JP2016050446A - 管トラップ - Google Patents

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Abstract

【課題】排水口から線状清掃治具を挿通する清掃方法、配管途中に設けられた開口部分から内部を清掃する清掃方法のいずれの方法でも良好に清掃作業を行うことができる管トラップを提供する。
【解決手段】排水配管上に配置される管トラップを、内部に上流からの排水が流入し、下方に流れる第一下降部2と、内部に第一下降部2からの排水が流入し、上方に流れる上昇部4と、第一下降部2下端と上昇部4下端を繋ぐ部分であって、平面視第一下降部2下端外周縁及び上昇部4下端周縁に外接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、下方が開放された第一連続部3と、からなるトラップ本体1aと、該トラップ本体1aの第一連続部3の開口部分を閉塞する第一蓋部材1bと、側面視、内側面に第一下降部2から挿入された洗浄機具を第一上昇部4にガイドするガイド面8と、から構成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、排水トラップに関し、更に詳しくは、排水配管に組み込まれ、内部に排水を溜めることで配管上に満水状態部分を形成し、この満水状態部分によって下水など下流側からの臭気や害虫類の逆流を防止する、排水トラップの内、特に管体を屈曲させて構成した管トラップと呼ばれる排水トラップに関するものである。
従来より、洗面台や流し台等の槽体の内部に生じた排水を処理するため、槽体の底面に排水口を設け、この排水口から排水配管を介し下水側に排水を排出する排水配管構造が広く知られている。この排水配管構造において、単純に配管を上方から下方に直線的に接続すると、下水側の臭気や害虫類が屋内側に侵入するため、これを防止するために、排水配管上に、排水トラップと呼ばれる排水装置を接続することが知られている。
特許文献1に記載の従来の排水配管は、槽体である洗面ボウルの底面に設けた排水口からの排水を、管体からなる排水配管によって下水側の配管である床下配管に接続した排水配管であって、配管の途中部分に、管トラップと呼ばれる、管体をS字形状に屈曲させた排水トラップを接続してなる。
管トラップは、U字形状に屈曲させた管体を二つ組み合わせ、横に倒したS字形状のように構成した部材であり、また上流側の屈曲の下端部分に枝管部分を設け、この枝管部分を蓋部材にて閉塞してなる。
洗面台を使用し、排水配管内に排水が流れると、この上流側のU字形状の屈曲部分に排水が溜まって管トラップの流路の少なくとも一部が満水状態となる。
臭気や害虫類はこの満水部分を超えて屋内側に侵入できない為、下水側の臭気や害虫類が屋内側に侵入されることを防止することができる。
このように、下水側の臭気や害虫類が屋内側に侵入することを防止する機能を「トラップ機能」と呼ぶ。また、管トラップの内部に溜まった、管体内部を満水状態とする排水を「封水」と呼び、封水を用いてトラップ機能を生じる排水トラップを「封水式排水トラップ」と呼ぶ。
この管トラップ以外にも多様な排水トラップが知られている。
特許文献2に記載した従来の排水配管は、槽体である洗面ボウルの底面に設けた排水口からの排水を、管体からなる排水配管によって下水側の配管である床下配管に接続した排水配管であって、配管の途中部分に、以下に説明するボトルトラップと呼ばれる排水トラップを接続してなる。
ボトルトラップは、ボトルトラップ本体と、オワン部とからなる。
ボトルトラップ本体は、下方が開口した、伏せたオワン形状を成す外壁部、外壁部の中央部分を上限に貫通する管体である防臭筒、外壁部側面に設けた排出口、から構成される。施工完了時、防臭筒の下端は、オワン部材の内部に配置される。
オワン部は有底円筒形状の部材であって、上方の開口がボトルトラップ本体の外壁部下方の開口に水密的に接続される。
上記したボトルトラップは、防臭筒の上流側の端部を排水口からの配管に、排出口からの配管を床下配管に向かう配管に、それぞれ接続して使用される。
