JP4444547B2 - インクジェット記録装置、キャリブレーション方法およびキャリブレーション用チャートの記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、キャリブレーション方法およびキャリブレーション用チャートの記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置、キャリブレーション方法およびキャリブレーション用チャートの記録方法に関し、詳しくは、インクジェット記録装置においてその記録特性を一定のものとするために行なわれるキャリブレーションに際して記録されるチャートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広く、文字、画像等を記録する記録装置では、温度、湿度などの記録装置がおかれた環境条件の変化や、記録に用いるインク等の記録材や用紙等の記録媒体の記録に対する特性のわずかな違いなどに起因して、記録される画像の濃度や色調が変化し、また、装置によって記録する画像の濃度等が異なることがある。また、このような特性の変化や違いは、記録装置を構成する各要素の経時変化によっても生じ得るものである。一方、このような記録特性の変化に対して、例えばガンマ補正テーブルなどの、画像処理に関する所定の処理パラメータを変更することにより記録特性を一定のもとする、キャリブレーションが行われることが知られている。
【0003】
このキャリブレーションでは、記録装置の記録特性を知るために、例えば複数の濃度レベルのパッチを配列したチャートをその記録装置によって記録する。そして、それらの濃度を測色器などの読取り装置によって測定し、各パッチの測定値に基づいて、ガンマ補正テーブル等、画像処理パラメータの内容を変更する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェット方式の記録装置では、記録ヘッドのインク吐出口を介してインクの溶剤である水分などが蒸発しインクの粘度が増すなどの現象が、その程度の差はあっても生じ得ることが知られている。そして、その結果として吐出されるインクの量が少なくなったり、吐出方向が正規の方向からずれるなどの吐出不良を生じることがある。また、正常にインクが吐出されたとしても、インクの色材である染料または顔料の濃度が、上記インク溶剤の蒸発によって正規のものより濃くなっている可能性もある。従って、キャリブレーションにおいてパッチを記録する際にこのような吐出不良や染料濃度の上昇が生じている場合には、記録時と同様の吐出状態が実現されていないことになり、そのようなパッチの測定結果は、そのときの記録装置の記録特性を正確に反映したものとならないおそれがある。
【0005】
一般に、インクジェット方式の記録装置では、記録を行わない時には、記録ヘッドのインク吐出口が設けられた面をキャップによってキャップし、上述したようなインク溶剤の蒸発を抑制してインクの粘度増大を防止することが行われている。ところで、このキャップが吐出口形成面を完全に密閉する構成とすると、キャップをする際にその動作に伴いキャップ内の圧力が増加し、吐出口の近傍に形成されたインクのメニスカスを破壊してインクもれや不安定なインク吐出を引き起こすおそれがある。このため、通常は、キャップにその内部を大気と連通するための穴を設けたり、キャッピングにおいて隙間が形成されるようにしている。しかし、長時間記録を行わない状態が続くような場合には上述の穴などを介して、僅かづつではあるがインク溶剤が蒸発する。インク溶剤の蒸発量は装置を放置した時間と相関があり、その影響によるインクの増粘や染料濃度の上昇は放置時間が長いほど、吐出口近傍からよりインク路内部へと進行する。
【0006】
このように、インクジェト記録装置では、その程度の差はあれインク溶剤の蒸発の影響を受けて吐出量が少なくなったり、色材濃度が上昇したりすることがあるが、例えば、吐出量の低下や色材濃度の上昇が比較的少ない場合には、それらが通常の記録で記録される画像に及ぼす影響は、肉眼による観察では確認できない程度のものである。しかし、キャリブレーションに際して記録されるチャートは、測色器などを用いてその濃度が測定されるため、吐出量の低下や色材濃度の上昇が比較的少ない場合でも、それらは測定結果において有意な濃度差もしくは色の差として現われる。そして、このような測定結果から得たキャリブレーションデータは、上述したようにそのときの記録装置の記録特性を正確に反映していないこととなり、その結果、正確なキャリブレーションを行なうことが困難となる。
【0007】
増粘したインクや色材濃度の上昇したインクを除去する構成として、記録の前などに装置の所定個所において所定量のインク吐出を行う、いわゆる予備吐出が知られている。しかし、予備吐出は、一般的に、吐出口のごく近傍において増粘しまた色材濃度の上昇したインクを除去する目的で行なわれるものであるため、そのために吐出されるインク量も少く、上述のように長期間の放置によって生じるような、比較的重度に増粘しまた色材濃度が上昇したインクのすべてを排出することはできない。
【0008】
一方、このような重度に増粘しまた色材濃度が上昇したインクを除くことが可能な構成として、記録ヘッドのインク吐出口を介してインクを吸引し、あるいは記録ヘッド内部を加圧してインクを排出する、回復機構が知られている。従って、キャリブレーション用カラーチャートを記録する際に、この回復機構を用いて回復処理を行なうことにより、正確なキャリブレーションを行なうことが考えられる。
