JP4454572B2 - Dfaと糖アルコールを含有する野菜飲料 - Google Patents
Dfaと糖アルコールを含有する野菜飲料 Download PDFInfo
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Description
DFAは、結晶性や溶解性に優れ、高純度の製品の製造が可能となり、近年工業的に生産されるようになって食品への応用研究が進められている。
DFAの甘味度はショ糖の約半分で、酸性条件下における熱安定性が高く、吸湿性、保存安定性など優れた加工特性を持っている。特にメイラード反応が起こりにくいため、着色を嫌う食品への利用に適している。
ところで、野菜ジュースは、各種ビタミン、ミネラルを豊富に含むため、消費者の野菜不足への意識や健康志向に伴い、その需要が高まり、各種野菜含有飲料として多く飲用されている。特に青汁に代表される緑色野菜を含有した飲料は、年々その消費が拡大している(非特許文献1)。その一方で、これらの各種野菜含有飲料、特に栄養価、機能性の高い緑色野菜を含有した飲料は特有の青臭さ、にがみや渋味を有したものがあり、その風味に対して抵抗感を抱く消費者も多く、飲用上での妨げとなっている。例えば、緑色野菜を含有する飲料にはフラボノイドのようなポリフェノール類やカリウムを主とした塩類に由来する「エグ味」やグルコシノレート類に由来する「苦味」、イソチオシアネート類に由来する「辛味」に代表される異味、他にも緑色野菜特有の「青臭さ」、「酸味」を有するという問題が、より一層飲用の妨げとなっている。このため、苦味や渋味を有した飲料に果汁飲料や牛乳、豆乳などを混合し、飲用時にこれら青臭さ、苦味や渋味を有した飲料特有の風味を緩和させようとすることなども行われているが、緑色野菜飲料の飲用という観点では満足のゆくものではなかった。また、「青臭さ」をマスキングする意味で天然、または合成のフレーバーを使用したり、フレーバーの強い果物の果汁を使用したりする方法もあるが、特に健康志向の高い消費者にとってフレーバーに対する抵抗感が強く、果汁で「青臭さ」をマスキングするには、配合量を多くする必要があるため、野菜飲料を十分量飲用するという観点からはあまり好ましくない。
異味の原因となるポリフェノール類、グルコシノレート類などは抗酸化作用や抗ガン作用、解毒作用、ピロリ菌撃退作用などが数々の研究より示唆されており、健康増進に有用な物質であるため、これらの物質を除去して異味を感じさせないようにすることは健康増進を目的とする野菜飲料の飲用という観点では不適切である。従って、これらの機能性成分を保持しつつ、風味を改善する手段が希求されている。
従来、野菜飲料について、その特有の風味を改善する方法が研究されており、エリスリトールを添加する方法(特許文献1)やトレハロースを添加する方法(特許文献2)などにより調味をする方法が知られている。しかしながら、添加物を使用した調味方法は青汁に代表される緑色野菜飲料の呈味改善においては、添加物由来の味が発現し、緑色野菜の味が不自然なものとなってしまう問題がある。また、緑色野菜類特有の風味(青臭み、苦味、エグ味)が強いものについては、効果を得るために添加量を多くしなければならず、必然的に野菜搾汁液に対する添加物の割合が多くなり、野菜飲料の飲用という観点では満足のゆくものではなくなってしまうという問題もある。
(1) 緑色野菜を原料として含む野菜飲料において、DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)と糖アルコールを含有することを特徴とする野菜飲料。
(2) さらに豆乳を含有することを特徴とする(1)記載の野菜飲料。
(3) DFA(ダイフルクトースアンハイドライド)がDFAIIIであることを特徴とする(1)又は(2)記載の野菜飲料。
(4) 糖度が2.0〜9.0の野菜搾汁液100重量部に対しDFA(ダイフラクトースアンハイドライド)2.0〜4.5重量部であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の野菜飲料。
(5) DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)1.0重量部に対し糖アルコールが0.5〜3.0重量部であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の野菜飲料。
(6) 糖アルコールがキシリトール又はエリスリトールであることを特徴とする(1)〜(5)記載の野菜飲料。
