JP2006289467A - 鋳型製造用粘結剤組成物、鋳型製造用組成物、および鋳造用鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型製造用粘結剤組成物、鋳型製造用組成物、および鋳造用鋳型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
常温硬化法で造型した長尺鋳型で見受けられる、鋳型収縮による鋳型の亀裂、折れ、割れ等を防止することのできる鋳型製造用粘結剤組成物、鋳型製造用組成物、およびこれを用いた鋳造用鋳型の製造方法を提供する。
【解決手段】
クレゾール変性フェノール樹脂、ホウ素化合物およびイソシアネート化合物を含有する鋳型製造用粘結剤組成物、また、この粘結剤組成物、第三級アミン触媒および粒状耐火性骨材を含有する鋳型製造用組成物である。また、クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とを有機溶剤に溶解した溶液と、イソシアネート化合物と、粒状耐火性骨材とを混合し、この混合物を鋳型枠内に収納して成形し、次いでこの成形物に気体状の第三級アミン触媒を通過させて硬化させる、鋳造用鋳型の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鋳造用の鋳型を製造するに際し、加熱を必要としない、常温硬化法(コールドボックス法)に関する。特に、アミン・コールドボックス法で、自動車のアクスルハウジング鋳造用等の長尺鋳物用鋳型の製造に用いることのできる鋳型製造用粘結剤組成物、鋳型製造用組成物、および鋳造用鋳型の製造方法に関する。
常温硬化法は大きく分けてガス硬化型と自硬化型がある(例えば、非特許文献1参照。)。ガス硬化型の1つである、アミン・コールドボックス法は、フェノール樹脂を必須成分とし、必要により劣化防止剤、乾燥防止剤を添加し有機溶剤に溶かした溶液(以下、フェノール樹脂溶液と称する。)とイソシアネート化合物を必須成分とし、必要により前記添加剤を有機溶剤に溶かした溶液(以下、イソシアネート溶液と称する。)とからなる鋳型製造用粘結剤と、粒状耐火性骨材とをミキサーで混合して、粘結剤で被覆された粒状耐火性骨材を調製した後、これを鋳型製造用の型枠内に充填し、更にこの型枠内に触媒として気体状の第三級アミンを通気させることにより常温で硬化させ、次いで脱型して、鋳造用の鋳型を製造するものである。
自硬化型では初めから塩基性有機触媒を混合しておいて硬化する。すなわち、粒状耐火性骨材に、フェノール樹脂溶液、イソシアネート溶液、塩基性有機触媒を有機溶剤に溶かした溶液を混合し、得られた混合物を成形し硬化させる。
これらの鋳型製造法は、いずれも室温での硬化が可能で速硬性があり、しかも鋳造後、鋳型の崩壊に優れているので鋳型からの分離が極めて容易であるなどの利点を備えていることから、省エネルギー、高生産性の鋳型製造法として普及している。
常温硬化法では、例えば、フェノール樹脂をクレゾールで変性することにより、フェノール樹脂を低粘度化し有機溶媒の使用量を低減して作業環境の改善及び金型へのしみ着き性を改善した発明(例えば、特許文献1参照。)や、崩壊性に優れた砂中子を製造する発明(例えば、特許文献2参照。)が知られている。また、フェノール樹脂とホウ酸エステル類の混合物を使用することによって、鋳型強度を強くし硬化速度を速くした発明(例えば、特許文献3参照。)、ホウ酸を用いることで可使時間を延長した発明(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
常温硬化法、アミン・コールドボックス法で造型した鋳型は、硬化時の型変形がないので抜型直後の寸法精度が極めて優れているが、抜型後20〜30分程度でわずかながら鋳型が収縮することが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。この収縮は、鋳型が小さい場合は鋳型製造、鋳造にほとんど影響しない。しかし、長尺鋳型を造型し鋳造する場合は、鋳型の形状にもよるが、この鋳型収縮により鋳型に亀裂を生じたり、折れたり、割れたりして、鋳造ができない場合がある。特に、自動車のアクスルハウジング鋳造用の鋳型を製造する場合には亀裂を生じたり、折れたりすることが見受けられる。
以上のように、常温硬化法、アミン・コールドボックス法は造型した鋳型の収縮により、鋳型に亀裂、折れ、割れ等が生じる問題を有する。この問題は、自動車のアクスルハウジング鋳造用の鋳型など、長尺鋳型を造型する場合に特に深刻である。
