JP5108383B2 - 光学活性モノスルホネート化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
光学活性ジオール類の合成法としては、近年発明者らにより、不斉銅錯体を触媒とする、メソ−1,2−ジオール類の不斉モノアシル化(非特許文献1および特許文献1参照)ならびにメソ−1,2−ジオール類のモノカルバモイル化(非特許文献2参照)などの不斉合成法が報告されている。
しかし、上記した不斉モノアシル化やモノカルバモイル化法では、適用されるジオール類の種類によってエナンチオ選択性がそれほど高くない場合があった(非特許文献3参照)。
近年、Martinelliらによって、下記式で示すように触媒量のジブチル酸化スズでメソ−1,2−ジオール類のモノスルホニル化が効率的に進行する手法が報告された(非特許文献5〜7参照)。
特に、メソ−1,2−ジオール化合物をエナンチオ選択的にモノスルホニル化することで、また1,3−ジオール化合物をモノスルホニル化することで不斉対称化して、光学活性モノスルホネート化合物を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]プロキラルジオール化合物の片方の水酸基のみを選択的にモノスルホニル化することを特徴とする、光学活性モノスルホネート化合物の製造方法。
[2]モノスルホニル化が、プロキラルジオール化合物および式(III)
R2は、置換されていてもよい炭化水素基を示し、
Xは、ハロゲン原子を示す]で表されるスルホニル化剤(以下、スルホニル化剤(III)と記載する)を、式(IVa)
R3は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示すか、あるいは二つのR3が一体となって置換されていてもよいC2−6アルキレン基を示し、
R4は、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC7−16アラルキル基、または置換されていてもよいC6−14アリール基を示す]で表される光学活性ビスオキサゾリン化合物(以下、光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVa)と記載する)もしくは式(IVb)
R3は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示すか、あるいは二つのR3が一体となって置換されていてもよいC2−6アルキレン基を示す]で表される光学活性ビスオキサゾリン化合物(以下、光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVc)と記載する)もしくは式(IVd)
Mは、2価の金属原子を示し、
X’は、ハロゲン原子、OTf、NTf2、BF4、PF6またはSbF6を示す]で表される金属塩(以下、金属塩(V)と記載する)および塩基の存在下で反応させることを特徴とする、[1]記載の製造方法。
[3]プロキラルジオール化合物が、式(II)
R1は、置換されていてもよい炭化水素基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい炭素環、置換されていてもよい縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示す]で表されるメソ−1,2−ジオール化合物(以下、化合物(II)と記載する)であって、光学活性モノスルホネート化合物が、式(I)
R1は、前記と同義を示し、
R2は、置換されていてもよい炭化水素基を示す]で表される化合物(以下、化合物(I)と記載する)、または式(I’)
[4]R1が、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、炭素環、縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示し、
R2が、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
Xが、塩素原子を示す、[3]記載の製造方法。
[5]R1が、置換されていてもよいメチル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環、テトラヒドロナフタレン環、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、N−ベンゾイルピロリジン環またはテトラヒドロチオフェン環を示し、
R2が、メチル基または置換されていてもよいフェニル基を示し、
Xが、塩素原子を示す、[4]記載の製造方法。
[6]プロキラルジオール化合物が、式(VII)
R2は、置換されていてもよい炭化水素基を示し、
R5およびR6は、前記と同義を示す]で表される化合物(以下、化合物(VI)と記載する)である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[7]R2が、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
R5が、C1−18アルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基またはアシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示す、
[6]記載の製造方法。
[8]R2が、メチル基または置換されていてもよいフェニル基を示し、
R5が、アシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基を示す、
[6]または[7]記載の製造方法。
[9]R3が、水素原子またはC1−6アルキル基を示すか、あるいは二つのR3が一緒になって、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基またはペンタメチレン基を示し、
R4が、C1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基またはC7−16アラルキル基を示す、
[2]〜[8]のいずれか一に記載の製造方法。
[10]R3が、メチル基を示し、
R4が、フェニル基、tert−ブチル基またはベンジル基を示す、[9]記載の製造方法。
[11]Mが、2価の銅原子または2価の亜鉛原子を示し、
X’が、ハロゲン原子、OTf、BF4またはPF6を示す、
[2]〜[10]のいずれか一に記載の製造方法。
[12]塩基が、炭酸カリウム、トリエチルアミン、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウムおよびジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される少なくとも一つである、[2]〜[11]のいずれか一に記載の製造方法。
[13]テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、イソプロピルアルコール、アセトニトリルおよび酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも一つの溶媒中で行われる、[1]〜[12]のいずれか一に記載の製造方法。
「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基(C1−6アルキル基)、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデカニル基、ドデカニル基、トリデカニル基、テトラデカニル基、ペンタデカニル基、ヘキサデカニル基、ヘプタデカニル基、オクタデカニル基などの直鎖または分枝鎖のC1−18アルキル基が挙げられる。
「アルケニル基」としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基などの直鎖または分枝鎖のC2−6アルケニル基が挙げられる。
「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基などの直鎖または分枝鎖のC2−6アルキニル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[3.2.2]ノニル基、ビシクロ[3.3.1]ノニル基、ビシクロ[4.2.1]ノニル基、ビシクロ[4.3.1]デシル基、アダマンチル基等のC3−10シクロアルキル基が挙げられる。
「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基などのC7−16アラルキル基が挙げられる。
「アリールオキシ基」としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基などのC6−14アリールオキシ基が挙げられる。
「アラルキルオキシ基」としては、例えば、ベンジルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基などのC7−16アラルキルオキシ基が挙げられる。
