JP4149697B2 - 鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料 - Google Patents
鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4149697B2 JP4149697B2 JP2001337443A JP2001337443A JP4149697B2 JP 4149697 B2 JP4149697 B2 JP 4149697B2 JP 2001337443 A JP2001337443 A JP 2001337443A JP 2001337443 A JP2001337443 A JP 2001337443A JP 4149697 B2 JP4149697 B2 JP 4149697B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sand
- mold
- phenol resin
- binder composition
- resin component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Mold Materials And Core Materials (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料に関する。更に詳しくは、ウレタン硬化性鋳型、特にアミンコールドボックス法で製作される鋳型に用いる混練砂の可使時間を改善し、しかも環境に配慮した鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より砂型鋳造で用いられるウレタン硬化性鋳型は、アミンコールドボックス法や常温自硬性法により製作されているが、近年、鋳型の寸法精度や生産性の観点から、アミンコールドボックス法が重視されるようになってきた。
【0003】
このアミンコールドボックス法は、二液型有機粘結剤組成物の構成成分、即ちベンジルエーテル型フェノール樹脂の有機溶剤溶液(フェノール樹脂成分)とポリイソシアネート有機溶剤溶液又はポリイソシアネート自体(ポリイソシアネート成分)とを鋳物砂に添加混練した混練砂を成形金型内に充填した後、第三級アミン系硬化触媒を通気することにより、フェノール樹脂とポリイソシアネートとのウレタン化反応を促進して鋳型を短時間に製作する方法である。
【0004】
しかしながら、前記混練砂は、ベンジルエーテル型フェノール樹脂の反応触媒として一般的に用いられている二価金属塩のウレタン化反応促進作用による常温硬化性を有するため、造型現場のように休憩後にサンドホッパー内にある混練砂を用いて鋳型の造型を再開した場合、強度が設定より低い鋳型であったり、場合によっては種々の造型不良を招来するなど、混練砂の強度劣化、いわゆる混練砂の可使時間に起因した造型トラブルを起しやすい。
【0005】
また、鋳物砂の省資源化の観点から、使用済み鋳型は、一般に砕いて砂粒として採取した後、整粒して回収砂とされるか、または該回収砂を研磨処理し、場合によっては焙焼処理して回収砂表面に付着した有機粘結剤や夾雑物を低減化した再生砂として再生されている。一般に、これらの回収砂及び/又は再生砂は、単独で、又は補給ないし砂特性調整のために所定量の新砂と混合して使用されている(以下、回収砂及び/又は再生砂を含有する鋳物砂という)。
【0006】
しかしながら、繰り返し使用される回収砂及び/又は再生砂を含有する鋳物砂には、前述したような常温でのウレタン反応促進能を有する二価金属塩が徐々に蓄積されることから、混練砂の可使時間への影響のみならず、該鋳物砂のリサイクル寿命を縮めることが懸念される。また、使用済み鋳型から回収砂や再生砂を作る際に集塵機等に捕集される微粉粒体や繰り返しの使用で劣化した鋳物砂には、一般に反応触媒として用いられる例えば鉛・亜鉛等の二価金属塩が含まれていることから、これらを産業廃棄物として埋立てに処した場合、土壌汚染など自然環境への影響が懸念される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特にアミンコールドボックス法において、(1)二価金属塩の影響を少なくして混練砂の可使時間を改善し、しかも回収砂及び/又は再生砂を含有する鋳物砂への二価金属塩の蓄積に伴う可使時間の影響を軽減し、さらには(2)該鋳物砂のリサイクル寿命を伸ばして鋳物砂の省資源化や産業廃棄物の低減化を図り、また(3)使用済みウレタン硬化性鋳型から鋳物砂を回収ないし再生する際に発生する、例えば鉛・亜鉛等の二価金属塩を含有する産業廃棄物を埋立てに処しても土壌汚染など自然環境への影響を軽減し得る、環境に配慮した鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特にアミンコールドボックス法で用いられる混練砂の可使時間について鋭意研究を行なった結果、ベンジルエーテル型フェノール樹脂溶液中の二価金属塩の含有量が特定量以下になると混練砂の可使時間が大幅に改善されることを見出し、この知見をもとに更に研究を行って本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の鋳型用有機粘結剤組成物は、少なくともフェノール樹脂成分と、ポリイソシアネート成分とから構成される鋳型用有機粘結剤組成物であって、該フェノール樹脂成分が、少なくとも、フェノール類とアルデヒド類との鉛金属元素を含有する二価金属塩触媒反応によって得られるベンジルエーテル型フェノール樹脂を含有し、かつ前記二価金属塩の含有量が金属元素換算で40ppm以下である有機溶剤溶液であることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の鋳型用材料は、少なくとも上記鋳型用有機粘結剤組成物と鋳物砂とを含有することを特徴とする。