特開2000−84643号公報 特開2004−105982号公報 特開平7−80591号公報 特開2001−205386号公報 「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、岩田敬治編、日刊工業新聞発行、1987年、p.484 「新版 鋳型造型法」、鋳造技術普及協会編、鋳造技術普及協会発行、1987年、p.179
本発明の目的は、常温硬化法、特に、アミン・コールドボックス法で造型した鋳型、特に自動車のアクスルハウジング鋳造用鋳型などの長尺鋳型で見受けられる、鋳型収縮による鋳型の亀裂、折れ、割れ等を防止することのできる鋳型製造用粘結剤組成物、鋳型製造用組成物、および鋳造用鋳型の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題の解決方法を鋭意検討した結果、常温硬化法、アミン・コールドボックス法で使用するフェノール樹脂をクレゾールで変性し、なおかつ、クレゾールで変性したフェノール樹脂にホウ素化合物を添加することにより、鋳型の収縮を防止しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記(1)〜(6)である。
(1) クレゾール変性フェノール樹脂、ホウ素化合物およびイソシアネート化合物を含有すること、を特徴とする鋳型製造用粘結剤組成物。
(2) クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とが、フェノール類とクレゾールとアルデヒド類とを反応させたのち、減圧下に脱水して反応を完結させる前に、ホウ素化合物を添加して得られる、クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物との混合物である、前記(1)の鋳型製造用粘結剤組成物。
(3) クレゾール変性フェノール樹脂、ホウ素化合物、イソシアネート化合物、第三級アミン触媒および粒状耐火性骨材を含有すること、を特徴とする鋳型製造用組成物。
(4) クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とが、フェノール類とクレゾールとアルデヒド類とを反応させたのち、減圧下に脱水して反応を完結させる前に、ホウ素化合物を添加して得られる、クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物との混合物である、前記(3)の鋳型製造用組成物。
(5) クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とを有機溶剤に溶解した溶液と、イソシアネート化合物と、粒状耐火性骨材とを混合し、この混合物を鋳型枠内に収納して成形し、次いでこの成形物に気体状の第三級アミン触媒を通過させて硬化させること、を特徴とする鋳造用鋳型の製造方法。
(6) クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とを有機溶剤に溶解した溶液と、イソシアネート化合物と、粒状耐火性骨材とを混合し、この混合物を鋳型枠内に収納して成形し、次いでこの成形物に気体状の第三級アミン触媒を通過させて硬化させてなる鋳造用鋳型の製造方法であって、前記のクレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物が、フェノール類とクレゾールとアルデヒド類とを触媒と共に加熱して反応させたのち、減圧下に脱水する前に、ホウ素化合物を添加して得られる、クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物との混合物であること、を特徴とする前記方法。
本発明により初めて、常温硬化法、特に、アミン・コールドボックス法で造型した長尺鋳型で見受けられる、鋳型収縮による鋳型の亀裂、折れ、割れ等を防止することのできる鋳型製造用粘結剤組成物、鋳型製造用組成物、および鋳造用鋳型の製造方法を提供することが可能となった。
以下、本発明について、詳しく説明する。
本発明において使用されるクレゾール変性フェノール樹脂は、クレゾールとフェノール類を、クレゾール/フェノール類=1/99〜50/50(モル比)、更に10/90〜30/70の範囲でアルデヒド類と同時的又は段階的に付加縮合して得られる樹脂が好ましく、特にクレゾール変性ベンジリックエーテル型フェノール樹脂が好ましい。クレゾールの量が1モル%未満だと、鋳型収縮の防止が不十分となる。また、クレゾールの量が50モル%を超えると、鋳型の耐熱性が低下する。クレゾール/フェノール類=10/90〜30/70の範囲が鋳型収縮を防止した耐熱性を有する鋳型を造型するのに最も適している。
クレゾールとしては、収縮の少ない鋳型を造型することができる点で、o−クレゾールが好ましい。