ここで、「C1−6アルキル−カルボニル基」、「C1−6アルキル−カルボニルオキシ基」、「C1−6アルキル−カルバモイル基」および「C1−6アルキル−スルホニル基」における「C1−6アルキル」、「C1−6アルコキシ−カルボニル基」および「C1−6アルコキシ−カルバモイル基」における「C1−6アルコキシ」、「C3−8シクロアルキル−カルボニル基」における「C3−8シクロアルキル」、「C6−14アリール−カルボニル基」および「C6−14アリール−カルバモイル基」における「C6−14アリール」、「C6−14アリール−カルボニルオキシ基」、「C7−16アラルキル−カルボニルオキシ基」、「C7−16アラルキル−アミノカルボニル基」における「C7−16アラルキル」、「C6−14アリールオキシ−カルボニル基」における「C6−14アリールオキシ」、「C7−16アラルキルオキシ−カルボニル基」における「C7−16アラルキルオキシ」としては、それぞれ、上記「アルキル基」における「C1−6アルキル基」、「アルコキシ基」における「C1−6アルコキシ基」、「シクロアルキル基」における「C3−8シクロアルキル基」、「アリール基」における「C6−14アリール基」、「アラルキル基」における「C7−16アラルキル基」、「アリールオキシ基」における「C6−14アリールオキシ基」、「アラルキルオキシ基」における「C7−16アラルキルオキシ基」が、それぞれ例示される。
(1)C3−10シクロアルカン(例、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等)、
(2)C3−10シクロアルケン(例、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、シクロオクテン環等)
などのような脂環式炭化水素や、ベンゼンなどの芳香族炭化水素といった、他の環と縮合していない炭素環が挙げられる。
(1)3〜6員の単環式複素環(例、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等)、
(2)8〜12員の縮合多環式複素環(例、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾ[b]チオフェン環、インドール環、イソインドール環、1H−インダゾール環、ベンズインダゾール環、ベンゾオキサゾール環、1,2−ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾピラゾール環、1,2−ベンゾイソチアゾール環、1H−ベンゾトリアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、プリン環、ブテリジン環、カルバゾール環、α−カルボリン環、β−カルボリン環、γ−カルボリン環、アクリジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、フェナジン環、フェノキサチイニン環、チアントレン環、フェナントリジン環、キサンテン環等)
などが挙げられる。また、上記「複素環」には、上記で例示した各環の一部または全部の2重結合が飽和または不飽和である複素環も含まれる。
従って、二つのR1が一緒になって隣接する炭素原子と一緒になって示す、「炭素環」、「縮合炭素環」および「複素環」としては、上記で例示した各環でもよいが、少なくとも一つの二重結合が飽和した、「炭素環」、「縮合炭素環」および「複素環」であることが好ましい。
(1)ハロゲン原子、
(2)水酸基、
(3)アルキル基、
(4)アリール基、
(5)カルボキシル基、
(6)アルコキシ基、
(7)アラルキルオキシ基、
(8)アシル基、
(9)ニトロ基
等が挙げられる。置換基の数は、炭化水素基によって異なるが、例えば、1〜5、好ましくは1〜3であり、置換基の数が2以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
R1、R2およびR4で示される「置換されていてもよいC1−6アルキル基」の「C1−6アルキル基」、
R1で示される「置換されていてもよいメチル基」の「メチル基」、
R2で示される「置換されていてもよいフェニル基」の「フェニル基」、
R3で示される「置換されていてもよいC2−6アルキレン基」の「C2−6アルキレン基」、
R2、R4およびR6で示される「置換されていてもよいC6−14アリール基」の「C6−14アリール基」、
R4で示される「置換されていてもよいC7−16アラルキル基」の「C7−16アラルキル基」、
二つのR1が一緒になって隣接する炭素原子と一緒になって示す「置換されていてもよい炭素環」の「炭素環」、
二つのR1が一緒になって隣接する炭素原子と一緒になって示す「置換されていてもよい縮合炭素環」の「縮合炭素環」、および
二つのR1が一緒になって隣接する炭素原子と一緒になって示す「置換されていてもよい複素環」の「複素環」
がそれぞれ有していてもよい置換基としては、例えば、上記「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」が有していてもよい置換基が挙げられる。
R1が、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい炭素環、置換されていてもよい縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示す、化合物(II)が好ましい。
R1が、置換されていてもよいメチル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、炭素環、縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示す、化合物(II)がより好ましい。
R1が、ベンジルオキシメチル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環、テトラヒドロナフタレン環、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、N−ベンゾイルピロリジン環またはテトラヒドロチオフェン環を示す、化合物(II)が特に好ましい。
R5が、C1−18アルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基またはアシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示す、化合物(VII)が好ましい。
R5が、アシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基を示す、
化合物(VII)がより好ましい。
R5が、エトキシカルボニル基またはフェニルカルバモイル基を示し、
R6が、メチル基またはエチル基を示す、
化合物(VII)が特に好ましい。
(工程2)工程1で得られた金属錯体に、塩基存在下、上記プロキラルジオール化合物およびスルホニル化剤(III)を添加することで、光学活性モノスルホネート化合物を得る工程。
(工程3)得られた光学活性モノスルホネート化合物を、自体公知の方法で精製する工程。
なお、本発明において、上記工程1および2は便宜上分けて記載したに過ぎず、上記記載に限定されるものではない。例えば、上記プロキラルジオール化合物およびスルホニル化剤(III)の混合物中に工程1で得られた金属錯体を添加してもよいし、塩基存在下でスルホニル化剤(III)、光学活性ビスオキサゾリン化合物(IV)、金属塩(V)および上記ジオール化合物を混合して一工程で反応を進行させてもよい。
本工程は、金属塩(V)と、光学活性ビスオキサゾリン化合物(IV)とを混合して、式(IVa’)
を形成する工程である。
Mが、2価の銅原子または2価の亜鉛原子を示し、
X’が、ハロゲン原子、またはトリフルオロメチルスルホニル(以下、OTfと記載する場合がある)、四フッ化ホウ素(以下、BF4と記載する場合がある)、六フッ化リン(以下、PF6と記載する場合がある)、六フッ化アンチモン(以下、SbF6と記載する場合がある)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(以下、NTf2と記載する場合がある)を示す、
金属塩(V)が好ましい。
Mが、2価の銅原子または2価の亜鉛原子を示し、
X’が、フッ素原子、塩素原子、OTf、NF4またはPF6を示す、
金属塩(V)がより好ましい。
なお、このような金属塩(V)は、市販品を用いてもよいし、自体公知の方法で製造してもよい。
R3が、水素原子またはC1−6アルキル基を示すか、あるいは二つのR3が一緒になって、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基またはペンタメチレン基を示し、
R4が、C1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基またはC7−16アラルキル基を示す、
光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVa)または光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVb)が好ましい。
