JP4450821B2 - 低アレルゲン化ローヤルゼリーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低アレルゲン化ローヤルゼリーの製造方法に関する。
ローヤルゼリーは、有用な天然素材であるが、一方でアレルギー反応を引き起こす場合があることが知られている。
低アレルゲン化ローヤルゼリーとしては、ローヤルゼリーに、糖分解酵素処理及び蛋白質分解酵素処理を施すことにより、実質的に発現されない程度にアレルギー性を低減させた低アレルゲン化ローヤルゼリーが知られている(特許文献1参照)。特許文献2には、エンド型中性ぺプチダーゼを用いてローヤルゼリーのアレルギー性を低減させることが開示されている。しかしながら、これらの方法で酵素処理されたローヤルゼリーは依然としてアレルギー性を有するため、さらにアレルギー性を低減されたローヤルゼリーが求められている。
特許文献3は、食物アレルギーの原因となるタンパク質をエンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼの両方で処理することが記載されている。
特開2002−112715号公報 特開2005−287411号公報 特開2001−333794号公報
本発明は、ローヤルゼリーが有する有用な生理活性の低下を抑えつつアレルギー性を低減させた低アレルゲン化ローヤルゼリーの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために検討を重ねた結果、ローヤルゼリーを少なくともエンドペプチダーゼ作用を有する酵素と少なくともエキソペプチダーゼ作用を有する酵素で処理することにより、意外にもローヤルゼリーの有用な生理活性を維持しつつ、アレルギー性をさらに低減させた低アレルゲン化ローヤルゼリーが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の低アレルゲン化ローヤルゼリーの製造方法を提供するものである。
1. アレルギー性が低減されたローヤルゼリーの製造方法であって、ローヤルゼリーを少なくともエンドペプチダーゼ作用を有する酵素と少なくともエキソペプチダーゼ作用を有する酵素の2種類以上の酵素を用い、これら酵素を同時にあるいは逐次的に用いて処理することを特徴とする、方法。
2. ローヤルゼリーをエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方の作用を有する少なくとも1種の酵素およびエキソペプチダーゼで同時にあるいは逐次的に処理することを特徴とする、項1に記載の方法。
3. ローヤルゼリーをエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方の作用を有する少なくとも1種の酵素およびエンドペプチダーゼで同時にあるいは逐次的に処理することを特徴とする、項1に記載の方法。
本発明によれば、ローヤルゼリーの有用性の維持とアレルギー性の低減という、両立することが困難な課題を解決することができた。
タンパク質をペプチダーゼ処理する場合、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用を併用すると、ペプチドの内部と末端の両方で徹底的に切断されることになる。特許文献3のように食物アレルギーの原因タンパク質の抗原性をなくしたい場合、このような方法でタンパク質を処理しても問題はないが、ローヤルゼリーのような有用物質についてエンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼを併用すれば生理活性が大幅に低下あるいは消滅することが考えられる。
ところが、本発明によれば、少なくともエンドペプチダーゼ作用を有する酵素と少なくともエキソペプチダーゼ作用を有する酵素の併用により抗原性が低下できるだけでなく、有用な生理活性を維持するという予測できない結果が得られた。
すなわち、本発明のローヤルゼリー処理物は、後記実験例に示すように、主な生理活性成分といわれているデセン酸含量の損失は見られない上に、降圧作用や抗うつ作用を示し、さらに抗原性が顕著に抑制されている、という優れた作用効果を奏するという特徴を持つものである。
特にエンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼの両方の作用を有する酵素でローヤルゼリーを処理後、さらにエキソペプチダーゼで処理することにより、さらに抗原性が低下し、有用な生理活性が維持されたローヤルゼリー処理物が得られる。
以下において、ローヤルゼリーを「RJ」と略記する。
RJは、蜜蜂のうち日齢3〜12日の働き蜂が下咽頭腺及び大腮腺から分泌する分泌物を混合して作る乳白色のゼリー状物質である。RJ中の主な生理活性成分としては、例えば、RJに特有な10−ハイドロキシデセン酸(以下、デセン酸と記載する)等の有機酸類をはじめ、蛋白質、脂質、糖類、ビタミンB類や葉酸、ニコチン酸、パントテン酸等のビタミン類、各種ミネラル類等が挙げられる。このRJの生理活性や薬理作用としては、抗菌作用、免疫増強作用、抗うつ作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用、血流量増加作用等が知られている。また、制癌剤の副作用低減や放射線傷害時の延命効果も報告されている。
低アレルゲン化RJの製造に用いられる原料としては、生RJ又は生RJを乾燥させて粉末化したRJ粉末が使用され得る。RJの産地は、日本、中国、ブラジル、ヨーロッパ諸国、オセアニア諸国、アメリカ等いずれであってもよい。
本発明では、RJ原料をエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用で同時にあるいは逐次的に処理する。
本発明で使用するエンドペプチダーゼとしては、少なくともエンドペプチダーゼ活性を有する蛋白質分解酵素であれば如何なるものであってもよく、動物由来(例えば、トリプシン、キモトリプシン等)、植物由来(例えば、パパイン等)、又は微生物由来(例えば、乳酸菌、酵母、カビ、枯草菌、放線菌等)のエンドペプチダーゼを広く例示することができる。