洗面台を使用し、排水配管内に排水が流れると、排水は排水口からボトルトラップの防臭筒内を通過し、防臭筒下端からオワン部内に溜まり、最終的に排出口下端の水位まで達した上で、排出口から排出される。ボトルトラップ内部には、オワン部内部を超えて、排出口の下端位置まで排水が溜まる。このため、防臭筒内部の水面から、防臭筒外側面とオワン部材内部、及びボトルトラップ本体の外壁部内部であって排出口の下端までの流路が満水状態となり、臭気や害虫類はこの満水部分を超えて屋内側に侵入できない為、下水側の臭気や害虫類が屋内側に侵入されることを防止することができる。このように、この従来例のボトルトラップは、ボトルトラップ内部に溜まった排水が封水として機能し、トラップ機能を生じる封水式排水トラップである。
特開平8−93024号 特開平7−71061号
上記のように構成した従来例の排水トラップには、以下のような問題点があった。
排水配管は、洗面台や流し台、浴室・浴槽等、各種の機器を使用した際に生じる排水を排出・処理するための配管であり、内部を流れる排水には毛髪・塵芥・油分・薬品成分・砂などが混入している。これらの成分が排水配管を構成する管体や管トラップ、ボトルトラップ等の内側面に付着したり堆積したりすることで排水配管内部の流路が狭くなり、また排水配管の流路が詰まり、閉塞する等の問題があった。このように排水配管の内部に塵芥等が付着し、その内部を清掃等する必要が生じた場合、大別して二通りの清掃方法があった。
第一の清掃方法は、排水口から金属線をコイル状に巻いたことで、軸方向に剛性があり側面方向に可撓性を備えたコイル線状清掃治具や、軸方向に剛性があり側面方向に可撓性を備えたホース管の先端より高圧の吐水を行う高圧洗浄式清掃治具を用い、これらを排水口から排水配管内に挿通して、排水配管内の管詰まりや汚れを破砕し、または下流側に押し流す方法である。以下、コイル式清掃治具や、高圧洗浄式清掃治具のような、軸方向に剛性、側面方向に多少の可撓性を備えて、排水口等の開口部分から挿通し、排水配管内部に沿って挿通させて排水配管内部を清掃等する線状の清掃治具を「線状清掃治具」と記載する。
第二の清掃方法は、排水配管の途中部分に設けた枝管等の開口部分より、排水配管の外部から内部へブラシなどの清掃治具を挿入することで、排水配管の内部を清掃する方法である。尚、通常排水配管の途中に設けられた枝管等の開口部分は、蓋部材によって閉塞されてなる。
いずれの清掃方法も排水配管内部の清掃や管詰まりを解消することができるが、作業にかかる手間は、第一の清掃方法が排水口から線状清掃治具を挿入するだけで済むのに対し、第二の清掃方法はキャビネット部等を開き、その内部の収納物を作業の邪魔にならないように取り出した上で排水配管上の蓋部材を取り外し、狭い開口部分から排水配管内部をブラシなどで清掃し、清掃後は再び蓋部材を取り付けなければならない上、場合によっては排水配管の内部に溜まった封水等の排水の漏れに対応しなければならない為、第一の清掃方法のほうが作業としては簡単である。
一方、清掃の確実性としては、管詰まり箇所や汚れ箇所に近い位置から清掃作業を行うことができる点から、第二の清掃方法の方がより確実・効果的に汚れや管詰まりの原因となる塵芥等を取り除くことができる。
このため、管体の清掃方法としては、第一の清掃方法と、第二の清掃方法を、状況に合わせて使い分けるようにする場合が多い。
しかしながらこれらの各清掃方法を、上記した排水トラップを採用した排水配管に使用した場合には、次のような問題が発生していた。
第一の清掃方法は、特許文献1に記載の管トラップを採用した排水配管に使用する場合には特に問題なく使用できる。即ち排水口から挿通された線状清掃治具は排水配管び排水配管上の管トラップの内面に沿って曲がりながら下流側に挿通され、排水配管内に付着した塵芥等を破砕し、また排水配管内に付着した汚れを除去しながら下流側に移動する。
