JP4443498B2 - ギヤ式パーキング機構 - Google Patents

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Description

本発明は、トラクタ等の車輌に使用されるギヤ式パーキング機構に関するものである。
トラクタ等の車輌に使用されるギヤ式パーキング機構には、パーキングギヤと、パーキングギヤに噛み合う係合爪を有するパーキングポールとを備え、パーキングポールは、係合爪がパーキングギヤに噛み合うロック位置と、係合爪がパーキングギヤから外れるロック解除位置とに、揺動自在に支持され、パーキングレバーをパーキング位置Pに操作したときに、パーキングポールをロック位置に押圧するようにしたものがある。
従来のこの種のギヤ式パーキング機構は、パーキングレバーの操作に連動して動くパーキングロッドと、パーキングロッドに外嵌装着したカムと、パーキングロッドの移動に伴いカムが乗り上げる斜面等を有したスレーブとを有し、パーキングレバーの操作に連動してパーキングロッドを動かして、カムでパーキングポール122をロック位置に押圧するようにしていた(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特開2003−276580号公報 特開2000−291794号公報
従って、従来のこの種のギヤ式パーキング機構では、長いロッドをパーキングポールに近接するように配置し、そのロッドを長手方向に移動させるスペースが必要であり、また、パーキングポール122をカムで押してロック位置Aからロック解除位置Bとに揺動させるためには、ロッドに外嵌装着したカムを相当太く形成する必要もあり、カムが乗り上げる斜面等を有したスレーブや、カムを移動自在に保持する部材等も比較的大きくなり、ギヤ式パーキング機構を設定するための大きなスペースが必要となった。
本発明は上記問題点に鑑み、小さなスペースにも設置することができるようにしたものである。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、パーキングギヤと、パーキングギヤに噛み合う係合爪を有するパーキングポールとを備え、パーキングポールは、係合爪がパーキングギヤに噛み合うロック位置と、係合爪がパーキングギヤから外れるロック解除位置とに、支軸廻りに揺動自在に支持され、パーキングレバーをパーキング位置に操作したときに、パーキングポールをロック位置に押圧するようにしたギヤ式パーキング機構において、
支持軸廻りに揺動自在に支持された連動部材が設けられ、連動部材に連動して支持軸廻りに動く押圧部材が設けられ、パーキングポールを押圧するための押圧体が押圧部材に設けられ、パーキングレバーをパーキング位置に操作したときに、押圧体がパーキングポールをロック位置に押圧すると共に、パーキングレバーをパーキング位置から外すべく操作したときに、押圧体のパーキングポールに対するロック位置への押圧を解除するように、押圧体が押圧部材の支持軸から偏心した位置に配置され、
前記パーキングポールの支軸は、ミッションケースの前端壁に内方突設され、連動部材の支持軸はミッションケースの前端壁に軸心廻りに回動自在に挿通保持され、連動部材は、支持軸に対して該支持軸廻りに相対回動自在に保持され、支持軸の内端部に押圧部材が設けられ、前記押圧部材と連動部材とは板状に形成されて互いに重合され、
前記ミッションケースの前端壁と連動部材との間に、コイルバネが支持軸に外嵌して設けられ、コイルバネの一端部は連動部材に連結され、コイルバネの他端部は押圧部材に連結されていて、押圧体がパーキングポールをロック位置に押圧する方向に押圧部材を付勢しており、
連動部材の支持軸からパーキングギヤとは反対側に離間した位置に、連動軸が軸心廻りに回動自在に保持され、連動軸の外端部に連動レバーが固設され、連動軸の内端部に連動杆が固設され、連動部材は連動杆に連結され、連動レバーはパーキングレバーに連結されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、パーキングレバーをパーキング位置に操作したときに、パーキングポールがロック位置に向けて待機可能となるように、押圧部材は連動部材に対して支持軸廻りに相対揺動可能とされ、押圧部材の連動部材に対する支持軸廻りの相対揺動を規制するストッパーが設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記押圧体がパーキングポールをロック位置に押圧するときに、支持軸に直交する面内において、支持軸の軸心と、係合爪がパーキングギヤに噛み合う位置と、押圧体がパーキングポールに押圧接当する接当位置とが、該接当位置を中間にして、略直線上に並ぶように設定されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記パーキングポールは、支軸廻りに揺動自在に支持され、前記連動部材の支持軸は、パーキングポールの支軸とパーキングギヤの軸方向とに平行に配置されている点にある。
本発明によれば、従来の長いロッドに代えて支持軸廻りに揺動する連動部材を使用することができ、また、従来のロッドに外嵌装着したカムに代えて、支持軸から偏心した押圧体を使用することができるため、従来のように長いロッドを長手方向に移動させるためのスペースが不要になり、また、ロッドに外嵌装着したカムを設ける必要もなくなり、ギヤ式パーキング機構の全体を小さなスペースに設置できるようになる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1はクラッチハウジングであり、このクラッチハウジング1はエンジンの後端側に連結されたフライホイールハウジング2の後端側に連結されており、図3において、3は、クラッチハウジング1の後端側に連結されたミッションケースであり、このミッションケース3の後端側開口は後部カバー4によって閉塞されている。
前記クラッチハウジング(前部ケース)1とミッションケース(後部ケース)3とで、トラクタの車体の一部を構成する伝動ケース5が構成され、この伝動ケース5と、エンジンと、フライホイールハウジング2等とでトラクタの車体が主構成されている。
前記伝動ケース5内には、エンジンからの動力を、駆動輪に伝達する走行系動力伝達系統とPTO軸6に伝達するPTO系動力伝達系統とを有する動力伝達装置7が収容されている。
