JP4452553B2 - ガスキュア型コールドボックス法鋳型用鋳型製造方法 - Google Patents

ガスキュア型コールドボックス法鋳型用鋳型製造方法 Download PDF

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本発明は鋳造用の鋳型製造に関するものである。更に詳しくは、粒状耐火性骨材の表面をフェノール樹脂とイソシアネート化合物を使用した粘結剤で被覆(コート)し、これを型枠に充填、成形後、フェノール樹脂とイソシアネート化合物によるウレタン反応を促進するために触媒として第三級アミンを気化して吹込む、ガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法に関するものである。
第三級アミンを硬化触媒に用いるガスキュア型コールドボックス法による鋳型の一般的な製造方法は、まずフェノール樹脂を必須成分とし、必要により劣化防止剤、乾燥防止剤などを添加し有機溶剤に溶かした溶液(以下フェノール樹脂溶液という。)と、イソシアネート化合物を必須成分とし、必要により前記添加剤を有機溶剤に溶かした溶液(以下イソシアネート溶液という。)の鋳型製造用粘結剤組成物を粒状耐火性骨材と混合機で混合して、粘結剤で被覆された粒状耐火性骨材を調製した後、これを鋳型製造用の型枠内に充填、成形し、更にこの型枠内に気体状の第三級アミンの触媒を通気させることにより常温で硬化させ、最後に脱型して、鋳造用の鋳型を製造するというものである。(例えば、特許文献1参照。)
特公昭49−37486号公報
実際の工業的鋳型製造方法(例えば、非特許文献1参照。)としては、混合機で鋳型製造用粘結剤組成物と粒状耐火性骨材を混合して混練砂を調製し、調製した混練砂を造型機の型枠に手込めあるいはブロー方式で充填する。充填した混練砂に、触媒ガス発生器でガス状にした触媒である第三級アミンを送り込み混練砂を硬化して鋳型を製造する。現在、触媒として使用されている第三級アミンは、トリエチルアミンとジメチルエチルアミンの2種類であるが、いずれも液体のためこれを気化させてガス状にし、乾燥圧縮空気、不活性ガス(炭酸ガス、窒素ガスなど)をキャリアガスとして、気化した第三級アミンを希釈して送り込む方法がある。
「新版 鋳型造型法」、社団法人鋳造技術普及協会発行、1988年、p.163
硬化のために、型枠に充填された混練砂へ送り込む第三級アミンとキャリアガスの混合気体は、ポリオールであるフェノール樹脂とイソシアネート化合物との反応の触媒として作用した後、型枠から排出される。第三級アミンを含んだ気体を大気中に放出するのは、環境上好ましくなく、また鋳型製造の作業環境を劣悪にするので、排ガス処理装置で第三級アミンを回収して実質上無臭状態にしてから大気中へ放出する必要がある。排ガス処理装置としては、リン酸水溶液中に排ガスをスクラビングして第三級アミンを吸収する方法が一般的である。また、多量に処理する方法としては、洗浄塔方式があり、中和液として硫酸水溶液が使用されている。
硬化触媒として工業的に使用されている第三級アミンはトリエチルアミンとジメチルエチルアミンの2種類である。ジメチルエチルアミンを硬化触媒として使用すると、ジメチルエチルアミンはトリエチルアミンより硬化速度が速いので、鋳型製造の生産性が上がる。しかし、ジメチルエチルアミンは消防法で第四類特殊引火物に分類され、トリエチルアミンは第四類第一石油類に分類されていることからもわかるように、ジメチルエチルアミンはトリエチルアミンより、沸点が低く、引火性が強いので取扱いが非常に難しく、危険でもある。従って、取扱いが容易で、トリエチルアミンを触媒として用いるより、硬化時間が短縮でき、鋳型製造の生産性を向上できる触媒の開発が望まれている。また、鋳型製造に使った後の第三級アミン触媒は、排ガス処理装置で回収し、回収に使用したリン酸水溶液、硫酸水溶液と共に産業廃棄物として廃棄されている。これは、産業廃棄物の増加、環境に対する負荷増加、資源の有効利用という観点から望ましくない。
本発明が解決しようとする課題は、取扱いが容易な触媒を用いて硬化時間短縮による鋳型製造の生産性向上と、鋳型製造に使用した後に回収した第三級アミン触媒の再利用、廃棄物として廃棄する量の低減である。
本発明は、ポリオールであるフェノール樹脂0.1〜3.0質量部とイソシアネート化合物0.1〜3.0質量部とを混合して、100質量部の粒状耐火性骨材を被覆し、該被覆された粒状耐火性骨材をガスキュア型コールドボックス法の鋳型製造用型枠内に充填して成形し、前記したポリオールであるフェノール樹脂に対して1質量%以上の質量のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを気体状にして、硬化触媒として該鋳型製造用型枠の内部に注入し、注入された気体状のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが該鋳型製造用型枠の外部に最終的に排出された時に、排出された気体状のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンの全量を酸水溶液に吸収させて気体状のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが大気中に放出されるのを防止し、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが溶解した硫酸水溶液に、該N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンよりも塩基性の強い塩基性物質または塩基性水溶液を加えて、硫酸水溶液を塩基性にしてN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを硫酸水溶液上部に液層として析出させた後、この溶液の蒸留を行ってN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを液体として回収し、さらに脱水することによって、回収したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを再度鋳型製造用硬化触媒として使用することを特徴とするガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法である。