一方、第一の清掃方法は、特許文献2に記載のボトルトラップを採用した排水配管に使用することはほぼ不可能である。なぜなら、排水口から挿通された線状清掃治具は配管及び防臭筒の内面に沿って曲がりながらオワン部内部に到達する。しかしながら、そこで線状清掃治具の先端はオワン部の底面に付き当たるか、または底からオワン部の底面に沿って水平方向に移動したとしても、底面と側面の突き当たり部分に当たって移動できなくなる。また、仮にオワン部材の内側側面に沿って上昇できたとしても、その際に上方する位置・方向が排出口に向かう位置・方向であることは殆どなく、仮に排出口に向かう方向に移動したとしても、排出口の高さ位置に達した状態から更に排出口に向かって先端が曲がることはありえないためである。このため、第一の清掃方法は、特許文献2に記載のボトルトラップに利用することはできない。
第二の清掃方法は、特許文献2に記載のボトルトラップに対しては極めて有効で、ボトルトラップ本体から、蓋部材として機能するオワン部を分離することで、内部が簡単且つ広い範囲で露出し、清掃を容易に行うことができる(但し、オワン部材内部に溜まった封水が当然こぼれるため、水受け等の手間がかかる)。
しかしながら、特許文献1に記載の管トラップに対しては、この第二の清掃方法はあまり有効な方法ではなかった。なぜなら、管トラップ下端に設けられた枝管部分の開口は狭く、ブラシなど清掃用の治具を通すのは困難な上、管トラップは屈曲しており、管トラップの下端に設けられた枝管部分の開口から、屈曲部分の上流側又は下流側に向けてブラシ等の清掃治具を通すのも形状的に困難であるためである。結局、管トラップに対して第二の清掃方法を用いる場合は、排水配管の接続自体を解除し、管トラップ自体を取り出して、枝管部分の開口だけでなく、上流側/下流側の接続部分の開口からも清掃を行う必要がある場合がほとんどであり、清掃の手間が相当に掛かるものであった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、排水口からコイル状清掃治具又は高圧洗浄式清掃治具などの線状清掃治具を挿通する第一の清掃方法、配管途中に設けられた開口部分を覆う蓋部材を取り外し、内部を清掃する第二の清掃方法のいずれの方法でも良好に清掃作業を行うことができる排水トラップ、特に管トラップを提供するものである。
請求項1に記載の本発明は、排水配管上に配置される管トラップであって、内部に上流からの排水が流入し、下方に流れる第一下降部2と、内部に第一下降部2からの排水が流入し、上方に流れる上昇部4と、第一下降部2下端と上昇部4下端を繋ぐ部分であって、平面視第一下降部2下端外周縁及び上昇部4下端周縁に外接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、下方が開放された第一連続部3と、からなるトラップ本体1aと、
該トラップ本体1aの第一連続部3の開口部分7を閉塞する第一蓋部材1bと、側面視、内側面に第一下降部2から挿入された洗浄機具を第一上昇部4にガイドするガイド面8と、
から構成したことを特徴とする管トラップである。
請求項2に記載の本発明は、上記管トラップにおいて、第一蓋部材1b及び第一連続部3を、平面視第一下降部2下端周縁及び上昇部4下端周縁に接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、且つ第一下降部2及び上昇部4をその内部に収納する正円形状とすると共に、該第一蓋部材1bは、第一連続部3及び第一蓋部材1bの円弧に沿って設けられた、ネジ又は回転ロック構造によって、回転させることでトラップ本体1aに接続されることを特徴とする段落0009に記載の管トラップである。
請求項3に記載の本発明は、上記管トラップにおいて、トラップ本体1aに、内部に上昇部4からの排水が流入し、下方に排出される第二下降部6を備え、上昇部4上端と第二下降部6上端を繋ぐ部分であって、平面視上昇部4上端外周縁及び第二下降部6上端周縁に外接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、上方が開放された第二連続部5と、該トラップ本体1aの第二連続部5の開口部分7を閉塞する第一蓋部材1bと、側面視、内側面に上昇部4から挿入された洗浄機具を第二下降部6にガイドするガイド面8と、を備えたことを特徴とする、段落0009又は段落0010に記載の管トラップである。
