JP2008137968A - ローヤルゼリーアレルゲンタンパク質のエピトープ、その検出用キット、該アレルゲンフリーのローヤルゼリーとその製法 - Google Patents

ローヤルゼリーアレルゲンタンパク質のエピトープ、その検出用キット、該アレルゲンフリーのローヤルゼリーとその製法 Download PDF

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達哉 森山
Hideo Yamada
英生 山田
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健 橋本
Seiji Okihara
清司 沖原
Tomoko Sugano
智子 菅野
Miyako Yanagihara
美弥子 柳原
Mitsuko Yukiyoshi
晃子 雪吉
Tomomoto Tatefuji
智基 立藤
Yosuke Nakayama
洋輔 中山
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Abstract

【課題】ローヤルゼリーのアレルギー反応に関与するエピトープを同定する。
【解決手段】以下のいずれかのアミノ酸配列の5個以上の連続するアミノ酸を有するローヤルゼリー由来のタンパク質のエピトープ配列:
エピトープ1 :NILRGESLNK
エピトープ71 :LNVISKKVGD
エピトープ76 :KKVGDGGPLL
エピトープ156:AVNATTGKGR
エピトープ161:TGKGRLSSLA
エピトープ216:PKFTKMTIDG
エピトープ286:QSSAKVVSKS
エピトープ291:VVSKSGVLFF
エピトープ356:REYILVLSNK
エピトープ361:VLSNKMQKMV
【選択図】図3

