JP6371952B2 - 排水口の捕集構造 - Google Patents
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Description
以下に、排水口の捕集構造を採用した排水配管の一例を説明する。
流し台は、槽体としての、上方が開口した箱体からなるシンクと、該シンクを載架するキャビネットからなる。また、シンクの底面には、排水器本体を取り付ける取付孔を備えてなる。
排水器本体は、有底筒状の部材であって、外側面に排出口を備えると共に、排水口を形成する、上端の開口部分の周縁に、外方向に突出したフランジ部を備えてなる。
また、フランジ部の下方に雄ネジを、内側面の上端近傍に周縁に沿って段部を、それぞれ設けてなる。
また、排水器本体の雄ネジに螺合する雌ネジを備えたロックナット部材を備えてなる。
また、排水器本体の内側面であって、排出口に連通する開口部分に、トラップ機能を形成するための封水部材を着脱自在に取り付けてなる。
捕集部材は、図23乃至図24に図示したような、排水中の厨芥や毛髪等の塵芥を捕集する部材であって、凹状を成すと共に、その全体に、図25に示したような排水用の排水穴を複数備える捕集部と、捕集部の上縁から略水平方向に周縁に沿って連続して突出し、段部上に載架される鍔部と、からなる。尚、捕集部は全ての塵芥等を捕集すると限るものではなく、排水用の開口から塵芥等の一部が流出しても、塵芥等をある程度の割合で捕集すれば良いものである。
この捕集部の排水穴の一例としては、直径1.5ミリメートル程度の大きさの円形形状で、これを捕集部全体に、図25のように多数整列させるようにして構成してなる。
尚、意匠性や、排水中の塵芥が捕集部以外の箇所である排水口内側面と鍔部外側面の間を通過することを防ぐ目的で、本従来例の排水器本体内側面と鍔部外側面は共に同じ平面視円形形状で、寸法もほぼ同じ寸法となるように構成されてなる。
但し、排水器本体内側面と鍔部外側面とを完全に同じ寸法とし、隙間が生じないように構成すると、捕集部材が排水口に嵌って取り外しが困難になるため、排水器本体内側面と鍔部外側面の間に、平面視1ミリメートル乃至2ミリメートルの隙間が生じるように、排水器本体内側面よりも鍔部外側面の方を小さな寸法となるように構成してなる。
他に、キャビネット部内部において、排水器本体の排出口から、床下配管まで接続する、パイプ管や継手部材からなる接続配管を備えてなる。
まず、排水器本体を、シンクの底面の取付孔に上方から挿通し、フランジ部の下面がシンク底面の取付孔の周縁に当接するようにする。次に、ロックナット部材の雌ネジを、排水器本体の雄ネジに螺合させ、フランジ部の下面とロックナット部材の上面とでシンク底面の取付孔の周縁を挟持するようにして取り付け固定する。
次に、排水器本体の排出口と床下配管とを、接続配管を介して接続する。
次に、排水器本体の排出口の内側面側開口に封水部材を接続する。
更に、排水器本体内に捕集部材を、捕集部材の鍔部が、排水器本体の段部上に載置されるように配置して、排水口の捕集構造を採用した排水配管の施工が完了する。
また、排水器本体内部に排水が溜まることで、封水部材の排水の流路の一部が満水状態となる。これにより、下水側からの臭気や害虫類の逆流が防止される、トラップ機能を生じる。
また、排水器本体の段部上に捕集部材が載架されたことで、排水が捕集部を通過する際に、排水は排水穴から通過しつつ、排水中の厨芥や毛髪等の塵芥の大部分は捕集部内に捕集され、排水器本体よりも下流側に流出することが無くなる。
このため、排水配管や床下配管内に管詰まり等が生じにくくすることができる。
上記した従来例において、捕集部材の鍔部は排水口の段部上に載架されるため、鍔部の下面と排水口の段部上面は全面に渡って当接し、液体、また気体の流路としては閉塞した状態となる。この状態で、例えばシンク内で満水の洗い桶を返す等して排水口に大量に排水が生じた場合、排水は当然ながら捕集部材の捕集部の排水穴を通過して下流側に排出される。しかしながら、捕集部材の下方、即ち捕集部材の裏側と排水器本体内側面との間には、排水が開始されるまで空気が存在し、排水口から排水を流しても、この溜まった空気が存在する限り、排水の通過を阻害し、排水性能を低下させる、という問題があった。
