JP4445061B2 - トラクタの安全装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前輪の操向操作に連動して作動する、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を備えたトラクタにおいて、副変速レバーが、高速領域に変速された状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動することを防止するための安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタにおいては、前輪の操向操作に連動して作動する、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を備えたものがあり、例えば、この前輪倍速装置は油圧電気式クラッチにより制御され、自動ブレーキ機構は油圧電気制御されるものであった。そして、このようなトラクタでは、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の作動状態を切り換える作動スイッチを設けるとともに、前輪の切れ角を検出するセンサを設けて、該作動スイッチがオン状態のときに前輪の切れ角が一定角度以上になると、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動するように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の如くのトラクタにおいて、副変速レバーを高速領域に変速操作して高速走行をしている場合に、操向操作を行って前輪の切れ角が一定角度以上になると、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動し、走行状態が急激に変化して車体の姿勢や挙動が不安定になる恐れがあった。そこで、本発明では、副変速レバーが高速領域に変速された状態で、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動することを防止するための安全装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、前輪(2)の操向操作に連動して作動し、電磁式の四輪駆動・倍速切換バルブ(21)と油圧式倍速クラッチ(24)により操作される前輪倍速装置、及び、電磁式ブレーキバルブ(22)と左右の油圧式ブレーキピストン(25a・25b)により操作される自動ブレーキ機構を備えたトラクタにおいて、副変速レバー(59)の変速範囲内で、ロックソレノイド(40)に電流が流れるとロック片(61a)が作動されて伸長し、高速領域をロック作動するシフトロック装置(61)を、前記副変速レバー(59)に付設し、該シフトロック装置(61)はロックソレノイド(40)に電流が流れるとシフトロック装置(61)のロック片(61a)が作動されて、ストロークは(D1)だけ伸長し、該副変速レバー(59)の三速位置(F3)方向には、レバーガイド(17)の下面から下方に突出するロックガイド(62)を形成し、該ロック片(61a)がストローク寸法(D1)だけ伸長している状態では、該副変速レバー(59)を三速位置(F3)側へ変速操作すると、該ロック片(61a)がロックガイド(62)に係止し変速操作を不可能に構成し、前記副変速レバー(59)の変速位置が高速領域にあるときに、前記前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の作動状態を切り換える倍速・自動ブレーキ入切スイッチ(32)をオン状態に切り換えて、該前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を作動可能な状態にすると、前記シフトロック装置(61)のロック片(61a)が縮小状態から伸長し、該ロック片(61a)は伸長途中に、前記ロックガイド(62)に当接し、前記ストローク寸法(D1)よりも小さい寸法(D2)だけ伸長して停止し、該副変速レバー(59)の変速位置が高速領域にあることを判別すべく構成し、警報装置を作動するように構成したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のトラクタの安全装置において、前記警報装置の作動中に、該副変速レバー(59)を高速領域以外の領域に変速操作するか、または前記倍速・自動ブレーキ入切スイッチ(32)をオフ状態に切り換えると該警報装置が停止するように構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の安全装置を搭載したトラクタを示す側面図、図2は同じく平面図、図3はインストルメントパネルを示す図、図4は前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の動作機構を示す接続回路図である。
【0008】
図5は前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を示す油圧回路図、図6は副変速レバー及びレバーガイドを示す平面図、図7は同じく側面図、図8は三速位置に変速操作した状態の副変速レバーを示す平面図、図9は警報装置を示す回路図、図10はブレーキ機構を示す側面図、図11はブレーキ装置内部を示す側面図、図12はブレーキ装置を示す平面断面図である。
【0009】