【0009】
しかしながら、キャリブレーションが比較的頻繁に行われる場合には、それに応じて回復処理も頻繁に行なわれることにより、記録ヘッドから排出される廃インクに関する問題が派生する。例えば、正確な色の再現が必要な、色校正の基準となる記録装置では、高い精度の色再現もしくは階調再現が求められることからキャリブレーションを行う頻度も高くなり、そのような場合に、キャリブレーションのために行なわれる上述の回復処理によって排出されるインクの扱いが問題となる。
【0010】
すなわち、吸引あるいは加圧による回復機構によって除去したインクは、記録装置内部の廃インク吸収体に吸収させて自然乾燥処理するのが一般的である。従って、頻繁にキャリブレーションが行われる場合には、乾燥が間に合わない分の、回復処理によって排出されたインクを相当量保持できる容量の吸収体を設ける必要があり、これにより、装置が大型化するという問題がある。
【0011】
また、廃インクタンクのような容器に排出させることを考えた場合にも同様に、その保持容量の点から装置が大型化し、また、貯留した廃インクの処理に別の新たな機構もしくは別の新たな処理を必要とするなどの問題がある。
【0012】
本発明の目的は、特に、回復処理による廃インクの処理を伴わずに高精度なキャリブレーションを実行することが可能なインクジェット記録装置、キャリブレーション方法およびキャリブレーション用チャートの記録方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置であって、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、当該インクジェット記録装置のキャリブレーションを行なうためのチャートを記録出力する手段を具え、前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置のキャリブレーションを行なうためのキャリブレーション方法であって、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、キャリブレーションに用いられるチャートを記録出力し、該チャートを読取り装置によって読取り、該読取り結果に基づいて、キャリブレーションデータを作成し、該作成したキャリブレーションデータによって、記録係わる所定のデータを変更する、ステップを有し、前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とする。
【0018】
さらに、インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置のキャリブレーションに用いられるキャリブレーション用チャートの記録方法であって、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、前記チャートを記録出力するステップを有し、前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とする。
【0019】
以上の構成によれば、キャリブレーション用チャートを記録する場合に、読取り装置の読取り対象となるパッチと、そのパッチに先だって記録されるパターンを記録する。このパターンの記録では、記録ヘッドから吐出されるインクの量を、記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの量とすることができる。これにより、色材濃度が正規のものより高くなったインクによって読み取り対象となるパッチを記録することを防止でき、結果として、そのときの記録ヘッド等の記録装置の記録特正が忠実に反映されたパッチを記録することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
本発明の一実施形態は、インクジェット記録装置としての、いわゆるシリアルスキャン方式のインクジェットカラープリンタに関するものである。図1は、このプリンタの要部構成を示す斜視図である。
【0022】
図1において、イエローインクを吐出する記録ヘッド1Y、マゼンタインクを吐出する記録ヘッド1M、シアンインクを吐出する記録ヘッド1C、ブラックインクを吐出する記録ヘッド1Kは、キャリッジ201にそれぞれ所定の間隔をおいて搭載される。それぞれの記録ヘッドには所定方向に配列するn個、例えば256個の吐出口が設けられており、図8、図9にて後述されるように、それぞれの吐出口の内部(インク路)にはインク吐出に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子が設けられている。そして、この電気熱変換素子が発生する熱エネルギーによってインクに生じる気泡の圧力によってインクを吐出することができる。また、キャリッジ201には、それぞれの記録ヘッドへ供給するインクを貯留したインクタンク10Y、10M、10C、10Kからインクを供給するためのインクチューブ9が接続し、これにより、各インクタンクから対応する記録ヘッドへインクを供給することができる。記録ヘッドは、それぞれキャリッジ201に対して着脱自在に装着されるものであり、また、各インクタンクは装置に対して着脱自在に装着されるものであり、これにより、新たな記録ヘッドやインクタンクとの交換などが可能となる。
【0023】