Description

本発明は、ローヤルゼリーアレルゲンタンパク質のエピトープ、その検出用キット、該アレルゲンフリーのローヤルゼリーとその製法に関する。
ローヤルゼリーは、有用な天然素材であるが、一方でアレルギー反応を引き起こす場合があることが知られている。
低アレルゲン化ローヤルゼリーとしては、ローヤルゼリーに、糖分解酵素処理及びプロテアーゼ処理を施すことにより、実質的に発現されない程度にアレルギー性を低減させたとする低アレルゲン化ローヤルゼリーが知られている(特許文献1参照)。
しかし、この技術で酵素処理されたローヤルゼリーは、未処理のローヤルゼリーよりは低アレルゲン化されているものの、ごく稀にアレルギー反応を引き起こす場合があり、アレルギー反応を完全に抑制するためには、ローヤルゼリーのうち、アレルギー反応に関与する成分を同定し、その成分のエピトープを決定することが重要である。ローヤルゼリーのアレルギー反応に関与するエピトープが同定されれば、ローヤルゼリーの酵素分解物(ペプチド断片)中の該エピトープの数を1個以下にする酵素処理条件を決定することができ、ローヤルゼリーのアレルギー反応を完全に抑制することができる。
特開2002-112715号公報
本発明は、ローヤルゼリーのアレルギー反応に関与するエピトープを同定することを目的とする。
また本発明は、該エピトープを指標としたアレルギー反応性検出キットを提供することを目的とする。
さらに本発明は、アレルゲンフリーのローヤルゼリーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題に鑑み検討を重ね、ローヤルゼリー(以下、「RJ」と略す)タンパクにおけるアレルゲンエピトープは、主にMRJP(Major Royal Jelly Protein)-1(分子量 55 kDa)上にあることを明らかにした。RJの主要なタンパク質であるMRJP-1のエピトープを5残基ドリフト法(MRJP-1の1番目〜10番目の10アミノ酸配列から始まり、5残基ずつオーバーラップさせた10アミノ酸配列(6〜15番目、11〜20番目、16〜25番目,……………を作製し、その抗原性を確認する方法)により同定した。
また、MRJP-1の該エピトープを認識可能な抗体(特にローヤルゼリーにアレルギー反応を有するヒト血清/血漿中のIgE抗体)を用いて、RJ酵素分解物のエピトープを検出することにより、アレルゲンフリーのRJ酵素分解物を確認することができた。
さらに、該エピトープを認識する抗体をアレルギー反応の指標として用いることで、アレルギーに関与するエピトープが1つのペプチド断片中に1個以下である、換言すれば、アレルゲンフリーのRJ酵素分解物を得ることに成功した。
本発明は、以下のローヤルゼリーアレルゲンタンパク質のエピトープ、その検出用キット、該アレルゲンフリーのローヤルゼリーとその製法を提供するものである。
1. 以下のいずれかのアミノ酸配列の5個以上の連続するアミノ酸を有するローヤルゼリー由来のタンパク質のエピトープ配列:
エピトープ1 :NILRGESLNK
エピトープ71 :LNVISKKVGD
エピトープ76 :KKVGDGGPLL
エピトープ156:AVNATTGKGR
エピトープ161:TGKGRLSSLA
エピトープ216:PKFTKMTIDG
エピトープ286:QSSAKVVSKS
エピトープ291:VVSKSGVLFF
エピトープ356:REYILVLSNK
エピトープ361:VLSNKMQKMV
2. 以下のいずれかのアミノ酸配列を含むローヤルゼリー由来のタンパク質のエピトープ:
(1) R****NK (式中、*は任意のアミノ酸を示す)(エピトープ1)
(2) KKVGD(エピトープ71)
(3) TGKGR(エピトープ156)
(4) PKFTKMTIDGまたは5個以上の連続するアミノ酸からなるその部分ペプチド(エピトープ216)
(5) KVVSKS(エピトープ286)
(6) VLSNK(エピトープ356)
3. 項1及び2に示した配列を含むMRJP-1(Major Royal Jelly Protein-1)タンパク、及び項1及び2に示した配列を認識する抗体に反応するMRJP-2, MRJP-3, MRJP-4, MRJP-5, MRJP-6, MRJP-7, MRJP-8, MRJP-9の配列。
4. ローヤルゼリー製品(ローヤルゼリーまたはその分解物)に含まれる項1または2に記載のエピトープに対する抗体を含むアレルギー反応性検出用キット。
5. エピトープ含有ポリペプチドの捕捉用抗体と検出用抗体として、以下の抗体の組み合わせを有する、項4に記載のキット。
Figure 2008137968
(表中、抗MRJP-1抗体は、完全長MRJP-1を抗原として作製した)。
6. 捕捉用抗体として抗エピトープ71抗体、検出用抗体として抗エピトープ1抗体を含む、項4に記載のキット。
7. ローヤルゼリーを項1または2に記載のエピトープを切断するか、或いはエピトープそのものを分解し得なくても、1つの分解されたペプチド断片においてエピトープが1個以下含まれるように切断可能な加水分解酵素を用いて処理することを特徴とする、アレルゲンフリーのローヤルゼリー酵素分解物の製造方法。
8. 前記加水分解酵素が、動物由来、植物由来、微生物由来のエンドペプチダーゼまたはエキソペプチダーゼからなる群から選択される、項7に記載の方法。
9. 加水分解酵素の処理物を限外ろ過する工程をさらに包含する項7または8に記載の方法。
10. 限外ろ過工程に使用する限外ろ過膜のカットオフ値が1 kDa〜30kDaである項7に記載の方法。
11. RJをタンパク加水分解酵素にて処理した後、加水分解酵素処理物から項1または2記載のエピトープを除去する限外ろ過処理をすることを特徴とする、アレルゲンフリーのRJ酵素分解物の製造方法。
12. 前記加水分解酵素が、動物由来、植物由来、微生物由来のエンドペプチダーゼまたはエキソペプチダーゼからなる群から選択される、項11に記載の方法。
13. 限外ろ過工程に使用する限外ろ過膜のカットオフ値が1 kDa〜30kDaである項11に記載の方法。
14. 項1または2に記載のエピトープを、酵素分解された1つのペプチド断片あたり1個以下含むアレルゲンフリーのローヤルゼリー酵素分解物。