この動力伝達装置7の走行系は、エンジンのクランク軸8からフライホイール9等を介して動力が伝達される推進軸10と、この推進軸10からの動力をトルクを変換して後輪(駆動輪)等へと伝達する変速装置11と、推進軸10から変速装置11へと伝達される動力の回転方向を変えてトラクタの前・後進を切り換える前後進切換装置(シャトル)12と、変速装置11からの動力を左右の後輪に伝達する後輪差動装置13と、変速装置11を経た後の動力を前輪(駆動輪)へと伝達する前輪推進軸14とを備えている。
推進軸10及び前輪推進軸14は前後方向の軸心を有する。
また、動力伝達装置7のPTO系は、前記推進軸10の後部に同軸心状として直結されたPTO駆動軸16と、このPTO駆動軸16の後方に同軸心状に設けられたPTO伝動軸17と、PTO駆動軸16からPTO伝動軸17に動力を断接自在に伝達するPTOクラッチ18と、PTO伝動軸17からの動力を減速してPTO軸6に伝達する減速装置19とを備えている。
推進軸10は、その前部側が、フライホイール9が収容されたクラッチハウジング1の第1室20と前後進切換装置12が収容されたクラッチハウジング1の第2室21とを区画する隔壁22に軸受を介して支持されており、後部側が、前記第2室21と、変速装置11が収容されたクラッチハウジング1の第3室24とを区画する仕切壁25に軸受を介して支持されている。
なお、第2室21と第3室24とは、仕切壁25の下部に形成された開口15によってクラッチハウジング1の下部側において連通している。
前後進切換装置12は、推進軸10上に設けられた前進クラッチ26と、この前進クラッチ26の後側において推進軸10上に相対回転自在に支持された前進出力ギヤ27と、後進クラッチ23と、この後進クラッチ23の前側において推進軸10上に相対回転自在に支持された後進出力ギヤ28と、推進軸10の下方側に該推進軸10と平行状に配置されていて隔壁22・仕切壁25間に回転自在に支持された後進伝動軸29と、この後進伝動軸29の前部に一体回転自在に設けられた後進第1伝動ギヤ30と、後進伝動軸29の後部に一体回転自在に設けられた後進第2伝動ギヤ31とを備えている。
前進出力ギヤ27と後進第2伝動ギヤ31とは、変速装置11に動力を入力する入力ギヤ32に噛合しており、後進第1伝動ギヤ30は後進出力ギヤ28に噛合している。
前進クラッチ26及び後進クラッチ23は、推進軸10上に同軸心状として固定された共通のクラッチボディ33を有する湿式多板油圧クラッチによって構成されており、油圧によって前進用ピストン38又は後進用ピストン39を作動させて、クラッチボディ33と一体回転するドライブプレートと、前進出力ギヤ27又は後進出力ギヤ28と一体回転するクラッチディスクとを圧接することにより、推進軸10からの動力が前進出力ギヤ27又は後進出力ギヤ28に伝達され、前進出力ギヤ27から前記入力ギヤ32に前進動力が伝達されるか、又は、後進出力ギヤ28→後進第1伝動ギヤ30→後進伝動軸29→後進第2伝動ギヤ31を経由して前記入力ギヤ32に後進動力が伝達されるようになっている。
なお、前進用ピストン38又は後進用ピストン39を非作動とすると、推進軸10からの動力は前進出力ギヤ27又は後進出力ギヤ28に伝達されない。
変速装置11は、前後進切換装置12を経た動力を第1速〜第4速の4段に変速可能な主変速装置41と、この主変速装置41を経た動力をさらに高低2段に変速可能な副変速装置42と、主変速装置41を経た後の動力を副変速装置42の低速よりも遅い超低速に変速可能な図示省略のクリープ変速装置と、前後進切換装置12から動力が入力される入力軸44と、この入力軸44から主変速装置41を介して動力が伝達されるカウンタ軸45と、変速装置11によって変速された動力を出力する出力軸46とを備えている。
入力軸44は、前後進切換装置12の後方側で且つPTO駆動軸16の右側に該PTO駆動軸16と平行状として配置されており、この入力軸44の前部は仕切壁25に軸受を介して支持され、後部はクラッチハウジング1の後端開口を閉塞するミッションケース3の前端壁47に軸受を介して支持されており、入力軸44の前端は仕切壁25から前方側に突出しており、この第2室21に突出した部分に前記入力ギヤ32が一体回転自在に設けられている。
入力軸44の前端を前後進切換装置12側に突出して該突出部分に入力ギヤ32を設け、入力軸44を推進軸10及び後進伝動軸29の間の側方に配置することで、入力ギヤ32を前進出力ギヤ27と後進第2伝動ギヤ31とに同時に噛合させている。
カウンタ軸45は、筒状に形成されていて前記PTO駆動軸16に相対回転自在に外嵌されている。
出力軸46は、前後方向の軸心を有し、前記後進伝動軸29の後方の、カウンタ軸45の真下に平行状に配置されており、この出力軸46は、仕切壁25及びミッションケース3の前端壁47に軸受を介して軸心回りに回転自在に支持されていると共にミッションケース3内に挿入されており、該出力軸46の後端側は、後輪差動装置13に動力を伝達するデフ駆動軸48にカップリングを介して連結されている。
したがって、これら入力軸44,カウンタ軸45及び出力軸46は、図4に示すように、互いに平行状に配置され且つ三角配置されている。
図1に示すように、主変速装置41は、シンクロメッシュ式の変速機構が採用され、入力軸44からカウンタ軸45へと動力を伝達する第1〜第4速のギヤ列49〜52と、この第1〜第4速のギヤ列49〜52のいずれか1つのギヤ列49〜52を介して動力を伝達するように動力伝達経路を切り換える第1,第2の主変速切換クラッチ55,56とを備えている。
前記第1〜第4速のギヤ列49〜52は、後方に向けて、第4速ギヤ列52、第3速ギヤ列51、第2速ギヤ列50、第1速ギヤ列49の順で配置されており、第3速ギヤ列51と第2速ギヤ列50との間には、主変速装置41に2段のギヤ列を追加可能なスペース40が設けられており、本実施の形態では、主変速装置41が、4段変速仕様から6段変速仕様に仕様変更可能とされている。
これら第1〜第4速のギヤ列49〜52の駆動側ギヤ49a〜52aは入力軸44に相対回転自在に外嵌され、被駆動側ギヤ49b〜54bはカウンタ軸45に一体回転自在に外嵌されている。
第1主変速切換クラッチ55は、第1速ギヤ列49と第2速ギヤ列50との駆動側ギヤ49a,50a間に設けられていて1速又は2速の切り換えを行い、第2主変速切換クラッチ56は、第3速ギヤ列51と第4速ギヤ列52との駆動側ギヤ51a,52a間に設けられていて3速又は4速の切り換えを行う。
