JP4451677B2 - 表面保護層付きシームレスベルト及びその製造方法 - Google Patents

表面保護層付きシームレスベルト及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、電子写真方式の複写機、プリンター、印刷機、ファックス等の中間転写ベルト、転写搬送ベルト等に用いられる、特に、装着する時まで表面が傷ついたり、汚れたりすることが防止された表面保護層付きシームレスベルト及びその製造方法に関するものである。
近年、カラー電子写真技術の進歩により、フルカラー複写機、およびカラープリンターが実用化され、感光体上に形成されたトナー像を複写紙上へ転写するための中間転写体として、あるいは転写搬送用ベルトとして体積抵抗率の範囲が1×10Ω・cm〜1×1016Ω・cmのシームレスベルトが用いられるようになってきている。
このようなシームレスベルトには、半導電性領域の電気抵抗の均一性が要求され、様々な使用環境において常に鮮明な画像を得るために、使用環境(温度、湿度)が変わっても電気抵抗の変化が小さい、電圧を繰返し印加しても電気抵抗の変化が小さい等の電気的特性やベルト駆動時に裂けない、応力をかけても伸びが少ない等の機械的特性の他に、ベルトの表面特性についても要求されている。
熱可塑性樹脂へ半導電性を付与するには、熱可塑性樹脂へカーボンブラックや金属酸化物等の電子伝導性材料を、あるいはポリエチレンオキサイド鎖を含有するポリマー、側鎖に4級アンモニウム塩を含有するポリマー、アルカリ金属を含有するアイオノマー、アルカリ金属塩等のイオン伝導性材料を添加する方法が知られている。
本発明者等は、特許文献1〜3等によって、電気抵抗が均一で、使用環境の変化により電気抵抗の変化が小さく、電圧印加繰返しによる電気抵抗の変化が小さい半導電性シームレスベルトを提案している。
また、機械的特性については、ベルトの使用環境、使用条件による伸びが小さく、プリンター、複写機、印刷機等へ搭載、駆動時に損傷しないことが望まれる。この特性は、用いる樹脂の種類、および添加剤の種類、添加量等に影響され、現在、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートとのポリマーアロイ等がベース樹脂として広く用いられている。
しかしながら、プリンター、コピー機、印刷機等で得られる画質は、シームレスベルトの電気的特性、機械的特性ばかりでなく、シームレスベルトの表面状態にも大きく影響され、特にトナーが直接接触する中間転写ベルトの場合はその表面状態が極めて重要となる。表面状態を表す指標としては、表面粗さ、表面の接触角、表面の汚れ、傷、折り目等の項目がある。このうち、表面粗さと表面接触角は、ベルトの原料配合や加工方法によってほぼ決定されるが、ベルト表面の汚れ、傷、座屈等による折り目はシームレスベルトに加工した後のハンドリング時に生じる可能性があり、製品歩留まりの低下を招いている。すなわち、ベルト製造後でも、ベルトを慎重に取扱わないとシームレスベルトへ埃や塵が付着し、またハンドリング時に直接手で触れると指紋等が付着してベルト表面を汚染し、更に鋭利な物に接触させると傷が生じ、挟んだり落下させると折り目を生じる恐れがある。
一方、多層構造を有するシームレスベルトも、特許文献4〜6等に提案されている。しかしながらハンドリング時における汚れ、傷、座屈等を防止する目的で多層構造としたシームレスベルトは今まで提案されていなかった。
特開平8−165395号公報 特開平9−324133号公報 特開2000−143918号公報 特公平6−104340号公報 特開2002−162836号公報 特開2002−196592号公報
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、ベルトの製造工程において、さらには品質管理工程、梱包工程、プリンター、複写機、印刷機への取付け等のあらゆる工程において、ベルト表面が汚染される恐れがなく、傷や折り目が付き難いシームレスベルトを提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、シームレスベルトの表面に使用時に容易に除去できる継ぎ目のない表面保護層を設けることにより前記課題が解決できることを見出し本発明に到った。
