JP7253683B2 - 排水器のフランジ部付き部材及び該部材の金型構造 - Google Patents

排水器のフランジ部付き部材及び該部材の金型構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7253683B2
JP7253683B2 JP2018194775A JP2018194775A JP7253683B2 JP 7253683 B2 JP7253683 B2 JP 7253683B2 JP 2018194775 A JP2018194775 A JP 2018194775A JP 2018194775 A JP2018194775 A JP 2018194775A JP 7253683 B2 JP7253683 B2 JP 7253683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flange
mold
main body
flange portion
parting line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018194775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020063572A (ja
Inventor
徹 永原
Original Assignee
丸一株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 丸一株式会社 filed Critical 丸一株式会社
Priority to JP2018194775A priority Critical patent/JP7253683B2/ja
Publication of JP2020063572A publication Critical patent/JP2020063572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7253683B2 publication Critical patent/JP7253683B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、洗面台や流し台、浴槽・浴室などの排水機器の排水を処理する排水器について、排水器を排水機器に取り付ける際に利用されるフランジ部付き部材に関するものであって、更に詳しくは、施工時の水密性を向上したフランジ部付き部材と、該フランジ部付き部材を成型する金型の構造に関するものである。
従来より、洗面台や流し台、浴槽・浴室など、使用によって排水を生じる機器が知られている。これら排水機器において、生じた排水を処理するため、排水機器に排水器を取り付け、該排水器から下水側へ配管を行うことで、排水を下水側に処理する配管構造が知られている。
特許文献1に記載した従来の排水器は、排水機器である洗濯機を載置する洗濯機用防水パンに取り付けられる排水トラップと呼ばれる排水器であって、上方に開口を、側面に排出口を、それぞれ備えたトラップ本体と、円筒状の本体部と該本体部の外側面上端に外周方向に突出したフランジ部を備えたフランジ部材と、フランジ部材に取り付けられトラップ本体内に配置される逆止弁を有する封水部材と、止水のための環状パッキンと、から構成される。また、トラップ本体の開口内部には雌ネジ部を備え、またフランジ部材の本体部側面には雄ネジ部が備えられてなる。
上記した排水トラップを取り付ける洗濯機用防水パンは、略正方形形状であって、該排水トラップを取り付けるための取付孔を備えた底面部と、底面部の四隅に設けられた洗濯機の脚部を載置する台座部と、底面部及び台座部の周囲を囲む様に設けられた壁面部と、からなる。
上記した排水トラップと洗濯機用防水パンは、以下のようにして施工される。
尚、洗濯機用防水パンを施工する床面には、床下空間に繋がる開口を設けてなり、床下空間には下水側の配管に接続された床下配管が備えられてなる。
まず、トラップ本体の排出口に床下配管の端部を接続し、床下空間にトラップ本体を配置する。
次に、洗濯機用防水パンの取付孔周縁に排水トラップの環状パッキンを取り付ける。
次に、洗濯機用防水パンの取付孔にフランジ部材の本体部を挿入した上で、フランジ部材を回転させてトラップ本体の雌ネジ部をフランジ部材の雄ネジ部に螺合させる。充分に螺合が進むと、フランジ部材のフランジ部下面と、トラップ本体の開口上縁とで、環状パッキンを介して洗濯機用防水パンの取付孔周縁が挟持される。このようにして、排水トラップが洗濯機用防水パンに取り付け固定される。
次に、洗濯機用防水パンを床面上に載置する。
次に、封水部材をトラップ本体に取り付けた上で、洗濯機を洗濯機用防水パンの台座部に載置する。