本発明は、トリエチルアミンよりも少ない量で鋳型を硬化できる、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを硬化触媒として使用することにより、触媒ガスの通気時間、硬化時間を短縮することができるので、鋳型製造の生産性を向上できる。また、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンとN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンは第四類第一石油類であり、第四類特殊引火物であるジメチルエチルアミンより引火点、沸点、発火点が高く、取扱いが容易である。
更に、本発明は、従来、産業廃棄物として廃棄されてきた排ガス処理装置で回収した第三級アミン触媒を、再度、ガスキュア型コールドボックス法の硬化触媒として使用するので、資源を有効利用でき、廃棄物の削減ができるので環境に対する負荷が軽減できる。
本発明において使用されるポリオールであるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との付加縮合で得られる樹脂であり、好ましくはベンジリックエーテル型フェノール樹脂である。フェノール類としては、フェノール、クレゾール、レゾルシン、キシレノール、ビスフェノールA、クミルフェノール、ノニルフェノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール、エチルフェノール、オクチルフェノール、アミルフェノール、ナフトール、ビスフェノールF、ビスフェノールC、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、リグニン、ビスフェノールA残渣、クロロフェノール、ジクロロフェノール、その他の置換フェノール等が挙げられる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。これらも単独で或いは2種以上を混合して使用できる。これらから得られるフェノール樹脂は、重量平均分子量が500〜5000のものが好ましい。
本発明において使用されるイソシアネート化合物としては、公知の芳香族、脂肪族あるいは脂環式イソシアネートを挙げることができ、具体的には例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIと記す。)、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。これらのうち、ポリメリックMDIが好ましい。
本発明において使用される、フェノール樹脂、イソシアネート化合物を溶解する溶剤は、コールドボックス法等において通常使用される溶剤が挙げられる。具体的には、脂肪族炭化水素系、脂環式炭化水素系、芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アルコール系等の有機溶剤を単独でまたは2種以上混合して使用することができる。さらに、フェノール樹脂溶液及び/又はイソシアネート溶液には、所望により、粒状耐火性骨材との接着性の向上を図るために、シラン化合物(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)等の粘着性付与剤や、可使時間延長剤(例えば、フタル酸クロリド)、劣化防止剤、乾燥防止剤、離型剤等を配合して使用することができる。
本発明において使用される粒状耐火性骨材としては、珪砂、クロム鉄鉱砂、ジルコン砂、かんらん石砂等の従来から鋳型製造用に使用されている耐火性の粒状砂のほか、微粒状の砂、粘土質の砂、再生砂等も挙げられる。また、砂以外のものとしては、ムライト砂、アルミナ砂、中空アルミナビーズ、シラスバルーン、ガラスビーズ等も使用できるが、鋳物砂が好ましく、平均粒径が50〜600マイクロメートル(μm)程度の砂が更に好ましい。
本発明の触媒を通気する前の鋳型製造用組成物の組成は、粒状耐火性骨材100質量部に対して、フェノール樹脂が0.1〜3.0質量部、イソシアネート化合物が0.1〜3.0質量部、好ましくはフェノール樹脂とイソシアネート化合物の合計した量が0.2〜3.0質量部である。
本発明で使用する触媒であるN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンの使用量は、前記フェノール樹脂の1質量%以上を気体状にして使用する。
N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを硬化触媒として用いて、ガスキュア型コールドボックス法で鋳型を工業的に製造するためには、混練機、触媒ガス発生器、造型機、排ガス処理装置、空気圧縮機(コンプレッサー)、圧縮空気乾燥装置が必要である。
フェノール樹脂溶液、イソシアネート溶液及び粒状耐火性骨材を混練機で各成分が均一に混合するように混練する。粘結剤溶液は比較的低粘度なので、どのようなタイプの混練機でも容易に混練できるが、混練時に骨材の温度が上昇したり、粘結剤に含まれている溶剤が蒸発しやすい混練機は避けるべきである。粘結剤と骨材は−10〜50℃の範囲で混練するのが好ましい。鋳型製造用粘結剤組成物と粒状耐火性骨材とを混練して調製した混練砂は外気と極力接触しないようにする。混練砂はサンドホッパーに直接落とし込むのが好ましい。混練砂は、手込めあるいはブロー方式で、造型機の型枠に充填する。
型枠に充填した混練砂に触媒ガス発生器で気化したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンとキャリアガスの混合気体を通気し、混練砂を硬化する。キャリアガスは乾燥圧縮空気、不活性ガス(炭酸ガス、窒素ガスなど)が用いられる。触媒ガス発生器は噴射方式、バブリング方式、加熱気化方式などがあるが、いずれの方式においても気化したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが造型機への供給パイプ内で再凝縮しないよう、供給パイプを加温もしくは断熱する配慮が必要である。
硬化のために、型枠に充填された混練砂へ送り込んだN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンとキャリアガスの混合気体は、ポリオールであるフェノール樹脂とイソシアネート化合物の反応に対する触媒として作用した後、型枠から排出される。N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを含んだ気体を大気中に放出するのは、環境上好ましくなく、また鋳型製造の作業環境を劣悪にするので、排ガス処理装置でN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収して実質上無臭状態にしてから大気中へ放出する。排ガス処理装置としては洗浄塔方式があり、中和液として硫酸水溶液使用る。
最後に、圧縮空気乾燥装置で乾燥空気を調製して、硬化した鋳型内に残留する触媒をパージするために型枠内へ乾燥空気を吹込んだ後、鋳型を型枠から脱型して鋳造用鋳型ができる。
