以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンタを示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラープリンタは、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するようになっている。また、上記フルカラープリンタは、画像読取装置を備えていなくても良いのは勿論である。
図2において、1はタンデム方式のフルカラープリンタの本体を示すものであり、このフルカラープリンタ本体1の一端側の上部には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置(IIT:Image Input Terminal)4が配設されている。この画像読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の両像を所定のドット密度(例えば、1200dpiや2400dpi)で読み取るようになっている。
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の両像は、例えば、赤(R)緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12(Image Processing System)に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
そして、上記の如く画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)(各8bit)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部13Y、13M、13C、13KのROS14Y、14M、14C、14K(Raster Output Scanner)に送られ、これらのROS14Y、14M、14C、14Kでは、各色の画像データに応じてレーザービームLBによる画像露光が行われる。
ところで、上記タンデム方式のフルカラープリンタ本体1の内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の問隔をおいて直列的に配置されている。
これらの4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kは、すべて同様に構成されており、大別して、矢印方向に沿って所定の回転速度で回転する感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用のスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するROS14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像器17、クリーニング装置18とから構成されている。
上記ROS14は、図2及び図3に示すように、半導体レーザー19を画像データに応じて変調して、この半導体レーザー19からレーザービームLBを階調データに応じて出射する。この半導体レーザー19から出射されたレーザービームLBは、コリメータレンズ19aによって平行光化された後、反射ミラー2021を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、f−θレンズ22aで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像担持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。なお、図3においては、反射ミラー23などが一部省略されている。また、図3中、感光体ドラム15の主走査方向の端部には、レーザービームLBが走査開始端を通過したことを検知する走査開始端(SOS:Start Of Scan)センサ24aが配設されている。
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部13Y、13M、13C、13KのROS14Y、14M、14C、14Kに各色の画像データが順次出力され、これらのROS14Y、14M、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザービームLBが、それぞれの感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15Y15M、15C、15K上に形成された静電潜像は、現像器17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像される。
上記各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体(被検知媒体)としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kによって多重に転写される。この中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、アイドルロール28と、ステアリングロール29と、アイドルロール30と、バックアップロール31と、アイドルロール32との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール27により、欠印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するPET等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M) 、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、バックアップロール31に圧接する2次転写ロール33によって、圧接力及び静電気力で記録媒体としての記録用紙34上に2次転写され、この各色のトナー像が転写された記録用紙34は、2連の搬送ベルト35、36によって定着器37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着器37によって熱及び圧力で定着処理を受け、片面プリントの場合には、そのままプリンタ本体1の外部に設けられた排出トレイ38上に排出される。
上記記録用紙34は、図2に示すように、複数の用紙トレイ39、40、41のうちの何れかから所定のサイズや材質のものが、給紙ローラ42及び用紙搬送用のローラ対43、44、45からなる用紙搬送経路46を介して、レジストロール47まで一旦搬送されて停止する。上記用紙トレイ39、40、41のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール47によって中間転写ベルト25上へ送出される。
