JP4447674B2 - 振れ補正装置、撮像装置、カメラユニットおよびレンズユニット - Google Patents

振れ補正装置、撮像装置、カメラユニットおよびレンズユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振れ補正装置、および該振れ補正装置を備えた撮像装置、更にはこの撮像装置に用いられるカメラユニットおよびレンズユニットに関し、特に、装置本体に着脱可能な焦点距離の変倍光学系と、例えば手振れ等による撮像画の振れを光学的に補正する振れ補正装置とを備え、撮像画による振れ検出手段により得られた振れ情報に基づいて撮像画の振れを補正する機能を有する撮像装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ビデオカメラ等の撮像装置では、オートエクスポージャ(AE)やオートフォーカス(AF)等の機能に見られるように、あらゆる点で自動化および多機能化が図られ、良好な撮影が容易に行えるようになっている。
また、近年では、撮像装置の小型化や光学系の高倍率化に伴い、装置の振れ等が撮影画像の品位を低下させる大きな原因となっていることに着目し、このような装置の振れ(手振れ)等により生じた撮影画像の振れを補正する振れ補正機能が種々提案されている。このような振れ補正機能を撮像装置に搭載することで、さらに良好な撮影が容易に行えるようになっている。
【0003】
例えば、撮像素子の撮像面に被写体からの光を結像することで撮影画像を得る撮像装置に設けられる振れ補正機能として、図6に示すような構成のものがある。図6において、1は角速度検出手段であり、例えば振動ジャイロ等の角速度センサから成る。この角速度検出手段1は、カメラ等の振れ補正機能付き撮像装置本体に取り付けられており、装置の振れを角速度として検出する。
【0004】
2はDCカットフィルタであり、角速度検出手段1から出力される角速度信号の直流(DC)成分を遮断して、交流成分すなわち振動成分のみを通過させる。このDCカットフィルタ2としては、所定の周波数帯域以下の信号を遮断するハイパスフィルタ(以下、HPFと示す)を用いても良い。3は増幅器(アンプ)であり、DCカットフィルタ2から出力された角速度信号を適当な感度に増幅して出力する。
【0005】
4はA/D変換器であり、増幅器3から出力された角速度信号をアナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。5はハイパスフィルタ(HPF)であり、任意の周波数帯域でその特性を可変しえる機能を有しており、A/D変換器4から出力されたデジタルの角速度データに含まれる低周波成分を遮断して出力する。6は積分器であり、任意の周波数帯域でその特性を可変しえる機能を有しており、HPF5から出力された角速度データを積分して、その積分結果を角変位データとして出力する。
【0006】
7はパン・チルト判定回路であり、A/D変換器4から出力された角速度データおよび積分器6から出力された角変位データに基づいて、パンニング・チルティングの判定を行って、角速度データおよび角変位データのレベルにより以下に述べるようなパンニング制御を行う。
【0007】
すなわち、角速度データが所定のしきい値以上、あるいは、角速度データが所定のしきい値より小さくても当該角速度データの積分結果である角変位データが所定のしきい値以上であるならば、パンニングあるいはチルティング状態であると判定し、パンニング制御を行う。このパンニング制御では、まず、HPF5の低域カットオフ周波数を高域側に変移させることにより、低域の周波数に対して画像補正手段10の振れ補正系が応答しないように特性を変更する。次に、積分器6の積分特性の時定数を値が小さくなる方向に変移させることにより、画像補正手段10の振れ補正位置を移動範囲中心へと徐々にセンタリングさせる。これにより、積分器6に蓄積された角変位データの値を基準値(振れを検出していない状態においてとり得る値)に徐々に近づけていく。
【0008】
このようなパンニング制御を行っている間も角速度データおよび角変位データの検出は行われており、パンニング・チルティングが終了した場合(すなわち、角速度データおよび角変位データのそれぞれが所定のしきい値より小さい場合)には、HPF5の低域カットオフ周波数を低域側に変移させるとともに、積分器6での積分演算に用いる時定数の値を大きくなる方向に変移させることにより振れ補正範囲を拡張する動作を行う。これにより、HPF5の低域カットオフ周波数および積分器6の時定数の値がそれぞれ元の状態に戻され、パンニング制御から抜けることになる。
【0009】
8はD/A変換器であり、積分器6から出力された角変位データをデジタル信号からアナログ信号に変換して出力する。上記A/D変換器4、HPF5、積分器6、パン・チルト判定回路7およびD/A変換器8は、例えばマイクロコンピュータ(マイコン)COMによって構成される。
【0010】
9は駆動回路であり、D/A変換器8から出力されたアナログの角変位信号に基づいて、後段の画像補正手段10を振れを抑制するように駆動する。画像補正手段10は、例えば、光学的光軸を変移させて振れを相殺する光学的補正手段が用いられる。この光学的補正手段は、例えば可変頂角プリズムを用いた光学的振れ補正系を有し、駆動回路9からの駆動に従って、可変頂角プリズムの頂角を変えて撮像面への入射光の光軸を変移させることにより、撮影画像に生じる振れを光学的に補正する。
【0011】
図7は、図6に示した画像補正手段10の一例を示す図である。図7の例は、特に可変頂角プリズム100を用いるとともに、その駆動系としてボイス・コイル型のアクチュエータ110を用い、可変頂角プリズム100の頂角変位をエンコーダ120で検出する。そして、その検出結果を駆動系のアクチュエータ110にフィードバックすることにより可変頂角プリズム100の駆動量を制御するようになされた閉ループを構成する制御系としたものである。
【0012】
まず、可変頂角プリズム100について詳しく述べる。図7に示す可変頂角プリズム100の構成において、101及び101’は互いに対向して配置された平面ガラス、102は透明な高屈折率(屈折率n)の弾性体または不活性液体からなる高屈折体、103は高屈折体102を外周より樹脂フィルム等にて弾力的に封止するための封止材である。高屈折体102を封止した封止材103は、平面ガラス101及び101’に挟持されている。なお、104は一方の平面ガラス101に直角に入射し、高屈折体102および他方の平面ガラス101’を透過した光の光路を示したものである。
