JP4441596B2 - 排水継手 - Google Patents

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Description

本発明は、水槽・流し台・洗面台・フロ等の、排水機器の排水を行う排水配管に関するものであって、更に詳しくは、槽体に取着される排水継手に関するものである。
図9に示したように、従来から水槽・流し台・洗面台・フロ等の、排水機器の排水を行う排水装置として、以下のような排水継手を採用した排水配管が知られている。
図9の排水配管は、以下に記載する槽体に取り付けられ、継手本体、固定用ナット、パッキン等から成る排水継手と、トラップ部等を有する配管部分と、から構成される。
槽体は、底部に取着孔を備えてなり、流し台等の排水機器に備えられる。
継手本体は、ステンレスなどの金属材から成り、上部に排水口、底部に排出口として機能する開口を備え、上部の開口周縁には外方に突設するフランジ部、を設けて構成される。更に該継手本体は、フランジ部の下方に、円周に沿って樹脂材からなる雄螺子部を備えて成る。
固定用ナットは、断面視逆L字状の環状体であって、内周に継手本体の雄螺子部の雄螺子と螺合する雌螺子部を有する。
パッキンは、前記フランジ部と槽体の排水口の間に配置される部材であって、前記フランジ部と槽体の間を水密に当接させるために配置される。
配管部分は、排出管からの排水を、下水側に排出するための複数の管体を組み合わせた部材であって、その流路中に、排水トラップ部と呼ばれる、下水から害虫や臭気が室内側へと逆流しないように、その内部に封水を備える部分を形成して成る。
前記した従来の排水装置は、以下のように取り付けられる。
槽体の取着孔周縁上面に、パッキンを介して継手本体のフランジ部を当接させた上で、槽体の裏面から、固定用ナットの雌螺子部を、継手本体の雄螺子部に螺合させる。その後、排出口に配管部分を接続し、更に配管部分の下流側端部を床下の下水側配管に接続して、排水配管の接続が完了する。
上記のように構成した排水配管において、槽体に排水を流すと、排水は排水口から、継手本体内部を通過し、排出口から配管部分を通過し、最終的には下水側に排出される。
前記従来の排水配管では、継手本体を金属製としたので、意匠性が向上する。また内面に排水に由来するヌメリ等が付着した場合でも容易に洗い落とすことが可能となる。
また、上記実施例では継手本体のうち、金属で構成するのが困難な雄螺子部分などを、樹脂材としたが、強度等を優先して、雄螺子部を全てを金属製とすることも可能である。
しかしながら、前記した従来の排水継手では以下のような問題点があった。
上記の排水継手の場合、継手本体は金属によって構成されているため、比熱が(水などと比較すれば)小さく、温度が急激に変化し易い。排水継手を採用した排水装置は槽体等の排水を処理するものであるが、その排水の温度については、常温、熱湯、冷水等、およそ0度から100度、時には高温の油のように100度を超える高温が流される場合がある。そのため、冷水などを流された場合、周囲の空気を急激に冷やして空気中の水分をその表面に結露させる。
また、高温の液体を流された場合等も、瞬間的に高温と成り、周囲の空気を暖め、その後室温まで急激に冷やされる。結果継手本体の表面に結露が発生する。
また、冬場などで単純に室温が0度近くになった場合にも、比熱の最も小さい金属表面が最も良く冷やされるため、その表面に結露を発生させる。
上記のようにして生じた結露は、最終的には床面等に落下する場合がほとんどであるが、結露が落下すると床面のシミや汚れの原因となり、またカビの原因となる場合がある。
また、これら槽体は通常洗面台や流し台として、キャビネット上に施工される場合が多く、結露はキャビネット内に落下して、キャビネット内の汚染の原因となる。
出願人らは上記問題点の解決のため、特願2003−428435号の出願において、樹脂製の継手本体に、形状を維持できる程度の強度を有した金属部材を挿通して固定する、新しい排水継手の提案を行った。上記出願の排水継手においては、金属部材の周囲に樹脂層を設けているため、結露が発生せず、結露の落下によって床面やキャビネットが汚されることがない。
特開2002−13175号 公報
