JP4451983B2 - ヌクレオシド代謝の阻害剤 - Google Patents

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Description

【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、米国特許第08/949388号(1977年10月14日出願、この出願は参照により本明細書に含まれる)の一部継続出願である。
[技術分野]
本発明は、ある種のヌクレオシド類似体(アナログ)、これら化合物の医薬としての使用、これら化合物を含む医薬組成物、およびこれら化合物の製造方法に関する。
【0002】
[発明の背景]
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)は、リボヌクレオシドおよびデオキシリボヌクレオシド(例えばグアニンおよびヒポキサンチンのそれらヌクレオシド)の加リン酸分解切断を触媒し、対応する糖−1−リン酸およびグアニン、ヒポキサンチンまたは他のプリン塩基を生じる。
【0003】
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損患者は、dGTPの蓄積および刺激Tリンパ球へのその毒性のために特有のT細胞免疫不全を示す。このため、PNPに対する阻害剤は免疫抑制性で、T細胞性悪性疾患に対して活性を有する。9−(3−ピリジルメチル)−9−デアザグアニンを用い、乾癬に対しては局所型、T細胞リンパ腫および免疫抑制に対しては経口型の臨床試験が現在進行している(Biocryst Pharmaceuticals, Inc)。この化合物はこの酵素に対してIC50が35nMである。マウスの耳の接触過敏性腫脹アッセイによる動物実験では、経口投与量50mg/kgがその活性を得るために必要である。これは、人間の場合の投与量では70kgに対して約3.5グラムを意味するであろう。この阻害剤の場合、血液および哺乳類組織中でのその比較的高い酵素活性のためにPNPの抑制は困難である。
【0004】
ヌクレオシドおよびデオキシヌクレオシドヒドロラーゼはヌクレオシドおよびデオキシヌクレオシドの加水分解を触媒する。これらの酵素は哺乳類には見出されないが、いくつかの原虫性寄生虫のヌクレオシド再生に必要である。プリンホスホリボシルトランスフェラーゼ(PPRT)は、プリン塩基の5−ホスホ−α−D−リボース−1−ピロホスフェートへの移転を触媒し、プリンヌクレオチド5’−ホスフェートを生成する。原虫および他の寄生虫はPPRTを有し、これは基本的プリン再生経路に必要である。悪性組織もまたPPRTを有する。いくつかの原虫寄生虫はプリンヌクレオシドホスリラーゼを有し、これはまたプリン再生経路で機能する。ヌクレオシドヒドロラーゼの阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼおよびPPRTは寄生虫の代謝を妨害することができ、したがって原虫性寄生虫に対して有用であると期待される。PNPおよびPPRTの阻害剤は悪性組織のプリン代謝を妨害することができ、したがって悪性組織に対して有用である。
PNP、PPRTおよび/またはヌクレオシドヒドロラーゼの非常に有効な阻害剤である医薬を提供することが本発明の目的である。
【0005】
[発明の詳細な説明]
本発明の態様の1つは以下の式を有する化合物、またはその互変異体;またはその医薬的に許容できる塩を提供することである:
【0006】
【化13】
Figure 0004451983
【0007】
式中、AはCHまたはNで;BはOH、NH2、H又はNHRから選ばれ、Rはアルキルもしくはアラルキル基である;DはOH、NH2、H又はNHRから選ばれ、Rはアルキルもしくはアラルキル基である;XはOHである;YはHである;Zは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ホスフェート、アルキルチオ、またはアルコキシから選ばれる。
【0008】
好ましくは、Bおよび/またはDのどちらかがNHRである場合には、RはC1−C4アルキルである。
好ましくは、1つまたは2つ以上のハロゲンが存在する場合には、それらは塩素またはフッ素から選ばれる。
【0009】
好ましくは、DはHであるか、または、DがH以外の他のものである場合にはBはOHである。
より好ましくは、BはOHで、DはH、OHまたはNH2で、XはOHまたはHで、YはHで、最も好ましくはZはOH、Hまたはメチルチオ、特にOHである。
Bおよび/またはDがヒドロキシ基である場合、本明細書で用いられる式(I)の化合物は、対応するアミドのエノール型互変異体で、これはアミド形として広く存在していることは理解されよう。エノール型互変異体を表示することによって、より少数の構造式で本発明の化合物を表示することが可能になる。
【0010】
本発明はまた以下の式をもつ化合物、またはその互変異体、またはその医薬的に許容できる塩を提供する。
【0011】
【化14】
Figure 0004451983
【0012】
式中、AはCHであり;XはOHであり;YはHであり;ZはOHもしくはホスフェートであり;EはCO 2 HもしくはCONH 2 であり;GはNH 2 である。
好ましくは、EはCONH2でGはNH2である。
より好ましくは、EはCONH2で、GはNH2で、XはOHで、YはHで、最も好ましくは、ZはOHである。
【0013】
特に好ましいものは以下の化合物である.
1.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール
2.(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール
3.(1R)−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール
4.(1S)−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール
5.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール
【0014】
6.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール
7.(1R)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール
8.(1S)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール
9.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール
10.(1R)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール
【0015】
11.(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール
12.(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール
13.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール
14.(1R)−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール
15.(1S)−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール
【0016】
16.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール
17.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール
18.(1R)−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール
19.(1S)−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール
20.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール
【0017】
21.(1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール
22.(1R)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール
23.(1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール
24.(1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール
25.(1S)−1−C−(3−アミノ−2−カルボクスアミド−4−ピロリル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール
【0018】
26.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール5−ホスフェート
27.(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール5ホスフェート
28.(1S)−1−C−(3−アミノ−2−カルボクスアミド−4−ピロリル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール
【0019】
最も好ましい化合物は、以下のIb並びにIc、それらの互変異体および医薬的に許容できる塩である。
【0020】
【化15】
Figure 0004451983
【0021】
式(I)または式(Ia)の化合物の生物学的利用可能性は、プロドラッグ形に変換することによって高めることができる。そのようなプロドラッグは式(I)または式(Ia)と比較して親油性を改善することができ、それによって膜透過性の強化をもたらすことができる。特に有用なプロドラッグ形の1つはエステル誘導体である。その有用性は、これらエステル基の加水分解を触媒し、その作用部位近くまたはその作用部位に式(I)および式(Ia)の化合物を遊離させる1つまたは2つ以上の普遍的細胞内リパーゼの作用に左右される。
【0022】
プロドラッグのある形態では、式(I)または式(Ia)の化合物の1つまたは2つ以上のヒドロキシ基はO−アセチル化が可能で、例えば5−O−ブチレートまたは2,3−ジ−O−ブチレート誘導体を生成することができる。
【0023】
式(I)または式(Ia)の化合物の5−ホスフェートエステル誘導体プロドラッグ形も生成し得、これは特に有用であろう。なぜらならば、5−ホスフェートの陰イオン性は細胞膜を通過する能力を制限するからである。そのような、5−ホスフェート誘導体は、非荷電ビス(アシロキシメチル)エステル誘導体に容易に変換できる。そのようなプロドラッグの有用性は、これらエステル基の加水分解を触媒し、その作用部位近くまたはその作用部位にホルムアルデヒドの分子並びに式(I)および式(Ia)の化合物を遊離させる1つまたは2つ以上の普遍的細胞内リパーゼの作用に左右される。
【0024】
そのようなリン酸付加炭水化物誘導体のアシロキシメチルエステルプロドラッグ形の有用性の具体的な例およびそれらの一般的製造方法は、例えば以下の文献に記載されている:Kang et al., Nucleosides Nucleotides 17:1089(1998); Jiang et al., J. Biol. Chem. 273:11017(1998); Li et al., Tetrahedron 53:12017(1997); Kruppa et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 7:945(1997)。
【0025】
本発明の別の態様では、医薬的に有効な量の本発明の第一の態様の化合物を含む医薬組成物が提供される。
好ましくは、この医薬組成物は本発明の第一の態様の好ましい化合物から選ばれる化合物を含む。より好ましくは、この化合物は本発明の第一の態様のより好ましい化合物から選ばれる。最も好ましくは、この化合物は式IbまたはIcの化合物である。
【0026】
本発明のまた別の態様では、Tリンパ球活性レベルを低下させることが所望される疾患または病状の治療方法が提供される。この方法は、医薬的に有効な投与量の本発明の化合物を処置を必要としている患者に投与することを含む。
この疾患には、T細胞の悪性疾患および自己免疫疾患(関節炎および狼瘡を含む)が含まれる。本発明のこの態様にはまた、器官移植の場合の免疫抑制および炎症性疾患に対する本化合物の使用が含まれる。本発明には、これらの処置を目的とする医薬の製造のための本化合物の使用が含まれる。
【0027】
本発明の別の態様では、寄生虫感染、特に原虫寄生物によって惹起されるものの治療および/または予防方法が提供される。この原虫寄生物に含まれるものは、ジアルジア属(Giardia)、トリコモナス属(Trichomonas)、リーシュマニア属(Leishmania)、トリパノソーマ属(Trypanosoma)、クリシジア属(Crithidia)、ヘルペトモナス属(Herpetomonas)、レプトモナス属(Leptomonas)、ヒストモナス属(Histomonas)、エイメリア属(Eimeria)、イソポラ属(Isopora)、およびプラスモジウム属(Plasmodium)のものである。プラスモジウム属によって惹起される寄生虫感染の例はマラリアである。この方法は、本発明の化合物によって阻害されるヌクレオシドヒドロラーゼが局在する部位で本化合物の有効濃度を提供できる濃度で投与したとき、本発明の化合物によって阻害される1つまたは2つ以上のヌクレオシドヒドロラーゼを含むいずれかの寄生虫に有利に適用できる。
【0028】
本発明のまた別の態様では、本発明の第一の態様の化合物を製造する方法が提供される。この方法は以下の(A)−(Z)および(AA)−(AF)の方法の1つまたは2つ以上を含むであろう。
【0029】
方法(A):4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび5’−デオキシ−、5’−デオキシ−5’ハロゲノ−、5’−エーテル、および5’−チオ類似体とのアクセス
以下の式(II)の化合物を連続的にN−クロロスクシンイミドと立体的に束縛された(hindered)塩基(例えばリチウムテトラメチルピペラジド)と反応させてイミンを生成し、続いてアセトニトリルの陰イオン(典型的にはアセトニトリルとn−ブチルリチウムとを処理して生成される)、さらにジ−tert−ブチルジカルボネートと反応させる。
【0030】
【化16】
Figure 0004451983
【0031】
[式中、Z’は水素もしくはハロゲン原子、式SQもしくはOQの基、またはトリアルキルシリルオキシ、アルキルジアリールシリルオキシ、または場合によって置換されたトリアリールメトキシ基で、Qは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基である](典型的にはZ’はtert−ブチルジメチルシリルオキシ、トリチルオキシまたは同様な基である。)
【0032】
上記の反応で下記式(III)の化合物が生成される。
【0033】
【化17】
Figure 0004451983
【0034】
[式中、Z’は上記で最初に示した式(II)について規定されたとおりである]続いて9−デアザイノシンの製造のために用いられた方法(Lim et al., J. Org. Chem., 48:780(1983))にしたがって、式(III)の化合物を(Me2N)2CHOButで縮合させ、弱酸性条件下で加水分解して下記式(IV)の化合物を得る。
【0035】
【化18】
Figure 0004451983
【0036】
[式中、Z’は最初に上記で示した式(II)の規定のとおりである]さらに引続いて式(IV)の化合物を穏やかな塩基性条件下でグリシンの単純エステル(例えばエチルグリシネート)と縮合させ、クロロギ酸の単純エステル(例えばベンジルクロロホルメートまたはメチルクロロホルメート)との反応によって環状化させ、続いてベンジル基の場合は貴金属触媒(例えばPd/C)の存在下で、または単純アルキル基(例えばメチル基)の場合は穏やかな塩基性条件下で水素添加分解によってピロール窒素で脱保護し、下記の式(V)の化合物を生成する。
【0037】
【化19】
Figure 0004451983
【0038】
[式中、Z’は上記で最初に示した式(II)について規定したとおりで、Rはアルキル基である]典型的にはRはメチルまたはエチル基である。この式(V)の化合物を続いてホルムアミジンアセテートと縮合させて下記式(VI)の化合物を生成する。
【0039】
【化20】
Figure 0004451983
【0040】
[式中、Z’は上記で最初に示した式(II)について規定したとおりである]この式(VI)の化合物を酸性条件下で例えばトリフルオロ酢酸との処理によって完全に脱保護する。
Z’がtert−ブチルジメチルシリルオキシ基である式(II)の化合物の製造方法は文献(Furneaux et al., Tetrahedron 53:2915(1997))およびその中の参考文献によって詳述されている。
【0041】
Z’がハロゲン原子である式(II)の化合物は、選択的N−アルキル−またはアラルキル−オキシカルボニル化(典型的にはジ−tert−ブチルジカルボネート、ベンジルクロロホルメート、またはメチルクロロホルメートおよび塩基を用いる)、またはN−アシル化(典型的には無水トリフルオロ酢酸または塩基を用いる)によって、式(II)の化合物(ここでZ’はヒドロキシ基)から製造でき、下記の式(VII)の化合物が生成される。
【0042】
【化21】
Figure 0004451983
【0043】
[式中、Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基、または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Z’はヒドロキシ基である]この式(VII)の化合物を続いて以下の(i)または(ii)の工程に付す。
(i)5−O−スルホニル化(典型的にはp−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリドまたは無水トリフルオロメタンスルホン酸および塩基を用いる)して式(VII)の化合物[この場合、式中、Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキル−またはアリール−カルボニル基で、Z’は場合によって置換されたアルキル−またはアリール−スルホニルオキシ基である]を生成し、続いて求核性ハロゲン化物イオン供給源(例えばフッ化、塩化、臭化、またはヨウ化ナトリウム、リチウムまたはテトラアルキルアンモニウム)を提供することができる試薬を用いてスルホネート置換反応に付すか、または、
【0044】
(ii)ジエチルアミノスルファートリフルオリド(DAST)との反応によるか、またはジメチルホルムアミド中のメチルトリフェノキシホスホニウムイオダイドとの反応(例えばStoeckler et al., Cancer Res., 46:1774(1986)を参照のこと)によるか、または極性溶媒(例えばヘキサメチルホスホルアミド)中のチオニルクロリドまたはブロミドとの反応(Kitagawa & Ichino, Tetrahedron Lett. 87(1971))により、例えばミツノブ反応のように(例えばトリフェニルホスフィン、ジエチルアゾジカルボキシレートおよび上記のような求核性ハロゲン化物イオン供給源を用いて)第一ヒドロキシ基をハロゲン原子で直接置換できる試薬系に付して、式(VII)の化合物[この場合、式中、Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基、または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Z’はハロゲン原子である]を生成し、これを続いて、使用されているN−保護基について要求されるように酸もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解により選択的にN−脱保護する。
【0045】
式(VII)の化合物[この場合、式中、Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基、または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Z’はヒドロキシ基である]はまた、式(II)の化合物[この場合、式中Z’はトリアルキルシリルオキシ、アルキルジアリールシリルオキシまたは場合によって置換されたトリアリールメトキシ基である]から、上記のようにN−アルキルもしくはアラルキル−カルボキシル化またはN−アシル化に付し、続いて、使用されている5−O−保護基について要求されるように酸触媒加水分解もしくはアルコール分解、触媒性水素添加分解、またはフッ化物イオン供給源(例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド)との処理によって選択的5−O−脱保護を実施して製造できる。
【0046】
Z’が水素原子である式(II)の化合物は以下の(i)または(ii)のどちらかから製造できる。
【0047】
(i)5−O−チオアシル誘導体の生成およびラジカルの脱酸素反応による式(VII)の5−ヒドロキシ化合物[式中Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基、または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Z’はヒドロキシ基である]、または
【0048】
(ii)遊離ラジカル条件下で水素化物試薬(例えばトリブチルチンハイドリド)を用いるか、または触媒性水素添加分解(典型的にはパラジウム触媒上の水素を用いる)によって還元し、続いて、使用されているN−保護基について要求されるように酸もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解による式(VII)の5−デオキシ−5−ハロゲノ化合物[式中、Z’は塩素、臭素またはヨウ素原子である]。
【0049】
式(II)の化合物[この場合、式中Z’は場合によって置換されたアルキルチオ、アラルキルチオ、またはアリールチオ基である]は、上記で述べた式(VII)の5−デオキシ−5−ハロゲノまたは5−O−スルホネート誘導体[式中Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Z’はハロゲン原子または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−スルホニルオキシ基である]と、対応する場合によって置換されたアルキルチオール、アラルキルチオールまたはアリールチオールのアルカリ金属またはテトラアルキルアンモニウム塩との反応、およびそれに続く使用されているN−保護基について必要とされる酸もしくはアルカリ触媒加水分解もしくはアルコール分解または触媒性水素添加分解による選択的N−脱保護によって製造できる(例えば以下を参照されたい:Montgomery et al., J. Med. Chem. 17:1197(1974))。
【0050】
式(II)の化合物[この場合、式中Z’は式OQの基であり、Qは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基である]は、式(VII)の5−ヒドロキシ化合物[式中Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Zはヒドロキシ基である]から、以下の(i)または(ii)によって製造できる:
【0051】
(i)塩基の存在下でハロゲン化アルキルまたはアラルキルと反応(例えば、溶媒としてテトラヒドロフラン中でヨウ化メチルおよび水素化ナトリウム、または臭化ベンジルおよび水素化ナトリウム)させるか、または
【0052】
(ii)引続いて(上記のように)5−O−スルホネート誘導体に変換させ、アルカリ金属または所望のフェノールのテトラアルキルアンモニウム塩と反応させ、その後、使用されているN−保護基について必要とされる酸もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解による選択的N−脱保護を実施する。
【0053】
上記の変換反応は、炭水化物の反応で通常用いられる反応であることは理解されよう。これらの変換を達成するために、選択肢として多くの試薬および反応条件を用いることができ、これらの多くに関する参考文献は、専門家の定期的なレポート"Carbohydrate Chemistry"(vol.1-28, Royal Society of Chemistry刊)、特にハロゲノ糖、アミノ糖、チオ糖、エステル、デオキシ−糖およびヌクレオシドに関する章で見つけることができる。
【0054】
方法(B):2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン 9−デアザグアノシンおよびその誘導体の製造で用いられた方法(例えば以下の文献を参照されたい:Montgomery et al., J. Med. Chem. 36:55(1993);Lim et al., J. Org. Chem. 48:780(1983);およびその中で引用された文献)にしたがって、式(V)の化合物[この場合、式中Z’は最初に式(II)について規定したとおりで、Rはアルキル基である]をベンゾイルイソチオシアネートと反応させ、続いて塩基(例えばDBUまたはDBN)の存在下でヨウ化メチルと反応させて下記の式(VIII)の化合物を生成する。
【0055】
【化22】
Figure 0004451983
【0056】
[式中、Z’はトリアルキルシリルオキシ、アルキルジアリールシリルオキシもしくは場合によって置換されたトリアリールメトキシ基、水素もしくはハロゲン原子、SQもしくはOQ(ここでQは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基)で、Rはアルキル基である]典型的にはZ’は、保護ヒドロキシ基の場合は、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、トリチルオキシまたは同様な基で、Rはメチルまたはエチル基である。続いて、この式(VIII)の化合物をアンモニアの存在下で環状化して分離可能な下記式(IX)の化合物の混合物を生成する。
【0057】
【化23】
Figure 0004451983
【0058】
[式中、Dはアミノまたはメチルチオ基で、Z’およびRは上記に示した式(VIII)の化合物について規定したとおりであるか、またはZ’はヒドロキシ基である]この場合は、例えばtert−ブチルジメチルシリルオキシ基はこの条件下では切断された。式(IX)の生成物[この場合、式中Dはアミノまたはメチルチオ基である]は、方法(A)で設定した工程によって産生条件下で完全に脱保護される。
【0059】
方法(C):4−アミノピロロ〔3,2−d〕ピリミジン
式(IV)の化合物[この場合、式中Z’は式(II)について最初に規定したとおりである]を穏やかな塩基性条件下でアミノアセトニトリルと反応させ、クロロギ酸の単純エステル(典型的にはベンジルクロロホルメートまたはメチルクロロホルメート)と反応させて環状化させ、下記式(X)の化合物を生成する。
【0060】
【化24】
Figure 0004451983
【0061】
[式中、Z’はトリアルキルシリルオキシ、アルキルジアリールシリルオキシもしくは場合によって置換されたトリアリールメトキシ基、水素もしくはハロゲン原子、SQまたはOQ(ここでQは場合によって置換されたアルキル、アラルキル、またはアリール基である)で、Rはアラルキルまたはアルキル基である]典型的にはZ’は、保護ヒドロキシ基の場合は、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、トリチルオキシまたは同様な基で、Rはベンジルまたはメチル基である。続いて、この式(X)の化合物を、ベンジル基の場合は貴金属触媒(例えばPd/C)の存在下で、また単純なアルキル基(例えばメチル基)の場合は穏やかな塩基性条件下で水素添加分解によってピロール窒素で脱保護し、(V)−>(VI)−>(I)または(V)−>(VIII)−>(IX)−>(I)の変換について上記で述べたように処理する。この方法は、9−デアザアデノシンおよびその類似体の製造で使用された方法に従うものである(Lim & Klein, Tetrahedron Lett. 22:25(1981); Xiang et al., Nucleosides Nucleotides 15:1821(1996))。
【0062】
方法(D):7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン(デービス(Daves)法)
式(II)の化合物[上記に規定したとおり]を連続的にN−クロロスクシンイミドおよび束縛された塩基(例えばリチウムテトラメチルピペリジド)と反応させてイミンを生成し、続いてこれを、典型的にはブチルリチウムまたはマグネシウムを用いて下記式(XIb)または(XIc)の化合物から臭素またはヨウ素を抽出して生成された陰イオンで縮合させて生成物を得て、これを続いて(方法(A)のように)酸性条件下で完全に脱保護する。
【0063】
【化25】
Figure 0004451983
【0064】
[式中、R3は臭素またはヨウ素原子で、R4はテトラヒドロピラン−2−イル基である]式(XIb)および(XIc)の化合物並びにその混合物を製造する方法は以下の文献に記載されている:Zhang & Daves, J. Org. Chem. 57:4690(1992); Stone et al., J. Org. Chem. 44:505(1979)およびその中の引用文献。
【0065】
この反応では保護基としてテトラヒドロピラン−2−イル基が好ましいが、他のO,N−保護基も用いることができること、さらに、式(XIb)および(XIc)の化合物の類似体(この場合、任意のヒドロキシまたはアミノ基のイオン化可能な水素原子は適切な保護基によって置換されている)を用いる、このピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン環の5位および/または7位にそれぞれ別個にヒドロキシ基、アミノ、アルキルアミノ、またはアラルキルアミノ基、または水素原子から選ばれる置換基をもつピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体の合成にもこの方法を適用できることは理解されよう。
【0066】
方法(E):7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン(ヨコヤマ法)
5−O−エーテル保護2,3−O−イソプロピリデン−D−リボフラノース誘導体(この場合、5−エーテル置換基は、典型的にはトリアルキルシリル、アルキルジアリールシリル、場合によって置換されたトリアリールメチルまたは場合によって置換されたアラルキル基、特にtert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリル、トリチルまたはベンジル基である)を以下の連続反応に付す:
【0067】
(i)方法Dの式(XIb)または(XIc)の化合物から臭素またはヨウ素原子を抽出して生成した陰イオンと縮合させ;