【0013】
図7(a)は、一対の平面ガラス101及び101’が平行に保持されている状態を示したものである。この状態の場合、光路104は、一方の平面ガラス101に直角に入射し、高屈折体102を通り、他方の平面ガラス101’より直角に射出する。
【0014】
一方、図7(b)は、ボイス・コイル型のアクチュエータ110により、他方の平面ガラス101’が傾けられた状態を示したものである。これは、光学的光軸を変移させた状態にあたる。この状態では、一対の平面ガラス101及び101’と高屈折体102とで光学的なプリズムが形成される。したがって、一方の平面ガラス101に直角に入射した光は、他方の平面ガラス101’から射出されるときに、図7(a)に示した平行な状態での光路104に対して、光路104’のようにその光路が変化する。
【0015】
図7(b)において、可変頂角プリズム100の他方の平面ガラス101’を一方の平面ガラス101対して角度σだけ回動させたときの入射光束104’の通過状態を更に説明すると、以下の通りである。すなわち、一方の平面ガラス101に直角に入射してきた光束104’は、模形プリズムと同様の原理により、角度φ=(n−l)σだけ偏向されて出射する。つまり、入射光束104’の光軸は、角度φ分だけ偏心(偏向)される。なお、ここでの屈折率nは、ガラスの屈折率に近いものとする。
【0016】
さらに、このような可変頂角プリズム100を用いた場合の光軸の補正について図8を用いて説明する。図8において、101’−Aは上記他方の平面ガラス101’が一方の平面ガラス101と平行な状態(図7(a)の状態)、101’−Bは上記他方の平面ガラス101’が一方の平面ガラス101に対して傾きを生じた状態(図7(b)の状態)を示している。また、150は撮像光学系、161は結像した光信号を光電変換して電気信号として出力するCCD等の撮像素子、162は撮像素子161から出力された電気信号を、例えばNTSC等のビデオ信号に変換する信号処理回路、163はビデオ信号を記録する記録装置である。
【0017】
図8に示すように、他方の平面ガラス101’が一方の平面ガラス101と平行にある状態(状態101’−A)の場合、光路104は、撮像光学系150を介して撮像素子161の結像面上に直線的に結ばれる。一方、他方の平面ガラス101’が一方の平面ガラス101に対して傾きを生じている状態(状態101’−B)の場合は、一対の平面ガラス101及び101’で形成される頂角が変えられることで、光路104’のように光路が変化させられる。変化した光路104’は、撮像光学系150を介して、状態101’−Aの場合と同じ撮像素子161の結像面上に結ばれる。このようにして、撮像装置の振れ等により生じる被写体の移動(光路のずれ)を光学的に補正することが可能となる。
【0018】
次に、再び図7に戻ってアクチュエータ110について説明する。図7に示すアクチュエータ110の構成において、111はヨーク、112はマグネット、113はコイル、114は駆動トルクを伝達するアームであり、これらの要素によって、コイル113に電流を流すことで可変頂角プリズム100の頂角を可変し得るボイス・コイル型のアクチュエータが構成されている。
【0019】
また、可変頂角プリズム100の傾き(頂角の変位、すなわち角変位)を検出するための角変位エンコーダ120の構成において、121は可変頂角プリズム100の角変位検出用のスリットであり、可変頂角プリズム100の他方の平面ガラス101’と共にアクチュエータ110のアーム114を通じて回動し、その位置が変位するようになっている。122はスリット121の位置を検出する発光ダイオード、123はPSD(Position Sensing Detector )であり、発光ダイオード122と共にスリット121の位置を検出する。これにより、可変頂角プリズム100の頂角の変位が検出される。
【0020】
次に、可変頂角プリズム100を駆動制御する制御回路の基本的な構成および動作について、図9のブロック図を用いて説明する。図9において、131はアンプ、132はアンプ131の出力に基づいてアクチュエータ110を駆動する駆動回路、133は加算器であり、図6のマイクロコンピュータCOMから出力される振れ補正用の制御信号(角変位信号)134と、角変位エンコーダ120から出力される角変位信号135とを互いに逆極性で加算し、加算結果をアンプ131に出力する。
【0021】
このような構成で成る制御系は、マイクロコンピュータCOMから出力される振れ補正用の制御信号134と、角変位エンコーダ120から出力される角変位信号135とが等しくなるように動作する。その結果として、制御信号134がエンコーダ120の出力135と一致するように可変頂角プリズム100が駆動される。これにより、マイコンCOMで指示された位置(頂角)に可変頂角プリズム100が制御されるものである。
【0022】
なお、上記図7においては説明の便宜上図示しなかったが、上述した可変頂角プリズム100の駆動方向と直角の方向に、同様の機能を有する駆動回路、エンコーダおよび制御回路が存在し、光軸に対して上下左右の補正を可能にするものである。
【0023】
以上のように、図6に示す構成で成る振れ補正装置は、振動ジャイロ等の角速度検出手段1からの情報をもとに装置の振れを検出し、その検出結果を信号処理して振れ補正信号を求め、当該振れ補正信号に基づいて、画像補正手段10によって手振れ等による撮影画像の振れを光学的に補正するようになされている。
【0024】
また、近年においては、撮像装置の小型化を背景として、上述の角速度センサを用いる代わりに、画像情報をもとに動きベクトルを検出する画像ベクトル検出手段を用いて装置の振れを検出する撮像装置が提案されている。この画像ベクトル検出手段は、例えばICチップに納めることが可能であるため、装置の小型化が容易に行える。図6に示した従来技術においても、角速度センサの代わりに画像ベクトル検出手段を用いた構成とすることは可能である。
【0025】