まず、本発明の変速装置の制御装置を搭載したトラクタの全体構成について、図1、図2により説明する。前後に前輪2・2及び後輪3・3を懸架する本機の前部にボンネット4を配置し、該ボンネット4にエンジン5を内蔵している。ボンネット4の後方にはステアリングハンドル51を設けて、該ステアリングハンドル51の後方には、シート52を配設している。また、ステアリングハンドル51の前方には、インストルメントパネル18が配設されている。そして、ステアリングハンドル51、シート52、及びインストルメントパネル18等はキャビン12により覆われている。
【0010】
エンジン5の後方には、トランスミッション53を連設し、エンジン5からの動力を後輪3に伝達して駆動している。また、エンジン5の駆動力は、機体後端から後方に突出したPTO軸を駆動し、機体後端部の作業機装着装置56に接続した作業機57を駆動するように構成している。シート52の一側方には、主変速レバー58が配設され、他側方には副変速レバー59が配設されており、該主変速レバー58及び副変速レバー59により変速操作を行うようにしている。また、左右の前輪2・2を支持するフロントアクスル2aには、左右の前輪2の近傍にそれぞれ切れ角センサ54a・54bを取り付けて、操向時における各前輪2の切れ角を検出するように構成している。
【0011】
また、本トラクタにおいては、後輪3・3のみを駆動する二輪駆動状態と、前輪2・2と後輪3・3との両方を駆動する四輪駆動状態とを切換可能に構成されている。さらに、旋回時に前輪2・2の駆動回転を増速させる前輪倍速装置、及び、旋回時に旋回内側の前輪2を自動的に制動する自動ブレーキ機構が構成されている。図3には、エンジン回転数計27や、複数のインディケーターランプ28等が配設された、前記インストルメントパネル18を示しており、該インストルメントパネル18は前記ステアリングハンドル51を支持するステアリング軸51aの上方に配置され、該ステアリング軸51aの下方には、四輪駆動入切スイッチ31や倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32等が配置されている。そして、該四輪駆動入切スイッチ31により、電気的に二輪駆動状態と四輪駆動状態との切り換えを行い、倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32により、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の作動状態を切り換えるようにしている。
【0012】
次に、二輪駆動状態と四輪駆動状態との切換機構、及び前輪倍速装置と自動ブレーキ機構との作動機構について図4、図5により説明する。まず、トラクタが二輪駆動状態にあって、この二輪駆動状態から四輪駆動状態へ切り換える場合、前記四輪駆動入切スイッチ31をオフ状態から切り換えてオンすると、四輪駆動リレー33が作動して、四輪駆動ソレノイド38へ電流が流れる。四輪駆動ソレノイド38へ電流が流れると、四輪駆動・倍速切換バルブ21が作動して四輪駆動側に切り換わり、前輪2・2への駆動力の伝達を入切する四輪駆動用クラッチ23に、エンジン5により駆動される油圧ポンプ19から圧油が圧送されて接続状態となり、駆動力が前輪2・2に伝達されて四輪駆動状態となる。
【0013】
また、四輪駆動状態にある場合に、倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32をオフ状態から切り換えてオンすると、安全リレー34が作動して倍速・自動ブレーキリレー36に電流が流れ、該倍速・自動ブレーキリレー36が作動して切り換わり、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能状態となる。このように、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能状態になると、図3に示す複数のインディケーターランプ28内の倍速モードインディケータランプ28aが点灯する。
【0014】
前述の如く、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能となっている状態で、例えば、ステアリングハンドル51により操向操作を行って左旋回をする場合、左前輪2の切れ角が一定角度以上になると、前記左切れ角センサ54aがこれを検出してオンされ、倍速リレー35が作動して倍速ソレノイド39に電流が流れる。倍速ソレノイド39に電流が流れると、四輪駆動・倍速切換バルブ21が作動して倍速側に切り換わり、前輪2・2の駆動回転の増速を入切する倍速クラッチ24に、油圧ポンプ19からの圧油が圧送されて接続状態となり、前輪倍速装置が作動して前輪2・2の駆動回転が増速される。また、左切れ角センサ54aがオンされると、前輪2・2が増速されると同時に、左ブレーキソレノイド37aに電流が流れてブレーキバルブ22が切り換わり、左ブレーキピストン25aに圧油が流れて該左ブレーキピストン25aが伸長する。左ブレーキピストン25aの伸長により左ブレーキカム26aが回動操作され、これにより左ブレーキ装置が作動して左後輪3、即ち旋回内側の後輪3が制動される。即ち、自動ブレーキ機構が作動するのである。
【0015】
また、ステアリングハンドル51を操向操作して右旋回する場合に、右前輪2の切れ角が一定角度以上になったときも同様に、右切れ角センサ54bがオンされて、前輪2・2の駆動回転が増速されるとともに、右ブレーキソレノイド37bに電流が流れてブレーキバルブ22が切り換わり、右ブレーキピストン25bに圧油が流れて右ブレーキカム26bが回動操作されることで、右ブレーキが作動して左後輪3、即ち旋回内側の後輪3が制動される。このように、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能となっている状態においては、ステアリングハンドル51を操向操作して左右の前輪2・2の切れ角が一定角度以上になると、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動するのである。尚、本実施例においては、二輪駆動状態と四輪駆動状態との切り換えを、四輪駆動入切スイッチ31により電気的に行うように構成しているが、例えば、前輪2へ駆動力を伝達するクラッチに、切り換えレバーや切り換えスイッチをリンク機構等を介して接続し、機械的に二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り換えるように構成することもできる。