R3が、メチル基を示し、
R4が、フェニル基、tert−ブチル基またはベンジル基を示す、
光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVa)または光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVb)がより好ましい。
(1)R3が、メチル基を示し、R4が、フェニル基を示す光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVa)、(IVb)をそれぞれ、「(R,R)−Ph−BOX」、「(S,S)−Ph−BOX」と記載し、
(2)R3が、メチル基を示し、R4が、tert−ブチル基を示す光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVa)、(IVb)をそれぞれ、「(R,R)−t−Bu−BOX」、「(S,S)−t−Bu−BOX」と記載し、
(3)R3が、メチル基を示し、R4が、ベンジル基を示す光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVa)、(IVb)をそれぞれ、「(R,R)−Bn−BOX」、「(S,S)−Bn−BOX」と記載し、かつ
(4)R3が、メチル基を示す光学活性ビスオキサゾリン化合物(IVc)、(IVd)をそれぞれ、「(4S,5R)−In−BOX」、「(4R,5S)−In−BOX」と記載する。
(1)(R,R)−Ph−BOXとCu(OTf)2との組合せ、
(2)(R,R)−Ph−BOXとCuCl2との組合せ、
(3)(R,R)−Ph−BOXとCuF2との組合せ、
(4)(R,R)−Ph−BOXとZn(OTf)2との組合せ、
(5)(R,R)−Ph−BOXとCu(BF4)2との組合せ、
(6)(R,R)−Ph−BOXとCu(PF6)2との組合せ、
(7)(R,R)−t−Bu−BOXとCu(OTf)2との組合せ、
(8)(R,R)−Bn−BOXとCu(OTf)2との組合せ
等が挙げられる。
(1’)(S,S)−Ph−BOXとCu(OTf)2との組合せ、
(2’)(S,S)−Ph−BOXとCuCl2との組合せ、
(3’)(S,S)−Ph−BOXとCuF2との組合せ、
(4’)(S,S)−Ph−BOXとZn(OTf)2との組合せ、
(5’)(S,S)−Ph−BOXとCu(BF4)2との組合せ、
(6’)(S,S)−Ph−BOXとCu(PF6)2との組合せ、
(7’)(S,S)−t−Bu−BOXとCu(OTf)2との組合せ、
(8’)(S,S)−Bn−BOXとCu(OTf)2との組合せ
等が挙げられる。
(9)(4S,5R)−In−BOXとCu(OTf)2との組合せが挙げられる。
(9’)(4R,5S)−In−BOXとCu(OTf)2との組合せが挙げられる。
本工程の反応時間は、使用する試薬や溶媒の量、反応温度によっても異なるが、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜1時間である。
本工程は、工程1で得られた金属錯体に、塩基存在下、上記プロキラルジオール化合物およびスルホニル化剤(III)を添加することで、光学活性モノスルホネート化合物を得る工程である。
R2が、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
Xが、塩素原子を示す、
スルホニル化剤(III)が好ましい。
R2が、メチル基または置換されていてもよいフェニル基を示し、
Xが、塩素原子を示す、
スルホニル化剤(III)がより好ましい。
R2が、メチル基、またはC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子およびニトロ基から選択される置換基で置換されていてもよいフェニル基を示し、
Xが、塩素原子を示す、
スルホニル化剤(III)がより好ましい。
なお、このようなスルホニル化剤(III)は、市販品を用いてもよいし、自体公知の方法で製造してもよい。
工程1で得られた金属錯体を単離・精製した場合には、本工程は溶媒中で行うことが好ましい。選択される当該溶媒としては、本工程に影響を与えない限り特に限定されないが、好ましくは工程1で挙げられた溶媒が挙げられる。当該溶媒の使用量は、当業者であれば適宜設定することが可能である。
本工程の反応時間は、使用する試薬や溶媒の量、反応温度によっても異なるが、通常1時間〜72時間、好ましくは3時間〜48時間である。
詳細には、化合物(I)は、下記式
すなわち、上記工程1において光学活性ビスオキサゾリン化合物(IV)を適宜使い分けることによって、ジオール化合物(例えば、化合物(II))から、光学活性の異なるモノスルホネート化合物(例えば、化合物(I)または化合物(I’))を任意に製造することが可能である。
R1が、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい炭素環、置換されていてもよい縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示し、
R2が、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示す、
化合物(I)または化合物(I’)が好ましい。
R1が、置換されていてもよいメチル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、炭素環、縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示し、
R2が、メチル基、イソプロピル基または置換されていてもよいフェニル基を示す、
化合物(I)または化合物(I’)がより好ましい。
R1が、ベンジルオキシメチル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環、テトラヒドロナフタレン環、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、N−ベンゾイルピロリジン環またはテトラヒドロチオフェン環を示し、
R2が、メチル基、イソプロピル基、またはC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子およびニトロ基から選択される置換基で置換されていてもよいフェニル基を示す、
化合物(I)または化合物(I’)が特に好ましい。
当該化合物は、S体、R体のいずれであってもよい。
そして、これらの化合物は、工程1における光学活性ビスオキサゾリン化合物(IV)を使い分けることによって、プロキラルジオール化合物(例えば、化合物(VII))から、特定の立体化学を有する光学活性モノスルホネート化合物(例えば、S体の化合物(VI)またはR体の化合物(VI))を製造することが可能である。
R2が、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
R5が、C1−18アルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基またはアシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示す、
化合物(VI)が好ましい。
R2が、メチル基、イソプロピル基または置換されていてもよいフェニル基を示し、
R5が、アシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基を示す、
化合物(VI)がより好ましい。
R2が、p−トリル基を示し、
R5が、エトキシカルボニル基またはフェニルカルバモイル基を示し、
R6が、メチル基またはエチル基を示す、
化合物(VI)が特に好ましい。
本工程は、工程2で得られた光学活性モノスルホネート化合物を精製する工程である。
光学活性モノスルホネート化合物は、種々の塩を形成することができる。本発明のモノスルホネート化合物は、かかる化合物をも包含する。
光学活性モノスルホネート化合物の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等があげられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、トロメタミン〔すなわち、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン〕、tert−ブチルアミン等との塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
また、光学活性モノスルホネート化合物は、同位元素(例、3H、14C、35S)などで標識されていてもよい。
本発明の光学活性モノスルホネート化合物は、上記の水和物、溶媒和物等の種々の化合物をも包含する。
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−トルエンスルホニル)オキシシクロペンタンの製造
IR(neat)νmax;3550,2959,1356,1177cm−1
[α]19 D −8.5(c 1.0,CHCl3,95%ee).