請求項4に記載の本発明は、上記管トラップにおいて、第二蓋部材1b及び第二連続部5を、平面視上昇部4上端周縁及び第二下降部6上端周縁に接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、且つ上昇部4及び第二下降部6をその内部に収納する正円形状とすると共に、該第二蓋部材1bは、第二連続部5及び第二蓋部材1bの円弧に沿って設けられた、ネジ又は回転ロック構造によって、回転させることでトラップ本体1aに接続されることを特徴とする、段落0011に記載の管トラップである。
請求項5に記載の本発明は、上記管トラップにおいて、少なくとも上昇部4内部の金型を、連続部の開口部分7から抜き出すことで、インジェクション成形としたことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の管トラップを特徴とする、段落0009乃至段落0012のいずれか一つに記載の管トラップである。
請求項1に記載の本発明では、管トラップに、平面視第一下降部下端外周縁及び上昇部下端周縁に外接する、下方が開放された第一連続部を設け、第一連続部分の開口部分を閉塞する、側面視、内側面に第一下降部から挿入された清掃治具を第一上昇部にガイドするガイド面を備えた事で、排水口から線式線所治具を挿通する第一の清掃方法では、ガイド面によって線状清掃治具を支障なく下流側に挿通することができる。また蓋部材を取り外して内部を清掃する第二の清掃方法では、第一連続部が第一下降部下端外周縁及び上昇部下端周縁に外接する構造であることから、その下方に設けられた開口部分は、第一下降部下端外周縁及び上昇部下端周縁に外接するように構成されており、開口部分から第一下降部、及び上昇部の内側面をほぼ直線的に視認し、またブラシなどの清掃治具を直線的に挿通することができ、やはり容易且つ確実に清掃を行うことができる。
請求項3に記載の本発明においても、請求項1に記載の発明とほぼ同様に、上昇部と第二か孔部とを繋ぐ第二連続部において、第一の清掃方法では、ガイド面によって線状清掃治具を支障なく下流側に挿通することができる。また蓋部材を取り外して内部を清掃する第二の清掃方法では、第二連続部の開口部分から上昇部、及び第二下降部の内側面をほぼ直線的に視認し、またブラシなどの清掃治具を直線的に挿通することができ、やはり容易且つ確実に清掃を行うことができる。
請求項2、請求項4に記載の本発明では、蓋部材のトラップ本体への接続取り付けを、ネジ又は回転ロック構造によって回転させることで行うようにしたことで、第一の清掃方法、即ち線状清掃治具を排水口から挿通する場合に、蓋部材の内側から外側(蓋部材の外れ方向)に当たって蓋部材に外方向に向かう応力が加わったとしても、応力の方向が蓋部材のロック解除の方向とは異なる為、蓋部材がトラップ本体から外れることは無い。
請求項5に記載の発明では、上昇部の内側に配置される金型を、第一連続部の開口部分、または第二連続部がある場合には第一連続部又は第二連続部の開放部のいずれか一方、又は両方から抜き出すことで、上昇部内部をも金型を当てた状態で成形することができ、トラップ本体をインジェクション成形とすることができる。
第一実施例の排水配管を採用した流し台を示す断面図である。 第一実施例の排水配管の、部材構成を示す断面図である。 第一実施例の管トラップ部材を示す断面図である。 図3の管トラップ部材に線状清掃治具を使用した状態を示す断面図である。 第一実施例の管トラップ部材の、一部を切り欠きした斜視図である。 第一実施例の管トラップ部材の、蓋部材を外した状態を示す断面図である。 第一実施例の管トラップ部材の、蓋部材を外した状態を示す斜視図である。 第一実施例のトラップ本体の平面図である。 第一実施例のトラップ本体の底面図である。 その他の実施例の管トラップ部材を示す断面図である。 図10の管トラップ部材に線状清掃治具を使用した状態を示す断面図である。 図10の管トラップ部材の、一部を切り欠きした斜視図である。 図10の管トラップ部材の、蓋部材を外した状態を示す断面図である。 図10の管トラップ部材の、蓋部材を外した状態を示す斜視図である。 図10の管トラップ部材の、トラップ本体の平面図である。 図10の管トラップ部材の、トラップ本体の底面図である。 段落0022に記載の実施例の管トラップ部材を示す断面図である。 段落0023に記載の実施例の管トラップ部材を示す断面図である。
