JP4452772B2 - 電車線の接地線クランプ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は架線工事に先立って、電車線をレールへ接地させる接地線のクランプ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
電車線の接地作業にはアースフック棒を用いる。この棒は先端のフックを電車線に係止しておく。接地線は上端がこのフックに接続し、下端に設けたクランプ装置でレールへ接続させる。
従来はこのクランプ装置としてレールの下面空間を利用するものが多かった。例えばレール下面でレールと直角にフックボルトを挿入してレールに引掛け、他端をばねでけん引して、レール背面と装置の一部を密着させ、この装置に接地線を接続させたものがある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレールは枕木上に置かれる関係で、レール下面に適当な隙間を設けることは可能であり、前記クランプ装置の利用には支障がなかった。ただし接触を確実にするためレール背面の該当箇所をヤスリで平滑清淨にしておく作業は作業者泣かせといわれていた。
ところが高架軌道或いは重層軌道の出現によってレールの両側をＬ形側板ではさみ、ゴム板とベース板とを介してコンクリート面へ敷設する方式が生まれた。枕木も砂利も用いない。レール下面には隙間がない。これに対応する新たなクランプ装置が必要とされることとなった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
レールへの接地線接続箇所をレールの頭部と脚辺が接続する湾曲面にする。上下ブロックを用意し、両者をねじで伸縮可能に連結しておく。下ブロックはレール底辺に隣接する側板端で支持し、上ブロックは前記湾曲面にあてがい、押圧させる。上ブロックには接地線の下端を接続可能な圧着端子を附設する。レールの湾曲面は上ブロックの一部と密着可能にヤスリ掛けで清淨化しておかねばならぬが、作業者にとって可視面であるから、作業に困難はない。
【０００５】
【実施例】
図１に於いてレールＲは両側を側板Ｌではさまれ、ゴム板Ｇ、ベース板Ｂを介し、床面に接する。側板ＬはアンカボルトＡでベース板へ固定され、側板に設けた押え部材Ｆでレールの底辺を押圧している。
以上の状況にあるレールＲへ装着する本発明は、下ブロック１、支持ボルト２、上ブロック３、圧着端子４から構成される。
下ブロック１は方形体の上面にねじ孔が穿たれ、下面には側板Ｌの端縁と容易に係合する三角切込が設けてある。支持ボルト２は上記ねじ孔へ螺合可能で、頂部に大径鍔２ａとスパナ掛け２ｂを備える。
上ブロック３は下面に支持ボルト２の大径鍔２ａを収納可能な凹みがあり、収納されたボルト２を左右に設けた受板３ａ，３ｂで抜け止めする。かつ大径鍔の上下面は緩い球面として、支持ボルト２に若干首振りを許すようにしてある。
従って下ブロックを側板Ｌの端縁へ、また上ブロックをレールの前記湾曲面へ夫々あてがい、ボルト２を締込むことによって、上ブロックをレールに密着固定することができる。
圧着端子４は平面部４ａと円環部４ｂとから成る。円環部へはアースフック棒から垂れ下がった接地線Ｅの下端を挿入圧着し、平面部は下ブロック４の側面へボルト５で締めつける。以上により接地電流はレールへと流れる。
【０００６】
【発明の効果】
枕木無しで敷設されたレールでも、その側面利用で簡単に接地線を接続することができ、また装置がレール上面よりはみ出ることがないので安全である。クランプ装置の装着面はレールの可視部分であるから、装着前のヤスリ掛け作業にも困難はない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の正面図である。
【図２】支持ボルトの正面図である。
【図３】上下ブロックの結合正面図である。
【図４】圧着端子の斜視図である。
【符号の説明】
１ 下ブロック
２ 支持ボルト
３ 上ブロック
４ 圧着
端子
Ｒ レール
Ｌ 側板
Ｇ ゴム板
Ｂ ベース板
Ａ アンカボルト
Ｆ 押え部材
Ｅ 接地線

Claims (1)

1. 底辺両側を側板で挾持して平坦な床面に定置されたレールに於いて、直方体上面にねじ孔を穿ち下面に上記側板の端縁と係合可能に三角切込を持たせた下ブロックと、下端部で上記ねじ孔と螺合し上端部に大径鍔とスパナ掛けを設けた支持ボルトと、下面に穿った凹みで支持ボルト上端部へ若干首振り可能に被挿されかつ抜止めされた上ブロックと、板状部と環状部とを接続して成り板状部で上ブロック側面へ固着され環状部で接地線端を挿入圧着可能とした圧着端子とから構成され、下ブロックを側板端縁に係合させ支持ボルトの回動により上ブロックをレールの頭と脚辺の境界部へ押圧するようにしたことを特徴とする電車線の接地線クランプ装置。

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