【0012】
本発明の鋳型用材料は、「さらにシランカップリング剤及び/又は硬化遅延剤を含有すること」、「前記鋳物砂が、回収砂及び/又は再生砂を含有すること」を、その態様として含むものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の鋳型用有機粘結剤組成物は、少なくともフェノール樹脂成分と、ポリイソシアネート成分とから構成される。
【0014】
フェノール樹脂成分は、ベンジルエーテル型フェノール樹脂の有機溶剤溶液であって、該溶液中の二価金属塩の含有量が、金属元素換算で50ppm以下、好ましくは10ppm以下に低減された、ベンジルエーテル型フェノール樹脂、変性ベンジルエーテル型フェノール樹脂及びこれらの混合物の中から選ばれる少なくとも1種を、特に限定はされないが、一般的には30〜80質量%の割合で含有する有機溶剤溶液である。
【0015】
二価金属塩の含有量が50ppmを超えると、混練砂の可使時間を改善することができず、しかも前述したような回収砂及び/又は再生砂を含有する鋳物砂への二価金属塩の蓄積に伴う混練砂の可使時間及び該鋳物砂のリサイクル寿命への影響又は産業廃棄物の埋立てに伴う自然環境への影響を軽減することができない。
【0016】
前記フェノール樹脂成分(ベンジルエーテル型フェノール樹脂の有機溶剤溶液)は、例えば、以下の方法で製造される。即ち、まず二価金属塩の存在下、フェノール類とアルデヒド類とを、例えばフェノール類1モルに対しアルデヒド類を0.8〜3.0モルの割合で、所望の縮合度まで反応させた後、濃縮してベンジルエーテル型フェノール樹脂を、又は該反応過程ないし反応終了後に変性剤を混合ないし反応させて変性ベンジルエーテル型フェノール樹脂を、若しくはこれらの混合物を調製する。次に、得られたベンジルエーテル型フェノール樹脂及び/又は変性ベンジルエーテル型フェノール樹脂を適当な有機溶剤で溶液化した後、該溶液に不溶性の金属イオン捕集剤を添加し、好ましくは40℃以上の温度で1〜10時間にわたり二価金属塩の低減化処理を行ない、溶液中の不溶分を固液分離装置、例えば遠心分離機、濾過機等で分離除去することにより製造される。
【0017】
前記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の多価フェノール及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0018】
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、グリオキサール、フルフラール及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0019】
また、前記変性剤としては特に限定はないが、例えばノボラック型若しくはレゾール型フェノール樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化合物、フルフリルアルコール、ポリビニルアルコール、尿素、アミド類、アマニ油、カシューナッツ殻液、デンプン類、単糖類及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0020】
また、フェノール類とアルデヒド類との反応触媒として用いられる二価金属塩としては、例えば鉛、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属元素を有する二価金属塩、具体的には例えばナフテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、酢酸鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化鉛及びこれらの混合物のほか、このような二価金属塩を形成できる酸・塩基の組合わせなどが挙げられるが、中でも特に、鉛金属元素を含有する二価金属塩を用いた場合に、本発明の効果を顕著に奏する。かかる二価金属塩の使用量としては特に限定されないが、一般的にはフェノール類100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲で選択される。
【0021】
また、有機溶剤としては、特に制限はなく、例えばパラフィン類、ナフテン類、アルキルベンゼン類等の石油系炭化水素類、例えば二塩基酸エステル、脂肪酸アルキルエステル等の有機エステル類、例えばイソホロンなどのケトン類及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0022】