以下に、本発明の第一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図9に示した、本発明の第一実施例の管トラップを採用した排水配管は、以下に記載する、槽体としてのシンクSを備えた流し台Kに施工される排水配管であって、排水口本体9、板ナット部材10、管トラップ部材1、及び各部材間を接続する、直線形状や曲がり形状等に成形された管体より構成される。
流し台Kは、槽体としてのシンクSと、該シンクSを載架するキャビネット部Cから構成される。
シンクSは、上方に開口したステンレス材からなる箱体であって、その底面には排水口本体9を取り付ける取付孔を備えてなる。
キャビネット部Cは、前方に開閉自在な扉部分を備えた箱体であって、屋内の床面上に配置され、その内部に排水配管が施工される。
排水口本体9は、水平方向に比べ上下方向に幅狭な、有底円筒形状の部材であって、その内部に排水口9aを形成してなり、該排水口9aの周縁部分に、外方向に向かって設けられたフランジ部9bを備えてなる。また、該フランジ部9bの下方に雄ネジが配置され、更に該雄ネジの下方であって側面方向に、排水を排出する排出口9cが構成されてなる。
板ナット部材10は、略円筒形状を成す部材であって、内側面には排水口本体9の雄ネジと螺合する雌ネジを備えてなる。また、施工完了時上端部分が排水口本体9のフランジ部9b下面と対抗するように構成されてなる。
管トラップ部材1は、以下に記載するトラップ本体1a、及び蓋部材1bより構成されてなる。
トラップ本体1aは、更に、以下に記載する、上流側から順に第一下降部2、第一連続部3、上昇部4、第二連続部5、第二下降部6、の各部から構成されてなる。
第一下降部2は、略垂直方向に延出された円筒形状を成す管体部分であって、その上端には排水口本体9からの配管が接続される。
第一連続部3は、第一下降部2と後述する上昇部4とを連通する部分であって、図8また図9に示したように、平面視又は底面視において正円形状を成し、またその下方は開放された開口部分7を備えてなると共に、その外側面部分には、後述する蓋部材1bと嵌合する嵌合部11を備えてなる。
また、図3乃至図7等に示したように、第一連続部3において、第一下降部2及び上昇部4は互いに接するように配置されてなり、更に第一連続部3の正円形状は、平面視第一下降部2下端周縁及び上昇部4下端周縁に接すると共に、第一下降部2及び上昇部4をその内部に収納する正円形状にて構成されてなる。
上昇部4は、第一連続部3から斜め上方に向かって延出された略円筒形状を成す管体部分である。
第二連続部5は、上昇部4と後述する第二下降部6とを連通する部分であって、図8また図9に示したように、平面視において正円形状を成し、またその上方は開放されて開口部分7を備えてなると共に、その外側面部分には、後述する蓋部材1bと嵌合する嵌合部11を備えてなる。
尚、第一連続部3の開口部分7と第二連続部5の開口部分7、及び嵌合部11はいずれも同一の形状を備えてなる。
また、図3乃至図7に示したように、第二連続部5において、上昇部4及び第二下降部6は互いに接するように配置されてなり、更に第二連続部5の正円形状は、平面視上昇部4上端周縁及び第二下降部6上端周縁に接すると共に、上昇部4及び第一下降部2をその内部に収納する正円形状にて構成されてなる。
第二下降部6は、略垂直方向に延出された略円筒形状を成す管体部分であって、その下端には床下配管に繋がる配管が接続される。
また、該トラップ本体1aは、第一連続部3及び第二連続部5が、上昇部4をその内部に収納する正円形状にて構成されたことによって、第一連続部3及び第二連続部5の開口部分7から、成形時に上昇部4の内側に当てた金型を抜き出す構造とした、インジェクション成形によって成形されてなる。
蓋部材1bは、上記トラップ本体1aの第一連続部3及び第二連続部5の開口部分7を閉塞する部材であって、平面視は正円形状を、側面視は円弧形状を備えてなる。平面視正円形状、側面視円弧形状を成すことから明らかなように、蓋部材1bは球体の一部を平面にて切断したような形状を成す。