この第1,第2の主変速切換クラッチ55,56は、動力伝動側(入力軸44)と被動力伝動側(主変速装置41のギヤ列の駆動側ギヤ)との回転数を同期させてギヤ列49〜52を切り換える(ギヤチェンジする)シンクロメッシュ機構が採用されたシンクロ式のクラッチが採用されており、各主変速切換クラッチ55,56は、入力軸44に一体回転自在に外嵌されたカップリング55a,56aと、このカップリング55a,56aに一体回転自在で且つ軸心方向(前後方向)移動自在に外嵌された主変速用シフタ(クラッチギヤ)55b,56bとを備えている。
第1主変速切換クラッチ55の主変速用シフタ55bを第1主変速用シフタ55bといい、第2主変速切換クラッチ56の主変速用シフタ56bを第2主変速用シフタ56bという。
入力軸の、第3速ギヤ列51の駆動側ギヤ51aと、第2速ギヤ列50の駆動側ギヤ50aとの間にも、追加される主変速切換クラッチのカップリング等を嵌合するためにスプラインが形成されており、該第3速ギヤ列51と第2速ギヤ列50との駆動側ギヤ51a,50a間には、筒状のスペーサ58が外嵌されている。
第1〜第4速のギヤ列49〜52の駆動側ギヤ49a〜52aには、それぞれ第1,第2の主変速用シフタ55b,56bが噛み合う噛合部49c〜52cが設けられ、この噛合部49c〜52cに第1,第2の主変速用シフタ55b,56bが噛み合っていない状態が第1〜第4速のギヤ列49〜52を介して入力軸44からカウンタ軸45に動力を伝達しない非動力伝動状態であって中立位置とされ、第1,第2の主変速用シフタ55b,56bのいずれか1つを、中立位置から軸心方向(前後方向)にスライドさせて、第1〜第4速のギヤ列49〜52の駆動側ギヤ49a〜52aの噛合部49c〜52cのいずれか1つとカップリング55a,56aとにわたって噛み合わせることにより、入力軸44→カップリング55a,56a→主変速用シフタ55b,56b→噛合部49c〜52c→駆動側ギヤ49a〜52a→被駆動側ギヤ49b〜52bを経てカウンタ軸45に動力が伝達され、入力軸44に入力された動力が主変速装置41の第1速〜第4速のいずれかに選択的に変速されてカウンタ軸45に伝達されるように構成されている。
図2及び図4に示すように、クラッチハウジング1の右側の側壁には開口部59が形成され、この開口部59はクラッチハウジング1に着脱自在に取り付けられるカバー60によって閉塞される。このカバー60には、前記第1,第2の主変速用シフタ55b,56bに係合してこれを軸心方向に移動操作することで動力伝達経路を切り換えるための第1,第2の主変速用シフトフォークが設けられている。また、カバー60には、第1,第2の主変速用シフトフォークを操作するための操作機構72が設けられている。この操作機構72は、後述する主変速レバー162に連動連結されている。
図1に示すように、副変速装置42は、コンスタントメッシュ式の変速機構によって構成され、高速ギヤ列101と、この高速ギヤ列101の後方に位置する低速ギヤ列102と、出力軸46の高速ギヤ列101と低速ギヤ列102との間に一体回転自在に外嵌(スプライン嵌合)されたスプラインボス103と、このスプラインボス103に軸心方向移動自在で一体回転自在に外嵌(スプライン嵌合)された副変速用シフタ104とを有する。
高速ギヤ列101の駆動側ギヤは主変速装置41の第3速ギヤ列51の被駆動側ギヤ51bによって構成されていて部材の兼用化が図られていると共に、変速装置11のコンパクト化に寄与している。
また、高速ギヤ列101の被駆動側ギヤ101bは出力軸46に相対回転自在に外嵌されており、出力軸46の被駆動側ギヤ101bの前方側には、該被駆動側ギヤ101bの位置決め用のスペーサ81が外嵌されている。
また、低速ギヤ列102の駆動側ギヤ102aは、カウンタ軸45上の、第2速ギヤ列50の被駆動側ギヤ50bと第3速ギヤ列51の被駆動側ギヤ51bとの間に一体形成され、被駆動側ギヤ102bは出力軸46に相対回転自在に外嵌されている。
したがって、前述した、主変速装置41に2段のギヤ列を追加するためのスペース40は、低速ギヤ列102の駆動側ギヤ102aに対応する位置に設けられている。
なお、カウンタ軸45の、低速ギヤ列102の駆動側ギヤ102aと第3ギヤ列51の被駆動側ギヤ51bとの間には、ギヤを嵌合するためのスプラインが形成されている。
また、高速ギヤ列101の被駆動側ギヤ101bの後部側及び低速ギヤ列102の被駆動側ギヤ102bの前部側には、副変速用シフタ104に噛み合う噛合部105,106が設けられ、この噛合部105,106に副変速用シフタ104が噛み合っていない状態で非動力伝動状態とされ、この位置から副変速用シフタ104を軸心方向前方にスライドさせて、該副変速用シフタ104をスプラインボス103と高速ギヤ列101の被駆動側ギヤ101bの噛合部105とにわたって噛合させることにより、高速ギヤ列101、副変速用シフタ104、スプラインボス103を介してカウンタ軸45から出力軸46へと副変速の高速側動力を伝達する副変速装置42の高速状態となり、前記非動力伝動位置から副変速用シフタ104を軸心方向後方にスライドさせて、該副変速用シフタ104をスプラインボス103と低速ギヤ列102の被駆動側ギヤ102bの噛合部106とにわたって噛合させることにより、低速ギヤ列102、副変速用シフタ104、スプラインボス103を介してカウンタ軸45から出力軸46へと副変速の低速側動力を伝達する副変速装置42の低速状態となる。
また、低速ギヤ列102の被駆動側ギヤ102bの噛合部106は、副変速用シフタ104の軸方向長さよりも長く(又はほぼ同じ長さに)形成されており、副変速用シフタ104をスプラインボス103から外れた位置に位置させることができるように構成されており、この副変速用シフタ104がスプラインボス103から外れた位置が副変速装置42を高速状態又は低速状態のどちらにもしない位置であってクリープ変速装置を入り状態とするためのクリープ変速切換位置Cとされ、副変速用シフタ104を、その移動域の前端側位置から後方に向けて(軸心方向一方に向けて)移動させることにより、副変速装置42を高速状態とする高速位置Hと、副変速装置42を低速状態とする低速位置Lと、副変速装置42を高速状態又は低速状態のどちらにもしないクリープ変速切換位置Cとに副変速用シフタ104が位置変更自在とされている。