用紙やプラスチック薄板等の記録媒体(不図示)は、搬送ローラとピンチローラとの対(ともに不図示)と、排紙ローラ2、3の対にそれぞれ挟持され、搬送ローラおよび排紙ローラ2の回転駆動に伴い矢印C方向に搬送される。これに対し、キャリッジ201は、ガイドシャフト4によりその移動が案内され、また、駆動ベルト6、7を介してキャリッジモータ8の駆動力が伝えられることにより、ガイドシャフト4に沿って往復移動することができる。これにより、各記録ヘッド1Y、1M、1C、1Kを記録媒体に対して走査し、その走査の間に記録データに応じてそれぞれのインクを吐出することにより、記録を行なうことができる。この際、上記ガイドシャフトと平行に設けられたエンコーダ5の記録ヘッドの位置検出タイミングに従い、上記電気熱変換素子が駆動されて、各画素について、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクの順に吐出が行なわれる。
【0024】
この記録ヘッドの走査領域の外に設けられたキャリッジ201のホームポジションには、4つの上記記録ヘッドにそれぞれ対応したキャップを備えたキャップ部420を含む回復ユニット400が配設されている。記録を行わない時には、キャリッジ201をホームポジションへ移動させることにより、キャップ部420の各キャップによりそれぞれ対応する記録ヘッドの吐出口が設けられた面をキャップし、インク溶剤の蒸発を抑制することができる。これにより、インク溶剤の蒸発に起因したインクの増粘、塵等の異物付着による吐出口の目詰まりや、インクの染料濃度の上昇などを防止することができる。また、キャップ部420は、各記録ヘッドの予備吐出に際して、吐出インク受けとしても用いられたり、また、キャップした状態で不図示のポンプを動作させ、インク吐出口からインクを吸引する、回復処理に用いられる。さらに、キャップ部420の隣接位置にはブレード540、拭き部材541が配設されており、記録ヘッドの移動に伴い、その吐出口形成面をクリーニングすることができる。
【0025】
キャリッジ201には、フレキシブル基板(不図示)が接続し、これにより、プリンタ本体の制御部と記録ヘッドとの間で制御信号や吐出信号の授受を行なうことができる。
【0026】
図2は、図1に示したプリンタを記録装置として用いる記録システムの、特にキャリブレーションに関する構成を示すブロック図である。
【0027】
本実施形態の記録システムは、具体的には、図1に示したプリンタとホスト装置としてのパーソナルコンピュータとを有して構成され、パーソナルコンピュータで作成した記録データをプリンタへ送ることよって、プリンタはこれに基づきその記録動作を行なうものである。そして、キャリブレーションでは、さらに測色器が接続され、この測色器において測定したパッチの濃度に基づいてキャリブレーションデータの生成、このデータに基づく階調補正パラメータの更新が行なわれる。すなわち、図2に示す構成は、プリンタ26、測色器20およびこれら以外の要素を有したパーソナルコンピュータ(以下、PCともいう。)を有して構成される。
【0028】
PCにおいてソフトウエアとして構成されるキャリブレーション管理部23は、キャリブレーション動作を制御するプログラム230に基づくものであり、キャリブレーションデータ231、基準特性データ232の管理およびカラーチャートの記録制御233を実行する。
【0029】
ここで、基準特性データとは、図3にて後述されるように、基準とする記録装置の記録特性を示すデータである。なお、この基準となる記録装置は、所定の記録特性を有する仮想的な装置であってもよく、あるいは記録システムに接続される複数の記録装置の中の基準となる装置であってもよい。また、基準特性のデータは本実施形態のようにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色で色表現を行う記録装置については各色ごとの特性を示すものである。
【0030】
図3における線図(a)はこの基準特性データを示し、入力画像データと出力画像の濃度(光学反射濃度)との関係として示されるものである。キャリブレーションは、それが行われた後の記録装置がこの記録特性を有するように行なわれるものであり、キャリブレーションの目的とする記録特性である。すなわち、画像処理24における階調補正処理242の階調補正が目的とする特性であり、その補正結果として画像データが示す階調値の関係がそのまま記録画像の濃度の関係として実現され線形の階調特性が得るようにすることができる。なお、この線図(a)が示す関係は、上述のように線形の関係を示すものに限られない。例えば、基準とする記録装置の特性、あるいは記録する画像において実現しようとする階調性などに応じて、記録画像についてこれらの階調特性を得るべく、この関係が非線形なものであっても良いことはもちろんである。
【0031】
基準特性データ管理232は、この基準データを各色ごとのテーブルとして所定のメモリに保持し、また、必要に応じテーブルデータとして出力する。なお、本実施形態では、入力画像データに対する記録特性を画像濃度値で表しているが、これに限定されることなく明度値、あるいはCIEのXYZ表色系におけるXYZ値などであってもよい。
【0032】
また、キャリブレーション管理部23のカラーチャート記録制御233は、後述されるように、各色のパッチを有したチャートをプリンタ26から記録出力するための制御を行なう。
【0033】