更に、洗濯機の排水用のホース管を、排水トラップの封水部材に接続して、洗濯機、洗濯機用防水パン、及び排水トラップの施工が完了する。
上記のように、フランジ部を備えたフランジ部材は、トラップ本体を取付孔に接続固定するために利用される部材である。
この様に施工された、洗濯機、洗濯機用防水パン、排水トラップにおいて、洗濯機の使用により排水が生じると、洗濯機からの排水は排水用のホース管から封水部材、またトラップ本体内を通過し、排出口から床下配管を介し下水側に排出される。
また、ホース管が破損するなどして、洗濯機用防水パンの床面上に排水が生じると、排水は床面上からフランジ部材の本体部、またトラップ本体内を通過し、排出口から床下配管を介し下水側に排出される。
上記排水トラップの洗濯機用防水パンへの取り付けにおいては、次のようにして水密的な取り付けが行われる。
施工の際に、フランジ部材のフランジ部下面と、トラップ本体の開口上縁とで、環状パッキンを介して洗濯機用防水パンの取付孔周縁を挟持する。この状態から、トラップ本体の雌ネジ部とフランジ部材の雄ネジ部の螺合が充分に進むと、フランジ部材のフランジ部下面と環状パッキンの上面、またトラップ本体の開口上縁と環状パッキンの下面とが、螺合による応力により強く押圧されて固定される。このような取り付けを行うことにより、環状パッキンに沿ってリング状に当接面が生じ、このリング状の当接面の内側と外側とで排水の流れが遮断される。このようにすることで、洗濯機用防水パン上の排水が、フランジ部の雄ネジ部側の面を通過し本体部に達する事が防止される。また、排水トラップ内の排水が、雄ネジ部と雌ネジ部の間を通過し、更に洗濯機用防水パンとトラップ本体の上縁との間を通過し床下空間に漏水する、ということを防止される。
ところで、環状パッキンはゴム素材など比較的摩擦係数の高い素材から構成されており、強い応力で当接が生じると、摩擦によって当接している部材に貼りつくように動作する。
このため、上記した特許文献1の発明のように、洗濯機用防水パンに排水トラップを取り付ける場合に、螺合の際に回転するフランジ部材と、回転しないトラップ本体や洗濯機用防水パンの両方に当接する環状パッキンは、一部が回転するフランジ部材と共に回転し、一部は回転しないトラップ本体や洗濯機用防水パンと共にその場から回転・移動しない、という状態となる。結果、排水トラップの施工のための螺合時に、環状パッキンが捻じれたり部分的に伸び縮みして水密性を保つことが困難になる場合がある。
これを防ぐため、特許文献2に記載の発明では、符号16で示されるすべりパッキンと呼ばれる部材を採用している。すべりパッキンは、平坦で均一な厚みを持つ、リング状の部材であって、ゴム素材に比べると柔軟性・弾性には欠けるが、摩擦係数は低い素材から構成されてなる。このすべりパッキンを、環状パッキンと螺合の為回転する部材の間に配置すると、回転する部材が螺合を完了するほど強い応力で当接しても、回転する部材の当接面に貼りつくことなく滑るため、上記した環状パッキンの捻じれなどは生じない。
尚、すべりパッキンの当接面のうち、環状パッキンとの当接面とは環状パッキンの弾性によって水密的に当接するため、漏水は生じない。また、フランジ部裏面と当接する部分は、フランジ部裏面もすべりパッキンもほぼ平坦面となっており、平坦面同士が強く押圧することで、弾性を備えなくとも漏水が生じない構成としている。
特開2017-203266号公報 特開平7-216949号公報
上記した環状パッキンとフランジ部を備えた部材との当接部分について、水密的に接続を行う場合は、環状パッキンまたはすべりパッキンと、フランジ部の平坦面とを当接させることで水密的な接続を行う。フランジ部の当接部分に微細であれ凹凸があると、環状パッキンまたはすべりパッキンと当接した状態において、環状パッキンまたはすべりパッキンが凹凸部分により変形してしまい、凹凸部分の周囲に隙間が生じ、この隙間から漏水の可能性が生じる。特にすべりパッキンは、ゴム素材からなる環状パッキンに比較して硬質の素材からなり、弾性を有する環状パッキンと比べると変形しにくいため、段差や凹凸によって隙間が生じやすい。このため、フランジ部材の環状パッキンまたはすべりパッキンとの当接部分、つまりフランジ部の雄ネジ部側の面は出来る限り凹凸を備えないようにする必要がある。
ところで、通常フランジ部材は樹脂成型にて製造される。具体的には、応力を加えて固く締めた金属の型の中に、高温にて溶融させた樹脂材を射出成形機にて圧入し、樹脂が冷えて固まった後に、金型を分割させて内部の樹脂成形品であるフランジ部材を取り出す方法である。
