JP4447251B2 - 薬剤揮散装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤揮散装置に関し、特に、芳香剤、防臭剤等の揮散性薬剤を空気中に揮散させるのに有効な薬剤揮散装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の薬剤揮散装置の一例として、伸縮自在な蛇腹筒状の側壁と、側壁の上端に一体に設けられるとともに、一部に気体流出入用の開放口が設けられる上壁と、側壁の下端に着脱自在に取り付けられる下壁とからなる中空状の容器と、容器内に収納される揮散性薬剤を含浸させた放香材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような構成の薬剤揮散装置にあっては、容器の上壁と下壁との間を押圧して容器を圧縮変形させることにより、容器内に充満している薬剤の揮散成分と空気との混合気が開放口から外部に放出され、容器の周囲の空間に薬剤成分が漂い、悪臭等を消失できるというものである。
【0004】
また、薬剤揮散装置の他の例として、ポンプを押圧して噴射ノズルから芳香剤、防臭剤等の揮散性薬剤を噴射させることにより、空気中に揮散性薬剤の薬剤成分を漂わせるように構成したエアーゾール式、ポンプスプレー式等の薬剤揮散装置が知られている(例えば、特許文献2参照、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭53−106281号公報
【特許文献2】
実公昭51−36735号公報
【特許文献3】
実公昭51−36734号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成の薬剤揮散装置のうち、特許文献1に記載されている薬剤揮散装置は、内部に充満している薬剤成分を一度放出させた後、短時間で再び放出させようとする場合に、容器の内部に十分に薬剤成分が充満していないので、放出する薬剤成分の濃度が低くなってしまい、広い空間に使用する場合に、押圧作業を何度も繰り返さなければならない問題がある。また、装置の構造が複雑であるために部品点数が多くなり、製造に手間がかかり、製造コストが高くついてしまうという問題もある。
【0007】
また、特許文献2、3に記載されている薬剤揮散装置は、噴射ノズルから液状の揮散性薬剤が細かい霧状となって噴射されるため、周囲の壁、床等に液状の揮散性薬剤が付着してしまい、それらを汚してしまう問題がある。さらに、構造、機構が複雑であるために、製造に手間がかかり、製造コストが高くついてしまうという問題もある。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題を解決したものであって、悪臭等を消失させるのに十分な量の薬剤成分を放出させることができて、優れた防臭効果を発揮することができるとともに、周囲の床、壁等を汚す虞が全くなく、さらに、構造が簡単で製造が容易であって、製造コストを安く抑えることができる薬剤揮散装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係る薬剤揮散装置は、内部に上部が開口する収納室を有する剛体からなる外容器と、該外容器の収納室内に往復動自在に設けられて、収納室の開口部を閉塞するとともに、少なくとも一箇所に収納室内外を貫通する揮散孔が設けられる蓋と、前記収納室内に収納される弾性変形可能なスポンジ体と、該スポンジ体内に含浸される揮散性薬剤とを備えた手段を採用している。
また、本発明の請求項2に係る薬剤揮散装置は、請求項1に記載の薬剤揮散装置において、前記蓋に前記揮散孔を開閉する開閉弁を設け、該開閉弁を前記揮散孔に作用する流体の圧力によって作動させるように構成した手段を採用している。
さらに、本発明の請求項3に係る薬剤揮散装置は、請求項1又は2に記載の薬剤揮散装置において、前記スポンジ体に含浸体を積層し、該含浸体に含浸させた揮散性薬剤を該含浸体から前記スポンジ体に浸透させるように構成した手段を採用している。
【0010】
【作用】
本発明は、前記のような手段を採用したことにより、蓋を押圧しないときは、揮散孔から微かに薬剤成分を周囲の空間に付与することができる。そして、蓋を下降させてスポンジ体を押圧することにより、スポンジ体が圧縮変形して揮散性薬剤の成分が収納室内に押し出され、収納室内に充満している薬剤成分とともに蓋の揮散孔から外部に放出され、周囲に揮散性薬剤の成分が漂うことになる。
また、蓋の揮散孔に開閉弁を設けた場合には、蓋を押圧しないときは、揮散孔からの揮散を抑制することができ、蓋を押圧したときには、収納室から押し出される空気と薬剤成分により開閉弁が作動して揮散孔を開放させ、揮散孔から空気と揮散性薬剤の成分が一緒になって外部に放出され、周囲に揮散性薬剤の薬剤成分が漂うことになる。
