JP4451626B2 - 電動モータ - Google Patents

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本発明は、磁気エネルギを介して電気エネルギを機械エネルギに変換する電動モータに関し、特に、巻線が両重ね巻により巻装されるアマチュアコアを備えたものに関する。
電動モータは、モータハウジングの内部に回転自在に収容されるアマチュアと、モータハウジングの内面にアマチュアと対向して固定される一対のマグネットとを有しており、アマチュアに供給される直流電流つまり電機エネルギを機械エネルギであるアマチュアの回転に変換して出力するようになっている。
このような電動モータに用いられるアマチュアは、回転軸と回転軸に固定されるアマチュアコアとを有しており、回転軸においてモータハウジングに回転自在に支持されている。アマチュアコアは回転軸に固定されるボス部とボス部と一体に形成される複数のティースとを有しており、各ティースはボス部から放射状に突出する基部と、基部の先端から周方向の両側に延びる係止部とを有して略T字形状となっている。そして、これらのティースの相互間に形成される空間は回転軸の軸方向に延びるスロットとなっている。通常、各ティースは全て同一の形状に形成されるとともに周方向に等間隔に配置されており、これにより、各スロットも全て同一の形状に形成されている。そして、これらのスロットには巻線が巻装されており、この巻線に直流電流を供給することにより、磁界内に位置する巻線が電磁力を生じてアマチュアつまり回転軸に回転力が生じるようになっている。
このようなアマチュアコアへの巻線の巻装方法としては、重ね巻を回転軸に点対称となる関係で2カ所同時に行う所謂ダブルフライヤ方式が知られている。この場合、所定数のティースを隔てた一対のスロット間に巻始めの巻線を施し、また、これを回転軸に点対称となる関係で両側に行い、これを所定の巻方向に向けて順次隣接するスロット間にずらして巻線が行われる。
しかし、このような巻線方法では、後に巻かれる巻線の渡り線部つまりアマチュアコアの端面でスロット間を結ぶ部分は先に巻かれた巻線の渡り線部の外側に重ねられることになるので、後に巻かれる巻線ほどスロット内において開口側に配置されることになる。また、巻線の巻装は回転軸に対して点対称となる関係で両側で行われるので、あるスロットは最初に巻装される巻線と2番目に巻装される巻線を収容し、あるスロットは最後に巻装される巻線と最後から2番目に巻装される巻線を収容することになる。そのため、全てのスロットが同一の形状に形成されていると、各スロットに無駄なスペースが生じてスロットに対する巻線の占積率が低下することになる。
そこで、たとえば特許文献1に示される電動モータでは、スロットの形状を巻始め側の巻線を収容するスロットを底部側が周方向に広く、開口側が狭い形状に形成するとともに、その分、巻終わり側の巻線を収容するスロットを底部側が狭く、開口側が広い形状に形成している。これにより、各スロットに生じる無駄なスペースを減少させて巻線の占積率を高めるようにしている。また、この場合、巻終わり側の巻線が掛け渡されるティースの係止部は開口側のスロット幅が広く形成されることにより長くなるので、スロットの開口側に配置される巻線の係止部への引っ掛かりが確実となり、巻線の保持性を高めることができる。
このように、形状の異なる複数種類のスロットを有するアマチュアコアは異形コアとも呼ばれており、巻線量を増やして電動モータの効率を増す技術として広く用いられている。
特開平4−255438号公報(第3−4頁、第2−7図)
しかしながら、このような異形コアは、巻線の巻装がダブルフライヤ方式により行われるために、各スロットの形状は巻線の巻方向に合わせて決められることになり、その結果全体として回転軸を中心とした点対称の形状に形成される場合が多い。この場合、巻線の巻方向を逆にして、つまり重ね巻の方向を逆にして巻線の巻装を行うと、最終の巻線が係止部が長く形成されたティースに掛け渡されずに、その保持性が低下する恐れがある。そのため、このような異形コアに巻線を巻装する際には、巻線の巻方向を指定したり、巻線機へのアマチュアコアのセット方向を指定するなど、誤組を防止するための管理が必要となり、アマチュアコアへの巻線工程が煩雑となっていた。
本発明の目的は、スロットへの巻線の保持性を高めるとともにアマチュアコアへの巻線の巻装を容易にすることにある。