ところで、金属部材の製造方法として、通常は厚さ0.5ミリメートル程度の金属板をプレス型にて押圧して変形させ、その後適宜パンチング加工と呼ばれる打ち抜き加工を施して、必要な部分に開口を設けたり、加工品を金属板から切り出す作業を行っている。この際、金属の板は強度が高く、更に加工の方法が打ち抜き、即ち切断加工の為、打ち抜きした金属板の端部は、90度程度、あるいはそれ以上に鋭利に尖った点部分乃至連続した辺部分(以下、90度程度の角部分も含め、これら鋭利に尖った点部分乃至連続した辺部分を「鋭利点/辺」と呼ぶ)が発生する。このような部分に、直接指先等が触れると怪我をする場合場合があるため、これら鋭利点/辺の角を樹脂部分などによって被覆する等の必要があった(尚、ここで言う被覆には、図1又は図2に示したように、単に金属部材の端部の面に樹脂部材が当接して、金属部材の内面と樹脂部材の内面が連続するように構成したものも含むものとする)。
段落0007に記載した従来の排水継手の場合、これらの端部については、可能な限り樹脂部材の形状を工夫し、金属部材の端部が樹脂部材に被覆されるように構成するが、金属部材及び樹脂部材のそれぞれの製造方法の特性によって、又は金属部材を樹脂部材の開口に挿通する関係から、金属部材の端部を樹脂部材が被覆できず、鋭利点/辺が露出してしまう形状/状態となる場合がある。特に、開口として排水口と排出口を備えた排水継手において、排水口と排出口の角度を90度程度に配置した場合、鋭利点/辺が露出してしまう形状/状態となる場合が多かった。
また、金属部材の周囲に結露が生じないようにするためには、金属部材の周囲に密着するように樹脂材からなる樹脂部材を設けねばならないが、上記のように、金属部材と樹脂部材との製造方法が異なるため、金属部材には形成できるが樹脂部材には成形できない形状、また逆に樹脂部材には成形できるが金属部材には形成できない形状がそれぞれ存在し、上記のような排水継手については、金属部材と樹脂部材とのそれぞれに共通に再現できる形状しか用いる事ができなかった。
更に、樹脂部材の開口の一つから金属部材を相通する関係上、挿通する開口に対してアンダーカットとなる部分については、金属部材を樹脂部材に密着させることができなかった。このため、金属部材をアンダーカットとなる部分の端部にて終了させることで対応するしかなく、金属部材を継手本体の内周全体に設けることができなかった。特に、開口として排水口と排出口を備えた排水継手において、排水口と排出口の角度を90度程度に配置した場合、排水の流路の曲がり部分において必ずこのアンダーカット部分が発生していた。
本発明の排水継手は上記問題点を解決するためのものであって、上記複数の開口部分を有する排水継手において、金属部材を挿通する開口に対しアンダーカットとなる部分おいても、結露等を生じる事無く金属部材を設けることを可能とする排水継手を提供するものである。
請求項1に記載の排水継手は、複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する、樹脂材からなる樹脂部材(2)と、少なくともその一部が樹脂部材の内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、から成る排水継手において、金属部材(3)を一つの開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも一つから、金属部材(3)の端部を被覆する当接部材(4)を挿通して固定することを特徴とする排水継手である。
請求項2に記載の排水継手は、記載の複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する、樹脂材からなる樹脂部材(2)と、少なくともその一部が樹脂部材の内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、から成る排水継手において、金属部材(3)を一つの開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも一つから、樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)に当接するように配置される当接部材(4)を挿通して固定することを特徴とする排水継手である。
請求項3に記載の排水継手は、上記当接部材(4)が、金属部材(3)を挿通する開口に対してアンダーカットとなる部分に配置されることを特徴とする上記段落0010又は段落0011に記載の排水継手である。
請求項4に記載の排水継手は、上記排水継手が、上面に排水口(5)を、側面に排出口(6)をそれぞれ備えると共に、排水口(5)から金属部材(3)を挿通し、排出口(6)より当接部材(4)を挿通することを特徴とする、上記段落0010又は段落0011に記載の排水継手である。
本発明の排水装置は以下の効果を奏する。
1.本発明の排水継手は、金属部材を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材との端部を被覆する当接部材を挿通する事によって、排水継手の使用時の安全性を高めることが可能となった。