(ii)得られたジオールを典型的にはスワーン(Swern)酸化またはジメチルスルホキシド系酸化剤を用いるその変法(例えば、ジクロロメタン溶液中のジメチルスルホキシドおよび無水トリフルオロ酢酸試薬の組み合わせを低温、典型的に−78℃で用い、続いてトリエチルアミンを用い、さらに室温まで加温する)によって酸化してジケントンを生成し;
(iii)二重還元アミノ化によって1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール部分を、典型的にはメタノール中のナトリウムシアノボロハイドリドおよびギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウムまたはベンズヒドリルアミンを用いて生成し;さらに
【0068】
(iv)酸触媒加水分解(例えば70%トリフルオロ酢酸水を用いる)および必要な場合(ベンズヒドリルアミンを用いて製造された生成物の場合、または場合によって置換されたアルキル基がイミノリビトール部分の一級ヒドロキシ基を保護するために用いられる場合)には、金属触媒(典型的にはパラジウム触媒)上での水素添加分解、または所望する場合(シリルエーテル保護基の場合)には、フッ化物イオン供給源として機能できる試薬(例えばテトラヒドロフラン中のテトラブチルアンモニウムフルオリドまたはメタノール中のフッ化アンモニウム)に暴露することによって保護基を除去する。この一連の反応を実施するために適した条件は、yokoyama et al., J. Org. Chem. 61:6079(1996)で報告され、酢酸アンモニウムまたはベンズヒドリルアミンによる二重還元アミノ化は、Furneaux et al., Tetrahedron 42:9605(1993)およびその中に引用された文献で見つけることができる。
【0069】
方法(F):7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン(カルボダ(Kalvoda)法)
式(II)の化合物[上記に最初に示した規定のとおり]を連続してN−クロロスクシンイミドおよび束縛された塩基(例えばリチウムテトラメチルピペラジド)と反応させてイミンを生成し、続いてトリメチルシアニドおよびルイス酸(典型的にはボロントリフルオリドジエチルエテレート)の混合物と反応させ、さらに酸触媒加水分解を実施して下記式(XII)の化合物を生成する。
【0070】
【化26】
Figure 0004451983
【0071】
[式中、Z’は水素もしくはハロゲン原子、ヒドロキシ基または式SQもしくはOQの基(ここでQは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基)である]この式(XII)の化合物に、一連の選択的N−保護(典型的には無水トリフルオロ酢酸、ジ−tert−ブチルジカルボネート、ベンジルクロロホルメートまたはメチルクロロホルメートおよび塩基を用いる)、およびアシルクロリドまたは無水物および塩基(典型的には無水酢酸またはピリジン中のベンゾイルクロリド)によるO−保護を実施して適切に保護された下記式(XIII)の誘導体を得る。
【0072】
【化27】
Figure 0004451983
【0073】
[式中、R1はアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキルもしくはアリール−カルボニル基で、Z’は水素もしくはハロゲン原子、または式SQもしくはOQの基(ここでQは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基)、または式R2Oの基(R2はアルキルカルボニルまたは場合によって置換されたアリールカルボニル基)である]典型的にはR1はトリフルオロアセチル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル基で、R2はアセチルまたはベンゾイル基であろう。
【0074】
続いて、カルボダ(Kalvoda, Collect. Czech. Chem. Commun., 43:1431(1978)が記載した方法にしたがい以下の一連の反応によって、得られた式(XIII)の化合物のカルボン酸部分をピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−7−オン−3−イル部分に変換する。
【0075】
(i)不活性溶媒中で触媒量のジメチルホルムアミドを用い典型的にはチオニルクロリドによって、カルボン酸部分を塩素化してアシルクロリドを生成し;
(ii)得られた塩化アシルを用いて、tert−ブトキシカルボニルトリフェニルホスホレン(すなわちPh3P=CHCO2But)の存在下でシアン化水素をアシル化し、3−シアノ−2−プロペノエート誘導体を生成し;
(iii)ジアゾアセトニトリル(これはアミノアセトニトリルヒドロクロリドおよび亜硝酸ナトリウムから製造できる)を用い、同時にシアン化水素を除去して上記誘導体を付加環状化してピラゾール誘導体を生成し;
【0076】
(iv)このピラゾール誘導体のtert−ブチルエステルの酸触媒加水分解によってその対応するカルボン酸を得て;
(v)カルボン酸部分を2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ基に変換する(すなわち生成物はカルバメートである)クルチウス反応(典型的にはトリエチルアミンの存在下でフェニルホスホリルアジドおよび2,2,2−トリクロロエタノールを用いる)を実施し;
(vi)典型的には塩化アンモニウム含有メタノール中の亜鉛ダストを用いて上記のトリクロロエチルカルバメートを還元的に切断し;
(vii)得られたエチル4−アミノ−3−置換−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートを酢酸ホルムアミドと縮合させて、下記式(XIV)の化合物を生成する。
【0077】
【化28】
Figure 0004451983
【0078】
[式中、R1はアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Z’は水素もしくはハロゲン原子、SQもしくはOQ(ここでQは場合によって置換されたアルキル、アラルキルもしくはアリール基)、または式R2Oの基(ここでR2はアルキルカルボニルまたは場合によって置換されたアリールカルボニル基)で、Aは窒素原子で、Bはヒドロキシ基で、Dは水素原子である]続いて、式(XIV)の化合物を、使用されているO−およびN−保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または水素添加分解によってO−脱保護およびN−脱保護する。
【0079】
方法(G):7−アミノピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン(ブキャナン(Buchanan) 法)
式(II)の化合物[上記で最初に規定したとおり]をN−クロロスクシンイミドおよび束縛塩基(例えばリチウムテトラメチルピペラジド)と連続的に反応させてイミンを生成し、続いてブキャナン(Buchanan)と共同研究者(J. Chem. Soc., Perkin Trans. I:1077(1991)およびその中で引用された参考文献)によるホルミシンおよびその類似体を製造するために用いられた方法にしたがって、このイミンを以下の一連の反応によって7−アミノ−ピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン誘導体に変換する。
【0080】
(i)このイミンに3,3−ジエトキシプロピ−1−ニルマグネシウムブロミドまたは3,3−ジエトキシピロピ−1−ニルリチウムを添加し;
(ii)典型的には無水トリフルオロ酢酸、ジ−tert−ブチルジカルボネート、ベンジルクロロホルメートまたはメチルクロロホルメートおよび塩基を用いてN−保護し;
(iii)穏やかに酸加水分解して酸感受性O−保護基を除去し、ジエチルアセタル部分をアルデヒド部分に変換し;
【0081】
(iv)ヒドラジンと縮合させて3−置換プロピ−2−ナル誘導体を3−置換ピラゾール誘導体に変換し;
(v)典型的には無水酢酸またはピリジン中のベンゾイルクロリドを用いてアシル化し:
(vi)典型的には硝酸アンモニウム、無水トリフルオロ酢酸およびトリフルオロ酢酸を用いてニトロ置換を実施し、3−置換1,4−ジニトロピラゾール誘導体を生成し;
(vii)シアンイオンを供給できる試薬、典型的にはエタノール水中のシアン化ナトリウムと反応させ、2つのニトロ基の1つにシネ置換をもたらし;
【0082】
(viii)典型的にはナトリウムジチオナイトを用いるか、または金属触媒上で触媒性水素添加分解によって残存するニトロ基を還元し;
(ix)ホルムアミジンアセテートと縮合させて式(XIV)の化合物[この場合、式中R1はアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリールカルボニル基で、Z’は水素もしくはハロゲン原子、SQもしくはOQ(ここでQは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基)、またはR2O基(ここでR2はアルキルカルボニルまたは場合によって置換されたアリールカルボニル基)で、Aは窒素原子で、Bはアミノ基で、Dは水素原子である]を生成する。続いてこの式(XIV)の化合物を、使用されているO−およびN−保護基に応じて酸−もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によってN−およびO−脱保護する。
【0083】
方法(H):2’−デオキシ−類似体
式(I)の化合物[この場合、式中XおよびZはヒドロキシ基で、Yは水素原子で、A、BおよびDはこの式を上記で最初に示した箇所で規定したとおりである]の全体的な2’−脱酸素は以下の連続反応によって実施される:
【0084】
(i)式(I)のような化合物の1,4−ジデオキシ−1,4−イミノリビトール部分を選択的にN−アルキルもしくはアラルキル−オキシカルボニル化するか(典型的はジ−tert−ジカルボネート、ベンジルクロロホルメート、またはメチルクロロホルメートおよび塩基を用いる)、またはN−アシル化し(典型的には無水トリフルオロ酢酸および塩基を用いる);さらに、
(ii)得られた生成物を1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサンおよび塩基と反応させて3’,5’−O−保護を実施し、下記の式(XV)の化合物を生成し;
【0085】
【化29】
Figure 0004451983
【0086】
[式中、R1はアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基、または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、R2はR1と同じかまたは水素原子で、A、BおよびDは上記に最初に示した箇所で式(I)について規定したとおりである]
【0087】
(iii)生じた式(XV)の化合物の2’−O−チオアシル化(典型的にはフェノキシチオノカルボニルクロリドおよび塩基を用いるか、または水素化ナトリウム、二硫化炭素およびヨウ化メチルを用いる);
(iv)バートン(Barton)ラジカル脱酸素反応(典型的には水素化トリブチルチンおよびラジカル開始物質を用いる);
【0088】
(v)フッ素イオンの供給源として作用できる試薬、例えばテトラヒドロフラン中のテトラブチルアンモニウムフルオリド、またはメタノール中のフッ化アンモニウムによるシリル保護基の切断;および
(vi)使用されている保護基に応じて酸−もしくはアルカリ−触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解により残存するN−およびO−保護基の切断。
この変換の重要な工程を誘導するために適した試薬および反応条件は下記の文献で見つけることができる:Robins et al., J. Am. Chem. Soc. 105:4059(1983); Solan & Rosowsky, Nucleosides Nucleotides 8:1369(1989); Upadhya et al., Nucleic Acid Res. 14:1747(1986)。
【0089】
式(I)の化合物は、そのピロール環またはピラゾール環に、工程(i)のアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル化またはアシル化、または工程(ii)のチオアシル化を、用いられた反応条件に応じて受けることができる窒素原子を有することは理解されよう。そのような誘導体が生成された場合は、得られた誘導体のピロールまたはピラゾールのN−置換基は、穏やかな酸性触媒もしくはアルカリ性触媒加水分解またはアルコール分解によって取り去ることができるほど十分に不安定であるか、あるいはイミノリビトール部分におけるその後の反応を妨害しないで最後の脱保護工程で除去可能であるかのどちらかである。所望の場合は、この手段は式(XV)の化合物[上記で規定されたとおりであるが、ただしピラゾロ−もしくはピロロピリミジン部分にN−保護基をさらに有する]に適用できる。そのようなN−保護化合物の製造に適した方法は、その2’−脱酸素を実施する方法およびN−脱保護に適した条件とともに以下の文献で見つけることができる:Ciszewski et al., Nucleosides Nucleotides 12:487(1993); Kambhampati et al., Nucleosides and Nucleotides 5:539(1986)。
【0090】
方法(I):2’−エピ−類似体
式(XV)の化合物[上記で最初に示した箇所で規定したとおり]を酸化し、続いて還元して式(I)の化合物全体のC−2’エピ化を実施して下記の式(XVI)の化合物を生成する。
【0091】
【化30】
Figure 0004451983
【0092】
[式中、R1、R2、A、BおよびDは上記で式(XV)を最初に示した箇所で規定したとおりである]この式(XVI)の化合物は、式(XV)の出発物質アルコールとの混合物として存在するであろう。続いてこの式(XVI)の化合物を、方法(H)の工程(v)および(vi)で述べたように完全に脱保護する。
この変換の重要な工程を誘導するために適した試薬および反応条件は以下の文献で見つけることができる:Robins et al., Tetrahedron 53:447(1997)。
【0093】
方法(J):2’−デオキシ−2’−ハロゲノ−および2’−デオキシ−2’エピ−2’−ハロゲノ−類似体
式(XV)または(XVI)の化合物[上記で最初にそれらを示した箇所で規定したとおり]を式(II)の化合物[式中Z’はハロゲン原子]の製造のために方法(A)で述べた方法で反応させる。この方法は以下の(i)または(ii)のいずれかを必要とする。
【0094】
(i)ハロゲンイオンによって2’−O−スルホニル化およびスルホネート置換を実施するか;または
(ii)例えばミツノブ反応またはジエチルアミノスルファートリフルオリド(DAST)との反応によって、ハロゲン原子を用いて2’ヒドロキシ基を直接置換してC−2’で立体的化学構造が逆になっている化合物を生成し、続いてこれを方法(H)の工程(v)および(vi)で述べたように完全に脱保護する。
【0095】
式(XV)または(XVI)の化合物は、そのピロール環またはピラゾール環に、用いられた反応条件に応じて工程(i)のスルホニル化を受けることができる窒素原子を有することは理解されよう。そのような誘導体が生成された場合は、得られた誘導体のピロールまたはピラゾールN−スルホネート置換基は、穏やかな酸性触媒もしくはアルカリ性触媒加水分解またはアルコール分解によって取り去ることができるほど十分に不安定であるか、またはイミノリビトール部分におけるその後の反応を妨害しないで最後の脱保護工程で除去可能であるかのどちらかである。
【0096】
所望の場合は、この手段は式(XV)または(XVI)の化合物[上記で規定されたとおりであるが、ただしピラゾロ−またはピロロピリミジン部分にN−保護基をさらに有する]に適用できる。そのようなN−保護化合物の製造に適した方法は、2’−Oトリフレートの生成およびハロゲンイオンによる反転された置換を実施する方法並びにN−脱保護に適した条件とともに以下の文献で見つけることができる:Ciszewski et al., Nucleosides Nucleotides 12:487(1993); Kambhampati et al., Nucleosides and Nucleotides 5:539(1986)。
【0097】
方法(K):5’−デオキシ−、5’−デオキシ−5’−ハロゲノ−、5’−エーテル、および5’−チオ−類似体
式(VII)の化合物[この場合、式中Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキルもしくはアリール−カルボニル基で、Z’はヒドロキシ基である]を式(II)の化合物[この場合、式中Z’はハロゲンもしくは水素原子またはSQもしくはOQ(ここでQは場合によって置換されたアルキル、アラルキル、またはアリール基)、1つから5つの炭素原子をもつアルキルチオ基である]に変換するために方法(A)で述べた手順を用いて、下記式(XVII)の化合物を生成する。
【0098】
【化31】
Figure 0004451983
【0099】
[式中、Rはアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基、または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、Z’はヒドロキシ基で、A、BおよびDは上記で式(I)を最初に示した箇所で規定したとおりである]続いて、この式(XVII)の化合物を、例えばトリフルオロ酢酸水による処理によって酸性条件下で完全に脱保護する。
【0100】
式(XVII)のそのような化合物は、式(I)の化合物[XおよびZはともにヒドロキシ基で、Yは水素原子で、A、BおよびDは式(I)について上記で最初に示した箇所で規定した意味を有する]から、以下の2つの反応工程(これらは任意の順序で適用できる)で製造できる。
【0101】
(i)1,4−ジデオキシ−1,4−イミノリビトール部分の選択的N−アルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル化(典型的にはジ−tert−ブチルジカルボネート、ベンジルクロロホルメート、またはメチルクロロホルメートおよび塩基を用いる)、またはN−アシル化(典型的には無水トリフルオロ酢酸および塩基を用いる);および
(ii)2’,3’−O−イソプロピリデン化、この反応は例えば以下のような多様な試薬で実施できる:硫酸添加または無添加状態でのアセトンおよび無水硫酸銅;アセトンおよび硫酸;2,2−ジメトキシプロパンおよび酸触媒;または2−メトキシプロペンおよび酸触媒。
【0102】
式(I)または(XVII)のそのような化合物は、そのピロール環またはピラゾール環に、用いられた反応条件に応じてスルホニル化、チオアシル化、アシル化、またはアラルキル−オキシカルボニル化を受けることができる窒素原子を有することは理解されよう。そのような誘導体が生成された場合は、得られた誘導体のピロールまたはピラゾールN−置換基は、穏やかな酸性触媒もしくはアルカリ性触媒加水分解またはアルコール分解によって取り去ることができるほど十分に不安定であるか、またはイミノリビトール部分におけるその後の反応を妨害しないで最後の脱保護工程で除去可能であるかのどちらかである。
【0103】
方法(L):2−および4−アミノピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび5−および7−アミノピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
下記式(XVIII)の化合物を塩素化試薬で塩素化し、続いてこの塩素原子を以下の(i)−(iv)の方法の1つによって求核性窒素で置換する。
【0104】
【化32】
Figure 0004451983
【0105】
[式中、R1はアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基、または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、R2はアルキルカルボニルまたは場合によって置換されたアリールカルボニル基で、XおよびYは、それぞれ別個に水素もしくはハロゲン原子または式R2Oの基で、ただしXまたはYの1つがハロゲン原子または式R2Oの式から選ばれる場合は他のものは水素原子で、Z’は式R2Oの基であるか、または、Xが式R2Oの基であるときはZ’は水素もしくはハロゲン原子、または式R2Oの基、または式OQもしくはSQの基で(Qは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基)、Aは窒素原子またはメチン基で、BまたはDの1つはヒドロキシ基で、他のものは塩素、臭素または水素原子である]
【0106】
(i)典型的には液体アンモニア、濃アンモニア水、またはアルコール(例えばメタノール)中のアンモニア溶液によるアンモニア分解;または
(ii)先ず最初に4−クロロフェニルホスホロジクロリデートをピリジン中の上記塩化物および1,2,4−トリアゾールの溶液に添加してトリアゾール誘導体に変換し、テトラゾール部分およびエステル保護基の両方を水酸化アンモニウムでアルカリ加水分解に付すか;または
【0107】
(iii)アジドイオン供給源(例えばアルカリ金属アジドまたはテトラアルキルアンモニウムアジド)と反応させ、得られた生成物を典型的には触媒性水素添加分解によって還元するか;または
【0108】
(iv)メタノール中のアルキルアミンまたはあるアルキルアミン(例えばメチルアミンまたはベンジルアミン)と反応させる。
【0109】
これらの条件は、O−エステル基が普遍的に切断できるように十分に塩基性であるが、続いて残存するいずれのO−またはN−保護基も、使用されている保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解、またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって除去されなければならない。
【0110】
適切な塩素化剤は、チオニルクロリド−ジメチルホルムアミド複合体(Ikehara & Uno, Chem. Pharm. Bull. 13:221(1965))、四塩化炭素中のトリフェニルホスフィンおよび1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン(DBU)添加もしくは無添加ジクロロメタン(De Napoli et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1:15(1995)およびその中の引用文献)、ホスホリルクロリド(Imai, Chem. Pharm. Bull., 12:1030(1964))またはフェニルホスホリルクロリドおよび水素化ナトリウムである。
【0111】
そのようなアンモニア分解またはアルキルアミンとの反応に適した条件は、以下の文献で見つけることができる:Ikehara & Uno, Chem. Pharm. Bull. 13:221(1965); Robins & Tripp, Biochemistry 12:2179(1973); Marumoto et al., Chem. Pharm. Bull., 23:759(1975); Hutchinson et al., J. Med. Chem., 33:1919(1990))。
テトラゾール誘導体を介してそのような塩化物をアミンに変換するために適切な条件は文献で見つけることができる(Lin et al., Tetrahedron 51:1055(1995))。
アジドイオンとの反応とそれに続く還元に適した条件は文献で見つけることができる(Marumoto et al., Chem. Pharm. Bull. 23:759(1975))。
【0112】
式(XVIII)のような化合物は、選択的N−アルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル化(典型的にはジ−tert−ブチルジカルボネート、ベンジルクロロホルメートまたはメチルクロロホルメートおよび塩基を用いる)、または1,4−ジデオキシ−1,4−イミノリビトール部分のN−アシル化、およびそれに続くO−アシル化(典型的には無水酢酸またはピリジン中のベンジルクロリドを用いる)によって式(I)の化合物から製造できる。そのような式(I)の化合物は、そのピロール環またはピラゾール環に、用いられた反応条件に応じてアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル化またはアシル化を受けることができる窒素原子を有することは理解されよう。そのような誘導体が生成された場合は、得られた誘導体のピロールまたはピラゾールN−置換基は、穏やかな酸性触媒もしくはアルカリ性触媒加水分解またはアルコール分解によって取り去ることができるほど十分に不安定であるか、またはイミノリビトール部分におけるその後の反応を妨害しないで最後の脱保護工程で除去可能であるかのどちらかである。
【0113】
上記の一連の塩素化、アミノ化−脱保護はまた式(XVII)の化合物[Bはヒドロキシ基で、Dは水素原子で、Z’は水素もしくはハロゲン原子、または式R2Oの基(R2はトリアルキルシリルオキシまたはアルキルジブリルシリルオキシ基)、または場合によって置換されたトリアリールメトキシ、アルキルカルボニルまたはアリールカルボニル基で、RおよびAは、上記で式(XVII)を最初に示した箇所で規定したとおりである]に適用できる。この一連の反応を誘導するための適切な条件は文献で見つけることができる(Ikehara et al., Chem. Pharm. Bull. 12:267(1964))。
【0114】
方法(M):2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
下記(i)および(ii)のどちらかを酸化する:
(i)臭素水による式(XVIII)の化合物[この場合、式中R2は水素原子;XおよびYはそれぞれ別個に水素もしくはハロゲン原子、またはヒドロキシ基から選ばれるが、ただしXまたはYの1つがハロゲン原子またはヒドロキシ基である場合は他のものは水素原子で、Z’はヒドロキシ基であるか、またはXがヒドロキシ基の場合はZ’は水素もしくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはOQ(Qは場合によって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基)であり、Bはヒドロキシ基またはアミノ基で、Dは水素原子で、R1およびAは最初に上記で式(XVIII)を示した箇所で規定したとおりである]の酸化;または
【0115】
(ii)水または、基質の溶解性を改善するために水に混合可能な不活性溶媒を含有する水性溶媒混合物中の臭素または過マンガン酸カリウムとともに式(XVIII)の化合物[この場合、式中Z’は水素もしくはハロゲン原子、または式R2Oの基、またはOQ(Qは場合によってアルキル、アラルキル、またはアリール基)で、Bはヒドロキシ基またはアミノ基で、Dは水素原子で、R1、R2、X、YおよびAは上記で最初に式(XVIII)を示した箇所で規定したとおりである]を用いて、式(XVIII)の関連化合物[ただしBおよびDはここではヒドロキシ基である]を生成し、続いて使用されている保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって一切のO−またはN−保護基を除去する。
【0116】
上記の工程(i)で要求される式(XVIII)の化合物は、選択的N−アルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル化(典型的にはジ−tert−ブチルジカルボネート、ベンジルクロロホルメートまたはメチルクロロホルメートおよび塩基を用いる)、または1,4−ジデオキシ−1,4−イミノリビトール部分のN−アシル化(典型的には無水酢酸および塩基を用いる)によって式(I)の化合物[この場合、式中ZはZ’であり、X、Y、Z、A、BおよびDは式(XVIII)の要求化合物で規定されたものである]から製造できる。これを続いて、O−アシル化(典型的には無水酢酸またはピリジン中のベンゾイルクロリドを用いる)によって、上記の工程(ii)で要求される対応する式(XVIII)の化合物に変換できる。そのような式(I)の化合物は、そのピロール環またはピラゾール環に、用いられた反応条件に応じてアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル化またはアシル化を受けることができる窒素原子を有することは理解されよう。そのような誘導体が生成された場合は、得られた誘導体のピロールまたはピラゾールN−置換基は、穏やかな酸性触媒もしくはアルカリ性触媒加水分解またはアルコール分解によって取り去ることができるほど十分に不安定であるか、またはその後の反応を妨害しないで最後の脱保護工程で除去可能であるかのどちらかである。
【0117】
方法(N):4−アミノ−2−クロロピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび7−アミノ−5−クロロピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
典型的には生リン酸オキシクロリドを用いて、式(XVIII)の化合物[この場合、式中BおよびDはヒドロキシ基で、R1、R2、X、Y、Z’およびAは上記で式(XVIII)を最初に示した箇所で規定したとおりである]を塩素化して、対応する式(XVIII)のジクロロ誘導体[この場合、式中BおよびDは塩素原子である]を生成し、続いてより反応性の高いクロロ置換基をアンモニア分解によって選択的に置換する。アンモニア分解は、典型的には加圧鉛容器中の無水液体アンモニアまたはメタノールアンモニアを用いて実施されるが、これは同時にO−エステル保護基を切断する。続いて、使用されている保護基に応じて、残存するN−保護基を酸触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解で除去し、式(I)の化合物(この場合、Bはアミノ基で、Dは塩素原子である)を生成する。
【0118】
上記の式(XVIII)のジクロロ−誘導体は、使用されている保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解によってO−およびN−保護基を除去して式(I)の化合物[この場合、式中BおよびDは塩素原子]に変換できる。前述の式(XVIII)または式(I)の化合物中の塩素原子の1つは極めて反応性が高く、脱保護のために選択される条件は、この原子を巻き込む望ましくない反応を制限することができるように穏やかなものでなければならない。
この方法の重要な工程のために適した条件は以下の文献で見つけることができる:Upadhya et al., Nucleic Acid Res. 14:1747(1986); Kitagawa et al., J. Med. Chem. 16:1381(1973))。
【0119】