また、金属イオン捕集剤としては、二価金属イオン捕捉能を有するものであれば特に限定はないが、低減化処理後の溶液からの除去を考慮すると、好ましくは溶液に不溶性である例えばマレイン酸、フマル酸、酒石酸等の有機カルボン酸、例えば三井レバチットCNP−80等のイオン交換樹脂、例えばミヨシ油脂株式会社製エポフロックL−1等の有機系重金属捕集剤及びこれらの混合物などが挙げられる。かかる金属イオン捕集剤の使用量としては、金属イオン捕集剤の種類や二価金属塩の種類及び使用量により異なるため一概に制限されないが、除去効率や経済性を考慮すると、一般的にはフェノール樹脂成分100質量部に対して0.05〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の範囲で選ばれる。
【0023】
一方、ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネート又はその有機溶剤溶液である。ポリイソシアネートは、ベンジルエーテル型フェノール樹脂と反応して強度を発現する、分子内にイソシアネート基を2以上有する化合物であり、代表的な具体例としては、例えばジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、クルードMDIという)、イソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、一般的には40〜80質量%の有機溶剤溶液、場合によっては溶剤を使用せずにそのままの状態で使用される。
【0024】
フェノール樹脂成分と、ポリイソシアネート成分の配合割合としては、特に制限されないが、質量基準でフェノール樹脂成分/ポリイソシアネート成分=30/70〜70/30の範囲が適当である。
【0025】
次に、本発明に係る鋳型用材料は、少なくとも上記鋳型用有機粘結剤組成物と鋳物砂とを含有する。
【0026】
具体的には、上記鋳型用有機粘結剤組成物(フェノール樹脂成分とポリイソシアネート成分)を鋳物砂に添加混練して得られる混練砂であって、前述したように該混練砂を成形金型内に充填した後、第三級アミン系の硬化触媒を通気して硬化させるアミンコールドボックス法、又は硬化触媒として塩基、アミン、金属イオン等を内含させた混練砂を成形枠内に充填し、場合によって加振充填し、数時間〜24時間程度室温で放置して硬化させる常温自硬性法などによりウレタン硬化性鋳型を製作することができる。
【0027】
前記鋳物砂としては、例えば珪砂、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド等の特殊砂、フェロクロム系のスラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ等のスラグ系粒子、ナイガイセラビーズ(商品名)のような多孔質粒子及びこれらの回収砂ないし再生砂などが挙げられる。これらは単独で又は二種以上の混合物として使用してもよい。特に、本発明の効果からみれば、回収砂及び/又は再生砂を含有する鋳物砂が好ましい。
【0028】
鋳型用有機粘結剤組成物と、鋳物砂の配合割合としては、特に制限されないが、一般的には鋳物砂100質量部に対して鋳型用有機粘結剤組成物を0.5〜5質量部の範囲が適当である。
【0029】
本発明に係る鋳型用材料は、連続式ないしバッチ式ミキサー内で、常温の鋳物砂に上記鋳型用有機粘結剤組成物(フェノール樹脂成分及びポリイソシアネート成分)を添加し混練することにより製造される。この際、好ましくはシランカップリング剤及び/又は硬化遅延剤が使用される。
【0030】
シランカップリング剤は、湿度による鋳型強度の劣化を抑制するために用いられるものであり、好適な例としては、例えばN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シランなどが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、一般にフェノール樹脂成分中に0.01〜5質量%程度内含させて使用される。
【0031】
一方、硬化遅延剤は、ウレタン化反応を抑制するために用いられるものであり、好適な例としては、例えばイソフタル酸クロライド、サリチル酸、安息香酸などが挙げられる。これらの硬化遅延剤は、一般にフェノール樹脂成分やポリイソシアネート成分中に0.01〜10質量%程度内含させて用いられるか、又は鋳型用材料を調整する際に用いられる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0033】
尚、実施例における測定・評価方法は以下の通りである。
【0034】
(1)フェノール樹脂成分(ベンジルエーテル型フェノール樹脂溶液)中の二価金属塩の含有量
JIS K0102−5.4(硝酸と硫酸とによる分解)で前処理した後、ICP発光分光分析法(JIS K0102.54.3)により測定した。
【0035】
(2)混練直後強度(鋳型強度)
鋳型用材料(混練砂)は、製造後、直ちに曲げ強度試験片造型装置(2個取り、ブロー条件:圧力0.3MPa×時間3秒、トリエチルアミンのガッシング時間+エアーパージ条件:圧力0.3MPa×時間10秒)により、2個の曲げ強度試験片(10mm×30mm×85mm)を作製し、直ちにその強度を測定して混練直後強度(鋳型強度)とした。
【0036】
(3)可使時間
