JP2005152976A - 造型用型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 造型用型10は、型合せすることにより内部に所定形状のキャビティ18、19を形成する上型12と下型14により構成され、キャビティ18、19内にレジンコーテッドサンド94を充填し、レジンコーテッドサンド94が充填されたキャビティ18、19内に加熱流体を供給してレジンコーテッドサンド94を硬化させて所定の形状の型を成形するもので、上型12と下型14の型合わせ面16、17の一方17に、キャビティ18、19の周囲を取り囲むように連続し、且つ、対向する他方の型合せ面16に向かって突出することが可能なシール部材84、85を設けた。
【選択図】図6
Description
砂型は、鋳物砂に様々な粘着剤が加えられ、目的とする形状に成形(造型)されるようになっている。このような砂型においては、よく知られているように、粘結剤の種類や硬化機構などによって、例えば、生型、ガス硬化鋳型、自硬性鋳型、および熱硬化性鋳型などに分類するすることができる。これらの鋳型は、それぞれ特有の長所を有するものの、次に挙げるような問題点も有している。
すなわち、生型では、製造する際に使用される粘結剤の性質上、その硬化に長時間を要することから、生産性を向上させることができないなどの問題があった。
また、ガス硬化鋳型では、製造する際に粘結剤を硬化させるために使用されるガスとして扱いに注意を有するものを使用する場合があり、そのようなガスを安全に使用するための設備が必要となってコストがかかり、また、作業に習熟を要するなどの問題があった。
さらに、自硬化性鋳型では、製造する際に所定の形状に鋳型を成形した後に所定時間放置して硬化させるため、硬化させるために長時間を要することから、生産性を向上させることができないなどの問題があった。
そして、熱硬化性鋳型では、成形しようとする型の形状と対応するキャビティが形成される金型を用意し、表面に熱硬化性樹脂が被覆された所謂レジンコーテッドサンドをその金型の内部のキャビティ内に充填し、レジンコーテッドサンドを熱硬化させることによって製造するのであるが、このレジンコーテッドサンドを迅速に熱硬化させるために金型を例えば300度C以上の高温に加熱する必要があり、この加熱するための設備や燃料費などにコストがかかると共に、その加熱により発生するガスの対策を講じなければ成らないなどの問題があった。
また、請求項2の造型用型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、前記シール部材は、弾性体材料からなり、その表層部が緻密なスキン層とされると共に、該表層部よりも内側の内部が発泡構造とされていることを特徴とするものである。
また、請求項3の造型用型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1または2に記載の発明において、シール部材と対応して前記キャビティを取り囲むように型合せ面に形成されて前記シール部材をその設けられた型合せ面から突出および退避可能に収容する溝と、該溝内に連通されて前記シール部材を少なくとも対向する他方の型合せ面に向かって突出させるための作動流体を供給する作動流体供給手段と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の造型用型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明において、前記シール部材が、前記溝内の側面に対して接着されて収容配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の造型用型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項3または4に記載の発明において、前記溝はその側面に沿って延びる凹部が設けられ、前記シール部材は前記溝の凹部に嵌合される凸部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項6の造型用型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記型は、枠型と、該枠型内に組み込まれるキャビティを形成する組込型と、により構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の造型用型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項6に記載の発明において、前記シール部材は、前記互いに対向する枠型の何れか一方の型合わせ面に配設されていることを特徴とするものである。