エキソペプチダーゼとしては、少なくともエキソペプチダーゼ活性を有する蛋白質分解酵素であれば如何なるものであってもよく、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、若しくは微生物由来(例えば、乳酸菌、アスペルギルス属菌、リゾープス属菌等)のエキソペプチダーゼ、又はエンドペプチダーゼ活性も併せて有するパンクレアチン、ペプシン等を例示することができる。
ペプチダーゼは、実質的にエキソペプチダーゼ作用のみを有する酵素、実質的にエンドペプチダーゼ作用のみを有する酵素、エキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用の両方を有する酵素が存在する。これらのうち、エキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用の両方を有する酵素は、エンドペプチダーゼ作用が強力な場合には、「エンドペプチダーゼ」として使用可能であり、エキソペプチダーゼ活性が強力な場合には、「エキソペプチダーゼ作用」として使用可能であり、エキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用が同等またはほぼ同等の場合には、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用を同時に有する酵素として使用可能である。
このような各種酵素の内、エキソペプチダーゼ活性とエンドペプチダーゼ活性の両方を有する酵素の好ましい例としては、例えばストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)産生ペプチダーゼ(商品名:アクチナーゼAS)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼA、フレーバーザイム)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼP)が、またエキソプロテアーゼ作用を有する酵素の好ましい例としては、例えばアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)産生ペプチダーゼ(商品名:ウマミザイムG、Promod 192P、Promod 194P、スミチームFLAP)、アスペルギルス・ソーエ(Aspergillus sojae)産生ペプチダーゼ(商品名:Sternzyme B15024)、アスペルギルス属産生ペプチダーゼ(商品名:コクラーゼP)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)産生ペプチダーゼ(商品名:ペプチダーゼR)を挙げることができる。さらにエンドプロテアーゼ作用を有する酵素の好ましい例としては、例えばバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)産生ペプチダーゼ(商品名:オリエンターゼ22BF、ヌクレイシン)、バチルス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)産生ペプチダーゼ(商品名:アルカラーゼ)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼS)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)産生ペプチダーゼ(商品名:ニュートラーゼ)、バチルス属産生ペプチダーゼ(商品名:プロタメックス)を挙げることができる。
本発明によるRJ原料の酵素処理は、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を組み合わせて行う。その実施形態としては、例えば以下の方法が例示される:
(1)エンドペプチダーゼにより処理後、エキソペプチダーゼにより処理する;
(2)エンドペプチダーゼにより処理後、エンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼの両方の作用を有する酵素により処理する;
(3)エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼの両方の作用を有する酵素により処理後、エキソペプチダーゼ(さらにエンドペプチダーゼ作用を有していてもよい)により処理する;
(4)エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼの両方の作用を有する酵素とエンドペプチダーゼ(さらにエキソペプチダーゼ作用を有していてもよい)の両方により同時に処理する。
すなわち、本発明における酵素処理は2種以上の酵素を用い、一段階反応もしくは2段階酵素反応で実施され、これにより優れた低アレルゲン化作用を奏する。酵素処理を2段階で行う場合、第1段階ではエンドペプチダーゼ作用を有する酵素(エキソペプチダーゼ作用をさらに有していてもよい)で処理し、第2段階ではエキソペプチダーゼ作用を有する酵素(エンドペプチダーゼ作用をさらに有していてもよい)で処理する。エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼの両方の作用による処理が第1段階である場合、エンドペプチダーゼ作用が十分強いことが好ましく、第2段階である場合、エキソペプチダーゼ作用が十分強いことが好ましい。
エンドペプチダーゼ作用は、1つの酵素のエンドペプチダーゼ作用であってもよく、2以上の酵素のエンドペプチダーゼ作用の総和であってもよい。同様に、エキソペプチダーゼ作用は、1つの酵素のエキソペプチダーゼ作用であってもよく、2以上の酵素のエキソペプチダーゼ作用の総和であってもよい。
RJ原料に対するエンドペプチダーゼ/エキソペプチダーゼの使用量は、RJ原料濃度、酵素力価、反応温度及び反応時間により異なるが、一般的には、RJ原料蛋白質1g当り50〜10000作用単位の割合で酵素を単独、又は複数組み合わせて添加することにより加水分解が行われる。尚、酵素の添加は、一度に添加してもよく、少量ずつ分割して添加してもよい。