さらに、スポンジ体に含浸体を積層した場合には、含浸体に含浸させた揮散性薬剤が含浸体からスポンジ体に浸透し、スポンジ体を圧縮変形させることにより、揮散性薬剤の成分が押し出されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3には、本発明による薬剤揮散装置の第1の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散装置1は、容器本体2と、容器本体2内に収納されるスポンジ体15と、スポンジ体15内に含浸される芳香剤、防臭剤等の揮散性薬剤20とを備えている。
【0012】
容器本体2は、可撓性を有する素材から形成されるものであって、1枚又は2枚以上の可撓性を有するシート状の素材を組み合わせて周縁部を接着剤、熱融着等の接合手段により一体に接合することにより袋状に形成されるようになっている。
【0013】
容器本体2の素材としては、特に限定されないが、ソフトであり、破袋強度、シール強度が強く、かつ揮散性薬剤に対する耐薬剤性があることが好ましい。具体的には、ナイロン/ポリエチレン、ナイロン/EVAL、ポリエステル/ポリエチレン、ポリエステル/EVAL等が挙げられ、使用する揮散性薬剤の種類に応じて適宜の素材を選択すれば良い。
【0014】
容器本体2の内部には密閉された空間である収納室3が設けられ、この収納室3内に後述するスポンジ体15が収納されるようになっている。容器本体2の複数箇所には、収納室3内外を貫通する揮散孔4が設けられ、この揮散孔4を介してスポンジ体15内に含浸された揮散性薬剤20の成分が容器本体2外に放出されるようになっている。
【0015】
容器本体2の揮散孔4は、容器本体2を適宜の手段によって三角形状、四角形状、半円形状、円形状等(この実施の形態においては円形状)に切り抜くことにより、三角形状、四角形状、半円形状、円形状等に形成されている。
【0016】
この場合、切り抜き片の一部を容器本体2側に接合したままの状態とし、揮散孔4を開閉する三角形状、四角形状、半円形状、円形状等の開閉弁(図示せず)を構成しても良い。開閉弁は、揮散孔4に作用する流体の圧力によって作動し、揮散孔4を開閉することになるので、必要なときに揮散孔4を開放させて揮散性薬剤の成分を周囲に放出させ、必要以外のときは揮散孔4を閉塞して揮散性薬剤の成分の放出を阻止することになり、経済的に有利なものを提供することができる。
【0017】
スポンジ体15は、圧縮復元性があり、揮散性薬剤に対する耐薬剤性があれば特に限定されない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、エステル製ウレタン、エーテル型ウレタン、セルロース等の連続発泡体、海面、発泡ゴム、捲縮繊維綿等を挙げることができる。スポンジ体15を単独で用いる場合は、スポンジ体15の内部に揮散性薬剤が含浸される。
【0018】
スポンジ体15は、容器本体2の収納室3の形状に応じた形状に形成されるものであって、この実施の形態においては、四角板状に形成されている。この場合、スポンジ体15は、容器本体2の収納室3の内容積と略同一の体積に形成されている。
【0019】
そして、上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散装置1を室内等の所定の位置に設置し、図3に示すように、容器本体2を矢印の方向から押圧して圧縮変形させると、容器本体2の変形に追従してスポンジ体15が圧縮されて、スポンジ体15から揮散性薬剤20の成分が収納室3内に押し出される。そして、収納室3内に押し出された揮散性薬剤20の成分は収納室3内に充満している薬剤成分とともに揮散孔4に達し、揮散孔4から容器本体2外に放出され、周囲に揮散性薬剤の薬剤成分が漂うことになり、悪臭等が消失されることになる。
【0020】
そして、容器本体2の押圧を解除すると、スポンジ体15がそれ自身の弾性力によって元の形状に復元するとともに、空気がスポンジ体15内に含まれ、スポンジ体15の復元によって容器本体2も元の形状に復元し、図2の状態に戻ることになる。そして、スポンジ体15内に含まれた空気は、スポンジ体15内に含浸されている揮散性薬剤と効率良く接触しているため、復元後直ちに押圧した場合でも、周囲空間に付与される薬剤成分が薄くなることはない。したがって、広い空間でも効率良く薬効を付与することができる。
【0021】