(7) 緑色野菜がアブラナ科植物であることを特徴とする(1)〜(6)記載の野菜飲料。
キシリトールは、自然界に存在する天然の5炭糖の糖アルコールを指す。多くの果実や野菜の中に含まれ、また人体でも作られる。工業的には樺の木やその他の樫木のキシラン・ヘミセルロースを原料として作られる。キシリトールは全ての糖アルコールの中でも最も甘く、砂糖と同等の甘味度を有するものである。
エリスリトールは、糖アルコールの一種で、ブドウ糖を原料として酵母を用いて発酵により生産される「ぶどう糖発酵甘味料」を指す。白ブドウ果実やキノコの他、ワイン、清酒、醤油、味噌などの発酵食品にも含まれている天然の糖質である。
DFAとしてDFAIII(商品名「ツイントース(登録商標)」株式会社ファンケル販売)、キシリトール(商品名「キシリトールC」ダニスコジャパン株式会社販売)、エリスリトール(商品名「エリスリトール」日研化学株式会社販売)、フルクトース(商品名「結晶果糖」株式会社林原商事販売)、マルトース(商品名「サンマルト(登録商標)」株式会社林原商事販売)を用いた。
添加指標として、甘みを一定にする配合(試験方法1、2)を用いた。
野菜飲料は、緑色野菜飲料の代表として、ケール搾汁液(商品名「ファンケル青汁」株式会社ファンケル販売)を使用した。
評価点数については、−3、−2、−1、0、+1、+2、+3の7段階評価で、各評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
−3:評価項目について非常に悪い点がある(許容範囲外)
−2:評価項目について悪い点がある(許容範囲外)
−1:評価項目についてやや悪い点がある(許容範囲外)
0:評価項目について特に良い点も悪い点も認められない(許容範囲)
+1:評価項目についてやや良い点がある(許容範囲)
+2:評価項目について良い点がある
+3:評価項目について非常に良い点がある
甘味度が砂糖換算で0.5%となる分量に配合比を調整した例を表1に示す。DFAIIIの甘味度は砂糖の甘味度を100%とした場合、50%であり、キシリトールは砂糖と同程度で100%、エリスリトールは砂糖の75%、フルクトースは砂糖の120%、マルトースは砂糖の33%である。
尚、「DFA」は、DFAIIIの略称として表示(以下同様)した。
専門官能評価員により、上記評価基準にて評価し、その総合点に基づく下記判定を総合評価として示した。
評価結果の総合点に基づく判定は次のとおり。
++++ 野菜飲料として極めて良い 総合点が9.0以上
+++ 野菜飲料として非常に良い 総合点が6.0以上9.0未満
++ 野菜飲料として良い 総合点が3.0以上6.0未満
+ 野菜飲料としてやや良い 総合点が1.0以上3.0未満
+− 野菜飲料として良くも悪くもない 総合点が-1.0以上1.0未満
− 野菜飲料としてやや悪い 総合点が-3.0以上-1.0未満
−− 野菜飲料として悪い 総合点が-6.0以上-3.0未満
−−− 野菜飲料として非常に悪い 総合点が-6.0未満
甘さを砂糖の甘味度の0.5%にそろえた場合、エリスリトールを添加する方法(特許文献1)にあるように、エリスリトール添加品の評価は良いが、DFAとエリスリトールを併用したものの評価は更に高く、エリスリトール単体の場合よりも味の改善効果が高いことが判明した。
更にDFAは、エリスリトールとの併用だけでなく、キシリトールとの併用により、味の改善効果が一層高まることが判明した。
更に、キシリトールあるいはエリスリトールは、DFA以外の一般的な糖と併用するよりも、DFAと併用することで味の改善の効果が高まることも判明した。
甘味度が砂糖換算で2%となる分量に配合比を調整した例を表2に示す。DFAの甘味度は砂糖の半分であり、キシリトールの甘味度は砂糖と同程度、エリスリトールの甘味度は砂糖の75%、フルクトースは砂糖の120%、マルトースは砂糖の33%である。
甘さを砂糖の甘味度の2.0%にそろえた場合、エリスリトールを添加する方法(特許文献1)にあるように、エリスリトール添加品の評価は良いが、DFA単体またはDFAとキシリトールを併用することで評価は更に高く、エリスリトール添加の場合よりも味の改善効果が高いことが判明した。
またDFAは、単独で使用することでも味の改善効果は見られるが、キシリトールとの併用により、味の改善効果が高まることが判明した。特に緑色野菜を原料として飲料特有の青臭さ改善への寄与が大きい。