ペプチダーゼ処理されるRJ原料のpHは、使用酵素の至適pHに対応して、pH2〜10の範囲から選択される。具体的には、前記ペプチダーゼ溶液に酵素を添加する前に、使用酵素の種類によりpH2〜10の範囲内で酸又はアルカリ剤、あるいは緩衝剤の添加により所望のpHに調整することにより実施される。この場合、酸としては塩酸、クエン酸、リン酸等を、また、アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等、緩衝剤としては、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤などをそれぞれ例示することができる。
ペプチダーゼ処理の温度は、特に制限はなく、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供せられ得る範囲、即ち、通常30〜70℃の範囲から選択される。温度をペプチダーゼの至適温度より低温又は高温、例えば50〜60℃の範囲に維持することによりペプチダーゼ処理工程での腐敗を防止することもできる。
ペプチダーゼ処理の時間は、使用酵素の種類及び組合せ、反応温度、pH等の反応条件に依存し、特に限定されない。
ペプチダーゼ処理の停止は、ペプチダーゼを失活又は除去することにより行う。失活操作は加熱処理(例えば、85℃で15分間等)により行うことができる。
以下、本発明を実施例に従いより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
生RJ200gを500mlビーカーに量りとり、イオン交換水100mlを加えて均一になるまで攪拌してRJ希釈液を調製した。2N NaOH水溶液を加えてRJ希釈液のpHを8.7〜8.9に調整した。次に、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)2g、エキソペプチダーゼであるウマミザイムG(天野エンザイム)1gをイオン交換水20mlに溶かした溶液をRJ希釈液に加え、さらにイオン交換水を、イオン交換水の全量が200mlになるように加えた。反応混合物をプロペラで撹拌しながら50℃(恒温水槽)で4時間反応させて、加水分解を行った。恒温水槽の温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷した。
実施例2
生RJ3gを50ml三角フラスコに量りとり、イオン交換水1mlを加えて均一になるまで攪拌してRJ希釈液を調製した。10N NaOH水溶液を加えてRJ希釈液のpHを7.8〜8.0に調整した。次に、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)30mgと、同様にエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するフレーバーザイム(ノボザイムズ)15mgをそれぞれRJ希釈液に加え、さらにイオン交換水を、イオン交換水の全量が3mlになるように加えた。反応混合物を、恒温水槽で振とうしながら40℃にて16時間反応させて、加水分解を行った。恒温水槽の温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷した。
実施例3
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)30mg、エンドペプチダーゼ作用を有するプロタメックス(ノボザイムズ)30mg、さらにエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するフレーバーザイム(ノボザイムズ)30mgを使用した以外は実施例1と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例4
酵素として、アクチナーゼASとフレーバーザイムに代えて、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するプロテアーゼP(天野エンザイム)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例5
酵素として、アクチナーゼASとフレーバーザイムに代えて、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するプロテアーゼA(天野エンザイム)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例6
酵素として、アクチナーゼASとフレーバーザイムに代えて、エンドペプチダーゼ作用を有するオリエンターゼ22BF (エイチビイアイ)と、エキソペプチダーゼ作用を有するウマミザイムG (天野エンザイム)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例7
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、同様にエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するプロテアーゼA(天野エンザイム)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例8
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エキソペプチダーゼ作用を有するSternzyme B15024 (SternEnzyme)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例9
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エンドペプチダーゼ作用を有するプロタメックス(ノボザイムズ)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例10
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エンドペプチダーゼ作用を有するオリエンターゼ22BF (エイチビイアイ)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例11