さらに、図2において、PCにおいてソフトウエアとして構成される測色管理部22は、測色器20の制御ドライバ220および制御プログラム221に基づき、測色器20によるパッチの濃度測定を制御するとともに、この測定値に基づいてキャリブレーションデータ生成222の処理を制御する。
【0034】
同様にPCにおいてソフトウエアとして構成される画像処理部24は、キャリブレーションにおけるパッチの記録ばかりでなく、通常の記録の際にもその記録データを作成する処理を実行するものである。すなわち、通常の記録では、PCで処理した画像データ25について、まず、所定の言語で記述された記録データに対しラスタライズ処理240を行なうことにより、ビットイメージの記録データを得る。次に、このビットイメージに対し色補正処理241、階調補正処理242を順次行なう。この階調補正処理242は、図4で示した関係のテーブルを有し記録データの階調値の補正を行なう処理である。すなわち、後述されるように、キャリブレーションによってそのテーブルの内容が更新されるものであり、これにより、入力画像データ(記録データ)に対する出力画像濃度の関係が基準とする記録装置の特性と同等となり、入力画像データに忠実な階調表現が可能となる。
【0035】
画像処理部24では、以上の補正の後、量子化処理243を行なって2値データを得る。この2値データは、直接、プリンタ26の各記録ヘッドを駆動してインク吐出を行なうためのデータである。
【0036】
なお、ユーザは、ユーザインターフェース21を介し、上記キャリブレーションや記録における種々の設定、指示入力を行なうことができる。
【0037】
以上の図2に示した構成に基づくキャリブレーション処理について、図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0038】
キャリブレーション処理では、まず、カラーチャート記録制御233により、キャリブレーションの対象となるプリンタ26からキャリブレーション用カラーチャートを記録する(ステップS61)。
【0039】
詳しくは、図5に示されるチャートの帯状パターン(c)およびパッチ(p)のデータを所定のメモリから読み出し、このデータについて画像処理部24の上述した各処理を行う。そして、最終的に2値データを得、これをプリンタ26へ送りプリンタ26にそのデータに基づく記録を行なわせる。キャリブレーションにおけるこのパターン(c)およびパッチ(p)の画像データの画像処理24では、その階調補正処理242は、そのときのプリンタの記録特性を知るために、入力画像データをそのまま出力できる無補正のテーブルをセットする。なお、パターン(c)の画像データの処理では、これが測定の対象となるものではないので、必ずしも上記のようなテーブルを用いる必要はない。
【0040】
次に、プリンタ26によって記録されたカラーチャートにおける各パッチ(p)は、測色器20によってその濃度が測定される。この測定は、例えばユーザが上述のチャートが記録された用紙を測色器20にセットすることによって行なわれる。すなわち、測色器管理部22の測色器制御ドライバ220の処理によって、シートに記録された各パッチ(p)の濃度が測定される。なお、この際、パターン(c)について測定は行なわれない。そして、測定した各パッチの濃度データは、測色器制御プログラムの処理によて所定のメモリに格納される(ステップS62)。
【0041】
測色によって得られる測色データの一例は、図3において線図(b)で示されるものである。これは、上述した基準特正データと同様に入力画像データに対する出力画像濃度の関係として示され、その測定時のプリンタ26の記録特性を示すものである。この測色データは、プリンタ26で用いられるインクの色それぞれに対応して求められる。
【0042】
そして、キャリブレーションデータ生成222の処理によって、この得られた各色ごとの測色データと上述の基準特性データを比較し、これに基づきキャリブレーションデータを作成する(ステップS63)。
【0043】
詳しくは、測色データと基準特性データについて同じ入力画像データに対してそれぞれ得られる出力画像濃度値の差に応じて、入力画像データを補正する補正データを作成し、それによって補正された入力画像データについて、上記本来の(補正されない)入力画像データに対応する基準特性データの出力画像濃度が得られるようにする。図4は、この生成されたキャリブレーションデータの一例を示す図である。この図4に示すデータを用いて階調補正処理242で補正を行うことにより、上述したように、入力画像データに対する出力画像濃度の関係を、基準とする記録装置の特性と同等にすることができる。
【0044】
このようにして得られたキャリブレーションデータは、キャリブレーション管理部23のキャリブレーションデータ管理231により、例えば記録時など必要に応じて画像処理部24における階調補正処理242のテーブルの内容として設定され、これによってキャリブレーションが完了する(ステップS64)。
【0045】
なお、上述の実施形態では、キャリブレーション機能を含む記録システムの個々の処理、制御を主にPCにおいて行なうものとして説明したが、本発明の適用はこの例に限られないことはもちろんである。例えば、上記の制御、処理を記録装置側において行っても良い。
【0046】
図5は、上述のキャリブレーション処理で記録されるカラーチャートを示す図である。
【0047】
