JP4450220B2 - エンジン制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両走行用のエンジン(内燃機関)の実出力トルクが目標トルク値に対して周期的に変動る不要トルク(例えばジャーク等)が発生する際に、この不要トルクの発生を抑制するエンジン制御システムに関する。
なお、本発明において、「エンジンの出力トルク」を「エンジンの回転数(単位時間当たりの回転数)」に置き替えても良い。
(従来の技術)
車両走行用のエンジンの出力に、運転者が予期しない不要トルクが発生する場合がある。
例えば、自動車の運転中に運転者がアクセルペダルを急激に戻した場合、エンジンの燃焼室に供給される燃料量が急減してエンジンの実出力トルクが急激に減少する。すると、駆動系(エンジンのクランクシャフト→変速装置→ドライブシャフト→車輪に至る動力の伝達部材)に急激なネジレが加わり、その後にネジレが正負に繰り返されるというジャーク(不要トルクの一例:駆動系の低周波過渡振動、ネジレ振動、シャクレ)が生じる。
上述したジャークは、車両の駆動系に発生する低周波のトルク変動であり、車両の速度を波状に変動させてしまうため、乗員に不快感を与えてしまう。
そこで、従来では、駆動系に生じるジャークをエンジンの回転数変動として検出し、その回転数変動を打ち消すように燃料噴射量を補正することで、ジャークを抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
(従来技術の問題点)
ジャークは不要トルクであり、プラス側不要トルクと、マイナス側不要トルクとがある。従来の技術は、プラス側不要トルクが発生する時に噴射量を減らして「トルクの低下補正」を行い、逆にマイナス側不要トルクが発生する時に噴射量を増やして「トルクの増加補正」を行うことで、ジャークを抑制する技術である。
このように、従来のジャークの抑制制御は、噴射量を増減することで「トルクの低下補正」と「トルクの増加補正」を行うものであった。
ジャークの抑制制御は「トルクの低下補正」と「トルクの増加補正」を行うものであるため、運転者がアクセルペダルを急激に戻した際にジャークを抑制するためには、図1(a)に示すように、「トルクの低下補正」と「トルクの増加補正」を実行するための「効き代α(図中、ハッチング部分)」が要求される。
ここで、従来の技術における「トルクの低下補正量」の最大値は、噴射量=0の時である。
このため、図1(a)に示すように、運転者がアクセルペダルを急激に戻した際にジャークを打ち消す制御を実施するためには「効き代α」を確保する必要性があるので、「効き代α」によってエンジンの出力トルクの低下が遅れることになる。
即ち、運転者がアクセルペダルを急激に戻し、エンジンの実出力トルクが急激に低下するのを望む場合において、ジャークの抑制制御の実行によってエンジンの実出力トルクの低下が遅れる事態が生じる。
特開昭60−26142号公報 特開平11−93733号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、「トルクの低下補正量」の最大値を噴射量=0よりもマイナス側に大きくすることが可能なエンジン制御システムの提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用するエンジン制御システムは、実出力トルクが目標トルク値を下回る際に、噴射量補正手段が噴射量を増やすのみによってトルクの増加補正を行い、逆に、実出力トルクが目標トルク値を上回る際に、抑制トルク発生手段が出力軸に加えられる負荷を増加させてトルクの低下補正を行う。
これにより、マイナス側不要トルクが噴射量補正手段による噴射量の増加補正で低減され、プラス側不要トルクが抑制トルク発生手段による負荷の増加で低減されることになり、ジャークを抑制することができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用するエンジン制御システムは、実出力トルクが目標トルク値を上回る際に、抑制トルク発生手段によるトルクの低下補正だけでなく、噴射量補正手段が噴射量を減らしてトルクの低下補正を行う。
これにより、実出力トルクが目標トルク値を上回る際に、噴射量補正手段による「トルクの低下補正」と、抑制トルク発生手段による「トルクの低下補正」と組み合わされてジャーク打ち消しが行われる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用するエンジン制御システムにおける抑制トルク発生手段は、車両においてエンジンの出力軸によって駆動されるエンジン補機の駆動負荷を高めることによってエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるものである。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用するエンジン制御システムにおけるエンジン補機は、エンジンの出力軸によって駆動されるオルタネータである。