なお、副変速用シフタ104は、デテント機構によって、高速位置H、低速位置L、クリープ変速切換位置Cに保持可能とされている。また、高速位置Hと低速位置Lとの間の中立位置にも保持できるようにしてもよい。
低速ギヤ列102の後部には、クリープ変速装置へと動力を出力するクリープ出力ギヤ107が一体形成され、このクリープ出力ギヤ107の後方には、クリープ変速装置によって減速された動力を出力軸46に入力するクリープ最終ギヤ108が配置され、該クリープ最終ギヤ108は出力軸46に一体回転自在に外嵌されている。
また、このクリープ最終ギヤ108は、主変速装置41の第1速ギヤ列49と第2速ギヤ列50との間に設けられている。
また、前記第1主変速切換クラッチ55は、摩耗等を考えると、通常、入力軸44よりも回転の遅いカウンタ軸45側に設けるのがよいが、カウンタ軸45に設けると慣性量が大となってシンクロ量が大となり、また、減速比が大きいほどシンクロ量が大となるので、第1主変速切換クラッチ55が径方向に大きくなり、ギヤ径の大きなクリープ最終ギヤ108を主変速装置41の第1速ギヤ列49と第2速ギヤ列50との間に配置することができなくなり、主変速装置41、副変速装置42及びクリープ変速装置を伝動ケース5の一対の壁部25,47間に収納することができなくなる。
また、カウンタ軸45と出力軸46間の軸間距離は、他のギヤの制約を受け、大きくできない。
そこで、本実施の形態のように、主変速の第1速と第2速とを切り換える第1主変速切換クラッチ55を入力軸44に設けることにより、第1主変速切換クラッチ55が径方向にコンパクトになり、ギヤ径の大きいクリープ最終ギヤ108を、主変速装置41の第1速ギヤ列49と第2速ギヤ列50との間に配置することができ、主変速装置41、副変速装置42及びクリープ変速装置を伝動ケース5の一対の壁部25,47間に収納することができる。
図2に示すように、前記クリープ最終ギヤ108の後部側には、前輪動力取出ギヤ列109の駆動側ギヤ109aが一体形成され、該前輪動力取出ギヤ109の被駆動側ギヤ109bは前記前輪推進軸14に相対回転自在に外嵌されており、この前輪推進軸14上に前後方向摺動自在に設けられたクラッチ110の摺動操作によって、変速装置11を経た後の動力が前輪に断接自在に伝達可能とされている。
なお、前記クリープ変速装置の大部分は、前記開口部59を塞ぐカバーに組み付けられていて、該カバーをクラッチハウジング1に取り付けることにより、クリープ変速装置が副変速装置42と後輪差動装置13との間の動力伝達系統に係脱自在に介装可能とされており、このクリープ変速装置をカバーに組み付けた状態のクリープ変速有り仕様と、クリープ変速装置をカバーに組み付けない状態のクリープ変速なし仕様とに変速装置11を簡単に仕様変更できるように構成されている。
前記前輪動力取出ギヤ列109の駆動側ギヤ109aの後部側には、パーキングギヤ121が一体に形成されている。
図4〜図13において、パーキングギヤ121の近傍にパーキングポール122と連動部材123と押圧部材124とが設けられている。パーキングポール122は、ミッションケース3の前端壁47に内方突設した支軸127廻りに揺動自在に嵌合され、遊端側にパーキングギヤ121に噛み合う係合爪125を有している。パーキングポール122は、係合爪125がパーキングギヤ121に噛み合うロック位置Aと、係合爪125がパーキングギヤ121から外れるロック解除位置Bとに、揺動自在に支持され、支軸127に外嵌するように装着したコイルバネ132により、支軸127廻りのロック解除位置B側に付勢されている。
連動部材123は支持軸133廻りに揺動自在に支持されている。支持軸133は前端壁47に軸心廻りに回動自在に挿通保持され、連動部材123は、支持軸133に対して該支持軸133廻りに相対回動自在に外嵌保持されている。支持軸133の内端部に押圧部材124が一体に設けられている。従って、押圧部材124は連動部材123に対して支持軸133廻りに相対揺動自在に支持されている。連動部材123の支持軸133は、パーキングポール122の支軸127とパーキングギヤ121の軸方向とに平行に配置されている。
押圧部材124に支持軸体135が内方側に突設され、支持軸体135にカラーにより構成した円筒状の押圧体137が支持軸体135廻りに回転自在に外嵌保持されている。押圧体137は、パーキングポール122をロック位置Aに押圧するためのものであり、支持軸体135及び押圧体137は、連動部材123(押圧部材124)の支持軸133から偏心した位置に配置されており、連動部材123が後述するパーキングレバー161に連動して、支持軸133廻りに矢印a方向に揺動したとき、押圧体137がパーキングポール122をロック位置Aに押圧すると共に、連動部材123がパーキングレバー161に連動して矢印b方向に揺動したとき、押圧体137のパーキングポール122に対するロック位置Aへの押圧を解除するようになっている。
クラッチハウジング1の開口部59の縁部等に、連動軸140が軸心廻りに回動自在に挿通保持され、連動軸140の外端部にボス141を介して連動レバー142が固設され、連動軸140の内端部に連動杆143が固設されている。従って、連動レバー142と連動杆143とは一体となって連動軸140廻りに揺動可能となるように支持されている。
連動杆143の一端部は、連動部材123に突設した連結ピン145に嵌合孔146を介して外嵌され、これにより連動部材123は連動杆143に連結されている。連動レバー142は後述するパーキングレバー161にプッシュプルワイヤによって構成されたセレクトワイヤ等を介して連動連結されている。従って、連動部材123はパーキングレバー161に連結され、パーキングレバー161をパーキング位置Pに操作したとき、連動部材123はパーキングレバー161に連動して支持軸133廻りに矢印a方向に揺動して、第1揺動位置A1に揺動され、パーキングレバー161をニュートラル位置Nに操作したとき、連動部材123はパーキングレバー161に連動して支持軸133廻りに矢印b方向に揺動して、第2揺動位置B1に揺動されるように構成されている。