上記の混練直後強度の測定に用いなかった残りの混練砂は、ビニール袋内に収納密封して室温で保管し、混練直後から所定時間後に開封して混練直後強度測定と同様に曲げ強度試験片の作成及びその強度測定を行なって所定時間後の曲げ強度とした。混練直後の強度(鋳型強度)に対し、経時後の強度劣化が少ないほど可使時間に優れていると評価した。
【0037】
<製造例(フェノール樹脂成分Aの製造)>
還流器、温度計、撹拌機を備えた三つ口反応フラスコ内にフェノール100g,92質量%パラホルムアルデヒド58.9g及び二価金属塩としてナフテン酸鉛0.32gを仕込み、還流温度で90分間反応を行った後、加熱下に濃縮して水分含有量1質量%以下のベンジルエーテル型フェノール樹脂を得た。次に、有機エステル系及び芳香族炭化水素系の有機溶剤並びにシランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えて、樹脂分が50質量%のフェノール樹脂成分A(ベンジルエーテル型フェノール樹脂の有機溶剤溶液)を調製した。得られたフェノール樹脂成分A中の二価金属塩の含有量は、鉛元素換算で303ppmであった。
【0038】
<実施例1>
製造例で調製したフェノール樹脂成分A100質量部に対し、該フェノール樹脂成分Aに不溶性の酒石酸を1質量部添加し、撹拌混合しながら80℃で3時間処理し、その後30℃以下になるまで放置し、窒素パージ(圧力は9.8×104Pa(1.0kgf/cm2))による加圧濾過を行なって該フェノール樹脂成分A中の不溶物を除去して、本発明で用いる二価金属塩含有量を低減化したフェノール樹脂成分Bを調製した。なお、濾紙にはアドバンテック東洋株式会社製のJIS P 3801 2種(品名:No.2、保留粒子径:5μm)を用いた。また、得られたフェノール樹脂成分B中の二価金属塩の含有量は、鉛元素換算で2ppmであつた。
【0039】
次に、ダルトン株式会社製品川式卓上ミキサー内に、常温の三栄6号珪砂1000gと、フェノール樹脂成分B10gと、反応遅延剤としてイソフタル酸クロライドを含む75質量%ポリイソシアネート成分10gを入れた後40秒間撹拌混練を行なって鋳型用材料を作製した。得られた鋳型用材料の鋳型強度と可使時間(3時間及び7時間後の強度)を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0040】
<実施例2>
実施例1において、濾紙の保留粒子径5μmから保留粒子径6μm(JIS P 3801 1種、品名:No.1)に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明で用いる二価金属塩の低減化処理を施したフェノール樹脂成分Cを調製した。得られたフェノール樹脂成分C中の二価金属塩の含有量は、鉛元素換算で40ppmであった。
【0041】
次に、実施例1に記載のフェノール樹脂成分Bに代えてフェノール樹脂成分Cを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳型用材料を作製し、鋳型強度と可使時間を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0042】
<比較例1>
実施例1において、濾紙の保留粒子径を5μmから保留粒子径7μm(JISP 3801 5種A、品名:No.5A)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較対象の二価金属塩の低減化処理を施したフェノール樹脂成分Dを調製した。得られたフェノール樹脂成分D中の二価金属塩の含有量は、鉛元素換算で60ppmであった。
【0043】
次に、実施例1に記載のフェノール樹脂成分Bに代えてフェノール樹脂成分Dを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳型用材料を作製し、鋳型強度と可使時間を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0044】
<比較例2>
実施例1において、フェノール樹脂成分Bに代えて製造例で製造したフェノール樹脂成分A(二価金属塩の含有量は鉛元素換算で303ppm)を用いた以外は、実施例1と同様にして鋳型用材料を作製し、鋳型強度と可使時間を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
<実施例3>
実施例1において、三栄6号珪砂に代えて研磨処理したナイガイセラビーズ#550の再生砂を用いた以外は実施例1と同様にして鋳型用材料を作製し、鋳型強度と可使時間を評価した。それらの結果を表2に示す。
【0047】
<比較例3>
比較例2において、三栄6号珪砂に代えて研磨処理したナイガイセラビーズ#550の再生砂を用いた以外は比較例2と同様にして鋳型用材料を作製し、鋳型強度と可使時間を評価した。それらの結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
以上説明のように、ウレタン硬化性鋳型の作製に用いる本発明に係る有機粘結剤組成物によれば、フェノール樹脂成分として、二価金属塩含有量が従来より極めて少ないベンジルエーテル型フェノール樹脂溶液を用いることにより、次の効果を奏する。
