JP4441596B2 - 排水継手 - Google Patents
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Description
図9の排水配管は、以下に記載する槽体に取り付けられ、継手本体、固定用ナット、パッキン等から成る排水継手と、トラップ部等を有する配管部分と、から構成される。
槽体は、底部に取着孔を備えてなり、流し台等の排水機器に備えられる。
継手本体は、ステンレスなどの金属材から成り、上部に排水口、底部に排出口として機能する開口を備え、上部の開口周縁には外方に突設するフランジ部、を設けて構成される。更に該継手本体は、フランジ部の下方に、円周に沿って樹脂材からなる雄螺子部を備えて成る。
固定用ナットは、断面視逆L字状の環状体であって、内周に継手本体の雄螺子部の雄螺子と螺合する雌螺子部を有する。
パッキンは、前記フランジ部と槽体の排水口の間に配置される部材であって、前記フランジ部と槽体の間を水密に当接させるために配置される。
配管部分は、排出管からの排水を、下水側に排出するための複数の管体を組み合わせた部材であって、その流路中に、排水トラップ部と呼ばれる、下水から害虫や臭気が室内側へと逆流しないように、その内部に封水を備える部分を形成して成る。
槽体の取着孔周縁上面に、パッキンを介して継手本体のフランジ部を当接させた上で、槽体の裏面から、固定用ナットの雌螺子部を、継手本体の雄螺子部に螺合させる。その後、排出口に配管部分を接続し、更に配管部分の下流側端部を床下の下水側配管に接続して、排水配管の接続が完了する。
また、上記実施例では継手本体のうち、金属で構成するのが困難な雄螺子部分などを、樹脂材としたが、強度等を優先して、雄螺子部を全てを金属製とすることも可能である。
上記の排水継手の場合、継手本体は金属によって構成されているため、比熱が(水などと比較すれば)小さく、温度が急激に変化し易い。排水継手を採用した排水装置は槽体等の排水を処理するものであるが、その排水の温度については、常温、熱湯、冷水等、およそ0度から100度、時には高温の油のように100度を超える高温が流される場合がある。そのため、冷水などを流された場合、周囲の空気を急激に冷やして空気中の水分をその表面に結露させる。
また、高温の液体を流された場合等も、瞬間的に高温と成り、周囲の空気を暖め、その後室温まで急激に冷やされる。結果継手本体の表面に結露が発生する。
また、冬場などで単純に室温が0度近くになった場合にも、比熱の最も小さい金属表面が最も良く冷やされるため、その表面に結露を発生させる。
上記のようにして生じた結露は、最終的には床面等に落下する場合がほとんどであるが、結露が落下すると床面のシミや汚れの原因となり、またカビの原因となる場合がある。
また、これら槽体は通常洗面台や流し台として、キャビネット上に施工される場合が多く、結露はキャビネット内に落下して、キャビネット内の汚染の原因となる。
段落0007に記載した従来の排水継手の場合、これらの端部については、可能な限り樹脂部材の形状を工夫し、金属部材の端部が樹脂部材に被覆されるように構成するが、金属部材及び樹脂部材のそれぞれの製造方法の特性によって、又は金属部材を樹脂部材の開口に挿通する関係から、金属部材の端部を樹脂部材が被覆できず、鋭利点/辺が露出してしまう形状/状態となる場合がある。特に、開口として排水口と排出口を備えた排水継手において、排水口と排出口の角度を90度程度に配置した場合、鋭利点/辺が露出してしまう形状/状態となる場合が多かった。
更に、樹脂部材の開口の一つから金属部材を相通する関係上、挿通する開口に対してアンダーカットとなる部分については、金属部材を樹脂部材に密着させることができなかった。このため、金属部材をアンダーカットとなる部分の端部にて終了させることで対応するしかなく、金属部材を継手本体の内周全体に設けることができなかった。特に、開口として排水口と排出口を備えた排水継手において、排水口と排出口の角度を90度程度に配置した場合、排水の流路の曲がり部分において必ずこのアンダーカット部分が発生していた。
本発明の排水継手は上記問題点を解決するためのものであって、上記複数の開口部分を有する排水継手において、金属部材を挿通する開口に対しアンダーカットとなる部分おいても、結露等を生じる事無く金属部材を設けることを可能とする排水継手を提供するものである。