ここで、フランジ部の本体部の中心軸を上下に配置したとき、左右方向(本体部の外周方向)に分割する二枚の金型によってフランジ部材の外側部分は成形されるように構成される。なぜならば、特許文献1.における雄ネジ部分など、フランジ部材が接続される部材との接続の機構となる凹凸の形状がフランジ部材の本体部の外側面に設けられてなり、フランジ部材の本体部の中心軸に沿って移動する金型によって、フランジ部材の外側部分の全てを成形するようにしようとすると、この凹凸部分がいわゆるアンダーカットとなって、金型から成形品を抜き取る事が不可能となるからである。
しかしながら、このようにしてフランジ部材の外側部分を、左右に分割する金型によって成形する構造とすると、フランジ部の雄ネジ部側の面に、本体部からフランジ部の外周縁まで、パーティングラインと呼ばれる直線状の段差または凸条が生じてしまう。
詳述すると、パーティングラインとは、金型同士の合わせ目部分において、樹脂を金型に射出する成形時に、金型の合わせ目の微細なズレに由来する段差や、金型の合わせ目の微細な隙間に由来する凸条である。
図10に示した従来のフランジ部材は、図11に示した、第一の金型、第三の金型の、2つの部分からなる金型により成型される。尚、以下の説明において、金型やパーティングラインの番号に欠番があるのは、後述する実施例での金型やパーティングラインの番号を優先した上で、従来例での番号と合致させたためである。
第一の金型K1は、フランジ部材の本体部の下端から、雄ネジ部を含むフランジ部の側面上端まで、ほぼフランジ部材の外側面全体を成型する金型であって、本体部の中心軸を通る面にて左右に分割する2つの金型から構成され、フランジ部材の成型後には、本体部の左右両側にそれぞれ移動する。また、この第一の金型の本体部の下端となる位置に溶融した樹脂を注入する射出部分が備えられる。
第三の金型K3は、フランジ部材の本体部であって、フランジ部の上面、及び本体部の内側部分を成型する金型であって、フランジ部材の成型後には、フランジ部材の上方に抜けるように移動する。
このような金型から、以下のような工程を経て従来のフランジ部材は成型される。
まず、図11の(a)のように第一の金型K1と第三の金型K3を組み合わせた状態とした上で、フランジ部材の本体部下端となる位置から溶融した樹脂素材を圧入し、注入された樹脂素材が冷却され、固まった状態とする。
次に、第一の金型K1を、本体部の中心軸を通過する平面に沿って分割し、それぞれ左右に分割する。
次に、第三の金型K3を本体部の中心軸に沿う方向であって上方に移動させて本体部から抜脱することで、図11の(b)のように、フランジ部材から金型が外れてフランジ部材の成型が完了する。尚、「第三の金型K3を本体部から上方に抜脱する」とは相対的な動作であって、実際には第三の金型K3が固定されて、本体部を含むフランジ部材を下方に移動させて抜き取る場合も含むものである。以下金型の動作の説明においては、同様に相対的な動作が可能な場合はその動作も含むものである。
このように成型されたフランジ部材は、以下の第二のパーティングラインから第四のパーティングラインを生じる。
第二のパーティングラインPL2:第一の金型と第三の金型の継ぎ目に生じる、フランジ部材の本体部の下端内径部分の環状のパーティングライン。
第三のパーティングラインPL3:第一の金型と第三の金型の継ぎ目に生じる、フランジ部材のフランジ部の上端外縁部分の環状のパーティングライン。
第四のパーティングラインPL4:第一の金型同士の継ぎ目に生じる、第二のパーティングラインPL2から第三のパーティングラインPL3の間であって、中心軸を通過する面に沿って形成される二本の直線状のパーティングライン。
このように、従来のフランジ部材は、フランジ部材の、凹凸部である雄ネジ部側の面(下面)に第四のパーティングラインPL4が発生してしまう構成であった。
パーティングラインによって生じる段差や凸条は、本来「生じないように成形しているものの、技術的な問題からどうしても生じてしまう微細な構造」であり、意図しない構造である事、また微細な構造である事から、特許文献を含む各種の技術資料からは無視される場合がほとんどである。ところが、このフランジ部の環状パッキンと当接する面において生じる、本体部からフランジ部外縁まで延出されるパーティングラインの段差または凸条は、実際に排水器の取り付けを行うと、パーティングラインが段差の場合は図12のように、凸条の場合は図13のように、環状パッキンまたはすべりパッキンと当接する部分に、フランジ部材のフランジ部の外縁から本体部まで隙間Sを生じてしまい、この隙間Sを介して漏水を生じてしまう、という問題があった。