また、この円弧形状の上方の内側面に、第一連続部及び第二連続部5の開口部分7の嵌合部11と嵌合する被嵌合部12を備えてなる。
該被嵌合部12は、蓋部材1bの円弧に沿って設けられた回転ロック構造であって、水平方向に回転させることで、トラップ本体1aの第一連続部3及び第二連続部5の開口部分7に設けられた嵌合部11と水密的に嵌合する。
尚、第一連続部3の開口部分を閉塞する蓋部材1bは第一蓋部材、第二連続部5の開口部分7を閉塞する蓋部材1bは第二蓋部材であるが、本実施例では第一連続部3及び第二連続部5の開口部分7及び嵌合部11は同一形状であり、これを閉塞する第一蓋部材及び第二蓋部材も同一形状で何ら差異が無いものを使用するため、いずれも単に蓋部材1bとし、特に第一蓋部材又は第二蓋部材として区別はしない。第一連続部3の開口や嵌合部11と、第二連続部5の開口や嵌合部11とで形状が異なり、それぞれに異なる形状の蓋部材1bを用いる場合は、それぞれに対応した第一蓋部材また第二蓋部材を用いる。
また、上記した側面視における円弧形状は、第一連続部3においては第一下降部2から挿通された線状清掃治具Lを円弧に沿って上昇部4下端までガイドし、第二連続部5においては上昇部4から挿通された線状清掃治具Lを円弧に沿って第二下降部6上端までガイドする。即ち、円弧部分がガイド面8である。
以下に、本実施例の施工手順を、図面を参照しつつ説明する。尚、特に詳述しないが、各部材の接続部は、必要に応じて接着/パッキングを介したネジ締めなどの方法によって、水密的に接続される。
また、施工を行う前に、第一連続部3及び第二連続部5の開口部分7に、蓋部材1bをそれぞれ回転ロック構造を利用して水密的に嵌合させ、第一連続部3及び第二連続部5の開口部分を閉塞しておく。
まずシンクS底面に設けられた取付孔に、排水口本体9を挿通し、取付孔の周縁上面にフランジ部9b下面が当接するようにする。更に板ナット部材10をシンクS下方から排水口本体9に挿通し、排水口本体9の雄ネジを板ナット部材10の雌ネジに螺合させて、フランジ部9b下面と板ナット部材10上面とで取付孔周縁を挟持し、排水口本体9をシンクSに対して接続固定する。
次に曲がり形状の管体P1の一端を排水口本体9の排出口9cに接続し、更に曲がり形状の管体P1の他端をトラップ本体1aの上流側端部、即ち第一下降部2上端に接続する。事前に管体の長さや位置・方向を調整しておくことで、トラップ本体1aがキャビネット部C内の奥側の壁面に沿うように配置する。更にトラップ本体1aの下流側端部、即ち第二下降部6の下端を、直線状の管体P2に接続し、この直線状の管体P2を床下配管に接続することで、本実施例の管トラップを採用した排水配管の施工が完了する。
上記のように構成した、流し台Kを使用する場合、流し台Kの使用により、シンクS内に排水が生じると、排水は、排水口9aから、排水口本体9内部、排出口9c、曲がり形状の管体P1、管トラップ部材1、直線状の管体P2、の順に通過し、最終的には床下配管から下水側に排出される。
この際、管トラップ部材1の内部において、第一下降部2から第一連続部3、及び上昇部4の間に排水が溜まって管トラップ部材1の流路の少なくとも一部が満水状態となり、この溜り水が封水となって、管トラップ部材1が封水式排水トラップとして機能する。
上記のように構成した本実施例の管トラップ部材1について、排水配管内に管詰まりが生じた場合や、内部に汚れが付着するなどして清掃又はメンテナンスを行う場合には、以下のようにして清掃又はメンテナンスを行うことができる。
まず、排水口9aからコイル線状清掃治具Lや高圧洗浄式清掃治具などの線状清掃治具Lを挿通して清掃を行う、第一の清掃方法の場合、線状清掃治具Lを、シンクS底面の排水口本体9の排水口9aから、排出口9c、曲がり形状の管体P1の内部を管体に沿って挿通し、管トラップ部材1の上流側の端部、第一下降部2上端まで達するようにする。そのまま線状清掃治具Lの挿通を行うと、線状清掃治具Lは、第一下降部2を通過し、第一連続部3の蓋部材1b内面に達する。そして、線上清掃治具は、そのまま蓋部材1bの円弧形状、即ちガイド面8に沿って移動し、上昇部4下端から、上昇部4内をその内面に沿って上昇する。更に、上昇部4上端から第二連続部5の蓋部材1b内面の円弧形状(ガイド面8)に沿って移動し、第二下降部6の上端に達し、そのまま第二下降部6内を降下させることができる。これらの線状清掃治具Lの移動によって、管詰まりの原因となった塵芥や、管体内部に付着した汚れを取り除き、管トラップ部材1を含む排水配管の内部を清掃することができる。