1.本発明の排水継手は、金属部材を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材との端部を被覆する当接部材を挿通する事によって、排水継手の使用時の安全性を高めることが可能となった。
2.本発明の排水継手は、金属部材を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材と金属部材との隙間を埋める当接部材を挿通する事によって、形状のデザインについて、デザインの自由度を増しつつ、金属部材と樹脂部材とを密着させることが可能となった。
3.本発明の排水継手は、金属部材を一方の開口から挿入すると共に、該開口に対してアンダーカットとなる部分に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材と金属部材との隙間を埋める当接部材を挿通する事によって、金属部材を挿通する開口に対してアンダーカットとなる部分にも、鋭利点/辺や、結露等生じることなく金属部材を設けることができる。
4.上記排水継手の効果は、特に開口部として上面に排水口を、側面に排出口をそれぞれ備えた排水継手において特に効果的に機能する。
また、複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する樹脂から成る樹脂部材(2)と、継手本体(1)内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、から成る排水継手において、金属部材(3)を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)に当接するように配置される当接部材(4)を挿通して固定する。
このように構成することで、形状のデザインについて、デザインの自由度を増しつつ、金属部材(3)と樹脂部材(2)とを密着させることが可能となった。
また、上記当接部材(4)を、金属部材(3)を挿通する開口に対してアンダーカット(U)部分に配置されると、金属部材(3)を相通する開口に対してアンダーカット(U)となる部分にも、結露等生じることなく金属部材(3)を設けることができ好適である。
上記排水継手の継手本体(1)に、金属部材(3)を相通する開口に対してアンダーカット(U)となる部分が生じる場合として、最も頻度の多いものの1つは、排水継手において、上面に排水口(5)を、側面に排出口(6)をそれぞれ備える場合であるが、この場合も、排水口(5)から金属部材(3)を挿通し、
排出口(6)より当接部材(4)を挿通することで金属部材(3)と樹脂部材(2)とを密着させることが可能となった。
槽体(S)は、底部に取着孔を備えてなり、排水機器である流し台に備えられる。
継手本体(1)は、下記の樹脂部材(2)及び金属部材(3)と、から成る。
樹脂部材(2)は、上面に排水口(5)、側面に排出口(6)として機能する開口をそれぞれ備え、内部に排水の流路を有して成り、更に排水口(5)の周縁に沿って外方向に突出するようにしてフランジ部(10)を備えると共に、フランジ部(10)の下方に、周縁に沿って雄螺子部(11)を備えて成る。
金属部材(3)は、継手本体(1)内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた部材であって、本発明では0.5ミリメートル厚のステンレスの加工品が用いられている。また、金属部材(3)の、排出口(6)を形成する部分は、排水口(5)を形成する部分から見て横方向(施工時水平となる方向)に屈曲されている。
この金属部材は、厚さ0.5ミリメートル程度の金属板をプレス型にて押圧変形させ、その後適宜パンチング加工と呼ばれる打ち抜き加工を施して、必要な部分に排水口(5)や排出口(6)の開口を設けており、結果開口の周囲に鋭利点/辺(3a)が発生している。
また排出口(6)の周縁は排水口(5)に対して側面方向に開口しており、結果、この側面の開口部分が排水口(5)にから見てアンダーカット(U)となる部分を形成する。尚、本発明でいう「任意の開口に対するアンダーカット(U)となる部分」とは、「任意の開口から、取出/挿通の方向を変更することなく取出したり挿通したりすることのできない部分」を示す。