フェノール類としては、例えば、フェノール、レゾルシン、キシレノール、ビスフェノールA、クミルフェノール、ノニルフェノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール、エチルフェノール、オクチルフェノール、アミルフェノール、ナフトール、ビスフェノールF、ビスフェノールC、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、リグニン、ビスフェノールA残渣、クロロフェノール、ジクロロフェノール、その他のクレゾール以外の置換フェノールが挙げられる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。これらのうち、フェノールが好ましい。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールが挙げられる。これらも単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
クレゾール変性フェノール樹脂を製造する際には、ナフテン酸亜鉛などの公知の付加縮合反応における触媒を使用することができる。
これらから得られるクレゾール変性フェノール樹脂は、重量平均分子量が500〜5000のものが好ましい。
本発明において使用されるホウ素化合物としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などのホウ酸を好適に挙げることができる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。これらのうち、オルトホウ酸(HBO)が更に好ましい。
クレゾール変性フェノール樹脂に対するホウ素化合物の配合量は、クレゾール変性フェノール樹脂100質量部に対して0.01質量部〜5.0質量部、更に0.05質量部〜1.5質量部であることが好ましい。ホウ素化合物の配合量が、0.01質量部未満だと鋳型の収縮防止効果が少なく、5.0質量部を超えると鋳型強度が低下し、クレゾール変性フェノール樹脂中にホウ素化合物が沈殿して好ましくない。
本発明において、ホウ素化合物は、クレゾール変性フェノール樹脂を製造する際に、フェノールとo−クレゾールとパラホルムアルデヒドとを好適には触媒と共に加熱して反応させたのち、減圧下に脱水して反応を完結させる前に、添加して配合するのが最も好ましい。
本発明において使用されるイソシアネート化合物としては、公知の芳香族、脂肪族あるいは脂環式イソシアネートなどを挙げることができる。具体的には例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと称する。)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIと称する。)、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを挙げることができる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。これらのうち、MDI系ポリイソシアネートが好ましい。
本発明において使用される第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミン、N,N−ジメチル−N−n−プロピルアミンを挙げることができる。これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。好ましくは、トリエチルアミンである。
本発明においては、クレゾール変性フェノール樹脂、ホウ素化合物およびイソシアネート化合物を溶解する溶剤を使用することができ、コールドボックス法等において通常使用される溶剤はいずれも好適に使用することができる。具体的には、脂肪族炭化水素系、脂環式炭化水素系、芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アルコール系等の有機溶剤を単独で或いは2種以上混合して使用することができる。
さらに、クレゾール変性フェノール樹脂溶液及び/又はイソシアネート溶液には、所望により、粒状耐火性骨材との接着性の向上を図るために、シラン化合物(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)等の粘着性付与剤や、可使時間延長剤(例えば、フタル酸クロリド)、劣化防止剤、乾燥防止剤、離型剤等を配合して使用することができる。本発明においては、シラン化合物を併用するのが最も好ましい。