本発明の電動モータは、磁気エネルギを介して電機エネルギを機械エネルギに変換する電動モータであって、前記モータハウジングに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に固定されるボス部と、それぞれ前記ボス部から突出する基部および前記基部の先端から周方向両側に延びる係止部を備えた複数のティースとが設けられたアマチュアコアと、モータハウジングの内面に前記アマチュアコアに対向して固定されるマグネットと、それぞれ所定数の前記ティースを隔てた一対のティース間に巻装され、前記ティースの相互間に形成されるスロット内に収容される複数の巻線とを有し、底部側における周方向の幅と開口側における周方向の幅とが略同一であるとともにスロット位置基準線に対して略対称に形成され、互いに前記回転軸を中心として点対称に配置される一対の第1スロットと、それぞれ一方の前記第1スロットと他方の前記第1スロットの両隣に配置され、それぞれスロット位置基準線に対して前記第1スロット側における周方向の幅が底部側において前記第1スロットより狭く、開口側において前記第1スロットより広く形成された少なくとも二対の第2スロットとで前記スロットを構成し、前記アマチュアコアを前記第1スロットのスロット位置基準線を基準として線対称に形成したことを特徴とする。
本発明の電動モータは、それぞれの前記ティースにおける前記基部の周方向の幅を略同一に形成するとともに、それぞれの前記ティースにおける前記係止部の周方向の幅を略同一に形成したことを特徴とする。
本発明によれば、アマチュアコアは第1スロットのスロット位置基準線を基準として線対称に形成されるので、巻線の巻方向をいずれの方向とした場合であっても、最終の巻線は対応するスロットの開口側における周方向の幅が広い部分に収容することができる。したがって、最終の巻線は長く形成されたティースの係止部に係止されることになり、スロット内への保持性が高められることになる。また、アマチュアコアに巻線を巻装する工程において巻線の巻方向や巻線機へのアマチュアコアのセット方向を指定する必要が無いので、このアマチュアコアへの巻線の巻装を容易にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である電動モータが設けられたレギュレータモータを示す一部切り欠き断面図であり、図2は図1に示すアマチュアコアを軸方向から見た形状を示す断面図である。また、図3(a)〜(c)は、それぞれアマチュアコアへの巻線の巻装方法を示す断面図である。
このレギュレータモータ11は、図示しない車両に設けられたドアに装着されて、このドアに開閉自在に設けられたドアガラスを開閉駆動するためのものである。この場合、ドアガラスはガイド部材を介してドアの上下方向に開閉自在に支持されるとともにレギュレータを介してレギュレータモータ11の図示しない出力軸に接続されており、レギュレータモータ11が作動すると、その出力軸の回転運動がレギュレータによりドアガラスの上下運動に変換されて開閉動作されるようになっている。
図1に示すように、レギュレータモータ11は電動モータ12と減速機13とを有しており、電動モータ12の回転は減速機13により所定の回転数に減速されて出力軸から出力されるようになっている。
電動モータ12は断面小判形に形成されたモータハウジング14を有しており、このモータハウジング14の内部にはアマチュア15が収容されている。アマチュア15はアマチュアシャフトとも呼ばれる回転軸16と鉄心とも呼ばれるアマチュアコア17とを有しており、回転軸16は軸受け21を介してモータハウジング14に回転自在に支持されている。これにより、アマチュア15はモータハウジング14の内部で回転自在となっている。
アマチュアコア17は、所定の形状に形成された抜き板を複数枚重ね合わせて形成されており、その軸心において回転軸16に固定されて回転軸16と一体的に回転するようになっている。また、アマチュアコア17には10個のスロットS1〜S10が形成されており、各スロットS1〜S10にはそれぞれ巻線C1〜C10が収容されている。
また、各スロットS1〜S10は、抜き板が回転方向に順次所定の角度ずつずらして積層されることにより回転軸16の軸方向に対して回転軸16の回転方向に傾斜して、所謂スキューが施されている。なお、このアマチュアコア17や巻線C1〜C10の詳細については後述する。