捕集部材の裏側の空気が無くなれば、障害物が無くなるため、排水が効率的に流れることになるが、捕集部材の裏側の空気が無くなるための空気の通気の流路としては、空気が、捕集部材裏側から排水穴を通過して排水口に抜け出すか、排水と共に空気も下流側に流されるか、のいずれかしかない。
1.空気が、排水穴を通過して屋内側に通過する場合
捕集部材下方にあった空気は、排水の通過の際に、表面張力によって、捕集部下方にて大きな空気の塊(気泡)となる。
一方、捕集部の排水穴は、排水中の塵芥を捕集する、という目的上、上記実施例のように、直径1.5ミリメートル程度の円形形状が一般的で、それより大きな排水穴を採用する場合でも、直径2ミリメートル程度の円、または対角線の長さが2ミリメートル程度の正方形/長方形(以下、このように、円/角形にかかわらず、穴の最も長い長さ部分が2ミリメートルである場合を、「2ミリメートルの大きさ」と記載)の大きさが限界の大きさである。
このため、空気が排水穴を通過して屋内側に抜ける場合には、表面張力によって一塊となった大きな空気の泡が、排水穴の開口の大きさ、少なくとも2ミリメートルの大きさまで細かく分裂する必要がある。この分裂には、大きな泡から微小な泡に細分化するための力と、排水穴に気泡が触れることで排水穴の周囲の壁面に貼りついた状態となってから剥がれるための力が必要になる。これらの力は排水の流れや気泡の浮力によって得られるが、排水の量や勢いが、(空気が捕集部材の裏側(下方)から抜けきらない限り、)あまり大きなものではないため、気泡を細分化したり、剥がしたりする工程も円滑に進まない。
また、排水穴は排水を通過させる為の穴であり、この排水穴を空気が排水とは逆方向に通過することは、排水が通過する開口面積がその分少なくなり、排水性能が悪化することを意味する。
よって、空気が、排水穴を通過して屋内側に通過する流れ方では、排水が円滑に行われることは無いと言える。
2.空気が、排水と共に排出口から下流側に押し流される場合
排水と共に空気も下流側に押し流される場合、排水が大量に、且つ勢いよく流れることで空気を下流側に押し流すことになる。なぜならば、空気は水よりも軽いため、排水が多量で且つ勢いが無ければ、空気が下流側に流されることは無いためである。しかし、1.に記載した通り、捕集部材の裏側(下方)に空気が溜まり、留まることで、排水が勢いよく大量に流れることが無いため、空気が下流側に流されることも無い(勢いよく排水が流れるためには空気が流出する必要があり、空気が流出するためには勢いよく排水が流れる必要がある、という堂々巡りの状態となる)。
よって、空気が、排水と共に排出口から下流側に押し流される流れ方でも、排水が円滑に行われることは無いと言える。
結局、いずれの方法においても、空気が排水の障害にならないように速やかに通気する、ということは無く、排水口内に捕集部材を配置した場合は、捕集部材の裏側(下方)の空気が障害となって排水性能が悪化する、という問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、排水口の捕集構造において、
排水口に捕集部材を配置した場合に、捕集部材の裏側(下方)の空気を容易に抜くことにより排水性能の向上を図るものである。
通気構造が、捕集部材2の鍔部4下面と排水口1aの内側面との間に、通気用の隙間空間を形成するように配置されたリブ片4aであることを特徴とする、段落0008に記載の排水口の捕集構造である。
上記リブ片4aが、排水口1aまたは捕集部材2に一体的に設けられることを特徴とする、段落0009に記載の排水口の捕集構造である。
上記捕集部3の排水用の排水穴3aの大きさが2ミリメートル以下であることを特徴とする、段落0008乃至段落0012のいずれか1つに記載の排水口の捕集構造である。
上記捕集部材2の鍔部4の上面が、排水口1aの開口周縁よりも低い高さ位置であることを特徴とする、段落0008乃至段落0013のいずれか1つに記載の排水口の捕集構造である。