本発明において使用される粒状耐火性骨材としては、珪砂、クロム鉄鉱砂、ジルコン砂、かんらん石砂等の従来から鋳型製造用に使用されている耐火性の粒状砂のほか、微粒状の砂、粘土質の砂、再生砂等も挙げられる。また、砂以外のものとしては、ムライト砂、アルミナ砂、中空アルミナビーズ、シラスバルーン、ガラスビーズ等も使用できるが、鋳物砂が好ましく、平均粒径が50〜600マイクロメートル程度の砂が更に好ましい。
本発明において触媒を通気する前の鋳型製造用組成物の組成は、クレゾール変性フェノール樹脂が粒状耐火性骨材100質量部に対して0.1〜3.0質量部、ホウ素化合物はクレゾール変性フェノール樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部、イソシアネート化合物は粒状耐火性骨材100質量部に対して0.1〜3.0質量部であることが好ましく、更に、クレゾール変性フェノール樹脂とイソシアネート化合物との合計量は、粒状耐火性骨材100質量部に対して0.2〜3.0質量部であることが好ましい。
本発明において触媒(第三級アミン)は、前記クレゾール変性フェノール樹脂の1質量%以上を気体状にして使用するのが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。また、試薬は全て試薬特級を使用した。
合成例1<樹脂1:ホウ酸配合o−クレゾール変性フェノール樹脂の合成>
フェノール1000g、o−クレゾール100g、パラホルムアルデヒド650gおよびナフテン酸亜鉛1.5gを攪拌混合し110℃〜114℃にて3時間反応させ、次いでオルトホウ酸(HBO)2gを加えて更に15分間反応させた後、速やかに減圧下に脱水し、樹脂(樹脂固形分98%)を得た。
この樹脂の重量平均分子量は1500であった。この樹脂をIRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するo−クレゾール変性フェノール樹脂であることを確認した。
合成例2<樹脂2:ホウ酸配合o−クレゾール変性フェノール樹脂の合成>
フェノール1000g、o−クレゾール200g、パラホルムアルデヒド650gおよびナフテン酸亜鉛1.5gを攪拌混合し110℃〜114℃にて3時間反応させ、次いでオルトホウ酸(HBO)2gを加えて更に15分間反応させた後、速やかに減圧下に脱水し、樹脂(樹脂固形分98%)を得た。
この樹脂の重量平均分子量は1500であった。この樹脂をIRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するo−クレゾール変性フェノール樹脂であることを確認した。
合成例3<樹脂3:ホウ酸配合o−クレゾール変性フェノール樹脂の合成>
前記樹脂2と同様に合成したが、添加するオルトホウ酸(HBO)の量は5gである。
この樹脂の重量平均分子量は1500であった。また、IRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するo−クレゾール変性フェノール樹脂であることを確認した。
合成例4<樹脂4:ホウ酸配合o−クレゾール変性フェノール樹脂の合成>
前記樹脂2と同様に合成したが、添加するオルトホウ酸(HBO)の量が10gである。
この樹脂の重量平均分子量は1500であった。この樹脂をIRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するo−クレゾール変性フェノール樹脂であることを確認した。
合成例5<樹脂5:ホウ酸配合o−クレゾール変性フェノール樹脂の合成>
前記樹脂2と同様に合成したが、添加するオルトホウ酸(HBO)の量が20gである。この樹脂の重量平均分子量は1500であった。
この樹脂をIRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するo−クレゾール変性フェノール樹脂であることを確認した。
合成例6<樹脂6:フェノール樹脂の合成>
フェノール樹脂1000g、パラホルムアルデヒド650gおよびナフテン酸亜鉛1.5gを攪拌混合し110℃〜114℃にて3時間反応させた後、速やかに減圧下に脱水し、樹脂(樹脂固形分98%)を得た。
この樹脂の重量平均分子量は1500であった。この樹脂をIRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するフェノール樹脂であることを確認した。
合成例7<樹脂7:ホウ酸配合フェノール樹脂の合成>
フェノール1000g、パラホルムアルデヒド650gおよびナフテン酸亜鉛1.5gを攪拌混合し110℃〜114℃にて3時間反応させ、次いでオルトホウ酸(HBO)2gを加えて更に15分間反応させた後、速やかに減圧下に脱水し、樹脂(樹脂固形分98%)を得た。
この樹脂の重量平均分子量は1500であった。この樹脂をIRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するフェノール樹脂であることを確認した。