回転軸16には整流子22が固定されており、この整流子22には互いに絶縁されて放射状に配置される10個の整流子片22aが設けられている。そして、各巻線C1〜C10はその端部において対応する整流子片22aに接続されている。また、整流子片22aには図示しない一対のブラシが摺接するようになっており、整流子22はこれらのブラシに供給される直流電流を整流して各巻線C1〜C10へ供給するようになっている。つまり、この電動モータはブラシ付きモータとなっている。
モータハウジング14の内面には互いに異なる磁極を向かい合わせて配置された2つのマグネット23,24が固定されており、これらのマグネット23,24によりモータハウジング14の内部に磁界が形成されるようになっている。これらのマグネット23,24はアマチュアコア17の外周面に所定の空隙(エアギャップ)を介して対向するようになっており、つまり、アマチュアコア17や巻線C1〜C10はマグネット23,24が形成する磁界の内部に位置するようになっている。これにより、整流子22により整流された直流電流が巻線C1〜C10に供給されると、磁界中に位置する巻線C1〜C10に電磁力が生じてアマチュア15に回転力が発生することになる。つまり、この電動モータ12は、ブラシを介して巻線C1〜C10に供給される直流電流つまり電機エネルギを、マグネット23,24と巻線C1〜C10が生じる電磁力とによる磁気エネルギを介してアマチュア15の回転つまり機械エネルギに変換するようになっている。
一方、減速機13はモータハウジング14に固定されるギヤケース25の内部に減速機構26を収容した構造となっており、この場合、減速機構26としてはウォームギヤ機構が用いられている。電動モータ12の回転軸16はモータハウジング14の内部からギヤケース25の内部にまで突出しており、この回転軸16のギヤケース25に突出する部分の外周面には減速機構26を構成するウォーム27が一体的に形成されている。また、ギヤケース25には前述の図示しない出力軸が回転自在に支持されており、この出力軸にはウォーム27と噛み合うウォームホイル28が固定されている。これにより、電動モータ12つまり回転軸16の回転はウォーム27とウォームホイル28とを介して出力軸に減速して伝達される。
また、ギヤケース25の内部には回転軸16の回転速度や回転方向を検出するために回転センサ31が設けられている。この回転センサ31は周方向に並ぶ複数の磁極を備えた円環状のセンサマグネット32と2つの磁気センサ33とを有しており、センサマグネット32は回転軸16に嵌合されて回転軸16と一体に回転するようになっている。また、各磁気センサ33は回転軸16を中心として周方向に90度の位相差を有してセンサマグネット32と対向するように配置されており、それぞれセンサマグネット32の回転に伴う磁極の変化に応じて検出信号であるパルス信号を出力するようになっている。なお、この場合、磁気センサ33としてはホール素子が用いられている。
ギヤケース25にはカプラ34が設けられており、各ブラシや磁気センサ33はこのカプラ34を介して図示しない制御装置に接続されている。この制御装置としてはCPUやメモリ等を備えた所謂マイクロコンピュータが用いられており、図示しないパワーウインドスイッチ等の操作に応じて、車載された電源からの直流電流をブラシに供給するようになっている。また、制御装置は磁気センサ33から入力されるパルス信号の周期から回転軸16の回転速度を検出し、各磁気センサ33が出力するパルス信号の出現順序から回転軸16の回転方向を検出するようになっており、これらの検出結果に基づいて電動モータ12の作動制御を行うようになっている。これにより、たとえばパワーウインドスイッチが開方向に操作されると電動モータ12は制御装置によりドアガラスを開く方向に作動制御され、回転軸16の回転が出力軸からレギュレータを介してドアガラスに伝達されてドアガラスは開動作される。反対に、パワーウインドスイッチが閉方向に操作されると電動モータ12はドアガラスを閉じる方向に作動制御されて、ドアガラスは閉動作することになる。
図2に示すように、この電動モータ12に用いられるアマチュアコア17は回転軸16に固定される円筒状のボス部41と、ボス部41により互いに連結される10個のティースT1〜T10とを備えている。それぞれのT1〜T10はボス部41から突出する基部42および各基部42の先端に一体的に設けられて周方向の両側に延びる係止部43を備えており、これにより、各ティースT1〜T10は略T字形状に形成されている。また、それぞれのティースT1〜T10における基部42の周方向の幅は全て略同一に形成されており、また、それぞれのティースT1〜T10における係止部43の周方向の幅も全て同一に形成されている。また、それぞれの係止部43は隣り合う係止部43との間に所定の隙間を有した状態で、周方向に等間隔に並べて配置されている。