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.83(d,J=9.0Hz,2H),7.36(d,J=9.0Hz,2H),4.72−4.62(m,4H),4.18−4.08(m,1H),2.45(s,3H),2.29−2.08(brs,1H),1.95−1.40(m,6H).
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.8,133.5,129.7,127.6,84.0,72.6,29.8,27.7,21.5,18.7.
MS[FAB(+)]:m/z 257[M+H]+.
HPLC:キラルセルOD−Hカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=20:1,波長:220nm,流速:1.0mL/min.保持時間:30.1min([+]),32.3min([−],enriched).
1−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシシクロペンタンの製造
IR νmax; 3445,2971,1717,1451,1275,1123,984,712cm−1.
1HNMR(300MHz,CDCl3)δ; 1.59−1.70(m,2H),1.74−1.84(m,2H),1.86−2.15(m,2H),4.32(q,J=4.8Hz,1H),5.24(q,J=5.4Hz,1H),7.45(t,J=7.5Hz,2H),7.58(t,J=7.2Hz,1H),8.06(d,J=7.2Hz,2H).
キラルHPLC:Daicel キラルセルOJカラム(4.6 mmφ,25 cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220 nm,流速:0.5 mL/min.保持時間:15.1分,18.2分.
(1S,2R)−2−ヒドロキシ−1−(N−フェニルカルバモイル)オキシシクロペンタンの製造
mp 62−64oC; [α]28.9 D 0.81(c 0.5,CHCl3,72% ee).
IR νmax; 3310,2971,1717,1603,1541,1509,1441,1318,1225,1090,752,693 cm−1.
1HNMR(300MHz,CDCl3)δ; 1.56−1.64(m,2H),1.66−1.78(m,2H),1.79−2.07(m,2H),2.17(s,1H),4.25(t,J=3.6Hz,1H),5.02(q,J=5.4Hz,1H),6.78(s,1H),7.08(t,J=7.2Hz,1H),7.28−7.39(m,4H).
キラルHPLC:Daicel キラルセルOJカラム(4.6 mmφ,25 cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0mL/min.保持時間:8.3分((1S,2R)−(−)−isomer,major),11.4分((1R,2S)−(+)− isomer,minor).
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−トルエンスルホニル)オキシシクロヘキサンの製造
[α]19 D −8.1(c 1.0,CHCl3,97%ee).
IR(neat) νmax; 3550,2942,1356,1175cm−1.
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.82(d,J=9.0Hz,2H),7.35(d,J=9.0Hz,2H),4.68−4.58(m,4H),3.88−3.78(m,1H),2.45(s,3H),2.10−1.20(m,9H).
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ144.6,134.0,129.7,127.5,83.0,68.8,30.1,27.5,21.5(2C),20.6.
MS [FAB(+)]:m/z 271 [M+H]+.
HPLC:キラルセルOD−Hカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0mL/min.保持時間:15.2分([+]),16.9分([−],enriched).
(1S,2R)−(+)−1−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシシクロヘキサンの製造
[α]24 D 12.1(c 1.0,MeOH).
IR νmax; 3480,2939,1721,1450,1288,1113,984,715cm−1.
1HNMR(300MHz,CDCl3)δ; 1.39−1.52(m,2H),1.68−1.90(m,4H),1.98−2.07(m,2H),3.96−3.99(m,1H),5.22−5.24(m,1H),7.46(t,J=7.5Hz,2H),7.55−7.60(m,1H),8.05−8.08(m,2H).
キラルHPLC:Daicel キラルセルOJカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=30:1,波長:254nm,流速:1.0mL/min.保持時間:13.1分((1S,2R)−(−)−isomer,major),16.5分((1R,2S)−(+)−isomer,minor).
(1S,2R)−(+)−2−ヒドロキシ−1−(N−フェニルカルバモイル)オキシシクロヘキサンの製造
mp 72−76oC; [α]22 D 4.9(c 0.5,CHCl3).
IR νmax; 3321,2940,2863,1701,1601,1545,1501,1450,1314,1233,1065,1001,756,694 cm−1.
1HNMR(300MHz,CDCl3)δ; 1.38−1.43(m,2H),1.66−1.83(m,4H),1.86−1.97(m,2H),2.18(s,1H),3.96(t,J=2.7Hz,1H),4.94(d,J=8.4Hz,1H),6.81(s,1H),7.07(t,J=7.2Hz,1H),7.28−7.40(m,4H).
キラルHPLC:Daicel キラルセルOJカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:210nm,流速:1.0mL/min.保持時間:7.7分((1S,2R)−(−)−isomer,major),12.0分((1R,2S)−(+)−isomer,minor).
メソ−1,2−ジオールのモノスルホニル化、モノベンゾイル化およびモノカルバモイル化による不斉非対称化の比較
得られた化合物の収率と光学純度を表1に示す。なお参考として、実施例1、比較例1−1および比較例1−2、ならびに実施例2、比較例2−1および比較例2−2の収率と光学純度を掲載している。
また、表1中、例えば、「番号3」の行の「実施例」の列に記載されたデータは、「実施例3の化合物の収率および光学純度」を示し、「番号4」の行の「比較例1」の列に記載されたデータは、「比較例4−1の化合物の収率および光学純度」を示し、「番号5」の行の「比較例2」の列に記載されたデータは、「比較例5−2の化合物の収率および光学純度」を示す。
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−トルエンスルホニル)オキシシクロヘプタン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.81(d,J=8.1Hz,2H),7.35(d,J=8.4Hz,2H),4.72−4.62(m,1H),4.00−3.89(m,1H),2.46(s,3H),2.20−1.20(m,11H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.6,133.8,129.7,127.5,86.6,72.2,30.8,28.4,26.4,22.1,21.4,21.3;
IR(neat) 3530,2936,1599,1356,1179cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=30:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:31.6分([+]),35.9分([−],enriched);
[α]19 D −11.8(c 1.0,CHCl3,99%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C14H21O4Sからの計算値 [M+H]+:285.1161,実測値:285.1176.