本発明では、排ガス処理装置の触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収した硫酸水溶液に塩基性物質を添加した後、この溶液の蒸留を行って触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収するようにした。回収したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンは、再度、鋳型製造用硬化触媒として利用される。
排ガス処理装置から触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収した硫酸水溶液を耐食性の容器、槽に移しかえる。耐食性の容器、槽としては、ステンレス製容器、ガラスを被覆した金属容器、ポリエチレン製などの樹脂容器などが使用できる。
排ガス処理装置から耐食性の容器へ移しかえた、触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収した硫酸水溶液に触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンより塩基性の強い塩基性物質を加えて、硫酸水溶液を塩基性にする。塩基性物質を加える際は、塩基性物質を直接加えてもよいし、塩基性物質を水溶液にして加えてもよい。加える塩基性物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが用いられる。塩基性物資を加える際はよく撹拌して加える。触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収した硫酸水溶液に触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンより塩基性の強い塩基性物質を加えて塩基性にすると、触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが液層になって硫酸水溶液の液面上部に分離する。この溶液の蒸留を行うことにより、触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収、脱水して鋳造用鋳型製造用硬化触媒として再利用する。この場合、蒸留方法として水蒸気蒸留も適用可能である。
なお、排ガス処理装置で触媒N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミン回収用に用いる液体は硫酸水溶液である。リン酸水溶液は、廃棄する場合、環境を汚染する可能性がある。
粒状耐火性骨材としてフリマントル硅砂100重量部、フェノール樹脂溶液(商品名「ISOCUREパートI−308SR」、保土谷アシュランド(株)製)0.9質量部、ポリイソシアネート化合物有機溶剤溶液(商品名「ISOCUREパートII−608TT」、保土谷アシュランド(株)製)0.9質量部を室温10℃中で、品川式ミキサー((株)ダルトン製 50M−r型ミキサー)で90秒混練した。得られた混練砂300gを混練直後に、通気装置に接続可能な直径50mm、高さ300mmの円筒状の試験鋳型製作用金型に充填密度が1.51(グラム/立方センチメートル)になるようにつきかためて充填した。次に、金型を通気装置に接続し硬化触媒であるN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを含むガスを30ml/分の通気量で種々の時間金型内を通気した。通気後、鋳型を金型より取り出し、硬化して鋳型となった部分と、未硬化の混練砂を分離し、硬化して鋳型となった部分の重量を測定した。測定結果を表1に示す。N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンは市販の試薬特級を使用した。
鋳型製作時に試験鋳型製作用金型を通気したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを含むガスは、試験鋳型製作用金型に接続された塩化ビニル製のパイプを通じて塩化ビニル製の容器に入れられた10wt%硫酸水溶液に通しN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを硫酸水溶液に溶解、回収した。硫酸水溶液のpHが4以上になるとN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンが硫酸水溶液に溶解する量、すなわち、回収効率が急激に低下するので、pHが4になったら硫酸水溶液を交換する。N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンが溶解した上記の硫酸水溶液を、塩化ビニル製の容器に移し替え、この硫酸水溶液に水酸化ナトリウムを添加し、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンが溶液上部に液状の層として分離した後、この溶液を蒸留してN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを回収した。回収したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンは、再度、鋳型の硬化触媒として使用する。具体的な水酸化ナトリウムの添加量は、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンが溶解したpH4の10wt%硫酸水溶液1000g当たり、127gであり、蒸留で回収できたN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンの量は155gであった。また、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンが溶解した硫酸水溶液に水酸化ナトリウムを添加すると硫酸は硫酸ナトリウムとなる。この硫酸ナトリウム水溶液は10倍量の水で希釈して工業排水として処理した。
[比較例1]
硬化触媒としてトリエチルアミンを使用した以外は、実施例1と同様にして、種々の通気時間で硬化した後、実施例1と同様に、硬化して鋳型となった部分の重量を測定した。測定結果を表1に示す。トリエチルアミンは市販の試薬特級を使用した。
Figure 0004452553
