JP2013235169A - 画像形成装置及び濃度変動抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力画像の全域に亘って濃度変動を要求レベルまで抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体ドラムと、光源を含み、該光源からの光によって感光体ドラム表面を主走査方向に走査し、該感光体ドラム表面に潜像を形成する光走査装置2010と、前記潜像を現像する現像装置と、感光体ドラムの回転周期を検出するホームポジションセンサと、現像装置で現像された画像の主走査方向の3つの位置における濃度を検出する濃度検出装置2245と、濃度検出装置2245の出力信号に基づいて、前記画像の主走査方向の3つの位置における前記回転周期を周期とする周期的濃度変動の初期位相を求め、該初期位相及び前記回転周期に基づいて、前記画像の主走査方向の各位置における周期的濃度変動が抑制されるように光源の駆動信号を補正する処理装置と、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】 感光体ドラムと、光源を含み、該光源からの光によって感光体ドラム表面を主走査方向に走査し、該感光体ドラム表面に潜像を形成する光走査装置2010と、前記潜像を現像する現像装置と、感光体ドラムの回転周期を検出するホームポジションセンサと、現像装置で現像された画像の主走査方向の3つの位置における濃度を検出する濃度検出装置2245と、濃度検出装置2245の出力信号に基づいて、前記画像の主走査方向の3つの位置における前記回転周期を周期とする周期的濃度変動の初期位相を求め、該初期位相及び前記回転周期に基づいて、前記画像の主走査方向の各位置における周期的濃度変動が抑制されるように光源の駆動信号を補正する処理装置と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、画像情報に基づいて画像を形成する画像形成装置、及び画像情報に基づいて形成される画像の濃度変動抑制方法に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの画像形成装置では、一般的に、光を被走査面に照射するとともに、該光で被走査面を走査することによって、該被走査面上に潜像を形成している。
このような画像形成装置は、被走査面としての表面が感光性を有する感光体ドラム、光源を含み、該光源からの光によって感光体ドラム表面を主走査方向に走査し、該感光体ドラム表面に潜像を形成する光走査装置と、該潜像を現像する、現像ローラを含む現像装置などを備えている(特許文献1参照)。
ところで、感光体ドラム又は現像ローラが偏心している場合、感光体ドラム又は現像ローラの断面が真円でない場合等には、感光体ドラム及び現像ローラが回転したときに、感光体ドラムと現像ローラとの間の間隙が変動する。この間隙の変動は現像の変動となり、画像形成装置から出力される画像(「出力画像」ともいう)において、不要な濃度変動を招く。
近年、画像品質に対する要求が高くなり、特許文献1に開示されている画像形成装置では、出力画像の全域に亘って濃度変動を要求レベルまで抑制することは困難であった。
本発明は、画像情報に基づいて画像を形成する画像形成装置であって、感光体ドラムと、前記画像情報に基づいて変調された光を射出する光源を含み、該光源からの光によって前記感光体ドラム表面を主走査方向に走査し、前記感光体ドラム表面に潜像を形成する光走査装置と、前記潜像を現像する現像装置と、前記感光体ドラムの回転周期を検出するドラム周期検出センサと、前記現像装置で現像された画像の前記主走査方向の複数位置における濃度を検出する濃度検出装置と、前記濃度検出装置の出力信号に基づいて、前記画像の前記複数位置における前記回転周期を周期とする周期的濃度変動の初期位相を求め、該初期位相及び前記回転周期に基づいて、前記画像の前記主走査方向の各位置における前記周期的濃度変動が抑制されるように前記光源の駆動信号を補正する処理装置と、を備える画像形成装置である。
これによれば、出力画像の全域に亘って濃度変動を要求レベルまで抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図24に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、濃度検出装置2245、4つのホームポジションセンサ(2246a、2246b、2246c、2246d)及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
ところで、各感光体ドラムにおいて、画像情報が書き込まれる領域は、「有効走査領域」、「画像形成領域」、「有効画像領域」などと呼ばれている。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
濃度検出装置2245は、転写ベルト2040の−X側に配置されている。この濃度検出装置2245は、一例として図2に示されるように、3つの光学センサ(2245a、2245b、2245c)を有している。
光学センサ2245bは、転写ベルト2040における有効画像領域内の−Y側端部近傍に対向する位置に配置され、光学センサ2245cは、転写ベルト2040における有効画像領域内の+Y側端部近傍に対向する位置に配置され、光学センサ2245aは、主走査方向に関して、光学センサ2245bと光学センサ2245cのほぼ中央位置に配置されている。ここでは、主走査方向(Y軸方向)に関して、光学センサ2245aの中心位置をY1、光学センサ2245bの中心位置をY2、光学センサ2245cの中心位置をY3とする。