15. 項1または2に記載のエピトープに対する抗体をローヤルゼリー製品(ローヤルゼリーまたはその分解物)と反応させ、抗原抗体反応の有無ないし程度を評価することを特徴とするローヤルゼリー製品のアレルギー性の評価方法。
本発明によれば、RJのアレルギー反応に関与するエピトープを同定することができた。このエピトープを特異的に認識する抗体を用いることにより、アレルゲンフリーのRJ酵素分解物を得ることができる。すなわち、エピトープを特異的に認識する抗体を用いて、種々酵素によりRJを処理し、各酵素処理サンプルを該抗体と反応させることで、エピトープの有無を確認できるため、エピトープを完全に分解するか、1つの酵素分解ペプチド断片中にエピトープを2個以上含まない処理条件を決定することができる(エピトープが2つ以上存在するペプチドが2つのIgE抗体と反応し、肥満細胞上の2つのIgE受容体に結合する。その結果、それらのIgE受容体が架橋することで、肥満細胞からのヒスタミン遊離を引き起こす)。アレルゲンフリーの酵素分解物を得るために、プロテアーゼなどによる酵素分解物に対し、さらに限外ろ過などのさらなる処理を行ってもよい。
RJの抗原性はプロテアーゼ処理により低減できることが知られているが、標的となるエピトープが見つかったことで、過剰な酵素処理を行うことなく、RJの活性を残しながらアレルギー反応のみを抑制することができる。
RJは、蜜蜂のうち日齢3〜12日の働き蜂が下咽頭腺及び大腮腺から分泌する分泌物を混合して作る乳白色のゼリー状物質である。RJ中の主な生理活性成分としては、例えば、RJに特有な10-ハイドロキシデセン酸(以下、デセン酸と記載する)等の有機酸類をはじめ、蛋白質、脂質、糖類、ビタミンB類や葉酸、ニコチン酸、パントテン酸等のビタミン類、各種ミネラル類等が挙げられる。このRJの生理活性や薬理作用としては、抗菌作用、免疫増強作用、抗うつ作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用、血流量増加作用等が知られている。また、制癌剤の副作用低減や放射線傷害時の延命効果も報告されている。
エピトープの反応性を抑制したアレルゲンフリーRJの製造に用いられる原料としては、生RJ又は生RJを乾燥させて粉末化したRJ粉末が使用され得る。RJの産地は、日本、中国、ブラジル、ヨーロッパ諸国、オセアニア諸国、アメリカ等いずれであってもよい。
本発明者は、RJを分画し、アレルギー患者より採取したIgE抗体との反応性を調べることで、主要なアレルギーエピトープはRJのMRJP(Major Royal Jelly Protein)-1(分子量 55kDa)上にあることを明らかにした。RJの主要なタンパク質であるMRJP-1(413アミノ酸)について、5残基ドリフト法(MRJP-1の1番目〜10番目の10アミノ酸配列から始まり、5残基ずつオーバーラップさせた合計82種の10アミノ酸配列からなるペプチド(6〜15番目、11〜20番目、16〜25番目,……………406〜413番目;最後のみは8アミノ酸配列)を作製し、その抗原性を確認する方法)に従い、10残基のペプチドを製造し、各10残基のペプチドをRJアレルギー経験を有する複数のヒト血清のIgEとの反応性を調べることにより、IgEと結合し、エピトープ候補となり得る以下の10種類のペプチドを同定した。
1 :MRJ1-1 :NILRGESLNK
15:MRJ1-71 :LNVISKKVGD
16:MRJ1-76 :KKVGDGGPLL
32:MRJ1-156:AVNATTGKGR
33:MRJ1-161:TGKGRLSSLA
44:MRJ1-216:PKFTKMTIDG
58:MRJ1-286:QSSAKVVSKS
59:MRJ1-291:VVSKSGVLFF
72:MRJ1-356:REYILVLSNK
73:MRJ1-361:VLSNKMQKMV
なお、左側の数字は、5残基ドリフト法に従い製造した82個の10残基ペプチドに、N末端側から順に通し番号をつけたものである。MRJ1-156とMRJ1-161、MRJ1-286とMRJ1-291、MRJ1-356とMRJ1-361は、各々5残基が共通する、隣接する10残基ペプチドであり、これらについては、共通する5残基あるいはそれを含む部分がエピトープ候補と考えられる。
また、隣接する10残基ペプチドがエピトープを含まない場合(MRJ1-1、MRJ1-216)には、該10残基ペプチドの5個以上の連続するアミノ酸からなるペプチドがエピトープとして含有されると考えられる。この場合、MRJ1-1, 216のC末端側5残基と、MRJ1-216のN末端側5残基は、前または後の10残基が抗体と反応しなかったことからエピトープではなく、その他の連続する5残基がエピトープであると考えられる。
本明細書において、「エピトープ」とは、配列番号17のMRJP-1蛋白質の5残基以上の連続するアミノ酸配列を有し、かつRJアレルギー患者の血清IgEが結合するペプチドを意味し、例えば5残基から10残基前後、特に5残基から8残基前後の連続するアミノ酸配列を有するペプチドを意味する。従って、5残基以上のエピトープは、該エピトープに連続する1残基から5残基前後のアミノ酸をさらに連結した10残基前後までのペプチドを包含する。
6種のエピトープ1, 71, 156, 216, 286, 356は、RJおよびRJ酵素分解物のエピトープであると考えられる。また,RJのエピトープは、上記10種類の10残基ペプチドに含まれるため、このようなエピトープの少なくとも1種を確実に加水分解できれば、それだけでアレルギー反応は軽減できる。また、アレルギー反応を惹起するためには、1つのRJ酵素処理ペプチドに2以上のエピトープが存在し、該ペプチドに2つ以上の抗体が結合することが必要となるため、1つの酵素処理ペプチド中にエピトープが1個以下になるように酵素分解すれば、アレルギー反応は抑制できる。
ローヤルゼリー由来の蛋白質としては、MRJP-1以外にMRJP-2〜MRJP-9が知られており、そのアクセッション番号等を以下に示す。
MRJP-2:
O77061
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=20138892