方法(O):ジクロロ−化合物に由来する2−クロロ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび5−クロロ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
方法(N)の最初の反応の中間体として利用可能な式(XVIII)の化合物[この場合BおよびDは塩素原子]を、必要に応じて可溶性を高めるために水に混合可能な不活性溶媒(例えばジオキサン)中で、典型的には水酸化カリウム水溶液または炭酸ナトリウム水溶液を用いて加水分解し、続いて、使用されている保護基に応じて酸触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって残存するN保護基を除去し、式(I)の化合物(この場合Bはヒドロキシ基で、Dは塩素原子である)を生成する。
【0120】
方法(P):アミノクロロ−化合物に由来する2−クロロ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび5−クロロ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
方法(N)塩素化およびアンモニア分解反応後の中間体として利用可能な式(XVIII)の化合物[この場合、式中Bはアミノ基で、Dは塩素原子で、R1はアルキル−もしくはアラルキル−オキシカルボニル基または場合によって置換されたアルキル−もしくはアリール−カルボニル基で、R2は水素原子で、Z’=Zで、X、Y、ZおよびAは上記で式(I)を最初に示した箇所で規定したとおりである]を、ニトロシルクロリドとの反応によって脱アミノ化し、続いて方法(N)で述べたように保護基を除去する。典型的な反応条件は文献で見つけることができる:Sanghvi et al., Nucleosides Nucleotides 10:1417(1991)。
【0121】
方法(Q):4−ハロゲノピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび7−ハロゲノピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
ハロゲノ−ホルミシン類似体を製造するために用いられた方法(Watanabe et al., J. Antibiotic, Ser. A19:93(1966))によって、式(XVIII)の化合物[この場合、式中R1はtert−ブトキシカルボニル基で、Bはヒドロキシ基で、Dは水素原子で、R2、X、Y、Z’およびAは上記で最初に式(XVIII)を示した箇所で規定したとおりである]を反応させる。この方法は下記の(i)−(iv)を用いる連続的処理を伴う。
【0122】
(i)亜リン酸ペンタスルフィドを用いて還流させながらピリミジンおよび水の中で加熱しメルカプト−誘導体を生成する;
(ii)ヨウ化メチルを用いてメチルチオ−誘導体を生成する;
(iii)単純アルコール中の塩基または単純アルコールの水溶液(例えばメタノール中のナトリウムメトキシド)を用いてO−保護基を除去する;
(iv)絶対アルコール中の塩素、臭素またはヨウ素を用いてハロゲノ−誘導体を生成し、続いてこれを酸水溶液(典型的には濃トリフルオロ酢酸溶液)と反応させてN−脱保護を実施する。
【0123】
方法(R):ピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよびピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
方法(L)での最初の反応として用いられた塩素化反応から生じた塩化物中間体、または方法(Q)の塩素化反応工程(iv)から得られた塩化物中間体、または方法(Q)によって生成された式(I)の化合物(典型的には触媒として木炭上パラジウム上の水素を用い、場合によって遊離される酸を中和するために酸化マグネシウムを用いる)を水素添加分解によって切断し、続いて、使用されている保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解によって残存するO−またはN−保護基を切断する。
【0124】
方法(S):N−アルキル化4−アミノピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび7−アミノピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
方法(Q)の工程(iii)で製造されたO−脱保護メチルチオ−誘導体を、密封試験管または鉛容器の絶対メタノール中のアミン(例えばメチルアミン)とともに加熱し、続いて酸水溶液(典型的には濃トリフルオロ酢酸溶液)と反応させてN−保護基を除去する。この方法は、N−アルキル化ホルミシン類似体を製造するために用いられた(Watanabe et al., J. Antibiotic, Ser.A 19:93(1966))。または、式(I)の化合物[この場合、式中BまたはDはアミノ基である]をトルエン中の1,2−ビス〔(ジメチルアミノ)メチレン〕ヒドラジンおよびトリメチルシリルクロリドと反応させ、アミノ基を1,3,4−トリアゾール基に変換し、加水分解してO−シリル基を切断し(例えばアセトニトリル水溶液中の酢酸を用いる)、極性溶媒(例えば水またはピリジン水溶液)中で1,3,4−トリアゾール基をアルキルアミンと置換する。この方法は、N,N−ジメチル−ホルミシンAを製造するために用いられた(Miles et al., J. Am. Chem. Soc., 117:5951(1995))。または式(I)の化合物[この場合、式中BまたはDはアミノ基である]を過剰のアルキルアミンとともに加熱して交換反応に付す。この方法はN−アルキル−ホルミシンA誘導体を製造するために用いられた(Hecht et al., J. Biol. Chem. 250:7343(1975))。
【0125】
方法(T):2−クロロ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび5−クロロ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体 式(XVIII)のジヒドロキシ化合物[この場合、式中BおよびDはヒドロキシ基で、R1、R2、X、Y、Z’およびAは上記で式(XVIII)が最初に示された箇所で規定したとおりである]を選択的に塩素化する。これは、2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン誘導体の4−ヒドロキシ基および5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン誘導体の7−ヒドロキシ基のはるかに強い反応性を利用している。続いて、方法(N)で述べた方法を用いて保護基を除去する。
【0126】
方法(U):2−ハロゲノ−、4−ハロゲノ、および2,4−ジハロゲノ−ピロロ〔3,2−d〕ピリミジン並びに5−ハロゲノ、7−ハロゲノ、および5,7−ジハロゲノ−ピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
式(XVIII)の化合物[この場合、式中BまたはDの1つはアミノ基で、他のものはそれぞれ別個にアミノ基またはハロゲンもしくは水素原子から選ばれ、R1、R2、X、Y、Z’およびAは式(XVIII)が上記で最初に示された箇所で規定されたとおりである]をジアゾ化し、その後、以下の工程の1つを用いて反応させる。
【0127】
(i)ハロゲンイオンの供給源の存在下で亜硝酸(亜硝酸ナトリウムからその場で製造される)と反応させる。フッ素原子によるアミノ基の置換のために、濃フッ化ホウ素酸水溶液(Gerster & Robins, J. Org. Chem. 31:3258(1966); Montgomery & Hewson, J. Org. Chem. 33:432(1968))または低温(例えば−25から−30℃)でフッ化水素およびピリジン(Secrist et al., J. Med. Chem. 29:2069(1986))を、鉱酸およびフッ素イオン供給源として用いることができる;または
【0128】
(ii)亜硝酸アルキル(典型的には亜硝酸tert−ブチルまたはn−ブチル)とハロゲンイオン供給源の存在下で非水性溶媒中で反応させる。塩素原子によるアミノ基の置換のために、塩素および塩化第一銅または三塩化アンチモンの組合わせ物を、溶媒としてクロロホルム中で用いることができる(Niiya et al., J. Med. Chem. 35:4557(1992)とその中の引用文献);または
【0129】
(iii)光ハロゲン化と組み合わせながら、非水性溶媒中の亜硝酸アルキル(典型的に亜硝酸tert−ブチルまたはn−ブチル)と反応させる。アミノ基の塩素による置換のために、臭素もしくはヨウ素原子、四塩化炭素、ブロモホルムまたはジヨードメタンを試薬および溶媒として用い、さらに白熱光源(例えば200W電球)を用いて光ハロゲン化を実施し(Ford et al., J. Med. Chem. 38:1189(1995); Driscoll et al., J. Med. Chem. 39:1619(1996);およびその中に引用された文献)、式(XVIII)の対応する化合物[この場合、式中Bはハロゲン原子、およびDはハロゲン原子またはアミノ基]を生成し、続いて方法(N)で述べたように保護基を除去する。
【0130】
先ず最初にヒドロキシ基をチオール基に変換する場合は、同じ変換を式(XVIII)の対応する開始化合物[この場合、式中BまたはDの1つはアミノ基で、他のものはヒドロキシ基である]に対して実施できる(Gerster & Robins, J. Org. Chem. 31:3258(1966))。この変換は、還流しながらピリミジンおよび水の中で加熱することによって四硫化燐と反応させて実施できる(方法(Q)参照)。
【0131】
方法(V):4−ヨード−ピラゾロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび7−ヨードピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
式(I)の対応するクロロ−類似体(この場合Bは塩素原子)を濃ヒドロヨウ素酸水溶液で処理し、続いて文献の方法を実施する(Gerster et al., J. Org. Chem. 28:945(1963))。
【0132】
方法(W):5’−デオキシ−5’−ハロゲノ−および5’−チオ−類似体 式(XVIII)の化合物[この場合、式中R2は水素原子で、XおよびYはそれぞれ別個に水素もしくはハロゲン原子、またはヒドロキシ基から選ばれるが、ただしXまたはYの1つがハロゲン原子またはヒドロキシ基の場合、他のものは水素原子で、Zはヒドロキシ基で、R1、A、BおよびDは最初に示された式(XVIII)について規定されたとおりである]を下記の(i)−(iii)のいずれかと反応させる。
【0133】
(i)三置換ホスフィンおよび二硫化物(例えばトリブチルホスフィンおよびジフェニルジスルフィド);または
(ii)三置換ホスフィン(例えばトリフェニルホスフィン)および四臭化炭素;または
(iii)チオニルクロリドまたはブロミド。
さらに続いて、使用されている保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によってN−保護基を除去する。
チオ基またはハロゲン原子による5’−ヒドロキシ基のそのような選択的置換を誘導するために適した条件は、以下の文献で見つけることができる:Chern et al., J. Med. Chem. 36:1024(1993); Chu et al., Nucleosides Nucleotides 5:185(1986)。
【0134】
方法(X):5’−ホスホ−ピラゾロ〔3,2−d〕ピリミジンおよび5’−ホスホ−ピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン類似体
式(XVII)の化合物[この場合、式中R、Z’、A、BおよびDは最初にそれらを示した箇所で規定されたとおりである]を下記の(i)または(ii)の何れかと反応させる:
【0135】
(i)ホスフィチル化剤、例えばN,N−ジエチル−1,5−ジヒドロ−2,4,3−ベンゾジオキサホスフェピン−3−アミンと反応させ、続いて、例えば3−クロル過安息香酸を用いて亜リン酸エステルを酸化してリン酸エステルを生成するか;または
(ii)リン酸化剤、例えばホスホリルクロリドまたはジベンジルクロロホスフェートと反応させ、さらに方法(A)で述べたように例えば水素添加分解および酸性条件下での処理によって保護基を除去する。
【0136】
方法(Y):3−アミノピロール−2−カルボン酸および4−アミノ−1H−ピペラゾール−5−カルボン酸類似体
式(V)の化合物(最初に上記で規定したとおり)または方法(F)の工程(vi)で生成された中間体エチル4−アミノ−3−置換−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートを、使用されているO−およびN−保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって完全に脱保護する。
【0137】
方法(Z):3−アミノ−2−シアノピロールおよび4−アミノ−5−シアノ−1H−ピラゾール
式(X)の化合物(最初に上記で規定したとおり)または方法(G)の工程(viii)で生成された中間体4−アミノ−5−シアノピラゾールを、使用されているO−およびN−保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって完全に脱保護する。
【0138】
方法(AA):3−アミノピロール−2−カルボクスアミドおよび4−アミノ−1H−ピラゾール−5−カルボクスアミド類似体
式(X)の化合物(最初に上記で規定したとおり)または方法(G)の工程(viii)によって生成した中間体4−アミノ−5−シアノ−1H−ピラゾールのシアノ基を、簡便にはジメチルスルホキシド中の過酸化水素および炭酸カリウムとの反応によってカルボクスアミド基に変換し、続いて、得られた生成物を使用されているO−およびN−保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって完全に脱保護する。
【0139】
方法(AB):3−(チオ)カルバモイルピロールおよび4−(チオ)カルバモイル−1H−ピラゾール
式(V)もしくは式(X)の化合物(上記で最初に規定したとおり)、または方法(AA)で製造された保護カルボクスアミド−中間体、または方法(F)の工程(vi)によって生成された中間体エチル4−アミノ−3−置換−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートを式RNCOまたはRNCS(ここでRは式(I)の化合物で規定したとおり)のイソシアネートまたはイソチオシアネートと反応させ、続いて、得られた生成物を使用されているO−およびN−保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって完全に脱保護する。
【0140】
方法(AC):3−アミノピロール−2−カルボン酸および4−アミノ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸類似体のエステル
式(Ia)の化合物(この場合EはCO2H)のカルボン酸基をエステルに変換する。これはエステル化について周知の多数の方法によって実施できる。簡便には、エステルは、アルコールの酸性溶液(例えば塩化水素エタノール)中でカルボン酸を反応させることによって生成できる。
【0141】
方法(AD):3−アシルアミノピロールおよび4−アシルアミノ−1H−ピラゾール
式(V)または(X)の化合物(上記で最初に規定したとおり)、または方法(F)の工程(vi)によって生成した中間体エチル4−アミノ−3−置換−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートを、アシル化剤(例えばベンゾイルクロリドのようなアシルクロリド、無水酢酸のような酸無水物)と塩基(例えばトリエチルアミン、炭酸カリウムまたはピリジン)の存在下で反応させ、続いて、得られた生成物を使用されているO−およびN−保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって完全に脱保護する。
【0142】
方法(AE):N−モノ−およびN,N−ジ−置換3−アミノ−ピロール−2−カルボクスアミドおよび4−アミノ−1H−ピラゾール−5−カルボクスアミド類似体
式(Ia)の化合物(ここでEはCO2H)のカルボン酸基をアミドに変換する。簡便には、アミドは、第一または第二アミンによるカルボン酸のカルボジイミド誘発縮合(例えばN,N−ジシルコヘキシカルボジイミドを用いる)によって生成できる。
【0143】
方法(AF):N−モノ−およびN,N−ジ−置換3−アミノ−ピロール−2−カルボクスアミドおよび4−アミノ−1H−ピラゾール−5−カルボクスアミド類似体
式(V)の化合物(上記で最初に規定したとおり)、または方法(F)の工程(vi)によって生成した中間体エチル4−アミノ−3−置換−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートを第一または第二アミンと縮合させ、さらに得られた生成物を使用されているO−およびN−保護基に応じて酸触媒もしくはアルカリ触媒加水分解またはアルコール分解または触媒性水素添加分解によって完全に脱保護する。
方法(H)、(I)、(J)、(K)および(W)に概略した方法は同様に式(Ia)の化合物の合成に適用可能で、1,4−イミノ−ペンチトール部分に変化を有する類似体を生成できることは理解されよう。
【0144】
方法(AG):アシルオキシメチルエステルプロドラッグ
式(I)または式(Ia)の化合物の5−ホスフェートエステルを塩基(簡便には炭酸水素ナトリウム水溶液)の存在下でベンジルクロロホルメートと反応させ、N−ベンジルオキシカルボニル誘導体を生成する。この誘導体を式RCO2CH2X(ここでRはアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはtert−ブチルで、Xはクロリド、ブロミドまたはヨージド)のアシルオキシハライドと塩基の存在下で反応させ、5−ホスフェートビス(アシルオキシメチル)エステルを生成する。アセトキシメチルブロミドおよびジメチルホルムアミド中のジイソプロピルエチルアミンを用いるアセトキシメチルエステルの生成に適した条件は、以下の文献で見つけることができる:Kruppa et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 7:945(1997)。
【0145】
所望する場合、例えば前述のN−ベンジルオキシカルボニル誘導体を反応溶媒に十分に溶解できない場合には、この誘導体は、テトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でアシルオキシメチルハライドとの反応の前に、文献(Kang et al., Nucleosides Nucleotides 17:1089(1998))に記載された方法にしたがって、先ずメタノール中のトリブチルチンメトキシドとの反応によって対応するスタニル中間体、例えばビス(トリブチルスタニル)ホスフェート誘導体に変換してもよい。
【0146】
そのような5−ホスフェート基から、対応するビス(アシルオキシメチル)エステルへの変換は、所望する場合は式(I)または式(Ia)の化合物のO−またはN−保護誘導体を、当該保護基をその後強い酸性または強い塩基性条件を用いることなく除去できる場合にかぎり利用して達成できることは理解されよう。典型的にはこれは、脱保護に水素添加分解条件を使用することを必要とし、したがってO−およびN−ベンジル、−ベンジルオキシメチルまたは−ベンジルオキシカルボニル基が好ましい。
【0147】
他の方法
本発明の化合物は、当業者には明らかなように他の方法によってもまた製造できる
【0148】
他の態様
本発明の化合物は遊離塩基の形としても塩の形としても共に有用である。" 医薬的に許容できる塩”という用語は、無機または有機酸に由来する無毒な塩に用いることを意図し、これには、例えば以下の酸に由来する塩が含まれる:塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、フマール酸、コハク酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸。
【0149】
本発明の化合物は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、ヌクレオシドヒドロラーゼ、および/またはホスホリボシルトランスフェラーゼの強力な阻害剤である。例えば、式(Ib)および式(Ic)の化合物のIC50値は、ウシ脾臓PNPおよびヒト赤血球PNPの両方に対して0.1nM未満である。下記の実施例は、本阻害剤の有効性についてさらに詳細な説明を提供する。プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害活性は、プリン基質としてイノシンを用いる共役キサンチンオキシダーゼによって決定できる(H.M. Kalckar, J., Biol. Chem. 167:429-443(1947))。プリンホスホリボシルトランスフェラーゼ活性は、イノシン5’−ホスフェートを基質として用いる同じアッセイで検出される。緩徐な阻害剤結合開始は、文献(Merkler et al., Biochemistry 29:8358-64(1990))に記載された方法を用いて検出できる。寄生虫のヌクレオシドヒドロラーゼ活性は、とりわけPCT国際特許出願公告第WO97/31008号およびその中に引用された文献に記載された方法によって測定できる。
【0150】
本発明の阻害剤の有効性は、血中および哺乳類組織中のPNPの比較的高い活性のゆえに従来技術を越える重要な利点を提供する。上記で述べたように、9−(3−ピリジルメチル)−9−デアザグアニンの必要な投与量は成人の1回の投与につき3.5グラムのオーダーである。本発明は、極めて少量の化合物が要求されるという利点を提供する。これは、経費節減を可能にし、さらに望ましくない副作用を減少させるであろう。
【0151】
投与されるべき活性成分の量は、患者の性状並びに処置される疾患の性状および程度にしたがって大きく変動するであろう。典型的には、成人の用量は1ミリグラム未満から1000ミリグラム、好ましくは0.1から100ミリグラムの範囲であろう。活性化合物は、通常の医薬担体とともに投与でき、経口的、注射によりまたは局所的に投与されるであろう。
【0152】
好ましい投与ルートは経口投与である。このルートによる投与の場合、化合物は固形または液状調製物、例えば錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液および分散剤として製剤化される。本明細書に記載しなかった他の経口投与形の如き調製物は当技術分野で周知である。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、通常の錠剤用主剤(例えばラクトース、スクロース、およびトウモロコシ澱粉)と結合剤、崩壊剤および潤滑剤とを合わせて錠剤化される。これらの賦形剤は当技術分野で周知である。結合剤は例えばトウモロコシ澱粉またはゼラチンで、崩壊剤はジャガイモ澱粉またはアルギン酸で、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムであろう。他の成分、例えば着色剤および香料も包含させることができる。
【0153】
本発明で使用される液状形は、水またはエタノールのような担体を含み、さらに他の薬剤、例えば医薬的に許容できる界面活性剤または懸濁剤を含んでもよく、また含まなくてもよい。
【0154】
本発明の化合物はまた、生理的に許容できる希釈剤、例えば水または食塩水中で注射によって投与してもよい。希釈剤は、1つまたは2つ以上の他の成分、例えばエタノール、プロピレングリコール、油または医薬的に許容できる界面活性剤を含むことができる。
【0155】
本発明の化合物は皮膚または粘膜に適用できる。それらはクリーム中の成分として含まれるであろう。当該クリームは、皮膚または粘膜の通過を補助するために、好ましくは医薬的に許容できる溶媒を含む。適切なクリーム用主剤は当技術分野で周知である。
【0156】
本発明の化合物は徐放系の手段によって投与できる。例えば、本発明の化合物は徐々に溶解する錠剤または、天然もしくは合成ポリマーに由来する固体または多孔性もしくはマトリックス体を含むカプセルに包含させることができる。
【0157】
[実施例]
以下の実施例は本発明をさらに説明する。溶媒の比率は容量による。
【0158】
実施例1− (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールの調製
実施例1.1
ペンタン(40ml)中の5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(Furneaux et al., Tetrahedron 53(1997)2915およびその中の参考文献)(2.0g)の溶液をN−クロロスクシニミド(1.2g)とともに1時間攪拌した。固体および溶媒を除去し、残渣をドライテトラヒドロフラン(40ml)中に溶解して、−78℃に冷却した。リチウムテトラメチルピペリジン(25ml、テトラヒドロフラン中に0.4M)の溶液を徐々に滴下した。次にその結果生じた溶液をカニューレを介して−78℃のリチウム化アセトニトリルの溶液[−78℃のドライテトラヒドロフラン(50ml)中のブチルリチウム(29.8ml、41.8mmol)の溶液に滴下し、その後45分間攪拌し、次にテトラメチルピペリジン(0.67ml、4mmol)を付加することにより調製]に付加した。反応混合物を15分間攪拌した後、水で制止して、水とクロロホルムの間に分配した。有機相を乾燥し、濃縮させた後、クロマトグラフィーは、(1S)−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(1)(0.83g)を生じた。
【0159】
実施例1.2
ジ−tert−ブチルジカルボネート(0.59g)を含有するジクロロメタン(20ml)中の実施例1.1からの生成物(0.80g)の溶液を、室温で16時間攪拌した。溶液を濃縮した後、クロマトグラフィーは、(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(2)(0.89g)を生じた。
【0160】
実施例1.3
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中の実施例1.2からの生成物(0.88g)の溶液に、tert−ブトキシビス(ジメチルアミン)メタン(1.5ml)を付加し、溶液を65〜70℃で1時間加熱した。トルエン(20ml)を付加し、溶液を水で洗浄(x3)して、脱水し、濃縮乾燥した。残渣を室温でテトラヒドロフラン/酢酸/水(1:1:1 v/v/v、40ml)に溶解した。1.5時間後、クロロホルム(50ml)を付加し、混合物を水(x2)、水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、次に脱水し、蒸発乾燥した。残渣のクロマトグラフィーは、(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−(1−シアノ−2−ヒドロキシエテニル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(3)(0.68g)を生じた。
【0161】
実施例1.4
グリシンヒドロクロリドエチルエステル(0.76g)およびナトリウムアセテート(0.9g)を、メタノール(10ml)中の実施例1.3の生成物(0.51g)の攪拌溶液に付加した。混合物を室温で16時間攪拌し、次に濃縮乾燥した。残渣のクロマトグラフィーは、(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−[1−シアノ−2−(エトキシカルボニルメチルアミノ)エテニル]−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(4)(0.48g)をジアステレオマー混合物として生じた。
【0162】
実施例1.5
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(1.5ml)およびベンジルクロロホルメート(0.74ml)を含有するドライジクロロメタン(12ml)中の実施例1.4からの生成物(0.28g)の溶液を8時間加熱還流した後、冷却し、希釈水性HCl、水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣のクロマトグラフィーは、(1S)−1−C−[3−アミノ−1−N−ベンジルオキシカルボニル−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル]−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(5)(0.22g)を生じた。
【0163】
実施例1.6
エタノール(10ml)中の実施例1.5からの生成物(0.22g)の溶液を、水素雰囲気中で10%Pd/C(50mg)とともに3時間攪拌した。固体および溶媒を除去し、残渣を、ホルムアミドアセテート(0.40g)を含有するエタノール(10ml)中に溶解し、溶液を8時間、加熱還流した。溶媒を除去し、残渣のクロマトグラフィーは、(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1−C−[4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル]−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(6)(156mg)を生じた。
【0164】
実施例1.7
トリフルオロ酢酸(3ml)中の実施例1.6からの生成物(66mg)の溶液を、室温で一夜放置した。溶液を濃縮し、水中の残渣の溶液をクロロホルムで洗浄(x2)した後、蒸発させた。残渣をメタノールに溶解し、溶液がpH〜7になるまでアンバーリストAmberlystA21塩基樹脂で処理した。固体および溶媒を除去し、残渣を水に溶解して、余分量の水性HClで処理した後、凍結乾燥した。エタノールによる残渣の粉砕は、(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール(7)ヒドロクロリド塩を白色固体(25mg)として生じた。90%エタノールから再結晶化し、結晶固体は黒ずんだが、しかし300℃より低い温度では溶融しなかった。NMR(300MHz、DClによるD2O、δ ppm):13C(33.2ppmでの内部アセトンと比較して)58.1(C-1’),61.4(C-5’),68.8(C-4’),73.3(C-3’),76.7(C-2’),107.5(q),121.4(q),133.5(C-2),135.0(q),148.0(C-6)および155.4(q);1H(2.20ppmでの内部アセトンと比較して),3.90(H-4’),3.96(m, H-5’,5”),4.44(dd,H-3’,J2',3',5.4Hz, J3',4',3.2Hz),4.71(dd, J1',2', 9.0Hz,H-2’),5.00(d, H-1’),8.00(s, H-6)および9.04(s, H-2).