同図に示すように、測色の対象となるパッチ(p)は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクについて、例えば8ビットデータとして表した場合、0、26、51、77、102、128、160、192、223、255それぞれの階調値データ(画像データ)に対応したものである。そして、このデータに基づいて記録することにより、各色について10段階の濃度のパッチ(p)を得ることができる。
【0048】
また、上記各色ごとのパッチ(p)の他に、シアンとマゼンタ、イエローとブラックそれぞれの混色による帯状パターン(c)を上記パッチに先立って記録する。そして、この帯状パターンを形成する各色インクの階調値データの値は255とする。
【0049】
詳しくは、これらパッチ(p)および帯状パターン(c)の記録動作は、図中上方に示す記録開始ポイントから開始し、同図中矢印で示す走査方向に各記録ヘッドを走査して記録する。また、記録ヘッドの走査と次の走査との間に行なわれる用紙の搬送は、同図中上方に向けて行なわれる。従って、最初にシアンとマゼンタの混色による帯状パターン(c)が記録され、次に、イエローとブラックの混色による帯状パターン(c)が記録される。その後、各色インクに対応したパッチ(p)が10段階の階調値それぞれについて、順次記録されることになる。また、各帯状パターンおよびパッチのサイズは、基本的には次に示すように定められるが、測色器による測色精度を考慮してある程度以上の大きさを有したものである。このサイズは、もちろん各記録ヘッドの1回の走査で記録できるものでなく、従って複数回の走査を行ないそれぞれのパターンおよびパッチを記録する。
【0050】
本実施形態では、パターン(c)のサイズ(大きさ)およびそれを記録するための階調データの値は、図8(a)、図8(b)および図9にて後述されるように、各色インクの記録へッドにおけるそれぞれのインク吐出口について、それぞれの帯状パターンを記録するためのインク吐出によってその増粘したインクや色材濃度が上昇したインクを排出するのに充分な吐出インク滴数(吐出回数)を求め、この吐出インク滴数を確保できる階調値とパターンのサイズとして決定される。
【0051】
ここで、上記帯状パターン(およびパッチ)の記録において階調値データの値が255であるとは、それぞれ記録ヘッドを100%デューティーで駆動するものである。すなわち、この100%デューティーは、パターン(またはパッチ)を構成する全ての画素についてインクが一回(一滴)吐出されることを意味する。また、この際、本実施形態では、それぞれの記録ヘッドのn個のインク吐出口が均一に用いられる。従って、100%デューティーでは、記録ヘッドの走査で各インク吐出口が帯状パターンを構成すべき各画素に対応するごとに、インク吐出口からインクが一滴吐出されることになる。
【0052】
帯状パターンは、これを構成する二色のインクそれぞれについて階調値が255であるから、デューティーは200%となる。因みに、階調値128のとき、デューティーは50%である。なお、上記帯状パターンは各組2色による2次色によって記録するものとしたが、後述の吐出数の決定に従った3次色以上であってもよいことはもちろんである。また、デューティーが100未満のデータは、例えばマスク処理など公知の処理によって生成できる。
【0053】
以上のように、測色用のパッチを記録する前に、帯状パターンを記録し、このパターンの濃度もしくはデューティーを測色用のパッチの最大濃度もしくは最大デューティーと同じか、あるいはそれより大きなものとすることによって、このパターンの記録で比較的多量のインク吐出を行なうことができる。すなわち、このパターンの記録では前述した予備吐出で吐出される量より多いインク吐出を行なうことができる。その結果、パッチの記録を行なう前に、インク溶剤の蒸発によって粘度が増したインクや染料濃度が高くなったインクを記録ヘッドから略完全に排出することができ、その後に記録される各色のパッチについて、インク溶剤蒸発による吐出量低下や染料濃度上昇の影響が排除された、そのときのプリンタの記録特性を正確に反映した記録を行なうことができ、結果として、精度の高いキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0054】
また、実際に記録媒体上に帯状パターンのようなダミーのインク吐出を行うことによって増粘インク等の除去を行っているので、回復処理による場合のような廃インクの処理の問題を生じることはない。
【0055】
さらに、副次的な効果として、本実施形態のプリンタのように電気熱変換素子を用いた記録ヘッドを用いる場合には、一般に記録ヘッドの温度調節が行われているが、この帯状パターンを記録するためのダミー吐出によってその温度調節が安定した後に測色用のパッチを記録することができるので、より精度の高いキャリブレーション結果を得ることができる。
【0056】
図7は、他の実施形態に係るキャリブレーション用カラーチャートを示す図である。
【0057】
同図に示すキャリブレーション用カラーチャートは、測色用のパッチについては図5に示したものと同様のものである。異なる点は、図中の(d)部で示される、各パッチと同じサイズのダミーパッチを各色に対応して記録する点である。ここで、このダミーパッチのサイズは図5に示したものより小さなものである。すなわち、この実施形態は、用いる記録ヘッドが、増粘などしたインクの量が本来的に少ないものであったり、あるいは、増粘などしたインクを排出する量を少なく設定し、これにより、各インク吐出口について、増粘などしたインクを排出するのに必要な吐出インク滴数(吐出回数)が少なく求められる例である。