MRJP-3:
Q17060
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=20138953

MRJP-4:
Q17061
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=20138954

MRJP-5:
O97432
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=20138902

MRJP-6:
NP_001011622
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=58585188

MRJP-7:
NP_001014429
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=62198227

MRJP-8:
NP_001011564
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=58585070

MRJP-9:
NP_001019868
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/viewer.fcgi?db=protein&val=67010041
上記のデータベースの配列から明らかなように、MRJP1〜MRJP-9の蛋白質は相同性が高く、本発明で得られたMRJP-1、そのエピトープに対する抗体は、MRJP2〜MRJP-9を認識し得る。
RJは、抗うつ作用、抗菌作用、免疫増強作用、抗腫瘍作用などの各種の薬理作用が確認されており、本発明で同定されたエピトープを効率的に分解ないしそのエピトープ機能を抑制することで、有用な薬理作用を残しつつ、RJのアレルギー作用を抑制することができる。
本発明者は、さらに、上記の6種類のエピトープ(1, 71, 156, 216, 286, 356)に対する抗体を作製し、さらに抗MRJP-1を必要に応じて使用して、RJアレルギー反応性検出用キットを作製した。
該キットは、免疫学的にRJまたはその分解物、特にプロテアーゼによる分解物について、エピトープの有無を検出し、RJまたはその分解物によるアレルギー反応を事前に予測するためのものである。
該キットがあれば、RJまたはその分解物(特にプロテアーゼ分解物)などのRJ製品がアレルギー反応を惹起する可能性があるのかを正確に評価することができる。あるいは、該キットを使用すれば、RJ製品摂取後のヒト被験者において、アレルギー反応がRJ製品により生じる/生じた可能性を評価することができる。
該キットは、免疫学的にRJ製品のアレルギー反応性を検出するためのものであり、前記エピトープに対する抗体を含むものである。本発明のキットにおけるRJエピトープの検出原理は、エンザイムイムノアッセイ(EIA)法、イムノブロッティング法、ドットブロット法、イムノクロマト法、マルチ蛍光マイクロビーズ法等の免疫学的手法であれば特に限定されないが、EIA法と、イムノクロマト法(金コロイド法など)が好ましい。例えば、EIA法としては、サンドイッチELISA法、競合法及び直接法等を例示できる。或いは、捕捉用抗体を固相化する上記のheterogeneousな検出系ばかりではなく、捕捉用抗体も浮遊する、homogeneousな検出系であっても良い。供試抗体を標識する場合には、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ又はβ-ガラクトシダーゼ)、蛍光物質(例えば、フルオレセインイソチアネート)、生物発光物質(例えば、ルシフェリン-ルシフェラーゼ)、化学発光物質(例えば、ルミノール、アクリジン誘導体又はアダマンタン誘導体)、ビオチン/標識ストレプトアビジン、金コロイド等を用いることができる。
RJ製品は、プロテアーゼなどにより分解が進んだものにおいては、エピトープの含量が非常に低い場合が考えられるが、エピトープ含量が低くてもアレルギー反応は惹起でき、かつ、低含有量のエピトープを検出することが必要になるため、高感度の標識が好ましい。エピトープの高感度測定のために、ブロッキング(アルブミン, スキムミルク等)の条件を工夫することも好ましい。
エピトープを有するペプチドをウェルを有するプレートなどに吸着ないし結合させ、ここにヒト被験者の血液、血清、血漿などの検体、さらに,ヒト抗体を検出可能な酵素標識ないし蛍光標識二次抗体と反応させることにより、ヒト被験者のRJ製品に対する抗体の有無を検出することもできる。
RJ原料の前記エピトープの作用を抑制するために、プロテアーゼ、例えば、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼなどの1種以上のプロテアーゼを用いてRJを処理すればよい。エピトープの作用を抑制するには、エピトープの配列部分を切断するのが望ましいが、エピトープの間もしくは周辺あるいはエピトープの立体構造の維持に関与するアミノ酸のペプチド結合を切断することで、エピトープに基づくアレルギー反応の抑制を実現してもよい。或いは、RJのプロテアーゼによる処理は、必ずしもエピトープを完全に分解し得るものでなくても良く、その際には、酵素処理RJを限外膜ろ過することによって、エピトープフリーの酵素処理RJが得られる。
エピトープの作用を抑制するために使用可能なプロテアーゼとしては特に限定されず、動物由来(例えば、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、ペプシン等)、植物由来(例えば、パパイン、ブロメライン等)、又は微生物由来(例えば、乳酸菌、酵母、カビ、枯草菌、放線菌、アスペルギルス属菌、リゾープス属菌等)のエンドペプチダーゼ若しくはエキソペプチダーゼを広く例示することができる。
RJのアレルギー反応性を抑制するために好ましい酵素の具体例としては、例えばストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)産生プロテアーゼ(商品名:アクチナーゼAS)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)産生プロテアーゼ(商品名:プロテアーゼA、フレーバーザイム)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)産生プロテアーゼ(商品名:プロテアーゼP)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)産生プロテアーゼ(商品名:ウマミザイムG、Promod 192P、Promod 194P、スミチームFLAP)、アスペルギルス・ソーエ(Aspergillus sojae)産生プロテアーゼ(商品名:Sternzyme B15024)、アスペルギルス属産生プロテアーゼ(商品名:コクラーゼP)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)産生プロテアーゼ(商品名:ペプチダーゼR)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)産生プロテアーゼ(商品名:オリエンターゼ22BF、ヌクレイシン)、バチルス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)産生プロテアーゼ(商品名:アルカラーゼ)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)産生プロテアーゼ(商品名:プロテアーゼS)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)産生プロテアーゼ(商品名:ニュートラーゼ)、バチルス属産生プロテアーゼ(商品名:プロタメックス)などの食品加工用プロテアーゼ類を挙げることができる。