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−トルエンスルホニル)オキシシクロオクタン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.82(d,J=8.4Hz,2H),7.36(d,J=8.1Hz,2H),4.81−4.70(m,1H),4.00−3.89(m,1H),2.46(s,3H),2.18−1.27(m,13H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.6,133.9,129.7,127.5,85.8,71.5,29.9,27.9,26.7,25.3,23.7,21.6,21.5;
IR(neat) 3530,2926,1599,1356,1175cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=30:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:29.3分([+]),30.3分([−],enriched);
[α]19 D −18.3(c 1.0,CHCl3,98%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C15H23O4Sからの計算値 [M+H]+:299.1317,実測値:299.1317.
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−トルエンスルホニル)オキシ−4−シクロヘキセン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.82(d,J=8.7Hz,2H),7.35(d,J=8.1Hz,2H),5.62−5.42(m,2H),4.81−4.72(m,1H),4.10−3.99(m,1H),2.45(s,3H),2.42−2.10(m,5H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.7,133.8,129.7,127.6,123.8,122.2,80.4,66.9,31.3,28.3,21.5;
IR(neat) 3528,2924,1599,1360,1180cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:24.2分([−],enriched),30.3分([+]);
[α]19 D −15.9(c 1.0,CHCl3,97%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C13H17O4Sからの計算値[M+H]+ :269.0848,実測値:269.0851.
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−トルエンスルホニル)オキシ−5−シクロオクテン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.80(d,J=8.1Hz,2H),7.35(d,J=7.8Hz,2H),5.75−5.55(m,2H),4.83−4.73(m,1H),4.10−3.96(m,1H),2.64−2.49(m,2H),2.45(s,3H),2.41−2.25(brs,1H),2.06−1.55(m,6H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.7,133.5,130.5,129.7,129.0,127.6,87.5,73.2,32.9,30.5,21.5(2C),21.0;
IR(neat) 3530,2938,1599,1356,1175cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:17.3分([+]),21.9分([−],enriched);
[α]21 D −33.5(c 1.0,CHCl3,99%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C15H21O4Sからの計算値[M+H]+ :297.1161,実測値:297.1171.
(2S,3R)−(+)−3−ヒドロキシ−2−(p−トルエンスルホニル)オキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン
Mp:126−128℃;
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.82(d,J=8.4Hz,2H),7.35(d,J=8.1Hz,2H),7.18−6.91(m,4H),4.97−4.87(m,1H),4.28−4.18(m,1H),3.22−2.87(m,4H),2.45(s,3H),2.29(brs,1H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.9,133.6,132.2,131.3,129.8,129.0,128.6,127.6,126.5,126.2,80.5,67.4,34.5,31.8,21.5;
IR(neat) 3530,2926,1597,1356,1177cm−1;
HPLC キラルパックASカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=5:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:11.2分([−]),13.8分([+],enriched);
[α]21 D +15.2(c 1.0,CHCl3,98%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C17H19O4Sからの計算値 [M+H]+:319.1004,実測値:319.1005.
(3S,4R)−(+)−1−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−3−(p−トルエンスルホニル)オキシピロリジン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.84(d,J=8.4Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.68−7.20(m,7H),5.01−4.91,4.78−4.65(m,total 1H),4.50−4.38,4.38−4.25(m,total 1H),3.92−3.43(m,4H),3.25,3.14(brs,total 1H),2.46,2.42(s,total 3H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 169.9,145.5,135.2,130.3,130.0,129.9,128.2,127.7,127.1,78.6,78.2,70.1,68.8,52.6,50.4,50.0,48.4,21.5;
IR(neat) 3350,2925,1620,1364,1177cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=3:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:16.1分([+],enriched),19.7分([−]);
[α]21 D +22.7(c 1.0,CHCl3,94%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C18H20NO5Sからの計算値[M+H]+:362.1062,実測値:362.1073.
(3S,4R)−(−)−4−ヒドロキシ−3−(p−トルエンスルホニル)オキシテトラヒドロフラン
無色結晶;
Mp:92−94℃;
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.83(d,J=8.4Hz,2H),7.38(d,J=8.1Hz,2H),4.90−4.80(m,1H),4.43−4.33(m,1H),4.02−3.65(m,4H),2.55(brs,1H),2.47(s,3H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 145.4,132.6,129.9,127.8,79.0,71.9,70.3,69.1,21.5;
IR(neat) 3425,2955,1597,1372,1180cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=5:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:19.7分([+]),21.5分([−],enriched);
[α]24 D −10.0(c 1.0,CHCl3,95%ee);
MS[LR−FAB(+)]:m/z 259[M+H]+.
(3R,4S)−(−)−4−ヒドロキシ−3−(p−トルエンスルホニル)オキシテトラヒドロチオフェン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.83(d,J=8.4Hz,2H),7.38(d,J=8.1Hz,2H),4.91−4.81(m,1H),4.46−4.35(m,1H),3.02−2.74(m,4H),2.58(d,J=6.5Hz,1H),2.46(s,3H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 145.3,132.9,129.9,127.7,82.8,73.3,32.3,29.8,21.5;
IR(neat) 3530,2946,1597,1362,1179cm−1;
HPLC キラルパックASカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=8:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:37.7分([+]),47.4分([−],enriched);
[α]22 D −4.1(c 1.0,CHCl3,94%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C11H15O4S2からの計算値[M+H]+:275.0412,実測値:275.0414.
(2S,3R)−(−)−3−ヒドロキシ−2−(p−トルエンスルホニル)オキシブタン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.81(d,J=8.4Hz,2H),7.35(d,J=8.4Hz,2H),4.61−4.51(m,1H),3.95−3.82(m,1H),2.45(s,3H),2.13(brs,1H),1.21(d,J=6.3Hz,3H),1.12(d,J=6.3Hz,3H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.6,133.9,129.7,127.6,83.0,69.1,21.4,17.4,14.7;
IR(neat) 3530,2984,1599,1356,1181cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:17.8分([−],enriched),20.0分([+]);
[α]18 D −11.3(c 1.0,CHCl3,99%ee);
MS[LR−FAB(+)]:m/z 245[M+H]+.