2.本発明の排水継手は、金属部材を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材と金属部材との隙間を埋める当接部材を挿通する事によって、形状のデザインについて、デザインの自由度を増しつつ、金属部材と樹脂部材とを密着させることが可能となった。
3.本発明の排水継手は、金属部材を一方の開口から挿入すると共に、該開口に対してアンダーカットとなる部分に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材と金属部材との隙間を埋める当接部材を挿通する事によって、金属部材を挿通する開口に対してアンダーカットとなる部分にも、鋭利点/辺や、結露等生じることなく金属部材を設けることができる。
4.上記排水継手の効果は、特に開口部として上面に排水口を、側面に排出口をそれぞれ備えた排水継手において特に効果的に機能する。
複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する樹脂から成る樹脂部材(2)と、継手本体(1)内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、から成る排水継手において、金属部材(3)を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、金属部材(3)の端部を被覆する当接部材(4)を挿通して固定する。このように構成することで、形状のデザインについて、デザインの自由度を増しつつ、金属部材(3)端部にできる鋭利点/辺(3a)を樹脂部材(2)で被覆し、排水継手を安全に使用することが可能となった。
また、複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する樹脂から成る樹脂部材(2)と、継手本体(1)内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、から成る排水継手において、金属部材(3)を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)に当接するように配置される当接部材(4)を挿通して固定する。
このように構成することで、形状のデザインについて、デザインの自由度を増しつつ、金属部材(3)と樹脂部材(2)とを密着させることが可能となった。
また、上記当接部材(4)を、金属部材(3)を挿通する開口に対してアンダーカット(U)部分に配置されると、金属部材(3)を相通する開口に対してアンダーカット(U)となる部分にも、結露等生じることなく金属部材(3)を設けることができ好適である。
上記排水継手の継手本体(1)に、金属部材(3)を相通する開口に対してアンダーカット(U)となる部分が生じる場合として、最も頻度の多いものの1つは、排水継手において、上面に排水口(5)を、側面に排出口(6)をそれぞれ備える場合であるが、この場合も、排水口(5)から金属部材(3)を挿通し、
排出口(6)より当接部材(4)を挿通することで金属部材(3)と樹脂部材(2)とを密着させることが可能となった。
以下に本発明の第一実施例を、図面を参照しつつ説明する。図1乃至図3に示した本実施例は、台所の流し台の排水を行う排水配管に関するものであって、以下に記載する槽体(S)に取り付けられ、継手本体(1)、固定用ナット(7)、パッキン(P)等から成る排水継手と、排水トラップ部(9)等を有する配管部分(8)と、から構成される。
槽体(S)は、底部に取着孔を備えてなり、排水機器である流し台に備えられる。
継手本体(1)は、下記の樹脂部材(2)及び金属部材(3)と、から成る。
樹脂部材(2)は、上面に排水口(5)、側面に排出口(6)として機能する開口をそれぞれ備え、内部に排水の流路を有して成り、更に排水口(5)の周縁に沿って外方向に突出するようにしてフランジ部(10)を備えると共に、フランジ部(10)の下方に、周縁に沿って雄螺子部(11)を備えて成る。
金属部材(3)は、継手本体(1)内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた部材であって、本発明では0.5ミリメートル厚のステンレスの加工品が用いられている。また、金属部材(3)の、排出口(6)を形成する部分は、排水口(5)を形成する部分から見て横方向(施工時水平となる方向)に屈曲されている。