また、上記角速度センサと画像ベクトル検出手段とを併用したシステムの検討も行われている。すなわち、実際の撮像装置の振れと角速度センサにより検出される振れとの間に誤差があると、振れの補正にも誤差が生じてしまう。ここで言う撮影画像の補正誤差とは、撮像装置の振れ量に対する光学的振れ補正系の補正残りあるいは補正過多のことである。
【0026】
ここで、撮像装置の光学系(レンズ等)の焦点距離が長くなって像の拡大倍率が大きくなる(望遠側になる)につれて、撮影画像上での補正誤差量は増加し、撮影画像の品位を損ねる原因となってしまう。そこで、この補正誤差を軽減する目的で画像ベクトル検出手段を用い、画像ベクトル検出手段によって補正誤差を検出し、その検出結果を補正信号として光学的補正手段にて用いることにより、補正誤差を軽減する。
【0027】
なお、このような振れ補正機能を有する撮像装置(例えばビデオカメラ)の分野においても、撮影領域を可変とするために銀塩カメラと同様の交換レンズ方式のビデオカメラが提案されている。交換レンズシステムでは、高倍率のレンズやエクステンダー等の装置がカメラ本体と着脱可能であるため、高倍率レンズを組み合わせることが容易であり、上述の補正誤差がカメラ・レンズ一体型の撮像装置に比べて大きくなる。よって、画像ベクトル検出手段によって補正誤差を検出し、その検出結果をもとに光学的補正手段にて補正誤差を軽減する手段への要求はより強いものとなる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光学的振れ補正手段を備えレンズ交換が可能な撮像装置において、その振れ検出手段として上述の画像ベクトル検出手段を用いると、変倍光学系(ズーム光学系)による像の変倍時に以下のような問題が生じてしまう。すなわち、交換レンズ方式のビデオカメラ等の撮像装置では、撮像光学系の光学中心と撮像素子の中心とでずれが生じる場合があり、このようなずれがある状態でズームを行うと、撮像素子の中心からずれた位置を中心として像の変倍が起こってしまうこととなる。この中心がずれた状態の変倍は、不要なベクトルの誤検出につながってしまい、正しい振れ補正が行えない。
【0029】
この撮像光学系と撮像素子の中心ずれによる影響を、図10を参照して具体的に説明する。図10(A)は、光学中心と撮像素子の中心とが一致している状態で、焦点距離が大きくなる方向(テレ側)に変倍光学系を移動させたときに検出される動きベクトルを図式的に示したものである。図10(A)において、601は撮像素子面の撮像エリアを示しており、602の矢印群は各ポイントにおける像の移動方向および移動距離(動きベクトル)を示している。603は光学中心であり、すなわち撮像素子の中心でもある。
【0030】
図10(B)は、図10(A)と同じく光学中心と撮像素子の中心とが一致している状態で、焦点距離が小さくなる方向(ワイド側)に変倍光学系を移動させたときに検出される動きベクトルを図式的に示したものである。図10(B)において、612の矢印群も各ポイントにおける像の動きベクトルを示している。光学中心と撮像素子の中心とが一致している場合、光学中心603を対称として向かい合う位置に互いに逆向きで同じスカラ量を持つ動きベクトルが必ず存在するため、図10(A)に示す各動きベクトル602の総和、および図10(B)に示す各動きベクトル612の総和は何れも0となる。
【0031】
図10(C)は、図10(A)と同様に焦点距離が大きくなる方向(テレ側)に変倍光学系を移動させたときに検出される動きベクトルを図式的に示したものであるが、光学中心603と撮像素子の中心604とがずれており、動きベクトル622の拡散方向が光学中心603となっている。そのため、各ポイントの動きベクトル622の総和は0とならず、動きベクトルを検出する画像の入力手段である撮像素子の中心604を基準にすると矢印605のようになる。これは、光学中心603と撮像素子の中心604とがずれている状態でテレ側にズーミングを行った場合に、ズーム前の撮像素子の中心604が光学中心603に対して徐々に離れていくことからも容易に確認できる。
【0032】
また、図10(D)は、図10(B)と同様に焦点距離が小さくなる方向(ワイド側)に変倍光学系を移動させたときに検出される動きベクトルを図式的に示したものであるが、光学中心603と撮像素子の中心604とがずれている。そのため、各ポイントの動きベクトル632の総和は0とならず、図10(C)の場合とは反対のベクトル量(矢印615)が検出されてしまう。よって、図10(C)および(D)のように光学中心603と撮像素子の中心604とが異なるズームレンズにおいては、ズーム動作を行うと動きベクトルの誤検出を生じてしまうこととなる。
【0033】
この光学中心603と撮像素子の中心604とのずれは、特にレンズ交換が可能な撮像装置については管理が難しく、画像ベクトル検出手段に影響のないレベルとすることは容易でない。
【0034】
本発明は、上記のような実情に鑑みて成されたものであり、特に装置本体に着脱可能な焦点距離の変倍光学系と、撮像画による振れ検出手段により得られた振れ情報に基づいて撮影画像の振れを光学的に補正する振れ補正手段とを備えた撮像装置において、ズーム動作時でも動きベクトルの誤検出を生じることなく振れ補正を行えるようにして、補正性能の向上を図った振れ補正装置、該振れ補正装置を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、カメラユニットと該カメラユニットに着脱可能なレンズユニットとから成る撮像装置であって、上記カメラユニットは、連続する複数の撮像画から画像の動き量を検出する第1の動き検出手段と、上記第1の動き検出手段により得られた動き量を所定のタイミングで上記レンズユニットに転送する第1の通信手段と、上記第1の動き検出手段を制御する制御手段とを備え、上記レンズユニットは、レンズの倍率を連続的に可変する変倍光学系と、上記レンズユニットの振れ量を検出する第2の動き検出手段と、上記第1の通信手段からデータを受信する第2の通信手段と、上記第2の通信手段で受信した上記第1の動き検出手段で検出された上記画像の動き量と、上記第2の動き検出手段で検出された振れ量とを所定の演算により処理し、1つの振れ情報とする演算手段と、上記演算手段により求められた振れ情報に基づいて画像の動きを光学的に補正する振れ補正手段とを備え、上記変倍光学系の変倍動作時に、上記カメラユニットの制御手段が、