各光学センサは、いずれも一例として図3に示されるように、転写ベルト2040に向けて光(以下、「検出用光」ともいう)を射出するLED11、転写ベルト2040あるいは転写ベルト2040上のトナーパッドからの正反射光を受光する正反射光受光素子12、転写ベルト2040あるいは転写ベルト2040上のトナーパッドからの拡散反射光を受光する拡散反射光受光素子13を有している。各受光素子は、いずれも受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
ホームポジションセンサ2246aは、感光体ドラム2030aにおける回転のホームポジションを検出する。
ホームポジションセンサ2246bは、感光体ドラム2030bにおける回転のホームポジションを検出する。
ホームポジションセンサ2246cは、感光体ドラム2030cにおける回転のホームポジションを検出する。
ホームポジションセンサ2246dは、感光体ドラム2030dにおける回転のホームポジションを検出する。
各ホームポジションセンサは、例えばLED等の発光素子とフォトダイオード等の受光素子とを一体に有しており、対応する感光体ドラムと共に回転する反射部によって発光素子からの光が反射され、その反射光を受光素子で受光したときに、検知信号を出力する。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図4〜図7に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108b、2108c)、及び走査制御装置3022(図4〜図7では図示省略、図8参照)などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング(図示省略)の所定位置に組み付けられている。
各光源は、複数の発光部が2次元配列されている面発光レーザアレイを含んでいる。該面発光レーザアレイの複数の発光部は、すべての発光部を副走査対応方向に伸びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等間隔となるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
カップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aとからなる光学系は、Kステーションの偏向器前光学系である。
カップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bとからなる光学系は、Cステーションの偏向器前光学系である。
カップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cとからなる光学系は、Mステーションの偏向器前光学系である。
カップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dとからなる光学系は、Yステーションの偏向器前光学系である。
ポリゴンミラー2104は、Z軸に平行な軸まわりに回転する2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。
また、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの各光束は濃度検出装置の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの各光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各走査レンズはそれぞれ、光束を対応する感光体ドラム近傍に集光する光学的パワー、及びポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するような光学的パワーを有している。
走査レンズ2105a及び走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、走査レンズ2105c及び走査レンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、走査レンズ2105aと走査レンズ2105bはZ軸方向に積層され、走査レンズ2105bは1段目の4面鏡に対向し、走査レンズ2105aは2段目の4面鏡に対向している。また、走査レンズ2105cと走査レンズ2105dはZ軸方向に積層され、走査レンズ2105cは1段目の4面鏡に対向し、走査レンズ2105dは2段目の4面鏡に対向している。
ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a、折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b、折り返しミラー2106b及び折り返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c、折り返しミラー2106c及び折り返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d、折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。ここでは、走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aとからKステーションの走査光学系が構成されている。また、走査レンズ2105bと2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、走査レンズ2105cと2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dとからYステーションの走査光学系が構成されている。なお、各走査光学系において、走査レンズが複数のレンズから構成されていても良い。
ポリゴンミラー2104の−X側にある感光体ドラムとポリゴンミラー2104の+X側にある感光体ドラムでは、ポリゴンミラー2104の回転方向が同一であるので、光スポットの移動する方向は互いに逆方向となり、Y軸方向に関して、一側の感光体ドラムでの書き込み開始位置と他側の感光体ドラムでの書き込み終了位置とが一致するように潜像が形成される。