【0165】
【化33】
Figure 0004451983
【0166】
実施例2− (1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールの調製
実施例2.1
エタノール中の(1S)−1−C−[3−アミノ−1−N−ベンジルオキシカルボニル−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル]−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(実施例1.5)(0.87g)の溶液を水素雰囲気中で10%Pd/C(100mg)とともに1.5時間攪拌した。固体および溶媒を除去し、残渣(0.61G)を生じた。ジクロロメタン(10ml)中のこの残渣の一部(0.12g)の0℃の溶液に、ジクロロメタン中のベンゾイルイソチオシアネートの溶液(1ml中に31mL)を付加した。0.5時間後、溶液を室温に温めて、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(80mL)およびヨウ化メチル(100mL)を付加した。さらに0.5時間後、反応溶液をシリカゲルカラムに直接適用し、溶離して、0.16gの(1S)−1−C−[3−(N−ベンゾイル−S−メチルイソチオカルバモイル)アミノ−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル]− N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトールを得た。
【0167】
実施例2.2
アンモニアで飽和したメタノール中のこのS−メチルイソチオカルバモイルアミノ誘導体(0.20g)の溶液を封管中で95℃で16時間加熱した。溶媒を除去し、残渣のクロマトグラフィーにより(1S)−1−C−[2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル]− N−tert−ブトキシカルボニル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトールを得た。
【0168】
実施例2.3
トリフルオロ酢酸中のこの保護化イミノリビトール(64mg)の溶液を、室温で16時間放置した。溶媒を除去し、水性メタノール中の残渣の溶液(1:1)を、溶液がpH〜7になるまでアンバーリストAmberlystA21塩基樹脂で処理した。固体および溶媒を除去し、水中の残渣の溶液を余分量のHClで処理した後、濃縮乾燥した。エタノールによる粉砕は、(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩(24mg)を生じ、これは約260℃で黒ずんだが、しかし300℃より低い温度では溶融しなかった。NMR(300MHz、DClによるD2O、δ ppm):13C(33.1ppmでの内部アセトンと比較して)58.0(C-1’),61.4(C-5’),68.6(C-4’),73.3(C-3’),76.3(C-2’),105.2(q),114.8(q),132.1(C-6),135.3(q),153.4(q)および156.4(q);1H(2.20ppmでの内部アセトンと比較して),3.87(m, H-4’),3.94(m, H-5’,5”),4.40(dd,J2',3', 5.0Hz, J3',4',3.2Hz, H-3),4.65(dd, J1',2', 9.1Hz,H-2’),4.86(d, H-1’)および7.71(s, H-6).