更に、キシリトールあるいはエリスリトールは、DFA以外の一般的な糖と併用するよりも、DFAと併用することで味の改善の効果が高まることも判明した。
尚、DFA単独の評価点が高いが、DFAは高価な原料であることから、甘味度2.0%にした場合、配合品は非常に原価の高いものとなってしまう為、現実的には実用化が困難である。
DFAとキシリトール、あるいはDFAとエリスリトールを併用した場合に、味の改善効果に対して非常に良好な結果が得られ、緑色野菜を原料とした野菜飲料特有の飲みにくさを改善した。
また、DFA単独であっても野菜飲料として問題はなく、何も添加していないものよりも飲みにくさの改善に寄与していることが判明した。
DFAとしてDFAIII(商品名「ツイントース(登録商標)」株式会社ファンケル販売)、キシリトール(商品名「キシリトールC」ダニスコジャパン株式会社販売)を用いた。
添加指標として、甘みを一定にする配合(試験方法1)を用いた。
野菜飲料は、緑色野菜飲料の代表として、ケール搾汁液(商品名「ファンケル青汁」株式会社ファンケル販売)を使用した。豆乳は一般的な無調整豆乳をベースに使用した。
<評価基準>
−3:評価項目について非常に悪い点がある(許容範囲外)
−2:評価項目について悪い点がある(許容範囲外)
−1:評価項目についてやや悪い点がある(許容範囲外)
0:評価項目について特に良い点も悪い点も認められない(許容範囲)
+1:評価項目についてやや良い点がある(許容範囲)
+2:評価項目について良い点がある
+3:評価項目について非常に良い点がある
野菜飲料特有の「青臭さ」と、豆乳飲料特有の「油酸化臭」、「後口」、「コク」、更には野菜入り飲料としての「味のバランス」に着目し、それらの評価点の合計点を飲料として総合点として次のように評価した。
専門官能評価員により、上記評価基準にて評価し、その合計値に基づく下記判定を総合評価として示した。
評価結果の平均値に基づく判定は次のとおり。
++++ 野菜飲料として極めて良い 総合点が9.0以上
+++ 野菜飲料として非常に良い 総合点が6.0以上9.0未満
++ 野菜飲料として良い 総合点が3.0以上6.0未満
+ 野菜飲料としてやや良い 総合点が1.0以上3.0未満
+− 野菜飲料として良くも悪くもない 総合点が-1.0以上1.0未満
− 野菜飲料としてやや悪い 総合点が-3.0以上-1.0未満
−− 野菜飲料として悪い 総合点が-6.0以上-3.0未満
−−− 野菜飲料として非常に悪い 総合点が-6.0未満
甘さを砂糖の甘味度の1.5%にそろえた場合、DFAは、「コク」が出て「後口」はすっきりとキレが良くなり、野菜入り豆乳飲料として評価が高くなることが判明した。更にキシリトールとの併用により、味の改善効果が一層高まることが判明した。
Claims (7)
- 緑色野菜を原料として含む野菜飲料において、DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)と糖アルコールを含有することを特徴とする野菜飲料。
- さらに豆乳を含有することを特徴とする請求項1記載の野菜飲料。
- DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)がDFAIIIであることを特徴とする請求項1又は2記載の野菜飲料。
- 糖度が2.0〜9.0の野菜搾汁液100重量部に対しDFA(ダイフラクトースアンハイドライド)2.0〜4.5重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の野菜飲料。
- DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)1.0重量部に対し糖アルコールが0.5〜3.0重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の野菜飲料。
- 糖アルコールがキシリトール及び/又はエリスリトールであることを特徴とする請求項1〜5記載の野菜飲料。
- 緑色野菜がアブラナ科植物であることを特徴とする請求項1〜6記載の野菜飲料。
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JP2005338649A JP4454572B2 (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | Dfaと糖アルコールを含有する野菜飲料 |
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