【0058】
記録ヘッドの走査において、測色対象のパッチに先立って記録されるそれぞれの色のダミーパッチは、階調値が255であり、従って、インクの吐出デューティーは100%である。このように、パッチの記録の前に高デューティーのインク吐出を行なうことにより、図5に示す例と同様、キャリブレーションに影響を及ぼす増粘インクや染料濃度が高くなったインクをほぼ完全に排出することが可能となり、精度の高いキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0059】
この場合も、図5に示す例と同様、廃インクの処理に関する問題を生ずることがなく、また、ダミーパッチ記録により記録ヘッドの温度調節が安定した後に測色用のカラーパッチを記録することができる。
【0060】
図8(a)、図8(b)および図9は、上述の各実施形態で用いることができる記録ヘッドの構成を示す図である。以下では、これらの図を参照して、上記の各実施形態で説明した帯状パターン(c)やダミーパッチ(d)等、増粘などしたインクを排出するために予め記録されるパターンの階調値データおよびそれらのサイズの定め方について説明する。
【0061】
図8(a)および(b)に示すように、実施形態で用いる記録ヘッドは、ヒータボード303と天板301とオリフィスプレート306とを有して構成されている。ヒータボード303上には、各インク吐出口に対応して設けられる電気熱変換素子(ヒータ)304を構成する発熱抵抗層や、電気熱変換素子304に電気信号を供給するための電極配線309がパターニングにより形成されている。ヒータボードの一端部には記録装置本体から電気信号を受けるための、ヒータ304に対応した複数個のパッドが設けられている。これにより、記録装置本体からの電気信号をそれぞれのヒータ304に供給することができる。そして、それによって発生する熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、この気泡の圧力によってインク吐出口305からインクを吐出することができる。このヒーターボード303に天板301およびインク吐出口を形成したプレート306を取り付けることで記録ヘッドの主要部が構成される。
【0062】
図9に示すように、天板301には、各インク吐出口305に対応したインク流路用の溝308が形成され、また各インク流路に共通に連通したインク液室用の溝307が形成される。さらに、この共通液室用溝307にはインクタンクからのインクを供給するためのチューブと接続されるインク供給口302が設けられている。そして、以上の天板301とヒータボード303を接合することにより、各インク吐出口に対応したインク流路が形成され、各インク流路内にヒータ304が配置される。また、プレート306に形成された各インク吐出口305と一つのインク流路が対応する。なお、インク吐出口からヒーターボード上のヒータまでの距離は、インク吐出量やインク特性およびヒータ特性等に依存する吐出性能により決定される。
【0063】
以上のような構成を有した記録へッドにおいて、一般的にインクの増粘や色材濃度の上昇の程度は、記録ヘッドの構造やそれを用いた記録装置の環境に左右される。従って、図5に示した帯状パターン(c)や図7に示したダミーパッチ(d)等、増粘インクなどを排出すべく記録されるパターンのサイズやデューティーは、上記の種々の条件に応じて定めることができる。
【0064】
例えば、上記パターンの記録により、記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク流路および共通液室それぞれのインクをすべて除去できるだけのインク吐出量を確保できることは好ましいことである。増粘等の程度が著しく記録ヘッドの吐出口近傍ばかりか共通液室のインクまで増粘を生じているような場合にはこれを除去できるのみならず、その後の通常の記録において、これら増粘インクが完全に排除された状態で記録を行なうことができるからである。
【0065】
この共通液室までのインクを除去する場合を例にとり、キャリブレーションのパッチの記録の前に予め記録されるパターンの階調値データおよびそれらのサイズの定め方について説明する。
【0066】
すなわち、一つのインク吐出口ついてその容積(吐出口305の開口面積とプレート306の厚みとの積)をVo、一つのインク流路の容積をVp、共通液室の流路をVrとし、これを吐出口の数nで割った一つの吐出口当りの容積Vr/nとするとき、この記録ヘッドの一つの吐出口から吐出されるインク吐出量(一つのインク滴の体積)がVdである場合に、一つの吐出口について、共通液室までのインクを排出するのに必要なインク吐出数Nは、
N=(Vo+Vp+Vr/n)÷Vd
となる。
【0067】
この一つの吐出口当りのインク吐出数Nに基づき、図5、図7で示したパターンのサイズおよびデューティーを定める。例えば、まず、デューティーを100%(階調値データを255)と定めるとすると、(吐出口の数n)×(画素数)=Nを満たす画素数(実際は画素ピッチの数)が、記録ヘッドの一回の走査で記録するパターン等の長さとなる。実際は、用紙を送りながら記録ヘッドの複数回の走査でパターン等を記録するので、上記長さをパターンを記録する走査回数で割ったものがパターンの長さとなる。このように、増粘インク等の除去に必要な吐出数を定め、これに基づいて吐出デューティーおよびパターンの形状やサイズを適宜決めることによって、効果的に、キャリブレーションの精度に影響を及ぼす増粘インク等を除去することが可能となる。また、以上から明らかなように、インク除去に必要なパターンのサイズは、記録ヘッドの吐出口数、記録解像度、パターン記録時のデューティーにより決定されるものである。