【0169】
実施例3〜24
一般的説明に開示された方法により、以下の化合物が調製され得る:
3.(1R)−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトールが、方法(H)を用いて実施例1の生成物から調製され得る。
4.(1S)−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例1の生成物から調製され得る。
5.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例1の生成物から調製され得る。
【0170】
6.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールが、方法(M)を用いて実施例1または2の生成物から調製され得る。
7.(1R)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトールが、方法(H)を用いて実施例6の生成物から調製され得る。
8.(1S)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例6の生成物から調製され得る。
9.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例6の生成物から調製され得る。
10.(1R)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトールが、方法(H)を用いて実施例2の生成物から調製され得る。
【0171】
11.(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例2の生成物から調製され得る。
12.(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例2の生成物から調製され得る。
13.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールが、方法(D)、(E)および(F)により調製され得る。
14.(1R)−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトールが、方法(H)を用いて実施例13の生成物から調製され得る。
15.(1S)−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例13の生成物から調製され得る。
【0172】
16.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例13の生成物から調製され得る。
17.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールが、方法(M)を用いて実施例13の生成物から調製され得る。
18.(1R)−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトールが、方法(H)を用いて実施例17の生成物から調製され得る。
19.(1S)−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例17の生成物から調製され得る。
20.(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例17の生成物から調製され得る。
【0173】
21.(1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールが、方法(D)の変法を用いて調製され得るが、この場合、式XIbまたはXIcの化合物は、5位の水素原子が保護化アミノ基に置き換えられている対応化合物により置換される。
22.(1R)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトールが、方法(H)を用いて実施例21の生成物から調製され得る。
23.(1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例21の生成物から調製され得る。
24.(1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−3−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトールが、方法(K)を用いて実施例21の生成物から調製され得る。
【0174】
実施例25− 酵素阻害結果
実施例25.1
プリンヌクレオシドホスホリラーゼの阻害。プリンヌクレオシドホスホリラーゼの阻害剤としての実施例1および2の生成物(それぞれ化合物IbおよびIc)の有効性を査定するために、酵素アッセイを実施した。アッセイは、ヒトRBCおよび仔ウシ脾臓プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(例えばSigma, 純度90%)を基質としてのイノシンとともリン酸緩衝液の存在下で使用し、キサンチンオキシダーゼ連結(coupled)反応を用いて、放出されたヒポキサンチンを検出した。
【0175】
材料。イノシンはSigmaから入手した。キサンチンオキシダーゼ(EC 1.1.3.22、バターミルク)、ヒト赤血球(凍結乾燥粉末として)およびウシ脾臓(3.2Mアンモニウムスルフェート中)プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC 2.4.2.1)は、Sigmaから購入した。粉末として得られたヒトプリンヌクレオシドホスホリラーゼを、100mMナトリウムホスフェート緩衝液(pH7.4)中で再構築し、急速凍結して、−80℃で保存した。Uvikon 933二重紫外線/可視光線分光光度計(Kontron Instruments, San Diego, CA)上で、運動実験を実施した。
【0176】
タンパク質濃度。280nmでE1cm1%=9.64[Stoelkler et al., Biochemistry, 32(1978)278]および32,000のモノマー分子量[Williams et al., Nucleic Acids Res. 12(1984)5779]を用いて、定量的紫外線吸光度に基づき、両アイソザイムについてタンパク質濃度を決定した。
【0177】
酵素アッセイ。連結キサンチンオキシダーゼ法(Kalckar, J. Biol. Chem. 167(1947)429; Kim et al., J. Biol. Chem., 243(1968)1763)を用いて分光測光的に酵素をアッセイした。293nmで尿酸の生成をモニタリングした。40mMイノシン溶液は、尿酸およびリボース1−ホスフェートへのイノシンの完全転化時に、293mで0.523単位の吸光度変化を生じた。別記しない限り、標準アッセイ反応は、最終容量1.0mL中にイノシン(500μM)、カリウムホスフェート(50mM、pH7.5)、キサンチンオキシダーゼ(0.06単位)およびプリンヌクレオシドホスホリラーゼを含有した。
【0178】
三分の一部位阻害。種々の量の化合物Ibを含有する6.7nMウシプリンヌクレオシドホスホリラーゼの反応混合物を、30℃で1時間、前インキュベートした。基質(40μMイノシン、Km値の3倍)の付加により反応を開始し、30℃でアッセイした。0.6nM阻害剤([化合物Ib]/[プリンヌクレオシドホスホリラーゼ]の濃度比=0.09)を含有する反応は、29%阻害を示し、1nM阻害剤([化合物Ib]/[プリンヌクレオシドホスホリラーゼ]=0.15)を含有するものは44%阻害を示したが、一方3nM阻害剤([化合物Ib]/[プリンヌクレオシドホスホリラーゼ]=0.44)を含有する反応は96%の速度低減を有し、6nM阻害剤([化合物Ib]/[プリンヌクレオシドホスホリラーゼ]=87%)を含有するものは99%阻害を示した。これらの相互作用を図1に示す。
【0179】
プリンヌクレオシドホスホリラーゼは、3つのタンパク質サブユニットの各々に触媒部位を有するホモトリマーであることが知られている[Stoelkler et al., Biochemistry 32, (1978)278]。酵素サブユニットの濃度が6.7nMである場合、プリンヌクレオシドホスホリラーゼの50%阻害は約1.1nMで起こる。この結果は、化合物Ibがしっかり結合し、トリマー酵素の一部位との化合物Ibの結合が完全阻害をもたらす、ということを立証する。
【0180】
プリンヌクレオシドホスホリラーゼと化合物Ibとの複合体からの活性回復。プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(6.7μM)およびプリンヌクレオシドホスホリラーゼ活性の96%を阻害するのに十分な化合物Ib(3μM)を30℃で1時間インキュベートした。少量のこの溶液を、キサンチンオキシダーゼ(0.06単位)を含有する500μMイノシンの緩衝化溶液中で1000倍に希釈した。時間中の尿酸の生成をモニタリングし、進行曲線は図2の運動モデルに適合した。
【0181】
阻害剤を含有しない大量の溶液中での阻害化プリンヌクレオシドホスホリラーゼの希釈は、阻害されたプリンヌクレオシドホスホリラーゼからの化合物Ibの放出速度を提供した。図2に示した実験条件下では、新しい酵素−阻害剤平衡の達成速度は5000秒であり、緩慢緊密結合阻害剤を示している[Morrison and Walsh, Advances Enzymol. 61(1988)201]。速度定数k6は、これらの実験条件下での複合体の解離に関する見掛けの一次速度定数の概算値で、この例では2.9x10-4-1である。
【0182】
阻害メカニズム。緩慢緊密結合阻害剤は一般に、動態論メカニズムに従う[Morrison and Walsh, Advances Enzymol. 61(1988)201]:
【0183】
【化34】
Figure 0004451983
【0184】
式中、EIは迅速に生成され、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(E)と化合物Ib(I)の初期衝突複合体は、徐々により緊密な複合体EI*に異性化する。
【0185】
生成物形成曲線は、以下の積分速度等式1で記載される:
P=vst+(v0−vs)(1−e-kt)/k ・・・(1)
式中、Pは生成物ヒポキサンチン(本アッセイ系では尿酸として観察される)の量であり、tは時間であり、v0は初期速度であり、vsは最終定常速度であり、そしてkは等式2で示される全体的(観察される)速度定数である:
k=k6+k5[(I/Ki)/(1+(S/Km)+(I/Ki))]・・・(2)
式中、Kmはプリンヌクレオシドホスホリラーゼに関するミカエリス複合体であり、Sはイノシン濃度であり、Iは化合物Ibの濃度であり、そしてKiは下記と同様である。緊密結合複合体の生成速度は、k5であり、その解離速度はk6である。標準競合阻害に関する阻害定数(v0に影響を及ぼす)であるKiおよび全体的阻害定数(vsに影響を及ぼす)であるKi *は以下のように定義される:
i=k4/k3
i *=Ki[k6/(k5+k6)]
【0186】
i *の決定。一連の阻害剤濃度での反応に関するvsを測定し、vs対[I]をプロットし、そして曲線を競合阻害等式3に適合させることにより、Ki *を決定した:
【0187】
s=VmaxS/[Km(1+I/Ki *)+S]・・・(3)
式中、Vmaxはプリンヌクレオシドホスホリラーゼに関する非阻害化反応速度であり、そして残りの項は前記と同様である。この分析の結果は、化合物Ibに関する2.5±0.2x10-11M(25±2pM)という全体的有効阻害定数(Ki *)を示す(図3)。
【0188】
i、k5およびk6の近似値。緩慢な開始後に完全な阻害を引き起こす阻害剤濃度において、v0はIの一関数としてほとんど変化しないため、v0および競合阻害等式(前記)から直接Kを算出するのは、化合物Ibに関して難しい。この結果は、初期解離定数Kiが平衡解離定数Ki *よりはるかに大きいことを立証する。
【0189】
等式2を用いて、k(等式1の曲線適合値から得られる値、図4)から、k5およびKiの近似値を算出した。k6<<k5[(I/Ki)/(1+(A/Km)+(I/Ki)]という知識を用いて、1/k対1/[I]の二重逆数プロットがy切片=1/k5と(1/k5)/[(Ki/k5)+(A/Km)]のx切片とを有する直線を生じるように、等式2は並べ換えられる。これらの値の等式2への置換がk6に関する近似値を生じる。図4は、500μMイノシンの存在下で、低濃度の酵素(0.8nM)が200nMの化合物Ibと競合する場合に起こる緩慢開始緊密結合阻害を実証する。これらの条件下では、図4において阻害開始に関する見掛けの一次速度定数は26×10-4-1であった。
【0190】
図4の結果は、ヒト血清または組織中に認められる100倍を上回るイノシン濃度でも、化合物Ibは、緩慢開始阻害の数分後に酵素の99%阻害を生じ得る、ということを立証する。図1〜4に示したタイプの実験の分析に基づいて、化合物Ibとのウシプリンヌクレオシドホスホリラーゼに関する実験的な概算解離定数および速度を以下に示す:
m=15μM
i=19±4nM
i *=25±2pM
5=1.4±0.2×10-2-1
6=1.8±0.5×10-5-1
【0191】
ヒトプリンヌクレオシドホスホリラーゼの阻害。ウシプリンヌクレオシドホスホリラーゼの相互作用に関して前記したのと同様の試験を、ヒト赤血球からのプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)を用いて実施した。ヒトおよびウシPNPと化合物Ibとの相互作用に関する全体的阻害定数Ki *の値を以下に示す:
【0192】
Figure 0004451983
【0193】
化合物Icは化合物Ibよりも有効なヒト酵素に対する阻害剤であるが、しかし化合物Ibはウシ酵素の阻害ではわずかにより有効である。化合物IbおよびIcは、従来報告されている化合物よりも両PNP酵素の阻害において有効である。
【0194】
プリンヌクレオシドホスホリラーゼの阻害剤としての化合物IbおよびIcの要約。阻害剤は、通常は、生体における機能的阻害を引き起こすようすべての触媒部位に結合することにより機能する。前記の三分の一部位阻害および緩慢開始緊密結合阻害は、化合物IbおよびIcが、大量の余分な基質の存在下で機能することができるプリンヌクレオシドホスホリラーゼの非常に強力な阻害剤であることを示す。
動態論定数の決定方法は、Merkler, D.J., Brenowitz, M., and Schramm, V.L. Biochemistry 29(1990)8358-8364に詳細に示されている。
【0195】
実施例25.2
PNP阻害剤としての化合物Ibの経口利用可能性およびin vivo効率。10-7molの化合物Ib(27μg)の1回経口用量を、食物とともに若い成熟雄マウスに投与した。図5に示した時点で尾から血液試料を採取した。0.2%トリトンX−100(最終濃度0.15%)を含有する食塩水中への血液の希釈は、血球溶解および酵素放出を生じた。前記のように基質としてイノシンおよびホスフェートを用いて、PNP活性を測定した。結果は、化合物Ibが血液中に吸収され、血球に取り込まれて、14分の半減期(t1/2)を有するPNP阻害を引き起こす、ということを立証した。血液試料を長期間にわたり採取し、PNP活性に関して分析して、血中PNPの阻害剤に関し化合物Ibについて生物学的t1/2を決定した。血中PNPの活性は、100時間のt1/2で回復した。これらの結果は、化合物Ibが経口的に利用可能であり、長期間の生物学的有効性を有することを立証する。これらの試験は、本明細書中に記載した化合物が有望な薬理学的寿命を有することを立証する。
【0196】
化合物IbおよびIcによる原生動物ヌクレオシドヒドロラーゼの阻害。原生動物寄生虫は、イノシンのようなプリンヌクレオシドの加水分解を用いてヒポキサンチンのようなプリン塩基を提供して、RNAおよびDNA合成に不可欠な前駆体を提供する。原生動物寄生虫はプリン栄養要求体である。前記と同様の阻害方法を用いて、クリチジア属のCrithidia fasciculataからのヌクレオシドヒドロラーゼ[Parkin, et al., J. Biol. Chem. 266(1991)20658]およびトリパノソーマ属のTrypanosoma brucei bruceiからのヌクレオシドヒドロラーゼ[Parkin, J. Biol. Chem. (1996)21713]を、化合物IbおよびIcによる阻害に関して試験した。化合物IbによるC. fasciculataからのヌクレオシドヒドロラーゼの阻害は、図6に例示されている。同様の試験は、化合物IbおよびIcが、C. fasciculataからの、ならびにT. brucei bruceiからのヌクレオシドヒドロラーゼに対するナノモル阻害剤であることを示した。化合物Ic(A=CH、B=NH2、D=H、X=OH、Y=H、Z=OH)は両酵素のナノモル阻害剤であり、化合物Va(OR=NH2、z’=OH、CO2Bu=HまたはH2、そしてイソプロピリジン基は除去されて2個のヒドロキシル基を生成する)も両酵素のナノモル阻害剤である。結果を以下に要約する:
【0197】
【表1】
Figure 0004451983
【0198】
阻害剤は基質との直接競合で結合し、したがってKi阻害定数は直接競合阻害値である。化合物は、容易に許容可能な薬理学的用量で原生動物寄生虫を阻害するのに十分な阻害をプリンヌクレオシドヒドロラーゼに提供する。
【0199】
使用される方法および材料は、基質としてp−ニトロフェニルリボシドを用いる公開済みPCT国際出願WO97/31008に記載されている。
【0200】
実施例25.3
化合物IbおよびIcの5’−ホスフェートによるプリンホスホリボシルトランスフェラーゼ(PPRT)の阻害。原生動物寄生虫、ヒト組織および腫瘍は、プリン塩基の再生のためにPPRTを用いる。PPRT活性の妨害は、これらの系においてプリン代謝を崩壊すると期待される。ヒトおよびマラリア起源のPPRTの阻害に関して、5’−ホスホリル化化合物IおよびIcを分析した。マラリアPPRTを用いた化合物Ibの5’−ホスフェートに関する緩慢開始阻害曲線を図7に示す。マラリアPPRTを用いた化合物Ibの5’−ホスフェートに関するKi *決定を図8に示す。化合物IbおよびIcの5’−ホスフェートを用いたヒトおよびマラリアの両酵素の分析を以下に要約する。
【0201】
【表2】
Figure 0004451983
【0202】
十分な阻害試験は、阻害剤がIMPと競合的であることを示した。両酵素に関する両阻害剤のナノモル阻害定数は、これらの阻害剤の容易に許容可能な薬理学的用量である。ヒトおよび/または寄生生物のヌクレオシドキナーゼ活性は、本明細書中に記載した1つ又はそれ以上の化合物をそれぞれの5’−ホスフェートに転化し得る、と考えられる。それにより、これらの化合物は、PPRT活性の細胞内妨害のための薬理学的用量の5’−ホスフェートの前駆体を提供する。化合物IおよびIcの細胞取込みは、マウスで、そしてヒト赤血球で実証されている。
【0203】
実施例26−錠剤
実施例1の生成物4gを、ラクトース96gおよびデンプン96gと混合する。スクリーニングし、マグネシウムステアレート2gと混合した後、混合物を圧縮して、250mg錠剤を得る。
【0204】
実施例27−ゼラチンカプセル
実施例1の生成物10gを微粉砕し、タルク5gおよび微粉砕ラクトース85gと混合する。粉末を硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0205】
実施例28− (1R)−1,2,4−トリデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−エリスロ−ペンチトールの調製
【0206】
実施例28.1
トリフルオロ酢酸(20ml)中の(1S)−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(1.93g)の溶液を、室温で一夜放置した。溶液を濃縮し、水中の残渣の溶液をクロロホルムで洗浄(x2)した後、蒸発させて、(1S)−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール(1.0g)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。
【0207】
実施例28.2
ジ−tert−ブチルジカルボネート(2.09g)を含有するメタノール(20ml)中の実施例3.1からの粗製生成物(1.0g)の溶液を、トリエチルアミンの付加により中性pHに調整し、室温で16時間攪拌した。溶液を濃縮後、クロマトグラフィーにより(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール(0.80g)を得た。
【0208】
実施例28.3
1、3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン(0.9ml)を、0℃でN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中の実施例3.2からの生成物(0.8g)およびイミダゾール(0.70g)の溶液に滴下した。その結果生じた溶液を室温に温めて、トルエンで希釈し、水(x3)で洗浄して、乾燥し、濃縮した後、クロマトグラフィーにより(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(1.4g)を得た。
【0209】
実施例28.4
チオカルボニルジイミダゾール(0.9g)を含有するトルエン(20ml)中の実施例3.3からの生成物(1.5g)の溶液を、90℃で2時間攪拌した。溶液を濃縮後、クロマトグラフィーにより(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−2−O−[イミダゾール(チオカルボニル)]−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(1.8g)を得た。
【0210】
実施例28.5
トルエン(50ml)中の実施例28.4からの生成物(1.8g)の溶液に、トリ−n−ブチルチンヒドリド(1.0ml)を付加し、溶液を80℃で3時間加熱した。溶液を濃縮後、クロマトグラフィーにより(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−シアノメチル−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(0.74g)を得た。
【0211】
実施例28.6
N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中の実施例3.5からの生成物(0.74g)の溶液に、tert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン(1.5ml)を付加し、溶液を65〜70℃で1時間加熱した。トルエン(20ml)を付加し、溶液を水で洗浄(x3)し、脱水して、濃縮乾燥した。残渣を室温でテトラヒドロフラン/酢酸/水(1:1:1v/v/v、40ml)中に溶解した。1.5時間後、クロロホルム(50ml)を付加し、混合物を水(x2)、水性炭酸水素ナトリウムで洗浄した後、脱水し、蒸発乾燥した。残渣のクロマトグラフィーは、(1R)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−(1−シアノ−2−ヒドロキシエテニル)−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(0.68g)を生じた。
【0212】
実施例28.7
グリシンヒドロクロリドエチルエステル(0.90g)およびナトリウムアセテート(1.0g)を、メタノール(10ml)中の実施例3.6の生成物(0.68g)の攪拌溶液に付加した。混合物を室温で16時間攪拌し、次に濃縮乾燥した。残渣のクロマトグラフィーは、(1R)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−[1−シアノ−2−(エトキシカルボニルメチルアミノ)エテニル]−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(0.80g)をジアステレオマー混合物として生じた。
【0213】
実施例28.8
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(3.6ml)およびベンジルクロロホルメート(1.7ml)を含有するドライジクロロメタン(20ml)中の実施例3.7からの生成物(0.80g)の溶液を一夜加熱還流した後、冷却し、希釈水性HClを用いて次に水性炭酸水素ナトリウムを用いて洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣のクロマトグラフィーにより、(1R)−1−C−[3−アミノ−1−N−ベンジルオキシカルボニル−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル]−N−tert−ブトキシカルボニル−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(0.70g)を得た。
【0214】
実施例28.9
エタノール(10ml)中の実施例28.8からの生成物(0.28g)の溶液を、還流下でホルムアミジンアセテート(0.50g)とともに8時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣のクロマトグラフィー処理により、(1R)−N−tert−ブトキシカルボニル−1,2,4−トリデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(120mg)を得た。
【0215】
実施例28.10
トリフルオロ酢酸(2ml)中の実施例28.9からの生成物(120mg)の溶液を、室温で一夜放置した。溶液を濃縮し、水中の残渣の溶液をクロロホルムで洗浄(x2)した後、蒸発させた。残渣をテトラヒドロフランに溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリドトリヒドレート(200mg)で処理して、1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、クロマトグラフィー処理により残渣を生じ、それをメタノール性HCl中に再溶解した。その結果生じた沈殿を濾過して、(1R)−1,2,4−トリデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−エリスロ−ペンチトールヒドロクロリド塩を白色固体(17mg)として得た。これは黒ずんでいたが、しかし300℃より低い温度では溶融しなかった。NMR(300MHz、D2O、δppm):13C38.8(C-2’),53.4(C-1’),59.3(C-5’),69.1(C-4’),71.5(C-3’),107.6(q),118.6(q),130.4(C-2),135.9(q),144.6(C-6)および153.7(q);1H2.69(dd, J 14.3Hz, J 6.4Hz, H-2’),2.60(ddd, J 14.3Hz, J 12.2Hx, J 5.7Hz, H-2”),3.87(m, 3H, H-4’, H-5’),4.57(m, 1H, H-3’),5.26(dd,1H,J12.1 Hz, J6.4Hz, H-1’),7.80(s, H-6)および8.65(s, H-2).HRMS(MH+)C111443に関する理論値:251.1144;実測値:251.1143.