オルタネータの負荷を可変することによってエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるため、「トルクの低下補正」の制御を容易に行うことができる。
[請求項5の手段]
請求項5の手段を採用するエンジン制御システムにおける抑制トルク発生手段は、車両の車輪に制動力を与える手段を作動させることによってエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるものである。
[請求項6の手段]
請求項6の手段を採用するエンジン制御システムにおける車両の車輪に制動力を与える手段は、車両の運転状態に応じて自動的にブレーキを効かせる自動ブレーキ装置である。 自動ブレーキ装置によりエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるため、「トルクの低下補正量」を容易にマイナス側に大きくできる。
最良の形態1のエンジン制御システムは、実出力トルクが目標トルク値を下回る際に噴射量補正手段が噴射量を増やしてトルクの増加補正を行い、逆に、実出力トルクが目標トルク値を上回る際に抑制トルク発生手段が出力軸に加えられる負荷を増加させてトルクの低下補正を行う。
実施例1を、図1〜図3を参照して説明する。
なお、この実施例1では、先ず「実施例1の基本構成」として噴射量によってジャークの抑制制御を行う噴射量補正手段を説明し、その後で「実施例1の特徴」として噴射量補正手段と組み合わせた抑制トルク発生手段を説明する。
[実施例1の基本構成]
エンジン制御システムは、図2に示されるように、エンジンの各気筒毎に搭載されたインジェクタ1を制御するECU(エンジン・コントロール・ユニットの略:制御装置)2を備える。
ECU2には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶手段(ROM、SRAMまたはEEPROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路等の機能を含んで構成されている周知構造のマイクロコンピュータの他に、電源回路、インジェクタ駆動回路等が設けられている。そして、ECU2は、読み込まれたセンサ類の信号(エンジンパラメータ:乗員の運転状態、エンジンの運転状態等に応じた信号)に基づいて各種の演算処理を行うようになっている。
ECU2には、エンジンの実回転数NEを検出する回転数センサ3(エンジンの出力を検出する実出力検出手段に相当する)、乗員によって操作されるアクセル開度を検出するアクセルセンサ4、その他のエンジンパラメータを検出するその他のセンサ5が接続されている。
ECU2は、現在のエンジンパラメータに応じたインジェクタ1の噴射量を算出する噴射量算出手段11と、現在のエンジンパラメータに応じたインジェクタ1の噴射時期を算出する噴射時期算出手段12とを備える。
この実施例1の噴射量算出手段11は、エンジンパラメータに基づいてエンジンに要求される指示トルクを算出する指示トルク算出手段13と、指示トルクを指示噴射量に変換するトルク/噴射量変換手段14とを備えるものであり、噴射時期算出手段12にて算出された噴射時期に指示噴射量を噴射させる制御を実行する。
指示トルク算出手段13は、始動トルク算出手段(図示しない)、アイドルトルク算出手段(図示しない)、運転トルク算出手段15の他に、この運転トルク算出手段15を補正するためのジャーク運転検出手段16、ジャーク抑制手段17を備える。
始動トルク算出手段は、スタータスイッチがONされてから、回転数センサ3によって検出される実回転数NEが所定の始動離脱回転数に達するまで、エンジンを始動させるのに最適な「始動用トルク」を算出するプログラムである。
アイドルトルク算出手段は、実回転数NEが所定の始動離脱回転数に達した以降からイグニッションスイッチがOFFされるまで、無負荷運転時(アクセル開度が0の時)、あるいは実回転数NEが目標アイドル回転数を下回る際に、実回転数NEを目標アイドル回転数に維持させるプログラムである。
運転トルク算出手段15は、エンジンの回転数を目標値(運転者の希望する回転数)に制御するものであり基本制御手段に相当する。具体的には、エンジンの運転中に、運転者によって操作されるアクセル開度に応じた「目標運転トルク(目標制御量)」を算出するプログラムである。
ジャーク運転検出手段16は、エンジンの運転中に「ジャークの発生条件が成立」しているか否かを検出するプログラムである。