また、請求項8の造型用型に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項6または7に記載の発明において、前記シール部材が、前記互いに対向する組込型の何れか一方の型合わせ面に配設されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明では、請求項1に記載の発明において、シール部材を、弾性体材料により構成し、その表層部を密なスキン層とすると共に、この表層部よりも内側の内部を発泡構造とするることにより、キャビティ周囲における各型の型合せ面間は、シール部材によって確実に気密にシールされる。
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の発明において、シール部材は、キャビティを取り囲むように型合せ面に形成された溝に収容され、この溝に連通された作動流体供給手段から供給される作動流体によって他方の型合せ面に向かって突出される。そのため、キャビティ周囲における各型の型合せ面間は、シール部材によってさらに確実に気密シールされる。なお、作動流体供給手段は、例えば、キャビティ内にレジンコーテッドサンドを充填するとき以外、あるいは、加熱流体を供給するとき以外など、必要に応じてシール部材を溝から突出させないことが好ましいときに溝内にシール部材を退避させるよう操作可能に構成することもできる。
請求項4の発明では、請求項3に記載の発明において、シール部材が溝内の側面に接着されて収容配置されていることにより、作動流体供給手段が供給する作動流体によってシール部材が不用意に溝から離脱することなく、対向する型合せ面に向かって確実に突出されてシールが確実に行われる。
請求項5の発明では、請求項3または4に記載の発明において、シール部材は、その突出する方向と略直交する方向である側面に形成された凸部が、対応する溝の側面に形成された凹部に嵌合されていることにより、作動流体供給手段が供給する作動流体によってシール部材が不用意に溝から離脱することなく、対向する型合せ面に向かってさらに確実に突出されてシールが確実に行われる。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、各型を、枠型と、この枠型内に組み込まれてキャビティを形成する組込型と、により構成することにより、異なる形状のキャビティを形成する組込型を共通の枠型に組込むことや、複数の同種または異種の複数の組込型を単一の枠型に組込むことなどが可能となる。
請求項7の発明では、請求項6に記載の発明において、互いに対向する枠型の何れか一方の型合わせ面に連続するシール部材を突出させた状態または突出させ得る状態で配設することにより、キャビティの周囲がシール部材によって確実に取り囲まれた状態でシールされ、レジンコーテッドサンドや加熱流体が型合せ面から漏れるのを防止する。
請求項8の発明では、請求項6または7に記載の発明において、互いに対向する組込型の何れか一方の型合わせ面に連続するシール部材を突出させた状態または突出させ得る状態で配設することにより、キャビティの周囲がシール部材によって確実に取り囲まれた状態でシールされ、レジンコーテッドサンドや加熱流体が型合せ面から漏れるのを防止する。
レジンコーテッドサンドを硬化させるためにキャビティ内に供給する加熱流体の温度や供給圧力を高くする必要がないため、その加熱流体を供給するための手段も簡易化することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の発明において、キャビティ周囲における各型の型合せ面間をシール部材によって確実に気密にシールすることができる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載の発明において、キャビティ周囲における各型の型合せ面間をシール部材によってさらに確実に気密シールすることができると共に、シール部材を溝内に退避させることが可能となるため、シール部材の使用寿命も長くすることができるため、さらにコストを低減することができる造型用型を提供することができる。
請求項4の発明によれば、請求項3に記載の発明において、作動流体供給手段が供給する作動流体によってシール部材を不用意に溝から離脱させることなく、対向する型合せ面に向かって確実に突出させてシールを確実に行うことができる。
請求項5の発明によれば、請求項3または4に記載の発明において、作動流体供給手段が供給する作動流体によってシール部材を不用意に溝から離脱させることなく、対向する型合せ面に向かってさらに確実に突出させてシールを確実に行うことができる。