また、集合住宅等においては、各階の床下配管は、最終的に高層階からなる建物全体を上下に貫く縦配管に接続される場合がほとんどである。この場合、上層階から排水があると、縦配管内の排水よりも下方にあった空気が、排水に押されるようにして下方に集中することで、下層階側の配管に高い正圧が発生する。この時、上記のように、パーティングラインによってフランジ部材のフランジ部外縁から本体部まで隙間を生じていると、正圧となった床下配管側の空気が、雄ネジ部と雌ネジ部の隙間を通過し、更にパーティングラインによる環状パッキンまたはすべりパッキンの隙間部分を介して、屋内側に逆流を生じてしまう、という問題があった。床下配管は下水側の配管に接続されているため、この時逆流する空気は、下水側の臭気を有し、また不衛生な空気であり、屋内側への逆流は不具合であった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、排水器のフランジ部付きの部材において、フランジ部の雄ネジ部などの凹凸を有する側の面において、パーティングライン等微細な凹凸により水密性や気密性が失われることを防止した排水器のフランジ部付きの部材を提供するものである。
請求項1に記載の本発明は、排水器のフランジ部付き部材であって、筒状の本体部と、前記本体部の側面の周縁に沿って設けられたフランジ部と、前記本体部の側面に設けられた凹凸部と、からなり、前記フランジ部と前記凹凸部との間において、前記本体部の周方向に沿って形成されるパーティングラインと、前記凹凸部上において、前記本体部の軸方向に形成されるパーティングラインとを有し、前記フランジ部の前記凹凸部側の面が平滑に構成されてなることを特徴とする、排水器のフランジ部付き部材である。
尚、ここでいう「前記フランジ部の前記凹凸部側の面が平滑に構成される」とは、インジェクション成型等、金型を用いて樹脂成型品を製造する際に生じるパーティングラインが、フランジ部の当該面上に存在しないため、当該面が平滑である、という意味である。
請求項2に記載の本発明は、 排水器のフランジ部付き部材であって、筒状の本体部と、前記本体部の側面の周縁に沿って設けられたフランジ部と、前記本体部の側面に設けられた凹凸部と、からなり、前記フランジ部と前記凹凸部との間において、前記本体部の周方向に沿って形成されるパーティングラインと、前記凹凸部上において、前記本体部の軸方向に形成されるパーティングラインとを有し、前記フランジ部の前記凹凸部側の面に、環状の平滑領域が構成されてなることを特徴とする、排水器のフランジ部付き部材である。
尚、ここでいう「前記フランジ部の前記凹凸部側の面に、環状の平滑領域が構成される」とは、インジェクション成型等、金型を用いて樹脂成型品を製造する際に生じるパーティングラインが存在しない領域が、フランジ部の当該面上に全周に沿って環状に存在する、という意味であって、フランジ部の当該面上に環状の平滑領域が構成されていれば、図8の(b)のように、同じフランジ部の当該面上にパーティングラインが形成されていても、発明の内容に含まれるものである。
一方で、例えば図10の(b)に示した従来のフランジ部材のように、フランジ部の雄ネジ部側の面において、本体部からフランジ部外径まで連続する直線状のパーティングラインが形成されており、平滑領域が分断されて環状ではなく円弧状または半円状となっている場合は、「環状」の平滑領域が構成されていないため、本発明には該当しない。
請求項3に記載の本発明は、前記排水器のフランジ部付き部材において、前記凹凸部が雄ネジ部であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水器のフランジ部付き部材である。
請求項4に記載の本発明は、筒状の本体部と、前記本体部の側面の周縁に沿って設けられたフランジ部と、前記本体部の側面に設けられた凹凸部と、からなり、前記フランジ部の前記凹凸部側の面が平滑に構成される排水器のフランジ部付き部材の金型構造であって、前記本体部の前記凹凸部を成型する、成型後に分割して前記本体部の側面方向に移動する第一の金型部と、前記フランジ部の前記凹凸部側の平滑な面を成型する、前記第一の金型部の移動後に前記本体部の軸方向に移動する第二の金型部と、からなる排水器のフランジ部付き部材の金型構造である。
請求項1、請求項2に記載の発明では、排水器のフランジ部付き部材において、フランジ部の凹凸部側の面をパーティングラインの無い平滑な面に構成したことで、またはフランジ部の凹凸部側の面に、環状のパーティングラインの無い平滑領域を構成したことで、施工完了時、フランジ部の凹凸部側の面が環状パッキンと当接した状態において、フランジ部の凹凸部側の面と環状パッキンの間に、パーティングラインによる内径側から外径側に通じる隙間が生じなくなり、フランジ部の本体部側とフランジ部の外縁との間に空気漏れや漏水が生じることの無い、水密的、また気密的な接続を行うことができる。
請求項3に記載の本発明では、排水器のフランジ部付き部材において、フランジ部材の構成を明確にすることができる。