請求項2、請求項3に記載の本発明では、通気構造の構成を明確にすることができる。
請求項4に記載の本発明では、捕集部材の鍔部中を貫通して、捕集部材の裏側(下方)の空気が捕集部材の表側(上方)より排出される構造となっている。又、排水口における排水の流れが基本的に上方から下方に向かうことに対し、通気方向が水平方向を向くことで、排水が通気構造内に流入しにくくなり、通気を行うのに好適である。
請求項5に記載の本発明では、捕集部材の通気構造が、捕集部の下端よりも上方にあることで、捕集部裏側(下方)の空気、少なくとも捕集部下端の裏側(下方)位置にある空気が、確実に通気構造内に流入することになり、捕集部裏側(下方)の空気を確実に排出して、捕集部部分の排水性能を確実なものとすることができる。
請求項6に記載の本発明では、捕集部の排水穴の大きさを特定してなる。段落0007に記載したように、捕集部の排水用の排水穴の大きさは、塵芥等の捕集、という目的から2ミリメートル以下が好適であるが、一方でこの大きさであると、排水口での大量排水時に、排水穴に表面張力によって空気が膜のように広がる場合が多く、排水穴から空気を通気することが困難になる。従って、排水穴以外の箇所からの通気を行う本発明は、このような、捕集部の排水穴の大きさが2ミリメートル以下の捕集部材を用いる場合に特に効果的に機能する、と言える。
請求項7に記載の本発明では、捕集部材の鍔部の上面を、排水口の開口周縁よりも低い高さ位置とすることで、床面上に沿って排水口に水平方向から流れ込む排水が、鍔部周縁を飛び越えて捕集部内に流れ込むため、鍔部に設けた通気構造に対して、排水が流れ込みにくくなっている。
尚、以下の図示において、捕集部材2の凹状を成す捕集部3には、全体に渡って、図25に示したように、捕集部3全体に渡って、直径1.5ミリメートルの大きさの円形の排水穴3aが、中心の間隔2.0ミリメートル程度の密度で密集するようにして多数設けられているが、図示が煩雑になる為、図面上では省略している。
図1乃至図8に示した、本発明の第一実施例の排水口1aの捕集構造を採用した排水配管は、以下に記載した槽体としての流し台N、排水器本体1、捕集部材2、等の部材から構成されてなる。
流し台Nは、槽体としての、上方が開口した箱体からなるシンクSと、該シンクSを載架するキャビネットCからなる。また、シンクSの底面には、排水器本体1を取り付ける取付孔Oを備えてなる。
排水器本体1は、有底円筒状の部材であって、その内部に排水口1aを形成すると共に、外側面に排出口1cを備え、排水口1aを形成する開口部分の上端周縁に、外方向に突出したフランジ部1dを備えてなる。
また、フランジ部1dの下方に雄ネジを、内側面の上端近傍に周縁に沿って段部1bを、それぞれ設けてなる。
また、排水器本体1の雄ネジに螺合する雌ネジを備えたロックナット部材6を備えてなる。
捕集部材2は、排水中の毛髪等の塵芥を捕集する平面視円形状を成す部材であって、凹状を成すと共に排水用の排水穴3aを複数備える金属材からなる捕集部3と、捕集部3の上縁から略水平方向に周縁に沿って連続して突出し、後述するリブ片4aを介して段部1b上に載架される樹脂成型品からなる鍔部4と、からなる。尚、捕集部3は全ての塵芥を捕集すると限るものではなく、排水用の排水穴3aから塵芥等の一部等が流出しても、塵芥等をある程度捕集すれば良いものである。
本実施例での捕集部3は、厚さ0.3ミリメートル程度のステンレス等の金属の薄板に、直径1.5ミリメートル程度の円形形状の排水穴3aを多数開口した、いわゆるパンチング材を、金属型にてプレスして椀形状、即ち凹形状に変形させて構成してなる。尚、プレス成型の過程で、一部の排水穴3aには若干の歪みが生じる場合があるが、変形前の排水穴3aと比べてその機能に変化はほとんど無い。仮に、排水穴3aが、当初の1.5ミリメートルに対して、2.0乃至3.0ミリメートルを超える極端に大きな大きさになる等といった、「機能的変化を伴う変形排水穴3a」が生じたとしても、排水穴3a全体の数に対して、「機能的変化を伴う変形排水穴3a」は1乃至2パーセント以下と極めて少数であって、このような変形は、捕集部3全体の機能に大きな影響が出ない範囲で容認される、意図しない例外的な構成である。
