JP5248079B2 - 鋳型の製造方法 - Google Patents

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本発明は、鋳造に用いられる鋳型の製造方法に関するものである。
現在使用されている鋳型は一般に、生砂型、高圧造型、高速造型など粘土類等を粘結剤として用いる普通鋳型と、熱硬化性鋳型、自硬性鋳型、ガス硬化鋳型、精密鋳造用鋳型など硬化性粘結剤を用いる特殊鋳型と、その他の鋳型とに分類される。
これらの鋳型には一長一短があるが、鋳型を製造する際に高温の加熱が必要であったり、粘結剤の硬化に時間を要して短時間で安定して鋳型を製造することが難しかったり、鋳型を製造する際に有毒ガスが発生するおそれがあったりするなどの問題を有することが多い。
そこで本出願人は、粘結剤を耐火骨材に混合して調製されるレジンコーテッドサンドを型内に充填し、この型内に水蒸気を吹き込んで粘結剤を加熱して固化乃至硬化させることによって鋳型を製造する方法を提案している。すなわち、水蒸気は高い凝縮潜熱を有するので、レジンコーテッドサンドを充填した型内に水蒸気を吹き込むことによって、水蒸気がレジンコーテッドサンドに接する際にこの潜熱が伝達され、レジンコーテッドサンドを瞬時に加熱して粘結剤を固化乃至硬化させることができるものである。従って、型を高温に加熱しておく必要なく、安定して短時間で鋳型を製造することができると共に、有毒ガスの発生も防ぐことができるのである(特許文献1等参照)。
特許第3563973号公報
上記のようにレジンコーテッドサンドを充填した型内に水蒸気を吹き込んで加熱するにあたって、水蒸気の潜熱がレジンコーテッドサンドに伝達されることによって、型内で凝縮水が生成され、レジンコーテッドサンドの表面に凝縮水が付着することになる。型内の温度が100℃付近に達するまで凝縮水は生成されるが、この凝縮水は、続いて吹き込まれる水蒸気で加熱されて蒸発し、凝縮水の蒸発と共に温度が100℃以上に上昇し、レジンコーテッドサンドの粘結剤を固化乃至硬化させることができるものである。水蒸気として過熱水蒸気を用いる場合には、この温度上昇はより速くなる。
しかし、水蒸気は水分を多量に含んでいるため、凝縮水を続いて吹き込まれる水蒸気で加熱して蒸発させるにあたって、蒸発の効率が良好ではなく、凝縮水を迅速に蒸発させることが難しい。従って、型内の温度が100℃付近に達した後、凝縮水が蒸発して100℃以上に温度が上昇するまでの間の時間が長くなるものであり、型内における加熱温度の上昇が不十分になるおそれがあり、この結果、得られる鋳型の強度が不十分になる場合があった。
また、水蒸気で凝縮水を加熱して蒸発させる場合、この水蒸気からも凝縮水が出て体積が小さくなるので、型内に高い圧力で水蒸気を吹き込んでも、水蒸気が吹き込まれる入口から水蒸気が出る出口に近づくにつれて水蒸気の圧力が低下し、凝縮水が滞留したり、乾燥や温度上昇が遅くなったりするものであった。
これらのことは、過熱水蒸気を用いる場合にも多少の差はあるが、この傾向に変わりはない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、型内の温度上昇の速度をより速めて、鋳型の強度をより向上することができる鋳型の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る鋳型の製造方法は、熱硬化性樹脂の粘結剤と耐火骨材を含有して調製されるレジンコーテッドサンドを型内に充填し、この型内に水蒸気を吹き込んで、水蒸気の凝縮潜熱によりレジンコーテッドサンドの温度を上昇させ、次に加熱した気体として加熱した空気あるいは水蒸気と空気との混合気体を型内に吹き込んで、型内の凝縮水を蒸発させると共にレジンコーテッドサンドの粘結剤が硬化する温度以上に加熱することを特徴とするものである。
また本発明は、上記の水蒸気が過熱水蒸気であることを特徴とするものである。
また本発明は、上記の熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とするものである。
また本発明は、型内に水蒸気や加熱した気体を吹き込みながら、型内に吹き込まれたこれらの水蒸気や気体を吸引して型外に強制的に排出することを特徴とするものである。
本発明によれば、レジンコーテッドサンドを充填した型内に水蒸気を吹き込むことによって、水蒸気の凝縮潜熱によりレジンコーテッドサンドの温度を100℃近傍まで急速に上昇させることができると共に、次いで、加熱した気体として加熱した空気あるいは水蒸気と空気との混合気体を型内に吹き込むことによって、水分の少ないこの気体で凝縮水を迅速に蒸発させることができ、短時間で100℃以上の温度に上昇させることができるものであり、レジンコーテッドサンドの熱硬化性樹脂の粘結剤が硬化する温度以上にまで型内の温度を上昇させる速度を速めることができるものである。そしてこの結果、短時間の加熱で強度の高い鋳型を製造することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
レジンコーテッドサンドは、けい砂などの耐火骨材に粘結剤を混合することによって、耐火骨材の表面を粘結剤で被覆して形成されるものである。