この金属部材は、厚さ0.5ミリメートル程度の金属板をプレス型にて押圧変形させ、その後適宜パンチング加工と呼ばれる打ち抜き加工を施して、必要な部分に排水口(5)や排出口(6)の開口を設けており、結果開口の周囲に鋭利点/辺(3a)が発生している。
また排出口(6)の周縁は排水口(5)に対して側面方向に開口しており、結果、この側面の開口部分が排水口(5)にから見てアンダーカット(U)となる部分を形成する。尚、本発明でいう「任意の開口に対するアンダーカット(U)となる部分」とは、「任意の開口から、取出/挿通の方向を変更することなく取出したり挿通したりすることのできない部分」を示す。
当接部材(4)は、略円筒形状の樹脂材からなる部材であって、排出口(6)より挿通され、排水口(5)から見てアンダーカット(U)となる、金属部材(3)の排出口(5) の開口周縁を被覆するようにして配置固定される(固定の方法については、特に方法を限定するものではなく、接着など、様々な方法が適宜採用される)。
固定用ナット(7)は、断面視逆L字状の環状体であって、内周に継手本体(1)の雄螺子部(11)の雄螺子と螺合する雌螺子部(12)を有する。
パッキン(P)は、前記フランジ部(10)と槽体(S)の排水口(5)の間に配置される部材であって、前記フランジ部(10)と槽体(S)取着孔周縁上面との間を水密に当接させるために配置される。
配管部分(8)は、排水継手からの排水を、下水側に排出するための複数の管体を組み合わせた部材であって、その流路中に、排水トラップ部(9)と呼ばれる、下水から害虫や臭気が室内側へと逆流しないように、その内部に封水を備える部分を形成して成る。
上記した実施例の排水配管は、以下のように取り付けられる。
まず工場等、生産現場における加工として、樹脂部材(2)の排水口(5)から金属部材(3)を相通し、継手本体(1)の内周面に金属部材(3)外面を当接させ、フランジ部(10)の周囲の金属部材(3)をカシメ加工し、金属部材(3)を樹脂部材(2)に固定させる。更に、排出口(6)から、当接部材(4)を挿通して配置固定し、金属部材(3)の端部の鋭利点/辺(3a)に埋込樹脂部材(4)を被覆させ、これら樹脂部材(2)、金属部材(3)、当接部材(4)の組み合わせたものを継手本体(1)とする。
上記加工した継手本体(1)を、固定用ナット(7)、パッキン(P)等の他の部材と共に施工現場に搬入する。
施工現場において、上記した本発明の排水継手を採用した排水装置は、以下のように取り付けられる。
槽体(S)の取着孔周縁上面に、パッキン(P)を介して継手本体(1)のフランジ部(10)を当接させた上で、槽体(S)の裏面から、固定用ナット(7)の雌螺子部(12)を、継手本体(1)の雄螺子部(11)に螺合させる。その後、排出口(6)に配管部分(8)を接続し、更に配管部分(8)の下流側端部を床下の下水側配管に接続して、排水配管の接続が完了する。
上記のように構成した排水配管において、槽体(S)に排水を流すと、排水は排水口(5)から、継手本体(1)内部を通過し、更に排出口(6)から配管部分(8)を通過して、最終的には下水側に排出される。
上記本発明の排水継手を採用した排水配管では、従来の排水継手が有していた、継手本体(1)を金属製としたことによる意匠性の向上、ヌメリ等に対する清掃の容易性などの長所を備えている。
また、雄螺子部(11)分などを合成樹脂製としたことで、雄螺子部(11)分を金属製とした継手本体(1)よりも安価で製造し易く、また継手本体(1)内を金属製としながら、結露の生じない構成とすることができる。
更に、排水継手において、排水口(5)など金属部材(3)を挿通する開口とは別の開口から、金属部材(3)の端部に生じた鋭利点/辺(3a)を、樹脂部材(2)によって被覆することで、排水継手を安全に使用することができる。これは、特に、図1乃至図3に示した排水継手のように、排水口(5)と排出口(6)の角度を90度程度に配置した排水継手において、効果的に機能する。
次に、本発明の第二実施例を、図面を参照しつつ説明する。図4乃至図6に示した本実施例は、台所の流し台の排水を行う排水配管に関するものであって、以下に記載する槽体(S)に取り付けられ、継手本体(1)、固定用ナット(7)、パッキン(P)等から成る排水継手と、排水トラップ部(9)等を有する配管部分(8)と、から構成される。
槽体(S)は、底部に取着孔を備えてなり、排水機器である流し台に備えられる。
継手本体(1)は、下記の樹脂部材(2)及び金属部材(3)と、から成る。
樹脂部材(2)は、上面に排水口(5)、側面に排出口(6)として機能する開口をそれぞれ備え、内部に排水の流路を有して成り、更に排水口(5)の周縁に沿って外方向に突出するようにしてフランジ部(10)を備えると共に、フランジ部(10)の下方に、周縁に沿って雄螺子部(11)を備えて成る。