隣り合うティースT1〜T10の相互間には、隣り合うティースT1〜T10の基部42と係止部43とで区画されて前述のスロットS1〜S10が形成されており、これらのスロットS1〜S10は隣り合う係止部43の間で開口している。これらのスロットS1〜S10は形状が相違する複数種類を有しており、つまり、このアマチュアコアは所謂異形コアとなっている。以下に各スロットS1〜S10の形状について説明する。
スロットS1はティースT1とティースT10との相互間に形成されており、隣り合う係止部43の間の開口部の周方向の中間位置と回転軸16の軸心とを結ぶ図中一点鎖線で示すスロット位置基準線Lを基準として周方向に対称であるとともに、ボス部41側つまり底部側における周方向の幅と径方向の外側つまり開口側における周方向の幅とが略同一に形成されている。つまり、このスロットS1は略四角形状に形成されている。
また、ティースT5とティースT6との相互間に形成されるスロットS6はスロットS1と同一の形状に形成されている。このスロットS6はスロットS1と同一のスロット位置基準線Lを基準として位置決めされており、つまり、第1スロットとしてのスロットS1とスロットS6は互いに回転軸16を中心として点対称に配置されている。
スロットS1の両隣には第2のスロットとしての一対のスロットS2とS10とがスロットS1に並べて配置されている。これらのスロットS2、S10は対応するスロット位置基準線Lに対してスロットS1側における周方向の幅が底部側ではスロットS1より狭く、開口側ではスロットS1より広く形成されるとともに、スロット位置基準線Lに対してスロットS1とは反対側における周方向の幅は底部側と開口側の両方においてスロットS1と略同一に形成されている。つまり、スロットS2,S10は、全体として、それぞれ底部側における周方向の幅がスロットS1より狭く、且つ開口側における周方向の幅がスロットS1より広く形成されるとともに、対応するスロット位置基準線Lを基準としてスロットS1側に偏倚している。
同様に、スロットS1に対して回転軸16を中心とした点対称の位置に配置されたスロットS6の両隣にも第2のスロットとしての一対のスロットS5,S7がスロットS6に並べて配置されている。このスロットS5はスロットS10と同一の形状に形成されるとともにスロットS10に対して回転軸16を中心とした点対称の位置に配置され、スロットS7はスロットS2と同一の形状に形成されるとともにスロットS2に対して回転軸16を中心とした点対称の位置に配置されている。つまり、これらのスロットS5、S7は対応するスロット位置基準線Lに対してスロットS6側における周方向の幅が底部側ではスロットS6より狭く、開口側ではスロットS6より広く形成されるとともに、スロット位置基準線Lに対してスロットS6とは反対側における周方向の幅は底部側と開口側の両方においてスロットS6と略同一に形成されている。これにより、スロットS5,S7は、全体として、それぞれ底部側における周方向の幅がスロットS6より狭く、且つ開口側における周方向の幅がスロットS6より広く形成されるとともに、対応するスロット位置基準線Lを基準としてスロットS6側に偏倚している。このように、スロットS1とスロットS6の両隣には、互いに同一の形状に形成されたスロットS2,S7もしくはスロットS10,S5の二対のスロットが並べて配置されている。
スロットS2のスロットS1とは反対側にはスロットS3が並べて配置され、スロットS10のスロットS1とは反対側にはスロットS9が並べて配置されている。また、スロットS5のスロットS6とは反対側にはスロットS4が並べて配置され、スロットS7のスロットS6とは反対側にはスロットS8が並べて配置されている。これらのスロットS3,S4,S8,S9は、それぞれ底部側における周方向の幅がスロットS2,S5,S7,S10よりさらに狭く、且つ開口側における周方向の幅がスロットS2,S5,S7,S10よりさらに広く形成されるとともに対応するスロット位置基準線Lを基準として略対称に形成されている。つまり、スロットS3,S4,S8,S9においても、それぞれスロット位置基準線Lに対してスロットS2,S5,S7,S10とは反対側における周方向の幅が底部側においてスロットS1,S6より狭く、且つ開口側においてスロットS1,S6より広くなっている。
このように、このアマチュアコア17は前述のようなスロットS1〜S10により構成されることにより、スロットS1,S6のスロット位置基準線Lを基準として線対称に形成されている。