粘結剤としては、熱硬化性樹脂を用いるのが一般的である。この熱硬化性樹脂としては、レゾール型、ノボラック型、ベンジリックエーテル型などのフェノール樹脂、フラン樹脂、イソシアネート化合物、アミンポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂などを挙げることができるものであり、これらに硬化剤としてイソシアネート化合物、有機エステル類、ヘキサメチレンテトラミンなどを、硬化触媒として第三級アミン、ピリジン誘導体、有機スルホン酸などをそれぞれ配合し、熱硬化性にして使用することができるものである。
粘結剤としてフェノール樹脂を用いる場合、フェノール樹脂はフェノール類とホルムアルデヒド類を反応触媒の存在下で反応させることによって調製することができる。
ここでフェノール類は、フェノール及びフェノールの誘導体を意味するものであり、例えばフェノールの他に、m−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレノールなどの3官能性のもの、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性のもの、o−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4又は2,6−キシレノールなどの2官能性のo−又はp−置換のフェノール類を挙げることができ、さらに塩素又は臭素で置換されたハロゲン化フェノールなども用いることができる。勿論、これらから1種を選択して用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。
またホルムアルデヒド類としては、水溶液の形態であるホルマリンが最適であるが、パラホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンのような形態のものを用いることもでき、その他、ホルムアルデヒドの一部をフルフラールやフルフリルアルコールに置き換えて使用することも可能である。
上記のフェノール類とホルムアルデヒド類との配合比率は、フェノール類とホルムアルデヒドのモル比が1:0.6〜1:3.5の範囲になるように設定するのが好ましい。
また反応触媒は、ノボラック型フェノール樹脂を調製する場合は、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、あるいはシュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸などの有機酸、さらに酢酸亜鉛などを用いることができる。またレゾール型フェノール樹脂を調製する場合は、アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物を用いることができ、さらにジメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジエチレントリアミン、ジシアンジアミドなどの脂肪族の第一級、第二級、第三級アミン、N,N−ジメチルベンジルアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン、アニリン、1,5−ナフタレンジアミンなどの芳香族アミン、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミンなどや、その他二価金属のナフテン酸や二価金属の水酸化物等を用いることもできる。
また粘結剤を希釈して使用する場合、希釈用の溶剤としてはアルコール類、ケトン類、エステル類、多価アルコールなどを用いることができる。
そして上記の粘結剤を、けい砂などの耐火骨材と混合することによって、耐火骨材の表面を粘結剤で被覆したレジンコーテッドサンドを調製することができるものである。
ここで、アミン・コールドボックス鋳型を例にとってレジンコーテッドサンドを具体的に説明すると、フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で反応させ、反応生成物を脱水することによって得たベンジリックエーテル型フェノール樹脂をそのままあるいはエーテル系、エステル系、石油系等の溶剤で希釈して液状にし、これをA液とする。またイソシアネート化合物をそのままあるいは溶剤で希釈してB液とする。このイソシアネート化合物としては、−NCO基を2個以上持つものであれば特に制限されないが、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、さらにはp−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ブロック型ポリイソシアネート、イソシアネートの二量体、イソシアネートの三量体などの液状又は固形状のものなどを使用することができる。このA液やB液の希釈用の溶剤としては、水酸基を含有しないものが好ましく、脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素系の溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、エーテル類、ケトン類、エステル類、多価アルコールの誘導体や、これらの混合物を使用することができ、その代表的なものとして、灯油、シクロヘキサン、キシレン、クメン、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンシクロヘキサン、イソホロン、フタル酸ジブチル、エチルセロソルブアセテート、プロピレンカーボネートなどを挙げることができる。そして耐火骨材にA液を加えて混練し、さらにこれにB液を加えて混練することによって、耐火骨材に粘結剤を被覆したレジンコーテッドサンドを得ることができるものである。