請求項6の発明によれば、請求項1〜5に記載の発明において、異なる形状のキャビティを形成する組込型を共通の枠型に組込むことや、複数の同種または異種の複数の組込型を単一の枠型に組込むことなどを可能とすることができ、多種の型を効率よく造型することができる。
請求項7の発明によれば、請求項6に記載の発明において、共通の枠型の型合わせ面にシール部材を配設するため、枠型に異なる組込型を組込んでも、確実にキャビティの周囲を気密にシールして、水蒸気などの加熱流体やレジンコーテッドサンドの微小な粒子が型合わせ面に侵入して型合せ面が摩耗するのを阻止することができるため、型の寿命を長くすることができ、その結果としてコストを低減することができると共に、効率よく多種の型を造型することができる。
請求項8の発明によれば、請求項6または7に記載の発明において、個々の組込型毎の型合わせ面にシール部材を配設するため、枠型に異なる組込型を組込んでも、確実にキャビティの周囲を気密にシールして、水蒸気などの加熱流体やレジンコーテッドサンドの微小な粒子が型合わせ面に侵入して型合せ面が摩耗するのを阻止することができるため、型の寿命を長くすることができ、その結果としてコストを低減することができると共に、効率よく多種の型を造型することができる。
そして、本発明の造型用型10は、シール部材84、85が弾性体材料からなり、その表層部86が緻密なスキン層とされると共に、この表層部86よりも内側の内部88が発泡構造とされたものからなり、シール部材84、85と対応してキャビティ18、19を取り囲むように配置されたシール部材84、85を収容する溝78、80と、この溝内に連通されてシール部材84、85を少なくとも対向する他方の型合せ面16に向かって突出させるための作動流体を供給する作動流体供給手段92、93と、を備えている。
さらに、本発明の造型用型は、溝78、80がその側面に沿って延びる凹部82を有しており、シール部材84、85が溝78、80の凹部82に嵌合される凸部90を有しており、また、シール部材84、85が、溝78、80内の側面に対して接着されて収容配置されている。
そして、この実施の形態では、第1の型12および第2の型14は、それぞれ枠型20、46と、枠型20、46内に単数または複数で組み込まれてキャビティ18、19を形成する組込型22、24、および、48、50と、により構成されており、シール部材84、85は、一方の型枠46と組込型48、50のそれぞれの型合せ面17に配設されている。
上枠型20は、上型12の外周縁部分を構成するもので、その型合せ面となる下面16の中央部には左側上組込型22と右側上組込型24を組込むための矩形の凹所26が下面に向かって開口するように形成されており、この矩形凹所26の側壁部分が矩形の枠部28とされている。さらに、上枠型20の上面となる矩形の凹所26の底壁部には、二つの貫通孔30が互いに所定の間隔を隔てて形成されている。上枠型20の所定の位置には、その全体を加熱するためのオイルヒータなどからなる加熱手段44が設けられている。
また、左側上組込型22と右側上組込型24は、それぞれ、上枠型20の矩形凹所26の略半分の大きさを有する矩形ブロック形状に形成されてなるもので、成形しようとする鋳型の中子の形状に応じて互いに同じまたは異なる形状のキャビティ18、19の上側部分を構成する左側上キャビティ面32と右側上キャビティ面34とが形成されている。また、この実施の形態では、左側上組込型22の右側上組込型24と対向する側面に側溝40が設けられており、この側溝40内にはゴム板42が、その一部を側溝40の開口部から外部に突出する状態で収容配置されている。これにより、左側上組込型22と右側上組込型24とは、上枠型40の矩形の凹所26内に組込まれると、左側上組込型22の側溝40内に収容されたゴム板42の側溝40内から突出した部分が弾性変形した状態で右側上組込型24の側面に接触するため、左側上組込型22と右側上組込型24とを矩形の凹所26内にガタつくことなく組み込むことができるようになっている。さらに、左側上組込型22と右側上組込型24には、それぞれ、左側上キャビティ面32と右側上キャビティ面34の上方に開口する貫通孔36が上枠型20の各貫通孔30と対応する位置に形成されている。
左側上組込型22と右側上組込型24は矩形の凹所26の内部に左右に並んで組込まれ、その各貫通孔36が各貫通孔30と対応して連通されて砂供給口38がそれぞれ形成される。各砂供給口38は、砂供給装置96(図5)と水蒸気パィプ98(図6)とが切り替え可能に接続される。砂供給装置96は、キャビティ18、19内に所定の圧力の圧縮空気と共に所定のレジンコーテッドサンド94を供給することができるように構成されている。また、水蒸気パイプ98は、加熱流体を供給する手段として所定の温度と圧力の水蒸気を発生する手段に接続されており、その中間部には水蒸気の供給・停止を制御するための開閉バルブ100が介装されている。