また、管トラップ部材1の蓋部材1bを取り外して清掃を行う、第二の清掃方法の場合、キャビネット部Cを開放して、キャビネット部C内の収納物を取り出し、管トラップ部材1の下方に、洗面器などの水受けを配置する。この状態から、第一連続部3の蓋部材1bを回転させ、嵌合部11と被嵌合部12の回転ロックによる嵌合を解除すると、第一連続部3の下方の開口部分7が開放される。この際に封水が漏れるが、水受けによってキャビネット部C内が汚されることを防止することができる。
その後、この第一連続部3の開口部分7から、ブラシなどの清掃治具を挿入して、トラップ本体1a内部を清掃することができる。この場合、開口部分7は第一下降部2下端外周縁及び上昇部4下端周縁に外接するように構成されており、開口部分7から第一下降部2、及び上昇部4の内側面をほぼ直線的に視認し(角度的に鏡等を利用する場合もある)、またブラシなどの清掃治具を直線的に挿通することができ、管トラップ部材1内部の塵芥等の詰まり物質や汚れ等を容易且つ確実に清掃を行うことができる。
また、第二下降部6内に対して清掃を行う場合は、第二連続部5の蓋部材1bの嵌合を解除し、この第二連続部5の上方の開口部分7からブラシなどの清掃治具を挿通してトラップ本体1a内部の清掃を行うことができる。この場合も、開口部分7は上昇部4上端周縁及び第二下降部6上端外周縁外接するように構成されており、開口部分7から上昇部4、及び第二下降部6の内側面をほぼ直線的に視認し、またブラシなどの清掃治具を直線的に挿通することができ、管トラップ部材1内部の塵芥等の詰まり物質や汚れ等を容易且つ確実に清掃を行うことができる。
尚、清掃完了後は、再び第一連続部3及び第二連続部5の開口部分の嵌合部11と、蓋部材1bの被嵌合部12とを回転ロックにより嵌合させ、開口部分7を閉塞して、本実施例の排水配管の清掃が完了する。
本発明の実施例は以上のようであるが本発明は上記実施例に限定される物ではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記第一実施例では、第一連続部3及び第二連続部5は、いずれも平面視正円形状であり、これを回転ロックによって接続してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものであは無く、図10乃至図16に示した実施例のように、側面視は本実施例と同じ円弧形状にてガイド面8を形成しつつ、平面視は略楕円形状とし、開口部分7及び蓋部材1bの接続を、開口部分及び蓋部材1bの周縁に鍔部13を設け、この鍔部13同士を突き合わせた状態で、略C字形状に形成したバンド部材14によって接続するように構成しても構わない。この場合、第一本実施例と比べ、平面視においてコンパクトな形状とすることができる。
また、上記実施例では、管トラップに第二連続部5と第二下降部6を構成して側面視Sの字を横に倒したような形状の管トラップとして構成してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、配管のレイアウト構成によっては、図17に示したように、第一下降部2、第一連続部3、上昇部4までを構成し、上昇部4の上端から略水平方向に管体を延出した、側面視Pの字を横に倒したような形状の管トラップとして構成しても構わない。
また、上記実施例では、蓋部材1bの開口部分7周縁に被嵌合部12を設けてなるが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、図18に示したように、開口やガイド面8とは離間した位置に鍔部13を設け、この鍔部13をバンド部材14にて固定し接続を行う構成としても構わない。このような構造であっても、蓋部材1bの内部に設けられたガイド面8の機能には何ら問題はなく、上記した本発明の機能・効果を奏することができる。