合成例8<樹脂8:o−クレゾール変性フェノール樹脂の合成>
フェノール1000g、o−クレゾール100g、パラホルムアルデヒド650gおよびナフテン酸亜鉛1.5gを攪拌混合し110℃〜114℃にて3時間反応させた後、速やかに減圧下に脱水し、樹脂(樹脂固形分98%)を得た。
この樹脂の重量平均分子量は1500であった。この樹脂をIRおよびH−NMRで分析したところ、ベンジリックエーテル基を有するo−クレゾール変性フェノール樹脂であることを確認した。
上記樹脂の原料組成を表1にまとめて示す。
Figure 2006289467
合成例1で得た樹脂1:ホウ酸配合o−クレゾール変性フェノール樹脂500g、イソホロン200g、SW−1800(石油系溶剤:丸善石油(株)製)300g及び3−グリシドキシプロピルメトキシシラン3gを混合して、クレゾール変性フェノール樹脂溶液を調製した。このクレゾール変性フェノール樹脂溶液10g、珪砂1000g及びイソシアネート化合物の有機溶媒溶液(商品名:「ISOCUREパー II−608TT」、保土谷アシュランド(株)製)10gを室温(20℃)で品川式ミキサー((株)ダルトン製 50M−r型ミキサー)により90秒間混練した。混練後一定時間放置(以下、待機時間と称する。)した後、混練砂を通気装置に接続可能な曲げ強さ試験用鋳型製作用金型および鋳型収縮量測定用鋳型製作用金型に充填密度が1.5(グラム/立方センチメートル)になるようにつきかためて充填した。次に、金型を通気装置に接続し、硬化触媒(トリエチルアミン含有ガス)を30ml/分の通気量で10秒間通気した。通気後、鋳型を金型より取り出し、一定時間室内に放置し(以下、放置時間と称する。)、曲げ強さ及び鋳型収縮量を測定した。
これらの測定結果を表2に示す。
なお、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定法は、次の通りである。
〔曲げ強さ試験〕
曲げ強さ:
試験片(鋳型)の両端を支持ばりとし、その中央部に上部から集中荷重を加えた場合
に於いて、荷重が最大値に達した瞬間の曲げ応力。
曲げ強さ試験用鋳型製作用金型寸法(鋳型寸法):
10mm(試験片の高さ)×30mm(試験片の幅)×85mm(試験片の長さ)
曲げ強さ試験:
金属製加圧くさび(JIS K6910−1995 4.9曲げ強さ、4.9.1器
具及び材料(12)金属製加圧くさびに規定した、先端に3±0.1mmの丸みを持
った加圧くさび)および金属製支点(JIS K6910−1995 4.9曲げ強
さ、4.9.1器具及び材料(12)金属製支点に規定した、先端に2±0.1mm
の丸みを持った支点。支点間距離:50±0.25mm)をテンシロン測定器UTM
−III−500(A&D社製)に取り付け、試験片を支持台で支えて試験片の中央
にひずみ速度(単位時間あたりのひずみの変化)30mm/分で荷重を加えて曲げ強
さを測定した。
〔鋳型収縮量の測定法〕
収縮量測定用鋳型製作用金型寸法(鋳型寸法):
34mm(試験片の高さ)×54mm(試験片の幅)×400mm(試験片の長さ)
鋳型収縮量(%)の測定:
抜型後の鋳型を、定盤上のコロ(直径:0.5mm)5本に乗せて所定の放置時間放
置。定盤はJIS B7513に規定している物を使用。
抜型直後の鋳型全長と放置時間後の鋳型全長を測定し、次式により収縮量を算出した。
鋳型収縮量(%)=((放置時間後の鋳型全長)−(抜型直後の鋳型全長))÷(抜型直後の鋳型全長)×100
樹脂1の代りに樹脂2を用いた以外は実施例1と同様にして、鋳型を製作し、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定を行なった。
これらの測定結果を表2に示す。
樹脂1の代りに樹脂3を用いた以外は実施例1と同様にして、鋳型を製作し、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定を行なった。
これらの測定結果を表2に示す。
樹脂1の代りに樹脂4を用いた以外は実施例1と同様にして、鋳型を製作し、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定を行なった。
これらの測定結果を表2に示す。
樹脂1の代りに樹脂5を用いた以外は実施例1と同様にして、鋳型を製作し、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定を行なった。
これらの測定結果を表2に示す。
比較例1
樹脂1の代りに樹脂6を用いた以外は実施例1と同様にして、鋳型を製作し、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定を行なった。