また、上記フルカラープリンタによって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着器37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、図示しない切り替えゲートによって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送路48に一旦搬送する。そして、この反転用の用紙搬送路48に搬送された記録用紙34は、その搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送路49及び通常の用紙搬送経路46を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の2次転写位置まで搬送され、裏面に画像が形成された後、定着器37によって熱及び圧力で定着処理を受けて、プリンタ本体1の外部に設けられた排出トレイ38上に排出される。
ところで、上記の如く構成されたタンデム方式のフルカラープリンタでは、運搬・設置時の振動や、用紙トレイの開け閉め、あるいは温度変化や経年変化等、種々の要因によって、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kそのものの位置や、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kを構成する感光体ドラム15Y、15M、15C、15K等に位置的な変動が生じ、画像のレジずれが発生する虞れがある。
まず、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて、感光体ドラム15Y、15M、15C、15KやROS14Y、14M、14C、14Kに位置ずれがあると、図4に示すように、ROS14Y、14M、14C、14Kと感光体ドラム15Y、15M、15C、15K間の距離(光路長)や傾きが変動し、主走査方向(レーザビームの走査方向)の倍率のずれや、主走査方向の部分倍率のずれが発生する。また、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて、ROS14Y、14M、14C、14Kの書き込み位置に主走査方向に沿った位置ずれがある場合や、ベルトの斜行状態が変化した場合、図5に示すように、主走査方向のマージン(位置)ずれが生じる。
さらに、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて、図6に示すように、感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの回転軸の傾きや、2次転写時の用紙スキューなどに起因して、リードやサイドのスキューずれが発生する。また、各感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kに、図7に示すように、副走査方向に沿った位置ずれがあると、副走査方向のマージン( 位置) ずれが発生する。
また、上記のレジずれに加えて、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて、図8に示すように、感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kに速度変動があると、副走査方向の周期的な変動(AC変動)が生じ、これが原因で互いに異なる色の間でレジずれが発生する。さらに、ベルトの蛇行などに起因して、図9に示すように、主走査方向の周期的な変動(AC変動)が生じ、これが原因で互いに異なる色の間でレジずれが発生する。
さらに、上記感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に画像が湾曲した状態で走査露光されると、ボウと呼ばれるリードやサイドの湾曲などのリニアリティ(直線性)のレジずれが発生する。
このように、種々の要因によって、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ、副走査方向の周期的ずれ、主走査方向の周期的ずれ等のレジずれが生じるが、これらの画像のレジずれが重ね合わされて、図10に示すように、DC的なずれ(均一なずれ)やAC的なずれ(周期的なずれ)が生じ、カラーレジずれとなって現れる場合がある。
したがって、上記タンデム方式のフルカラープリンタでは、図11に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて、例えば、まったく同じ碁盤の目状の画像55Mや55Cなどをマゼンタ(M)色とシアン(C)色で形成した場合であっても、上述したように、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ、副走査方向の周期的ずれ、主走査方向の周期的ずれ等のレジずれがあるため、そのままでは、歪んだ碁盤の目状の画像56M、57Mが記録用紙上に形成されることになる。
そこで、この実施の形態では、図12に示すように、中間転写ベルト25上に所定のタイミングで、シェブロンパターンと呼ばれるレジずれ検出用パターン50を形成し、このレジずれ検出用パターン50を画像位置検出器(検出手段)60によって検出して、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kで形成される画像のレジずれ量を求めて補正した後、所望のカラー画像を形成するように構成されている。なお、上記画像位置検出器60A、60B、60Cは、図2に示すように、ブラック色の画像形成部13Kの下流側に設けられた検出位置において、図12に示すように、主走査方向に沿って、フルカラープリンタ本体1のOUT側(図中、手前側)と、CENTER部(中央部)と、IN側(図中、奥側)にそれぞれ配置されているが、必要に応じて、中間転写ベルト25の幅方向に沿って等間隔に複数個(4個以上)設けてもよく、検出するレジずれの種類に応じて適宜配置される。
レジずれ検出用パターン50としては、種々の形状のものを用いることができるが、例えば、図13に示すように、中央部を先頭として、左右両側に副走査方向に沿って等しい角度(例えば、45度)だけ傾斜させた直線状の画像からなる山型マーク51を、画像位置検出器60A、60B、60Cの位置に対応させて形成したものが用いられる。上記レジずれ検出用パターン50は、副走査方向 (中間転写ベルト25の移動方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。
更に説明すると、上記レジずれ検出用パターン50としては、図13に示すように、第1の基準色(図示例では、シアン色)からなる第1番目の山型マーク51CCと、第2の被測定色(図示例では、イエロー色)からなる第2番目の山型マーク51YYと、第1の色と第2の色からなる第3番目の山型マーク51CYマークを、1つの単位として被測定色のすべてを組み合わせたパターンが用いられる。図13に示すレジずれ検出用パターン50の組み合わせが基準色と被測定色における1ブロックとする。このレジずれ検出用パターン50を実際に用いる場合には、数ブロック分繰り返して形成してサンプリングし、サンプリング値を平均化する等の処理が行われる。なお、黒色の山型マーク51は、検出精度を上げるため、下地を反射率の高いイエロー色とし、その上に黒色のトナーで所定の山型マーク51の部分が開口したマクスを施すことによって、黒色の山型マーク51を形成するのが望ましい。なお、上記レジずれ検出用パターン50を出力するための画像データは、例えば、後述するように、カラープリンタの制御部の不揮発性メモリ90(図16参照)等に予め記憶されている。