尚、ここでいう「機能的変化を伴う変形排水穴3a」とは、あくまでも排水穴3aの大きさが2ミリメートルを超える等の、通気や捕集の機能に、許容範囲を超える変化・変形を起こした排水穴3aの割合であって、例えば単に円形が楕円になっただけで、形状に変化があっても、排水穴3aが2ミリメートルを超える大きさになることのない場合は「機能的変化を伴う変形排水穴3a」として扱わない。もちろん、排水穴3aの形状が円形から楕円になることで、排水や空気の流れ、塵芥の捕集性能等には多少の影響が生じるはずであるが、その性能の違い・変化は、誤差範疇に過ぎず、このような変形排水穴3aは「機能的変化を伴わない変形排水穴3a」である。
また、本実施例では、捕集部3の上端に鍔部4を、いわゆるインサート成形よって樹脂成型によって構成し、更に、鍔部4下面に、リブ片4aを平面視90度間隔に4つ、一体に成形して構成してなる。尚、本実施例の捕集部材2では、リブ片4aと捕集部3側面との間にも隙間が備えられてなる。
捕集部材2を排水口1aに配置すると、排水口1aの段部1b上に捕集部材2の鍔部4下面のリブ片4aが載置される。このようにして、捕集部材2を排水口1aに配置すると、捕集部材2の鍔部4下面と排水口1aの内側面との間に、通気用の隙間空間が形成される。
即ち、本実施例では、鍔部4に設けられた複数のリブ片4aと、このリブ片4aの間であって、且つ鍔部4下面と段部1b上面との間に形成される隙間空間とによって、通気構造が構成されてなる。
この場合、リブ片4aの間の隙間空間であって外側面側の端部が、隙間空間、つまり通気構造の表側端部5aとなる。即ち、通気構造の表側端部5aは、水平方向外側面側を向いて形成され、鍔部4が通気構造の表側端部5aの上方を覆って、排水口1a上方からの通気構造への直接の排水の流入を防ぐ天井部7として機能する。
また、図2より明らかなように、施工完了時、リブ片4aの下端は、捕集部3の下端よりも上方に配置される。即ち、通気構造の、裏側端部5b(特にリブ片4aの下端)が、捕集部3の下端よりも上方に備えられてなる。
また、同じく図2より明らかなように、施工完了時、捕集部材2の鍔部4の上面は、排水口1aの開口部分の周縁よりもある程度低い位置になるように、排水口1aとその段部1b、またリブ片4aの寸法を調整して構成されてなる。
尚、意匠性や、排水中の塵芥が捕集部3以外の箇所である排水口1a内側面と鍔部4外側面の間を通過することを防ぐ目的で、本実施例の排水器本体1内側面と鍔部4外側面は共に同じ平面視円形形状で、寸法もほぼ同じ寸法となるように構成されてなる。
但し、排水器本体1内側面と鍔部4外側面とを完全に同じ寸法とし、隙間が生じないように構成すると、捕集部材2が排水口1aに嵌って取り外しが困難になるため、排水器本体1内側面と鍔部4外側面の間に、平面視1ミリメートル乃至2ミリメートルの隙間が生じるように、排水器本体1内側面よりも鍔部4外側面の方を小さな寸法となるように構成してなる。
他に、キャビネットC部内部において、排水器本体1の排出口1cから、床下配管までを接続する、パイプ管や継手部材からなる接続配管Pを備えてなる。接続配管Pにはその途中に管体をS字形状に屈曲させた排水トラップTを備え、該排水トラップT内に溜まる排水(封水)によって排水の流路を水封状態(配管の流路の一部分を常に封水で満水とし、該封水によって気体や害虫類の通過を不可能とした状態)として、臭気や害虫類が下水側から屋内側に逆流することを防止してなる。
また、特に詳述しないが、配管の接続箇所には、必要に応じて水密的な接続を行う為のパッキン部材PKを配置している。
まず、排水器本体1を、シンクSの底面の取付孔Oに上方から挿通し、フランジ部1dがシンクS底面の開口の周縁に当接するようにする。次に、ロックナット部材6の雌ネジを、排水器本体1の雄ネジに螺合させ、フランジ部1dの下面とロックナット部材6の上面とでシンクS底面の取付孔Oの周縁を挟持するようにして取り付け固定する。