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するフレーバーザイム(ノボザイムズ)と、エンドペプチダーゼ作用を有するアルカラーゼ(ノボザイムズ)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例12
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するフレーバーザイム(ノボザイムズ)と、エンドペプチダーゼ作用を有するプロタメックス(ノボザイムズ)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例13
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エンドペプチダーゼ作用を有するアルカラーゼ(ノボザイムズ)、さらにエキソペプチダーゼ作用を有するPromod194P (Biocatalysts)を使用した以外は実施例1と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例14
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エンドペプチダーゼ作用を有するプロタメックス(ノボザイムズ)、さらにエキソペプチダーゼ作用を有するPromod192P (Biocatalysts)を使用した以外は実施例1と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例15
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エンドペプチダーゼ作用を有するプロタメックス(ノボザイムズ)、さらにエキソペプチダーゼ作用を有するPromod194P (Biocatalysts)を使用した以外は実施例1と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例16
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エンドペプチダーゼ作用を有するプロタメックス(ノボザイムズ)、さらにエキソペプチダーゼ作用を有するウマミザイムG (天野エンザイム)を使用した以外は実施例1と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例17
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エンドペプチダーゼ作用を有するプロタメックス(ノボザイムズ)、さらにエンドペプチダーゼ作用を有するアルカラーゼ(ノボザイムズ)を使用した以外は実施例1と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例18
酵素として、エンドペプチダーゼ作用を有するニュートラーゼ(ノボザイムズ)と、エキソペプチダーゼ作用を有するコクラーゼP(三京ライフテック)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例19
酵素として、エンドペプチダーゼ作用を有するヌクレイシン(エイチビイアイ)と、エキソペプチダーゼ作用を有するペプチダーゼR (天野エンザイム)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実施例20
酵素として、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)と、エキソペプチダーゼ作用を有するスミチームFLAP (新日本化学工業)を使用した以外は、実施例2と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
比較例1
酵素として、エンドペプチダーゼであるプロテアーゼN(天野エンザイム)とβ−マンノシダーゼ(新日本化学工業社製スミチームACH)を使用した以外は、実施例1と同様にして、エンドペプチダーゼとβ−マンノシダーゼで処理されたRJ酵素分解物を得た。
比較例2
酵素として、アクチナーゼASとウマミザイムGに代えて、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)を使用した以外は実施例1と同様にして、RJ酵素分解物を得た。
実験例1
<ローヤルゼリーのペプチダーゼ処理物の抗原タンパク消失の確認>
実施例1〜20で得られた分解物について、イムノブロットを行い、抗原タンパク質の消失を確認した。各サンプルを3×サンプルバッファー(187.5 mM トリス塩酸pH 6.8, 6% SDS, 75%グリセロール, 0.03%ブロモフェノールブルー, 1.5M 2-メルカプトエタノール)にて3倍希釈し、95℃にて5分間加熱した。その後、15%アクリルアミドゲルを用いてSDS-PAGEを行なった。分子量マーカーとしてSDS-PAGE Standards, Low Range(BIO RAD社)を用いた。ゲル上に展開したタンパク質を、セミドライ式ブロッティング装置にてPVDFメンブレン(BIO RAD社)に転写し、ブロッキングバッファー (2% スキムミルク, 10mM トリス塩酸pH 7.5, 100mM 塩化ナトリウム, 0.05% トゥイーン20) に浸して室温で1時間振とうした。その後、メンブレンを、ブロッキングバッファーにて希釈した患者血清に浸し、4℃に一晩静置した。更にブロッキングバッファーにて希釈した抗ヒトIgE抗体(KPL社)に浸して37℃に1時間静置した。最後に、ECL plus キット (Amersham LIFE SCIENCE社)を用いて、付属のプロトコールに従い調製した発光液にメンブレンを浸して、ECL Mini-Camera (Amersham LIFE SCIENCE社)にかけて検出した。
試験した全てのサンプルについて、患者血清と反応する抗原タンパク質が消失していることを、目視にて確認した。