図14は上記レジずれ検出用パターン50を検出する画像位置検出器60を示す構成図である。
図14において、61は画像位置検出器60の筐体であり、62、63は中間転写ベルト25上に形成されたレジずれ検出用パターン50をそれぞれ照明する2つのLED等からなる発光素子であり、64、65は2つの受光素子をそれぞれ一組とした" バイセル" と呼ばれる受光素子対を示すものである。この" バイセル" と呼ばれる受光素子対64、65としては、例えば、特開平6−118735号公報に開示されているように、2つのフォトダイオード等からなる受光素子64a、64b及び65a、65bを組み合わせた検出器を左右対称に配置したものが用いられる。なお、上記受光素子対64、65の傾斜角度は、山型パターン51の傾斜角度(例えば、45度)に等しく設定されている。上記2つの発光素子62、63としては、例えば、特定波長(赤外領域)の光、あるいは所定の波長分布を持った光を出射するLEDなどが用いられ、これらの発光素子6263は、中間転写ベルト25上の2つの検出位置を、互いに所定の角度だけ傾斜した状態で照明するように配置されている。また、上記2組の受光素子対64及び65は、中央部が互いに接触し、両端部が水平方向に対して所定の角度だけ下方に傾斜した状態で、隣接して配置された細長い平行四辺形状の2つの受光素子64a、64bと65a、65bを備えており、各受光素子64a、64bと65a、65bは、図14(B)に示すように、反射光の検知タイミング及び検知角度が互いに異なるように設定されている。
上記画像位置検出器60は、中間転写ベルト25上に形成されたレジずれ検出用パターン50を検出すると、当該レジずれ検出用パターン50の直線状のマーク51によって、一方の受光素子64bからは、反射光量に応じた山型の波形が出力され、他方の受光素子64aからも、幾らか遅れて山型の波形が出力されるそして、これら2つの受光素子64b、64aから出力される波形を増幅してから差分をとるか、差分をとってから増幅することにより、図13に示すように、一旦大きく山型に立ち下がってから、今度は大きく山型に立ち上がる出力波形が得られる。そこで、上記2つの受光素子64a、64bから出力される波形の差分をとることにより、CCD等の高精度のセンサーを使用しなくとも、レジずれ検出用パターン50の直線状マーク51の位置を、高解像度で精度良く検出することが可能となる。
そして、上記レジずれ検出用パターン50が画像位置検出器60によって検出されると、当該画像位置検出器60からは、図13の右端に示すような波形が、レジずれ検出用パターン50を検出した時にのみ出力される。したがって、上記画像位置検出器60からの出力を、一定の閾値と比較することによって、レジずれ検出用パターン50を検出したときに、" OFF" から" ON" に変化し、当該レジずれ検出用パターン50が通過したときに、" ON" から" OFF" に変化するパルス信号が得られる。
このように、本結果の" ON" のみ着目すると、上記にて述べた通り" ON "の期間はパターンを検出している期間であり、" OFF" の期間はパターンを検出していない期間である。故に、" ON" →" ON" の時間間隔を測定すれば、上記パターン間の距離を測定したことになり、その結果より基準色の画像に対する各色のずれ量を計算し、そのずれ量分から複数種類のレジずれ量を求めて各画像形成部にて補正することで常に安定/良好な画像を得ることが可能となる
図15は上記画像位置検出器60の信号処理回路を示すブロック図である。
上記画像位置検出器60は、図15に示すように、一方の発光素子としてのLED62に対応した反射光量検出部66aと、他方の発光素子としてのLED63に対応した反射光量検出部66bとを備えている。一方の反射光量検出部66aにおいて、受光素子としてのフォトダイオード64aの出力端は、電流−電圧変換器80、増幅器(AMP)81、A/D変換器82を介して制御部93のマイクロコンピュータ(CPU)83に接続されており、フォトダイオード64aから出力される受光量に応じた大きさの電流は、フォトダイオード64aの出力電圧を表すデジタルデータに変換されてマイクロコンピュータ83に入力されるマイクロコンピュータ83は、LEDドライバ84を介して発光素子(LED)62に接続されている。そして、上記マイクロコンピュータ83は、LEDドライバ84を介して、フォトダイオード64aからの出力電圧が所定の範囲内となるように、LED62に供給する駆動電流を制御する。
また、他方のフォトダイオード64bの出力端は、電流−電圧変換器85を介して差動入力増幅器86の2つある入力端のうちの一方に接続されており、2つある入力端の他方には、フォトダイオード94aからの出力である電流−電圧変換器80の出力端が接続されている。上記差動入力増幅器86は、電流−電圧変換器85、80から入力された信号の差分(フォトダイオード64a、64bの受光量差に相当)を増幅して出力する。なお、図13には、画像位置検出器60がレジずれ検出用パターン50を検出した際の差動入力増幅器86の出力電圧のおおよその変化が、パターン51と対応させて示されている。
上記差動入力増幅器86の出力端は、コンパレータ87、バッファ88、カウンタ89を介してマイクロコンピュータ83に接続されている。コンパレータ87は、差動入力増幅器86から入力された信号のレベルを予め設定された閾値と比較し、信号のレベルが閾値以上のときには出力信号をハイレベル( 便宜的に「ON」と言う) 、信号のレベルが閾値未満のときには出力信号をローレベル(便宜的に「OFF」という)に切替える。コンパレータ87からの出力信号はバッファ88を介してカウンタ89へ入力される。
そして、上記カウンタ89は、入力された信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わるとカウントを開始し、信号のレベルが「ON」から「OFF」に切り替わった後に再度「OFF」から「ON」に切り替わると、それまでのカウント値をマイクロコンピュータ83へ出力すると共にカウント値をリセットし次に信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わる迄の時間をカウントすることを繰り返す。
マイクロコンピュータ83は、レジずれ補正動作時、画像位置検出器60がレジずれ検出用パターン50を検出したときに、カウンタ89から入力されたカウント結果に基づいてレジずれ検出用パターン50の位置を検出し、画像形成部13Y、13M、13C、13Kによって画像を形成する際にレジずれを補正するように構成されている。
なお、他方の反射光量検出部66bのフォトダイオード65a、65bにも反射光量検出部66aと同一構成の回路が接続されているので、図15に示すように、接続されている回路の各部に同一の符号を付して、その説明を省略する。