請求項4に記載の本発明では、フランジ部の凹凸部側の面からパーティングラインを省いた排水器のフランジ部付き部材を成型できる具体的な金型構造、またはフランジ部の凹凸部側の面にパーティングラインの無い環状の平滑領域を備えた排水器のフランジ部付き部材を成型できる具体的な金型構造を、示すことができる。
第一実施例の施工状態を示す参考図である。 第一実施例の排水トラップと洗濯機用防水パンの施工状態を示す断面図である。 図2の、一部部材を省略したA部拡大図である。 第一実施例の排水トラップと洗濯機用防水パンの部材構成を示す断面図である。 第一実施例の排水トラップと洗濯機用防水パンの部材構成を示す参考図である。 第一実施例のフランジ部材の、(a)正面図(b)底面図(c)(d)斜視図である。 第一実施例のフランジ部材の、(a)成型状態(b)金型を開いた状態を示す参考図である。 第二実施例のフランジ部材の、(a)正面図(b)底面図(c)(d)斜視図である。 第二実施例のフランジ部材の、(a)成型状態(b)金型を開いた状態を示す参考図である。 従来例のフランジ部材の、(a)正面図(b)底面図(c)(d)斜視図である。 従来例のフランジ部材の、(a)成型状態(b)金型を開いた状態を示す参考図である。 施工が完了した状態における、図10(a)のB部分の拡大図である。 施工が完了した状態における、図10(a)のB部分の拡大図である。
以下に、本発明の第一実施例を、図面を参照しつつ説明する。本発明の第一実施例の排水器は、排水機器である洗濯機Wを載置する洗濯機用防水パン8に取り付けられる排水トラップと呼ばれる排水器であって、以下に記載する、トラップ本体2、フランジ部材1、封水部材、泡止めパイプ管5、すべりパッキン6、環状パッキン7、から構成され、以下に記載する洗濯機用防水パン8に取り付け施工される。尚、以下の説明において、「上下」「側面方向」と方向について記載した場合、施工完了時における上下を基準としたものである。
トラップ本体2は、有底円筒形状の部材であって、上方に開口を、側面に排出口2aを、それぞれ備えてなる。また、トラップ本体2の上方の開口には、その周縁部分に、周縁に沿って外周方向に突出した板状部2bを備えると共に、開口の内周側には雌ネジ部2cを備えてなる。
フランジ部材1は、略円筒形状を成す本体部1aと、該本体部1aの上端外周縁から周縁に沿って外周方向に延出されたフランジ部1bと、本体部1aの下端側であって周縁に沿って内径方向に突出した内鍔部1cと、から構成される。更に、本体部1aの外側面には、上方から順に、フランジ部1b、フランジ部1b下方に設けられた凹凸など備えない正円部1d、正円部1dの下方に設けられたトラップ本体2の雌ネジ部2cと螺合する、凹凸部としての雄ネジ部1eを備えてなる。ここで、雄ネジ部1eの外径は、正円部1dの外径よりも小さいものである。また、本実施例のフランジ部材1は、後述する成型方法により、インジェクション成型を行う際に金型の継ぎ目に生じる段差や凸条、いわゆるパーティングラインが、フランジ部1bの側面上端であって全周に沿って形成されることで、フランジ部1bの凹凸部である雄ネジ部1e側の面には存在しない平滑面H1として構成されてなる。
封水部材は、以下に記載するオワン部材3、防臭筒4、より構成される。
オワン部材3は有底円筒形状を成す部材であって、上方と上端近傍の側面に開口を備えてなり、その上端はフランジ部材1の内鍔部1cに係止される。
防臭筒4は、略円筒形状にして上端の外側面方向に周縁に沿って外鍔部が形成された部材であって、外鍔部の外縁部分にフランジ部材1の内鍔部1cと水密的かつ着脱自在に係止するように構成されてなる。施工完了時には、防臭筒4はオワン部材3の上方に取り付けられる。防臭筒4は、下端はオワン部材3内に配置されると共に、上端はオワン部材3の係止箇所よりも外周側の内鍔部1cに接続される。
泡止めパイプ管5は防臭筒4内に配置される管体であって、その上流側端部には洗濯機Wからの排水ホースが接続される。
すべりパッキン6は、厚みが0.5ミリメートル程度の、表面に凹凸の無い薄板状にして摩擦係数の低い樹脂材を、リング状に切断加工した部材であって、施工完了時にはフランジ部材1のフランジ部1b下面に当接するように配置される。
環状パッキン7は、ゴム等の弾性の高い素材から構成される、断面がU字形状でその開放部分が外側面を向くように90度倒した形状を成す環状の部材であって、施工完了時にはU字形状の開放部分が洗濯機用防水パン8の取付孔8bの周縁を上下に挟むように配置され、上面はすべりパッキン6を介してフランジ部材1のフランジ部1b下面に、下面はトラップ本体2の板状部2b上面に、それぞれ当接するように配置される。