当接部材(4)は、略円筒形状の樹脂材からなる部材であって、排出口(6)より挿通され、排水口(5)から見てアンダーカット(U)となる、金属部材(3)の排出口(5) の開口周縁を被覆するようにして配置固定される(固定の方法については、特に方法を限定するものではなく、接着など、様々な方法が適宜採用される)。
固定用ナット(7)は、断面視逆L字状の環状体であって、内周に継手本体(1)の雄螺子部(11)の雄螺子と螺合する雌螺子部(12)を有する。
パッキン(P)は、前記フランジ部(10)と槽体(S)の排水口(5)の間に配置される部材であって、前記フランジ部(10)と槽体(S)取着孔周縁上面との間を水密に当接させるために配置される。
配管部分(8)は、排水継手からの排水を、下水側に排出するための複数の管体を組み合わせた部材であって、その流路中に、排水トラップ部(9)と呼ばれる、下水から害虫や臭気が室内側へと逆流しないように、その内部に封水を備える部分を形成して成る。
まず工場等、生産現場における加工として、樹脂部材(2)の排水口(5)から金属部材(3)を相通し、継手本体(1)の内周面に金属部材(3)外面を当接させ、フランジ部(10)の周囲の金属部材(3)をカシメ加工し、金属部材(3)を樹脂部材(2)に固定させる。更に、排出口(6)から、当接部材(4)を挿通して配置固定し、金属部材(3)の端部の鋭利点/辺(3a)に埋込樹脂部材(4)を被覆させ、これら樹脂部材(2)、金属部材(3)、当接部材(4)の組み合わせたものを継手本体(1)とする。
上記加工した継手本体(1)を、固定用ナット(7)、パッキン(P)等の他の部材と共に施工現場に搬入する。
槽体(S)の取着孔周縁上面に、パッキン(P)を介して継手本体(1)のフランジ部(10)を当接させた上で、槽体(S)の裏面から、固定用ナット(7)の雌螺子部(12)を、継手本体(1)の雄螺子部(11)に螺合させる。その後、排出口(6)に配管部分(8)を接続し、更に配管部分(8)の下流側端部を床下の下水側配管に接続して、排水配管の接続が完了する。
また、雄螺子部(11)分などを合成樹脂製としたことで、雄螺子部(11)分を金属製とした継手本体(1)よりも安価で製造し易く、また継手本体(1)内を金属製としながら、結露の生じない構成とすることができる。
槽体(S)は、底部に取着孔を備えてなり、排水機器である流し台に備えられる。
継手本体(1)は、下記の樹脂部材(2)及び金属部材(3)と、から成る。
樹脂部材(2)は、上面に排水口(5)、側面に排出口(6)として機能する開口をそれぞれ備え、内部に排水の流路を有して成り、更に排水口(5)の周縁に沿って外方向に突出するようにしてフランジ部(10)を備えると共に、フランジ部(10)の下方に、周縁に沿って雄螺子部(11)を備えて成る。
金属部材(3)は、継手本体(1)内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた部材であって、本発明では0.5ミリメートル厚のステンレスの加工品が用いられている。また、金属部材(3)の、排出口(6)を形成する部分は、排水口(5)を形成する部分から見て横方向(施工時水平となる方向)に屈曲されており、図3にあるように、この屈曲部分に、排水口(5)から見てアンダーカット(U)となる部分を形成する。尚、本発明でいう「任意の開口に対するアンダーカット(U)となる部分」とは、「任意の開口から、取出/挿通の方向を変更することなく取出したり挿通したりすることのできない部分」を示す。
当接部材(4)は、略円筒形状の樹脂材からなる部材であって、排出口(6)より挿通され、排水口(5)から見てアンダーカット(U)となる部分であって、更に樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、前述の樹脂部材’2)が金属部材(3)に当接していない金属部材(3)に当接するように配置される当接部材(4)を挿通して配置固定される(固定の方法については、特に方法を限定するものではなく、接着など、様々な方法が適宜採用される)。
固定用ナット(7)は、断面視逆L字状の環状体であって、内周に継手本体(1)の雄螺子部(11)の雄螺子と螺合する雌螺子部(12)を有する。
パッキン(P)は、前記フランジ部(10)と槽体(S)の排水口(5)の間に配置される部材であって、前記フランジ部(10)と槽体(S)取着孔周縁上面との間を水密に当接させるために配置される。