【0016】
また、本トラクタにおいては、前記副変速レバー59が高速領域に変速された状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動することを防止するための安全装置が構成されている。次に、この安全装置について説明する。図7、図8に示すように、前記副変速レバー59は、レバーガイド17に形成された長孔状のガイド口17a内を摺動可能に構成されている。また、該副変速レバー59は、低速の一速位置F1、中速の二速位置F2、高速の三速位置F3、及び超低速のクリープ位置Cに変速操作可能であり、クリープ位置Cと一速位置F1との間にニュートラル位置Nが配置されている。
【0017】
副変速レバー59における、ガイド口17aよりも下方の部分には、シフトロック装置61が付設されている。該シフトロック装置61は、図4に示すロックソレノイド40により電気的に作動され、該ロックソレノイド40に電流が流れるとシフトロック装置61のロック片61aが作動されて伸長し、ロックソレノイド40に電流が流れない状態ではロック片61aは作動されずに縮小状態となるように構成している。また、ガイド口17aの周縁部には、副変速レバー59の二速位置F2と三速位置F3との中間位置から三速位置F3方向に、レバーガイド17の下面から下方に突出するロックガイド62が形成されており、該ロックガイド62は、シフトロック装置61のロック片61a配設側に配置されている。
【0018】
そして、前記シフトロック装置61のロック片61aが縮小している状態にあるときは、副変速レバー59はクリープ位置Cから三速位置F3までの範囲で変速操作可能に構成されており、該ロック片61aが伸長している状態にあるときは、該副変速レバー59をクリープ位置Cから二速位置F2までの間の範囲から三速位置F3側へ変速操作すると、二速位置F2と三速位置F3との中間位置で該ロック片61aがロックガイド62に係止して、それ以上三速位置F3側へ変速操作できないように構成している。即ち、シフトロック装置61のロック片61aが縮小している状態では、該シフトロック装置61による副変速レバー59の変速位置の規制は行われず、該ロック片61aが伸長している状態では、副変速レバー59の、高速領域である三速位置F3への変速操作がシフトロック装置61により規制されるのである。
【0019】
また、図6に示すように、副変速レバー59がクリープ位置Cから二速位置F2までの範囲に位置しているときにシフトロック装置61のロック片61aが縮小状態から伸長した場合、該ロック片61aの伸長ストロークは寸法D1である。これに対し、図8に示すように、副変速レバー59が三速位置F3に位置しているときにロック片61aが縮小状態から伸長した場合、該ロック片61aは伸長途中に前記ロックガイド62に当接してそれ以上伸長できないため、ロック片61aの伸長ストロークは前記寸法D1よりも小さい寸法D2となる。
【0020】
以上の如く、シフトロック装置61を付設された副変速レバー59の変速操作位置がクリープ位置Cから二速位置F2までの範囲にあるときに、四輪駆動入切スイッチ31及び倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32をオンして、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を作動可能な状態にすると、ロックソレノイド40に電流が流れてシフトロック装置61のロック片61aが寸法D1だけ伸長し、該副変速レバー59の変速操作が前述の如く規制されて、三速位置F3への変速操作を行うことができなくなる。
【0021】
このように、副変速レバー59の変速操作位置がクリープ位置Cから二速位置F2までの範囲にある場合に、トラクタの前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能な状態となったときにはシフトロック装置61が作動して、該副変速レバー59の高速領域である三速位置F3への変速操作を規制するように構成することにより、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動する状態となることを防いで、走行状態が急激に変化して車体の姿勢や挙動が不安定になることを防止することができる。
【0022】
一方、副変速レバー59が三速位置F3に変速操作されている場合に、四輪駆動入切スイッチ31及び倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32がオンされて、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能な状態にされたときにもシフトロック装置61が作動して、前述の如くロック片61aが寸法D2だけ伸長する。また、ロック片61aを伸縮作動させる前記ロックソレノイド40は、該ロック片61aの伸縮度合いに応じて変位するが、図9に示すように、シフトロック装置61には、該ロックソレノイド40の位置を検出するソレノイド位置検出センサ63が付設されており、ソレノイド位置検出センサ63の検出値はトラクタに設けられたコントロールユニット50に入力される。コントロールユニット50においては、入力された検出値が、ロック片61aが寸法D1だけ伸長している状態のものであった場合は、副変速レバー59の変速操作位置がクリープ位置Cから二速位置F2までの範囲にあると判定し、入力された検出値が、ロック片61aが寸法D2だけ伸長している状態のものであった場合は、副変速レバー59の変速操作位置が三速位置F3にあると判定するように構成している。