上記した排水トラップを取り付ける洗濯機用防水パン8は、略正方形形状であって、該排水トラップを取り付けるための取付孔8bを備えた底面部8aと、底面部8aの四隅に設けられた洗濯機Wの脚部を載置する台座部8cと、底面部8a及び台座部8cの周囲を囲む様に設けられた壁面部8dと、から構成される。
ここで、本実施例のフランジ部材1の成型方法について説明する。
本実施例のフランジ部材1は、次の第一の金型K1乃至第三の金型K3の、3つの部分からなる金型により成型される。
第一の金型K1は、フランジ部材1の本体部1aであって、本体部1aの下端から、本体部1aに設けられた凹凸部である雄ネジ部1e及び正円部1dの一部までを成型する金型であって、本体部1aの中心軸を通る面にて左右に分割する2つの金型から構成され、フランジ部材1の成型後には、本体部1aの左右両側にそれぞれ移動する。また、この第一の金型K1の本体部1aの下端となる位置に溶融した樹脂を注入する射出部分(図示省略)が備えられる。
第二の金型K2は、フランジ部材1の本体部1aの正円部1dであって、第一の金型K1が成形する部分より上方の部分、及びフランジ部材1のフランジ部1b下面と側面を形成する金型であって、一体に構成されてなり、フランジ部材1の成型後には、フランジ部材1の下方に抜けるように移動する。
第三の金型K3は、フランジ部材1の本体部1aであって、フランジ部1bの上面、及び本体部1aの内側部分を成型する金型であって、フランジ部材1の成型後には、フランジ部材1の上方に抜けるように移動する。
段落0017に記載された金型から、以下のような工程を経て本実施例のフランジ部材1は成型される。
まず、図7の(a)のように第一の金型K1乃至第三の金型K3を組み合わせた状態とした上で、フランジ部材1の本体部1a下端となる位置から溶融した樹脂素材を圧入し、注入された樹脂素材が冷却され、固まった状態とする。
次に、第一の金型K1を本体部1aの中心軸を通過する平面に沿って分割し、それぞれ左右に分割する。
次に、第二の金型K2を本体部1aの中心軸に沿う方向であって下方に移動させる。段落0016に記載の通り、雄ネジ部1eの外径は、正円部1dの外径よりも小さいため、第二の金型K2を下方に移動させることについてアンダーカット部分は発生せず、第二の金型K2の移動は支障なく行われる。
最後に、第三の金型K3を本体部1aの中心軸に沿う方向であって上方に移動させて本体部1aから抜脱することで、図7の(b)のようにフランジ部材1の成型が完了する。
このように成型されたフランジ部材1は、以下の第一から第四のパーティングラインを生じる。
第一のパーティングラインPL1:第一の金型K1と第二の金型K2の継ぎ目に生じる、フランジ部材1の本体部1aの正円部1dの途中の高さ位置であって、正円部1dの円周に沿う環状のパーティングライン。
第二のパーティングラインPL2:第一の金型K1と第三の金型K3の継ぎ目に生じる、フランジ部材1の本体部1aの下端内径部分の環状のパーティングライン。
第三のパーティングラインPL3:第二の金型K2と第三の金型K3の継ぎ目に生じる、フランジ部材1のフランジ部1bの上端外縁部分の環状のパーティングライン。
第四のパーティングラインPL4:第一の金型K1同士の継ぎ目に生じる、第一のパーティングラインPL1から第二のパーティングラインPL2の間であって、中心軸を通過する面に沿って形成される二本の直線状のパーティングライン。
このような金型の構造により、本実施例のフランジ部材1は、フランジ部1bの、凹凸部である雄ネジ部1e側の面(下面)にはパーティングラインが存在しない完全な平滑面H1として成型することができる。
即ち、本実施例のフランジ部材1は、フランジ部1bの凹凸部側の面が平滑に構成されてなる、排水器のフランジ部付きの部材である。
上記した排水トラップと洗濯機用防水パン8は、以下のようにして施工される。
尚、洗濯機用防水パン8を施工する床面には、床下空間に繋がる開口を設けてなり、床下空間には下水側の配管に接続された床下配管が備えられてなる。
まず、トラップ本体2の排出口2aに床下配管の端部を接続し、床下空間にトラップ本体2を配置する。
次に、洗濯機用防水パン8の取付孔8b周縁に排水トラップの環状パッキン7を取り付ける。
次に、環状パッキン7上にすべりパッキン6を配置し、洗濯機用防水パン8の取付孔8b、及び環状パッキン7、すべりパッキン6の開口に、フランジ部材1の筒状部分を挿入する。
次に、フランジ部材1を回転させてトラップ本体2の雌ネジ部2cをフランジ部材1の雄ネジ部1eに螺合させる。充分に螺合が進むと、フランジ部材1のフランジ部1b下面と、トラップ本体2の開口上縁とで、すべりパッキン6及び環状パッキン7を介して洗濯機用防水パン8の取付孔8b周縁を挟持することとなり、排水トラップが洗濯機用防水パン8に取り付け固定される。