これらの測定結果を表2に示す。
比較例2
樹脂1の代りに樹脂7を用いた以外は実施例1と同様にして、鋳型を製作し、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定を行なった。
これらの測定結果を表2に示す。
比較例3
樹脂1の代りに樹脂8を用いた以外は実施例1と同様にして、鋳型を製作し、曲げ強さ試験及び鋳型収縮量の測定を行なった。
これらの測定結果を表2に示す。
Figure 2006289467
<実施例1と比較例1の比較>
表2に示した、各放置時間での鋳型の収縮率を比較すると、ホウ酸配合o−クレゾール変性フェノール樹脂(樹脂1)を用いた実施例1は、フェノール樹脂(樹脂6)を用いた比較例1より、鋳型の収縮率が少ないことがわかる。
<実施例1と比較例2の比較>
表2の鋳型の収縮率を比較すると、樹脂1を用いた実施例1は、ホウ酸配合フェノール樹脂(樹脂7)を用いた比較例2より、鋳型の収縮率が少ないことがわかる。
<実施例1と比較例3との比較>
表2の鋳型の収縮率を比較すると、樹脂1を用いた実施例1は、o−クレゾール変性フェノール樹脂(樹脂8)を用いた比較例3より、鋳型の収縮率が少ないことがわかる。
以上のように、o−クレゾールで変性したフェノール樹脂にオルトホウ酸(HBO)を配合することにより、鋳型の収縮が少なくなることがわかる。
また、比較例1と比較例2を比較すると、フェノール樹脂にホウ酸を配合した場合には鋳型の収縮量が少なくなることがわかる。しかし、その量は実施例1には及ばない。更に、比較例1と比較例3を比較すると、o−クレゾール変性フェノール樹脂のみを使用した場合には、フェノール樹脂を使用した場合より鋳型の収縮率が大きくなることがわかる。従って、鋳型の収縮率を効果的に少なくするためには、o−クレゾール変性フェノール樹脂にホウ酸を配合しなければならない。
本発明により製造した鋳型は、寸法安定性に優れているので、自動車のアクスルハウジング鋳造用の鋳型など、長尺鋳型の製造に有利である。

Claims (6)

  1. クレゾール変性フェノール樹脂、ホウ素化合物およびイソシアネート化合物を含有すること、を特徴とする鋳型製造用粘結剤組成物。
  2. クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とが、フェノール類とクレゾールとアルデヒド類とを反応させたのち、減圧下に脱水して反応を完結させる前に、ホウ素化合物を添加して得られる、クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物との混合物である、請求項1に記載の鋳型製造用粘結剤組成物。
  3. クレゾール変性フェノール樹脂、ホウ素化合物、イソシアネート化合物、第三級アミン触媒および粒状耐火性骨材を含有すること、を特徴とする鋳型製造用組成物。
  4. クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とが、フェノール類とクレゾールとアルデヒド類とを反応させたのち、減圧下に脱水して反応を完結させる前に、ホウ素化合物を添加して得られる、クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物との混合物である、請求項3に記載の鋳型製造用組成物。
  5. クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とを有機溶剤に溶解した溶液と、イソシアネート化合物と、粒状耐火性骨材とを混合し、この混合物を鋳型枠内に収納して成形し、次いでこの成形物に気体状の第三級アミン触媒を通過させて硬化させること、を特徴とする鋳造用鋳型の製造方法。
  6. クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物とを有機溶剤に溶解した溶液と、イソシアネート化合物と、粒状耐火性骨材とを混合し、この混合物を鋳型枠内に収納して成形し、次いでこの成形物に気体状の第三級アミン触媒を通過させて硬化させてなる鋳造用鋳型の製造方法であって、
    前記のクレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物が、フェノール類とクレゾールとアルデヒド類とを触媒と共に加熱して反応させたのち、減圧下に脱水する前に、ホウ素化合物を添加して得られる、クレゾール変性フェノール樹脂とホウ素化合物との混合物であること、を特徴とする前記方法。
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