【0050】
(I)特にアミンコールドボックス法において、(1)鋳型用材料の可使時間が大幅に改善されるため、(2)回収砂及び/又は再生砂を含有する鋳物砂への二価金属塩の蓄積に伴う可使時間の影響を軽減することができる。また、(3)該鋳物砂のリサイクル寿命が伸びることにより、鋳物砂の省資源化や産業廃棄物の低減化などが可能になる。
【0051】
(II)また、使用済みウレタン硬化性鋳型から鋳物砂を回収ないし再生する際に発生する産業廃棄物中に含有される、例えば鉛・亜鉛等の二価金属塩の含有量が極めて少ないため、産業廃棄物の埋め立てに伴う土壌汚染などの自然環境への影響を軽減できる利点を有する。
Claims (4)
- 少なくともフェノール樹脂成分と、ポリイソシアネート成分とから構成される鋳型用有機粘結剤組成物であって、該フェノール樹脂成分が、少なくとも、フェノール類とアルデヒド類との鉛金属元素を含有する二価金属塩触媒反応によって得られるベンジルエーテル型フェノール樹脂を含有し、かつ前記二価金属塩の含有量が金属元素換算で40ppm以下である有機溶剤溶液であることを特徴とする鋳型用有機粘結剤組成物。
- 少なくとも請求項1に記載の鋳型用有機粘結剤組成物と鋳物砂とを含有することを特徴とする鋳型用材料。
- さらにシランカップリング剤及び/又は硬化遅延剤を含有することを特徴とする請求項2に記載の鋳型用材料。
- 前記鋳物砂が、回収砂及び/又は再生砂を含有することを特徴とする請求項2または3に記載の鋳型用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001337443A JP4149697B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | 鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001337443A JP4149697B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | 鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003136184A JP2003136184A (ja) | 2003-05-14 |
JP4149697B2 true JP4149697B2 (ja) | 2008-09-10 |
Family
ID=19152077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001337443A Expired - Fee Related JP4149697B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | 鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4149697B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004042535B4 (de) * | 2004-09-02 | 2019-05-29 | Ask Chemicals Gmbh | Formstoffmischung zur Herstellung von Gießformen für die Metallverarbeitung, Verfahren und Verwendung |
DE102006049379A1 (de) * | 2006-10-19 | 2008-04-24 | Ashland-Südchemie-Kernfest GmbH | Phosphorhaltige Formstoffmischung zur Herstellung von Giessformen für die Metallverarbeitung |
KR101706783B1 (ko) | 2008-06-12 | 2017-02-14 | 히타치가세이가부시끼가이샤 | 페놀류 노볼락 수지의 제조 방법 및 페놀류 노볼락 수지를 이용한 레진코티드샌드 |
DE102016125624A1 (de) | 2016-12-23 | 2018-06-28 | HÜTTENES-ALBERTUS Chemische Werke Gesellschaft mit beschränkter Haftung | Phenolharz zur Verwendung in der Phenolharzkomponente eines Zweikomponenten- Bindemittelsystems |
JP7364762B1 (ja) | 2022-10-07 | 2023-10-18 | 旭有機材株式会社 | 再生砂原料組成物及びその製造方法、並びに再生砂及びレジンコーテッドサンドの製造方法 |
-
2001
- 2001-11-02 JP JP2001337443A patent/JP4149697B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003136184A (ja) | 2003-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU573852B2 (en) | Phenolic resin-polyisocyanate binder systems | |