本発明におけるエピトープの作用を抑制するための酵素処理は一段階酵素反応および2段階酵素反応のいずれで実施しても良く、アレルゲン抑制効果および操作の簡便性の面からは、一段階酵素反応で実施するのが好ましい。
RJ原料に対するプロテアーゼの使用量は、RJ原料濃度、酵素力価、反応温度及び反応時間により異なるが、一般的には、RJ原料蛋白質を充分に分解し得る量の酵素を単独、又は複数組み合わせて添加することにより加水分解が行われる。尚、酵素の添加は、一度に添加してもよく、少量ずつ分割して添加してもよい。
プロテアーゼ処理されるRJ原料のpHは、使用酵素の至適pHに対応して、pH2〜10の範囲から選択される。具体的には、前記プロテアーゼ溶液に酵素を添加する前に、種類によりpH2〜10の範囲内で酸又はアルカリ剤、あるいは緩衝剤の添加により所望のpHに調整することにより実施される。この場合、酸としては塩酸、クエン酸、リン酸等を、また、アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等、緩衝剤としては、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤などをそれぞれ例示することができる。
プロテアーゼ処理の温度は、特に制限はなく、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供せられ得る範囲、即ち、通常30〜70℃の範囲から選択される。温度をプロテアーゼの至適温度より低温又は高温、例えば50〜60℃の範囲に維持することによりプロテアーゼ処理工程での腐敗を防止することもできる。
プロテアーゼ処理の時間は、使用酵素の種類及び組合せ、反応温度、pH等の反応条件に依存し、特に限定されない。
プロテアーゼ処理の停止は、プロテアーゼを失活又は除去することにより行う。失活操作は加熱処理(例えば、85℃で15分間等)により行うことができる。
本発明の処理の対象であるMRJP-1の分子量は、約55 kDaである。酵素分解後にもMRJP-1自体、或いは分子量がほとんど低減されていない蛋白質が残存する可能性があるので、酵素分解後に限外膜によるろ過を行うことがアレルギーフリーのRJ酵素分解物を得るために望ましい。限外膜のカットオフ値は小さいほうがアレルギーの低減には望ましく、好ましくは30 K〜1 Kが使用される。酵素処理で除去できる画分が約13 kDa以上であり、かつ、MRJP-1が糖蛋白質であることを考慮すると、13 K〜10 Kの限外膜を使用したろ過でも、RJ酵素処理物のアレルギー反応性を低減できる可能性があり、5 K、3 K, 1 Kの限外膜を使用すると、1つの酵素分解ペプチド当たりに含まれるエピトープの数をさらに低減できるので有効である。
プロテアーゼ処理後のRJ酵素分解物は、1つの分解物(ペプチド)に含まれるエピトープが1個以下のもののみであればアレルギーフリーの酵素分解物が得られるが、2個以上のエピトープを含む酵素分解ペプチドが存在すれば、そのエピトープの組み合わせにもよるが、アレルギー反応を惹起する可能性がある。本発明の6種のエピトープは、アミノ酸番号でMRJP-1の1〜10番目(エピトープ1)、76〜80番目(エピトープ71)、161〜166番目(エピトープ156)、216〜225番目(エピトープ216)、291〜296番目(エピトープ286)、361〜366番目(エピトープ356)であり、エピトープ間は、アミノ酸残基の数で50〜80アミノ酸残基分離れている。従って、2個以上のエピトープが1つの酵素分解ペプチドに含まれるためには、該酵素分解ペプチドは最低でもアミノ酸60残基(分子量で6500〜7500程度)、平均的には120〜150残基程度(分子量で13000〜18000程度)が含まれることになる。
従って、糖残基による分子量の増大を考慮すると、30 K(分子量30000)以下、好ましくは10 K(分子量10000)程度またはそれ以下のカットオフ値を有する限外膜を使用し、限外ろ過を行うことで、アレルギー反応を完全に抑制することが可能である。このような限外ろ過膜としては、例えばPALL社のTFF膜カセットの他、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)、ザルトリウス(株)、日東電工(株)、Millipore社の製品を好ましく使用することができるが、同様なカットオフ値を有する限外ろ過膜であれば広く使用できる。
高分子量の酵素分解ペプチドを除去する方法として、珪藻土ろ過などの他の方法を使用することもできる。
上記は、エピトープを2個以上有する酵素分解ペプチドを全て除く例であるが、例えばカットオフ値が30 K以下の限外ろ過膜を使用すれば、エピトープ3〜5個の酵素分解ペプチドを除去することができる。エピトープを2個以上含む酵素分解ペプチドは理論的にはアレルギー反応が起こる可能性はあるが、アレルギー反応に関与するエピトープの組み合わせによっては、エピトープが3個以下、或いは4個以下になるような、よりカットオフ値の高い限外ろ過膜を使用することで、RJ酵素分解物のアレルギー反応を実質的に抑制することも可能である。
以下、本発明を実施例に従いより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
1. アレルゲンタンパク質の同定
試験概要
未処理RJを二次元電気泳動したところ、CBB染色・イムノブロット共に2つのスポットが見られたが、そのうちの主要なスポットについてPVDF膜に直接スポットしてシーケンサーにて分析した。またN末端の配列について、相同性を検索した。
方法
○ 1次元目(等電点)電気泳動
未処理RJ 5 mgと、等電点電気泳動用の膨潤バッファー(8 M Urea, 2 % TritonX-100, 0.5 % IPG buffer, 18 mM DTT, 微量のBPB)195 mLを混合し、軽く遠心後、pH勾配が3から10までのImmobiline DryStrip ゲル(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にアプライし、等電点電気泳動装置(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にて泳動した。