(2S,3R)−(+)−1,4−ビス(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシ−2−(p−トルエンスルホニル)オキシブタン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.75(d,J=8.4Hz,2H),7.39−7.17(m,12H),4.79−4.69(m,1H),4.52−4.29(m,4H),4.10−4.00(m,1H),3.78−3.42(m,4H),2.72(d,J=6.0Hz,1H),2.38(s,3H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 144.5,137.5,137.4,133.7,129.5,128.3,128.2,127.7(2C),127.6(2C),127.5,80.3,73.2(2C),69.8,69.2,68.3,21.5;
IR(neat) 3530,2869,1599,1362,1179cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=2:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:25.3分([−]),29.4分([+],enriched);
[α]20 D +0.8(c 1.0,CHCl3,93%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C25H29O6Sからの計算値 [M+H]+:457.1685,実測値:457.1687.
メソ−1,2−ジオールのモノスルホニル化反応における、塩基の影響
得られた化合物の収率と光学純度を表2に示す。
メソ−1,2−ジオールのモノスルホニル化反応における、溶媒の影響
得られた化合物の収率と光学純度を表3に示す。
メソ−1,2−ジオールのモノスルホニル化反応における、スルホニル化剤の影響
得られた化合物の収率と光学純度を表4に示す。
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−ニトロベンゼンスルホニル)オキシシクロヘキサン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.40(d,J=8.7Hz,2H),8.15(d,J=8.7Hz,2H),4.85−4.72(m,1H),3.91−3.78(m,1H),2.08−1.22(m,9H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 150.5,142.8,128.9,124.2,84.6,68.9,30.0,27.9,21.2,20.8;
IR(neat) 3567,2944,1541,1360,1186cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=1:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:8.1分([+]),10.2分([−],enriched);
[α]27 D −4.9(c 1.0,CHCl3,92%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C12H16NO6Sからの計算値[M+H]+:302.0698,実測値:302.0693.
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−クロロベンゼンスルホニル)オキシシクロヘキサン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.88(d,J=8.7Hz,2H),7.53(d,J=8.7Hz,2H),4.72−4.61(m,1H),3.88−3.77(m,1H),2.07(brs,1H),2.00−1.22(m,8H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 140.2,135.6,129.4,128.9,83.6,68.8,30.1,27.7,21.4,20.6;
IR(neat) 3530,2944,1478,1362,1184cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=5:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:8.6分([+]),11.2分([−],enriched);
[α]18 D −5.5(c 1.0,CHCl3,93%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C12H16ClO4Sからの計算値 [M+H]+:291.0458,実測値:291.0468.
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−ベンゼンスルホニルオキシシクロヘキサン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.95(d,J=7.5Hz,2H),7.71−7.50(m,3H),4.71−4.60(m,1H),3.90−3.76(m,1H),2.15(brs,1H),2.00−1.18(m,8H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 137.0,133.6,129.1,127.4,83.3,68.8,30.0,27.6,21.5,20.6;
IR(neat) 3530,2942,1449,1360,1186cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:19.2分([+]),22.3分([−],enriched);
[α]19 D −5.0(c 1.0,CHCl3,98%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C12H17O4Sからの計算値[M+H]+:257.0848,実測値:257.0862.
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−(p−メトキシベンゼンスルホニル)オキシシクロヘキサン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.87(d,J=8.4Hz,2H),7.01(d,J=8.4Hz,2H),4.64−4.53(m,1H),3.91−3.76(m,4H),2.07−1.21(m,9H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 163.5,129.7,128.3,114.2,82.8,68.8,55.5,30.1,27.6,21.5,20.6;
IR(neat) 3650,2944,1597,1348,1163cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=5:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:16.7分([+]),19.7分([−],enriched);
[α]18 D −7.4(c 1.0,CHCl3,94%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C13H19O5Sからの計算値[M+H]+:287.0953,実測値:287.0966.
(1S,2R)−(−)−2−ヒドロキシ−1−メタンスルホニルオキシシクロヘキサン
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 4.84−4.74(m,1H),3.93−3.82 (m,1H),3.09 (s,3H),2.39 (brs,1H),2.15−2.00 (m,1H),1.83−1.21 (m,7H).
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.07(d,J=7.2Hz,2H),7.58(t,J=7.5Hz,1H),7.46(t,J=7.5Hz,2H),5.31−5.21(m,1H),5.05−4.96(m,1H),2.99(s,3H),2.25−1.40(m,8H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 165.6,133.1,129.5,128.3,79.1,71.5,38.5,29.3,27.1,21.7,20.7;
IR(neat) 2944,1720,1360,1183cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=3:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:16.7分([+]),18.9分([−],enriched);
[α]27 D −4.6(c 1.0,CHCl3,77%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C14H19O5S[M+H]+における計算値:299.0953,実測値:299.0969.
メソ−1,2−ジオールのモノスルホニル化反応における、金属塩(触媒種)の影響
得られた化合物の収率と光学純度を表5に示す。
メソ−1,2−ジオールのモノスルホニル化反応における、不斉配位子(光学活性ビスオキサゾリン化合物)の影響
得られた化合物の収率と光学純度を表6に示す。
(2S,3R)−(−)−3−ヒドロキシ−2−ベンゼンスルホニルオキシブタン
無色油状物;
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.94(d,J=6.9Hz,2H),7.67(t,J=7.5Hz,1H),7.56(t,J=7.5Hz,2H),4.65−4.53(m,1H),3.95−3.82(m,1H),2.15(brs,1H),1.22(d,J=6.6Hz,3H),1.12(d,J=6.6Hz,3H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 136.9,133.6,129.1,127.5,83.3,69.1,17.4,14.7;
IR(neat) 3530,2986,1449,1364,1194cm−1;
HPLC キラルパックASカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:16.6分([+]),19.4分([−],enriched);
[α]18 D −10.4(c 1.0,CHCl3,96%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C10H15O4Sからの計算値[M+H]+:231.0691,実測値:231.0704.