上記マイクロコンピュータ83は、レジずれ補正動作時に、図13に示すようなレジずれ検出用パターン50が中間転写ベルト25の外周面上に形成されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kを制御する。
中間転写ベルト25に上記のレジずれ検出用パターン50が形成されると、画像位置検出器60によるレジずれ検出用パターン50の検出が行われる。ここで中間転写ベルト25の外周面上でのフォトダイオード64a、64bによる検出位置は、副走査方向にずれているため、レジずれ検出用パターン50の検出時には、差動入力増幅器86からは、電流−電圧変換器85、80から入力された信号の差分(フォトダイオード64a、64bの受光量差)に相当する波形、すなわち図13に「検出波形」として示すように、中間転写ベルト25の外周面上でのフォトダイオード64a、64bによる検出位置を単一の山型マークが横切る毎に、出力信号のレベルが負方向及び正方向にパルス状に変化する波形の信号が出力される。
差動入力増幅器86の出力信号は、コンパレータ87に入力され、コンパレータ87によって上記出力信号のレベルが予め設定された閾値と比較される。コンパレータ87は、入力された信号のレベルが閾値以上のときには出力信号のレベルを「ON」とし、入力された信号のレベルが閾値未満のときには出力信号のレベルを「OFF」とする。コンパレータ87から出力された信号はバッファ88を介してカウンタ89に入力され、信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わる時間間隔が順次カウントされる。カウンタ89によるカウント値は、パターン検知信号(図17参照)としてマイクロコンピュータ83に入力される。
マイクロコンピュータ83には、パターン検知信号として、単一の画像位置検出器60当り2個(合計6個)のカウンタ89からカウント値が各々入力されるコンパレータ87から出力される信号において、レベルが「ON」となっている期間は、検出器が山型パターンを検出している期間に相当し、レベルが「OFF」となっている期間は、検出器が山型パターンを検出していない期間(山型パターンの間隙を検出している期間)に相当する。従って、カウンタ89から入力されるカウント値は、レジずれ検出用パターン50における山型パターン51の形成間隔を表している。
ところで、この実施の形態では、複数の画像形成部によって被検知媒体上にレジずれ検出用パターンを形成し、当該レジずれ検出用パターンを検出手段によって検出して、画像のレジずれを補正するレジずれ補正手段を有する画像形成装置において、前記レジずれ補正手段は、レジずれ検出用パターン形成時と、画像形成時とで、主走査方向及び副走査方向の位置に加えて、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1つ以上を変更可能とするように構成されている
また、この実施の形態では、前記レジずれ補正手段は、画像処理によって、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキューリードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1つ以上を変更するように構成されている。
図16はこの実施の形態に係るフルカラープリンタの制御部を示すブロック図である。
図16において、83はフルカラープリンタの画像形成動作を制御するマイクロコンピュータであり、このマイクロコンピュータ83には、レジずれ補正動作で適宜使用されるレジずれ検出用パターン50の画像情報やパラメータを記億する記憶手段としての不揮発性メモリ(NVM)90が接続されている。また、上記マイクロコンピュータ83には、画像データを展開するための描画メモリ91を備えた画像データ展開回路(Video Asic)92が接続されており、当該画像データ展開回路(Video Asic)92からは、ROS14Y、14M、14C、14Kに各色の画像データが送られるようになっている。
上記画像データ展開回路(Video Asic)92は、例えば、後述するように、ハードウェアとしてのロジック回路を用いて、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量の一部または全部を、イエロー (Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の一部の色又は全色で補正するものが用いられる。
図17はこの実施の形態に係るフルカラープリンタにおいて、マイクロコンピュータ83によって又は一部ハードウエアとしてのロジック回路によって実現される各種の機能のうち、レジずれの補正に係る機能(以下、この機能を実現するためのソフトウェア及びハードウェアをレジずれ補正手段としてのレジずれ補正部100と総称する)が、詳細な機能毎にブロックに分けて示されている。
レジ補正部100は、図17に示すように、主として、入力されたパターン検知信号に基づいて、複数種類の画像のレジずれ量を検出(算出)するレジずれ量算出部101と、前記レジずれ量算出部101の算出結果に基づいて、前記複数種類の画像のレジずれを補正するための補正量を算出するレジずれ補正量算出部102と、前記レジずれ補正量算出部102によって算出されたレジずれ補正量に基づいて、前記画像のレジずれを補正するレジずれ補正部103を有している
レジずれ量検出部101は、各カウンタ89から入力されるカウント値に基づいて、レジずれ検出用パターン50内の各部位における山型マーク51の形成時間間隔(図18(A)に示す時間間隔a、b、c、d)を検知する。単一の画像位置検出器60から入力される2個のカウント値から求めた時問問隔a、b、cdは、主走査方向(以下、FS(Fast Scan)方向という)及び副走査方向(以下、SS(Slow Scan)方向という) についてパターン形成位置のずれが無ければ、図18(B)に示すように互いに等しい値(a=b=c=d)となるが、図18(C)又は(D)に示すようにパターンの形成位置がFS方向にずれている場合、或いは図18(E)又は(F)に示すようにパターン形成位置がSS方向にずれている場合には、時間間隔a、b、c、dの少なくとも何れかの値が他の値と相違する。
このため、レジずれ量検出部101は、下記の算出式(数1)に従い、特定の色(例えばC)を基準として他の3色(例えばY、M、K)のFS方向の色ずれ量FSerr 及びSS方向の色ずれ量SSerr を算出することを、画像位置検出器60A、60B、60Cについて各々行う。
FSerr [sec]=(b−a)÷2
FSerr [mm]=FSerr [sec ]・(単位時間当たりの距離)[mm/sec]
SSerr[sec] =(d−c)+(b−a)÷2
SSerr [mm] =SSerr [sec ]・( 単位時間当たりの距離)[mm/sec]
ここでは、例えば、中央部の画像位置検出器60Bにおける副走査方向に沿ったレジずれ量であるSSerr [mm]の値が、そのままSS方向に沿ったレジずれ量となる。