上型12の下型14と対向する型合せ面16は、上枠型20の枠部28の下面と、左側上組込型22および右側上組込型24の下面とにより構成される。
下枠型46は、下型14の外周縁部分を構成するもので、その型合せ面17となる上面の中央部には左側下組込型48と右側下組込型50を組込むための矩形の凹所52が上面に向かって開口するように形成されている。この下枠型46の矩形の凹所52は、上型12の上枠型20に設けられた矩形の凹所26と略同一の大きさを有しており、この矩形凹所52の側壁部分が矩形の枠部54とされている。さらに、下枠型46の下面となる矩形の凹所52の底壁部には、二つの貫通孔56が互いに所定の間隔を隔てて形成されている。上枠型46の所定の位置には、その全体を加熱するためのオイルヒータなどからなる加熱手段72が設けられている。
一方、左側下組込型48と右側下組込型50は、それぞれ、下枠型46の矩形凹所52の略半分の大きさを有する矩形ブロック形状に形成されてなるもので、成形しようとする鋳型の中子の形状に応じて互いに同じまたは異なる形状のキャビティ18、19の下側部分を構成する左側下キャビティ面58と右側下キャビティ面60とが、左側上キャビティ面32と右側上キャビティ面34にそれぞれ対応するように形成されている。また、この実施の形態では、左側下組込型48の右側下組込型50と対向する側面に側溝68が設けられており、この側溝68内にはゴム板70が、その一部を側溝68の開口部から外部に突出する状態で収容配置されている。これにより、左側下組込型48と右側下組込型50とは、下枠型46の矩形の凹所52内に組込まれると、左側下組込型48の側溝68内に収容されたゴム板70の側溝68内から突出した部分が弾性変形した状態で右側下組込型50の側面に接触するため、左側下組込型48と右側下組込型50とを矩形の凹所52内にガタつくことなく組み込むことができるようになっている。さらに、左側下組込型48と右側下組込型50には、それぞれ、左側下キャビティ面58と右側下キャビティ面60の下方に開口する貫通孔62が下枠型46の各貫通孔56と対応する位置に形成されており、各貫通孔62の左側下キャビティ面58および右側下キャビティ面60に開口する部分には、圧縮空気は通過させるもののレジンコーテッドサンドの通過を可及的に阻止するメッシュキャップ66が設けられている。
左側下上組込型48と右側下組込型50は矩形の凹所52の内部に左右に並んで組込まれ、その各貫通孔62が各貫通孔56と対応して連通されてベントホール64がそれぞれ形成される。後述するように、上型12と下型14とを互いに型合せしてキャビティ18、19を形成し、その内部に各砂供給口38を介して圧縮空気と共にレジンコーテッドサンド94を供給したときに、ベントホール64を通じて圧縮空気が各キャビティ18、19内から排出されるようになっている(後述する)。下型14の上型12と対向する型合せ面17は、下枠型46の枠部54の上面と、左側下組込型48および右側下組込型50の上面とにより構成される。
そして、通路92に例えば作動流体として圧縮空気を供給するコンプレッサの圧縮空気供給路93が接続されて、通路92を介して溝78、80の底面とシール部材84、85との間に圧縮空気が導入されると、上述したように、各シール部材84、85の表層部分が徴密なソリツド構造を有するスキン層86とされている一方で、その内部が連通気泡を有するスポンジ層88とされて、平滑な表面と優れた柔軟性が付与されているため、各凹溝78、80内に導入された圧縮空気が各凹溝78、80内に収容されたシール部材84、85を押し上げると共に各シール部材84、85の内部のスポンジ層88における連通気泡内に侵入することにより、図3に二点鎖線で示すように、各シール部材84、85は、その下部部位が浮上させられると共に、その上部部位が各凹清78、80の開口部から盛り上がるように膨らまされて、下型14の型合せ面17上に突出する。そして、各シール部材84、85の下型14の型合せ面17から突出した部分が対向する上型12の型合せ面16に対して十分に弾性変形された状態で確実に密接されるようになっている。その結果として、上型12と下型14の型合せ面16、17間は、第一キャビティ18の周囲と第二キャビティ19の周囲とがシール部材85、85により、それぞれ個別に気密にシールされると共に、第一および第二キャビティ18、19の両方の周囲がシール部材84により二重に気密にシールされるようになっているのである。