○ 2次元目電気泳動(SDS-PAGE)
電気泳動後のDryStripゲルを蒸留水で軽く洗い、2種類のSDS平衡化バッファー中で各15分振とうし、SDS化した後、10 %分離ゲルにて電気泳動を行なった。泳動後のタンパク質を、CBBにて染色した。

○ 抗原抗体反応(イムノブロット)
泳動後のゲルをPVDFメンブレンに転写し、5 %スキムミルク含有PBST中で1時間振とうした。その後、5 %スキムミルク含有PBSTで20倍に希釈した患者血清をメンブレンにかけ、シーラーバックで密封し、4 ℃で一晩反応した。そのメンブレンをPBSTで3回洗浄した後、5 %スキムミルク含有PBSTで7500倍に希釈したHRP標識抗ヒトIgE抗体をかけ、室温で1時間反応した。メンブレンをPBSTで3回洗浄した後、ECLによる化学発光法にて検出を行なった。結果を図1に示す。
図1に示される約55 kDaの蛋白質のシークエンスの結果、抗原蛋白質はMRJP-1であることが明らかになった。
2. MRJP-1のエピトープ同定(5残基ドリフト)
試験概要
N末端から、10アミノ酸ずつに相当するペプチドを5残基ずつずらしながら合成した。
合成した10残基ペプチド(82種)のN末端からのアミノ酸番号は、以下のようであった
Figure 2008137968
MRJP-1のアミノ酸は413個であるので、82番目の10残基ペプチドのみ8個のアミノ酸から構成される。なお、配列番号17には、シグナルペプチド(1〜19番目のアミノ酸)を記載し、413個のアミノ酸は20〜432番目に対応する。
これらの10残基ペプチドをメンブレンにスポットしたものを用い、患者血清IgEの結合を検出した。
方法
RJアレルギーの経験のある、4人(M、Y、F、T)の血液を本人達の合意に基づいて採血し、血清を得た。メンブレンをブロッキングバッファー (2 % スキムミルク, 10 mM トリス塩酸pH 7.5, 100 mM 塩化ナトリウム, 0.05 % Tween-20) に浸して室温で1時間振とうした。その後、メンブレンを、ブロッキングバッファーにて希釈した患者血清に浸し、4 ℃に一晩静置した。更にブロッキングバッファーにて10000倍に希釈した抗ヒトIgE抗体(KPL社)に浸して37 ℃に1時間静置した。最後に、ECL plus キット (GEヘルスケアバイオサイエンス社)を用いて、付属のプロトコールに従い調製した発光液にメンブレンを浸して、X線フィルムまたは冷却CCDカメラにて検出した。
結果
イムノブロットの結果、図2のようになった。赤丸で示したSPOTについては、患者全員に共通してIgEの結合が見られた。
各SPOTにアプライされている合成ペプチドの配列は以下の通りであった(10残基ペプチドの通し番号:合成ペプチド名:配列の順)。
1 :MRJ1-1 :NILRGESLNK
15:MRJ1-71 :LNVISKKVGD
16:MRJ1-76 :KKVGDGGPLL
32:MRJ1-156:AVNATTGKGR
33:MRJ1-161:TGKGRLSSLA
44:MRJ1-216:PKFTKMTIDG
58:MRJ1-286:QSSAKVVSKS
59:MRJ1-291:VVSKSGVLFF
72:MRJ1-356:REYILVLSNK
73:MRJ1-361:VLSNKMQKMV
3. アラニンスキャン法
試験概要
5残基ドリフト法の結果、エピトープの候補と思われた配列について、まず初めに10残基ペプチドの番号1、58(エピトープ286)、59(エピトープ291)を選択し、アミノ酸を一残基ずつアラニンへ置換したペプチドを合成し、それらをメンブレンにスポットしたものを用いたイムノブロットを行なった。
方法
RJアレルギーの経験のある、被験者Xの血液を本人の合意に基づいて採血し、血清を得た。メンブレンをブロッキングバッファー (2 % スキムミルク, 10 mM トリス塩酸pH 7.5, 100 mM 塩化ナトリウム, 0.05 % Tween-20) に浸して室温で1時間振とうした。その後、メンブレンを、ブロッキングバッファーにて希釈した患者血清に浸し、4 ℃に一晩静置した。更にブロッキングバッファーにて10000倍に希釈した抗ヒトIgE抗体(KPL社)に浸して37 ℃に1時間静置した。最後に、ECL plus キット (GEヘルスケアバイオサイエンス社)を用いて、付属のプロトコールに従い調製した発光液にメンブレンを浸して、X線フィルムまたは冷却CCDカメラにて検出した。結果を図3に示す。
図3の結果から、MRJ1-1およびMRJ1-286, 291におけるエピトープ配列は、R****NK, KVVSKSと推定された。
以上、5残基ドリフトおよびアラニンスキャン法の結果から、本発明の6種のエピトープ配列が同定された。
実施例2(抗体の作製と評価)
試験概要
MRJP-1、MRJ1-1, MRJ1-71, MRJ1-156, MRJ1-216, MRJ1-286, MRJ1-356について、抗体の作製を行った。
得られた抗体を用い、未処理RJに対するイムノブロットを行なった。
抗体の作製
各10残基ペプチドにキャリアタンパクとしてKLH(Keyhole limpet hemocyanin)を結合しday0(200 mg)、day7(100 mg)、day14(100 mg)、day21(100 mg)、day28(100 mg)、day42(100 mg)にウサギに投与し、day35に採血し、さらにday49に全採血し、得られた血液から各ペプチドに対する抗体をアフィニティ精製し、目的とする抗体(ポリクローナル抗体)を得た。
MRJP-1については、day0(200 mg)、day14(100 mg)、day35(100 mg)、day49(100 mg)にウサギに投与し、day42に採血し、さらにday56に全採血し、得られた血液からMRJP-1に対する抗体をProteinGカラムを用いて精製し、目的とする抗体(ポリクローナル抗体)を得た。
方法
未処理RJを3×サンプルバッファー(187.5 mM トリス塩酸pH 6.8, 6% SDS, 75%グリセロール, 0.03%ブロモフェノールブルー, 1.5M 2-メルカプトエタノール)にて溶解し、95 ℃にて5分間加熱した。その後、12.5 %アクリルアミドゲルを用いてSDS-PAGEを行なった。分子量マーカーとしてSDS-PAGE Standards, Low Range(BIO RAD社)を用いた。ゲル上に展開したタンパク質を、セミドライ式ブロッティング装置にてPVDFメンブレン(BIO RAD社)に転写し、ブロッキングバッファー(2 % スキムミルク, 10 mM トリス塩酸pH 7.5, 100 mM 塩化ナトリウム, 0.05% Tween-20) に浸して室温で1時間振とうした。その後、メンブレンを、ブロッキングバッファーにて希釈した抗体に浸し、4 ℃に一晩静置した。更にブロッキングバッファーにて希釈した抗ウサギIgG抗体(KPL社)に浸して37 ℃に1時間静置した。最後に、ECL plus キット (GEヘルスケアバイオサイエンス社)を用いて、付属のプロトコールに従い調製した発光液にメンブレンを浸して、X線フィルムまたは冷却CCDカメラにて検出した。結果を表3に示す。
Figure 2008137968
このことから、MRJP-1のアレルゲンエピトープに対する12種の抗体が得られたことが明らかとなった。
なお、以下において、抗体1A、抗体71B、抗体156B、抗体216A、抗体286B、抗体356B を使用し、これらを抗体1、抗体71、抗体156、抗体216、抗体286、抗体356と記載する。
実施例3(サンドイッチELISA)
1. 捕捉用抗体の固相化
抗MRJP-1抗体, 抗体1, 抗体71, 抗体156, 抗体216, 抗体286, 抗体356の各々に対する抗体をPBSにて希釈し、96-well ELISA plateへ100 mL /wellずつ添加してから、4 ℃に一晩、または37 ℃に1時間静置した。

2. ブロッキング
Blocking One(ナカライ)を精製水にて5倍希釈し、プレートへ200 mL /wellずつ添加して室温に1時間以上静置した。その後、PBST(PBS + 0.1 % Tween-20)200 mL /wellにて、3回洗浄した。

3. 抗原の準備と添加
未処理RJを10倍希釈系列で7段階まで希釈し、プレートへ100 mL /wellずつ添加して、室温に1時間または4 ℃に一晩静置した。但し、1レーン(12 well分)はPBSのみ添加した。その後、PBST 200 mL /wellにて、5回洗浄した。

4. 検出用抗体との抗原抗体反応
HRP標識した検出用抗体(抗MRJP-1抗体、抗体1, 抗体71, 抗体156, 抗体216, 抗体286, 抗体356の各々をHRP標識したもの)をPBSまたはCanGet Signal Solution(TOKOBO)にて希釈し、プレートへ100 mL /wellずつ添加して、室温に1時間または4 ℃に一晩静置した。その後、PBST 200 mL /wellにて、5回洗浄した。

5. 検出
TMB microwell peroxidase substrate 2-component system(KPL; キットに含まれるTMB Peroxidase SubstrateとPeroxidase Substrate Solution Bを等量ずつ混合して使用)をプレートへ100 mL /wellずつ添加し、発色が見られるまで静置した。その後、1 M リン酸を100 mL /wellずつ添加することによって発色反応を停止し、マイクロプレートリーダーにて、450 nmの吸光度を測定した。