また、この作業の際には、フランジ部材1のフランジ部1bが螺合を完了するほど強い応力で当接しても、すべりパッキン6がフランジ部1bの当接面に貼りつくことなく滑るため、環状パッキン7に捻じれなどは生じない。
次に、洗濯機用防水パン8を床面上に載置し、ネジなどで固定する。
次に、封水部材のオワン部材3をフランジ部材1の内鍔部1cに係止し、更に泡止めパイプ管5をオワン部材3内に配置し、防臭筒4をオワン部材3の上方から配置した上で、フランジ部材1の内鍔部1cに防臭筒4の外鍔部を水密的に係止固定する。この時、オワン部材3は、内鍔部1cと外鍔部に挟まれて固定される。
次に、洗濯機Wを洗濯機用防水パン8の台座部8cに載置する。
更に、洗濯機Wの排水用の排水ホースを、排水トラップの泡止めパイプ管5の上端に接続して、洗濯機W、洗濯機用防水パン8、及び排水トラップの施工が完了する。
この様に施工された、洗濯機W、洗濯機用防水パン8、排水トラップにおいて、洗濯機Wの使用により排水が生じると、洗濯機Wからの排水は排水用のホース管から泡止めパイプ管5、防臭筒4、オワン部材3内、オワン部材3上方側面の開口、またトラップ本体2内を通過し、排出口2aから床下配管を介し下水側に排出される。
また、ホース管が破損するなどして、洗濯機用防水パン8の床面上に排水が生じると、排水は床面上からフランジ部材1の本体部1a、防臭筒4、オワン部材3内、オワン部材3上方側面の開口、またトラップ本体2内を通過し、排出口2aから床下配管を介し下水側に排出される。
また、この時オワン部材3内に排水が溜まることで、防臭筒4内からオワン部材3内の流路が満水状態となる。この満水状態の流路を、下水側の臭気や害虫類は通過できないため、下水側の臭気や害虫類が屋内側に侵入することを防止することができる。この時、オワン部材3内に溜まる排水溜まりを封水と呼び、臭気や害虫類の逆流を防止する機能をトラップ機能と呼ぶ。本実施例の排水トラップは、封水によってトラップ機能を生じる封水式排水トラップである。
上記排水トラップの洗濯機用防水パン8への取り付けにおいては、次のようにして水密的な取り付けが行われる。
施工の際に、フランジ部材1のフランジ部1b下面と、トラップ本体2の開口上縁とで、すべりパッキン6、環状パッキン7を介して洗濯機用防水パン8の取付孔8b周縁を挟持する。この状態から、トラップ本体2の雌ネジ部2cとフランジ部材1の雄ネジ部1eの螺合が充分に進むと、図3のように、フランジ部材1のフランジ部1b下面とパッキンの上面、またトラップ本体2の開口上縁とパッキンの下面とが、螺合による応力により強く押圧されて固定される。このような取り付けを行うことにより、パッキンに沿って環状に当接面が生じ、この環状の当接面の内側と外側とで漏水の流れが遮断され、水密な接続が行われる。
特に、本実施例の排水トラップにおいては、フランジ部1bのネジ部側の面である下面にパーティングラインが全く存在しないため、フランジ部1b下面とすべりパッキン6、またすべりパッキン6と環状パッキン7は、フランジ部1b下面の全周・全面に亘って、すべての当接箇所において隙間なく当接し、フランジ部1b下面の本体側端部と外周縁の間が完全に遮断されている。
特に、すべりパッキン6はゴム素材からなる環状パッキン7と比較して硬度が高く弾性が低いため、パーティングラインが当接部分にあると隙間が生じやすいが、前述の通りフランジ部1bの雄ネジ部1e側の面である下面にパーティングラインが全く存在しないため、すべりパッキン6を利用しても隙間が生じず、水密また気密が確保される。
このようにして、洗濯機用防水パン8上の排水が、フランジ部1bの雄ネジ部1e側の面を通過し本体部1aに達する事がないものとすることができる。また排水トラップ内の排水が、雄ネジ部1eと雌ネジ部2cの間を通過し、更に洗濯機用防水パン8とトラップ本体2の上縁との間を通過し床下空間に漏水する、ということを防止することが出来る。
以下に、本発明の第二実施例について、図8及び図9を参照しつつ説明する。
尚、本発明の第二実施例は、施工方法、使用方法は第一実施例とまったく同じであり、フランジ部材1を成型する金型の構造、及びフランジ部材1の成型方法と、その結果としてのフランジ部材1のパーティングラインの位置のみ相違する。このため、以下の説明では、フランジ部材1を成型する金型の構造、及びフランジ部材1の成型方法と、その結果としてのフランジ部材1のパーティングラインの位置の説明、該パーティングラインの相違によって影響が生じる施工内容とその作用効果のみ説明する。