すなわち本発明は、
(1)電子写真方式に用いられるシームレスベルトにおいて、該シームレスベルトの表面に継ぎ目のない表面保護層が弱接着されていることを特徴とする表面保護層付きシームレスベルト。
(2)表面保護層とシームレスベルトとの剥離強度が400g/25mm幅以下であることを特徴とする(1)記載の表面保護層付きシームレスベルト。
(3)シームレスベルトの体積抵抗率が1×10Ω・cm〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする(1)又は(2)記載の表面保護層付きシームレスベルト。
(4)シームレスベルトがカーボンブラックを含有していることを特徴とする(3)記載の表面保護層付きシームレスベルト。
(5)シームレスベルトがポリエチレンオキシド、またはその共重合体、およびアルカリ金属塩を含有することを特徴とする(3)記載の表面保護層付きシームレスベルト。
(6)シームレスベルトを内層とし、該シームレスベルトとの剥離強度が400g/25mm幅以下になるような樹脂から選ばれる表面保護層を最外層として多層の環状ダイスより押し出されたチューブを輪切りにして製造することを特徴とする表面保護層付きシームレスベルトの製造方法に関するものである。
本発明の表面保護層付きシームレスベルトは、シームレスベルト表面に表面保護層を設けているため、シームレスベルト表面へ埃や塵が付着しにくく、またハンドリング時に直接手で触れてもベルト表面へ指紋等が付着しないという効果を有する。更に、鋭利な物に接触させても傷が発生しにくく、落下させるなどして座屈させても折り目を生じにくいという効果も有している。
また、シームレスベルトと表面保護層とが弱接着されているのでシームレスベルト使用時にシームレスベルトを傷つけることなく表面保護層を剥すことができるという効果を有する。更に、シームレスベルトの表面粗さは、シームレスベルトの表面に接する表面保護層に用いる熱可塑性樹脂の種類に依存することから表面保護層の材質を適切に選ぶことにより任意の表面粗さのシームレスベルトを得ることができるという効果を有する。
本発明のシームレスベルトに用いられる樹脂としては特に制限はなく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリイミド、さらには熱可塑性エラストマーと呼ばれている水添スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエーテルエステル、熱可塑性ポリウレタン等も用いることが出来る。これらのうちでも加工性の容易さから熱可塑性樹脂が好ましく、これらは単独で用いても良く、二種以上混合して用いてもよい。また、本発明のシームレスベルトは所望する要求特性に応じて単層又は多層構造とすることも勿論可能である。
本発明のシームレスベルトを電子写真方式のプリンター、コピー機等の中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルトとして用いるには、その体積抵抗率を1×10Ω・cm〜1×1016Ω・cmの範囲にするのが好ましい。体積抵抗率が1×10Ω・cm未満のシームレスベルトを電子写真方式のプリンター、コピー機等の中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルトとして用いた場合、シームレスベルトの片面から電圧を印加して帯電させたベルト上の電荷が直ちに放電してしまい、電荷によって用紙やトナーを吸着するという中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルトとして機能を発揮しないので好ましくない。逆に、体積抵抗率が1×1016Ω・cmを超えるシームレスベルトを用いた場合はベルト上に発生させた電荷がいつまでもベルト上に残留し、用紙やトナーを吸着し続けるので好ましくない。