(−)−2−ヒドロキシメチル−2−(p−トルエンスルホニル)オキシメチルプロピオン酸エチルの製造
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.79(d,J=8.1Hz,2H),7.36(d,J=8.1,2H),4.26(d,J=9.6Hz,1H),4.14(q,J=7.2Hz,2H),4.09(d,J=9.6Hz,1H),3.69(d,J=4.0Hz,4H),2.46(s,3H)2.36(brt,J=4.0Hz,1H),1.23(t,J=7.2Hz,3H),1.16(s,3H);
HPLC キラルセルOD−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=15:1,波長:254nm,流速:1.0ml/min,保持時間:15.5分([−],enriched),17.1分([+]);
[α]25 D −2.9(c 0.7,CHCl3,78%ee).
(−)−2−ヒドロキシメチル−2−(p−トルエンスルホニル)オキシメチル−(N−フェニル)ブチルアミドの製造
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.68(brs,1H)、7.78(d,J=8.4Hz,2H),7.47(d,J=7.8Hz,2H),7.35−7.23(m,4H),7.11(t,J=7.8Hz,1H),4.28(d,J=10.2Hz,1H),4.17(d,J=10.2Hz,2H),3.95(dd,J=11.4,5.7Hz,1H),3.84(dd,J=11.4,5.7Hz,1H),3.00(brs,1H),2.44(s,3H)1.85−1.63(m,2H),0.87(t,J=7.5Hz,3H);
IR(neat) 3300,2926,1661,1599,1360,1177cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:45.7分([+]),52.1分([−],enriched);
[α]26 D −43.2(c 1.0,CHCl3,87%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C17H19O4Sからの計算値 [M+H]+:378.1375,実測値:378.1383.
(−)−2−ヒドロキシメチル−2−(N−フェニル)カルバモイルオキシメチルブタン酸エチルの製造
無色油状物。
IR νmax; 3341,2975,1736,1603,1545,1447,1318,1235,1144,1068,862,756,693cm−1.
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ; 0.91(t,J=7.5Hz,3H),1.28(t,J=6.9Hz,3H),1.56−1.72(m,2H),2.94(t,J=6.9Hz,1H),3.68(dd,J=6.9,12.0Hz,1H),3.79(dd,J=6.9,12.0Hz,1H),4.21(q,J=7.2Hz,2H),4.40(d,J=11.4Hz,1H),4.49(d,J=11.7Hz,1H),6.38(s,1H),7.09(t,J=6.6Hz,1H),7.29−7.36(m,4H).
HPLC:キラルパックADカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min.保持時間:16.4分([−],enriched),18.2分([+]),[α]23.8 D −6.71(c 0.50,CHCl3,55%ee).
2−ベンゾイルオキシメチル−2−ヒドロキシメチルブタン酸エチルの製造
無色油状物.
IR νmax; 3510,2973,1728,1453,1318,1275,1113,1026,970,712cm−1.
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ; 0.95(t,J=7.5Hz,3H),1.27(t,J=7.2Hz,3H),1.65−1.74(m,2H),2.60(t,J=6.9Hz,1H),3.72−3.87(m,2H),4.23(q,J=7.2Hz,2H),4.53(d,J=11.1Hz,1H),4.65(d,J=11.1Hz,1H),7.45(t,J=7.2Hz,2H),7.58(t,J=7.5Hz,1H),8.01(d,J=8.4Hz,2H.
HPLC:キラルパックADカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:220nm,流速:1.0mL/min.保持時間:10.4分,11.4分.
(+)−2−ヒドロキシメチル−2−(N−フェニル)カルバモイルオキシメチル−(N−フェニル)ブチルアミドの製造
白色固体。
融点、47−50℃.
IR νmax; 3300,3061,2970,1713,1663,1601,1501,1445,1316,1231,1069,899,754,693,507cm−1.
1H NMR(300MHz,CDCl3) δ; 0.97(t,J=7.5Hz,3H),1.62−1.69(m,1H),1,86−1.95(m,1H),3.78(d,J=8.7Hz,2H),3.79−3.95(m,1H),4.19(d,J=11.7Hz,1H),4.74(d,J=11.7Hz,1H),6.86(s,1H),7.11(t,J=7.2Hz,2H),7.27−7.35(m,6H),7.55(d,J=8.1Hz,2H),9.13(s,1H).
HPLC:キラルセルOJカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=10:1,波長:254nm,流速:1.0ml/min.保持時間:21.1分([+],enriched),15.7分([−]).[α]22.0 D 33.68(c 1.00,CHCl3,61%ee).
C19H22N2O4からの計算値:C,66.65;H,6.48;N,8.18,実測値:C,66.47;H,6.56;N,8.08.
(+)−2−ベンゾイルオキシメチル−2−ヒドロキシメチル−(N−フェニル)ブチルアミドの製造
無色固体。
Mp:85−95℃
IR νmax; 3311,3063,2971,2882,1722,1655,1601,1541,1501,1447,1316,1279,1177,1115,1071,1028,970,911,756,712,693cm−1.
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ; 1.00(t,J=7.5Hz,3H),1.71−1.83(m,1H),1.93−2.05(m,1H),3.39(s,1H),3.79(d,J=12.0Hz,1H),4.00(d,J=12.0Hz,1H),4.88(d,J=11.7Hz,1H),7.11(t,J=7.5Hz,1H),7.33(t,J=7.8Hz,2H),7.47(t,J=7.5Hz,2H),7.53−7.63(m,2H)8.05(t,J=7.2Hz,2H),9.00(s,1H).
HPLC:キラルセルODカラム(4.6mmφ,25cm),n−ヘキサン:イソプロパノール=30:1,波長:254nm,流速:1.0mL/min.保持時間:58.6分([+],enriched),64.8分([−]),[α]22.0 D +3.9(c 0.78,CHCl3,23%ee).