上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散装置1にあっては、容器本体2を押圧することにより直接にスポンジ体15が圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤20の成分を十分に放出させることができる。従って、周囲の悪臭等に対する防臭効果を大幅に高めることができる。また、容器本体2は、可撓性を有するシート状の素材を組み合わせて周縁部を接着剤、熱融着等の接合手段により一体に接合することにより袋状に形成した簡単な構造のものであり、また、容器本体2の収納室3内に収納されるスポンジ体15もスポンジ状の簡単な構成のものであるので、各部品の製造が容易となり、全体としての製造コストを低減させることができ、安価なものを提供することができることになる。
また、揮散性薬剤20の薬効が消失した際は、揮散孔4から、例えばスポイトのようなもので揮散性薬剤20を充填することにより、繰り返し使用することが可能となる。
【0022】
図4〜図6には、本発明による薬剤揮散装置の第2の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散装置1は、スポンジ体15の一方の面に含浸体16を積層し、この含浸体16に含浸させた揮散性薬剤を含浸体16からスポンジ体15に浸透させるように構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0023】
ここで、含浸体16は、揮散性薬剤を含浸可能であるとともに、揮散性薬剤に対する耐薬剤性がある素材であれば特に限定されない。具体的には、前述のスポンジ体と同様の素材のほか、紙、木、織布、不織布、フェルト、シリカゲル、ゼオライト、吸水性ポリマーなどを挙げることができる。
【0024】
そして、この実施の形態による薬剤揮散装置にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、容器本体2を押圧することにより直接にスポンジ体15が圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤20の成分を十分に放出させることができる。従って、周囲の悪臭等に対する防臭効果を大幅に高めることができる。また、容器本体2は、可撓性を有するシート状の素材を組み合わせて周縁部を接着剤、熱融着等の接合手段により一体に接合することにより袋状に形成した簡単な構造のものであり、また、容器本体2の収納室3内に収納されるスポンジ体15もスポンジ状の簡単な構成のものであるので、各部品の製造が容易となり、全体としての製造コストを低減させることができ、安価なものを提供することができることになる。さらに、スポンジ体15に含浸体16を積層し、含浸体16に含浸させた揮散性薬剤をスポンジ体15に浸透させるように構成したので、含浸体16からスポンジ体15の全体に略均一に揮散性薬剤を分散させることができる。したがって、効率良く揮散性薬剤の成分を空気中に放出させることができる。
【0025】
図7〜図9には、本発明による薬剤揮散装置の第3の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散装置1は、スポンジ体15と含浸体16とを別体に形成して、容器本体2の収納室3内に別々に収納したものであって、その他の構成は前記第2の実施の形態に示すものと同様である。
【0026】
そして、この実施の形態による薬剤揮散装置にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、容器本体2を押圧することにより直接にスポンジ体15が圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤20の成分を十分に放出させることができる。従って、周囲の悪臭等に対する防臭効果を大幅に高めることができる。また、容器本体2は、可撓性を有するシート状の素材を組み合わせて周縁部を接着剤、熱融着等の接合手段により一体に接合することにより袋状に形成した簡単な構造のものであり、また、容器本体2の収納室3内に収納されるスポンジ体15もスポンジ状の簡単な構成のものであるので、各部品の製造が容易となり、全体としての製造コストを低減させることができ、安価なものを提供することができることになる。さらに、スポンジ体15と含浸体16とが別々に収納室3内に収納されているので、薬剤の効果が消失した際、含浸体16のみを交換することが可能となり、経済的に有利なものを提供することができる。
【0027】
図10〜図13には、本発明による薬剤揮散装置の第4の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散装置1は、容器本体2の一部に収納室3内外を連通する口部5を設け、この口部5をチャック等の開閉手段6によって開閉可能としたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0028】