本発明のシームレスベルトを上記範囲の体積抵抗率とするには、導電剤としてカーボンブラック、グラフト化カーボンブラック、金属酸化物、金属粉末等の電子伝導性材料や、ポリエチレンオキシド鎖を含有する高分子、側鎖にアンモニウム塩を有するポリマー、アルカリ金属含有アイオノマー、アルカリ金属塩、アルキル四級アンモニウムのフルオロ硼酸塩、アルキル四級アンモニウム塩の硫酸塩等のイオン伝導性材料を挙げることができ、これらを一種以上添加することによって上記樹脂に半導電性を付与することができる。その中でも、電子伝導性材料としては少量の添加で抵抗が低下するカーボンブラックが好ましい。また、イオン伝導性材料としては使用環境(温度、湿度)による電気抵抗への影響が小さいポリエチレンオキシド鎖を含有する高分子とアルカリ金属塩との併用が好ましい。
カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等があげられるが、中でも少ない添加量で半導電性を付与できるという観点からアセチレンブラック、およびファーネスブラックの一種であるケッチェンブラックが好ましい。カーボンブラックの添加量は、カーボンブラックの種類によって異なるが、アセチレンブラックの場合、当該層の熱可塑性樹脂に対して3〜25重量%が好ましく、ケッチェンブラックの場合には1〜10重量%が好ましい。上記範囲未満では該層へ半導電性を付与することができず、上記範囲を超えると押出し成形時の加工性が悪くなるばかりでなく、製品の強度が低下するので好ましくない。
ポリエチレンオキシド鎖を有する高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、ポリエーテルエステル、ポリエーテルエステルアミド、長鎖ジオールとしてポリエチレングリコールを用いた熱可塑性ポリウレタン、およびポリウレタンウレアが好ましく、特にポリエチレンオキシド単独重合体、およびその共重合体が好ましい。なお、ポリエチレンオキシド単独重合体、およびその共重合体には、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールをイソシアネート化合物で部分架橋した熱可塑性樹脂も含まれる。それらの添加量は要求される抵抗によっても異なるが、当該半導電層の樹脂に対しポリエチレンオキシド鎖を有する高分子は0.1〜30重量%、さらには0.2〜25重量%が好ましい。
アルカリ金属塩としては、アルカリ金属の塩酸塩、ハロゲンの酸素酸塩、チオシアン酸塩等が好ましい。アルカリ金属塩の添加量は、0.02〜5重量%、さらに0.05〜4重量%が好ましい。イオン伝導性材料としては、上記のうち、ポリエチレンオキシド、またはその共重合体とイオン電解質の組合せが少量の添加で半導電性を付与できるばかりでなく、温度湿度の変動による抵抗の変化が小さいので特に好ましい。
本発明の表面保護層付きシームレスベルトは、上記した組成の他に該シームレスベルトに悪影響を及ぼさない範囲で合成樹脂の加工の際通常用いられる酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、加工助剤、顔料、補強剤等を添加することができる。また、必要に応じて、シームレスベルトの表面エネルギーを低下させる目的でフッ素系、あるいはシリコーン系材料、帯電特性を変える目的でポリアミド、アクリル樹脂、シームレスベルトの特性を改良するために他の合成樹脂を少量添加することもできる。
さて、本発明のシームレスベルトは、シームレスベルトの表面に継ぎ目のない表面保護層が弱接着されている点に最大の特徴を有するものである。ここで、弱接着とはシームレスベルトから表面保護層を容易に剥がすことができる程度の接着を意味していて、具体的には表面保護層との剥離強度が400g/25mm幅以下であることが好ましく、特に300g/25mm幅以下であることが好ましい。このシームレスベルトと表面保護層間の剥離強度が400g/25mm幅を超えると使用時にシームレスベルトから表面保護層を剥す時シームレスベルトに応力がかかり過ぎシームレスベルトが変形する恐れがあるので好ましくない。また、シームレスベルトと表面保護層間の剥離強度の下限は2g/25mm程度であることが好ましい。剥離強度がこの値未満では必要がない時であっても表面保護層が簡単に剥離する可能性があるので好ましくない。
表面保護層を形成する樹脂としては、シームレスベルトの表面との親和性に乏しく弱接着されやすいものであれば特に制限はなく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン等を挙げることができ、これらは単独で用いても良く、二種以上混合して用いてもよい。