これにより、FS方向に沿った各位置(SOS(Start Of Scan )付近、COS(Center Of Scan)付近、及びEOS(End Of Scan )付近)におけるレジずれ量がFS方向及びSS方向について各々検出される。そして、或る色についてのSOS付近、COS付近、及びEOS付近における色ずれ量FSerr 、SSerr に基づいて、FS方向に沿った位置(座標値Y)と色ずれ量FSerr 、SSerr との関係(例として図19に実線で示す関係)を求め、更に、座標値yからレジずれを補正するためのレジずれ補正量を算出するための算出式(この算出式が表す座標値yと色ずれ補正量との関係を例として図19に破線で示す)をFSerr 、SSerr について各々求めることを、基準色以外の3色について各々行う。
上記で求めた算出式に画像上のFS方向に沿った各位置における座標値yを代入することにより、画像上のFS方向に沿った各位置におけるレジずれ補正量を求めることができ、このレジずれ補正量に基づいて各画素の位置を各色毎に独立に補正することでレジずれを補正することができる。なお、図19はSOS付近における色ずれ量とCOS付近における色ずれ量との偏差、及びCOS付近における色ずれ量とEOS付近における色ずれ量との偏差が等しい場合を示しているが、実際には両者は一致するとは限らない。両者が等しくない場合、FS方向に沿った位置とレジずれ量との関係や、FS方向に沿った位置からレジずれ補正量を求める算出式は、例えば最小二乗法等を適用して求めればよい。
また、レジずれ補正量算出部91は、画像位置検出器60A、60B、60Cでレジずれ検出用パターン50が検出されたタイミング、及び画像位置検出器60A、60B、60Cの検出位置に対するレジずれ検出用パターン50の形成位置のずれ量に基づいて、走査線の副走査方向に沿った位置ずれ(Yマージン)、走査線の傾き(スキュー)、走査線の湾曲(ボウ)、全体倍率変化及び左右倍率変化を各々検出し、それぞれを補正するための補正量を求める。
走査線傾きについては、図20(A)に示すように、画像位置検出器60A、60B、60Cの検出位置におけるレジずれ検出用パターン50の形成位置のxy座標(x1,y1)(x,y)(x2,y2)を各々検出し、その位置関係(図20(B)参照)に基づき、以下の算出式に従って走査線傾き量を算出し、FS方向に沿った位置(座標値y)から走査線傾きに対する補正量を算出するための算出式を求める。
上記で求めた算出式に画像上のFS方向に沿った各位置における座標値yを代入することにより、画像上のFS方向に沿った各位置における走査線傾き補正量を求めることができ、この走査線傾き補正量に基づいて各画素の位置を補正することで走査線傾きを補正することができる。
また、走査線湾曲については、レジずれ検出用パターン50の形成位置のxy座標(x1,y1)(x,y)(x2,y2)に基づき、以下の算出式に従って走査線湾曲として角度θ,x,y(図21も参照)を各々算出し、FS方向に沿った位置(座標値y)から走査線湾曲に対する補正量を算出するための算出式を求める。
上記で求めた算出式に画像上のFS方向に沿った各位置における座標値yを代入することにより、画像上のFS方向に沿った各位置における走査線湾曲補正量を求めることができ、この走査線湾曲補正量に基づいて各画素の位置を補正することで走査線湾曲を補正することができる。
また、全体倍率変化及び左右倍率変化については、まず画像位置検出器60Aの検出位置におけるレジずれ検出用パターン50の形成位置と検出位置とのFS方向に沿った偏差△XL 、画像位置検出器60Cの検出位置におけるレジずれ検出用パターン50の形成位置と検出位置とのFS方向に沿った偏差△XR (図22参照)を各々求め、以下の算出式に従って全体倍率に対する補正量を求める。
また、左右倍率変化(発生原因については図23(B)を参照)については、前述の偏差△XL ,△XR に加え、画像位置検出器60Bの検出位置におけるレジずれ検出用パターン50の形成位置と検出位置とのFS方向に沿った偏差△XC (図23(A)参照)も求め、以下の算出式に従って左側倍率及び右側倍率に対する補正量を各々求める。
上記で求めた倍率補正量に従い、COSに相当する画素を中心として左側(図23ではEOS側)の領域については、FS方向に沿った画素間隔を左側倍率補正量に従って補正し、COSに相当する画素を中心として右側(図23ではSOS側)の領域については、FS方向に沿った画素間隔を右側倍率補正量に従って補正することで、全体倍率変化及び左右倍率変化を補正することができる。なお上記副走査方向のレジずれ、走査線傾き、走査線湾曲、全体倍率変化、左右倍率変化は何れもレジずれのDC成分に相当する。
次にレジずれのAC成分の検知について説明する。FS方向のレジずれのAC成分は、主として感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kのウォブル、中間転写ベルト25の端面プロファイルに起因して発生する。例として図24
(A)に示すように、感光体ドラムの軸線に対して実際の回転軸が傾いていることで感光体ドラムのウォブルが生じていた場合、走査露光部による走査露光位置において、感光体ドラムの周面の位置がFS方向に周期的に変動することにより図24(B)に示すように、感光体ドラムの周面上への画像の形成位置がFS方向に沿って周期的に変動する。
このため、レジずれ補正量算出部102は、何かの基準信号(例えば感光体ドラムに取付けたロータリーエンコーダのZ相の信号)に基づいて、感光体ドラムの回転の1周期におけるFS方向に沿ったレジずれ検出用パターン50の形成位置を所定のサンプリング周波数(シャノンの定理によればサンプリング周波数は再生周波数の2倍とすればよいが、ノイズの影響を考慮すると最低でも再生周波数の6〜10倍とすることが望ましい)でサンプリングし、サンプリング結果に基づいて画像形成位置のFS方向に沿った変動の周期、振幅及び位相(感光体の周面上の位置との関係)を検知する。
上記で検知したFS方向ACレジずれの検知結果(画像形成位置のFS方向に沿った変動の周期、振幅及び位相)に基づき、各画素のFS方向に沿った位置を検知した画像形成位置のFS方向に沿った変動を打ち消すように周期的に変化させる(周期、振幅を同一とし位相を逆位相とする)補正量を設定し、該補正量に従って補正を行うことにより、画像形成位置のFS方向に沿った変動を補正することができる。
また、SS方向のレジずれのAC成分は、主として感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kや中間転写ベルト25を駆動するローラ27〜32の偏芯、中間転写ベルト25の厚みの不均一性等に起因して発生する。例として図24(C)に示すように、感光体ドラムの軸線に対して実際の回転軸が偏芯していた場合、走査露光部による走査露光位置において、感光体の周速が周期的に変動することによりSS方向に沿った画素間隔が周期的に変動する。この画素間隔の周期的な変動は、例えば濃度が一定の領域内においては、図24(D)に示すようにSS方向に沿った周期的な濃度変動として視認される。