支持軸133に外嵌するようにコイルバネ148が設けられ、コイルバネ148の一端部は連動部材123に突設した受けピン149に引っ掛けられ、コイルバネ148の他端部は押圧部材124に引っ掛けられており、コイルバネ148は、押圧体137がパーキングポール122をロック位置Aに押圧する方向に、押圧部材124を連動部材123に対して付勢している。連動部材123にピンにより構成したストッパー150が突設され、このストッパー150に押圧部材124が接当することにより、コイルバネ148の付勢に抗して、押圧部材124の連動部材123に対する支持軸133廻りの相対揺動を規制するようになっている。
而して、上記の如く押圧部材124は連動部材123に対して相対揺動可能とされ、かつ、押圧部材124をコイルバネ148で付勢していることによって、パーキングレバー161をパーキング位置Pに操作したときに、パーキングポール122がロック位置Aに向けて待機可能となるように構成されている。即ち、押圧体137でパーキングポール122をロック位置Aに押圧したときに、パーキングポール122の係合爪125がパーキングギヤ121の谷と噛み合わずにパーキングギヤ121の山に係合爪125が接当するようなタイミングになると、この接当状態でパーキングポール122が待機して、その後にパーキングギヤ121が少し動いて係合爪125がパーキングギヤ121に噛み合う位置に来たときに、係合爪125がパーキングギヤ121に噛み合ってロックする待ち機能を持つように構成されている。
そして、図9に示すように、前記押圧体137がパーキングポール122をロック位置Aに押圧するときに、支持軸133に直交する面内において、支持軸133の軸心と、係合爪125がパーキングギヤ121に噛み合う位置と、押圧体137がパーキングポール122に押圧接当する接当位置とが、該接当位置を中間にして、略直線上に並ぶように設定されている。これにより、パーキングギヤ121からパーキングポール122がロック解除位置Bの方向に強い力を受けても、押圧部材124で突っ張って不測にパーキングギヤ121のロックが外れるのを防止できるようになっている。
図14〜図17において、トラクタの後輪フェンダの内側等に、パーキングレバー161と主変速レバー162とが並設して設けられている。パーキングレバー161は、レバー杆163と二股状の支持基部164とを有している。主変速レバー162は、レバー杆165と二股状の支持基部166とを有している。
パーキングレバー161の支持基部164は、レバー接離方向(レバー161,162同士が接離する方向)の第1支持軸167廻りに揺動自在に支持されると共に、レバー接離方向に揺動可能となるように第1支持軸167に直交する第2支持軸168廻りに揺動自在に支持されている。図17に示すように、パーキングレバー161の前記第1支持軸167廻りの揺動の一方側がパーキング位置Pとされ、他方側がニュートラル位置Nとされている。
パーキングレバー161の中途部に対応して、パーキングレバー161を案内する案内部材170が設けられ、案内部材170にはパーキングレバー161を案内する案内溝171が設けられ、案内溝171の中央部に係止突部172が設けられている。パーキングレバー161のレバー杆163に、案内部材170の係止突部172に係脱自在に係合する係合片175がボルト等により取付られている。パーキングレバー161のレバー杆163は、後述するバネ179により後述する牽制部材176及び押圧部181を介して、図17に示す矢印d方向に付勢されると共に、図示省略のバネにより前記連動レバー142等を介して図17に示す矢印e方向に付勢されており、案内部材170における案内溝171の矢印e方向側がニュートラル位置Nとされ、係合片175が係止突部172に係合する位置が、パーキング位置Pとされている。従って、案内部材170の係止突部172を含む案内溝171の形状により、パーキングレバー161を、その支持基部164先端側(下端側)が主変速レバー162側に移動するようにレバー接離方向に揺動させた後に第1支持軸167廻りに揺動させることにより、パーキングレバー161の位置切り換え操作がなされるように構成されている。
主変速レバー162の支持基部166は、レバー接離方向の第1支持軸173廻りに揺動自在に支持されると共に、レバー接離方向に揺動可能となるように第1支持軸173に直交する第2支持軸174廻りに揺動自在に支持されている。主変速レバー162の第1支持軸173廻りの揺動の中間部がニュートラル位置Nとされ、両端側が変速位置D(D1,D2,D3,D4)とされている。即ち、図19に示すように、ニュートラル位置Nの両側に、第1速位置D1と第2速位置D2と第3速位置D3と第4速位置D4とが設けられている。
なお、図例では、パーキングレバー161の第1支持軸167と、主変速レバー162の第1支持軸173とは、同一の軸部材により構成されているが、これに代え、パーキングレバー161の第1支持軸167と、主変速レバー162の第1支持軸173とを、互いに異なる軸部材で構成するようにしてもよい。
主変速レバー162は、プッシュプルワイヤ等によって構成されたセレクトワイヤやリンク機構等を介して、上記の如くカバー60に設けた操作機構72に連動連結されており、これにより、主変速レバー162をニュートラル位置Nに操作すると、図1に示す主変速装置41において、噛合部49c〜52cに第1,第2の主変速用シフタ55b,56bが噛み合っていない状態(中立状態)になり、主変速レバー162を第1速位置D1に操作すると、第1の主変速用シフタ55bを、第1速のギヤ列49の駆動側ギヤ49aの噛合部49cとカップリング55aとにわたって噛み合わせた状態(第1速状態)になり、主変速レバー162を第2速位置D2に操作すると、第1の主変速用シフタ55bを、第2速のギヤ列50の駆動側ギヤ50aの噛合部50cとカップリング55aとにわたって噛み合わせた状態(第2速状態)になるように構成されている。また、主変速レバー162を第3速位置D3に操作すると、第2の主変速用シフタ56bを、第3速のギヤ列51の駆動側ギヤ51aの噛合部51cとカップリング56aとにわたって噛み合わせた状態(第3速状態)になり、主変速レバー162を第4速位置D4に操作すると、第2の主変速用シフタ56bを、第4速のギヤ列52の駆動側ギヤ52aの噛合部52cとカップリング56aとにわたって噛み合わせた状態(第4速状態)になるように構成されている。
パーキングレバー161と主変速レバー162との間に牽制部材176が設けられている。牽制部材176は板状に形成されて、支持筒177を介して支軸178廻りに揺動自在に支持され、これにより、牽制部材176は、レバー接離方向に移動自在とされている。また、牽制部材176は、バネ179によりレバー接離方向におけるパーキングレバー161側に付勢されている。