そして、この実施の形態に示す薬剤揮散装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、薬剤揮散装置1を室内等の所定の位置に設置し、図12に示すように、容器本体2を矢印の方向から押圧して圧縮変形させると、容器本体2の変形に追従してスポンジ体15が圧縮されて、スポンジ体15から揮散性薬剤20の成分が収納室3内に押し出される。そして、収納室3内に押し出された揮散性薬剤20の成分は収納室3内の空気と一緒になって揮散孔4に達し、揮散孔4を介して容器本体2外に放出され、周囲に揮散性薬剤20の薬剤成分が漂うことになり、悪臭等が消失されることになる。
【0029】
そして、容器本体2の押圧を解除すると、スポンジ体15がそれ自身の弾性力によって元の形状に復元し、スポンジ体15の復元によって容器本体2も元の形状に復元し、図11に示す状態に戻ることになる。
【0030】
上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、容器本体2を押圧することにより直接にスポンジ体15が圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤20の成分を十分に放出させることができる。従って、悪臭等に対する消失効果を大幅に高めることができる。また、容器本体2は、可撓性を有するシート状の素材を組み合わせて周縁部を接着剤、熱融着等の接合手段により一体に接合することにより袋状に形成した簡単な構造のものであり、また、容器本体2の収納室3内に収納されるスポンジ体15もスポンジ状の簡単な構成のものであるので、全体としての製造コストを大幅に低減させることができ、安価なものを提供することができることになる。さらに、容器本体2の一部に口部5を設けて、チャック等の開閉手段6によって開閉可能としたので、図13に示すように、スポンジ体15の取換えが可能となり、経済的に有利なものを提供することが可能となる。
【0031】
図14及び図15には、本発明による薬剤揮散装置の第5の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散装置1は、容器本体2を剛体からなる基板7の上部に接着剤等の固着手段によって一体に取り付け、基板7の下部に粘着層8を設け、粘着層8を介して設置箇所に固着させるように構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0032】
そして、この実施の形態に示す薬剤揮散装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、薬剤揮散装置1を室内等の所定の位置に設置し、図15に示すように、容器本体2を矢印の方向から押圧して圧縮変形させると、容器本体2の変形に追従してスポンジ体15が圧縮されて、スポンジ体15から揮散性薬剤20の成分が収納室3内に押し出される。そして、収納室3内に押し出された揮散性薬剤20の成分は収納室3内の空気と一緒になって揮散孔4に達し、揮散孔4を介して容器本体2外に放出され、周囲に揮散性薬剤20の薬剤成分が漂うことになり、悪臭等が消失されることになる。
【0033】
そして、容器本体2の押圧を解除すると、スポンジ体15がそれ自身の弾性力によって元の形状に復元し、スポンジ体15の復元によって容器本体2も元の形状に復元し、図14の状態に戻ることになる。
【0034】
上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、容器本体2を押圧することにより直接に含浸体16が圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤20の成分を十分に放出させることができる。従って、悪臭等に対する消失効果を大幅に高めることができる。また、容器本体2は、可撓性を有するシート状の素材を組み合わせて周縁部を接着剤、熱融着等の接合手段により一体に接合することにより袋状に形成した簡単な構造のものであり、また、容器本体2の収納室3内に収納されるスポンジ体15もスポンジ状の簡単な構成のものであるので、全体としての製造コストを大幅に低減させることができ、安価なものを提供することができることになる。さらに、この実施の形態においては、基板7の下部の粘着層8を介して設置箇所に固着されることになるので、設置安定性を高めることができることになり、長期的に安定した性能を発揮させることができる。なお、この実施の形態においても、前記第4の実施の形態に示すものと同様に、図示はしないが、容器本体2の一部に口部を設けて、チャック等の開閉手段によって開閉可能としても良いものであり、その場合には、スポンジ体15の取換えが可能となるので、経済的に有利なものを提供することができる。また、前記第2の実施の形態に示すものと同様に、スポンジ体15に含浸体を積層しても良いし、第3の実施の形態に示すものと同様に、スポンジ体15と含浸体16とを別々に収納するようにしても良い。