なお、各シール都材84、85が型合せ面17から突出されるとき、各シール都材84、85が各凹溝78、80の側面に接着されていると共に、各シール部材84、85の側面に一体形成された凸部90が凹溝78、80の側面に設けられた凹部82に嵌合されているため、圧縮窒気の圧カによって各シール部材84、85は凹溝78、80内から離脱するようなことはない。
その後、上述したように、コンプレッサによって圧縮空気供給路93と通路92を介して溝78、80の底面とシール部材84、85との間に圧縮空気を導入させ、各シール部材84、85の下部部位を浮上させると共に上部部位を各凹清78、80の開口部から盛り上がるように膨らませて下型14の型合せ面17上に突出させて、対向する上型12の型合せ面16に対して確実に密接させて、第一および第二キャビティ18、19のそれぞれの周囲と、両方の周囲とを気密にシールする。
なお、各シール部材84、85の上部部位を対向する上型12の型合せ面16に対して突出させるのは、上型12と下型14の型合せ前または型合せと同時に行ってもよい。
ここで用いられる水蒸気としては、特関2000−107835号公報や、特開2000−61583号公報、特開2000−79444号公報、特開2000−84641号公報等に記載されるように、飽和水蒸気を加熱して、その飽和温度以上に温度を上げた過熱水蒸気を用いることも出来るが、第一および第二キャビティ18、19の個々の周囲と双方の周囲とが二重に気密にシールされて圧縮空気が型合せ面に漏出することがないことから、温度が110〜180℃程度で、蒸気圧が1.5〜10kgf/cm2程度の比較的低い温度で低い圧力のものが好適に使用される。加熱流体として水蒸気か第一および第二キャビティ18、19内に吹き込まれることによって、各キャビティ18、19にそれぞれ充填されたレジンコーテッドサンド94は、瞬時に旦つ均一に加熱されてその熱硬化性樹脂粘結剤が迅速に硬化し、第一および第二成形キャビティ18、19にそれぞれ対応して目的とする形状を有する中子にそれぞれ成形されることとなる。
従来では、レジンコーテッドサンド94を硬化させるためにキャビティを形成する型自体を例えば300℃以上の高温に加熱していた。しかしながら、本発明では、加熱流体として水蒸気をキャビティ内に吹き込むことにより、各キャビティ18、19にそれぞれ充填されたレジンコーテッドサンド94を硬化させる。そして、第一および第二キャビティ18、19の個々の周囲と双方の周囲とが二重に気密にシールされて加熱流体が型合せ面に漏出することがないことから、さらに比較的低い温度と圧力の水蒸気を第一および第二キャビティ18、19内に吹き込むことによって充填されたレジンコーテツドサンド94を均一に且つ短時間で硬化させることができ、したがって、所定形状の中子を成形するための成形サイクルの短縮と製造コストを削減することができる。
また、この実施の形態における中子成型用型10では、シール部材84、85が突出・退避可能に凹溝78、80内に収容されているため、例えば上型12と下型14とが型開きされているときなど、型合せ面16、17の間における第一および第二キャビティ18、19の周囲を気密にシールする必要がないときにはシール部材84、85を凹溝78、80内に退避させることにより、成形された中子などが接触してシール部材84、85が損傷あるいは破損することを防止できるため、中子成型用型10の型寿命がさらに向上して所定形状の型を安定して成形することができると共に、型を成形するためのコストを低減させることができる。
さらに、この実施の形態における中子成型用型10では、シール部材84、85を収容する凹溝78、80の側面に凹部82を設けると共に、シール部材84、85の側面に凹部82と対応して凸部90を一体に設けて、凸部90を凹部82に嵌合させた状態でシール部材84、85を凹溝78、80に収容し、しかも、シール部材84、85と凹溝78、80の側面同士を互いに接着していることにより、凹溝78、80内に圧縮空気を供給してシール部材84、85を凹溝78、80内から突出させたときに、シール部材84、85が凹溝78、80内から不用意に離脱するのを阻止することができることから、接触してシール部材84、85が損傷あるいは破損することを防止できるため、中子成型用型10の型寿命がさらに向上して所定形状の型を安定して成形することができると共に、型を成形するためのコストを低減させることができる。
また、上述した実施の形態では、上型12と下型14は、それぞれ枠型20、46と、二種類の組込型22、24、および、48、50と、により構成されているが、一種類または三種類以上の組込型を枠型に組込むように構成することもでき、さらには、枠型と組込型とに分割することなく一体に構成することもできる。