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする、あるいは上記第1の動き検出手段の出力を無視する制御を行うことにより、上記レンズユニットの演算手段が、上記第2の動き検出手段で検出された振れ量にのみ基づいて振れ情報を処理することを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、レンズの倍率を連続的に可変する変倍光学系と、連続する複数の撮像画から画像の動き量を検出する第1の動き検出手段と、装置の振れ量を検出する第2の動き検出手段と、上記第1の動き検出手段で検出された上記画像の動き量と、上記第2の動き検出手段で検出された上記装置の振れ量とを所定の演算により処理し、1つの振れ情報とする演算手段と、上記演算手段により求められた振れ情報に基づいて画像の動きを光学的に補正する振れ補正手段と、上記変倍光学系の変倍動作時に、上記演算手段が上記第2の動き検出手段で検出された振れ量にのみ基づいて振れ情報を処理するように、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする、あるいは上記第1の動き検出手段の出力を無視する制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の振れ補正装置は、連続する複数の撮像画から画像の動き量を検出する第1の動き検出手段と、装置の振れ量を検出する第2の動き検出手段と、上記第1の動き検出手段で検出された上記画像の動き量と、上記第2の動き検出手段で検出された上記装置の振れ量とを所定の演算により処理し、1つの振れ情報とする演算手段と、上記演算手段により求められた振れ情報に基づいて画像の動きを光学的に補正する振れ補正手段と、レンズの倍率を連続的に可変する変倍光学系の変倍動作時に、上記演算手段が上記第2の動き検出手段で検出された振れ量にのみ基づいて振れ情報を処理するように、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0043】
また、本発明のカメラユニットは、請求項1に記載の撮像装置に用いられるものである。
また、本発明のレンズユニットは、請求項1に記載の撮像装置に用いられるものである。
【0044】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る撮像装置を適用した一実施形態を示すものであり、本発明に係る振れ補正装置は、この図1に示すような撮像装置に適用される。
【0045】
図1に示す撮像装置の構成において、図6〜図9に示したブロックと同じブロックには同一の符号を付している。従来例を示す図6〜図9と異なるのは、レンズユニットLUにズーム機構である変倍光学系151と、該変倍光学系151を駆動するためのアクチュエータ300およびズーム駆動回路310とを設けたこと、さらに、カメラユニットCUおよびレンズユニットLUの接合部に波線で示す領域で分離できる構造をとっていることである。また、カメラユニットCU側のズーム制御手段171によって行われる制御も本発明固有のものである。
【0046】
上記ズーム機構は、具体的には、カメラユニットCUに備えられているズームスイッチ172の操作により、ズーム指示信号をズーム制御手段171、CU通信手段191およびLU通信手段192を介してズーム駆動回路310に供給して、このズーム指示信号に基づいてアクチュエータ300により変倍光学系151を移動させるものである。ズームスイッチ172は多段スイッチから成り、ズームの方向および速度を使用者が任意にセットできる構成となっている。
【0047】
また、上記カメラユニットCUとレンズユニットLUとの分離構造は、具体的には、現在ある一眼レフカメラやビデオカメラ等で用いられているバヨネットマウントと呼ばれる結合方式による構造などである。181,182はそれぞれカメラユニットCUおよびレンズユニットLUに備えられた電気的な接点を示し、上記バヨネットマウントで両ユニットが結合されると、電気的に結線される構造となっている。
【0048】
また、図1に示す本実施形態の撮像装置では、CCD等の撮像素子161よりカメラ信号処理回路164を介して得られる画像信号から撮像画の動きベクトルを抽出する画像の動きベクトル抽出手段200をカメラユニットCU内に備えている。さらに、この動きベクトル抽出手段200を用いて、振動ジャイロ等の角速度検出手段1による手振れ補正のエラー(補正残りや補正過多)を撮像面上の動きベクトル量として正規化し、それを手振れ補正の補助情報として、CU通信手段191およびLU通信手段192を介してカメラユニットCUからレンズユニットLUに所定のタイミングで転送する手段を備える。また、レンズユニットLUにおいては、カメラユニットCUから転送されてきた補助情報にて上記可変頂角プリズム100を駆動するために、上記補助情報と、上記角速度検出手段1による手振れ補正のために増幅器3から出力された角速度信号とを加算器136にて加算する構成を備えている。
【0049】
ここで、カメラユニットCU内に備えられる動きベクトル抽出手段200について詳しく説明する。この動きベクトル抽出手段200は、カメラ信号処理回路164から出力される画像信号に含まれる輝度信号をもとに、画像の動きベクトルを検出する。現在、画像の符号化装置や画像振れ検出装置に必要な動きベクトル検出法として、相関法やブロックマッチング法等があるが、本実施形態では、その一例として、ブロックマッチング法を動きベクトル抽出手段200に採用するものとする。
【0050】
ブロックマッチング法とは、入力画像信号を複数の適当な大きさのブロック(例えば、8画素×8ライン)に分割し、ブロック単位に前のフィールド(またはフレーム)の一定範囲の画素との差を計算し、この差の絶対値の和が最小となる前のフィールド(またはフレーム)のブロックを検索する。そして、当該検索したブロックの相対的なずれをそのブロックの動きベクトルとして検出する方法である。なお、ブロックマッチング法でのマッチング演算については、尾上守男氏等による“情報処理Vol.17 No.7 p634〜640 July 1976 ”等で詳しく論じられているため、その詳細な説明は省略する。
【0051】