金属部材(3)は、継手本体(1)内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた部材であって、本発明では0.5ミリメートル厚のステンレスの加工品が用いられている。また、金属部材(3)の、排出口(6)を形成する部分は、排水口(5)を形成する部分から見て横方向(施工時水平となる方向)に屈曲されており、図3にあるように、この屈曲部分に、排水口(5)から見てアンダーカット(U)となる部分を形成する。尚、本発明でいう「任意の開口に対するアンダーカット(U)となる部分」とは、「任意の開口から、取出/挿通の方向を変更することなく取出したり挿通したりすることのできない部分」を示す。
当接部材(4)は、略円筒形状の樹脂材からなる部材であって、排出口(6)より挿通され、排水口(5)から見てアンダーカット(U)となる部分であって、更に樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)を一方の開口から挿入すると共に、他の開口の少なくとも1つから、前述の樹脂部材’2)が金属部材(3)に当接していない金属部材(3)に当接するように配置される当接部材(4)を挿通して配置固定される(固定の方法については、特に方法を限定するものではなく、接着など、様々な方法が適宜採用される)。
固定用ナット(7)は、断面視逆L字状の環状体であって、内周に継手本体(1)の雄螺子部(11)の雄螺子と螺合する雌螺子部(12)を有する。
パッキン(P)は、前記フランジ部(10)と槽体(S)の排水口(5)の間に配置される部材であって、前記フランジ部(10)と槽体(S)取着孔周縁上面との間を水密に当接させるために配置される。
配管部分(8)は、排水継手からの排水を、下水側に排出するための複数の管体を組み合わせた部材であって、その流路中に、排水トラップ部(9)と呼ばれる、下水から害虫や臭気が室内側へと逆流しないように、その内部に封水を備える部分を形成して成る。
上記した実施例の排水配管は、以下のように取り付けられる。
まず工場等、生産現場における加工として、樹脂部材(2)の排水口(5)から金属部材(3)を相通し、継手本体(1)の内周面に金属部材(3)外面を当接させ、フランジ部(10)の周囲の金属部材(3)をカシメ加工し、金属部材(3)を樹脂部材(2)に固定させる。更に、排出口(6)から、樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)に当接するように当接部材(4)を挿通して配置固定し、継手本体(1)とする。このとき、当接部材(4)は鋭利点/辺(3a)とも当接してその表面を被覆し、鋭利点/辺(3a)によって使用者が怪我などすることが無いように機能する。
上記加工した継手本体(1)を、固定用ナット(7)、パッキン(P)等の他の部材と共に施工現場に搬入する。
施工現場において、上記した本発明の排水継手を採用した排水装置は、以下のように取り付けられる。
槽体(S)の取着孔周縁上面に、パッキン(P)を介して継手本体(1)のフランジ部(10)を当接させた上で、槽体(S)の裏面から、固定用ナット(7)の雌螺子部(12)を、継手本体(1)の雄螺子部(11)に螺合させる。その後、排出口(6)に配管部分(8)を接続し、更に配管部分(8)の下流側端部を床下の下水側配管に接続して、排水配管の接続が完了する。
上記のように構成した排水配管において、槽体(S)に排水を流すと、排水は排水口(5)から、継手本体(1)内部を通過し、更に排出口(6)から配管部分(8)を通過して、最終的には下水側に排出される。
上記本発明の排水継手を採用した排水配管では、従来の排水継手が有していた、継手本体(1)を金属製としたことによる意匠性の向上、ヌメリ等に対する清掃の容易性などの長所を備えている。
また、雄螺子部(11)分などを合成樹脂製としたことで、雄螺子部(11)分を金属製とした継手本体(1)よりも安価で製造し易く、また継手本体(1)内を金属製としながら、結露の生じない構成とすることができる。
更に、排水継手において、排水口(5)など金属部材(3)を挿通する開口とは別の開口から、金属部材(3)と樹脂部材(2)との隙間部分、特に金属部材(3)を相通する開口から見てアンダーカット(U)となる部分等に当接部材(4)を挿通し固定配置したことで、金属部材(3)に樹脂部材(2)が密着し、結露の発生を完全に防止することができる。上記の方法は、樹脂部材(2)を複数のパーツから構成するため、一体成形の樹脂部材(2)では形成できない形状でも形成することができ、結露の発生を完全に防止することができる、という課題の解決を維持しつつ、樹脂部材(2)の形状の自由度を増加させることができた。これは、特に、図1乃至図4に示した排水継手のように、排水口(5)と排出口(6)の角度を90度程度に配置した排水継手において、効果的に機能する。