6. 結果
本発明のエピトープに対する抗体を2種組み合わせたサンドイッチELISAにより、未処理RJの蛋白質(MRJP-1)を認識できる。好ましい組み合わせを以下に示す。
Figure 2008137968
補足用抗体が抗体71、検出用抗体が抗体1の場合が最も好ましかったので、この組み合わせにより、酵素処理RJと未処理RJについてエピトープを測定した。酵素処理RJは、アクチナーゼAS(科研製薬)を使用してRJ希釈液(pH8.7~8.9)を50℃で4時間反応させることで調製した。
結果を図4に示す。
実施例4
生RJ 200 gを500 mLビーカーに量りとり、イオン交換水100 mLを加えて均一になるまで攪拌してRJ希釈液を調製した。2N NaOH水溶液を加えてRJ希釈液のpHを8.7〜8.9に調整した。次に、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)2 gをイオン交換水20 mLに溶かした溶液をRJ希釈液に加え、さらにイオン交換水を、イオン交換水の全量が200 mLになるように加えた。反応混合物をプロペラで撹拌しながら50℃(恒温水槽)で4時間反応させて、加水分解を行った。恒温水槽の温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷し、RJ酵素分解物を得た(本品を、以下、比較例1と称する)。
得られた酵素分解物について珪藻土ろ過を行った後、カットオフ値が10 Kの限外ろ過膜(TFF膜, PALL社)及び、続いて3 Kまたは1 Kの限外膜にてろ過して本発明に係るRJ酵素分解物を得た。3 K膜としては、PALL社のオメガメンブレンマイクロセップ3 Kを用いた。なお、10 Kの限外ろ過膜で処理されたサンプルを「10 K」、10 Kサンプルをさらに3 K限外処理膜で処理したサンプルを「3 K」、10 Kサンプルをさらに1 K限外処理膜で処理したサンプルを「1 K」と表す。
実施例5
生RJ 200 gを500 mLビーカーに量りとり、イオン交換水100 mLを加えて均一になるまで攪拌してRJ希釈液を調製した。2N NaOH水溶液を加えてRJ希釈液のpHを8.7〜8.9に調整した。次に、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)2 g、エキソペプチダーゼであるウマミザイムG(天野エンザイム)1 gをイオン交換水20 mLに溶かした溶液をRJ希釈液に加え、さらにイオン交換水を、イオン交換水の全量が200 mLになるように加えた。反応混合物をプロペラで撹拌しながら50℃(恒温水槽)で4時間反応させて、加水分解を行った。恒温水槽の温度を80℃に上げて酵素を失活させた後、水冷し、RJ酵素分解物を得た(本品を、以下、比較例2と称する)。
得られた酵素分解物について珪藻土ろ過を行った後、カットオフ値が10 Kの限外ろ過膜(TFF膜, PALL社)続いて1 Kの限外膜にてろ過して本発明に係るRJ酵素分解物を得た。
実験例1
<ローヤルゼリーのペプチダーゼ処理物の抗原タンパク消失の確認>
実施例4で得られた分解物について、イムノブロットを行い、抗原タンパク質の消失を確認した。各サンプルを3×サンプルバッファー(187.5 mM トリス塩酸pH 6.8, 6% SDS, 75%グリセロール, 0.03%ブロモフェノールブルー, 1.5M 2-メルカプトエタノール)にて3倍希釈し、95℃にて5分間加熱した。その後、15%アクリルアミドゲルを用いてSDS-PAGEを行なった。分子量マーカーとしてSDS-PAGE Standards, Low Range(BIO RAD社)を用いた。ゲル上に展開したタンパク質を、セミドライ式ブロッティング装置にてPVDFメンブレン(BIO RAD社)に転写し、ブロッキングバッファー(2% スキムミルク, 10mM トリス塩酸pH 7.5, 100mM 塩化ナトリウム, 0.05% Tween-20) に浸して室温で1時間振とうした。その後、メンブレンを、ブロッキングバッファーにて希釈した患者血清に浸し、4 ℃に一晩静置した。更にブロッキングバッファーにて希釈した抗ヒトIgE抗体(KPL社)に浸して37 ℃に1時間静置した。最後に、ECL plus キット (GEヘルスケアバイオサイエンス社)を用いて、付属のプロトコールに従い調製した発光液にメンブレンを浸して、ECL Mini-Camera (GEヘルスケアバイオサイエンス社)にかけて検出した。
試験した全てのサンプルについて、患者血清と反応する抗原タンパク質が消失していることを、目視にて確認した。
なお、血清提供者には本試験内容を記載した説明書を配布し、試験の趣旨及び内容を十分に説明した上で、本人の自由意志により参加する旨の同意書を得た者から得た血清のみ、本試験に用いた。
実験例2
<ヒスタミン遊離試験>
未処理RJ、実施例4で得たRJ酵素分解物、アレルゲンmix(陽性コントロール)、抗IgEレセプター抗体(陽性コントロール)について、CAST法(cellular antigen stimulation test)によって、遊離するヒスタミン量を測定した。
具体的には、生RJに対してアレルギー反応を経験したことのある被験者の血液サンプルから分離した白血球に対し、生RJまたはその酵素加水分解物あるいは陽性コントロールを作用させて、遊離するヒスタミン量を測定した。被験者には、本試験内容を記載した説明書を配布し、試験の趣旨及び内容を十分に説明し、被験者本人の自由意志により参加する旨の同意書を得た者に対してのみ、本試験を行った。
遊離ヒスタミンの測定は、市販のELISAキット(Histamine ELISA, IMMUNO-BIOLOGICAL LABORATORIES社製)を用いて行った。なお、アレルゲンmixは下記のアレルゲンを含む。
アレルゲンmix:カモガヤ、ホロハウシノケグサ、ホソムギ、オオアワガエリ、ナガハグサ、シラゲガヤ、ライムギ、シラカンバ、ハシバミ、ヨモギ、ヘラオオバコ、アルテルナリア、ヤケヒョウダニ、コナヒョダニ、ノコジョウヒ、イヌジョウヒ、卵白、ミルク、タラ、ピーナッツ、大豆。
結果を図5および図6に示す。
上記の結果から、酵素処理によりヒスタミン遊離は顕著に抑えられ、限外膜処理によりほぼ完全に抑制できることが明らかになった。
実験例3
<酵素処理RJの抗うつ作用評価>
未処理RJおよび実施例5で得たRJ酵素分解物についての抗うつ効果を確認するために、マウスの恐怖条件付誘発無動時間を測定した。
方法
フェアードコンディション計測装置(Acti Metrics社)にてマウスに電気刺激負荷を行なった後、試験検体を7日間投与した。投与後、再びフェアードコンディション計測装置の中に入れ、電気刺激無しの条件で4分間の無動時間を測定した。結果を図7に示す。
媒体対照群は媒体対照(電気刺激無し)群に対して、0〜240秒の全てにおいて無動時間の有意な延長がみられた。また、未処理および実施例5処理RJは、媒体対照群に対して無動時間の有意な短縮がみられた。さらに、酵素処理と限外膜ろ過による作用の低下は認められなかった。
患者血清(RJに対する抗体を含む)とMRJP-1が反応することを示す。 82種の抗原と4人のRJアレルギー反応を経験した被験者の結成との反応結果を示す。黒い部分がIgEの結合しているSPOTである。丸で示したSPOTは、患者全員に共通して、IgEの結合が見られた。丸で示したペプチド番号1, 15, 16, 32, 33, 44, 58, 59, 72, 73の10種の10残基ペプチドが4人全ての血清(抗体)と反応したことが明らかになった。 アラニンスキャン法の結果を示す。MRJ1-1およびMRJ1-286, 291におけるエピトープは、R****NK, KVVSKSと推定された。 実施例3の結果を示す。 実施例4に対する実験例2の結果を示す。 実施例5に対する実験例2の結果を示す。 実験例3の結果を示す。