以下に、ブロックマッチング法を用いた場合の動きベクトルの検出法の一例を図2を用いて説明する。図2は、上記動きベクトル抽出手段200のプロセスを説明するための概略ブロック図である。図2に示す動きベクトル抽出手段200において、カメラ信号処理回路164から出力された画像信号、すなわち動きベクトルの検出対象となる画像信号は、フィールド(またはフレーム)単位の空間周波数フィルタ211にそれぞれ供給される。フィルタ211は、画像信号の高空間周波数成分等を除去する目的を持つものであり、供給された画像信号から、動きベクトル検出に有用な空間周波数成分を抽出して出力する。
【0052】
2値化手段212は、フィルタ211から出力された画像信号を所定のレベルを境に2値化する。2値化された画像信号は、相関演算手段213および1フィールド期間遅延手段として機能する記憶手段216にそれぞれ供給される。記憶手段216は、2値化手段212からの画像信号を1フィールド期間遅延して相関演算手段213に供給する。したがって、相関演算手段213には、2値化手段212からの画像信号(現フィールドの画像信号)と、記憶手段216からの画像信号(前フィールドの画像信号)とが供給されることになる。
【0053】
相関演算手段213は、上述したブロックマッチング法に従って、ブロック単位に現フィールドと前フィールドとの相関演算を行い、その演算結果(相関値)を次段の動きベクトル検出手段214に供給する。動きベクトル検出手段214は、相関演算手段213より供給された相関値からブロック単位の動きベクトルを検出する。すなわち、相関値が最小となる前フィールドのブロックを探索し、その相対的なずれを動きベクトルとして検出する。
【0054】
検出されたブロック単位の動きベクトルは、動きベクトル決定手段215に供給される。動きベクトル決定手段215は、上記ブロック単位の動きベクトルから画像全体の動きベクトルを決定する。例えば、上記ブロック単位の動きベクトルの中央値または平均値を全体の動きベクトルとして決定する。この動きベクトル決定手段215で決定された動きベクトルは、CU通信手段191を介してカメラユニットCUからレンズユニットLUに転送される。
【0055】
上述のような構成により、動きベクトル抽出手段200では、画素単位での垂直方向および水平方向それぞれの移動量(=動きベクトル)が求められる。この動きベクトルは、連続した撮像画の単位時間当たりの移動量、すなわち撮影画像の手振れ補正の補正残りまたは補正過多を示すものであり、連続した撮像画の移動量に比例した値をとるものである。すなわち、上記角速度検出手段1により検出された補正量の誤差がない場合は撮像画上の動きベクトルは検出されず、振れ補正の補助情報も“0”となる。
【0056】
上記の手法で求められた動きベクトル情報は、CU通信手段191およびLU通信手段192を介して、例えばビデオ信号の垂直同期信号に同期したタイミングでカメラユニットCUからレンズユニットLUに転送される。この通信手段は、シリアル通信などの電気的なデータ伝達手段を備える構成のもの(例えば、ビデオカメラの交換レンズフォーマットであるVLフォーマット)であれば良い。このような構成は、カメラユニットCUおよびレンズユニットLUの各々に1チップマイコンを利用したものが一般的であり、情報伝達項目の1つとして、先に述べたズームスイッチ情報(ズーム指示情報)や、振れ補正情報(補助情報)を伝達するものである。
【0057】
次に、カメラユニットCUからレンズユニットLUへのデータ転送の動作を、図3のフローチャートに従って詳しく説明する。図3のフローチャートでは、特にカメラユニットCUからレンズユニットLUに動きベクトル情報を振れ補正の補助情報として転送することのみを主眼において説明するが、実際には他のオートフォーカス情報やオートエクスポージャ情報等を同時に転送することも可能である。
【0058】
図3(a)に示すカメラユニットCU側の動作において、まずステップS1においてデータ転送の動作が開始する。次に、ステップS2では、動きベクトル情報の抽出演算が終了したかどうかを確認する。そして、動きベクトル情報の抽出演算が終了したら、ステップS3へと進む。ステップS3では、レンズユニットLUとの通信データ(振れ補正の補助情報としての動きベクトル情報等)をCU通信手段191にセットする。このとき、ズームスイッチ172の情報もセットする。
【0059】
次に、ステップS4では、カメラの垂直同期信号(V信号)が発生したかどうかを確認し、同期信号が発生したならばステップS5へと進む。ステップS5では、V同期を確認してレンズユニットLUへのデータ通信を開始する。すなわち、通信データをCU通信手段191からレンズユニットLUに向けて転送する。そして、ステップS6でデータ転送の処理を終了する。なお、以上の動作は、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0060】
また、図3(b)に示すレンズユニットLU側の動作において、まずステップS11においてデータ転送の動作が開始する。次に、ステップS12では、カメラユニットCUより通信開始の信号が発生したかどうかを確認する。そして、通信開始の信号が発生したのならば、ステップS13へと進む。
【0061】
ステップS13では、カメラユニットCUとの間でデータの通信を開始する。すなわち、カメラユニットCUから転送されたデータをLU通信手段192にて受信する。このとき、LU通信手段192では、受信した通信データ中からズーム指示情報と動きベクトル情報とを抽出する。
【0062】
次に、ステップS14では、カメラユニットCUから通信されLU通信手段192で受信したデータ中に含まれる動きベクトル情報、すなわち振れ補正の補助情報を加算器136に供給し、この補助情報と、増幅器3から出力された角速度信号とを加算器136にて加算する。そして、ステップS15でデータ転送の処理を終了する。なお、以上の動作も所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0063】
以上のようなフローにより、カメラユニットCUからレンズユニットLUへと動きベクトル情報が転送される。転送された動きベクトル情報は、振れ補正の補助情報として上記加算器136に供給され、角速度検出手段1にて検出されてDCカットフィルタ2および増幅器3を通過した角速度信号に加算される。この加算結果は、マイコン(COM)137に供給されて所定の信号処理が施され、振れ補正用の制御信号134’を得る。