パーキングレバー161の支持基部164の先端側に牽制部材176を主変速レバー162側に押圧する押圧部181が設けられ、主変速レバー162の支持基部166は、上記の如く二股状に形成されることにより、レバー接離方向から牽制部材176が嵌合可能な嵌合孔部182を有するものとされている。
そして、主変速レバー162が変速位置Dにあるとき、パーキングレバー161の位置切り換え操作を不能にすべく、牽制部材176がパーキングレバー161と主変速レバー162との間に介在されるように構成されている。また、パーキングレバー161がパーキング位置Pにあるときに、主変速レバー162のニュートラル位置Nから変速位置Dへの切り換え操作が不能になるように、牽制部材176がパーキングレバー161に押されて主変速レバー162に係合するように構成されている。
即ち、主変速レバー162を変速位置Dに操作すれば、牽制部材176に対して主変速レバー162の支持基部166が第1支持軸173廻りの揺動方向にずれて、牽制部材176が支持基部166の嵌合孔部182に嵌合不能になると共に、パーキングレバー161の押圧部181と主変速レバー162の支持基部166との間に牽制部材176が介在されて、パーキングレバー161がニュートラル位置Nから位置切り換え操作不能になるように、牽制部材176と支持基部166と押圧部181との位置関係が設定されている。つまり、パーキングレバー161を、その支持基部164先端側が主変速レバー162側に移動するようにレバー接離方向に揺動させて、パーキングレバー161の位置切り換え操作をしようとすれば、押圧部181が牽制部材176を主変速レバー162側に押圧することにより、牽制部材176が主変速レバー162の支持基部166に接当するため、パーキングレバー161がニュートラル位置Nから位置切り換え操作不能になる。
また、主変速レバー162をニュートラル位置Nに操作すれば、牽制部材176に対し主変速レバー162の支持基部166がレバー接離方向に対応して、パーキングレバー161がニュートラル位置Nから位置切り換え操作可能になるように、牽制部材176と支持基部166と押圧部181との位置関係が設定されている。つまり、パーキングレバー161を、その支持基部164先端側が主変速レバー162側に移動するようにレバー接離方向に揺動させて、パーキングレバー161の位置切り換え操作をすれば、押圧部181が牽制部材176を主変速レバー162側に押圧することにより、牽制部材176が主変速レバー162の支持基部166に押圧接当することなく、嵌合孔部182に嵌合するため、パーキングレバー161がニュートラル位置Nから位置切り換え操作可能になる。
また、図18に鎖線で示すように、パーキングレバー161をパーキング位置Pに操作すれば、パーキングレバー161の押圧部181が牽制部材176を押圧して、主変速レバー162のニュートラル位置Nから変速位置Dへの切り換え操作を不能にすべく、牽制部材176をニュートラル位置Nにある主変速レバー162の支持基部166の嵌合孔部182に嵌合させるように、パーキングレバー161のパーキング位置Pが設定されている。
また、図18に実線で示すように、パーキングレバー161をニュートラル位置Nに操作すれば、パーキングレバー161の押圧部181が、パーキング位置Pにあるときのパーキングレバー161の押圧部181よりも、レバー接離方向のパーキングレバー161側に移動し、牽制部材176が、主変速レバー162の支持基部166からレバー接離方向のパーキングレバー161側に外れて、主変速レバー162がニュートラル位置Nから変速位置Dに操作可能になるように、パーキングレバー161のニュートラル位置Nが設定されている。
前記実施の形態によれば、トラクタを駐車する場合、主変速レバー162をニュートラル位置Nに操作した後、パーキングレバー161をパーキング位置Pに操作すればよい。この場合、主変速レバー162のニュートラル位置Nへの操作により、主変速装置41が中立状態になると共に、牽制部材176に対し主変速レバー162の支持基部166がレバー接離方向に対応して、パーキングレバー161のパーキング位置Pへの操作が可能になる。
そして、その後のパーキングレバー161のパーキング位置Pへの操作により、図18に鎖線で示す如くパーキングレバー161の押圧部181が牽制部材176を押圧して、牽制部材176をニュートラル位置Nにある主変速レバー162の支持基部166の嵌合孔部182に嵌合させ、主変速レバー162のニュートラル位置Nから変速位置Dへの切り換え操作を不能にする。
また、このとき、パーキングギヤ121とパーキングポール122の係合爪125が噛み合う場合、パーキングレバー161、連動部材123、押圧部材124、パーキングポール122は、図6〜図9に示す順序で動作する。即ち、連動部材123は、図6に示す如く第2揺動位置B1に揺動した状態から、パーキングレバー161に連動して支持軸133廻りに矢印a方向に揺動して、図7及び図8に示す揺動動作を経て、図9に示す第1揺動位置A1に揺動される。このため、押圧部材124はコイルバネ148の付勢により、連動部材123に連動して支持軸133廻りに矢印a方向に揺動し、押圧体137がパーキングポール122をロック位置Aに押圧し、パーキングポール122の係合爪125がパーキングギヤ121と噛み合って、パーキングギヤ121を回転不能にロックする。このロック状態のとき、図9に示すように、支持軸133の軸心と、係合爪125がパーキングギヤ121に噛み合う位置と、押圧体137がパーキングポール122に押圧接当する接当位置とが、該接当位置を中間にして、略直線上に並ぶ。
他方、パーキングギヤ121とパーキングポール122の係合爪125が噛み合わない場合、パーキングレバー161、連動部材123、押圧部材124、パーキングポール122は、図10〜図13に示す順序で動作する。即ち、押圧体137でパーキングポール122をロック位置Aに押圧したときに、パーキングポール122の係合爪125がパーキングギヤ121の谷と噛み合わずにパーキングギヤ121の山に係合爪125が接当するようなタイミングになると、図11〜図13に示すように、パーキングギヤ121の山に係合爪125が接当した状態で、パーキングポール122が待機して、その後にパーキングギヤ121が少し動いて係合爪125がパーキングギヤ121に噛み合う位置に来たときに、係合爪125がキングパーキングギヤ121に噛み合ってロックする。