次に、このアマチュアコア17への巻線C1〜C10の巻装方法について図3に基づいて説明する。
このアマチュアコア17への巻線C1〜C10の巻装は、重ね巻を回転軸16に点対称となる関係で2カ所同時に行う両重ね巻つまり所謂ダブルフライヤ方式により行われる。ダブルフライヤ方式では、4つのティースを隔てた一対のティース間に巻始めの巻線を掛け渡して巻装するとともに、これを回転軸16に点対称となる関係で両側に行い、さらに、これを所定の巻方向に向けて順次隣接するスロット間にずらして行われる。なお、図3に示す場合では、巻方向は時計回りの方向とされている。
図3(a)に示すように、巻始めの巻線C1,C2はティースT1とティースT4の間と、ティースT6とティースT9の間との回転軸16を挟んだ両側で行われ、ティースT1とティースT4とに掛け渡された巻線C1はスロットS1とスロットS5に収容され、ティースT6とティースT9とに掛け渡された巻線C2はスロットS6とスロットS10に収容される。このとき、各巻線C1,C2はそれぞれスロットS1,S4もしくはスロットS6,S10の底部側に収容されている。そして、これらの巻線C1、C2は巻終わりの後にその端部において整流子22の対応する整流子片22aに接続される。
次いで、図3(b)に示すように、2番目の巻線C3がティースT2とティースT5とに掛け渡され、巻線C4がティースT7とティースT10に掛け渡される。そして、巻線C3はスロットS2とスロットS6に収容され、巻線C4はスロットS7とスロットS1に収容される。このとき、各巻線C3,C4のスロット間を結ぶ渡り線部は最初に巻かれた巻線C1,C2の渡り線部の外側に重ねられるので、巻線C3,C4はスロットS2,S7においては底部側よりやや開口側にずれて収容され、スロットS6,S1においては最初の巻線C1,C2に隣接して巻線C1,C2より開口側に収容される。そして、これらの巻線C3,C4においても巻終わりの後にはその端部において整流子22の対応する整流子片22aに接続される。
そして、巻線C5,C6、巻線C7,C8を、同様な方法で順次巻方向にずらしながら巻装し、最終つまり5番目の巻線C9,C10を巻き終えると、図3(c)に示す状態となる。なお、これらの巻線C1〜C10は外面がエナメル等により被覆されて電気的に絶縁されたワイヤを複数回巻いて形成されたものであり、図中では、便宜上これらのワイヤをまとめた形状として示してある。
このようなアマチュアコア17にダブルフライヤ方式により巻線C1〜C10が施されると、図3(c)に示すように、最終の巻線C9,C10の渡り線部は一番外側に重ねられるので、それぞれスロットS5,S9もしくはスロットS4,S10において開口側に収容されることになる。また、最後から1つ前の巻線C7,C8も、それぞれスロットS4,S8もしくはスロットS3,S9において開口側に収容されることになる。そのため、第2のスロットとしてのスロットS4やスロットS9に収容される巻終わり側の2つの巻線C9,C10は開口側に集中することになる。一方、最初に巻かれる巻線C1,C2は、図3(a)に示すようにスロットS1,S5もしくはスロットS6,S10の底部側に収容され、2番目に巻かれる巻線C3,C4も、図3(b)に示すようにスロットS2,S6もしくはスロットS7,S1の底部側に収容されることになる。そのため、第1のスロットとしてのスロットS1もしくはスロットS6に収容される巻始め側の2つの巻線C1,C2は底部側に集中することになる。
しかし、この電動モータ12に用いられるアマチュアコア17では、開口側に巻線C9,C10が集中するスロットS4,S9の開口側における周方向の幅は広く設定されており、また、底部側に巻線C1,C2が集中するスロットS1,S6における底部側の周方向の幅は大きく設定されているので、各スロットS1,S6への巻線C1,C2の収容スペースや各スロットS4,S9への巻線C9,C10の収容スペースは実質拡大されることになる。つまり、巻始め側の巻線C1,C2を収容するスロットS1,S6を、底部側の周方向の幅が広く、開口側の周方向の幅が狭くなるように形成するとともに、その分、巻終わり側の巻線C9,C10を収容するスロットS4,S9を、底部側の周方向の幅が狭く、開口側の周方向の幅が広くなるように形成することにより、各スロットS1,S4,S6,S9に生じる無駄なスペースを減少させている。これにより、巻線C1,C2,C9,C10を効率よく収容することができる。