JPS6328964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スラブ道床における軌条にボン
ド、列車検出器等のような器材を締結するとき、
その使用する部品を極力少なく、しかも部品への
加工に要する手間や時間を低減することで、締結
作業の簡易化、迅速化に加えて確実な締結を所期
可能としたスラブ道床における軌条への器材締結
装置に係るものである。

従来、広範囲に亘つて利用されている砂利道床
に、敷設された軌条への種々の器材たとへばボン
ド、列車検出器等の取付もしくは交換等の作業に
際しては道床での砂利を「つるはし」、「シヤベ
ル」等の道具で除去し、軌条と道床との間隙を拡
開して所望の作業を行ない得るが、現今その使用
が次第に拡がる傾向にあるスラブ軌道にあつて
は、スラブ道床の上面と軌条底面との間〓が僅少
で、しかも砂利道床におけるようにスラブ道床の
除去もしくは損傷を行わない限り、前記間〓の拡
開は不可能である。従つてスラブ道床における軌
条への各種器材の取付、交換等の作業に際しては
軌条のスラブ道床への締結当初の状態下での作業
を余儀なくされる一方、特に列車通過本数の多い
地域での軌条への器材締結作業は迅速に、しかも
簡易、確実に逐行することが肝要である。そこで
この考案はスラブ道床における軌条への各種器材
の取付もしくは交換等の作業遂行に必要な部品を
極力少くすると共に、これら部品への通孔穿設の
ような加工作業や、通孔への挿入部材や締付用の
部品や工具等の必要な器具類ならびに手間をも低
減することで、軌条への器材締結作業の簡易化に
加えて確実な処置を行ない得ることを企図したス
ラブ道床における軌条への器材締結装置を提供し
ようとするもので、挿入金具の一端に形成された
折曲部に締着具を装着すると共に、この挿入金具
の他側適所に設けた係合部に、前記折曲部に対面
する側に当接部が形成された係止金具の係合部を
嵌合可能に臨ませるようにしたものである。

以下図面についてこの考案の一実施例を述べる
に、まづ第１図、第２図において、横Ｔ字形の挿
入金具Ａにおける支承部１の一端（図面において
右端）に形成された折曲部Ｃを上方に延長して略
Ｕ字形となし、この折曲部Ｃに挿脱自在な止めネ
ジ２にロツクナツト３を螺合・締結可能とする一
方、挿入金具Ａの他側（図面において左側）に形
成された膨出部４の折曲部Ｃに面する側に左方に
向け下降せる傾斜面からなる係合部５を形成し、
該係合部５に、後述の係止金具Ｍの傾斜面からな
る係合部ｆを嵌合可能に臨ませてある。

また、第３図、第４図および第５図において、
左側下方に向う傾斜面からなる係合部ｆの形成さ
れた係止金具Ｍの右側中間に鉛直状にして前記折
曲部Ｃに対面する側（第３図において右側）に当
接部ｉを、またこの当接部ｉの上方には爪片６
を、下方には一対の挾持片７，７を夫々一体に突
出させ、これら一対の挾持片７，７の中間におけ
る空所ｖを左右方向に亘つて貫通してある。しか
して第６図および第７図にみるように挿入金具Ａ
の支承部１を、係止金具Ｍの挾持片７，７で挾持
したとき、スラブ道床Ｓ上に設定された軌条Ｒの
足８の左側面と、係止金具Ｍの当接部ｉとの間
に、たとえばボンド、列車検出器のような器材９
を挾持するようにしてある。なお、器材９は第
６，７図のような位置への設定に限定されること
なく、たとえば係止金具Ｍの係合部ｆ、爪片６の
上面、もしくは係合部ｆと当接部ｉとの間の肉部
に穿設された通孔（図示しない）等の所望位置に
設定可能であり、この場合においては、当接部ｉ
に、軌条Ｒの足８の左側面が直接、当接すること
になる。また挿入金具Ａと係止金具Ｍとの嵌合は
傾斜面相互の組合わせに代え、挿入金具Ａ、係止
金具Ｍの夫々に設けられた階段部もしくは円弧状
の凹部と凸部との組合せによる形式を採用しても
よい。さらに前記止めネジ２とロツクナツト３と
を含めて締着具Ｊと称する。

この考案は前述のような構成であるから、軌条
への器材取付もしくは交換に際し、軌条Ｒの足８
の一側（第７図において右側）下面から挿入金具
Ａを挿入し、ついで嵌合部５，ｆとの接合により
支承部１を係止金具Ｍの挾持片７，７で挾持する
一方、軌条Ｒの足８と当接部ｉとの間に器材９を
挾持した後、挿入金具Ａの折曲部Ｃにおいて止め
ネジ２とロツクナツト３とで器材９を軌条Ｒに締
着すれば、軌条Ｒ、挿入金具Ａ、係止金具Ｍおよ
び器材９は一体的に結合されることになる。よつ
て軌条Ｒへの所望の器材９たとばボンドの取付を
短時間のうちに、しかも簡單かつ確実に行ない得
る一方、スラブ道床Ｓを何ら欠損することなく軌
条への器材締結の作業を行ない得るし、また挿入
金具Ａと係止金具Ｍとは傾斜面、階段部もしくは
凹凸のような係合部を介して相互にその嵌合もし
くは離脱が容易である上に、挿入金具Ａの一端に
形成された折曲部Ｃに締着具Ｊを装着すると共
に、前記折曲部Ｃに対面する側に当接部ｉを係止
金具Ｍに形成することで、器材９もしくは軌条Ｒ
の足８の当接部ｉへの当接と、折曲部Ｃでの締着
具Ｊの締着で器材９もしくは軌条Ｒを所定位置に
迅速かつ確実に締結可能であり、また挿入金具Ａ
および係止金具Ｍの夫々の構造は簡單であるか
ら、堅牢・安価に製作できるので利用者にとつて
は、その取扱に際して至便な上に、軌条への器材
締結のための工具や部品を徒らに多数用意する必
要もなく、また前記器材への孔あけ作業のような
手間をも不必である故、作業者にとつては煩雑感
を懐くことなく作業に従事できるし、なお、経済
的でもある等の実益を有するものである。

なお、係合部５は挿入金具Ａの膨出部４の一端
に設定されているが、之に限らず、膨出部４の中
間部分に設定してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る一実施例にして、第１図
は挿入金具の正面図、第２図は仝上平面図、第３
図は係止金具の正面図、第４図は仝上右側面図、
第５図は仝上左側面図、第６図は軌条締結時の一
部切欠せる縦断面図、第７図は仝上平面図であ
る。 Ａ……挿入金具、Ｊ……締着具、Ｍ……係止金
具、Ｒ……軌条、Ｓ……スラブ道床、Ｃ……折曲
部、ｉ……当接部、５，ｆ……係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 挿入金具の一端に形成された折曲部に締着具
   を装着すると共に、この挿入金具の他側適所に
   設けた係合部に、前記折曲部に対面する側に当
   接部が形成された係止金具の係合部を嵌合可能
   に臨ませるようにしたスラブ道床における軌条
   への器材締結装置。 (2) 挿入金具、係止金具夫々の係合部の係合個所
   は、傾斜面、階段部もしくは凹凸部で構成され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載のス
   ラブ道床における軌条への器材締結装置。