次に、上記のように調製されるレジンコーテッドサンドを用いて鋳型を製造する方法の一例を図1を参照して説明する。図1(a)に示すように、内部にキャビティ3を設けて形成した型1の上面に注入口4が設けてあり、型1の下面には金網等の網5で塞いだ排出口6が設けてある。この型は縦割りあるいは横割に割ることができるようになっている。またレジンコーテッドサンド2はホッパー7内に貯蔵してあり、ホッパー7にはコック8付きの空気供給管9が接続してある。そしてホッパー7の下端のノズル口7aを型1の注入口4に合致させた後、コック8を閉から開に切り代えることによって、ホッパー7内に空気を吹き込んで加圧し、ホッパー7内のレジンコーテッドサンド2を型1内に吹き込んで、型1のキャビティ3内にレジンコーテッドサンド2を充填する。排出口6は網5で塞いであるので、レジンコーテッドサンド2が排出口6から洩れ出すことはない。注入口4や排出口6を図1の実施の形態のように型1に複数設ける場合、複数の注入口4のうち一箇所あるいは複数箇所からレジンコーテッドサンド2を入れるようにすればよい。
このように型1内にレジンコーテッドサンド2を充填した後、型1の注入口4からホッパー7を外すと共に、図1(b)のように各注入口4に給気パイプ10を接続する。給気パイプ10には水蒸気と、加熱気体とを選択的に供給することができるようにしてあり、給気パイプ10のコック11を開いて、まず水蒸気を型1のキャビティ3内に吹き込む。
ここで、水蒸気としては飽和水蒸気をそのまま用いることができるが、本発明では過熱水蒸気を用いるのが好ましい。過熱水蒸気は、飽和水蒸気をさらに加熱して、沸点以上の温度とした完全気体状態の水蒸気であり、100℃以上の乾き蒸気である。飽和水蒸気を加熱して得られる過熱水蒸気は、圧力を上げないで定圧膨張させたものであってもよく、あるいは膨張させないで圧力を上げた加圧水蒸気であってもよい。型1内に吹き込む過熱水蒸気の温度は特に限定されるものではなく、過熱水蒸気は900℃程度にまで温度を高めることができるので、100〜900℃の間で必要に応じた温度に設定すればよい。
そしてこのように型1内に水蒸気を吹き込むと、レジンコーテッドサンド2の表面に水蒸気が接触することによって、水蒸気は潜熱がレジンコーテッドサンド2に奪われて凝縮するが、水蒸気は高い潜熱を有するので、水蒸気が凝縮する際に伝熱されるこの潜熱でレジンコーテッドサンド2の温度は100℃付近にまで急速に上昇する。このように水蒸気の潜熱の伝熱によってレジンコーテッドサンド2が100℃付近にまで加熱される時間は、水蒸気の温度や型1内への吹き込み流量、型1内のレジンコーテッドサンド2の充填量などで変動するが、通常、3〜30秒程度の短時間である。型1内に注入口4から吹き込まれた水蒸気は、型1内のレジンコーテッドサンド2を加熱した後、排出口6から排気される。
次に、レジンコーテッドサンド2の温度が100℃付近にまで上昇した後、給気パイプ10への供給を加熱気体に切り換え、加熱気体を型1内に吹き込む。加熱気体は水分含有率が上記の水蒸気より低いものであればよく、加熱した空気を用いることができる。例えば、大気中の空気を加熱して給気パイプ10に加熱気体として供給すればよい。また上記の水蒸気に加熱空気を混合して含有水分量を低くすることによって、この混合気体を加熱気体として用いることもできる。この加熱気体の温度は特に限定されるものではなく、100℃以上であり、且つレジンコーテッドサンド2の粘結剤が硬化する温度以上のものであればよい。
上記のように型1内に水蒸気を吹き込むと、水蒸気が凝縮する際に伝熱される潜熱でレジンコーテッドサンド2の温度を100℃付近にまで急速に上昇させることができるが、さらに100℃以上の温度に上昇させるには、凝縮水を蒸発させる必要がある。そしてこの凝縮水はその後に吹き込まれる水蒸気による加熱で蒸発されるが、既述のように、水蒸気は水分を多く含むので、凝縮水を蒸発させる効率が低い。そこで本発明では上記のように加熱気体を型1内に吹き込むようにしたものであり、加熱気体は水蒸気よりも含有される水分量が少なく、湿度の低い乾燥気体であるので、型1内で生成された凝縮水を短時間で蒸発させて乾燥することができるものである。ここで、過熱水蒸気及び加熱空気の気流で水の蒸発実験を行なった場合、温度が170℃付近以下では、過熱水蒸気中への水の蒸発速度より、加熱空気中への水の蒸発が大きくなることが報告されている(T.Yosida,Hyodo,T.,Ind.Eng.Chem.Process Des.Dev.,9(2),207-214(1970))。この報告にもみられるように、加熱気体を型1内に吹き込むことによって、水蒸気を吹き込み続ける場合よりも、短時間で凝縮水を蒸発させて乾燥することができるものである。
従って、加熱気体を型1内に吹き込み始めてから短時間で、100℃以上にレジンコーテッドサンド2の温度を上昇させることができるものであり、レジンコーテッドサンド2の粘結剤が硬化する温度以上にまで型1内の温度を上昇させる速度を速めることができるものである。そしてこの結果、短い加熱時間で強度の高い鋳型を製造することが可能になるものである。