【0023】
そして、副変速レバー59が三速位置F3に変速操作されている状態で、四輪駆動入切スイッチ31及び倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32がオンされると、シフトロック装置61のロック片61aは前述の如く寸法D2だけ伸長するが、ロック片61aが寸法D2だけ伸長している状態でのロックソレノイド40の位置が、ソレノイド位置検出センサ63により検出されてコントロールユニット50に入力される。すると、該コントロールユニット50は副変速レバー59が三速位置F3に変速されていると判定して、点灯していた前記倍速モードインディケータランプ28aを点滅させるとともに、警報ブザー64を無間欠的に鳴らして、副変速レバー59が高速領域に変速されているにもかかわらず、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能な状態になっているとして、作業者の誤操作に対して警告を発する。
【0024】
このように、副変速レバー59の変速位置が高速領域にあるときに、倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32をオン状態に切り換えて、該前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を作動可能な状態にすると、シフトロック装置61が作動して副変速レバー59の変速位置が高速領域にあることを判別し、倍速モードインディケータランプ28aや警報ブザー64等の警報装置が作動するように構成することにより、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動する可能性があることを作業者に警告して注意を促し、高速走行状態で不用意に前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動することを防止することができる。
【0025】
尚、万が一、作業者が前記警告を無視して、前輪2・2の切れ角が一定角度以上になるまで操向操作を行い、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動した場合には、エンジン5の回転数が予め設定された率で減少するように構成しており、走行速度を低下させて安定して旋回することが可能なようにしている。
【0026】
前述の如く、倍速モードインディケータランプ28aが点滅するとともに、警報ブザー64が無間欠的に鳴っている状態で、副変速レバー59の変速位置を三速位置F3以外の位置に操作するか、若しくは倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32をオフ状態に切り換えると、コントロールユニット50がそれを検知して倍速モードインディケータランプ28aの点滅と警報ブザー64の作動とを停止するように構成している。この場合、副変速レバー59を三速位置F3以外の位置に変速操作すると、倍速モードインディケータランプ28aは点滅状態から点灯状態に切り換わり、倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32をオフ状態に切り換えると、倍速モードインディケータランプ28aは消灯する。
【0027】
尚、前記警報ブザー64は、トラクタの後進時には間欠的に警告音を発して、トラクタが後進状態にあることに対して注意を促すようにしている。また、副変速レバー59が高速領域に変速操作された状態で、前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を作動可能な状態にした場合に警報ブザー64から発せられる警告音と、トラクタの後進時に該警報ブザー64から発せられる警告音とは、両者の違いが区別できればよく、本例の音には限られない。
【0028】
このように、倍速モードインディケータランプ28aや警報ブザー64等の警報装置が作動している状態で、副変速レバー59を高速領域以外の領域に変速操作するか、または倍速・自動ブレーキ入切スイッチ32をオフ状態に切り換えると、該警報装置が停止するように構成することにより、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能となる状態を回避して警告を停止することが、簡単な操作で容易にできることとなる。
【0029】
以上の如く、副変速レバー59にシフトロック装置61を付設し、該シフトロック装置61により副変速レバー59の高速領域への変速操作を規制可能にするとともに、副変速レバー59の変速位置を判別可能とすることにより、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動することを防止したり、仮に高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能な状態になったときには警報を発して作業者に注意を促したりすることが、シフトロック装置61を付設するだけの簡単・低コストな構成で可能となる。尚、シフトロック装置61は、レバーガイド17側に設けて副変速レバー59の変速操作位置を規制するように構成してもよく、副変速レバー59の変速範囲内の高速領域で作動するように配設されていればよい。
【0030】