工程1:(1S,2R)−(−)−2−ベンゾイルオキシ−1−(p−トルエンスルホニル)オキシシクロヘキサンの製造
Mp:102−104℃
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.89(d,J=6.9Hz,2H),7.71(d,J=8.7Hz,2H),7.54(t,J=7.8Hz,1H),7.40(t,J=7.8Hz,2H),7.08(d,J=7.8Hz,2H),5.02−4.92(m,1H),4.90−4.80(m,1H),2.26(s,3H),2.19−1.31(m,8H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 165.3,144.2,133.8,132.8,129.7 129.5(2C),128.0,127.4,79.0,71.7,29.1,26.6,22.2,21.4,20.1;
IR(neat) 2946,1719,1599,1362,1177cm−1;
HPLC キラルセルOJ−Hカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=5:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:12.3分([−],enriched),19.5分([+]);
[α]27 D −12.2(c 1.0,CHCl3,97%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C20H23O5Sからの計算値[M+H]+:375.1266,実測値:375.1256.
Mp:90−92℃
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.07(d,J=7.2Hz,2H),7.57(t,J=7.5Hz,1H),7.45(t,J=7.8Hz,2H),5.00−4.83(m,1H),3.63−3.48(m,1H),2.28−1.28(m,8H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 165.6,132.9,129.9,129.5,128.2,75.8,63.2,30.3,30.2,23.6,23.3;
IR(neat) 2944,2110,1728,1452,1281cm−1;
[α]20 D −132.1(c 1.0,CHCl3,97%ee);
MS[HR−FAB(+)]:m/z C13H16N3O2からの計算値[M+H]+:246.1243,実測値:246.1259.
これは、精製することなく次の工程に用いた。
Mp:149−151℃
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.01(d,J=7.2Hz,2H),7.67(d,J=7.2Hz,2H),7.58−7.28(m,6H),6.62(d,J=7.8Hz,1H),5.11−4.98(m,1H),4.31−4.17(m,1H),2.37−1.21(m,8H);
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ 167.6,166.9,134.3,133.0,131.1,129.7,129.6,128.3,128.2,126.6,75.2,53.6,32.0,31.1,24.1(2C);
IR(neat) 3300,2940,1717,1638,1541,1273cm−1;
HPLC キラルセルODカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=20:1,波長:220nm,流速:1.0ml/min,保持時間:11.1分([+]),14.8分([−],enriched);
[α]21 D −85.6(c 1.0,CHCl3,97%ee);
MS[LR−FAB(+)]:m/z 324[M+H]+.
(3R)−(+)−3−ベンゾイルオキシシクロヘキセンの製造
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.06(d,J=7.2Hz,2H),7.57(t,J=7.5Hz,1H),7.42(t,J=7.5Hz,6H),6.07−5.91(m,1H),5.91−5.78(m,1H),5.58−5.44(m,1H),2.30−1.56(m,8H).
HPLC キラルパックADカラム(4.6mmφ,250mm),n−ヘキサン:イソプロパノール=99.7:0.3,波長:210nm,流速:0.5ml/min,保持時間:13.6分([+],enriched),15.0分([−]);
[α]26 D +215.6(c 1.0,CHCl3,97%ee);
MS[LR−FAB(+)]:m/z 203[M+H]+.
Claims (12)
- プロキラルジオール化合物の片方の水酸基のみを選択的にモノスルホニル化することを特徴とする、光学活性モノスルホネート化合物の製造方法であって、
モノスルホニル化が、プロキラルジオール化合物および式(III)
R2は、置換されていてもよい炭化水素基を示し、
Xは、ハロゲン原子を示す]で表されるスルホニル化剤を、式(IVa)
R3は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示すか、あるいは二つのR3が一体となって置換されていてもよいC2−6アルキレン基を示し、
R4は、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC7−16アラルキル基、または置換されていてもよいC6−14アリール基を示す]で表される光学活性ビスオキサゾリン化合物もしくは式(IVb)
R3は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示すか、あるいは二つのR3が一体となって置換されていてもよいC2−6アルキレン基を示す]で表される光学活性ビスオキサゾリン化合物もしくは式(IVd)
Mは、2価の金属原子を示し、
X’は、ハロゲン原子、OTf、NTf2、BF4、PF6またはSbF6を示す]で表される金属塩および塩基の存在下で反応させることを特徴とする、製造方法。 - プロキラルジオール化合物が、式(II)
R1は、置換されていてもよい炭化水素基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、置換されていてもよい炭素環、置換されていてもよい縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示す]で表されるメソ−1,2−ジオール化合物であって、光学活性モノスルホネート化合物が、式(I)
R1は、前記と同義を示し、
R2は、置換されていてもよい炭化水素基を示す]で表される化合物、または式(I’)
- R1が、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、炭素環、縮合炭素環または置換されていてもよい複素環を示し、
R2が、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
Xが、塩素原子を示す、
請求項2記載の製造方法。 - R1が、置換されていてもよいメチル基を示すか、あるいは二つのR1が一緒になって、隣接する炭素原子と共に、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環、テトラヒドロナフタレン環、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、N−ベンゾイルピロリジン環またはテトラヒドロチオフェン環を示し、
R2が、メチル基または置換されていてもよいフェニル基を示し、
Xが、塩素原子を示す、
請求項3記載の製造方法。 - プロキラルジオール化合物が、式(VII)
R2は、置換されていてもよい炭化水素基を示し、
R5およびR6は、前記と同義を示す]で表される化合物である、請求項1記載の製造方法。 - R2が、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
R5が、C1−18アルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基またはアシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基を示す、請求項5記載の製造方法。 - R2が、メチル基または置換されていてもよいフェニル基を示し、
R5が、アシル基を示し、
R6が、C1−6アルキル基を示す、
請求項5または6記載の製造方法。 - R3が、水素原子またはC1−6アルキル基を示すか、あるいは二つのR3が一緒になって、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基またはペンタメチレン基を示し、
R4が、C1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−14アリール基またはC7−16アラルキル基を示す、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。 - R3が、メチル基を示し、
R4が、フェニル基、tert−ブチル基またはベンジル基を示す、請求項8記載の製造方法。 - Mが、2価の銅原子または2価の亜鉛原子を示し、
X’が、ハロゲン原子、OTf、BF4またはPF6を示す、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。 - 塩基が、炭酸カリウム、トリエチルアミン、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウムおよびジイソプロピルエチルアミンからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
- テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、イソプロピルアルコール、アセトニトリルおよび酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも一つの溶媒中で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
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