【0216】
実施例29− (1R)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−D−エリスロ−ペンチトールの調製
実施例29.1
エタノール(10ml)中の(1R)−1−C−[3−アミノ−1−N−ベンジルオキシカルボニル−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル]−N−tert−ブトキシカルボニル−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトール(実施例28.8)(0.78g)の溶液を水素雰囲気中で10%Pd/C(100mg)とともに1.5時間攪拌した。固体および溶媒を除去し、残渣(0.62g)を生じた。ジクロロメタン(10ml)中のこの残渣の0℃の溶液に、ジクロロメタン中のベンゾイルイソチオシアネートの溶液(10ml中に0.30ml)を付加した。0.5時間後、溶液を室温に温めて、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.32ml)およびヨウ化メチル(0.70ml)を付加した。さらに0.5時間後、反応溶液をシリカゲルカラムに直接適用し、溶離して、0.67gの(1R)−1−C−[3−(1−ベンズアミド−1−メチルチオメチレンアミノ)−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル]− N−tert−ブトキシカルボニル−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトールを得た。
【0217】
実施例29.2
アンモニア(20ml)で飽和したメタノール中の実施例29.1からの生成物(0.67g)の溶液を封管中で105℃で16時間加熱した。溶媒を除去し、残渣のクロマトグラフィーにより(1R)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−tert−ブトキシカルボニル−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−D−エリスロ−ペンチトールを得た。
【0218】
実施例29.3
トリフルオロ酢酸(5ml)中の実施例29.2からの生成物(300mg)の溶液を、室温で16時間放置した。溶媒を除去し、残渣をテトラヒドロフランに溶解して、テトラブチルアンモニウムフルオリドトリヒドレート(200mg)で処理して、1時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をメタノール(5.0ml)中に溶解して、アセチルクロリド(0.75ml)を滴下し、反応物を室温で16時間放置した。反応物をエーテル(25ml)で希釈し、その結果生じた結晶を濾過して、(1R)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,2,4−トリデオキシ−1,4−イミノ−D−エリスロ−ペンチトールヒドロクロリド塩(89mg)を得たが、これは300℃より低い温度では溶融しなかった。NMR(300MHz、D2O、dppm):13C38.8(C-2’),53.4(C-1’),59.3(C-5’),69.1(C-4’),71.5(C-3’),107.6(q),118.6(q),130.4(C-2),135.9(q),144.6(C-6)および153.7(q);1H2.69(dd,1H, J 14.3Hz, J 6.3Hz, H-2’),2.63(ddd, 1H, J 14.1 Hz, J 12.3 Hz, J 5.7Hz, H-2”),3.88(m, 3H, H-4’, H-5’),4.55(m, 1H, H-3’),5.14(dd,1H,J 12.2 Hz, J6.3Hz, H-1’)および7.63(s, H-6).