表1に示した、触媒としてN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを用いた場合の各通気時間での硬化量を、触媒としてトリエチルアミンを用いた場合を比較すると、各通気時間でN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを使用した方が、硬化量が多くなる。N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを使用した場合は、通気時間4秒で混練砂全量が硬化するのに対し、トリエチルアミンを使用した場合は、通気時間が10秒でも全量は硬化しない。
表1に示した結果より、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを硬化触媒として使用すると、トリエチルアミンを硬化触媒として使用した場合より、短い通気時間で混練砂が硬化するので、鋳型を製造する時間が短縮されて鋳型製造の生産性が上がることがわかる。
本発明はN,N−ジメチル−N−n−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを硬化触媒として使用するので、取扱いが容易で生産性が高い鋳型製造方法として、ガスキュア型コールドボックス法で利用可能である。また、鋳型製造で排出されるN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを回収し再度触媒として使用するので、資源の有効利用、産業廃棄物の削減による環境負荷の小さい鋳型製造方法として利用可能である。

Claims (10)

  1. ポリオールであるフェノール樹脂0.1〜3.0質量部とイソシアネート化合物0.1〜3.0質量部とを混合して、100質量部の粒状耐火性骨材を被覆し、該被覆された粒状耐火性骨材をガスキュア型コールドボックス法の鋳型製造用型枠内に充填して成形し、前記したポリオールであるフェノール樹脂に対して1質量%以上の質量のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを気体状にして、硬化触媒として該鋳型製造用型枠の内部に注入し、注入された気体状のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが該鋳型製造用型枠の外部に最終的に排出された時に、排出された気体状のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンの全量を酸水溶液に吸収させて気体状のN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが大気中に放出されるのを防止し、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンが溶解した硫酸水溶液に、該N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンよりも塩基性の強い塩基性物質または塩基性水溶液を加えて、硫酸水溶液を塩基性にしてN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを硫酸水溶液上部に液層として析出させた後、この溶液の蒸留を行ってN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを液体として回収し、さらに脱水することによって、回収したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよび/またはN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを再度鋳型製造用硬化触媒として使用することを特徴とするガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  2. 前記したポリオールであるフェノール樹脂とイソシアネート化合物の合計量が、粒状耐火性骨材100質量部に対して0.2〜3.0質量部である、請求項1記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  3. 前記したポリオールであるフェノール樹脂がベンジリックエーテル型フェノール樹脂である、請求項1または請求項2記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  4. 前記したイソシアネート化合物がポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートである、請求項1〜3いずれかの項に記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  5. 前記したフェノール樹脂の重量平均分子量が500〜5000である、請求項1〜4いずれかの項に記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  6. 前記した粒状耐火性骨材の平均粒径が50〜600マイクロメートルである、請求項1〜5いずれかの項に記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  7. 前記したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンよりも塩基性の強い塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムから選択される1種類または2種類以上の混合物である、請求項記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  8. 前記した塩基性物質が水酸化ナトリウムである請求項記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  9. 前記したN,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンおよびN,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンよりも塩基性の強い塩基性水溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムから選択される1種類または2種類以上の混合物の水溶液である、請求項記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
  10. 前記した塩基性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である請求項記載のガスキュア型コールドボックス法鋳造用鋳型製造方法。
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