【0064】
マイコン137は、図6に示したのと同様に、A/D変換器4、HPF5、積分器6、パン・チルト判定回路7およびD/A変換器8から構成され、図4のフローチャートに示すように動作する。すなわち、図4のステップS21においてパンニング判定の動作が開始すると、まずステップS22で、A/D変換器4により、加算器136より出力されたアナログの角速度信号(増幅器3より出力されたアナログの角速度信号に対して、カメラユニットCUからレンズユニットLUに転送されてきた動きベクトル情報が加算されたもの)が、マイコン137内で扱えるデジタル値(角速度データ)に変換される。
【0065】
ステップS23では、HPF5により、A/D変換器4より出力された角速度データに対して、前回用意されたカットオフ周波数(fc)の値を用いたハイパスフィルタ演算が行われる。次に、ステップS24では、積分器6により、HPF5から出力された角速度データに対して、前回用意された時定数の値を用いた積分演算が行われることにより、角変位データを得る。ステップS25では、この積分器6から出力された角変位データがD/A変換器8によりアナログ量に変換され、マイコン137より出力される。
【0066】
ステップS26では、パン・チルト判定回路7により、A/D変換器4より出力された角速度データが所定のしきい値以上であるか否かを判断する。そして、角速度データが所定のしきい値以上であればステップS28に進み、そうでなければステップS27に進む。ステップS27では、パン・チルト判定回路7により、積分器6より出力された角変位データが所定のしきい値以上であるか否かを判断する。そして、角変位データが所定のしきい値以上であればステップS28に進み、そうでなければステップS30に進む。
【0067】
つまり、上記ステップS22にてA/D変換された角速度データが所定のしきい値以上、あるいは、当該角速度データが所定のしきい値に満たなくても当該角速度データを上記ステップS24にて積分した結果である角変位データが所定のしきい値以上であるならば、パンニング・チルティング状態であると判断し、ステップS28へと進む。一方、角速度データとその積分値である角変位データとが共に所定のしきい値に満たない場合は、通常の制御状態あるいはパンニング・チルティングの終了状態であると判断し、ステップS30へと進む。
【0068】
ステップS28では、パン・チルト判定回路7は、HPF5での演算に用いるカットオフ周波数の値を現在の値より所定値だけ高くし、低周波信号の減衰率を現在のそれより大きくする。また、次のステップS29では、パン・チルト判定回路7は、積分器6での演算に用いる時定数の値を現在の値より所定値だけ小さくし、角変位データが基準値に近づくようにする。そして、これらのステップS28およびステップS29の後、ステップS32で本処理終了となる。
【0069】
一方、ステップS30では、パン・チルト判定回路7は、HPF5での演算に用いるカットオフ周波数の値を現在の値より所定値だけ低くし、低周波信号の減衰率を現在のそれより小さくする。また、次のステップS31では、パン・チルト判定回路7は、積分器6での演算に用いる時定数の値を現在の値より所定値だけ大きくし、積分効果を上げるようにする。そして、これらのステップS30およびステップS31の後、ステップS32で本処理終了となる。なお、以上の動作は、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0070】
上述のように、マイコン137においては、増幅器3からの角速度信号にLU通信手段192からの動きベクトル情報を加算した結果をA/D変換した角速度データ、およびその積分出力である角変位データに基づいて、パンニング・チルティング状態であるかどうかを判定し、その判定結果に応じてマイコン137内のHPF5の低域カットオフ周波数や積分器6の積分特性の時定数を制御する。つまり、積分器6に蓄積された値が、振れのない状態でとり得る基準値に近づくように制御することにより、画像補正手段10での補正位置を序々に移動範囲中心へとセンタリングさせるようにする。このときマイコン137内のD/A変換器8から出力される信号が、振れ補正用の制御信号134’である。
【0071】
このようにしてマイコン137より出力された振れ補正用の制御信号134’は、角変位エンコーダ120からの出力信号135と加算器133にて加算される。つまり、現在の可変頂角プリズム100の頂角の変位は、エンコーダ120により検出されて駆動系にフィードバックされており、このフィードバックされた角変位データ135と、マイコン137より出力された振れ補正用の制御信号134’とが加算器133にて加算される。この加算器133の加算結果は、増幅器131を介して駆動回路132に供給される。
【0072】
このような閉ループを構成する本実施形態の制御系も、図9に示した従来例と同様に、マイコン137より出力された振れ補正用の制御信号134’と、角変位エンコーダ120で検出された可変頂角プリズム100の角変位信号135とが等しくなるように動作する。この結果、マイコン137が出力する制御信号134’が角変位エンコーダ120の出力信号135と一致するように、可変頂角プリズム100が駆動されることになる。これにより、マイコン137で指示された位置(頂角)と画像ベクトルによる補正量との加算量に可変頂角プリズム100が制御される。
【0073】
本実施形態において、ズームスイッチ172を操作すると、先に述べたように変倍光学系151が動作すると同時に、ズームスイッチ情報はズーム制御手段171を介して動きベクトル抽出手段200に送られ、動きベクトル抽出手段200での抽出動作を停止、あるいは入力または出力を“0”とすることによって動きベクトルの抽出動作を停止させる。これにより、ズーム動作が行われたときには、通常は動作していた動きベクトル抽出手段200より得られる動きベクトル情報に基づく光学補正系の制御が行われなくなる。したがって、先に述べたズーム動作中のベクトル誤検出による光学補正系の誤補正の影響を無くすことができる。
【0074】