従って、パーキングレバー161のパーキング位置Pにあるとき、主変速レバー162はニュートラル位置Nから変速位置Dへの切り換え操作ができなくなるため、パーキングポール122の係合爪125がパーキングギヤ121と噛み合って、パーキングギヤ121が回転不能にロックされた状態(パーキングブレーキがかかった状態)では、主変速レバー162を変速位置Dに切り換えることができなくなり、パーキングブレーキをかけたままで走行するのを未然に防ぐことができる。
次に、トラクタを駐車した状態から走行させる場合、パーキングレバー161をパーキング位置Pからニュートラル位置Nに操作した後、主変速レバー162をニュートラル位置Nから変速位置Dに操作すればよい。この場合、パーキングレバー161のニュートラル位置Nへの操作により、図18に実線で示す如くパーキングレバー161の押圧部181が、パーキング位置Pにあるときのパーキングレバー161の押圧部181よりも、レバー接離方向のパーキングレバー161側に移動して、牽制部材176が、主変速レバー162の支持基部166からレバー接離方向のパーキングレバー161側に外れて、主変速レバー162がニュートラル位置Nから変速位置Dに操作可能になる。
また、このとき、連動部材123は、図9に示す如く第1揺動位置A1に揺動した状態から、パーキングレバー161に連動して支持軸133廻りに矢印b方向に揺動して、図8及び図7に示す揺動動作を経て、図6に示す第2揺動位置B1に揺動される。その結果、押圧体137のパーキングポール122に対するロック位置Aへの押圧が解除され、パーキングポール122がコイルバネ132の付勢によりロック解除位置Bに揺動して、パーキングポール122の係合爪125がパーキングギヤ121から外れ、パーキングギヤ121のロックが解除される。
そして、その後の主変速レバー162の変速位置Dへの操作により、牽制部材176に対して主変速レバー162の支持基部166が第1支持軸173廻りの揺動方向にずれて、牽制部材176が支持基部166の嵌合孔部182に嵌合不能になると共に、パーキングレバー161の押圧部181と主変速レバー162の支持基部166との間に牽制部材176が介在されて、パーキングレバー161がニュートラル位置Nから位置切り換え操作不能になる。
また、このとき、主変速レバー162の第1速位置D1への操作により、第1の主変速用シフタ55bを、第1速のギヤ列49の駆動側ギヤ49aの噛合部49cとカップリング55aとにわたって噛み合わせた状態(第1速状態)になり、主変速レバー162の第2速位置D2への操作により、第1の主変速用シフタ55bを、第2速のギヤ列50の駆動側ギヤ50aの噛合部50cとカップリング55aとにわたって噛み合わせた状態(第2速状態)になる。また、主変速レバー162の第3速位置D3への操作により、第2の主変速用シフタ56bを、第3速のギヤ列51の駆動側ギヤ51aの噛合部51cとカップリング56aとにわたって噛み合わせた状態(第3速状態)になり、主変速レバー162の第4速位置D4への操作により、第2の主変速用シフタ56bを、第4速のギヤ列52の駆動側ギヤ52aの噛合部52cとカップリング56aとにわたって噛み合わせた状態(第4速状態)になる。
従って、主変速レバー162が変速位置Dにあるとき、パーキングレバー161がニュートラル位置Nからパーキング位置Pへ位置切り換え操作不能になるため、トラクタの走行中等にパーキングレバー161がパーキング位置Pに誤って切り換わるのを未然に防止することができる。
而して、従来(例えば、特開2003−276580号、特開2000−291794号)のような長いロッドに代えて支持軸133廻りに揺動する連動部材123を使用することができ、また、従来のロッドに外嵌装着したカムに代えて、支持軸133から偏心した押圧体137を使用することができるため、従来のように長いロッドを長手方向に移動させるためのスペースが不要になり、また、ロッドに外嵌装着したカムを設ける必要もなくなり、ギヤ式パーキング機構の全体を小さなスペースに設置できるようになる。
また、パーキングポール122は、支軸127廻りに揺動自在に支持され、前記連動部材123の支持軸133は、パーキングポール122の支軸127とパーキングギヤ121の軸方向とに平行に配置されているので、パーキングポール122、連動部材123及びパーキングギヤ12を互いに平行な平面内で揺動乃至回転するように配置するすることができて、これらを狭いスペース内にコンパクトに配置することが可能になる。
また、パーキングレバー161と変速レバー162とが並設して設けられ、パーキングレバー161とパーキングレバー161との間に牽制部材176が設けられ、変速レバー162が変速位置Dにあるとき、前記パーキングレバー161の位置切り換え操作を不能にすべく、牽制部材176がパーキングレバー161と変速レバー162との間に介在され、パーキングレバー161がパーキング位置Pにあるときに、変速レバー162のニュートラル位置Nから変速位置Dへの切り換え操作が不能になるように、牽制部材176が変速レバー162に押されて変速レバー162に係合するように構成されているので、並設して設けたパーキングレバー161と変速レバー162との間に牽制部材176を設ければよく、従来(例えば、特開平11−115527号)のような長いレバー基部が不要で、また、大きな形状のカムも不要になり、パーキングブレーキをかけたまま走行したり、走行しているとき等に誤ってパーキングブレーキをかけるたりするおそれがなく、しかも、小さなスペースにパーキングレバー及び変速レバーをコンパクトに設置することができる。
なお、前記実施の形態では、パーキングレバー161と主変速レバー162とが並設して設けられ、パーキングレバー161と主変速レバー162との間に牽制部材176が設けられ、パーキングレバー161と主変速レバー162との互いの切り換え操作を牽制するようにしているが、これに代え、パーキングレバー161と、副変速レバー又はクリープ変速レバーとを並設し、これらのレバー間に、牽制部材176を設け、パーキングレバー161と、副変速レバー又はクリープ変速レバーとの互いの切り換え操作を牽制するように構成してもよい。