さらに、上述した実施の形態では、下型14の下枠型46と左側および右側下組込型48、50とのそれぞれに凹溝78、80、80を設けて各凹溝78、80、80内にシール部材84、85、85をそれぞれ収容配置させたが、下枠型46のみに凹溝78を設けてその凹溝78内にシール部材84を収容配置させるか、若しくは、左側および右側下組込型48、50のみに凹溝80、80を設けてその凹溝80、80内にシール部材84、84を収容配置することもできる。さらに、凹溝78とシール部材84および/または凹溝80、80とシール部材85、85は、上型12にのみまたは下型14と共に設けることもできる。さらに、上述した実施の形態では、凹溝78、80の底面とシール部材84、85との問に圧縮空気を導入することによって、シール部材84、85がその全長に亘って下型14の型合せ面17から突出・退避することができるよう収容配置した構成としたが、例えぱ、シール部材84、85の上面に、その全長に亘って連続的に延び、且つ下型14の型合せ面17から突出するリブ等の突起を一体的に形成するなど、シール部材84、85は、突出・退避可能に収容配置することなく、型合せ面16および/または17に設けられた凹溝78、80内から常に突出するような高さに成形してもよく、また、型合せ面16および/または17の表面に凹溝を78、80を設けることなく直接配置することもできる。
さらにまた、シール部材84、85は、上述した実施の形態に限定されることなく、その断面形状を適宜変更することができ、また、ゴム以外の適当な弾性体材料を採用することができ、さらに、表層部を緻密なスキン層とすると共に内部を発泡構造としたものに限定されることはない。すなわち、本発明では、シール部材をキャビティの周囲を取り囲むように連続し、且つ、対向する他方の型合せ面に向かって突出し得るように設けることができればよい。
さらに、レジンコーテッドサンド94を硬化させるために吹き込む加熱流体は、湿り蒸気、乾き蒸気、過熱蒸気など水蒸気に限定されることはなく、他の種類の流体を使用することができるが、水蒸気のように安価で安全なものであることが望ましい。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
Claims (8)
- 型合せすることにより内部に所定形状のキャビティを形成する複数の型により構成され、前記キャビティー内にレジンコーテッドサンドを充填し、該レジンコーテッドサンドが充填されたキャビティ内に加熱流体を供給してレジンコーテッドサンドを硬化させて所定の形状の型を成形する造型用型であって、
前記各型の互いに対向する型合わせ面のうちの少なくとも一方に前記キャビティの周囲を取り囲むように連続し、且つ、対向する他方の型合せ面に向かって突出させて又は突出可能にシール部材を設けたことを特徴とする造型用型。 - 前記シール部材は、弾性体材料からなり、その表層部が緻密なスキン層とされると共に、該表層部よりも内側の内部が発泡構造とされていることを特徴とする請求項1に記載の造型用型。
- シール部材と対応して前記キャビティを取り囲むように型合せ面に形成されて前記シール部材をその設けられた型合せ面から突出および退避可能に収容する溝と、
該溝内に連通されて前記シール部材を少なくとも対向する他方の型合せ面に向かって突出させるための作動流体を供給する作動流体供給手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の造型用型。 - 前記シール部材が、前記溝内の側面に対して接着されて収容配置されていることを特徴とする請求項3に記載の造型用型。
- 前記溝はその側面に沿って延びる凹部が設けられ、前記シール部材は前記溝の凹部に嵌合される凸部が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の造型用型。
- 前記型は、枠型と、該枠型内に組み込まれるキャビティを形成する組込型と、により構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の造型用型。
- 前記シール部材は、前記互いに対向する枠型の何れか一方の型合わせ面に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の造型用型。
- 前記シール部材が、前記互いに対向する組込型の何れか一方の型合わせ面に配設されていることを特徴とする請求項6または7に記載の造型用型。
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-
2003
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