また、先に述べたズーム動作中のベクトル誤検出による光学補正系の誤補正については、特にズーム速度(変倍光学系151の単位時間当りの移動量)が大きいほど顕著に影響を与えるため、例えばズームスイッチ172によるズーム速度の選択が所定レベルより大きい(ズーム速度が速い)場合にのみ、画像信号からの動きベクトルの抽出を禁止し、所定レベルより小さい(ズーム速度が遅い)場合には通常通りに動作を行うようにしても良い。
【0075】
なお、本実施形態においては、角速度検出手段1である振動ジャイロの角速度検出軸と画像ベクトル検出軸との関係は必ず直交となる方向に配置されているものとし、加算器133による加算についても、上記各々の検出方向のみの加算を行うものであるとする。
また、本実施形態においても不図示であるが、上記従来例と同様に本実施形態にて説明されている補正軸および光軸にそれぞれ直交する方向に同様の機能を配置し、光軸に対して上下左右の補正を可能にするものである。
【0076】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る振れ補正装置およびこれを適用した撮像装置の第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態による撮像装置の構成を示すブロック図である。図5において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、これについての詳細な説明は省略する。図5に示す第2の実施形態において、図1に示す第1の実施形態と特に異なるところは、カメラユニットCU側に撮像素子161の取り付け位置の誤差データをあらかじめ記憶して成るCCD変位データ記憶部173を設けたことと、レンズユニットLU側に変倍光学系151の取り付け位置の誤差データをあらかじめ記憶して成るレンズ変位データ記憶部174を設けたことである。
【0077】
CCD変位データ記憶部173およびレンズ変位データ記憶部174はそれぞれ、波線で示すマウント接合面に対する撮像素子161の中心位置および光軸中心の機械的なずれ量の値を正規化して固定値として備えているデータ格納手段である。これらに格納されているデータは、CU通信手段191およびLU通信手段192によりズーム制御手段171に転送され、上記第1の実施形態で示したズーム速度によるベクトル抽出の可否を判定するためのしきい値を定めるものである。
【0078】
ここで、マウント接合面に対する撮像素子161の中心データと、マウント接合面に対するレンズの光軸中心データとから、ズーム速度による動きベクトル抽出の可否の判断をどのように行うのかを、以下に簡単に説明する。例えば、マウント接合面に対する撮像素子161の中心と、マウント接合面に対するレンズの光軸中心とのずれ量が同一方向へのずれとして重なった場合、撮像素子中心と光軸中心との機械的な距離の差が大きくなる。この場合は、上記図10で示したズーム動作中に抽出される誤差ベクトル605,615の値が大きくなるため、ベクトル抽出を禁止するズーム速度のしきい値を小さくしなければならない。
【0079】
反対に、マウント接合面に対する撮像素子161の中心と、マウント接合面に対するレンズの光軸中心とのずれ量がそれぞれ大きくても、互いに打ち消す方向へのずれであるならば、撮像素子中心と光軸中心との機械的な距離の差は小さくなる。この場合は、上記図10で示したズーム動作中に抽出される誤差ベクトル605,615の値は小さくなるため、ベクトル抽出を禁止するズーム速度のしきい値を大きく設定することができる。
【0080】
また、第2の実施形態では、特に光学的振れ補正手段として可変頂角プリズム100の代わりに、シフトレンズ130を用いた画像補正手段10’を備えている。このシフトレンズ130は、光軸に対し直交方向に可動可能な光学補正系である。このようなシフトレンズ130により光軸補正を行うことも上記第1の実施形態および従来例と異なる点であるが、本発明は光学補正系の構造、構成には関わらず実現することが可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0081】
なお、以上の実施形態では、撮像装置がカメラユニットCUと該カメラユニットCUに着脱可能なレンズユニットLUとから成る場合について説明したが、これらが一体となった撮像装置についても本発明を適用することが可能である。
【0082】
【発明の効果】
本発明は上述したように、検出した画像の動き量に基づいて振れ量による画像の動きを光学的に補正する機能を有する撮像装置において、変倍動作時に、上記画像の動き量を検出するための第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする制御を行うようにしたので、変倍動作時には画像の動き量に基づく光学補正系の制御を行わないようにすることにより、変倍動作中の動き量誤検出による光学補正系の誤補正の影響を無くすことができ、変倍動作中の誤動作を防止することができる。即ち、変倍動作時でも動きベクトルの誤検出を生じることなく振れ補正を行えるようにした。これにより、振れ補正性能の向上を図ることができる。このような効果は、特にレンズユニットがカメラユニットに着脱可能な撮像装置において顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図であり、本発明に係る振れ補正装置を適用した撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による撮像装置の動きベクトル抽出手段の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による撮像装置でのデータ通信動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施形態による撮像装置でのパンニング制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す図であり、本発明に係る振れ補正装置を適用した撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図6】従来の振れ補正機能の構成を示すブロック図である。
【図7】画像補正手段の可変頂角プリズムを含む光学補正系の構成を説明するための図である。
【図8】可変頂角プリズムによる光軸の補正について説明するための図である。
【図9】画像補正手段の制御系の構成を説明するための図である。