このため、レジずれ補正量算出部102は、何かの基準信号(例えば感光体に取付けたロータリーエンコーダのZ相の信号)に基づいて、感光体ドラムの回転の1周期におけるSS方向に沿ったレジずれ検出用パターン50の形成位置を所定のサンプリング周波数でサンプリングし、サンプリング結果に基づいてSS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相(感光体の周面上の位置との関係)を検知する。
上記で検知したSS方向のACレジずれの検知結果(SS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相)に基づき、SS方向に沿った画素間隔を、検知したSS方向に沿った画素間隔の変動を打ち消すように周期的に変化させる(周期、振幅を同一とし位相を逆位相とする)補正量を設定し、設定した補正量に従って補正を行うことにより、SS方向に沿った画素間隔の変動を補正することができる。
なお、感光体ドラムの回転軸が傾いていることによるウォブルが生じていた場合、感光体ドラムの周速の変動の振幅及び位相がFS方向に沿った各位置で相違し、これに伴って画素間隔の変動の振幅及び位相がFS方向に沿った各位置で相違することになる。このため、上記を考慮すると、SS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相の検知をSOS、COS、EOSの各位置で各々行い検出結果に基づき、FS方向に沿った各位置における、SS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相を補間算出によって求め、算出結果に基づいてSS方向に沿った画素間隔の変動を補正することが望ましい。
また写真画像等のように、画像の幾何学的な歪み(具体的には、画像形成位置のFS方向に沿った変動やSS方向に沿った画素間隔の変動)は目立たないものの、濃度の周期的な変動は顕著に視認される画像に対しては、上述したFS方向に沿った画素位置及びSS方向に沿った画素間隔の補正に代えて、濃度の補正のみを行うようにしてもよい。この場合、レジずれ検出用パターン50に代えて、濃度が一定のベタ画像を形成し、形成したベタ画像のFS方向及びSS方向に沿った濃度変動の周期、振幅(濃度変動幅)及び位相を検知することが望ましく、検知した濃度変動の周期、振幅及び位相に基づき、検知した濃度変動が打ち消されるように各画素の濃度を周期的に変化させる補正を行えばよい。
一方、レジ補正部100には、図17に示すように、画像形成部13Y、13M、13C、13Kによって形成すべき画像を表す画像データも入力される。なお、この画像データは、画像読取装置4が原稿2を読み取ることで得られた画像データであってもよいし、電話回線を介して他のファクシミリ装置から受信した画像データであってもよいし、通信回線を介してパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置から受信したデータをビットマップデータとして展開することで得られた画像データであってもよい。
また、この実施の形態では、上記の画像データとして、形成すべき画像をFS方向及びSS方向に2400dpiの解像度で多数の画素に分解すると共に、各画素のY、M、C、K各色毎の濃度を各々8ビット(0〜255の256階調)で表す画像データを用いているが、画像データの解像度及び階調数は上記数値に限定されるものではない。
上記レジ補正部100は、図17に示すように、レジずれ補正部103を備えており、当該レジずれ補正部103は、レジずれ補正量算出(演算)部102によって算出された主走査方向及び副走査方向の位置に加えて、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキューサイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1つ以上を補正する際、レジずれ検出用パターン形成時と、画像形成時とで、これらの補正量を変更可能とするように構成されている
つまり、上記レジずれ補正部103は、画像データを画像データ展開回路(Video Asic)92によって展開する際に、主走査方向及び副走査方向の位置に加えて、リードのスキューやサイドのスキュー、あるいはリードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量を、画像データの画素位置を移動させることによって補正するように構成されている。例えば、形成される画像に、図19に実線で示すようなスキューが存在する場合には、画像データの画素位置を当該スキューを打ち消すように、図19に破線で示すように画像データの画素位置を移動させることによって補正するようになっている。
具体的には、レジずれ補正部103は、レジずれ検出用パターン50形成時には、画像形成時と異なり、レジずれ検出用パターン50がレジ検出用センサとしての画像位置検出器60A、60B、60Cの直下または直上近傍に来るように、レジずれ検出用パターン50全体の位置を操作する。このとき、レジずれ補正量は変更せず、レジずれ検出用パターン50全体の位置を動かす。具体的には、レジずれ検出用パターン50の主走査方向及び副主走査方向の位置に加えて、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等の一部または全てについて、画像位置を操作し、レジずれ検出用パターン50を形成するように構成されている。
また、画像出力時には、用紙の伸縮や用紙の斜行等に起因する画像の歪みが発生するので、上記にて読み取ったカラーレジずれの補正に加えて、用紙に対する画像の、主走査方向及び副主走査方向の位置に加えて、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等の補正が可能な構成とする。
以上の構成において、この実施の形態1に係るタンデム方式のフルカラープリンタでは、次のようにして、レジずれ検出用パターンを検出する検出手段の取り付け位置に誤差がある場合であっても、主走査方向及び副走査方向の位置、主走沓方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量を補正して、印刷機に代替可能な高画質な両像を形成することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態1に係るタンデム方式のフルカラープリンタでは、装置の電源をONしたときや、環境温度が所定の値以上変化した場合、所定枚数プリントした場合、あるいは用紙トレイを開閉した場合など、所定のタイミングで、図12に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部13Y、13M、13C、13Kによって、中間転写ベルト25上にレジずれ検出用パターン50を形成し、当該レジずれ検出用パターン50を3つの画像位置検出器60A、60B、60Cによって検出するようになっている。
その際、上記中間転写ベルト25上にレジずれ検出用パターン50を形成するには、不揮発性メモリ92に記憶されたレジずれ検出用パターン50を形成するための画像データがそのまま使用され、図17に示すようなレジずれ補正部における補正処理が施されない。