本発明の実施例は以上であるが、本発明の排水装置は、前記の実施例に限定されるものではなく、請求項に記載の事項から逸脱しない範囲において適宜変更は可能である。
例えば、上記実施例では継手本体(1)の排出口(6)を水平方向に形成しているが、図7乃至図8に示した実施例のように、垂直方向に排出口(6)を形成しても良い。この図7及び図8の実施例の場合、金属部材(3)の端部の鋭利点/辺(3a)で使用者が怪我などを負うことがないように、当接部材(4)によって、鋭利点/辺(3a)を被覆しているのは第一実施例と同様であるが、確実性を向上させるため、金属部材(3)の端部を屈曲させて端部を樹脂部材(2)と当接部材(3)の間に挟み込み、完全に露出しないような構成となっている。
また、上記実施例では、排水口(5)を平面視円形としているが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、平面視方形形状など、必要に応じて自在に形状を変更しても構わない。
また、上記実施例では、排水継手の金属部材(3)と樹脂部材(2)を別々に構成した上で、フランジ部(10)でカシメ固定により一体と成るように構成しているが、インサート成型法により、成型の時点で一体に構成しても構わない。
また、上記実施例では、継手本体(1)と固定用ナット(7)の接続部を螺子により構成しているが、当該接続部分の構成を本出願人が出願している実登2045139号や特登3160663号に記載されている、レバー体を用いた、ワンタッチロックの技術により構成しても構わない。
本発明の第一実施例の排水継手を採用した排水装置を示す、一部を切欠した側面図である。 第一実施例の継手本体の断面図である。 継手本体の部材構成を示す参考図である。 本発明の第一実施例の排水継手を採用した排水装置を示す、一部を切欠した側面図である。 第一実施例の継手本体の断面図である。 継手本体の部材構成を示す参考図である。 本発明の、他の実施例による排水継手周辺の断面図である。 図7の実施例の、継手本体の部材構成を示す参考図である 従来の排水装置を示す断面図である。
符号の説明
1 継手本体
2 樹脂部材
3 金属部材
3a 鋭利点/辺
4 当接部材
5 排水口
6 排出口
7 固定用ナット
8 配管部分
9 排水トラップ部
10 フランジ部
11 雄螺子部
12 雌螺子部
P パッキン
S 槽体
U アンダーカットの部分

Claims (4)

  1. 複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する、樹脂材からなる樹脂部材(2)と、
    少なくともその一部が樹脂部材の内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、
    から成る排水継手において、
    金属部材(3)を一つの開口から挿入すると共に、
    他の開口の少なくとも一つから、金属部材(3)の端部を被覆する当接部材(4)を挿通して固定することを特徴とする排水継手。
  2. 複数の開口を備え、内部に排水の流路を有する、樹脂材からなる樹脂部材(2)と、
    少なくともその一部が樹脂部材の内面に沿って設けられる、自身の形状を保持できる程度の強度を備えた金属部材(3)と、
    から成る排水継手において、
    金属部材(3)を一つの開口から挿入すると共に、
    他の開口の少なくとも一つから、樹脂部材(2)が金属部材(3)と当接していない箇所において、金属部材(3)に当接するように配置される当接部材(4)を挿通して固定することを特徴とする排水継手。
  3. 上記当接部材(4)が、金属部材(3)を挿通する開口に対してアンダーカットとなる部分に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排水継手。
  4. 上記排水継手が、上面に排水口(5)を、側面に排出口(6)をそれぞれ備えると共に、
    排水口(5)から金属部材(3)を挿通し、
    排出口(6)より当接部材(4)を挿通することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の排水継手。
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