また、シームレスベルトの表面粗さはシームレスベルトの材質だけでなく、表面保護層の材質にも依存するため、表面保護層として適切な材質を選ぶことにより、任意の表面粗さのシームレスベルトを得ることができる。
シームレスベルトと表面保護層の間の剥離強度が400g/25mm幅以下とするためには、シームレスベルトの表面の材質にもよるがポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂が他の樹脂と溶融接着した場合、容易に剥離できるので好ましい。これらのうち、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン等のポリオレフィンは安価で、加工が容易で、且つ、他の樹脂と溶融接着した場合、容易に剥離できるのでより好ましい。
本発明の表面保護層付きシームレスベルトは、上述した熱可塑性樹脂、導電剤等を通常のニーダー、ロール、バンバリーミキサー、二軸混練機等で混練することによって組成物とした後、環状のダイスを付けた押出し機を用い各層単独に所定厚みのチューブを押出した後輪切りにして、次いで円筒状の金型へ所定の構成に重ね合せ加熱することにより各層を融着して得ることができる。あるいは、環状ダイスを付けた多層押出し機を用いて上記組成物を共押出しすることによって一度に表面保護層付きチューブを得た後、輪切りにし、次いで二次加工することによって周長の寸法精度が良好な表面保護層付きシームレスベルトを得ることができる。
二次加工方法としては、例えば、表面保護層付きチューブより若干大きい円筒状の金型へ該チューブを被せ加熱する方法、円筒状の金型へ表面保護層付きチューブを被せ加熱したローラで外周面を軟化させつつ平滑化させる方法、円筒状金型に被せた表面保護層付きチューブ上へ熱風を吹付けながら軟化させた後コールドロールで表面保護層付きチューブ表面の平滑化と冷却を行う方法、複数の支持ロールで保持した表面保護層付きチューブを加熱する方法、複数の支持ロールで保持した表面保護層付きチューブを回転させながら加熱したロール等を当てベルトを軟化させ平滑化する方法等、既知の方法で行うことができる。
本発明の表面保護層付きシームレスベルトにおけるシームレスベルト部分の厚さは、30〜2000μmが好ましく、さらには50〜1000μmがより好ましい。シームレスベルト部分の厚さが30μm未満では中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルトとして用いた時、引張りによる伸びが大きいので好ましくない。すなわち、シームレスベルトの厚さが30μm未満では、シームレスベルトをロール間へ架張し、張力をかけ駆動した時、シームレスベルトが伸びて色ずれを起したり、しわが発生しやすくなるので好ましくない。また、厚さが2000μmを超えるとシームレスベルトが硬くなるので好ましくない。
また、本発明の表面保護層付きシームレスベルトにおける表面保護層の厚さは、5〜500μmが好ましく、さらには10〜400μmがより好ましい。表面保護層の厚さが5μm未満の場合は、ベルト表面を保護する機能が弱く好ましくない。
以上のように、表面に保護層を有する本発明の表面保護層付きシームレスベルトは、シームレスベルト表面を保護するばかりでなく、シームレスベルト取扱い時、シームレスベルトの補強効果があるため座屈によりシームレスベルトが折れ難くなる等の効果を有する。
得られた表面保護層付きシームレスベルトは、表面の保護層を剥して、中間転写ベルト、搬送転写ベルトとして様々な用途に用いることができる。
次に、実施例によって、本発明を具体的に説明する。
剥離強度
シームレスベルトより25mm幅の短冊を切り出し、オートグラフを用い、50mm/minの引張り速度で剥離させ、シームレスベルトと保護層との剥離強度を測定した。
ベルトの表面粗さRz
表面粗さ形状測定機サーフコム570A(東京精密製)を用い、シームレスベルトの表面粗さ(Rz)を測定した。
電気抵抗の測定
シームレスベルトの体積抵抗率は、三菱化学(株)製ハイレスタIPを用い、印加電圧500V、23℃、50%RH条件下で測定した。
撓み応力
スティフネスメーター(東洋精機製)を用い、表面に保護層の付いたベルト100mm×100mmの両端を10mmずつ撓ませた後、持ちあがった中央部を0.5mm/sの速度で5mm押し込んだときの中央部にかかる荷重を測定した。