上記画像位置検出器60A、60B、60Cによって検出されたレジずれ検出用パターン50の信号は、図15に示す信号処理回路によって処理された後、パターン検知信号として、マイクロコンピュータ83に入力される。
上記マイクロコンピュータ83では、図17に示すように、当該マイクロコンピュータ83のソフトウエア及びハードウエアによって実現される各種の機能に基づいて、次に示すような画像のレジずれ量の算出、補正量の算出、及び画像形成の位置の補正処理等が実行される。
まず、上記マイクロコンピュータ83によって実現されるレジずれ量算出部101では、図25に示すように、画像位置検出器60A、60B、60Cからのパターン検知信号に基づいて、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、リードのスキュー、リードのリニアリティ等のレジずれ量が算出される。
次に、レジずれ補正量算出部102では、図25に示すように、上記レジずれ量算出部101で算出された主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、リードのスキュー、リードのリニアリティ等のレジずれを補正するためのレジずれ補正量( 補正座標) が、上述した数式に基づいて算出される。
そして、上記レジずれ補正量算出部102によって算出された主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、リードのスキュー、リードのリニアリティ等のレジずれを補正するためのレジずれ補正量(補正座標)は、図16に示すように、不揮発性メモリ92に記憶され、画像形成時において使用される。
次に、画像を形成する際には、プリントすべきカラー原稿2の画像を、画像読取装置4によって読み取ったり、図示しないパーソナルコンピュータ等からフルカラーの画像データを送信することによって、フルカラー画像のプリントが行われる。
ところで、上記の如くレジずれ検出用パターン50を形成し、当該レジずれ検出用パターン50を画像位置検出器60A、60B、60Cによって検出し、マイクロコンピュータ83によって、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、リードのスキュー、リードのリニアリティ等のレジずれ量を算出して、当該レジずれ量を補正するレジずれ補正量を求め、レジずれを補正する処理を施した場合であっても、図26に示すように、画像位置検出器60A、60B、60Cの取り付け位置に誤差があると、印刷機と同等の高画質な画像が得られない場合がある。
そこで、この実施の形態では、レジずれを補正する処理を施した場合であっても、所望の高画質のフルカラー画像が得られない場合には、図27に示すように所望のフルカラー画像の外周に、印刷分野で所謂トンボと呼ばれる十字状のプリント位置基準マーク130を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)ブラック(K)の4色で、記録用紙34の四隅の所定の位置に形成するマニュルモードを選択し、十字状のプリント位置基準マーク130を形成する。このマニュルモードは、例えば、サービスマンやユーザが、プリンタのユーザーインターフェイスを操作することによって、マイクロコンピュータ83によって実行される。
次に、サービスマンやユーザは、十字状のプリント位置基準マーク130が四隅の所定の位置に形成された記録用紙34を、手作業によって十字状のプリント位置基準マーク130間の長さ及び位置を測定するか、記録用紙34を高精度の画像読取装置4にセットして、当該画像読取装置4によって読み取る。
そして、上記記録用紙34上に形成された十字状のプリント位置基準マーク130間の長さ及び位置が、所定の値からずれている場合には、サービスマンやユーザは、画像位置検出器60A、60B、60Cのいずれか1つ以上に、取り付け位置の誤差があると判断して、プリンタのユーザーインターフェイスを操作することによって、マイクロコンピュータ83によってレジずれ補正量を算出する際に、当該画像位置検出器60A、60B、60Cの取り付け位置の誤差を、レジずれ補正量に反映する設定を行う。
その後、サービスマンやユーザーは、十字状のプリント位置基準マーク130が四隅の所定の位置に形成された記録用紙34を、再度プリントして、十字状のプリント位置基準マーク130が四隅の所定の位置に形成されていることを確認して、所望のプリント作業を実行する。
このように、上記実施の形態では、レジずれ検出用パターン50を形成するときには、画像形成時と異なり、レジずれ検出用パターン50がレジ検出用センサとしての画像位置検出器60A、60B、60Cの直下または直上近傍に来るように、レジずれ検出用パターン50全体の位置を操作する。このとき、レジずれ補正量は変更せず、レジずれ検出用パターン50全体の位置を動かす。具体的には、レジずれ検出用パターン50の主走査方向及び副主走査方向の位置に加えて、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等の一部または全てについて、画像位置を操作し、レジずれ検出用パターン50を形成して、レジずれ補正量を求める。
そして、実際の画像形成時に、レジずれ補正部によって、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ量を補正して画像を形成する。
次に、上記の如く、主走査方向及び副走査方向の位置、主走脊方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ量を補正して画像を形成することによって、所望の高画質の画像を得ることができる。
また、上記レジずれ検出用パターン50を検出する画像位置検出器60A、60B、60Cの取り付け位置に誤差がある場合には、レジずれ検出用パターン50の形成、及びレジずれの補正処理を施しても、所望の高画質の画像を得ることができない。
そこで、この場合には、両像位置特定用マークとしての十字状のプリント位置基準マーク130を記録用紙34上にプリントして、当該十字状のプリント位置基準マーク130の位置を、サービスマンやユーザー、あるいは高精度の画像読取装置によって検出して、画像位置検出器60A、60B、60Cの取り付け位置の誤差を求め、当該画像位置検出器60A、60B、60Cの取り付け位置の誤差をレジずれ補正量にフィードバックするようになっている。
そのため、この実施の形態では、レジずれ検出用パターンを検出する検出手段の取り付け位置に誤差がある場合であっても、主走脊方向及び副走査方向の位置主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量を補正して、印刷機に代替可能な高画質な両像を形成することが可能となっている。
なお、本実施例では、センサの数は3個としているが、5個等より多くのセンサで高次の走査線の曲がりや部分倍率を検知可能な構成とすることも可能である。
参考実施の形態1