Kステーションの走査レンズ2105aを介した書き込み開始前の光束の一部は、先端同期検知センサ2111A(図4参照)で受光される。
また、Yステーションの走査レンズ2105dを介した書き込み開始前の光束の一部は、先端同期検知センサ2111B(図4参照)で受光される。
各先端同期検知センサは、受光光量に応じた信号を走査制御装置3022に出力する。なお、各先端同期検知センサの出力信号は、「先端同期信号」とも呼ばれている。
走査制御装置3022は、一例として図8に示されるように、CPU3210、フラッシュメモリ3211、RAM3212、IF(インターフェース)3214、画素クロック生成回路3215、画像処理回路3216、書込制御回路3219、濃度データ処理回路3218、光量制御回路3220、光源駆動回路3221などを有している。なお、図8における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
画素クロック生成回路3215は、画素クロック信号を生成する。なお、画素クロック信号は、1/8クロックの分解能で位相変調が可能である。
画像処理回路3216は、CPU3210によって色毎にラスター展開された画像データに所定の中間調処理などを行った後、各光源の発光部毎のドットデータを作成する。
書込制御回路3219は、ステーション毎に、先端同期信号に基づいて書き込み開始のタイミングを求める。そして、書き込み開始のタイミングに合わせて、各発光部のドットデータを画素クロック生成回路3215からの画素クロック信号に重畳させるとともに、発光部毎にそれぞれ独立した変調データを生成する。また、書込制御回路3219は、所定のタイミング毎に、APC(Auto Power Control)を実施する。
光源駆動回路3221は、書込制御回路3219からの各変調データに応じて、各光源に各発光部の駆動信号を出力する。
IF(インターフェース)3214は、プリンタ制御装置2090との双方向の通信を制御する通信インターフェースである。
フラッシュメモリ3211には、CPU3210にて解読可能なコードで記述された各種プログラム、及びプログラムの実行に必要な各種データが格納されている。
RAM3212は、作業用のメモリである。
CPU3210は、フラッシュメモリ3211に格納されているプログラムに従って動作し、光走査装置2010の全体を制御する。
濃度データ処理回路3218は、各光学センサの出力信号に基づいて、転写ベルト2040に転写されたトナー像の濃度(トナー濃度)を算出する。
光量制御回路3220は、濃度データ処理回路3218からの出力信号(トナー濃度)に基づいて、光源の各発光部の発光光量(発光パワー)の補正信号を生成する。
光源駆動回路3221は、書込制御回路3219からの各変調データに基づいて各光源の駆動信号を生成し、該駆動信号に光量制御回路3220からの補正信号を重畳させることで該駆動信号を補正し、補正後の駆動信号を該光源に出力する。
フラッシュメモリ3211には、CPU3210にて解読可能なコードで記述された各種プログラム、及びプログラムの実行に必要な各種データが格納されている。RAM3212は、作業用のメモリである。
CPU3210は、フラッシュメモリ3211に格納されているプログラムに従って動作し、光走査装置2010の全体を制御する。
ところで、カラープリンタ2000から出力される画像(以下、出力画像とも称する)の1頁内、頁間において、不要な濃度変動が生じる問題がある。
この濃度変動の原因の一つとして、感光体ドラムと現像ローラとの間のギャップ(間隙)変動が挙げられる。このギャップ変動には、主走査方向(感光体ドラムの長手方向)に関するギャップ変動と、副走査方向(感光体ドラムの回転方向)に関するギャップ変動とがある。
そこで、先ず、主走査方向に関する濃度変動について考える。この濃度変動の要因の一つとして、円筒状の感光体ドラム及び現像ローラの配置の平行度が挙げられる。感光体ドラムと現像ローラとが相対的に平行に配置されていないとき、上記ギャップは主走査方向に関して異なる。この場合、主走査方向に関して現像能力が異なるため、主走査方向に関する濃度変動が発生する。このとき、トナー濃度は主走査方向に沿って線形に変化する。
また、別の要因として、感光体ドラムの軸線に対して感光体ドラムの回転軸が傾いていることが挙げられる。この場合、主走査方向に関して上記ギャップ変動の位相が異なる。この結果、主走査方向に関して位相が異なる複雑な濃度変動が出力画像に発生する。
次に副走査方向に関する濃度変動について考える。この濃度変動の要因の一つとして、図9に示されるような感光体ドラムの偏心が挙げられる。すなわち、仮に感光体ドラムの軸線に対して感光体ドラムの回転軸(回転中心)がずれていると、該回転軸から感光体ドラム表面までの距離が副走査方向に関して周期的に異なる。この場合、上記ギャップが副走査方向に関して周期的に変動する。このギャップ変動は現像のばらつきとなるため、出力画像に副走査方向に関する濃度変動が生じる。
また、別の要因として、図10に示されるような感光体ドラムの真円性が挙げられる。仮に感光体ドラムの軸線に直交する断面が楕円形であるとする。この場合、感光体ドラムの回転方向(副走査方向)に関して上記ギャップが周期的に変動する。このため、現像能力が副走査方向に関して変動し、出力画像に副走査方向に関する濃度変動が生じる。
そこで、走査制御装置3022は、所定のタイミングで、上述した不要な濃度変動を抑制するための「光量補正情報取得処理」を行う。
なお、上記所定のタイミングとして、電源投入時には、(1)感光体ドラムの停止時間が6時間以上のとき、(2)装置内の温度が10℃以上変化しているとき、(3)装置内の相対湿度が50%以上変化しているとき、印刷時には、(4)プリント枚数が所定の枚数に達したとき、(5)現像ローラの回転回数が所定の回数に達したとき、(6)転写ベルトの走行距離が所定の距離に達したときが挙げられる。