具体的に本実施例のジャーク運転検出手段16は、(1)マニュアル変速機を搭載する車両の場合、クラッチが切られておらずにエンジンとマニュアル変速機が接続された状態で、(2)アクセル開度の偏差(単位時間あたりの操作量)の絶対値が所定の閾値より大きいと、ジャークの発生条件が成立したと判断し、(3)ジャークの発生条件が成立してから所定時間(ジャーク発生期間)に亘って「ジャークの発生条件が成立」していることを検出するプログラムである。なお、所定時間(ジャーク発生期間)は、変速段、加速時、減速時によって異なるため、変速段、加速時、減速時に基づいて所定時間(ジャーク発生期間)を求めるように設けられている。
ジャーク抑制手段17は、噴射量補正手段18と、後述する抑制トルク発生手段19とを備える。
ここでは、噴射量補正手段18によるジャーク抑制制御を説明する。
噴射量補正手段18は、エンジンにジャークが発生する際に、そのジャークとは逆の動作を行わせる燃料噴射量(抑制制御量)をエンジンに与えてジャークを打ち消す制御プログラムである。
具体的には、上述したジャーク運転検出手段16が「ジャークの発生条件が成立」していると判断している時で、且つエンジンの目標回転数(目標トルク値)と実回転数(実出力トルク)との乖離の大きさが周期的に変動(長周期的な出力トルクの変動)する際に、その乖離(変動)の大きさと逆位相の抑制制御量(ジャーク抑制制御量)を算出し、運転トルク算出手段15で算出された「目標運転トルク」に「ジャーク抑制制御量」を加算して「最終運転トルク(最終目標制御量)」を求めるプログラムである。
このように、ジャークを打ち消すための「ジャーク抑制制御量」が「目標運転トルク」に加算された「最終運転トルク」に基づいて噴射量が求められることで、ジャークが抑制される。
次に、噴射量補正手段18によるジャーク抑制制御の具体的な制御手順を、図3を参照して説明する。
回転数センサ3によって検出される実回転数NEを読み込み、微分手段21で実回転数NEの単位時間あたりの変化量を算出する。
次に、ローパスフィルタ22とハイパスフィルタ23からなるバンドパスフィルタを通して、微分手段21の出力に含まれる加速成分やノイズを除去してジャークにおける実回転数NEの偏差ΔNE(実回転数NEの変動量:図中、NEJRK)を抽出する。なお、ジャーク周波数は、変速段、加速時、減速時によって異なるため、変速段、加速時、減速時に応じたフィルタ周波数を選択してジャークを抽出するように設けられている。
次に、バンドパスフィルタを通過したジャークの偏差ΔNEを、ゲイン手段24で位相反転させるとともに、所定のゲインを乗算して「ジャーク抑制制御量(図中、TRQJRK)」を求める。
そして、求められた「ジャーク抑制制御量」は、「目標運転トルク」に加算されて「最終運転トルク」が求められる。
ここで、噴射量補正手段18には、エンジンの目標回転数(目標トルク値)と実回転数(実出力トルク)との乖離の大きさが周期的に変動(長周期的な出力トルクの変動)する際に、その乖離(変動)の大きさを検出する出力トルク乖離検出手段25が設けられており、この実施例1では微分手段21、バンドパスフィルタ(ローパスフィルタ22、ハイパスフィルタ23)によって偏差ΔNE(実回転数NEの変動量:図中、NEJRK)を抽出する出力トルク乖離検出手段25が構成される。
[噴射量補正手段18のみによる問題点]
噴射量補正手段18でジャークを抑制する技術は、ジャークによるプラス側不要トルクが発生する時に噴射量を減らして「トルクの低下補正」を行い、逆にジャークによるマイナス側不要トルクが発生する時に噴射量を増やして「トルクの増加補正」を行うものである。
ジャークの抑制制御は「トルクの低下補正」と「トルクの増加補正」を行うものであり、運転者がアクセルペダルを急激に戻した際にジャークを抑制するには、図1(a)に示すように、「トルクの低下補正」と「トルクの増加補正」を実行するための「効き代α」が要求される。
ここで、噴射量を減らして「トルクの低下補正」を行う場合の「トルクの低下補正量」の最大値は噴射量=0の時であって、エンジンによりマイナスのトルクを発生させることはできない。
このため、運転者がアクセルペダルを急激に戻した際に、ジャークを打ち消す制御を実施するための「効き代α」によってエンジンの出力トルクの低下が遅れてしまう。
[実施例1の特徴]
上記の問題点を解決するために、実施例1のエンジン制御システムにおけるジャーク抑制手段17は、エンジンの実回転数が目標回転数より高い時(エンジンの実出力トルクが目標トルク値を上回る時と同じ)に、エンジンの出力軸に対して加える負荷を増加させることによって、実回転数(実出力トルク)が目標回転数(目標トルク値)に近づく方向に増加させる抑制トルク発生手段19を備える。