製造例1
二軸混練機を用いて、ポリフッ化ビニリデン100重量部に対し、ポリエチレンオキシド5.0重量部、過塩素酸リチウム0.5重量部とを溶融混練してペレットAとした。
製造例2
二軸混練機を用いて、ポリフッ化ビニリデン100重量部に対し、ポリエーテルエステルアミド5.0重量部、ケッチェンブラックEC2.0重量部、メチルメタクリレート−グルシジルメタクリレート共重合体(1:1)4.0重量部とを溶融混練してペレットBとした。
製造例3
二軸混練機を用いて、熱可塑性ポリウレタン100重量部に対し、ポリエチレンオキシド4.0重量部、過塩素酸リチウム0.4重量部とを溶融混練してペレットCとした。
実施例1
25mm二層押出し機へリップ径50mmの2層用環状ダイスを装着し、表層として低密度ポリエチレン、内層として製造例1のペレットAを用いて、表層の厚さ100μm、内層の厚さ100μm、折径125mmの二層チューブを得た。得られたチューブを外径80mmの金型に被せ加熱処理することにより、外径80mmの表面保護層付きシームレスベルトを得た。
得られた表面保護層付きシームレスベルトの保護層の剥離強度、撓み応力、シームレスベルトの体積抵抗率、表面粗さ(Rz)を表1に示す。
実施例2
25mm二層押出し機へリップ径50mmの2層用環状ダイスを装着し、表層としてポリプロピレン、内層として製造例2のペレットBを用いて、表層の厚さ80μm、内層の厚さ100μm、折径125mmの二層チューブを得た。得られたチューブを外径80mmの金型に被せ加熱処理することにより、外径80mmの表面保護層付きシームレスベルトを得た。
得られた表面保護層付きシームレスベルトの保護層の剥離強度、撓み応力、シームレスベルトの体積抵抗率、表面粗さ(Rz)を表1に併せて示す。
実施例3
リップ径50mmの環状ダイスを装着した25mm押出し機を用いて、製造例3のペレットCを厚さ500μm、折径125mmの単層チューブとした。得られたチューブを外径80mmの金型に被せ、さらにその上へ折径125mm、厚さ50μmの低密度ポリエチレンチューブを被せ加熱融着することにより、外径80mmの表面保護層付きシームレスベルトを得た。
得られた表面保護層付きシームレスベルトの保護層の剥離強度、撓み応力、シームレスベルトの体積抵抗率、表面粗さ(Rz)を表1に併せて示す。
比較例1
リップ径50mmの環状ダイスを装着した25mm押出し機を用いて、製造例1のペレットAを厚さ100μm、折径125mmの単層チューブとした。得られたチューブを外径80mmの金型に被せ加熱処理することにより、外径80mmの単層シームレスベルトを得た。得られた単層シームレスベルトの撓み応力、表面粗さ(Rz)、体積抵抗率を表1に併せて示す。
Figure 0004451677
実施例1〜3の表面保護層付きシームレスベルトは表面に保護層を有しているため塵、埃、指紋、傷等が付きにくく、また、表1より明らかなように、撓み応力が大きいため座屈時に折り目が生じ難い。また、シームレスベルトと表面保護層との材質を適切に選ぶことにより表面保護層の剥離強度を小さくすることができるため、シームレスベルト使用時にシームレスベルトを傷つけることなく表面保護層を剥すことができる。それに対し、比較例1のシームレスベルトは、表面保護層を有していないため、塵、埃、指紋、傷等が付きやすく、撓み応力が小さいため座屈時に折り目が生じやすいという欠点を有する。
本発明の表面保護層付きシームレスベルトは、表面保護層を有しているため、シームレスベルトに塵、埃、指紋、傷等が付き難く、座屈時も折り目が生じ難くなっているため歩留まりを上げることができ、使用直前に表面の保護層を剥して、中間転写ベルト、搬送転写ベルト、搬送ベルト等の様々な用途に用いることができる。

Claims (1)

  1. 使用直前に表面保護層を剥がして用いる表面保護層付きシームレスベルトにおいて、シームレスベルトを内層とし、該シームレスベルトとの剥離強度が400g/25mm幅以下になるような樹脂から選ばれる表面保護層を最外層として多層の環状ダイスより押し出されたチューブを輪切りにして製造することを特徴とする表面保護層付きシームレスベルトの製造方法。
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