次に、排水器本体1の排出口1cと床下配管とを、排水トラップTを有する接続配管Pを介して接続する。
更に、排水器本体1内に捕集部材2を、捕集部材2の鍔部4下面のリブ片4aが、排水器本体1の段部1b上に載置されるように配置して、排水口1aの捕集構造を採用した排水配管の施工が完了する。
また、接続配管P上の排水トラップT内に排水が溜まり、流路の一部が満水の状態、即ち水封状態となる。これにより、下水側からの臭気や害虫類の逆流が防止される、トラップ機能を生じる。
また、排水器本体1の段部1b上に捕集部材2が配置されたことで、排水が捕集部3を通過する際に排水中の毛髪や厨芥等の塵芥の大部分が捕集され、排水器本体1よりも下流側に流出することが無くなる。
このため、接続配管Pや床下配管内に管詰まり等が生じにくくすることができる。
このようにして、捕集部材2を排水口1aに配置すると、捕集部材2の鍔部4下面と排水口1aの内側面との間に、通気用の隙間空間が形成される。
即ち、本実施例では、鍔部4に設けられた複数のリブ片4aと、このリブ片4aの間であって、且つ鍔部4下面と段部1b上面との間に形成される隙間空間とによって、通気構造が構成されてなる。
排水口1aから排水が流された場合、捕集部材2の裏面側(下方側)にあった空気は、一塊の空気(気泡)となるが、鍔部4の近傍に生じた気泡から、そのままリブ片4aの間の隙間空間を、鍔部4下方から側面方向外側に抜け、排水口1a側面と鍔部4側面の間を抜けて屋内側に通気(排気)する。
このように、捕集部材2の裏面側(下方)の空気は、捕集部3の排水穴3aや排出口1c以外の箇所から順次円滑に抜けてゆき、排水器本体1内の排水の通過を阻害する空気の泡(気泡)が無くなるため、排水を効率的に行うことが可能になる。
尚、鍔部4下方に設けた、通気構造であるリブ片4aとその間の隙間部分から、円滑に空気が通過する理由としては、次の理由1乃至理由3が上げられる。
理由1.通気構造として設けられた、リブ片4a間の隙間空間の大きさは、塵芥の捕集を目的としない為、排水穴3aよりも大きくできる。詳細には、図7乃至図8のように、横幅即ち円周の幅を、50ミリメートル乃至100ミリメートル以上の充分に大きな幅とすることができるので、大きな気泡を細分化することなく、そのまま浮力に沿って上昇させ通気することができる。このリブ片4aの隙間空間を通過した気泡は、排水器本体1内側面と鍔部4外側面の間を通過して屋内側に通過する。
尚、意匠性や排水中の塵芥が捕集部3以外の箇所を通過することを防ぐ目的で、排水器本体1内側面と鍔部4外側面は共に同じ形状で、且つ排水器本体1内周と鍔部4外周はなるべく同じ寸法に設計される。しかし、排水器本体1内側面と鍔部4外側面とを完全に同じ寸法とし、隙間が生じないように構成すると、捕集部材2が排水口1aに嵌って取り外しが困難になるため、排水器本体1内側面と鍔部4外側面の間に平面視1ミリメートル乃至2ミリメートルの隙間が生じるように、水器本体内側面よりも鍔部4外側面の方を小さな寸法に設計するのが普通である。
本実施例においても、排水器本体1内側面と鍔部4外側面は、平面視同じ円形形状ではあるが、排水器本体1内側面の内径より、鍔部4外側面との外径が、1ミリメートル乃至2ミリメートル程度小径に形成され、その分隙間が生じるように構成されている。
径方向については、この1ミリメートル乃至2ミリメートル程度の隙間があり、円周方向についてはもとより50ミリメートル乃至100ミリメートル以上の充分な隙間がある為、リブ片4aの隙間空間を通過した気泡は、隙間を通過するのに適切な形に変形はするが、特に細分化する必要なく、円滑に屋内側に通気する。
特に本実施例の捕集部材2では、リブ片4aと捕集部3側面との間にも隙間が備えられてなる。この隙間を通じて、空気の泡は、リブ片4a間の隙間を移動することができ、より一層効果的に空気の泡を移動させ通気を行うことができる。
理由2.通気構造の上流側の端部は、リブ片4aの間の隙間空間の、鍔部4外縁端部の下方の開放部分である。この部分にも排水が流入すると、その分通気性が悪化するが、開放部分は水平方向外側面を向いており、その上に配置されている鍔部4が屋根の役割をするため、直接排水が流れ込みにくい。