【0219】
実施例30− (1S)−1,4,5−トリデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩の調製
実施例30.1
ジクロロメタン(10ml)中の実施例1.5からの生成物(0.45g)の溶液を、トリエチルアミン(0.45ml)、4−ジメチルアミノピリジン(20mg)そして次にメタンスルホニルクロリド(0.1ml)で処理した。溶液を1時間攪拌後、2M水性HCl、水性炭酸水素で洗浄し、慣用的に処理した。粗製生成物を、テトラブチルアンモニウムブロミド(1.55g)を含有するトルエン(10ml)に溶解し、溶液を100℃で2時間加熱した。冷却溶液を水で洗浄し、クロマトグラフィー処理後に、(1S)−1−C−(3−アミノ−1−N−ベンジルオキシカルボニル−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル)−N−tert−ブトキシカルボニル−5−ブロモ−1,4,5−トリデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.27g)を得た。
【0220】
実施例30.2
トリエチルアミン(0.19ml)を含有するエタノール(10ml)中の実施例30.1からの生成物(0.27g)の溶液を20%Pd(OH)2/C(0.1g)とともに水素雰囲気中で16時間攪拌した。固体および溶媒を除去し、クロマトグラフィーにより(1S)−1−C−(3−アミノ−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル)−N−tert−ブトキシカルボニル−1,4,5−トリデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.15g)を得た。
【0221】
実施例30.3
ホルムアミジンアセテート(0.15g)を含有するエタノール中の実施例30.2からの生成物(75mg)の溶液を還流下で4時間加熱した。溶媒を除去し、クロマトグラフィーにより(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−1,4,5−トリデオキシ−1−C−[4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル]−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(69mg)を得た。
【0222】
実施例30.4
実施例30.3からの生成物(69mg)をトリフルオロ酢酸(5ml)中に溶解し、溶液を室温で16時間放置した。溶媒を除去し、50%水性メタノール(10ml)中の残渣の溶液を、pHが〜7になるまでアンバーリストAmberlystA21塩基樹脂で処理した。固体および溶媒を除去し、残渣を余分量の水性HClで処理した後、凍結乾燥して、(1S)−1,4,5−トリデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩(46mg)を得た。13C NMR(75MHz、DClによるD2O、d ppm):155.6(C),147.1(CH),137.4(C),132.6(CH),121.0(C),108.2(C),76.5(C-3),75.6(C-2),63.2(C-4),58.2(C-1),18.1(C-5).

【0223】
実施例31− (1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4,5−トリデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩の調製
実施例31.1
ベンゾイルイソチオシアネートの溶液(5mlのジクロロメタン中の0.4mlの0.33ml)をジクロロメタン(5ml)中の実施例5.2からの生成物(75mg)に0℃で付加した。1時間後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.06ml)およびヨウ化メチル(0.1ml)を付加し、溶液を室温で1時間攪拌した。次に、クロマトグラフィーにより、(1S)−1−C−[3−(1−ベンズアミド−1−メチルチオメチレンアミノ)−2−エトキシカルボニル−4−ピロリル]− N−tert−ブトキシカルボニル−1,4,5−トリデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.10g)を得た。アンモニアで飽和したメタノール(5ml)中のこの物質の溶液を、封管中で95℃で16時間加熱した後、蒸発させた。クロマトグラフィー処理により、(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−tert−ブトキシカルボニル−1,4,5−トリデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(28mg)を得た。
【0224】
実施例31.2
実施例31.1からの生成物(28mg)を前記の実施例30.4と同様に処理して、(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4,5−トリデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩(16mg)を得た。13C NMR(75MHz、DClによるD2O、d ppm):156.5(C),153.5(C),135.8(C),131.7(CH),114.9(C),105.6(C),76.7(C-3),75.7(C-2),63.4(C-4),58.1(C-1),18.4(C-5).

【0225】
実施例32− (1S)−1−C−(4−アミノピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩の調製
実施例32.1
アミノアセトニトリル(0.12g)およびナトリウムアセテート(0.20g)を含有するメタノール(5ml)中の実施例1.3からの生成物(0.15g)の溶液を還流下で4時間加熱した後、濃縮した。クロマトグラフィーにより、(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−(1−シアノ−2−シアノメチルアミノ−エテニル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.12g)をジアステレオマー混合物として得た。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.7ml)およびベンジルクロロホルメート(0.33ml)を含有するジクロロメタン(10ml)中のこの物質の溶液を、還流下で1時間加熱した。慣用的処理およびクロマトグラフィーにより、(1S)−1−C−(3−アミノ−1−N−ベンジルオキシカルボニル−2−シアノ−4−ピロリル)−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.125g)を得た。
【0226】
実施例32.2
エタノール(10ml)中の実施例32.1からの生成物(0.125g)の溶液を、水素雰囲気中で10%Pd/C(20mg)とともに0.5時間攪拌した。固体を除去し、ホルムアミジンアセテート(0.21g)を濾液に付加し、溶液を16時間、加熱還流した後、濃縮した。残渣のクロマトグラフィーは、(1S)−1−C−(4−アミノピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル]−N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(80mg)を生じた。
【0227】
実施例32.3
実施例32.2からの生成物(80mg)を前記の実施例30.4と同様に処理して、(1S)−1−C−(4−アミノピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩(35mg)を得た。13C NMR(75MHz、DClによるD2O、d ppm):152.1(C),146.2(CH),140.7(C),135.3(CH),115.4(C),107.7(C),76.0(C-2),73.1(C-3),68.4(C-4),61.3(C-5),58.3(C-1).

【0228】
実施例33− (1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール5−ホスフェートビス−アンモニウム塩の調製
テトラゾール(0.105g)を含有するドライアセトニトリル(6ml)中の実施例2.2からの生成物(0.13g)を、t.l.c.が完全反応を示すまでN,N−ジメチル−1,5−ジヒドロ−2,4,3−ベンゾジオキサホスフェピン−3−アミンを徐々に滴下しながら、室温で攪拌した後、メタクロロペル安息香酸(60mg)を付加し、その後、t.l.c.が初期生成物が完全に反応したことを示すまで、さらに少量の酸化体を付加した。クロロホルムを付加し、溶液を水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥して、濃縮した。クロマトグラフィーによりホスフェートエステル(190mg)を得て、これを水素雰囲気中で10%Pd/C(80mg)とともに1時間攪拌した。固体および溶媒を除去し、残渣をトリフルオロ酢酸(5ml)中に溶解し、室温で16時間放置した。溶液を蒸発させて濃縮し、水中の残渣をアンバーリストA15酸性樹脂のカラムに適用した。カラムを水で、次に2M水性アンモニアで洗浄して、生成物を溶離した。濃縮し、残渣を水で粉砕して、化合物Ibの5’−ホフフェートと呼ばれる(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール5−ホスフェートビス−アンモニウム塩(50mg)を得た。13C NMR(75MHz、TFA−D、d ppm): 146.9(C),144.0(C),127.0(C),124.5(CH),105.1(C),95.6(C),66.3(CH),64.0(CH),59.2(CH),56.2(CH2),50.2(CH).
【0229】
実施例34− (1S)−1,4,5−トリデオキシ−5−フルオロ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩の調製
実施例34.1
テトラヒドロフラン(10ml)中の実施例1.2からの生成物(1.48g)の溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(6ml、THF中1M)を付加した。2時間後、溶液を蒸発させ、残渣のクロマトグラフィーにより(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−シアノメチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(1.15g)を得た。トリエチルアミン(1.0ml)を含有するジクロロメタン(20ml)中のこの物質0.84gの溶液を、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.36ml)を付加しながら、攪拌した。2時間後、メタノール(1ml)を付加し、溶液を蒸発させた。クロマトグラフィーにより、(1S)−N−tert−ブトキシカルボニル−1−C−シアノメチル−1,4,5−トリデオキシ−5−フルオロ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.36g)を得た。
【0230】
実施例34.2
実施例34.1からの生成物(0.36g)を、実施例1.3、そして次に前記の1.4および1.5に記載したのと同様の方法で処理し、(1S)− 1−C−(3−アミノ−1−N−ベンジルオキシカルボニル−1,4,5−トリデオキシ−5−フルオロ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.23g)を得た。
【0231】
実施例34.3
実施例34.2からの生成物(0.12g)を前記の実施例1.6およびその後の1.7と同様に処理して、凍結乾燥後に、(1S)−1,4,5−トリデオキシ−5−フルオロ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド塩(43mg)を得た。13C NMR(75MHz、DClによるD2O、d ppm):146.8(CH),132.6(CH),83.0(JC,F 169Hz, C-5),76.1(C-2),72.7(C-3),66.4(JC,F 18Hz, C-4),59.0(C-1).