また、既述のように水蒸気で凝縮水を加熱して蒸発させる場合、この水蒸気は凝縮によって体積が小さくなり、圧力が低下して型1内に凝縮水が滞留したり、乾燥や温度上昇が遅くなったりするが、加熱気体は凝縮による体積収縮がなく、圧力低下が殆どないので、注入口4から排出口6に至るまで加熱気体が型1内に行き渡り、型1内の全体で均一に加熱気体の温度を作用させて、乾燥や温度上昇が速やかに行なわれるものである。
加熱気体を型1内に吹き込む時間は、加熱気体の温度や型1内への吹き込み流量、型1内のレジンコーテッドサンド2の充填量、型1内の凝縮水の量などで変動するが、通常、5〜30秒程度の短時間である。従って、水蒸気を型1内に吹き込み始めてから、10秒〜1分程度の短時間で、鋳型を製造することが可能である。
図2の実施の形態は、型1の排出口6に吸引パイプ12を接続するようにしたものであり、吸引パイプ12には真空ポンプなどが接続してある。そして型1内を吸引パイプ12で吸引しながら、上記のように型1内に水蒸気や加熱空気を吹き込むようにしてある。このように型1内を吸引しながら水蒸気や加熱空気を吹き込むことによって、水蒸気や加熱空気は型1内に充填されたレジンコーテッドサンド2の粒子間を通過した後に、強制的に排出口6から排出されるものであり、水蒸気や加熱空気が型1内に滞留することがなくなり、水蒸気や加熱空気による加熱の効率が高まって、より短時間で鋳型を製造することが可能になるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(レジンコーテッドサンドの製造例1)
145℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れ、これにレゾール型フェノール樹脂(リグナイト(株)製「LT−15」)を540g加え、30秒間混練した後、さらに450gの水を添加して十分に混練した。次いでさらにステアリン酸カルシウム30gを添加して30秒間混練した後、エアーレーションを行なうことによって、融着点98℃のフェノール樹脂が1.8質量%付着したレジンコーテッドサンドを得た。
(レジンコーテッドサンドの製造例2)
145℃に加熱したフラタリーサンド30kgをワールミキサーに入れ、これにノボラック型フェノール樹脂(リグナイト(株)製「H3」)を450g加え、30秒間混練した後、さらにヘキサメチレンテトラミン67.5gを450gの水に予め溶解させたヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加して十分に混練した。次いでさらにステアリン酸カルシウム30gを添加して30秒間混練した後、エアーレーションを行なうことによって、融着点102℃のフェノール樹脂が1.5質量%付着したレジンコーテッドサンドを得た。
(実施例1)
キャビティ3の大きさが30cm×10cm×4cmに形成された図1のような型1を
150℃に予熱して用いた。この型1の下面の3箇所の排出口6にはそれぞれ温度センサーを配置して設けてあり、排出口6から排出される気体の温度測定をすることができるようにしてある。
そしてまず、型1の上面の3箇所の注入口4のうち中央の注入口4にホッパー7を接続すると共に他の2ヶ所の注入口4を閉じ、製造例1で得たレジンコーテッドサンド2を、圧力0.2MPaの空気圧で型1内に吹き込んで充填した。
次に、型1の上面の3箇所の注入口4に給気パイプ10を接続し、ボイラーで発生させた圧力0.4MPa、温度143℃の飽和水蒸気を、過熱蒸気発生装置(野村技工(株)製「GE−100」)で加熱して得た、350℃、0.45MPaの過熱水蒸気を80kg/hの流量で給気パイプ10に供給し、型1内に10秒間吹き込んだ。
この後直ちに、給気パイプ10への供給を加熱気体に切り換え、350℃の加熱空気を型1内に20秒間吹き込んだ。ここで加熱空気は、25℃での相対湿度63%RHの空気を熱風発生機((株)竹綱製作所製「TSK−31」)で350℃に加熱したものであり、5.7m/分の流量で型1内に吹き込んだ。
このように350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で10秒間、続いて350℃の加熱空気を5.7m/分の流量で20秒間、型1内に吹き込むことによって、レジンコーテッドサンド2を加熱して鋳型を作製し、型1を割ることによって、30cm×10cm×4cmの鋳型を得た。
(実施例2)
350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で15秒間、続いて350℃の加熱空気を5.7m/分の流量で15秒間、型1内に吹き込むようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
(実施例3)
350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で20秒間、続いて350℃の加熱空気を5.7m/分の流量で10秒間、型1内に吹き込むようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