配管部分(8)は、排水継手からの排水を、下水側に排出するための複数の管体を組み合わせた部材であって、その流路中に、排水トラップ部(9)と呼ばれる、下水から害虫や臭気が室内側へと逆流しないように、その内部に封水を備える部分を形成して成る。
まず工場等、生産現場における加工として、樹脂部材(2)の排水口(5)から金属部材(3)を相通し、継手本体(1)の内周面に金属部材(3)外面を当接させ、フランジ部(10)の周囲の金属部材(3)をカシメ加工し、金属部材(3)を樹脂部材(2)に固定させる。更に、排出口(6)から、樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)に当接するように当接部材(4)を挿通して配置固定し、継手本体(1)とする。このとき、当接部材(4)は鋭利点/辺(3a)とも当接してその表面を被覆し、鋭利点/辺(3a)によって使用者が怪我などすることが無いように機能する。
上記加工した継手本体(1)を、固定用ナット(7)、パッキン(P)等の他の部材と共に施工現場に搬入する。
槽体(S)の取着孔周縁上面に、パッキン(P)を介して継手本体(1)のフランジ部(10)を当接させた上で、槽体(S)の裏面から、固定用ナット(7)の雌螺子部(12)を、継手本体(1)の雄螺子部(11)に螺合させる。その後、排出口(6)に配管部分(8)を接続し、更に配管部分(8)の下流側端部を床下の下水側配管に接続して、排水配管の接続が完了する。
また、雄螺子部(11)分などを合成樹脂製としたことで、雄螺子部(11)分を金属製とした継手本体(1)よりも安価で製造し易く、また継手本体(1)内を金属製としながら、結露の生じない構成とすることができる。
例えば、上記実施例では継手本体(1)の排出口(6)を水平方向に形成しているが、図7乃至図8に示した実施例のように、垂直方向に排出口(6)を形成しても良い。この図7及び図8の実施例の場合、金属部材(3)の端部の鋭利点/辺(3a)で使用者が怪我などを負うことがないように、当接部材(4)によって、鋭利点/辺(3a)を被覆しているのは第一実施例と同様であるが、確実性を向上させるため、金属部材(3)の端部を屈曲させて端部を樹脂部材(2)と当接部材(3)の間に挟み込み、完全に露出しないような構成となっている。
2 樹脂部材
3 金属部材
3a 鋭利点/辺
4 当接部材
5 排水口
6 排出口
7 固定用ナット
8 配管部分
9 排水トラップ部
10 フランジ部
11 雄螺子部
12 雌螺子部
P パッキン
S 槽体
U アンダーカットの部分
Claims (4)
- 複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する、樹脂材からなる樹脂部材(2)と、
少なくともその一部が樹脂部材の内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、
から成る排水継手において、
金属部材(3)を一つの開口から挿入すると共に、
他の開口の少なくとも一つから、金属部材(3)の端部を被覆する当接部材(4)を挿通して固定することを特徴とする排水継手。 - 複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する、樹脂材からなる樹脂部材(2)と、
少なくともその一部が樹脂部材の内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、
から成る排水継手において、
金属部材(3)を一つの開口から挿入すると共に、
他の開口の少なくとも一つから、樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)に当接するように配置される当接部材(4)を挿通して固定することを特徴とする排水継手。 - 上記当接部材(4)が、金属部材(3)を挿通する開口に対してアンダーカットとなる部分に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排水継手。
- 上記排水継手が、上面に排水口(5)を、側面に排出口(6)をそれぞれ備えると共に、
排水口(5)から金属部材(3)を挿通し、
排出口(6)より当接部材(4)を挿通することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の排水継手。
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