更に、捕集部材2の鍔部4の上面が、排水口1aの開口周縁よりも低い高さ位置となっており、床面上に沿って排水口1aに水平方向から流れ込む排水は、鍔部4周縁を飛び越えて捕集部3内に流れ込むため、より一層通気構造内に排水が流れ込みにくくなっている。
理由3.捕集部材2の通気構造の裏面側端部、つまり段部1bが、捕集部3の下端よりも上方に備えられてなる。このため、鍔部4の通気構造から鍔部4周辺の空気が屋内側に通気すると、そのまま捕集部3の下方の空気は、上方である鍔部4の通気構造の方に移動し、そのまま通気構造から連続して屋内側に通気される。このように、捕集部材2の通気構造の裏面側端部、つまり段部1bが、捕集部3の下端よりも上方に備えられてなることで、捕集部3下方の空気を通気構造の側に円滑に移動させ、通気構造から屋内側に通気することができる。
例えば、上記実施例では、本発明の排水口1aの捕集構造を、流し台NのシンクSに採用して構成してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、洗面台や浴槽・浴室の排水口1a等の槽体に採用しても構わない。
一方で、捕集部材2の構成については、前述のように、鍔部4を上下に貫通する通気用の貫通孔8を設け、この貫通孔8を介して捕集部材2裏面(下方)の空気を、捕集部材2表面(上方)側に通気するように構成すると共に、貫通孔8に天井部7を有する覆い構造10を設けることで、空気の通気する方向を、水平方向を向くように構成してなる。
図15乃至図16の実施例では、捕集部材2以外の排水器本体1、継手部材等の部材は段落0017乃至段落0020に記載した実施例と同じ構成である。
一方で、捕集部材2の構成については、前述のように、鍔部4の外側面から内径側に向かう切り欠き部9を複数設け、この切り欠き部9を介して捕集部材2裏面(下方)の空気を、捕集部材2表面(上方)側に通気するように構成している。当然ながら、図16に示したように、切り欠き部9は鍔部4を段部1bに載置した際、段部1bより内側に切り欠き部9が配置されて通気可能な開口となるように設計されている。
またこのような構成においては、図17乃至図19に示したように、切り欠き部9に、捕集部材2の鍔部4の外側面方向に開口した天井部7を含む覆い構造10を用いることで、排水時の排水が通気構造に入り込み難く、通気に適した構造とすることができる。
一例として、図20乃至図22に、特に段部1bが平面視凹凸となるように構成して隙間を設け、この隙間部分を通気構造とする実施例を示す。この構成では、図22に示したように、平面視排水口1aの段部1bが凹凸部11によって切り欠かれたような構成となっている。このため、図22乃至図23に示した従来の捕集部材2を取り付けると、図20乃至図21示したように、段部1bの凹凸部11の隙間部分から空気が抜けるような構造となっている。
また、排水穴3aの大きさについては、円形形状であれば直径2ミリメートル程度まで、正方形等の角穴形状であれは、例えば一辺1.4ミリメートル角の正方形形状、つまり対角線の大きさが約2.0ミリメートル程度までの大きさに形成すると好適である。
排水穴3aの大きさを大きくすれば、本発明に依らずとも、排水穴3aからの通気が容易になるが、一方で捕集部材2の目的である、排水中の塵芥の捕集、という目的に対しては、細かな塵芥が排水穴3aから流出しやすくなり、不具合である。捕集性能を考えると、排水穴3aの大きさは2.0ミリメートル程度までが好適であり、この場合には、本発明の構成による通気構造によって捕集部材2下方の空気を屋内側に通気する方が、空気の排出は円滑に行うことができる。
但し、段落0020に記載した場合と同様に、一部極少数の排水穴3aが、2.0ミリメートルを超える大きさであったとしても、捕集部材2全体としては、排水穴3aの大きさが全て2.0ミリメートル以下の大きさだった場合と特に有意な変化を生じない場合は、「2.0ミリメートル以下の排水穴3aを設けた捕集部3」とすることができる。