実施例1の抑制トルク発生手段19は、運転者がアクセルペダルを急激に戻してジャークを打ち消す制御を実施する際に作動するものであり、運転者がアクセルペダルを急激に踏み込んだ場合に生じるジャークは、上述した噴射量補正手段18のみで抑制するものである。
なお、上記は一例を示すものであり、運転者がアクセルペダルを急激に踏み込んだ場合に生じるジャークも、抑制トルク発生手段19を用いて打ち消しても良い。
ここで、実施例1では、ジャークを打ち消す制御を実施する際、「トルクの低下補正」を抑制トルク発生手段19によって行い、「トルクの増加補正」を噴射量補正手段18によって行うものとする。即ち、減速時のジャーク抑制制御において噴射量補正手段18による「トルクの増加補正」と、抑制トルク発生手段19による「トルクの低下補正」とを組み合わせてジャークを打ち消すものである。
具体的にこの実施例1では、図3におけるジャーク抑制制御量(TRQJRK)のグラフのうち、横軸中心線より下側の「トルクの低下補正」を抑制トルク発生手段19によって行い、横軸中心線より上側の「トルクの増加補正」を噴射量補正手段18によって行うものである。
しかし、上記は一例を示すものであり、「トルクの低下補正」を噴射量補正手段18+抑制トルク発生手段19によって行い、「トルクの増加補正」を噴射量補正手段18によって行うようにしても良い。
実施例1における抑制トルク発生手段19は、「車両の車輪に制動力を与える手段」を作動させることによって、エンジンの出力を車輪に伝達する従動軸に加えられる負荷を増加させることで、エンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させる制御プログラムである。
ここで、実施例1における「車両の車輪に制動力を与える手段」は、車両の運転状態に応じて自動的にブレーキを効かせる自動ブレーキ装置31である。自動ブレーキ装置31は、トラクションコントロールシステム、ヨーコントロールシステム、アンチスキッドコントロールシステム、車間距離保持システム、警告ブレーキシステムなど周知の車両制御システムに用いられて運転者の意志とは別にブレーキを作動させる技術であり、車両の運転状態が所定条件にあると、その運転状態に応じたブレーキ力をブレーキに発生させるものである。
そして、実施例1の抑制トルク発生手段19は、自動ブレーキ装置31を作動させることで、ジャークによるプラス側不要トルクを打ち消すための「トルクの低下補正」を行うものであり、「トルクの低下補正量」に応じたブレーキ力を自動ブレーキ装置31で発生させる制御プログラムである。即ち、抑制トルク発生手段19は、「トルクの低下補正量」が大きい時にブレーキ力を大きくさせ、「トルクの低下補正量」が小さい時にブレーキ力を小さくさせる制御プログラムである。
さらに、この実施例1において「トルクの低下補正量」に応じたブレーキ力を発生させるのは、従動軸によって駆動される駆動輪のブレーキであり、エンジンの駆動系(エンジンのクランクシャフト→変速装置→ドライブシャフト→駆動輪に至る動力の伝達部材)に発生するプラス側不要トルクをタイムラグなしで打ち消すことができる。
即ち、エンジンによって直接駆動されない従動輪(FF車であれば後輪、MR車、FR車であれば前輪)にプラス側不要トルクを打ち消す制動力を加えた場合、従動輪(ゴム製タイヤ)→路面→駆動輪(ゴム製タイヤ)を介してエンジンの駆動系に発生するプラス側不要トルクを打ち消すことになり、不要トルクの打ち消しにタイムラグが発生するが、この実施例1ではこのタイムラグの発生を無くすことができる。
(実施例1の効果)
実施例1のエンジン制御システムは、エンジンの実出力トルクが目標トルク値より大きい時に、抑制トルク発生手段19によってエンジンの出力軸に対して加えられる負荷(従動軸に加えられる負荷)を、実出力トルクが目標トルク値に近づく方向に増加させる。具体的に、運転者がアクセルペダルを急激に戻してジャークが発生する場合、ジャークによるプラス側不要トルクを、自動ブレーキ装置31を作動させて打ち消す。
このように、自動ブレーキ装置31を作動させてエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるため、図1(b)に示すように、「トルクの低下補正量」の最大値を噴射量=0よりもマイナス側に大きくすることができる。これによって、「噴射量を減らすことでトルクの低下補正量」を行っていた従来の技術に比較して、効率的にプラス側不要トルクを打ち消すことができる。
即ち、この実施例1では、運転者がアクセルペダルを急激に戻してジャークが発生する場合、「トルクの低下補正を抑制トルク発生手段19」によって行い、「トルクの増加補正を噴射量補正手段18」によって行う。これにより、車両に発生するジャークを打ち消すことができる。