また、巻線C5と巻線C8を収容するスロットS3と、巻線C6,C7を収容するスロットS8は、それぞれスロットS4,S9と同様に開口側の幅が広く形成され、巻線C3,C6を収容するスロットS2、巻線C4,C5を収容するスロットS7、巻線C1,C9を収容するスロットS5および巻線C2,C10を収容するスロットS10は、それぞれスロットS1,S6とスロットS4,S9の中間の形状に形成されているので、各巻線C3〜C8を効率よく収容することができる。したがって、このアマチュアコア17では、各スロットS1〜S10へ巻装される巻線C1〜C10の占積率つまりスロットの収容スペースに対する巻線量が占める割合は高められることになり、各スロットS1〜S10に巻装される巻線C1〜C10の巻線量を増やしてこの電動モータ12の効率を向上させることができる。
このように、この電動モータ12では、アマチュアコア17は形状が相違する複数種類のスロットS1〜S10を有しているので、巻線C1〜C10の占積率を向上させて、この電動モータ12の効率を向上させることができる。
また、この電動モータ12では、最終の巻線C9を収容するS9のスロット位置基準線Lに対してスロットS10とは反対側における周方向の幅は開口側において広く形成されているので、巻線C9が引っ掛けられるティースT8の係止部43の長さは長くなっている。また、巻線C9の他方側を収容するスロットS5のスロットS6側の開口側における周方向の幅は広く形成されているので、巻線C9が引っ掛けられるティースT5の係止部43の長さは長くなっている。したがって、巻線C10は、ティースT5とティースT8との間で確実に保持されることになる。
同様に、最終の巻線C10を収容するスロットS4のスロット位置基準線Lに対してスロットS5とは反対側における周方向の幅は開口側において広く形成されているので、巻線C10が引っ掛けられるティースT3の係止部43の長さは長くなっている。また、巻線C10の他方側はスロットS10に収容されるが、このスロットS10のスロット位置基準線Lに対してスロットS1側の開口側における周方向の幅は広く形成されているので、巻線C10が引っ掛けられるティースT10の係止部43の長さは長くなっている。したがって、巻線C10は、ティースT3とティースT10との間で確実に保持されることになる。
このように、このアマチュアコア17では、最終の巻線C9,C10をアマチュアコア17に確実に保持させることができる。
図4(a)〜(c)は、それぞれ巻線の巻方向を図3とは逆にした場合を示す断面図である。
一方、このアマチュアコア17は、スロットS1,S6のスロット位置基準線Lを基準として線対称に形成されているので、巻線の両重ね巻の巻方向を図3に示す場合とは逆に反時計回りに行った場合であっても、図4に示すように、最終の巻線C9,C10をそれぞれスロットに確実に保持することができる。
つまり、図4(a)〜(c)に示すように、各巻線C1〜C10の巻方向を図3に示す場合に対して逆方向とした場合には、巻線C9,C10は、それぞれスロットS4,S9に対して、スロットS1,S6におけるスロット位置基準線Lを基準として線対称に配置されるとともに同一の形状を有するスロットS3,S8に収容されることになるので、巻線C9はT8ティースT3とティースT6との間に掛け渡され、巻線C10はティースT1とティースとの間に掛け渡される。そして、これらのティースT1,T3,T6,T8における巻線C9,C10が掛け渡される側の係止部43は長く形成されているので、これらの巻線C9,C10を、図3に示す場合と同様に、アマチュアコア17に確実に保持させることができる。
このように、この電動モータ12では、アマチュアコア17をスロットS1,S6のスロット位置基準線Lを基準として線対称に形成したので、巻線S1〜S10の巻方向をいずれの方向とした場合であっても、最終の巻線C9,C10を長く形成されたティースの係止部43に係止することができる。したがって、巻線C9,C10をアマチュアコア17に確実に保持させることができる。
また、アマチュアコア17に巻線を巻装する工程においては、巻線C1〜C10の巻方向や図示しない巻線機へのアマチュアコア17のセット方向を指定する必要が無く、このアマチュアコア17への巻線C1〜C10の巻装を容易にすることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、本発明の電動モータ12を車両のドアガラスを開閉するためのレギュレータモータ11に適用した場合を示しているが、これに限らず、たとえば、車両に設けられるリヤワイパを駆動するワイパモータなど、他の被駆動部材を駆動する用途に用いてもよい。これらの場合においても、各被駆動部材を滑らかに作動させることができ、また、電動モータ12を小型化してその搭載性や設置性を向上させることができる。