また、図10に示すように、自動ブレーキ機構が作動する際には、前述の如く、例えば左ブレーキピストン25aが伸長して左ブレーキカム26aの当接部26bに当接し、該左ブレーキカム26aを回動操作することにより左ブレーキ装置29aが作動するが、作業者がブレーキペダル13を踏圧することによっても該左ブレーキ装置29aを作動させることが可能である。即ち、ブレーキペダル13を踏圧すると、連結ロッド71が上方移動してシャフト72が右方に回動し、これによりブレーキロッド73が前方移動して左ブレーキカム26aを回動操作し、左ブレーキ装置29aが作動するのである。
【0031】
図11に示すように、左ブレーキカム26aは、その回動中心にアーム76を固設して一体的に回動可能としており、該アーム76は、ブレーキ装置29aのブレーキシュー79に固設されたステー78と、リンク77により連結されている。ブレーキシュー79は支持板80と対向して配設され、該ブレーキシュー79及び支持板80にはそれぞれ溝部79a・80aが形成され、該溝部79a・80a間にはボール部材81が嵌入されている。
【0032】
そして、左ブレーキカム26aが、ブレーキロッド73又は左ブレーキピストン25aにより前方へ回動操作されると、アーム76、リンク77、及びステー78を介してブレーキシュー79が前方(図12における矢印方向)に移動され、溝部79a・80aに嵌入しているボール部材81によりブレーキシュー79が反支持板80側へ押し出されて、該ブレーキシュー79に貼設されるライニング82がブレーキディスク83に押圧されて、左後輪3が制動されるように構成している。このように、左ブレーキ装置29aはブレーキペダル13の踏圧、及び自動ブレーキ機構における左ブレーキピストン25aの伸長の両方により作動可能に構成されている。
【0033】
また、図10、図11に示すように、前記左ブレーキピストン25aはボルト91・91により左ブレーキ装置29aのハウジングに取付固定されている。左ブレーキピストン25aのボルト91による締結部分は長孔92に構成されており、ボルト91・91を緩めることで、左ブレーキカム26aの当接部26bへの左ブレーキピストン25aの当接位置を調節可能としている。即ち、左ブレーキピストン25aを長孔92の範囲内で移動させて、左ブレーキカム26aの回動中心から、左ブレーキピストン25aの当接部26bへの当接位置までの距離を調節可能に構成しているのである。このように、左ブレーキピストン25aの当接部26bへの当接位置を調節可能に構成することで、左ブレーキピストン25aによる左ブレーキカム26aの回動トルクが変更されるので、自動ブレーキ機構による後輪3の制動度合いを調節することが可能となる。
【0034】
また、左ブレーキカム26aにおける前記ブレーキロッド73との連結部は長孔26cに形成して遊びを設けてあり、左ブレーキカム26aが左ブレーキピストン25aによって前方回動された場合には、該左ブレーキカム26aの回動動作による力がブレーキペダル13側へ伝達されないように構成している。尚、右ブレーキ装置においても、前述の如くの左ブレーキ装置29aと同様の構造・機構によって構成され、また作動されるものとする。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1記載の如く、前輪(2)の操向操作に連動して作動し、電磁式の四輪駆動・倍速切換バルブ(21)と油圧式倍速クラッチ(24)により操作される前輪倍速装置、及び、電磁式ブレーキバルブ(22)と左右の油圧式ブレーキピストン(25a・25b)により操作される自動ブレーキ機構を備えたトラクタにおいて、副変速レバー(59)の変速範囲内で、ロックソレノイド(40)に電流が流れるとロック片(61a)が作動されて伸長し、高速領域をロック作動するシフトロック装置(61)を、前記副変速レバー(59)に付設し、該シフトロック装置(61)はロックソレノイド(40)に電流が流れるとシフトロック装置(61)のロック片(61a)が作動されて、ストローク寸法(D1)だけ伸長し、該副変速レバー(59)の三速位置(F3)方向には、レバーガイド(17)の下面から下方に突出するロックガイド(62)を形成し、該ロック片(61a)がストローク寸法(D1)だけ伸長している状態では、該副変速レバー(59)を三速位置(F3)側へ変速操作すると、該ロック片(61a)がロックガイド(62)に係止し変速操作を不可能に構成し、前記副変速レバー(59)の変速位置が高速領域にあるときに、前記前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の作動状態を切り換える倍速・自動ブレーキ入切スイッチ(32)をオン状態に切り換えて、該前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を作動可能な状態にすると、前記シフトロック装置(61)のロック片(61a)が縮小状態から伸長し、該ロック片(61a)は伸長途中に、前記ロックガイド(62)に当接し、前記ストローク寸法(D1)よりも小さい寸法(D2)だけ伸長して停止し、該副変速レバー(59)の変速位置が高速領域にあることを判別すべく構成し、警報装置を作動するように構成したので、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動することを防止したり、仮に高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能な状態になったときには警報を発して作業者に注意を促したりすることが、シフトロック装置を付設するだけの簡単・低コストな構成で可能となる。
【0036】