そして、上述したように、抑制トルク発生手段19によって「トルクの低下補正量」の最大値を噴射量=0よりもマイナス側に大きくすることができるため、図1(b)に示すように、運転者がアクセルペダルを急激に戻してジャークを打ち消す制御を実施する際の「効き代α」を従来の技術に比較して小さくすることができる。
このため、運転者がアクセルペダルを急激に戻した際に、ジャークの抑制制御を実施しても、エンジンの出力トルクを急激に低下させることができ、ジャークの抑制制御による運転フィーリングの悪化を防ぐことができる。
また、この実施例1では、自動ブレーキ装置31によりエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるため、「トルクの低下補正量」を容易にマイナス側に大きくできる。これにより、ジャークの抑制制御に必要な「効き代α」を極めて小さくすることができる。
図4を参照して実施例2を説明する。なお、上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
上記の実施例1における抑制トルク発生手段19は、「車両の車輪に制動力を与える手段」を作動させることによってエンジンの出力軸に加えられる負荷(従動軸に加えられる負荷)を増加させることで「トルクの低下補正」を行うものであった。
これに対し、実施例2における抑制トルク発生手段19は、車両においてエンジンの出力軸によって駆動される「エンジン補機」の駆動負荷を高めることによってエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させる制御プログラムである。
実施例2におけるエンジン補機は、エンジンの出力軸によって駆動されるオルタネータ32である。オルタネータ32は、エンジンの出力軸によってベルト等を介して直接的に駆動される周知のものであり、オルタネータ32に搭載された励磁コイルの通電量を増加制御することによってエンジンの出力軸に加えられる負荷が増加する。
そして、実施例2の抑制トルク発生手段19は、オルタネータ32の発電量を増加させることで、ジャークによるプラス側不要トルクを打ち消すための「トルクの低下補正量」を増加させるものであり、「トルクの低下補正量」に応じてオルタネータ32の励磁コイルの通電量を可変制御する。
また、上記の実施例1では、ジャークを打ち消す制御を実施する際、「トルクの低下補正」を抑制トルク発生手段19によって行い、「トルクの増加補正」を噴射量補正手段18によって行う例を示した。
これに対し、実施例2では、オルタネータ32の駆動力増加のみでは、大きな「トルクの低下補正量」が望めない。そこで、「抑制トルク発生手段19」と「噴射量補正手段18」を組み合わせてトルクの低下補正を実施するものである。即ち、「トルクの低下補正」を噴射量補正手段18+抑制トルク発生手段19によって行い、「トルクの増加補正」を噴射量補正手段18によって行うものである。
このように設けることにより、「トルクの低下補正量」の最大値を「噴射量=0」+「オルタネータ32による駆動力増加」にすることができる。即ち、実施例2においても、実施例1と同様、「トルクの低下補正量」の最大値を噴射量=0よりもマイナス側に大きくすることができる。これによって、実施例1と同様の効果を得ることができる。
即ち、従来の技術に比較して、効率的にプラス側不要トルクを打ち消すことができるようになり、運転者がアクセルペダルを急激に戻してジャークを打ち消す制御を実施する際の「効き代α」を従来の技術に比較して小さくすることができる。この結果、運転者がアクセルペダルを急激に戻した際に、ジャークの抑制制御を実施しても、エンジンの出力トルクを急激に低下させることができ、ジャークの抑制制御による運転フィーリングの悪化を防ぐことができる。
また、実施例2では、オルタネータ32の負荷を可変することによってエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるため、「トルクの低下補正量」の制御を容易に行うことができる。
(実施例2の変形例)
この実施例2では、エンジンの出力軸によって駆動される「エンジン補機」の一例として、オルタネータ32を用いる例を示したが、エアコンのコンプレッサなど他のエンジン補機を用いても良い。即ち、例えば、容量可変型のコンプレッサを搭載する車両であれば、コンプレッサの圧縮容量を増加させることで駆動負荷を高めて、エンジンの出力軸に加えられるる負荷を増加させても良い。
また、複数の「エンジン補機」を搭載する車両では、複数の「エンジン補機」を同時に作動させることで、「トルクの低下補正量」の増加を図っても良い。
[変形例]