ここで、光量補正情報取得処理について、図11を用いて説明する。図11のフローチャートは、光量補正情報取得処理の際に、走査制御装置3022によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。なお、光量補正情報取得処理は、ステーション毎に行われるが、各ステーションで同様にして行われるので、ここでは、代表として、Kステーションでの光量補正情報取得処理について説明する。
最初のステップS401では、一例として図12に示されるように、ブラックに関して、互いにトナー濃度が異なる複数の領域を有する濃度チャートパターンを、一例として図13に示されるように、Y軸方向に関して中心位置がY1となるように形成する。
ここでは、一例として、濃度チャートパターンは、10種類の濃度(n1〜n10)領域を有している。そして、濃度n1が最も低濃度であり、濃度n10が最も高濃度である。すなわち、濃度n1から濃度n10にかけて濃度が徐々に高くなる。なお、濃度チャートパターンを形成する際には、各領域の画像面積率は一定で、発光部の点灯時間は濃度に関係なく一定とし、発光パワーのみ異ならして濃度を変化させている。ここでは、濃度n1に対応する発光パワーをp1、濃度n2に対応する発光パワーをp2、・・・・、濃度n10に対応する発光パワーをp10とする。
次のステップS403では、各光学センサのLED11を点灯させる。LED11からの光(「検出用光」という)は、転写ベルト2040が回転するにつれて、すなわち、時間が経過するとともに、濃度チャートパターンにおける濃度n1の領域から濃度n10の領域までを順次照射する(図14参照)。
そして、正反射光受光素子12及び拡散反射光受光素子13の出力信号を取得する。
ところで、転写ベルト2040にトナーが付着していない場合には、転写ベルト2040で反射された検出用光は、正反射光成分が拡散反射光成分に比べて多い。そこで、正反射光受光素子12には多くの光が入射するが、拡散反射光受光素子13にはほとんど光が入射しない(図15(A)参照)。
一方、転写ベルト2040にトナーが付着していると、トナーが付着していない場合と比較して、正反射光成分は減少し、拡散反射光成分は増加する。そこで、正反射光受光素子12に入射する光は減少し、拡散反射光受光素子13に入射する光は増加する(図15(B)参照)。
すなわち、正反射光受光素子12及び拡散反射光受光素子13の出力レベル(両者の比率)によって、転写ベルト2040に付着しているトナーの濃度を検出することが可能である。
次のステップS405では、センサ出力レベルと発光パワーとの相関関係を求める(図16参照)。ここでは、該相関関係を多項式で近似し、該多項式をフラッシュメモリ3211に格納する。
次のステップS407では、転写ベルト2040に濃度変動測定用パターンを形成する。ここでは、濃度変動測定用パターンとして、上記の濃度パターンと同じ画像面積率のブラックのトナーを用いたハーフトーン画像をA3縦サイズで形成する(図17参照)。ここでは、ハーフトーン画像の濃度は、一例として70%程度とされている。この場合、光量変化による濃度変動が大きく、濃度補正に好適である。なお、濃度変動測定用パターンの画像データは、予めフラッシュメモリ3211に格納されている。
濃度変動測定用パターンが形成された後、該濃度変動測定用パターンの濃度を検出すべく、各光学センサのLED11を点灯させる。各LED11からの検出用光は、転写ベルト2040が回転するにつれて、すなわち、時間が経過するとともに、濃度変動測定用パターンを副走査対応方向に沿って照明する(図18参照)。
次のステップS409では、光学センサ毎に、所定の時間間隔で正反射光受光素子12及び拡散反射光受光素子13の出力信号を取得する。そして、取得された出力信号は、濃度データ処理回路3218に送られ、トナー濃度が算出される。
一方、ホームポジションセンサ2246aによって、感光体ドラム2030aの回転周期(以下、ドラム回転周期Tとも称する)が検知され、その検知信号が濃度データ処理回路3218へ送られる。各光学センサの出力信号から算出されたトナー濃度は、ホームポジションセンサ2246aの出力信号の周期(ドラム回転周期T)と略同じ周期で、略一定の振幅で周期的に変動する(図19参照)。
次のステップS411では、濃度データ処理回路3218が、ホームポジションセンサ2246a及び各光学センサからの出力信号に基づいて、各光学センサの出力信号から算出されたトナー濃度の周期的な変動(以下、周期的濃度変動と称する)を周期関数化する。
ここでは、一例として、濃度データ処理回路3218は、3つの光学センサ2245a、2245b、2245cの出力信号からそれぞれ得られる周期的濃度変動a(図19における実線)、周期的濃度変動b(図19における一点鎖線)、周期的濃度変動c(図19における破線)を、周期及び振幅が互いに等しい正弦波、すなわち初期位相のみが互いに異なる正弦波として抽出する。なお、これら3つの周期的濃度変動a、b、cは、それぞれ位置Y1、Y2、Y3における周期的濃度変動である。
具体的には、3つの周期的濃度変動a、b、cを、それぞれ感光体ドラム2030aの回転周期Tと同じ周期の正弦波で近似した後(図20参照)、該3つの正弦波の振幅の平均値Sを算出する。図20における正弦波a’、b’、c’は、それぞれ周期的濃度変動a、b、cに対応している。図20から分かるように、一例として、正弦波a’、b’、c’の振幅は、それぞれ(1.2)、(1.1)、(0.7)であり、この場合、平均値Sは、1となる。
そして、3つの周期的濃度変動a、b、cを、次の(1)式〜(3)式で表される、ドラム回転周期Tと同じ周期T、振幅S(例えば1)の正弦波Fa(t)、Fb(t)、Fc(t)として抽出する(図21参照)。
Fa(t)=Ssin(2πt/T+φ1)…(1)
Fb(t)=Ssin(2πt/T+φ2)…(2)
Fc(t)=Ssin(2πt/T+φ3)…(3)
なお、tは、時間である。φ1、φ2、φ3は、それぞれ正弦波Fa(t)、Fb(t)、Fc(t)の初期位相(t=0での位相)である(図21では、それぞれ0、−4、+4)。
Fb(t)=Ssin(2πt/T+φ2)…(2)
Fc(t)=Ssin(2πt/T+φ3)…(3)
なお、tは、時間である。φ1、φ2、φ3は、それぞれ正弦波Fa(t)、Fb(t)、Fc(t)の初期位相(t=0での位相)である(図21では、それぞれ0、−4、+4)。
次のステップS413では、主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を、正弦波Fa(t)、Fb(t)、Fc(t)の初期位相φ1、φ2、φ3に基づいて関数近似することで取得する。
具体的には、図21において、3つの初期位相φ1、φ2、φ3は、それぞれ0、−4、+4である。3つの位置Y1、Y2、Y3をそれぞれ0、−100、+100とすると、3つの初期位相φ1、φ2、φ3と3つの位置Y1、Y2、Y3との関係は、図22に示されるようになる。
この場合、3つの初期位相φ1、φ2、φ3は1次関数で近似するのに適した値なので、より詳細には、図22において3つの座標(0、0)、(−100、−4)、(100、4)が一直線上にあるので、主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を1次関数φ(y)=1/25yで近似して取得することとしている。すなわち、3つの位置Y1、Y2、Y3以外の主走査方向の各位置の周期的濃度変動の初期位相を、1次関数φ(y)で補間することで求めることとしている。なお、yは、主走査方向の位置である。
次のステップS415では、濃度データ処理回路3218は、上記(1)〜(3)式、及び初期位相の近似式φ(y)に基づいて、次の式(4)で示される、濃度変動測定用パターンに対する光量補正用の関係式を導出し、フラッシュメモリ3211に格納する。
F(t、y)=Ssin(2πt/T+φ(y)) …(4)
次のステップS417では、光量制御回路3220が、上記(4)式、及び図16に示されるセンサ出力と発光パワーとの関係に基づいて、出力画像の主走査方向の各位置の周期的濃度変動に対応する光量補正パターンを作成し(図23及び図24参照)、その少なくとも一部をフラッシュメモリ3211に格納する。すなわち、光量補正パターンは、主走査方向の複数の位置に個別に対応して複数作成され、その少なくとも一部が格納される。なお、図23には、3つの周期的濃度変動a、b、cにそれぞれ対応する光量補正パターンA、B、Cのみが代表的に図示されている。
ここでは、一例として、各光量補正パターンは、図23及び図24に示されるように、対応する周期関数化後の周期的濃度変動と同じ周期の、逆位相の(位相がπだけ異なる)正弦波として作成される。すなわち、各光量補正パターンは、トナー濃度が高い部分に対する照射光量を下げ、トナー濃度が低い部分に対する照射光量を上げるように作成される。
このため、フラッシュメモリ3211への格納の際には、主走査方向の各位置における光量補正パターンの1周期分のデータのみを格納すれば、そのデータを繋ぎ合わせて又は時系列で読み出すことで、光量補正パターンを再現することができる。この結果、格納するデータ量を少なくすることができ、ひいてはデータの書込み速度及び読み出し速度の向上を図ることができる。
そして、光源駆動回路3221は、前述したプロセスで記録紙に画像形成を行うときに、主走査方向の各位置に対応する変調データに応じた駆動信号に、該位置に対応する光量補正パターンを重畳させることで該駆動信号を補正する。すなわち、主走査方向の各位置における周期的濃度変動が抑制されるように、各光源の複数の発光部の発光パワーが調整される。
次いで、光源駆動回路3221は、先端同期検知センサ及びホームポジションセンサの出力信号に基づいて、記録紙に形成される画像(出力画像)の主走査方向の各位置における周期的濃度変動、すなわち出力画像全体の濃度変動が抑制されるように各発光部を駆動する。発光部の駆動は、各ステーションで同様に行われるので、以下、Kステーションについて具体的に説明する。
光源駆動回路3221は、先端同期検知センサ2111Aの出力信号に基づいて、主走査方向の各位置の書込みタイミングを求め、該書込みタイミングで該位置に対応する光量補正パターンを用いて光源を駆動する。この際、ホームポジションセンサ2246aからの出力信号に基づいて、光量補正パターンの位相が対応する周期的濃度変動と逆位相になるように調整される。
この結果、出力画像の主走査方向の全位置における周期的濃度変動が抑制される。
以上説明した第1の実施形態のカラープリンタ2000は、感光体ドラムと、画像情報に基づいて変調された光を射出する光源を含み、該光源からの光によって感光体ドラム表面を主走査方向に走査し、感光体ドラム表面に潜像を形成する光走査装置2010と、前記潜像を現像する現像ローラと、感光体ドラムの回転周期を検出するホームポジションセンサと、現像ローラで現像された濃度変動測定用パターンの主走査方向の3つの位置Y1、Y2、Y3における濃度を検出する濃度検出装置2245と、該濃度検出装置の出力信号に基づいて、3つの位置Y1、Y2、Y3における感光体ドラムの回転周期を周期とする周期的濃度変動の初期位相φ1、φ2、φ3を求め、該初期位相及び感光体ドラムの回転周期に基づいて、濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における前記周期的濃度変動が抑制されるように光源の駆動信号を補正する走査制御装置3022と、を備えている。
この場合、濃度変動測定用パターンの主走査方向の3つの位置Y1、Y2、Y3における周期的濃度変動a、b、cの初期位相φ1、φ2、φ3に基づいて、濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を求めることで、該初期位相及び感光体ドラムの回転周期に基づいて、濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における周期的濃度変動が抑制されるように光源の駆動信号を補正することができる。
この結果、出力画像の全域に亘って濃度変動を要求レベルまで抑制することができる
また、走査制御装置3022は、濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を、3つの位置Y1、Y2、Y3における周期関数化後の周期的濃度変動の初期位相φ1、φ2、φ3に基づいて求められた1次関数φ(y)で近似することで取得し、濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相及び感光体ドラムの回転周期に基づいて、光源の駆動信号を補正するための光量補正パターンを作成している。
この場合、仮に濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における周期的濃度変動に忠実に光量補正パターンを作成する場合に比べて、光量補正パターンを、単純化でき、少ないデータ量で格納することができる。この結果、データの書込み及び読み出しを迅速に行うことができ、ひいてはスループット(生産性)の低下を抑制できる。また、主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を、3つの初期位相φ1、φ2、φ3に基づいて1次関数φ(y)で補間することで、精度良く求めることができ、光量補正パターンを少ないデータ量で作成することができる。この結果、大規模なメモリが不要となり、ひいては応答速度の向上及び低コスト化を図ることができる。
また、走査制御装置3022は、3つの周期的濃度変動a、b、cをそれぞれ正弦波で近似し、これら3つの正弦波a’、b’、c’の振幅の平均値Sを算出している。そして、3つの周期的濃度変動a、b、cを、それぞれ周期T、振幅Sの正弦波Fa(t)、Fb(t)、Fc(t)として抽出することで、周期関数化している。
この場合、正弦波近似後の3つの周期的濃度変動a’、b’、c’の振幅に例えば測定時のノイズ等によるばらつきがあっても、そのばらつきによる影響を低減することができる。
また、濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における周期的濃度変動に対応する光量補正パターンを該周期的濃度変動と逆位相の正弦波として作成することとしている。
この場合、光量補正パターンを実際の周期的濃度変動に近い波形で精度良く作成できる。また、光量補正パターンを、感光体ドラムの回転周期T一周期分だけ格納すれば良いため、大規模なメモリが不要である。また、光量補正パターンを周期関数(正弦波)として作成するため、局所的な外乱にも強い。
また、主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相が考慮された光量補正パターンが作成されるため、感光体ドラムの軸が傾いている場合や、主走査方向の位置によって現像ローラとの間隔の副走査方向の周期的変動の位相が異なる特殊な感光体ドラムの場合であっても出力画像に発生する周期的濃度変動を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、3つの周期的濃度変動a、b、cを周期関数化しているが、周期関数化しなくても良い。この場合、初期位相及び振幅の平均値を、3つの周期的濃度変動a、b、c(図19参照)から直接的に求めることとすれば良い。この際、各周期的濃度変動の変曲点付近を基準として初期位相を求めれば良い。また、各周期的濃度変動の波形の任意の山の頂点付近の高さを、該周期的濃度変動の振幅とし、3つの振幅の平均値を求めれば良い。
また、上記実施形態では、主走査方向の全位置において周期的濃度変動を抑制、すなわち全ての光量補正パターンを用いて光源の駆動信号を補正することとしているが、例えば、3つの位置Y1、Y2、Y3での周期的濃度変動a、b、cの振幅の大きさに応じて、周期的濃度変動を抑制するか否かを決定しても良い。
また、上記実施形態では、光量補正情報取得処理において、図11のフローチャートにおけるステップS401、ステップS403及びステップS405を実行して光源の発光パワーとセンサ出力レベルとの関係を求めているが、先の光量補正情報取得処理のステップS405でこの関係のデータを保存した後は、その保存したデータを用いることができるので、以後の光量補正情報取得処理においては、ステップS401、ステップS403及びステップS405を必ずしも行う必要はない。
また、例えば印刷の際、印刷濃度むらがどの時期に発生するかが予め分かっている場合には、その時期に合わせて光量補正情報取得処理を行うこととしても良い。例えば、記録紙をN頁(Nは2以上の整数)程度印刷することで書き出し位置の濃度が高くなる傾向がある場合には、記録紙を(N+1)頁印刷した後に光量補正情報取得処理を行うこととしても良い。
また、図25に示されるように、各周期的濃度変動に対応する光量補正パターンを三角波として作成することとしても良い。この場合、上記実施形態に比べ、濃度データ処理回路3218及び光量制御回路3220での演算が容易となり、より低コストで、より少ないデータ量で、より短時間に光量補正パターンを作成することができる。
また、図26に示されるように、各周期的濃度変動に対応する光量補正パターンを台形波として作成することとしても良い。この場合、台形波は、正弦波と三角波との中間の特徴を有するため、演算の容易さと補正精度とのバランスが良く、メモリ規模を比較的小さくできる。
ところで、濃度変動測定用パターンの主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を、3つの初期位相φ1、φ2、φ3に基づいて1次関数で近似し難い場合が想定される。具体的には、図27に示されるように、例えば、主走査方向の3つの位置Y1(0mm)、Y2(−100mm)、Y3(+100mm)における初期位相φ1、φ2、φ3がそれぞれ4、0、0の場合には、1次関数で近似すると、図27の破線のようになる。この場合、主走査方向の各位置(但し、3つの位置Y1、Y2、Y3を除く)における初期位相を精度良く補間して求めることができない。
そこで、この場合、主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を、図27における3つの座標(0、4)、(−100、0)(100、0)を通る曲線(例えば2次関数等の2次以上の高次関数)で近似することとすれば、精度良く補間して求めることができる。この結果、主走査方向の複数位置における周期的濃度変動間の特殊な位相ずれにも対応可能となる。また、光量補正パターンのメモリ規模を比較的小さくできる。
また、図28に示されるように、周期的濃度変動を正弦波の高次の高調波(正弦波)で近似して周期関数化することとしても良い。図28における「検知波形」(複数の丸印をトレースした軌跡)は、光学センサで検知された波形であり、多少のゆがみが生じている。すなわち、検知波形は、周期的に変動する波形ではあるが、例えば現像ローラに起因する濃度変動等により、その波形は、正弦波そのものとはならない。この検知波形を正弦波で近似すると、図28において複数の四角印をトレースした軌跡となり、検知波形に対して、多少のずれが生じる。
そこで、検知波形を高次の高調波で近似すると、図28において複数の三角印をトレースした軌跡となり、検知波形により近似した波形となる。この結果、上記実施形態よりも、周期的濃度変動を精度良く補正することができる。
ここでは、高次の高調波の一例として、4次の高調波が用いられており、該4次の高調波は、一例として、周期Tの正弦波と、周期1/2Tの正弦波と、周期1/4Tの正弦波とを合成することで生成されている。なお、Tは、ドラム回転周期である。
また、例えば4つ以上の光学センサを用いて主走査方向の4つ以上の位置の周期的濃度変動を検出し、検出した周期的濃度変動に基づいて光量補正パターンを作成することとしても良い。この場合、主走査方向の位置によって、現像ローラとのギャップの変動の位相が複雑に変化する特殊な感光体ドラムを用いる場合であっても、出力画像全体の濃度変動を抑制することができる。
以下に、具体例として、5つの光学センサを用いる場合を、図29を参照して説明する。5つの光学センサの主走査方向の位置を、それぞれ−100mm、−50mm、0、50mm、100mmとする。そして、5つの光学センサの出力信号から得られる周期的濃度変動の初期位相が、−100mmの位置で1、−50mmの位置で4、0の位置で2、50mmの位置で4、100mmの位置で3であるとする。
この場合、主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を、上記5つの位置での初期位相に基づいて、1次関数で近似すると、図29から分かるように、近似精度、補間精度が著しく低下してしまう。
また、2次関数で近似したとしても、近似精度、補間精度が十分ではない。
そこで、4次関数で近似すると、図29から分かるように、5つの座標(−100、1)、(−50、4)、(0、2)、(50、4)、(100、3)を全てトレースでき、主走査方向の複数位置における実際の初期位相のばらつきに、より適合した状態の光量補正パターンを作成することができ、主走査方向の各位置における周期的濃度変動を精度良く補正することができる。
なお、光学センサの数を4つ又は6つ以上とする場合でも、上述した5つの場合と同様な手法により光量補正パターンを作成することができる。また、2つの光学センサを用いて出力画像の主走査方向の2つの位置を検出することとしても良い。この場合、上記実施形態に比べて、部品点数の削減及び制御の簡略化を図ることができる。
そして、出力画像の主走査方向の各位置における周期的濃度変動の初期位相を、k個(k≧2)の光学センサの出力信号から得られるk個の周期的濃度変動の初期位相を(k−1)次以上の関数で近似することで取得することが好ましい。
また、濃度検出装置は、例えば、Y軸方向に配列された複数の光学センサ部を有する1つのラインセンサであっても良い。
また、上記実施形態では、濃度変動測定用パターンをA3縦サイズで作成することしているが、これに限られない。例えば、主走査方向の幅が各光学センサの主走査方向の幅以上の幅で、かつ副走査方向の長さがドラム回転周期T一周期分以上の細長い帯状パターンを複数有する濃度変動測定用パターンを作成することとしても良い。この場合、トナー消費を極力抑えることができる。
また、上記実施形態において、走査制御装置3022での処理の少なくとも一部を、プリンタ制御装置2090が行っても良い。また、プリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、走査制御装置3022が行っても良い。
また、濃度データ処理回路3218及び光量制御回路3220の少なくとも一方を設けないで、これらの一方又は双方が行う処理を、例えばCPU3210が行うこととしても良い。
また、濃度データ処理回路3218が行う処理の一部(例えば、光量補正用関係式の導出及び格納)を光量制御回路3220が行うこととしても良いし、光量制御回路3220が行う処理の一部(例えば、光量補正データの作成及び格納)を濃度データ処理回路3218が行うこととしても良い。
また、上記実施形態では、濃度検出装置2245が、転写ベルト2040上のトナーパターンを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、感光体ドラム表面のトナーパターンを検出しても良い。なお、感光体ドラムの表面は、転写ベルト2040と同様に正反射体に近い。
また、上記実施形態において、トナーパターンを記録紙に転写し、該記録紙上のトナーパターンを、濃度検出装置2245で検出しても良い。
また、上記実施形態では、光走査装置が一体的に構成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成ステーション毎に光走査装置が設けられても良いし、2つの画像形成ステーション毎に光走査装置が設けられても良い。
また、上記実施形態では、感光体ドラムが4つある場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、感光体ドラムを5つあるいは6つ備えていても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、画像形成装置として、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を形成するのに適している。
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム、2033a〜2033d…現像ローラ(現像装置)、2200a〜2200d…光源、2245…濃度検出装置、2246a〜2246d…感光体ドラムのホームポジションセンサ(ドラム周期検出センサ)、3022…走査制御装置(処理装置)。
Claims (12)
- 画像情報に基づいて画像を形成する画像形成装置であって、
感光体ドラムと、
前記画像情報に基づいて変調された光を射出する光源を含み、該光源からの光によって前記感光体ドラム表面を主走査方向に走査し、前記感光体ドラム表面に潜像を形成する光走査装置と、
前記潜像を現像する現像装置と、
前記感光体ドラムの回転周期を検出するドラム周期検出センサと、
前記現像装置で現像された画像の前記主走査方向の複数位置における濃度を検出する濃度検出装置と、
前記濃度検出装置の出力信号に基づいて、前記画像の前記複数位置における前記回転周期を周期とする周期的濃度変動の初期位相を求め、該初期位相及び前記回転周期に基づいて、前記画像の前記主走査方向の各位置における前記周期的濃度変動が抑制されるように前記光源の駆動信号を補正する処理装置と、を備える画像形成装置。 - 前記処理装置は、前記画像の前記主走査方向の各位置における前記周期的濃度変動の初期位相を、前記画像の前記複数位置における前記周期的濃度変動の初期位相に基づいて求められた関数で近似することで取得し、前記画像の前記主走査方向の各位置における前記周期的濃度変動の初期位相及び前記回転周期に基づいて、前記駆動信号を補正するための補正パターンを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記関数は、1次関数であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記関数は、高次関数であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記画像の前記複数位置は、3つ以上の位置であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記処理装置は、前記画像の前記複数位置における前記周期的濃度変動を正弦波で近似し、該正弦波に基づいて前記補正パターンを作成することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記処理装置は、前記画像の前記複数位置における前記周期的濃度変動を三角波で近似し、該三角波に基づいて前記補正パターンを作成することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記処理装置は、前記画像の前記複数位置における前記周期的濃度変動を台形波で近似し、該台形波に基づいて前記補正パターンを作成することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記処理装置は、前記画像の前記複数位置における前記周期的濃度変動を高次の高調波で近似し、該高調波に基づいて前記補正パターンを作成することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記処理装置は、前記画像の前記複数位置における前記周期的濃度変動の振幅の平均値に基づいて前記補正パターンを作成することを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 画像情報に基づいて形成される画像の濃度変動を抑制する濃度変動抑制方法であって、
光源からの光によって感光体ドラム表面を主走査方向に走査し、前記感光体ドラム表面に潜像を形成する工程と、
前記潜像を現像する工程と、
前記現像する工程で現像された画像の前記主走査方向の複数位置における前記主走査方向に直交する副走査方向の濃度変動を検出する工程と、
前記濃度変動に基づいて、前記画像の前記複数位置における前記感光体ドラムの回転周期を周期とする周期的濃度変動の初期位相を求める工程と、
前記初期位相及び前記回転周期に基づいて、前記画像の前記主走査方向の各位置における周期的濃度変動を抑制するための、前記光源の駆動信号の補正パターンを作成する工程と、を含む濃度変動抑制方法。 - 前記補正パターンを作成する工程では、前記画像の前記主走査方向の各位置における前記周期的濃度変動の初期位相が、前記画像の前記複数位置における前記周期的濃度変動の初期位相に基づいて求められた関数で近似することで取得され、前記画像の前記主走査方向の各位置における前記周期的濃度変動の初期位相及び前記回転周期に基づいて、前記補正パターンが作成されることを特徴とする請求項11に記載の濃度変動抑制方法。
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