また、前記前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の作動状態を切り換える作動スイッチをオン状態に切り換えて、該前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能な状態になると、前記シフトロック装置が作動して、副変速レバーの高速領域への変速操作を規制するように構成したので、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動する状態となることを防いで、走行状態が急激に変化して車体の姿勢や挙動が不安定になることを防止することができる。
【0037】
また、前記副変速レバーの変速位置が高速領域にあるときに、前記前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の作動状態を切り換える作動スイッチをオン状態に切り換えて、該前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を作動可能な状態にすると、前記シフトロック装置が作動して副変速レバーの変速位置が高速領域にあることを判別し、警報装置が作動するように構成したので、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動する可能性があることを作業者に警告して注意を促し、高速走行状態で、不用意に前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動することを防止することができる。
【0038】
請求項2に記載の如く、請求項1記載のトラクタの安全装置において、前記警報装置の作動中に、該副変速レバー(59)を高速領域以外の領域に変速操作するか、または前記倍速・自動ブレーキ入切スイッチ(32)をオフ状態に切り換えると該警報装置が停止するように構成したので、高速走行状態で前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構が作動可能となる状態を回避して警告を停止することが、簡単な操作で容易にできることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の安全装置を搭載したトラクタを示す側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 インストルメントパネルを示す図である。
【図4】 前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の動作機構を示す接続回路図である。
【図5】 前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を示す油圧回路図である。
【図6】 副変速レバー及びレバーガイドを示す平面図である。
【図7】 同じく側面図である。
【図8】 三速位置に変速操作した状態の副変速レバーを示す平面図である。
【図9】 警報装置を示す回路図である。
【図10】 ブレーキ機構を示す側面図である。
【図11】 ブレーキ装置内部を示す側面図である。
【図12】 ブレーキ装置を示す平面断面図である。
【符号の説明】
17 レバーガイド
28a 倍速モードインディケータランプ
29a・29b 左右ブレーキ装置
32 倍速・自動ブレーキ入切スイッチ
59 副変速レバー
61 シフトロック装置
61a ロック片
62 ロックガイド
F3 三速位置(高速領域)

Claims (2)

  1. 前輪(2)の操向操作に連動して作動し、電磁式の四輪駆動・倍速切換バルブ(21)と油圧式倍速クラッチ(24)により操作される前輪倍速装置、及び、電磁式ブレーキバルブ(22)と左右の油圧式ブレーキピストン(25a・25b)により操作される自動ブレーキ機構を備えたトラクタにおいて、副変速レバー(59)の変速範囲内で、ロックソレノイド(40)に電流が流れるとロック片(61a)が作動されて伸長し、高速領域をロック作動するシフトロック装置(61)を、前記副変速レバー(59)に付設し、該シフトロック装置(61)はロックソレノイド(40)に電流が流れるとシフトロック装置(61)のロック片(61a)が作動されて、ストローク寸法(D1)だけ伸長し、該副変速レバー(59)の三速位置(F3)方向には、レバーガイド(17)の下面から下方に突出するロックガイド(62)を形成し、該ロック片(61a)がストローク寸法(D1)だけ伸長している状態では、該副変速レバー(59)を三速位置(F3)側へ変速操作すると、該ロック片(61a)がロックガイド(62)に係止し、変速操作を不可能に構成し、前記副変速レバー(59)の変速位置が高速領域にあるときに、前記前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構の作動状態を切り換える倍速・自動ブレーキ入切スイッチ(32)をオン状態に切り換えて、該前輪倍速装置及び自動ブレーキ機構を作動可能な状態にすると、前記シフトロック装置(61)のロック片(61a)が縮小状態から伸長し、該ロック片(61a)は伸長途中に、前記ロックガイド(62)に当接し、前記ストローク寸法(D1)よりも小さい寸法(D2)だけ伸長して停止し、該副変速レバー(59)の変速位置が高速領域にあることを判別すべく構成し、警報装置を作動するように構成したことを特徴とするトラクタの安全装置。
  2. 請求項1記載のトラクタの安全装置において、前記警報装置の作動中に、該副変速レバー(59)を高速領域以外の領域に変速操作するか、または前記倍速・自動ブレーキ入切スイッチ(32)をオフ状態に切り換えると該警報装置が停止するように構成したことを特徴とするトラクタの安全装置。
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