例えば、上記実施例では、流し台Nの排水口1aに捕集部材2が設けられてなるが、流し台Nの排水口1aに配置される捕集部材2の捕集部3の排水穴3aは、約1万個からそれ以上の数になることも普通である。このような流し台Nの捕集部材2において、
・約1万個の排水穴3aの内、10個程度の排水穴3aの大きさが3.0ミリメートルで、残る排水穴3aが全て大きさ2.0ミリメートルであるような捕集部材2と、
・約1万個の排水穴3aの全ての大きさが2.0ミリメートルであるような捕集部材2とでは、
当然ながら捕集部材2全体として機能面、例えば捕集性能や排水性能、捕集部材2裏面から捕集部材2表面への通気性能等で有意な変化がほぼ生じないことは明らかである。
このように、一部の排水穴3aが、2.0ミリメートルを若干超える大きさであったとしても、捕集部材2全体としては、排水穴3aの大きさが全て2.0ミリメートル以下の大きさだった場合と比べ有意と言えるほどの変化を生じない場合は、「2.0ミリメートル以下の排水穴3aを設けた捕集部3」とすることができる。
1b 段部 1c 排出口
1d フランジ部 2 捕集部材
3 捕集部 3a 排水穴
4 鍔部 4a リブ片
5a 通気構造の表側端部 5b 通気構造の裏側端部
6 ロックナット部材 7 天井部
8 貫通孔 9 切り欠き部
10 覆い構造 11 凹凸部
C キャビネット N 流し台
O 取付孔 P 接続配管
PK パッキン部材 S シンク
T 排水トラップ
Claims (7)
- 排水機器の排水口の捕集構造であって、
塵芥を捕集する、凹状を成すと共に排水用の排水穴3aを複数備える捕集部3、
捕集部3の上縁から略水平方向に周縁に沿って連続して突出し、排水口1a内に載置される鍔部4、
からなる捕集部材2と、
施工完了時排水口1a内側面と鍔部4の間に配置され、排水口1aの内側面と鍔部4の外側面の間を通過して、捕集部材2の裏側から表側に空気を通過させる通気構造を備えた排水口の捕集構造であって、
通気構造は上方からの直接の排水の流入を防ぐよう鍔部4によって覆われている通気用の隙間空間を有することを特徴とする排水口の捕集構造。 - 上記排水口の捕集構造において、
通気構造が、捕集部材2の鍔部4下面と排水口1aの内側面との間に、通気用の隙間空間を形成するように配置されたリブ片4aであることを特徴とする、請求項1に記載の排水口の捕集構造。 - 上記排水口の捕集構造において、
上記リブ片4aが、排水口1aまたは捕集部材2に一体的に設けられることを特徴とする、請求項2に記載の排水口の捕集構造。 - 排水機器の排水口の捕集構造であって、
塵芥を捕集する、凹状を成すと共に排水用の排水穴3aを複数備える捕集部3、
捕集部3の上縁から略水平方向に周縁に沿って連続して突出し、排水口1a内に載置される鍔部4、
からなる捕集部材2と、
施工完了時排水口1a内側面と鍔部4の間に配置され、鍔部4中を貫通する貫通孔8を通じ、捕集部材2の裏側から表側に空気を通過させる通気構造を備えた排水口の捕集構造であって、
通気構造が、上記貫通孔8を上方からの直接の排水の流入を防ぐ天井部7で覆うことにより通気方向が水平方向を向くように構成したことを有することを特徴とする排水口の捕集構造。 - 上記排水口の捕集構造において、
捕集部材2の通気構造が、捕集部3の下端よりも上方に備えられることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の排水口の捕集構造。 - 上記排水口の捕集構造において、
上記捕集部3の排水用の排水穴3aの大きさが2ミリメートル以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の排水口の捕集構造。 - 上記排水口の捕集構造において、
上記捕集部材2の鍔部4の上面が、排水口1aの開口周縁よりも低い高さ位置であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の排水口の捕集構造。
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