【0232】
実施例35− (1S)−1−C−(3−アミノ−2−カルボキサミド−4−ピロリル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールの調製
実施例35.1
過酸化水素(0.5ml)をジメチルスルホキシド(1.0ml)中の実施例32.1からの生成物(90mg)およびカリウムカルボネート(50mg)の溶液に滴下した。反応物を10分間攪拌し、水(50ml)で希釈して、エチルアセテート(3x20ml)で抽出し、併合有機層を乾燥し、濃縮した。その結果生じた残渣のクロマトグラフィーにより、(1S)− 1−C−(3−アミノ−2−カルボキサミド−4−ピロリル)− N−tert−ブトキシカルボニル−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(20mg)を得た。
【0233】
実施例35.2
トリフルオロ酢酸(1ml)中の実施例35.1からの生成物(20mg)の溶液を、室温で16時間放置した。溶媒を除去し、水(20ml)中の残渣をジクロロメタン(2x5ml)で洗浄した。水性層を蒸発させて、クロマトグラフィーにより、(1S)− 1−C−(3−アミノ−2−カルボキサミド−4−ピロリル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール(10mg)を得た。NMR(300MHz、D2O):13C 59.3(C-4’),64.0(C-5’),67.7(C-1’),74.4(C-3’),77.6(C-2’),113.2(q),124.1(C-5),126.2(q),141.0(q)および168.7(q); HRMS(MH+)C101744に関する理論値:257.12498;実測値:257.12535.

【0234】
実施例36− (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールの調製
実施例36.1
2、4−ジヒドロキシ−6−メチル−5−ニトロピリミジン(G.N. Mitchell and R.L. McKee, J. Org. Chem., 1974, 39, 176-179)(20g)を、N,N−ジエチルアニリン(20ml)を含有するホスホリルクロリド(200ml)に懸濁し、混合物を2時間加熱還流した。黒色溶液を濃縮乾燥して、残渣を水(600ml)およびエーテル(150ml)間に分配した。水性相をエーテル(150ml)でさらに抽出し、併合有機相を水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、慣用的に処理して、2,4−ジクロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン(23.1g)を得た。
【0235】
実施例36.2
ベンジルアルコール(80ml)中の実施例36.1の生成物(17g)の溶液に、ベンジルアルコール(199ml)中のナトリウムベンジレートの1.1M溶液を付加した。室温で1時間後、エーテル(500ml)を付加し、溶液を水で洗浄した。有機相を脱水し、高圧下で濃縮乾燥した。ドライN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセテート(25ml)中の粗製残渣を100℃で3時間加熱した後、溶液を濃縮乾燥した。エタノールによる残渣の粉砕、ならびに濾過により、2,4−ジベンジルオキシ−6−(2−ジメチルアミノビニル)−5−ニトロピリミジンを橙色固体(24.5g)として得た。
【0236】
実施例36.3
発熱を制御するために冷却しながら、亜鉛ダスト(30g)を酢酸(300ml)中の実施例36.2からの生成物(20g)の溶液に付加した。その結果生じた混合物を次に2時間攪拌し、濾過して、濾液を濃縮乾燥した。残渣をクロロホルムと水性炭酸水素ナトリウムの間に分配し、有機層を脱水し、濃縮乾燥して、2,4−ジベンジルオキシピロロ[3,2−d]ピリミジンの固体残渣(15.2g)を得た。
【0237】
実施例36.4
水酸化ナトリウム(0.5g、油中60%分散液)をテトラヒドロフラン中の実施例36.3からの生成物(2.0g)の溶液に付加し、その後tert−ブチルジメチルシリルクロリド(1.37g)を付加して、混合物を1時間攪拌した。水を滴下して反応を制止し、次にエーテル(100ml)および水(150ml)間に分配した。有機層を脱水し、濃縮乾燥した。ジクロロメタン(40ml)中の残渣の溶液を、t.l.c.分析が低極性物質への完全転化を示すまでN−ブロモスクシニミドを徐々に滴下しながら、攪拌した。溶液を水、水性炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣のクロマトグラフィーにより、2,4−ジベンジルオキシ−7−ブロモ−9−N−tert−ブチルジメチルシリルピロロ[3,2−d]ピリミジンを白色固体(1.8g)として得た。
【0238】
実施例36.5
実施例1.1に記載したのと同様に、N−クロロスクシニミドによる塩素化とその後のリチウムテトラメチルピペリジンを用いた塩化水素の排除により、5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.30g)からイミンを調製したが、しかし、以下の修正を加えた:(i)リチウムテトラメチルピペリジンの溶液の付加が完了したときに、石油エーテルを付加し、溶液を水で洗浄し、脱水して、濃縮乾燥した。(ii)シリカゲル上で残渣をクロマトグラフィー処理し、ヘキサン中の0.2%トリエチルアミンおよび30%エチルアセテートで溶離して、精製イミン(0.215g)を得た。エーテル(2ml)中のこのイミンの溶液を、t.l.c.分析が出発物質とのリチウム交換が完了したことを示すまで、−70℃でアニソール(20ml)およびエーテル(30ml)中の実施例36.4からの生成物(0.786g)の溶液へのブチルリチウム(ヘキサン中1.4M)の徐々の付加により調製された溶液に付加した。混合物を徐々に−15℃に温めた後、水で洗浄して、乾燥、濃縮した。残渣のクロマトグラフィー処理により、(1S)−1−C−(2,4−ジベンジルオキシ−9−N−tert−ブチルジメチルシリルピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(0.225g)を得た。
【0239】
実施例36.6
エタノール(5ml)中の実施例36.5からの生成物(0.10g)の溶液を、水素雰囲気中で10%パラジウム−オン−炭素(0.05g)とともに2時間攪拌した。固体および溶媒を除去し、水性濃塩酸(1ml)をメタノール(5ml)中の残渣の溶液に付加した。一夜放置後、溶液を濃縮、乾燥して、残渣をエーテルで抽出し、次にエーテルで粉砕して、濾過し、(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトールヒドロクロリド(0.025g)を得た。13C NMR(D2O)、δ(ppm):159.8(C),155.8(C),137.1(C),131.4(CH),114.2(C),104.1(C),76.2(CH),73.7(CH),68.5(CH),61.6(CH2)および58.5(CH).

【0240】
実施例37− 1,4−ジデオキシ−(1S)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ−[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール5−ホスフェートビス−アンモニウム塩の調製
実施例37.1
溶液テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M、0.5ml)を、テトラヒドロフラン中の実施例36.5からのビス−シリル化生成物(110mg)の溶液に付加した。2時間後、溶液をトルエンで希釈して、水(x2)で洗浄し、脱水して、蒸発、乾燥した。その結果生じたシロップをメタノール中に溶解し、tert−ブトキシ無水カルボン酸(65mg)を付加した。30分後、反応混合物を濃縮乾燥し、クロマトグラフィー処理を施して、(1S)−1−C−(2,4−ジベンジルオキシピロロ−[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−tert−ブトキシカルボニル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−2,3−O−イソプロピリデン−D−リビトール(64mg)を得た。
【0241】
実施例37.2
実施例37.2からの生成物(64mg)を、実施例33に詳述した方法により、1,4−ジデオキシ−(1S)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール 5−ホスフェートビス−アンモニウム塩(11mg)に転化した。13C NMR(D2O)、δ(ppm):156.0(C),151.9(C),134.0(C),127.3(CH),110.9(C),102.8(C),75.1(CH),70.4(CH),65.1(CH),61.9(CH2)および54.5(CH).

【0242】
本発明の態様を実施例のみにより説明してきたが、本発明の範囲を逸脱せずに、修正ならびに付加が成され得る、と理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の生成物(化合物Ib)の濃度範囲での時間に伴うプリンヌクレオシドホスホリラーゼ活性を示す。
【図2】 プリンヌクレオシドホスホリラーゼ活性進行曲線の動態論モデルとの適合を示す。
【図3】 ウシプリンヌクレオシドホスホリラーゼの化合物Ib阻害に関する極性適合法によるKi *決定を示す。
【図4】 化合物Ibによる緩慢開始阻害を示すウシプリンヌクレオシドホスホリラーゼに関する進行曲線を示す。
【図5】 マウス血液のPNP活性に及ぼす化合物Ibの経口投与の影響を示す。
【図6】 原生動物ヌクレオシドヒドロラーゼを用いた化合物Ibに関するKi決定を示す。
【図7】 化合物Ibの5’−ホスフェートによる緩慢開始阻害を示すプリンホスホリボシルトランスフェラーゼに関する進行曲線を示す。マラリア酵素の阻害。
【図8】 ヒトプリンホスホリボシルトランスフェラーゼの化合物Ib、5’−ホスフェート阻害に関するKi *決定を示す。

Claims (27)

  1. 下記の式を有する化合物、またはその互変異体、または医薬的に許容できるその塩:
    Figure 0004451983
    [式中、AはCHまたはNで;BはOH、NH2、H又はNHRから選ばれ、Rはアルキルもしくはアラルキル基である;DはOH、NH2、H又はNHRから選ばれ、Rはアルキルもしくはアラルキル基である;XはOHである;YはHである;Zは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ホスフェート、アルキルチオ、またはアルコキシから選ばれる]。
  2. Bおよび/またはDの1つがNHRで、RがC1−C4アルキルである請求項1の化合物。
  3. DがHであるか、またはBがOHであるかのどちらかであるか、またはその両方である請求項1の化合物。
  4. BがOHで、かつDがH、OHまたはNH 2 ある請求項1の化合物。
  5. ZがOH、Hまたはメチルチオである請求項4の化合物。
  6. ZがOHである請求項5の化合物。
  7. 以下から選ばれる請求項1の化合物、またはその互変異体、またはその医薬的に許容できる塩:
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール、
    (1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、
    (1R)−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール、
    (1S)−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール、
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール、
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール、
    (1R)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール、
    (1S)−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール、
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(2,4−ジヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール、
    (1R)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール、
    (1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール、
    (1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール、
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール、
    (1R)−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール、
    (1S)−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール、
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール、
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール、
    (1R)−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール、
    (1S)−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール、
    (1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(5,7−ジヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール、
    (1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、
    (1R)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,2,4−トリデオキシ−D−エリスロ−ペンチトール、
    (1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−イミノ−1,4,5−トリデオキシ−D−リビトール、および
    (1S)−1−C−(5−アミノ−7−ヒドロキシピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジン−3−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−5−メチルチオ−D−リビトール。
  8. 前記化合物が(1S)−1,4−ジデオキシ−1−C−(4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−イミノ−D−リビトール、またはその互変異体またはその医薬的に許容できる塩である請求項1の化合物。
  9. 前記化合物が(1S)−1−C−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ〔3,2−d〕ピリミジン−7−イル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、またはその互変異体またはその医薬的に許容できる塩である請求項1の化合物。
  10. 下記の式を有する請求項1に記載の化合物、または医薬的に許容できるその塩:
    Figure 0004451983
  11. 下記の式を有する請求項1に記載の化合物、または医薬的に許容できるその塩:
    Figure 0004451983
  12. プリンヌクレオシドホスホリラーゼの阻害に有効な下記の式(I)の化合物、またはその互変異体、または医薬的に許容できるその塩のある量および医薬的に許容できる担体または希釈剤を含む、T細胞機能を抑制する医薬組成物。
    Figure 0004451983
    式中、AはCHであり;BはOHであり;DはOH、NH 2 、H又はNHRから選ばれ、Rはアルキルもしくはアラルキル基である;XはOHである;YはHである;ZはOHまたはホスフェートである]。
  13. 化合物が、下記の式を有する化合物、または医薬的に許容できるその塩である、請求項12に記載の医薬組成物。
    Figure 0004451983
  14. 化合物が、下記の式を有する化合物、または医薬的に許容できるその塩である、請求項12に記載の医薬組成物。
    Figure 0004451983
  15. 少なくとも1つの寄生虫プリンヌクレオシドヒドラーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼおよび/またはプリンホスホリボシルトランスフェラーゼの阻害に有効な下記の式(I)の化合物、またはその互変異体、または医薬的に許容できるその塩のある量および医薬的に許容できる担体または希釈剤を含む、原虫感染の治療および/または予防のための医薬組成物:
    Figure 0004451983
    式中、AはCHであり;BはOHであり;DはOH、NH 2 、H又はNHRから選ばれ、Rはアルキルもしくはアラルキル基である;XはOHである;YはHである;ZはOHまたはホスフェートである]。
  16. 化合物が、下記の式を有する化合物、または医薬的に許容できるその塩である、請求項15に記載の医薬組成物。
    Figure 0004451983
  17. 化合物が、下記の式を有する化合物、または医薬的に許容できるその塩である、請求項15に記載の医薬組成物。
    Figure 0004451983
  18. 下記式を有する化合物、またはその互変異体、またはその医薬的に許容できる塩:
    Figure 0004451983
    [式中、AはCHであり;XはOHであり;YはHであり;ZはOHもしくはホスフェートであり;EはCO 2 HもしくはCONH 2 であり;GはNH 2 である]。
  19. EがCONH 2 である、請求項18の化合物。
  20. ZがOHである請求項18の化合物。
  21. 前記化合物が(1S)−1−C−(3−アミノ−2カルボクスアミド−4−ピロリル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、またはその互変異体またはその医薬的に許容できる塩である、請求項18の化合物。
  22. プリンヌクレオシドホスホリラーゼの阻害に有効な下記の式の化合物、またはその互変異体、またはその医薬的に許容できる塩のある量および医薬的に許容できる担体または希釈剤を含む、T細胞機能を抑制する医薬組成物:
    Figure 0004451983
    [式中、AはCHであり;XはOHであり;YはHであり;ZはOHもしくはホスフェートであり;EはCONH 2 であり;GはNH 2 である]。
  23. 前記化合物が(1S)−1−C−(3−アミノ−2カルボクスアミド−4−ピロリル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、またはその互変異体またはその医薬的に許容できる塩である請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 少なくとも1つの寄生虫プリンヌクレオシドヒドラーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼおよび/またはプリンホスホリボシルトランスフェラーゼの阻害に有効な下記の式の化合物、またはその互変異体、またはその医薬的に許容できる塩のある量および医薬的に許容できる担体または希釈剤を含む、原虫感染の治療および/または予防のための医薬組成物:
    Figure 0004451983
    [式中、AはCHであり;XはOHであり;YはHであり;ZはOHもしくはホスフェートであり;EはCONH 2 であり;GはNH 2 である]。
  25. 前記化合物が(1S)−1−C−(3−アミノ−2カルボクスアミド−4−ピロリル)−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、またはその互変異体またはその医薬的に許容できる塩である請求項24に記載の医薬組成物。
  26. 前記原虫寄生体がプラスモジウム(Plasmodium)である、請求項24に記載の医薬組成物。
  27. 前記原虫寄生体がプラスモジウム(Plasmodium)である、請求項15に記載の医薬組成物。
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