Claims (15)

  1. 以下のいずれかのアミノ酸配列の5個以上の連続するアミノ酸を有するローヤルゼリー由来のタンパク質のエピトープ配列:
    エピトープ1 :NILRGESLNK
    エピトープ71 :LNVISKKVGD
    エピトープ76 :KKVGDGGPLL
    エピトープ156:AVNATTGKGR
    エピトープ161:TGKGRLSSLA
    エピトープ216:PKFTKMTIDG
    エピトープ286:QSSAKVVSKS
    エピトープ291:VVSKSGVLFF
    エピトープ356:REYILVLSNK
    エピトープ361:VLSNKMQKMV
  2. 以下のいずれかのアミノ酸配列を含むローヤルゼリー由来のタンパク質のエピトープ:
    (1) R****NK (式中、*は任意のアミノ酸を示す)(エピトープ1)
    (2) KKVGD(エピトープ71)
    (3) TGKGR(エピトープ156)
    (4) PKFTKMTIDGまたは5個以上の連続するアミノ酸からなるその部分ペプチド(エピトープ216)
    (5) KVVSKS(エピトープ286)
    (6) VLSNK(エピトープ356)
  3. 請求項1及び2に示した配列を含むMRJP-1(Major Royal Jelly Protein-1)タンパク、及び請求項1及び2に示した配列を認識する抗体に反応するMRJP-2, MRJP-3, MRJP-4, MRJP-5, MRJP-6, MRJP-7, MRJP-8, MRJP-9の配列。
  4. ローヤルゼリー製品(ローヤルゼリーまたはその分解物)に含まれる請求項1または2に記載のエピトープに対する抗体を含むアレルギー反応性検出用キット。
  5. エピトープ含有ポリペプチドの捕捉用抗体と検出用抗体として、以下の抗体の組み合わせを有する、請求項4に記載のキット。
    Figure 2008137968
    (表中、抗MRJP-1抗体は、完全長MRJP-1を抗原として作製した)。
  6. 捕捉用抗体として抗エピトープ71抗体、検出用抗体として抗エピトープ1抗体を含む、請求項4に記載のキット。
  7. ローヤルゼリーを請求項1または2に記載のエピトープを切断するか、或いはエピトープそのものを分解し得なくても、1つの分解されたペプチド断片においてエピトープが1個以下含まれるように切断可能な加水分解酵素を用いて処理することを特徴とする、アレルゲンフリーのローヤルゼリー酵素分解物の製造方法。
  8. 前記加水分解酵素が、動物由来、植物由来、微生物由来のエンドペプチダーゼまたはエキソペプチダーゼからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 加水分解酵素の処理物を限外ろ過する工程をさらに包含する請求項7または8に記載の方法。
  10. 限外ろ過工程に使用する限外ろ過膜のカットオフ値が1 kDa〜30kDaである請求項7に記載の方法。
  11. RJをタンパク加水分解酵素にて処理した後、加水分解酵素処理物から請求項1または2記載のエピトープを除去する限外ろ過処理をすることを特徴とする、アレルゲンフリーのRJ酵素分解物の製造方法。
  12. 前記加水分解酵素が、動物由来、植物由来、微生物由来のエンドペプチダーゼまたはエキソペプチダーゼからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 限外ろ過工程に使用する限外ろ過膜のカットオフ値が1 kDa〜30kDaである請求項11に記載の方法。
  14. 請求項1または2に記載のエピトープを、酵素分解された1つのペプチド断片あたり1個以下含むアレルゲンフリーのローヤルゼリー酵素分解物。
  15. 請求項1または2に記載のエピトープに対する抗体をローヤルゼリー製品(ローヤルゼリーまたはその分解物)と反応させ、抗原抗体反応の有無ないし程度を評価することを特徴とするローヤルゼリー製品のアレルギー性の評価方法。
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