上記の実施例1と実施例2を組み合わせて用いても良い。即ち、自動ブレーキ装置31を作動させて、従動軸に加えられる負荷を増加させることで、エンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させるとともに、エンジン補機の駆動負荷を高めることによってエンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させても良い。
上記の実施例1、2では、噴射量補正手段18は指示トルクを補正してジャークの抑制を行う例を示したが、噴射量を補正してジャークの抑制を行うものであっても良い。
上記の実施例1、2では、エンジンの出力を検出する実出力検出手段として回転数センサ3を用い、エンジンの駆動系に発生する不要トルクを検出する例を示したが、回転数センサ3とは異なるセンサ類(例えば、トルク検出手段等)によってエンジンの駆動系に発生する不要トルクを検出しても良い。
上記の実施例1、2では、エンジンの駆動系に発生した不要トルクをフィードバックにより打ち消す例を示したが、エンジンの出力を検出する実出力検出手段としてアクセルセンサ4等のセンサを用い、エンジンの不要トルクの発生を発生前に事前検出してフィードフォワードにより打ち消す制御に本発明を適用しても良い。即ち、実出力検出手段によってエンジンの不要トルクを予測検出しても良い。
振動抑制トルク(トルクの低下補正量+トルクの増加補正量)の変化を示すタイムチャートである(実施例1)。 エンジン制御システムの制御系の要部構成図である(実施例1)。 ジャークの抑制制御系の構成図である(実施例1)。 エンジン制御システムの制御系の要部構成図である(実施例2)。
符号の説明
3 回転数センサ(実出力検出手段)
15 運転トルク算出手段(基本制御手段)
17 ジャーク抑制手段(不要変動抑制手段)
18 噴射量補正手段
19 抑制トルク発生手段
25 出力トルク乖離検出手段
31 自動ブレーキ装置(車両の車輪に制動力を与える手段)
32 オルタネータ(エンジン補機)

Claims (6)

  1. (a)車両走行用のエンジンの出力が目標トルク値となるように、基本噴射量を求める基本制御手段と、
    (b)前記基本噴射量に基づいて前記エンジンより出力される出力軸の実出力トルクを検出する実出力検出手段と、
    (c)前記目標トルク値に対する前記実出力トルクの乖離の大きさが周期的に変動するのを検出する出力トルク乖離検出手段と、
    (d)前記基本噴射量を補正して前記エンジンの実出力トルクを変化させる噴射量補正手段と、
    (e)前記出力軸に加えられる負荷を増加させる抑制トルク発生手段と、
    を備え、
    前記実出力トルクが前記目標トルク値を下回る際には、前記噴射量補正手段が噴射量を増やすのみによってトルクの増加補正を行い、
    前記実出力トルクが前記目標トルク値を上回る際には、前記抑制トルク発生手段が前記出力軸に加えられる負荷を増加させてトルクの低下補正を行うことを特徴とするエンジン制御システム。
  2. 請求項1に記載のエンジン制御システムにおいて、
    このエンジン制御システムは、前記実出力トルクが前記目標トルク値を上回る際に、前記抑制トルク発生手段によるトルクの低下補正だけでなく、前記噴射量補正手段が噴射量を減らしてトルクの低下補正を行うことを特徴とするエンジン制御システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエンジン制御システムにおいて、
    前記抑制トルク発生手段は、
    車両において前記エンジンの出力軸によって駆動されるエンジン補機の駆動負荷を高めることによって前記エンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させることを特徴とするエンジン制御システム。
  4. 請求項3に記載のエンジン制御システムにおいて、
    前記エンジン補機は、前記エンジンの出力軸によって駆動されるオルタネータであることを特徴とするエンジン制御システム。
  5. 請求項1または請求項2に記載のエンジン制御システムにおいて、
    前記抑制トルク発生手段は、
    車両の車輪に制動力を与える手段を作動させることによって前記エンジンの出力軸に加えられる負荷を増加させることを特徴とするエンジン制御システム。
  6. 請求項5に記載のエンジン制御システムにおいて、
    前記車両の車輪に制動力を与える手段は、前記車両の運転状態に応じて自動的にブレーキを効かせる自動ブレーキ装置であることを特徴とするエンジン制御システム。
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