図28はこの発明の参考実施の形態1を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この参考実施の形態1では、記録媒体の両面に画像を形成可能に構成されている画像形成装置において、レジずれ補正手段は、記録媒体の両面に画像を形成する際に、表面画像形成時と、裏面画像時とで、主走査方向及び副走査方向の位置に加えて、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1 つ以上を変更するように構成されている。
また、この参考実施の形態1では、前記複数の画像形成部によって記録媒体上の表裏両面に画像位置を特定するマークを形成し、当該画像位置特定用マークを読取手段によって読み取るとともに、レジずれ補正手段によってレジずれを補正するように構成した画像形成装置において、前記レジずれ補正手段は、記録媒体の表面に形成された少なくとも2つ以上の画像位置特定用マークを読取手段により読み取った結果に基づいて、記録媒体の裏面に画像を形成する際に、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1つ以上を変吏するように構成されている。
さらに、この参考実施の形態1では、前記レジずれ補正手段は、記録媒体の表裏両面にそれぞれ形成された少なくとも2つ以上の画像位置特定用マークが、互いに重なるように主走杏方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも一つ以上を変更するように構成されている。
すなわち、この参考実施の形態1では、図28に示すように、両面用の用紙搬送路49に、記録用紙34の表面に形成( 定着) された画像位置特定用マークとしての十字状のプリント位置基準マーク130を読み取る、読取手段としてのCCD等からなる読取センサ150が配設されている。なお、上記読取センサ150は、十字状のプリント位置基準マーク130の位置に対応して主走査方向に沿った2箇所の位置に設けられている。
そして、この実施の形態では、両面プリント時に、記録用紙34の表面に形成(定着)された十字状のプリント位置基準マーク130を読取センサ150によって読み取る。
すると、マイクロコンピュータ83は、読取センサ150によって読み取られて十字状のプリント位置基準マーク130の位置に基づいて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像が、主走査方向及び副走査方向に沿ってどの程度ずれているかを算出する。
その際、上記記録用紙34は、定着器37を通過しているため、当該記録用紙34の含水率や材質によっては、画像が伸びたり縮んでいる場合がある。そこでマイクロコンピュータ83は、記録用紙34上に形成された画像の主走査方向及び副走査方向に沿ったずれ量を求めて、記録用紙34の裏面に画像を形成する際に、レジずれ補正部100によって、前述したレジずれの補正に合わせて、当該主走査方向及び副走査方向に沿ったずれ量を補正するようになっている。
また、他のレジずれ補正量においても、場合に応じて、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1 つ以上を変更するように構成されている。
こうすることによって、記録用紙34の表裏両面にそれぞれ形成された少なくとも2つ以上のプリント位置基準マーク130が、互いに重なるように画像を形成することができる。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態2
この発明の実施の形態2について、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、レジずれ補正手段は、記録媒体収容トレイ、記録媒体搬送状態、記録媒体形状、被検知媒体、記録媒体の材質などの情報、機内環境、周辺環境、電源ON後の画像形成枚数、連続画像形成枚数、総画像形成枚数などの画像形成のための情報の少なくとも1つ以上に基づいて、主走査方向及び副走査方向の位置、羊走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティ、サイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1つ以上を変更するように構成されている。
この実施の形態2では、レジずれ補正手段としてのマイクロコンピュータ83が、フルカラープリンタの画像形成動作を制御するように構成されているが、同時に、マイクロコンピュータ83は、図示しないセンサ等によって、用紙トレイ39〜41の状態、記録用紙34の搬送状態、記録用紙34の形状、被検知媒体としての中間転写ベルト25や図示しない用紙搬送ベルト、記録用紙の材質などの情報、機内環境、周辺環境、電源ON後の画像形成枚数、連続画像形成枚数、総画像形成枚数などの画像形成のための情報の少なくとも1つ以上を検出し、これらの画像形成のための情報に基づいて、主走査方向及び副走査方向の位置、主走査方向の倍率、主走査方向の部分倍率、副走査方向の倍率、副走査方向の部分倍率、リードのスキュー、サイドのスキュー、リードのリニアリティサイドのリニアリティ等のレジずれ補正量のうち、少なくとも1つ以上を変更するように構成されている。
上記マイクロコンピュータ83は、不揮発性メモリ92に、予め、各種環境条件等とレジずれ補正量との関係をテーブル化して記憶しており、当該補正のためのテーブルに基づいて、記録用紙の材質などの情報、機内環境、周辺環境、電源ON後の画像形成枚数、連続画像形成枚数、総両像形成枚数などの画像形成のための情報の少なくとも1 つ以上に応じて、レジずれ補正量を調整した上で、レジずれ補正動作を実行するようになっている。
また、マイクロコンピュータ83は、プリンタ本体1 内蔵または外部の画像読取装置による読み取り結果や、ユーザー等による調整量設定に基づいたテーブルのキャリブレーション結果を逐次学習可能となるように構成しても良い。
なお、その際、画像読取装置4からの情報による上記「補正テーブル」のキャリブレーション時において、読み取り対象原稿の一部に、その画像を出力した時の機内温度・湿度並びに周辺温度・湿度(1箇所または複数箇所における測定値)、電源ON以降(スリープ復帰後)の出力枚数、上記原稿を出力するまでの連続出力枚数、出力メデイアの材質・繊維の配向特性・厚さ・含水率・大きさ・表面の性状、などの情報の1 つ以上のいくつかまたは全てを、バーコードのようにコード化して記入しておくように構成しても良い。
さらに、定着器37や、用紙搬送部、ベルトモジュール、画像読取装置、レジコンセンサなどの、脱着・交換や、本体の振動・衝撃などを、ショックセンサ等によって検出し、その検出情報に基づいて、補正量テーブルの内容をクリアして、基準となるテーブルにもどるように構成しても良い。
尚、本発明は、レジずれ検知用パターンを形成するものに限らず、マルチプルのカラー機や白黒機にも適用できるものである。
50:レジずれ検出用パターン、60:画像位置検出器、92:画像データ展開回路、100:レジ補正部(レジずれ補正手段)、101:レジずれ量算出部、102:レジずれ補正量算出部、103:レジずれ補正部。