【0068】
吐出数の定め方の他の例として、例えば、キャリブレーションに際して、回復処理を行なう場合を考慮した場合、その回復処理によってインクが排出されることを考慮するものがある。
【0069】
すなわち、例えば、記録ヘッドからインクを吸引して回復処理を行なう場合の、一つのインク吐出口当りのインク排出量をVvとすると、
N=(Vo+Vp+Vr/n−Vv)÷Vd
となる。
【0070】
なお、回復処理は、吸引によるものばかりでなく、記録ヘッド内部を加圧してインクを排出する加圧回復も知られており、この場合も同様に吐出数を求めることができる。
【0071】
さらに他の例として、前回キャリブレーションを行ってからの経過時間によるインクの増粘具合を考慮し、時間に応じた係数αを設けて吐出数を可変させてもよい。すなわち、
Nt=N×α
として求めることができる。例えば、係数αは24時間以上の場合で1とし、24時間未満の場合には経過時間をtとして、α=t÷24(tは時間単位で、例えば経過時間が30分の場合には0.5となる。)として係数αの値を定めることができる。さらに、この値をインクの溶剤特性などインクの性質に応じて可変させることはもちろん可能である。
【0072】
なお、上記ダミー吐出にかかるパターンは、記録ヘッド中の増粘インク等を除去することが目的であるため、測色対象のパッチ部分よりも前に記録を行うものであれば、その形状については特に制限はない。また、図5、図7では帯状パターンやダミーパッチといった、特定の図形を記録するようなダミー吐出を行ったが、例えば、測色に用いるパッチに先立ってキャリブレーションの操作手順を示す説明文を記録するなどのためのインク吐出を利用して増粘インク等を除去してもよい。
【0073】
さらには、ダミー吐出を行うための画像パターンは測色対象のカラーパッチと同一形状でも異なる形状でも良い。また、ダミー吐出を行う画像パターンは、測色対象のカラーパッチを縁取るような構成の画像としても良い。
【0074】
いずれにしろ、記録ヘッドの増粘インクや染料濃度が高くなったインクをほぼ完全に除去できるだけの吐出量が確保できる、パッチと比較して多量の吐出量となるダミー吐出を行なうことができるものであればどのようなものであってもよい。
【0075】
また、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、例えば、記録装置としてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を用いた装置の代わりに、使用するインクの色数が増減した装置においてもキャリブレーション用カラーチャートに記録する色数を増減することで適応できる。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形変更が可能である。
【0076】
<他の実施形態>
本発明は上述のように、複数の機器(たとえばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても一つの機器(たとえば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置に適用してもよい。
【0077】
また、前述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
【0078】
またこの場合、図6に示したような前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0079】
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0080】
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0081】
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、キャリブレーション用チャートを記録する場合に、読取り装置の読取り対象となるパッチと、そのパッチに先だって記録されるパターンを記録する。このパターンの記録では、記録ヘッドから吐出されるインクの量を、記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの量とすることができる。これにより、色材濃度が正規のものより高くなったインクによって読み取り対象となるパッチを記録することを防止でき、結果として、そのときの記録ヘッド等の記録装置の記録特正が忠実に反映されたパッチを記録することが可能となる。
【0083】
その結果、特に、増粘インク等を除去するための回復処理による廃インクの処理を伴わずに高精度なキャリブレーションを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるインクジェットプリンタの要部構成を示す斜視図である。
【図2】上記プリンタを含んで構成される、キャリブレーション機能を含む記録システムの構成を示すブロック図である。