AU570303B2 (en) | Phenolic resin-polyisocyanate binder systems | |
JP6650927B2 (ja) | ポリウレタンコールドボックス法のための二成分バインダー系 | |
US4982781A (en) | No-bake process for preparing foundry shapes for casting low melting metal castings | |
AU604479B2 (en) | Phenolic resin-polyisocyanate binder system | |
US20060151575A1 (en) | Method of producing shaped bodies, particularly cores, molds and feeders for use in foundry practice | |
US4946876A (en) | Polyurethane-forming foundry binders containing a polyester polyol | |
JP4149697B2 (ja) | 鋳型用有機粘結剤組成物及びそれを用いて成る鋳型用材料 | |
JP5694024B2 (ja) | 鋳型用ウレタン硬化型有機粘結剤並びにこれを用いて得られる鋳物砂組成物及び鋳型 | |
EP0323962A1 (en) | Polyurethane-forming binder compositions containing certain carboxylic acids as bench life extenders | |
JPH01262042A (ja) | 樹脂結合砂の成形体の製造方法 | |
US20050009950A1 (en) | Process for preparing foundry shapes | |
US5132339A (en) | Polyurethane-forming foundry binders containing a polyether polyol | |
JP2005329420A (ja) | 鋳型用有機粘結剤及びこれを用いて得られる鋳物砂組成物並びに鋳型 | |
JP3794944B2 (ja) | 鋳造用鋳型の製造方法 | |
CA1302660C (en) | Cold-setting moulding binders and their use | |
JP4323223B2 (ja) | 鋳型用有機粘結剤及びこれを用いて得られる鋳物砂組成物並びに鋳型 | |
JP5036362B2 (ja) | 鋳型用ウレタン硬化型有機粘結剤並びにこれを用いて得られる鋳物砂組成物及び鋳型 | |
CN111712336A (zh) | 粘结剂体系 | |
JP4615346B2 (ja) | 鋳型用有機粘結剤及びこれを用いて得られる鋳物砂組成物並びに鋳型 | |
JP3198185B2 (ja) | 鋳型の製造方法 | |
JP2001205386A (ja) | 鋳型製造用粘結剤組成物、鋳型製造用組成物、および鋳造用鋳型の製造方法 | |
AU8325287A (en) | Polyurethane-forming binder compositions containing certain phosphonic dihalides as bench life extenders | |
JP2003181594A (ja) | ウレタン系鋳型用離型剤及びその製造方法並びに該離型剤を用いて成る有機粘結剤及び鋳型材料 | |
WO1989006576A1 (en) | Phenolic resin compositions and their use in foundry binders |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040820 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080218 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080318 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080516 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20080523 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080617 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080626 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4149697 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130704 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |