JP4448346B2 - 新規な光学活性含フッ素環状化合物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、医薬、農薬、あるいは液晶化合物等に要求される機能性を保有する材料を製造するために必要な中間体としての利用が期待される、式(I)に記載の新規な光学活性含フッ素環状化合物及びその製造方法に関する。
エポキシドのフッ素化開環反応としては、当該エポキシ化合物にアミンおよびアンモニウム塩、あるいはアミンおよび水の存在下に四フッ化ケイ素を反応させる方法が既に提案されている(非特許文献1)。しかし、この場合、光学活性な化合物は得られていない。
また、HF、BF・EtO、HF−KF系試薬、HF−アミン系試薬等を用い、エポキシドを開環させる方法が古くから知られているが、これらの方法は一般に反応温度が高く、転位副反応が起こりやすく、また光学純度が維持できない場合等があり、さらには耐食性などに優れた特別な反応容器を必要とする等の種々の問題があった。
また、ラセミ体から光学分割により光学活性体を得る方法が知られているが、式(I)に記載の光学活性な含フッ素環状化合物を製造する方法は未だ確立されていない。
特に、上記の種々の方法により、式(I)に記載の通りの光学活性な含フッ素環状化合物を合成できることは知られていなかった。
清水真、吉岡宏輔、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.), 29, 4101(1988)
本発明の目的は、光学活性なエポキシ化合物からその光学純度を維持したままフッ素化開環反応により光学活性な含フッ素環状化合物を得ることであり、即ち、下記一般式(I)
Figure 0004448346
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミド、アルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アシル基、シクロアルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、又は複素環基を示し、水素原子及びハロゲン原子を除く各官能基は、それぞれ置換基を有するものも含む。C* は、光学活性が誘起された不斉炭素を表す。またnは、0〜8の整数を示し、nが0のときは、4員環を構成することを表すとともに2個の不斉炭素を有する化合物を表す。)で表される光学活性な含フッ素環状化合物と、これら化合物を安価且つ高収率に得るための製造方法を提供することにある。
本発明に係わる式(I)に記載の光学活性な含フッ素環状化合物は新規であり、従ってこれらの化合物を製造するための方法も新規である。
そして、本発明に係わる光学活性な含フッ素環状化合物は、医薬、農薬、あるいは液晶化合物等の機能性材料の中間体として非常に有用である。
本発明者らは鋭意研究の結果、容易に合成できる光学活性なエポキシ化合物(式(II))に、アミンの存在下、アミン及びアンモニウム塩の存在下、又はアミン及び水の存在下で、四フッ化ケイ素を反応させることにより、その光学純度を維持したままで新規な光学活性含フッ素環状化合物(式(I))を収率良く製造する方法を見出した。また本反応は、比較的安価な製造方法でもある。
即ち、本発明は、次式(I)
Figure 0004448346
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミド、アルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アシル基、シクロアルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、又は複素環基を示し、水素原子及びハロゲン原子を除く各官能基は、それぞれ置換基を有するものも含む。C* は、光学活性が誘起された不斉炭素を表す。またnは、0〜8の整数を示し、nが0のときは、4員環を構成することを表すとともに2個の不斉炭素を有する化合物を表す。)で表される新規な光学活性な含フッ素環状化合物を提供するものであり、
当該化合物の製造方法として、
次式(II)
Figure 0004448346
(式中、R、C* 、nは前述の通り。)で示される光学活性なエポキシ化合物を、アミンの存在下、アミン及びアンモニウム塩の存在下、又はアミン及び水の存在下で、四フッ化ケイ素と反応させることにより、その光学純度を維持したままで製造する方法をも提供するものである。
本発明によれば、医薬、農薬あるいは液晶化合物などの機能性材料を製造するため必要とされる中間体として有用な、光学活性な含フッ素環状化合物を、高収率で容易に、しかも安価に合成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。前記式(I)と式(II)とにおいて、Rで示される原子団をさらに詳細に述べると、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミド、アルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アシル基、シクロアルキル基、アリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、シアノ基、複素環基などである。そして、上記アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖あるいは分岐のアルキル基を挙げることができ、上記シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。また、上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジニル基などが挙げられる。またさらに、上記のアルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、シクロアルキル基、又はアリール基は、それぞれ置換基を有していてもよく、その置換基としては、さらにアルキル基、オレフィン、アセチレン、芳香環基、水酸基、ハロゲン基、アミノ基、カルボキシル基、エステル、シアノ基、複素環基、アミドなどを挙げることができる。
また、前記式(I)と式(II)において、Rが、保護された水酸基の場合、その水酸基の保護基としては、メチル基やアリル基等のようなアルキル保護基、ベンジル基やp−メトキシベンジル基やトリフェニルメチル基のようなベンジル系保護基、あるいはアリールメチル系保護基、2−メトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、メトキシメチル基や−CHOCHAr基(Ar:アリール)のようなアルキルエーテル系保護基等、慣用的に用いられている保護基を挙げることができる。
そして特に本発明による製造方法では、アセチル基やベンゾイル基のようなエステル基を水酸基の保護基として用いた場合、含フッ素環状化合物(I)は得られるものの、その収率は低く、分子内転位により環状トリオール誘導体が主生成物として与えられ、好ましくないことがわかった。
すなわち、本発明のもう一つの態様は、次式(III)で表される2個の不斉炭素を有する光学活性含フッ素環状化合物を提供することである。
Figure 0004448346
(式中、Rは、水素原子、アミド、アルキル基、ビニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アシル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、カルボキシル基、又は複素環基を示し、水素原子を除く各官能基は、それぞれ置換基を有するものも含む。C* は、光学活性が誘起された不斉炭素を表す。またnは、0〜8の整数を示し、nが0のときは、4員環を構成することを表すとともに2個の不斉炭素を有する化合物を表す。)
上記式(III)の化合物は、次式(IV)で表される光学活性エポキシ化合物と四フッ化ケイ素とを、アミンの存在下、又はアミンとアンモニウム塩との存在下、又はアミンと水との存在下に、反応させることにより与えられる。
Figure 0004448346
(式中、R、C* 、nは前述の通り。)
そして、上記式(III)で表される2個の不斉炭素を有する光学活性含フッ素環状化合物としては、特に、次の式(V)又は(VI)で表される化合物(n=1又は2)であることが好ましい(式中、R2、C* は前述の通り。)。
Figure 0004448346
次に、本発明の前記式(I)で表される光学活性な含フッ素環状化合物の製造方法について詳しく説明する。
本発明の製造方法で出発原料として使用される前記式(II)で表される光学活性エポキシ化合物の代表的化合物としては、(+)−1−ベンジロキシメチル−5−オキサ−ビシクロ[2,1,0]ペンタン、(+)−1−ベンジロキシメチル−6−オキサ−ビシクロ[3,1,0]ヘキサン、(+)−1−ベンジロキシメチル−7−オキサ−ビシクロ[4,1,0]ヘプタン、(+)−1−ベンジロキシメチル−8−オキサ−ビシクロ[5,1,0]オクタン、(+)−1−ベンジロキシメチル−9−オキサ−ビシクロ[6,1,0]ノナン、(+)−1−ベンジロキシメチル−10−オキサ−ビシクロ[7,1,0]デカンなど、(+)−1−アルキル−5−オキサ−ビシクロ[2,1,0]ペンタン、(+)−1−アルキル−6−オキサ−ビシクロ[3,1,0]ヘキサン、(+)−1−アルキル−7−オキサ−ビシクロ[4,1,0]ヘプタン、(+)−1−アルキル−8−オキサ−ビシクロ[5,1,0]オクタン、(+)−1−アルキル−9−オキサ−ビシクロ[6,1,0]ノナン、(+)−1−アルキル−10−オキサ−ビシクロ[7,1,0]デカンなど、(+)−1−アリル−5−オキサ−ビシクロ[2,1,0]ペンタン、(+)−1−アリル−6−オキサ−ビシクロ[3,1,0]ヘキサン、(+)−1−アリル−7−オキサ−ビシクロ[4,1,0]ヘプタン、(+)−1−アリル−8−オキサ−ビシクロ[5,1,0]オクタン、(+)−1−アリル−9−オキサ−ビシクロ[6,1,0]ノナン、(+)−1−アリル−10−オキサ−ビシクロ[7,1,0]デカンなどの化合物類、さらには、上記光学活性エポキシ化合物の(+)が(−)となった化合物類を挙げることができる。
また、本発明の製造方法で使用される出発原料としては、上記の式(II)で表される化合物の他、縮合多環炭化水素系光学活性エポキシ化合物も使用できる。例えば、下記式(ia)〜式(va)に示したような多環式光学活性エポキシドを出発原料として、アミンの存在下、又はアミンとアンモニウム塩との存在下、又はアミンと水との存在下に、当該出発原料と四フッ化ケイ素とを反応させることにより、下記式(ib)〜式(vb)で示すような一連の縮合多環式化合物を合成することができる。
Figure 0004448346
Figure 0004448346
ここで、これらの式(II)、又は式(ia)〜式(va)で表されるような光学活性なエポキシ化合物は、シャープレス不斉エポキシ化反応(J.A.C.S., 1987, 109, 5765)、キラルなケトン触媒による不斉エポキシ化反応(Synthesis, 2000, 1979)、又はキラルなサレン不斉触媒による不斉エポキシ化反応(J.A.C.S., 1994, 116, 9333)などにより、容易に合成することができる。
そして、これらの式(II)、又は式(ia)〜式(va)で表される光学活性エポキシ化合物を、四フッ化ケイ素と反応させることにより、それぞれ本発明の前記式(I)、又は式(ib)〜式(vb)で表される光学活性な含フッ素環状化合物が得られる。
その際、上記式(II)、又は式(ia)〜式(va)で表される光学活性エポキシ化合物と、四フッ化ケイ素との反応は、アミンの存在下、アミンとアンモニウム塩との存在下、又はアミンと水との存在下で行うことが必要である。
上記のアミンの代表的例としては、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類を挙げることができる。
また、上記のアンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウムフルオリドやテトラエチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオリド等のフッ化第四アンモニウムが挙げられる。
これら式(II)、又は式(ia)〜式(va)で表される光学活性エポキシ化合物と四フッ化ケイ素との反応は、四フッ化ケイ素の使用量を過剰にして行うことが好ましい。本発明の方法では四フッ化ケイ素の常圧雰囲気下あるいは加圧下で反応を行うことが好ましい。四フッ化ケイ素の反応圧力は0.01〜20MPaの範囲で行うことが適切であり、好ましくは0.01〜10MPaである。反応圧力が0.01MPaより低い場合、反応速度が遅く、20MPaより高い場合は、反応操作が難しくなるので好ましくない。
また、上記光学活性エポキシ化合物と四フッ化ケイ素との反応において、アミンの添加量は、出発原料の前記式(II)で表される光学活性エポキシ化合物に対して0.2〜10当量、より好ましくは0.5〜5当量である。該アミンの添加量が0.2当量より少ない場合、反応速度が遅く、副生成物の量が増加する。また10当量より多い場合、反応後の生成物の単離が煩雑となる。
アンモニウム塩あるいは水の添加量は、原料のエポキシドに対して0.2〜6当量が適当であり、好ましくは0.5〜4当量である。アンモニウム塩と水は同時に使用する必要がないが、水を使用する場合、その添加量が重要である。水を使用する場合、反応混合物がゲル状となり、生成物の分離が煩雑であると報告されているが(特開平2−235828号公報)、本発明では、正確に水の添加量を制御することにより、反応混合物がゲルにならず、生成物の分離が容易であることを特に見出した。
即ち、前記式(II)、又は式(ia)〜式(va)で表される光学活性エポキシ化合物を、アミンとアンモニウム塩との存在下、又はアミンと水との存在下に、四フッ化ケイ素と反応させる場合、当該光学活性エポキシ化合物に対して、アミンの添加量が0.2〜10当量であり、かつアンモニウム塩あるいは水の量が0.2〜6当量であることが、反応混合物をゲル化させないために特に重要である。
本発明の反応に使用される溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等の含ハロゲン非プロトン性溶媒、ジエチルエーテルやtert−ブチルメチルエーテル等のジアルキルエーテルが好ましい。
反応温度は−20〜120℃の範囲で行うことが好ましい。反応温度が−20℃より低い場合、反応速度が非常に遅い。一方、反応温度が120℃より高い場合、副反応による副生成物の顕著な増加が見られた。反応時間は、反応温度などの条件にもよるが、温度−10〜60℃の場合おおよそ0.2〜10時間が好ましい。
上記反応の終了後、当該反応生成物について、加水分解、有機層−水層分離、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による通常の後処理(分離・精製)を行うことによって、本発明の前記式(I)で表される新規な光学活性含フッ素環状化合物を得ることができる。
以上の製造方法により得られる、本発明の前記式(I)で表される光学活性な含フッ素環状化合物を列記すれば、(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロブタン−2−オール、(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロペンタン−2−オール、(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロヘキサン−2−オール、(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロヘプタン−2−オール、(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロオクタン−2−オール、(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロノナン−2−オールなど、(+)−1−アルキル−1−フルオロシクロブタン−2−オール、(+)−1−アルキル−1−フルオロシクロペンタン−2−オール、(+)−1−アルキル−1−フルオロシクロヘキサン−2−オール、(+)−1−アルキル−1−フルオロシクロヘプタン−2−オール、(+)−1−アルキル−1−フルオロシクロオクタン−2−オール、(+)−1−アルキル−1−フルオロシクロノナン−2−オール、また、(+)−1−アリル−1−フルオロシクロブタン−2−オール、(+)−1−アリル−1−フルオロシクロペンタン−2−オール、(+)−1−アリル−1−フルオロシクロヘキサン−2−オール、(+)−1−アリル−1−フルオロシクロヘプタン−2−オール、(+)−1−アリル−1−フルオロシクロオクタン−2−オール、(+)−1−アリル−1−フルオロシクロノナン−2−オールなどであり、さらには、上記光学活性含フッ素環状化合物類の(+)が(−)となった化合物類、例えば、(−)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロアルカン−2−オール誘導体類(アルカンとしては、ブタンやペンタン等)を挙げることができる。
また、下記式(via)〜式(xa)で表される縮合多環炭化水素系光学活性エポキシ化合物を原料として用い、式(ia)〜式(va)の各々の化合物から式(ib)〜式(vb)の各々の化合物を製造する方法と同様な条件で反応させると、それぞれ下記式(vib)から式(xb)のような縮合多環式光学活性な含フッ素化合物が得られる。
Figure 0004448346
また、式(III)(および式(V)又は式(VI))で表される2個の不斉炭素を有する光学活性含フッ素環状化合物も、対応する光学活性エポキシ化合物(IV)(および(VII)又は(VIII))を使用し、式(I)で表される化合物と同様な条件で反応させることにより得ることができる。
以下の実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明が以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
滴下ロートおよびコンデンサーを付した100ml三口フラスコにt−ブチルメチルエーテル20ml、ジイソプロピルエチルアミン0.63gおよび水0.35mlを順次仕込んだ。反応器内をSiF常圧雰囲気にした後、t−ブチルメチルエーテル15mlで希釈した1.0g(4.9mmol)の(1S,5S)−1−ベンジロキシメチル−6−オキサ−ビシクロ[3,1,0]ヘキサン(93% e.e.)を氷冷下で滴下した後、室温で1時間攪拌した。TLC(薄層クロマトグラフィー)で反応の終了を確認した後、攪拌しながら30mlの飽和KF水溶液を添加した。有機相を分液した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液で有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、(1S,2S)−(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロペンタン−2−オール0.89gを得た。収率は81%、比旋光度[α]20 は38.05(c=0.94 CHCl)であった。上記生成物の光学純度をMosher法で測定した結果、光学純度が93% e.e.であることが分かった。
Figure 0004448346
生成物の構造は核磁気共鳴分析等で確認した。核磁気共鳴分析[BRUKER社製、AV300M]の結果は以下の通りである。
H−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:テトラメチルシラン)
δ 7.42〜7.24 ppm (m, 5H)
4.68 ppm (d, J=12.0 Hz, 1H)
4.55 ppm (d, J=12.0 Hz, 1H)
4.40〜4.22 ppm (m, 1H)
3.85 ppm (s, 1H)
3.73 ppm (dd, J1=16.8 Hz, J2=11.1 Hz, 1H)
2.52 ppm (d, J=4.2 Hz, 1H)
2.22〜2.02 ppm (m, 1H)
1.94〜1.53 ppm (m,5H)
13C−NMR(溶媒:CDCl
δ(ppm) 137.51, 128.56, 127.97, 127.78, 106.99(d, J=177.5 Hz),
77.37(d, J=25.0 Hz), 73.70, 71.44(d, J=25.2 Hz), 32.62(d, J=22.9 Hz),
32.60, 21.32;
19F−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:CFCl
δ −153.6〜−154.6 ppm (m, 1F)
実施例2
滴下ロートおよびコンデンサーを付した100ml三口フラスコにt−ブチルメチルエーテル28ml、ジイソプロピルエチルアミン0.59gおよび水0.32mlを順次仕込んだ。反応器内をSiF常圧雰囲気にした後、t−ブチルメチルエーテル18mlで希釈した1.0g(4.6mmol)の(1S,6S)−1−ベンジロキシメチル−7−オキサ−ビシクロ[4,1,0]ヘプタン(94% e.e.)を氷冷下で滴下した後、室温で1時間攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、攪拌しながら30mlの飽和KF水溶液を添加した。有機相を分液した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液で有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、(1S,2S)−(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロヘキサン−2−オール0.86gを得た。収率は79%、比旋光度[α]25 は15.0(c=0.97 CHCl)であった。上記生成物の光学純度をMosher法で測定した結果、光学純度が94% e.e.であることが分かった。
Figure 0004448346
生成物の構造は核磁気共鳴分析等で確認した。核磁気共鳴分析[BRUKER社製、AV300M]の結果は以下の通りである。
H−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:テトラメチルシラン)
δ 7.39〜7.25 ppm (m, 5H)
4.63 ppm (d, J=12.0 Hz, 1H)
4.58 ppm (d, J=12.0 Hz, 1H)
4.03〜3.92 ppm (m, 1H)
3.75 ppm (dd, J1=23.1 Hz, J2=11.1 Hz, 1H)
3.64 ppm (dd, J1=21.1 Hz, J2=11.1 Hz, 1H)
2.45 ppm (d, J=3.9 Hz, 1H)
2.05〜1.78 ppm (m, 2H)
1.72〜1.47 ppm (m,4H)
1.47〜1.33 ppm (m,2H)
13C−NMR(溶媒:CDCl
δ(ppm) 137.66, 128.43, 127.80, 127.67, 96.46(d, J=174.4 Hz),
73.67, 72.09(d, J=24.2 Hz), 70.47(d, J=27.2 Hz), 29.70(d, J=2.6 Hz),
29.11(d, J=20.4 Hz), 21.33(d, J=5.3 Hz), 20.70;
19F−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:CFCl
δ −160.1〜−161.7 ppm (m, 1F)
実施例3
滴下ロートおよびコンデンサーを付した100ml三口フラスコにt−ブチルメチルエーテル20ml、ジイソプロピルエチルアミン0.64gおよび水0.36mlを順次仕込んだ。反応器内をSiF常圧雰囲気にした後、t−ブチルメチルエーテル20mlに溶解させた(1S,5S)−1−(2−メトキシエトキシ)メトキシメチル−6−オキサ−ビシクロ[3,1,0]ヘキサン(1.0g、4.94mmol、93% e.e.)を氷冷下で滴下した。室温で1時間攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、攪拌しながら30mlの飽和KF水溶液を添加した。有機相を分液した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液で有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、(1S,2S)−(+)−1−(2−メトキシエトキシ)メトキシメチル−1−フルオロシクロペンタン−2−オール0.88gを得た。収率は80%、比旋光度[α]20 は49.52(c=1.00 CHCl)であった。上記生成物の光学純度をMosher法で測定した結果、光学純度が93% e.e.であることが分かった。
Figure 0004448346
生成物の構造は核磁気共鳴分析等で確認した。核磁気共鳴分析[BRUKER社製、AV300M]の結果は以下の通りである。
H−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:テトラメチルシラン)
δ 4.79 ppm (d, J=6.9 Hz, 1H)
4.76 ppm (d, J=6.9 Hz, 1H)
4.31〜4.25 ppm (m, 1H)
3.96 ppm (d, J=11.4 Hz, 1H)
3.86 ppm (d, J=11.4 Hz, 1H)
3.83〜3.68 ppm (m, 2H)
3.59 ppm (d, J=3.3 Hz, 1H)
3.57 ppm (d, J=4.2 Hz, 1H)
3.40 ppm (s, 3H)
3.08〜3.03 ppm (m, 1H)
2.17〜2.04 ppm (m, 1H)
1.95〜1.61 ppm (m, 5H)
13C−NMR(溶媒:CDCl
δ(ppm) 106.31(d, J=177.3 Hz), 95.60, 75.89(d, J=32.5 Hz),
71.68, 68.47(d, J=21.9 Hz), 67.22, 58.91, 32.16, 31.78(d, J=22.3 Hz),
21.81;
19F−NMR(溶媒:CDCl、標準物質:CFCl
δ −157.2〜−157.8 ppm (m, 1F)
比較例1
滴下ロートおよびコンデンサーを付した100ml三口フラスコにt−ブチルメチルエーテル20ml、ジイソプロピルエチルアミン0.62gおよび水0.37mlを順次仕込んだ。反応器内をSiF常圧雰囲気にした後、t−ブチルメチルエーテル20mlに溶解させた(1S,5S)−1−ベンゾイロキシメチル−6−オキサ−ビシクロ[3,1,0]ヘキサン(1.0g、4.61mmol、93% e.e.)を氷冷下で滴下した後、室温で1時間攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、攪拌しながら30mlの飽和KF水溶液を添加した。有機相を分液した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液で有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、(1S,2S)−(1−フルオロ−2−ヒドロキシシクロペンチル)メチルベンゾエート0.36gを得た。その収率は33%であった。上記生成物の光学純度をMosher法で測定した結果、光学純度が57% e.e.であることが分かった。
比較例2
滴下ロートおよびコンデンサーを付した100ml三口フラスコにt−ブチルメチルエーテル20ml及び1.0g(4.9mmol)の(1S,5S)−1−ベンジロキシメチル−6−オキサ−ビシクロ[3,1,0]ヘキサン(93% e.e.)を仕込んだ。氷冷下でt−ブチルメチルエーテル10mlに溶解させた1.73g(12.2mmol)のBF・EtOを滴下した後、室温で40時間攪拌した。飽和炭酸ナトリウム水溶液を添加した後、有機層を分液し、水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した結果、(1S,2S)−(+)−1−ベンジロキシメチル−1−フルオロシクロペンタン−2−オール0.48gを得た。その収率は41%であった。上記生成物の光学純度をMosher法で測定した結果、光学純度が61% e.e.であることが分かった。

Claims (2)

  1. 次式(V)又は式(VI)で表される2個の不斉炭素を有する光学活性含フッ素環状化合物。
    Figure 0004448346
    (式中、R は、−CH Ph基(Ph:アリール)または−CH OCH CH OCH 基を示す。C* は、光学活性が誘起された不斉炭素を表す。)
  2. 次式(VII)又は式(VIII)で表される光学活性エポキシ化合物と四フッ化ケイ素とを、アミンの存在下、又はアミンとアンモニウム塩との存在下、又はアミンと水との存在下に反応させ、式(VII)から式(V)の化合物を、又は式(VIII)から式(VI)の化合物を、それぞれ製造することを特徴とする請求項1に記載の光学活性含フッ素環状化合物の製造方法。
    Figure 0004448346
    (式中、R は、−CH Ph基(Ph:アリール)または−CH OCH CH OCH 基を示す。C* は、光学活性が誘起された不斉炭素を表す。)
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