【0035】
図16〜図18には、本発明による薬剤揮散装置の第6の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散装置1は、容器本体2を一部が開口する剛体からなる外容器9内に収納し、容器本体2を外容器9の開口部10を介して押圧可能としたものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0036】
そして、この実施の形態に示す薬剤揮散装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、薬剤揮散装置1を室内等の所定の位置に設置し、図18に示すように、容器本体2を矢印の方向から押圧して圧縮変形させると、容器本体2の変形に追従してスポンジ体15が圧縮されて、スポンジ体15から揮散性薬剤20の成分が収納室3内に押し出される。そして、収納室3内に押し出された揮散性薬剤20の成分は収納室3内の空気と一緒になって揮散孔4に達し、揮散孔4を介して容器本体2外に放出され、周囲に揮散性薬剤20の薬剤成分が漂うことになり、悪臭等が消失されることになる。
【0037】
そして、容器本体2の押圧を解除すると、スポンジ体15がそれ自身の弾性力によって元の形状に復元し、スポンジ体15の復元によって容器本体2も元の形状に復元し、図17に示す状態に戻ることになる。
【0038】
上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、容器本体2を押圧することにより直接にスポンジ体15が圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤20の成分を十分に放出させることができる。従って、悪臭等に対する消失効果を大幅に高めることができる。また、容器本体2は、可撓性を有するシート状の素材を組み合わせて周縁部を接着剤、熱融着等の接合手段により一体に接合することにより袋状に形成した簡単な構造のものであり、また、容器本体2の収納室3内に収納されるスポンジ体15もスポンジ状の簡単な構成のものであるので、全体としての製造コストを大幅に低減させることができ、安価なものを提供することができることになる。さらに、この実施の形態においては、容器本体2を剛体からなる外容器9内に収納しているので、外容器9の一部にフック等を設けることにより洋服ダンス内等への設置も可能となる。なお、この実施の形態においても、前記第4の実施の形態に示すものと同様に、図示はしないが、容器本体2の一部に口部を設けて、チャック等の開閉手段によって開閉可能としても良いものであり、その場合には、スポンジ体15の取換えが可能となるので、経済的に有利なものを提供することができる。また、前記第2の実施の形態に示すものと同様に、スポンジ体15に含浸体を積層しても良いし、第3の実施の形態に示すものと同様に、スポンジ体15と含浸体16とを別々に収納するようにしても良い。
【0039】
図19〜図21には、本発明による薬剤揮散装置の第7の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散装置21は、内部に密閉された収納室23が設けられるとともに、収納室23内外を貫通する開口部24が一部に設けられる剛体からなる外容器22と、外容器22の収納室23内に外容器22内面との間をシールした状態で往復動自在に設けられるとともに、一部に収納室23内外を貫通する揮散孔26が設けられる蓋25と、収納室23内に収納される第1の実施の形態と同様の構成のスポンジ体15とを備えている。この場合、蓋25の揮散孔26に前述したような構成の開閉弁(図示せず)を設けて、揮散孔26を開閉させるように構成しても良い。
【0040】
そして、上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散装置21を室内等の所定の位置に設置し、図21に示すように、蓋25を矢印の方向から押圧して下降させると、蓋25によってスポンジ体15が押圧されて圧縮され、スポンジ体15から揮散性薬剤20の成分が収納室23内に押し出される。そして、収納室23内に押し出された揮散性薬剤20の成分は、収納室23内の空気と一緒になって揮散孔26に達し、揮散孔26を介して外容器22外に放出され、周囲に揮散性薬剤20の薬剤成分が漂うことになり、悪臭等が消失されることになる。
【0041】
そして、蓋25の押圧を解除すると、スポンジ体15がそれ自身の弾性力によって元の形状に復元し、スポンジ体15の復元によって蓋25も元の位置に戻り、図20に示す状態に戻ることになる。
【0042】