また、前記実施の形態においては、アマチュアコア17は10個のスロットS1〜S10を備えているが、これに限らず、一対の第1スロットと少なくとも二対の第2スロットを有していれば、スロット数はいくつであってもよい。たとえば、図5に示すように、ティースT11〜T16の相互間に形成される6つのスロットS11〜S16を有するアマチュアコア51としてもよく、この場合、スロットS11とスロットS14が第1スロットとなり、スロットS12,13,15,16が第2スロットとなって、スロットS11とスロットS14のスロット基準線Lを基準として線対称に形成される。また、たとえば、図6に示すように、ティースT21〜T28の相互間に形成される8つのスロットS21〜S28を有するアマチュアコア52としてもよく、この場合では、スロットS21とスロットS25とが第1スロットとなり、スロットS22,24,26,28が第2スロットとなって、スロットS21とスロットS25のスロット位置基準線Lを基準として線対称に形成される。なお、図5,図6においては前述した部材に対応した部材には同一の符号が付されている。
本発明の一実施の形態である電動モータが設けられたレギュレータモータを示す一部切り欠き断面図である。 図1に示すアマチュアコアを軸方向から見た形状を示す断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれアマチュアコアへの巻線の巻装方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ巻線の巻方向を図3とは逆にした場合を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
11 レギュレータモータ
12 電動モータ
13 減速機
14 モータハウジング
15 アマチュア
16 回転軸
17 アマチュアコア
21 軸受け
22 整流子
22a 整流子片
23,24 マグネット
25 ギヤケース
26 減速機構
27 ウォーム
28 ウォームホイル
31 回転センサ
32 センサマグネット
33 磁気センサ
34 カプラ
41 ボス部
42 基部
43 係止部
51 アマチュアコア
52 アマチュアコア
S1〜S10 スロット
C1〜C10 巻線
T1〜T10 ティース
L スロット位置基準線
T11〜T16 ティース
S11〜S16 スロット
T21〜T28 ティース
S21〜S28 スロット

Claims (2)

  1. 磁気エネルギを介して電機エネルギを機械エネルギに変換する電動モータであって、
    モータハウジングに回転自在に支持される回転軸と、
    前記回転軸に固定されるボス部と、それぞれ前記ボス部から突出する基部および前記基部の先端から周方向両側に延びる係止部を備えた複数のティースとが設けられたアマチュアコアと、
    前記モータハウジングの内面に前記アマチュアコアに対向して固定されるマグネットと、
    それぞれ所定数の前記ティースを隔てた一対のティース間に巻装され、前記ティースの相互間に形成されるスロット内に収容される複数の巻線とを有し、
    底部側における周方向の幅と開口側における周方向の幅とが略同一であるとともにスロット位置基準線に対して略対称に形成され、互いに前記回転軸を中心として点対称に配置される一対の第1スロットと、
    それぞれ一方の前記第1スロットと他方の前記第1スロットの両隣に配置され、それぞれスロット位置基準線に対して前記第1スロット側における周方向の幅が底部側において前記第1スロットより狭く、開口側において前記第1スロットより広く形成された少なくとも二対の第2スロットとで前記スロットを構成し、
    前記アマチュアコアを前記第1スロットのスロット位置基準線を基準として線対称に形成したことを特徴とする電動モータ。
  2. 請求項1記載の電動モータにおいて、それぞれの前記ティースにおける前記基部の周方向の幅を略同一に形成するとともに、それぞれの前記ティースにおける前記係止部の周方向の幅を略同一に形成したことを特徴とする電動モータ。
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