なお、血清提供者には本試験内容を記載した説明書を配布し、試験の趣旨及び内容を十分に説明した上で、本人の自由意志により参加する旨の同意書を得た者から得た血清のみ、本試験に用いた。
実験例2
<ヒスタミン遊離試験>
未処理RJ、実施例1、比較例1〜2で得たRJ酵素分解物、アレルゲンmix(陽性コントロール)、抗IgEレセプター抗体(陽性コントロール)について、CAST法(cellular antigen stimulation test)によって、遊離するヒスタミン量を測定した。
具体的には、生RJに対してアレルギー反応を経験したことのある被験者の血液サンプルに対し、生RJまたはその酵素加水分解物あるいは陽性コントロールを作用させて、遊離するヒスタミン量を測定した。被験者には、本試験内容を記載した説明書を配布し、試験の趣旨及び内容を十分に説明し、被験者本人の自由意志により参加する旨の同意書を得た者に対してのみ、本試験を行った。
遊離ヒスタミンの測定は、市販のELISAキット(Histamine ELISA (IMMUNO-BIOLOGICAL LABORATORIES社製)を用いて行った。なお、アレルゲンmixは下記のアレルゲンを含む。
アレルゲンmix:カモガヤ、ホロハウシノケグサ、ホソムギ、オオアワガエリ、ナガハグサ、シラゲガヤ、ライムギ、シラカンバ、ハシバミ、ヨモギ、ヘラオオバコ、アルテルナリア、ヤケヒョウダニ、コナヒョダニ、ノコジョウヒ、イヌジョウヒ、卵白、ミルク、タラ、ピーナッツ、大豆。
結果を表1及び図1に示す。
Figure 0004450821
表1及び図1中のEC50(50 % effective concentration)は、最大値の50%のヒスタミンを遊離させる試験物質の濃度を意味する。
上記の結果から、少なくともエンドペプチダーゼ作用を有する酵素と少なくともエキソペプチダーゼ作用を有する酵素を併用することにより、RJの抗原性を有効に低下させ得ることが明らかになった。
実験例3
<酵素処理RJのデセン酸量>
実施例1のサンプルについて、逆相カラムを用いたHPLCにてデセン酸量の測定を行なった。HPLC条件は、カラム;YMC-Pack ODS-AM(内径4.6mm、長さ150mm)、移動相;10mMリン酸緩衝液とメタノールの混合液(56:44, pH2.6)、流速;1ml/分、検出波長;210nmであった。結果を表2に示す。
Figure 0004450821
酵素処理(実施例1)によるデセン酸量の低下は見られなかった。
実験例4
<酵素処理RJによるACE阻害>
実施例1および比較例で得たRJ酵素分解物について、ACE阻害作用を測定した。
○ 試薬の調製
ホウ酸緩衝液(pH8.3):200 mM ホウ酸(H3BO3)、50 mM 四ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7)
基質溶解液:200 mM ホウ酸(H3BO3)、50 mM 四ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7)、1 M 塩化ナトリウム(NaCl)
基質溶液:Bz-Gly-His-Leu・H2O(ペプチド研究所)を基質溶解液に溶解して12.5 mMとした。
酵素溶液:ウサギ肺由来のアンジオテンシン変換酵素(Sigma)をホウ酸緩衝液に溶解して25 mU/mLとした。
○ 実験操作
試料溶液25 μL に酵素溶液を50 μL加えて撹拌し、37 ℃にて5分間静置した。更に基質溶液を50 μL 加えて撹拌し、37 ℃にて1時間静置した。この液に0.5 N 塩酸溶液を125 μL 加えて撹拌し、反応を停止させたものを試験液とした。一方、試料溶液25 μL 、酵素溶液50 μL、 0.5 N 塩酸溶液125 μLを混合して37 ℃に5分間静置した後、基質溶液を50 μL 加えて撹拌し、37 ℃にて1時間静置したものをブランク液とした。その後、試験液およびブランク液に酢酸エチルをそれぞれ750 μLずつ加え、ボルテックスを用いて15秒間激しく撹拌した後、遠心分離(室温、2,000 rpmにて10分間)し、上層(酢酸エチル層)をそれぞれ250 μL ずつ分取した。減圧加熱乾燥法により酢酸エチルを完全に除去した後、析出物を1 M塩化ナトリウム溶液500 μLに溶解した。別に、試料溶液の代わりに精製水を用いて同様に操作した液を対照液とした。これらの液につき、紫外可視吸光光度測定法にて波長228 nm における吸光度を測定した。
・ ACE阻害率の算出
Figure 0004450821
Ac:試料溶液の代わりに水を加えて操作した液の吸光度
As:試料溶液の吸光度
Abc:試料溶液の代わりに水を加えて操作した液のブランク液の吸光度
Abs:試料溶液のブランク液の吸光度
結果を表3及び図2に示す。
Figure 0004450821
実施例1処理RJは、比較例処理RJよりも高いACE阻害作用が認められた。
酵素処理RJによるヒスタミン遊離の試験結果 酵素処理RJによるACE阻害作用の比較

Claims (3)

  1. アレルギー性が低減されたローヤルゼリーの製造方法であって、ローヤルゼリーを少なくともエンドペプチダーゼ作用を有する酵素と少なくともエキソペプチダーゼ作用を有する酵素の2種類以上の酵素を用い、これら酵素を同時にあるいは逐次的に用いて処理することを特徴とする、方法。
  2. ローヤルゼリーをエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方の作用を有する少なくとも1種の酵素およびエキソペプチダーゼで同時にあるいは逐次的に処理することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ローヤルゼリーをエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方の作用を有する少なくとも1種の酵素およびエンドペプチダーゼで同時にあるいは逐次的に処理することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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