【図10】従来の課題を説明するための図である。
【符号の説明】
1 角速度検出手段(ジャイロ)
4 A/D変換器
5 HPF
6 積分器
7 パン・チルト判定回路
8 D/A変換器
9 駆動回路
10,10’ 画像補正手段
100 可変頂角プリズム
110 アクチュエータ
120 エンコーダ
130 シフトレンズ
133 加算器
136 加算器
137 マイコン(COM)
151 変倍光学系
161 撮像素子
171 ズーム制御手段
172 ズームスイッチ
173 CCD変位データ記憶部
174 レンズ変位データ記憶部
191 CU通信手段
192 LU通信手段
200 動きベクトル抽出手段

Claims (11)

  1. カメラユニットと該カメラユニットに着脱可能なレンズユニットとから成る撮像装置であって、
    上記カメラユニットは、連続する複数の撮像画から画像の動き量を検出する第1の動き検出手段と、
    上記第1の動き検出手段により得られた動き量を所定のタイミングで上記レンズユニットに転送する第1の通信手段と、
    上記第1の動き検出手段を制御する制御手段とを備え、
    上記レンズユニットは、レンズの倍率を連続的に可変する変倍光学系と、
    上記レンズユニットの振れ量を検出する第2の動き検出手段と、
    上記第1の通信手段からデータを受信する第2の通信手段と、
    上記第2の通信手段で受信した上記第1の動き検出手段で検出された上記画像の動き量と、上記第2の動き検出手段で検出された振れ量とを所定の演算により処理し、1つの振れ情報とする演算手段と、
    上記演算手段により求められた振れ情報に基づいて画像の動きを光学的に補正する振れ補正手段とを備え、
    上記変倍光学系の変倍動作時に、上記カメラユニットの制御手段が、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする、あるいは上記第1の動き検出手段の出力を無視する制御を行うことにより、上記レンズユニットの演算手段が、上記第2の動き検出手段で検出された振れ量にのみ基づいて振れ情報を処理することを特徴とする撮像装置。
  2. 上記制御手段は、単位時間当りの変倍量が所定量以上の変倍時に、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記レンズユニットは更に、上記変倍光学系の光学的な光軸の誤差量をあらかじめ記憶して成る第1の記憶手段を備え、
    上記カメラユニットは更に、光軸中心に対する撮像素子の取り付け誤差量をあらかじめ記憶して成る第2の記憶手段と、
    上記第1、第2の記憶手段の各々の誤差量に基づき、変倍時において上記第1の動き検出手段の動作を制御するための上記単位時間当りの変倍量に対するしきい値を決定するしきい値決定手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. レンズの倍率を連続的に可変する変倍光学系と、
    連続する複数の撮像画から画像の動き量を検出する第1の動き検出手段と、
    装置の振れ量を検出する第2の動き検出手段と、
    上記第1の動き検出手段で検出された上記画像の動き量と、上記第2の動き検出手段で検出された上記装置の振れ量とを所定の演算により処理し、1つの振れ情報とする演算手段と、
    上記演算手段により求められた振れ情報に基づいて画像の動きを光学的に補正する振れ補正手段と、
    上記変倍光学系の変倍動作時に、上記演算手段が上記第2の動き検出手段で検出された振れ量にのみ基づいて振れ情報を処理するように、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする、あるいは上記第1の動き検出手段の出力を無視する制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  5. 上記振れ補正手段は、撮像光学系に直角に配置された頂角の傾きが可変のプリズムを備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の撮像装置。
  6. 上記振れ補正手段は、撮像光学系の光軸に直角方向に移動可能な一群のレンズを備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の撮像装置。
  7. 連続する複数の撮像画から画像の動き量を検出する第1の動き検出手段と、
    装置の振れ量を検出する第2の動き検出手段と、
    上記第1の動き検出手段で検出された上記画像の動き量と、上記第2の動き検出手段で検出された上記装置の振れ量とを所定の演算により処理し、1つの振れ情報とする演算手段と、
    上記演算手段により求められた振れ情報に基づいて画像の動きを光学的に補正する振れ補正手段と、
    レンズの倍率を連続的に可変する変倍光学系の変倍動作時に、上記演算手段が上記第2の動き検出手段で検出された振れ量にのみ基づいて振れ情報を処理するように、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする振れ補正装置。
  8. 上記制御手段は、単位時間当りの変倍量が所定量以上の変倍時に、上記第1の動き検出手段の動作を停止させる、あるいは上記第1の動き検出手段への入力または出力を0とする制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の振れ補正装置。
  9. 上記変倍光学系の光学的な光軸の誤差量をあらかじめ記憶して成る第1の記憶手段と、
    光軸中心に対する撮像素子の取り付け誤差量をあらかじめ記憶して成る第2の記憶手段と、
    上記第1、第2の記憶手段の各々の誤差量に基づき、変倍時において上記第1の動き検出手段の動作を制御するための上記単位時間当りの変倍量に対するしきい値を決定するしきい値決定手段とを更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の振れ補正装置。
  10. 請求項1に記載の撮像装置に用いられるカメラユニット。
  11. 請求項1に記載の撮像装置に用いられるレンズユニット。
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