また、上記実施例では、ガイド面8は全て側面視円弧形状からなるように構成してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、側面視直線状の傾斜面等によって構成しても、トラップ本体1a内側面と蓋部材1bの内側面の継ぎ目部分に線状清掃治具Lの移動を阻害する凹凸や角等を生じない限り構わない。
1 管トラップ部材 1a トラップ本体
1b 蓋部材 2 第一下降部
3 第一連続部 4 上昇部
5 第二連続部 6 第二下降部
7 開口部分 8 ガイド面
9 排水口本体 9a 排水口
9b フランジ部 9c 排出口
10 板ナット部材 11 嵌合部
12 被嵌合部 13 鍔部
14 バンド部材 C キャビネット部
K 流し台 L 線状清掃治具
P1 曲がり形状の管体 P2 直線状の管体
S シンク

Claims (5)

  1. 排水配管上に配置される管トラップであって、
    内部に上流からの排水が流入し、下方に流れる第一下降部2と、
    内部に第一下降部2からの排水が流入し、上方に流れる上昇部4と、
    第一下降部2下端と上昇部4下端を繋ぐ部分であって、平面視第一下降部2下端外周縁及び上昇部4下端周縁に外接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、下方が開放された第一連続部3と、
    からなるトラップ本体1aと、
    該トラップ本体1aの第一連続部3の開口部分7を閉塞する第一蓋部材1bと、
    側面視、内側面に第一下降部2から挿入された洗浄機具を第一上昇部4にガイドするガイド面8と、
    から構成したことを特徴とする管トラップ。
  2. 上記管トラップにおいて、
    第一蓋部材1b及び第一連続部3を、平面視第一下降部2下端周縁及び上昇部4下端周縁に接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、且つ第一下降部2及び上昇部4をその内部に収納する正円形状とすると共に、
    該第一蓋部材1bは、第一連続部3及び第一蓋部材1bの円弧に沿って設けられた、ネジ又は回転ロック構造によって、回転させることでトラップ本体1aに接続されることを特徴とする、請求項1に記載の管トラップ。
  3. 上記管トラップにおいて、トラップ本体1aに、
    内部に上昇部4からの排水が流入し、下方に排出される第二下降部6を備え、
    上昇部4上端と第二下降部6上端を繋ぐ部分であって、平面視上昇部4上端外周縁及び第二下降部6上端周縁に外接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、上方が開放された第二連続部5と、
    該トラップ本体1aの第二連続部5の開口部分7を閉塞する第一蓋部材1bと、
    側面視、内側面に上昇部4から挿入された洗浄機具を第二下降部6にガイドするガイド面8と、
    を備えたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の管トラップ。
  4. 上記管トラップにおいて、
    第二蓋部材1b及び第二連続部5を、平面視上昇部4上端周縁及び第二下降部6上端周縁に接するか、それ以上に外側方向に幅を有し、且つ上昇部4及び第二下降部6をその内部に収納する正円形状とすると共に、
    該第二蓋部材1bは、第二連続部5及び第二蓋部材1bの円弧に沿って設けられた、ネジ又は回転ロック構造によって、回転させることでトラップ本体1aに接続されることを特徴とする、請求項3に記載の管トラップ。
  5. 上記管トラップにおいて、少なくとも上昇部4内部の金型を、連続部の開口部分7から抜き出すことで、インジェクション成形としたことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の管トラップ。
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