本発明の一実施形態を示す変速装置の側面断面図である。 同動力伝達装置の前部の側面断面図である。 同動力伝達装置の後部の側面断面図である。 同クラッチハウジングの背面断面図である。 同クラッチハウジングの平面断面図である。 同ギヤが噛み合う場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同ギヤが噛み合う場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同ギヤが噛み合う場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同ギヤが噛み合う場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同ギヤが噛み合わない場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同ギヤが噛み合わない場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同ギヤが噛み合わない場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同ギヤが噛み合わない場合のパーキングギヤのロック動作を示すパーキング機構部分の背面図である。 同レバー装置部分の背面図である。 同主変速レバー部分の側面図である。 同パーキングレバー部分の側面図である。 同案内部材部分の平面図である。 同レバーの揺動動作を示すレバー装置部分の背面図である。 同主変速レバー上部側のニュートラル位置及び変速位置を示す概略図である。
符号の説明
121 パーキングギヤ
122 パーキングポール
123 連動部材
124 押圧部材
125 係合爪
127 支軸
132 コイルバネ
133 支持軸
137 押圧体
148 コイルバネ
150 ストッパー
161 パーキングレバー
162 主変速レバー
164 支持基部
166 支持基部
167 第1支持軸
170 案内部材
173 第1支持軸
176 牽制部材
179 バネ
181 押圧部
182 嵌合孔部

Claims (4)

  1. パーキングギヤ(121)と、パーキングギヤ(121)に噛み合う係合爪(125)を有するパーキングポール(122)とを備え、パーキングポール(122)は、係合爪(125)がパーキングギヤ(121)に噛み合うロック位置(A)と、係合爪(125)がパーキングギヤ(121)から外れるロック解除位置(B)とに、支軸(127)廻りに揺動自在に支持され、パーキングレバー(161)をパーキング位置(P)に操作したときに、パーキングポール(122)をロック位置(A)に押圧するようにしたギヤ式パーキング機構において、
    支持軸(133)廻りに揺動自在に支持された連動部材(123)が設けられ、連動部材(123)に連動して支持軸(133)廻りに動く押圧部材(124)が設けられ、パーキングポール(122)を押圧するための押圧体(137)が押圧部材(124)に設けられ、パーキングレバー(161)をパーキング位置(P)に操作したときに、押圧体(137)がパーキングポール(122)をロック位置(A)に押圧すると共に、パーキングレバー(161)をパーキング位置(P)から外すべく操作したときに、押圧体(137)のパーキングポール(122)に対するロック位置(A)への押圧を解除するように、押圧体(137)が押圧部材(124)の支持軸(133)から偏心した位置に配置され、
    前記パーキングポール(122)の支軸(127)は、ミッションケース(3)の前端壁(47)に内方突設され、連動部材(123)の支持軸(133)はミッションケース(3)の前端壁(47)に軸心廻りに回動自在に挿通保持され、連動部材(123)は、支持軸(133)に対して該支持軸(133)廻りに相対回動自在に保持され、支持軸(133)の内端部に押圧部材(124)が設けられ、前記押圧部材(124)と連動部材(123)とは板状に形成されて互いに重合され、
    前記ミッションケース(3)の前端壁(47)と連動部材(123)との間に、コイルバネ(148)が支持軸(133)に外嵌して設けられ、コイルバネ(148)の一端部は連動部材(123)に連結され、コイルバネ(148)の他端部は押圧部材(124)に連結されていて、押圧体(137)がパーキングポール(122)をロック位置(A)に押圧する方向に押圧部材(124)を付勢しており、
    連動部材(123)の支持軸(133)からパーキングギヤ(121)とは反対側に離間した位置に、連動軸(140)が軸心廻りに回動自在に保持され、連動軸(140)の外端部に連動レバー(142)が固設され、連動軸(140)の内端部に連動杆(143)が固設され、連動部材(123)は連動杆(143)に連結され、連動レバー(142)はパーキングレバー(161)に連結されていることを特徴とするギヤ式パーキング機構。
  2. パーキングレバー(161)をパーキング位置(P)に操作したときに、パーキングポール(122)がロック位置(A)に向けて待機可能となるように、押圧部材(124)は連動部材(123)に対して支持軸(133)廻りに相対揺動可能とされ、押圧部材(124)の連動部材(123)に対する支持軸(133)廻りの相対揺動を規制するストッパー(150)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のギヤ式パーキング機構。
  3. 前記押圧体(137)がパーキングポール(122)をロック位置(A)に押圧するときに、支持軸(133)に直交する面内において、支持軸(133)の軸心と、係合爪(125)がパーキングギヤ(121)に噛み合う位置と、押圧体(137)がパーキングポール(122)に押圧接当する接当位置とが、該接当位置を中間にして、略直線上に並ぶように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のギヤ式パーキング機構。
  4. 前記パーキングポール(122)は、支軸(127)廻りに揺動自在に支持され、前記連動部材(123)の支持軸(133)は、パーキングポール(122)の支軸(127)とパーキングギヤ(121)の軸方向とに平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のギヤ式パーキング機構。
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