上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散装置21にあっては、蓋25を下降させることによりスポンジ体15が直接に押圧されて圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤20の成分を十分に付与することができることになる。また、外容器22及び蓋25は簡単な構造のものであり、また、収納室23内に収納されるスポンジ体15もスポンジ状の簡単な構造のものであるので、全体としての製造コストを大幅に低減させることができ、安価なものを提供することができることになる。
【0043】
なお、この実施の形態においても、前記第2の実施の形態に示すものと同様に、スポンジ体15に含浸体を積層しても良い。
【0050】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の薬剤揮散装置によれば、蓋を動かすことによりスポンジ体が直接に押圧されて圧縮されることになるので、周囲に揮散性薬剤の成分を十分に付与することができ、悪臭等に対する消失効果を高めることができる。また、外容器及び蓋は簡単な構造のものであり、また、収納室内に収納されるスポンジ体も簡単な構造のものであるので、全体としての製造コストを大幅に低減させることができ、安価なものを提供することができる。
【0051】
さらに、請求項2に記載の薬剤揮散装置によれば、蓋の揮散孔は開閉弁によって開閉されることになるので、必要なときにのみ揮散孔を開放させて揮散性薬剤の成分を周囲に放出させることができ、経済的に有利なものを提供することができる。
【0052】
さらに、請求項3に記載の薬剤揮散装置によれば、スポンジ体に含浸体を積層して、含浸体に含浸させた揮散性薬剤をスポンジ体に浸透させるように構成したので、含浸体からスポンジ体の全体に略均一に揮散性薬剤を分散させることができる。したがって、揮散性薬剤の薬剤成分を空気中に効率良く放出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薬剤揮散装置の第1の実施の形態を示した概略図である。
【図2】図1の薬剤揮散装置の概略断面図である。
【図3】図1の薬剤揮散装置の作動状態を示した概略断面図である。
【図4】本発明による薬剤揮散装置の第2の実施の形態を示した概略図である。
【図5】図4の薬剤揮散装置の概略断面図である。
【図6】図4の薬剤揮散装置の作動状態を示した概略断面図である。
【図7】本発明による薬剤揮散装置の第3の実施の形態を示した概略図である。
【図8】図7の薬剤揮散揮散装置の概略断面図である。
【図9】図7の薬剤揮散装置の作動状態を示した概略断面図である。
【図10】本発明による薬剤揮散装置の第4の実施の形態を示した概略図である。
【図11】図10の薬剤揮散装置の概略断面図である。
【図12】図10の薬剤揮散装置の作動状態を示した概略断面図である。
【図13】図10の薬剤揮散装置の容器本体の口部を開口させた状態を示した概略図である。
【図14】本発明による薬剤揮散装置の第5の実施の形態を示した概略図である。
【図15】図14の薬剤揮散装置の作動状態を示した概略図である。
【図16】本発明による薬剤揮散装置の第6の実施の形態を示した概略図である。
【図17】図16の薬剤揮散装置の概略断面図である。
【図18】図16の薬剤揮散装置の作動状態を示した概略図である。
【図19】本発明による薬剤揮散装置の第7の実施の形態を示した概略図である。
【図20】図19の薬剤揮散装置の概略断面図である。
【図21】図19の薬剤揮散装置の作動状態を示した概略図である。
【符号の説明】
1、21……薬剤揮散装置
2……容器本体
3、23……収納室
4、26……揮散孔
5……口部
6……開閉手段
7……基板
8……粘着層
9、22……外容器
10、24……開口部
15……スポンジ体
16……含浸体
20……揮散性薬剤
25……蓋
Claims (3)
- 内部に上部が開口する収納室を有する剛体からなる外容器と、該外容器の収納室内に往復動自在に設けられて、収納室の開口部を閉塞するとともに、少なくとも一箇所に収納室内外を貫通する揮散孔が設けられる蓋と、前記収納室内に収納される弾性変形可能なスポンジ体と、該スポンジ体内に含浸される揮散性薬剤とを備えたことを特徴とする薬剤揮散装置。
- 前記蓋に前記揮散孔を開閉する開閉弁を設け、該開閉弁を前記揮散孔に作用する流体の圧力によって作動させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散装置。
- 前記スポンジ体に含浸体を積層し、該含浸体に含浸させた揮散性薬剤を該含浸体から前記スポンジ体に浸透させるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤揮散装置。
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