(実施例4)
レジンコーテッドサンドとして、製造例2で得たものを用いるようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
(実施例5)
レジンコーテッドサンドとして、製造例2で得たものを用いるようにした他は、実施例2と同様にして鋳型を得た。
(実施例6)
レジンコーテッドサンドとして、製造例2で得たものを用いるようにした他は、実施例3と同様にして鋳型を得た。
(実施例7)
レジンコーテッドサンドとして製造例2で得たものを用い、350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で10秒間、型1内に吹き込み、続いて350℃の過熱水蒸気を40kg/hの流量及び350℃の加熱空気を3m/分の流量で混合した、混合気体を20秒間、型1内に吹き込むようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
(実施例8)
レジンコーテッドサンドとして製造例2で得たものを用い、350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で15秒間、型1内に吹き込み、続いて350℃の過熱水蒸気を40kg/hの流量及び350℃の加熱空気を3m/分の流量で混合した、混合気体を15秒間、型1内に吹き込むようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
(実施例9)
レジンコーテッドサンドとして製造例2で得たものを用い、350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で20秒間、型1内に吹き込み、続いて350℃の過熱水蒸気を40kg/hの流量及び350℃の加熱空気を3m/分の流量で混合した、混合気体を10秒間、型1内に吹き込むようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
(比較例1)
レジンコーテッドサンドとして製造例1で得たものを用い、350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で30秒間、型1内に吹き込むようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
(比較例2)
レジンコーテッドサンドとして製造例2で得たものを用い、350℃の過熱水蒸気を80kg/hの流量で30秒間、型1内に吹き込むようにした他は、実施例1と同様にして鋳型を得た。
上記の実施例1〜9及び比較例1〜2において、過熱水蒸気吹き込み終了時点での、型1の排出口6の温度と、加熱空気(混合気体)の吹き込み終了時点での、型1の3箇所の排出口6の温度をそれぞれ温度センサーで測定し、その平均値を表1に示す。
また鋳型を型1から取り出す際の臭いを作業者の臭覚で評価した。結果を表1に示す。さらに取り出した鋳型の質量を測定し、結果を表1に示す。
また実施例1〜9及び比較例1〜2で得た鋳型を幅20mm、長さ60mm、厚み10mmに切り出して試験片を作製し、この試験片の曲げ強さをJIS K6910に準拠して測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005248079
表1にみられるように、30秒間、過熱水蒸気を吹き込むようにした比較例1,2では、終了時点での温度は114〜116℃であるのに対して、過熱水蒸気に続いて加熱空気(混合気体)を合計30秒間吹き込むようにした実施例1〜9では、終了時点の温度は143〜160℃になっており、型内の温度上昇の速度が速くなっていることが確認される。また実施例1〜9で得た鋳型は、比較例1〜2のものより強度が向上していることも確認される。
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)(b)はそれぞれ各工程での概略断面図である。 本発明の他の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 型
2 レジンコーテッドサンド

Claims (4)

  1. 熱硬化性樹脂の粘結剤と耐火骨材を含有して調製されるレジンコーテッドサンドを型内に充填し、この型内に水蒸気を吹き込んで、水蒸気の凝縮潜熱によりレジンコーテッドサンドの温度を上昇させ、次に加熱した気体として加熱した空気あるいは水蒸気と空気との混合気体を型内に吹き込んで、型内の凝縮水を蒸発させると共にレジンコーテッドサンドの粘結剤が硬化する温度以上に加熱することを特徴とする鋳型の製造方法。
  2. 水蒸気が過熱水蒸気であることを特徴とする請求項1に記載の鋳型の製造方法。
  3. 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳型の製造方法。
  4. 型内に水蒸気や加熱した気体を吹き込みながら、型内に吹き込まれたこれらの水蒸気や気体を吸引して型外に強制的に排出することを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の鋳型の製造方法。
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