【図3】上記プリンタのキャリブレーションにおける基準特性データおよび測色データを示す線図である。
【図4】上記測色特正データに基づいて得られるキャリブレーションデータを示す線図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるキャリブレーション用カラーチャート示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態にかかるキャリブレーション用カラーチャート示す図である。
【図8】 (a)および(b)は、図1に示した各記録ヘッドの詳細な構成を示すそれぞれ斜視図および分解斜視図である。
【図9】図8(a)、図8(b)に示す記録ヘッドを構成する天板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1Y、1M、1C、1K 記録ヘッド
2、3 排紙ローラ
4 ガイドシャフト
5 エンコーダ
6 駆動ベルト
8 キャリッジモータ
9 フレキシブル基板
10Y、10M、10C、10K インクタンク
400 回復ユニット
420 キャップ部
540 ブレード
541 拭き部材
20 測色器
21 ユーザーインターフェース
22 測色管理部
23 キャリブレーション管理部
24 画像処理部
25 画像データ
26 プリンタ
220 測色器制御ドライバ
221 測色器制御プログラム
222 キャリブレーションデータ生成
230 キャリブレーションプログラム
231 キャリブレーションデータ管理
232 基準特性データ管理
233 カラーチャート記録制御
240 ラスタライズ処理
241 色補正処理
242 階調補正処理
243 量子化処理
301 天板
303 ヒータボード
304 電気熱変換素子(ヒータ)
305 インク吐出口
307 インク液室用溝
308 インク流路用溝

Claims (5)

  1. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置であって、
    記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、当該インクジェット記録装置のキャリブレーションを行なうためのチャートを記録出力する手段を具え、
    前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置のキャリブレーションを行なうためのキャリブレーション方法であって、
    記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、キャリブレーションに用いられるチャートを記録出力し、
    該チャートを読取り装置によって読取り、
    該読取り結果に基づいて、キャリブレーションデータを作成し、
    該作成したキャリブレーションデータによって、記録係わる所定のデータを変更する、ステップを有し、
    前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とするキャリブレーション方法。
  3. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置のキャリブレーションに用いられるキャリブレーション用チャートの記録方法であって、
    記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、前記チャートを記録出力するステップを有し、
    前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とするキャリブレーション用チャート記録方法。
  4. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置のキャリブレーションに用いられるキャリブレーション用チャートを記録する処理のプログラムであって、
    前記処理は、
    記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、前記チャートを記録出力するステップを有し、
    前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とするプログラム。
  5. インクを吐出する記録ヘッドを用い、記録媒体にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置のキャリブレーションに用いられるキャリブレーション用チャートを記録する処理のプログラムをコンピュータによって読取り可能に格納した記憶媒体であって、
    前記処理は、
    記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出させることにより、前記チャートを記録出力するステップを有し、
    前記チャートは、読取り装置の読取り対象となるパッチと、該パッチに先だって記録ヘッドにおけるインク吐出口、インク液路および共通液室のそれぞれのインクをすべて除去できるだけの吐出量のインクを吐出することで記録される、前記読取り対象となるパッチを用いたキャリブレーションの操作手順を示す説明文と、を含むことを特徴とする記憶媒体。
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