出系により検出させ、前記第1検出系による基準マークの実測値と前記第2検出系による実測値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させ、その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記第1検出系により、選択された前記アライメントマークの位置を順次検出させ、その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出系による実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する第1工程を実行させ、その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記偏向手段と前記ステージによって前記電子ビームと前記基板とを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記第2検出系により、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの位置を検出し、前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの第1検出系の実測値と前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの第2検出系の実測値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させる第2工程を繰り返して実行させる制御手段とを有することを特徴とする電子ビーム露光装置。 - 複数のパターンと前記複数のパターンのそれぞれに関連づけられたアライメントマークとを設計上の配列座標に沿って規則的に整列して形成した基板に感光材を塗布し、電子ビームにより前記各パターン上にパターンを重ね描画する電子ビーム露光装置において、
前記電子ビームを前記基板上を偏向させる偏向手段と、
前記基板を載置して移動するステージと、
前記ステージの位置を検出する測長系と、
光を前記ステージ上の照射対象物に照射し、照射対象物からの光を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第1検出系と、
前記ステージ上の前記電子ビームの照射対象物に電子ビームを照射し、前記照射対象物の電子を検出し、前記測長系と協働して対象物の位置を検出する第2検出系と、
前記ステージ上であって前記基板と異なる位置に設けられた基準マークと、
前記基板の描画に先立ち、前記基準マークの1つの位置のみを前記第1検出系により検出させるとともに、前記基準マークの1つの位置のみを前記第2検出系により検出させ、前記第1検出系による基準マークの実測値と前記第2検出系による実測値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させ、その後、前記複数のアライメントマークの一部を選択し、前記第1検出系により、前記選択されたアライメントマークの位置を順次検出させ、その後、前記アライメントマークの設計上の座標値と前記第1検出系による実測値とに基づいて、前記基板上の複数のパターンの配列の規則性を決定する第1工程を実行させ、その後、前記複数のパターンの配列の規則性に基づいて、前記偏向手段と前記ステージによって前記電子ビームと前記基板とを相対移動させて前記各パターン上に電子ビームを照射してパターンを描画する描画中に、前記第2検出系により、前記電子ビームの照射位置に最も近い選択されたアライメントマークの位置を検出し、前記第2検出器による前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの実測値と前記配列の規則性から算出される前記電子ビームの照射位置に最も近い前記選択されたアライメントマークの座標値との差を求め、その差に基づいて、前記偏向手段と前記ステージの少なくとも一方によって、前記電子ビームと前記基板との相対位置を補正させる第2工程を繰り返して実行させる制御手段とを有することを特徴とする電子ビーム露光装置。
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