フランジ部材1は、略円筒形状を成す本体部1aと、該本体部1aの上端外周縁から周縁に沿って外周方向に延出されたフランジ部1bと、本体部1aの下端側であって周縁に沿って内径方向に突出した内鍔部1cと、から構成される。更に、本体部1aの外側面には、上方から順に、フランジ部1b、フランジ部1b下方に設けられた凹凸など備えない正円部1d、正円部1dの下方に設けられたトラップ本体2の雌ネジ部2cと螺合する、凹凸部としての雄ネジ部1eを備えてなる。ここで、雄ネジ部1eの外径は、正円部1dの外径よりも小さいものである。また、本実施例のフランジ部材1は、後述する成型方法により、フランジ部1bの下面であって本体部1aに対して同心円状且つ本体部1a側の端部から外縁までの約8割までの長さとなる領域に環状にしてパーティングラインの存在しない平滑領域H2が形成されてなる。
本実施例のフランジ部材1は、次の第一の金型K1乃至第四の金型K4の、4つの部分からなる金型により成型される。
第一の金型K1は、フランジ部材1の本体部1aであって、本体部1aの下端から、本体部1aに設けられた凹凸部である雄ネジ部1e及び正円部1dの一部までを成型する金型であって、本体部1aの中心軸を通る面にて左右に分割する2つの金型から構成され、フランジ部材1の成型後には、本体部1aの左右両側にそれぞれ移動する。また、この第一の金型K1の本体部1aの下端となる位置に溶融した樹脂を注入する射出部分(図示省略)が備えられる。
第二の金型K2は、フランジ部材1の本体部1aの正円部1dであって、第一の金型K1が成形する部分より上方の部分、及びフランジ部材1のフランジ部1b下面であって内径側にある平滑領域H2を成型する。
第三の金型K3は、フランジ部材1の本体部1aであって、フランジ部1bの上面、及び本体部1aの内側部分を成型する金型であって、フランジ部材1の成型後には、フランジ部材1の上方に抜けるように移動する。
第四の金型K4は、フランジ部材1のフランジ部1bであって、フランジ部1bの側面上端から、フランジ部1bの平滑領域H2外縁部分までを成型する金型であって、本体部1aの中心軸を通る面にて左右に分割する2つの金型から構成され、フランジ部材1の成型後には、本体部1aの左右両側にそれぞれ移動する。
段落0024に記載された金型から、以下のような工程を経て本実施例のフランジ部材1は成型される。
まず、図9の(a)のように第一の金型K1乃至第四の金型K4を組み合わせた状態とした上で、フランジ部材1の本体部1a下端となる位置から溶融した樹脂素材を圧入し、注入された樹脂素材が冷却され、固まった状態とする。
次に、第一の金型K1及び第四の金型K4を、本体部1aの中心軸を通過する平面に沿って分割し、それぞれ左右に分割する。
次に、第二の金型K2を本体部1aの中心軸に沿う方向であって下方に移動させる。雄ネジ部1eの外径は、正円部1dの外径よりも小さいため、第二の金型K2を下方に移動させることについてアンダーカット部分は発生せず、第二の金型K2の移動は支障なく行われる。
最後に、第三の金型K3を本体部1aの中心軸に沿う方向であって上方に移動させて本体部1aから抜脱することで、図9の(b)のように、フランジ部材1の成型が完了する。
このように成型されたフランジ部材1は、以下の第一から第六のパーティングラインPL6を生じる。
第一のパーティングラインPL1:第一の金型K1と第二の金型K2の継ぎ目に生じる、フランジ部材1の本体部1aの正円部1dの途中の高さ位置であって、正円部1dの円周に沿う環状のパーティングライン。
第二のパーティングラインPL2:第一の金型K1と第三の金型K3の継ぎ目に生じる、フランジ部材1の本体部1aの下端内径部分の環状のパーティングライン。
第三のパーティングラインPL3:第三の金型K3と第四の金型K4の継ぎ目に生じる、フランジ部材1のフランジ部1bの上端外縁部分の環状のパーティングライン。
第四のパーティングラインPL4:第一の金型K1同士の継ぎ目に生じる、第一のパーティングラインPL1から第二のパーティングラインPL2の間であって、中心軸を通過する面に沿って形成される二本の直線状のパーティングライン。
第五のパーティングラインPL5:第二の金型K2と第四の金型K4の継ぎ目に生じる、フランジ部1b下面を、平滑領域H2内と平滑領域H2外に区画する環状のパーティングライン。
第六のパーティングラインPL6:第四の金型K4同士の継ぎ目に生じる、第三のパーティングラインPL3から第五のパーティングラインPL5の間であって、中心軸を通過する面に沿って形成される二本の直線状のパーティングライン。
このような金型の構造により、本実施例のフランジ部材1は、フランジ部1bの、凹凸部である雄ネジ部1e側の面(下面)にはパーティングラインが存在しない環状の平滑領域H2を成型することができる。
即ち、本実施例のフランジ部材1は、フランジ部1bの凹凸部側の面に環状の平滑領域H2が構成されてなる、排水器のフランジ部付きの部材である。
上記排水トラップの洗濯機用防水パン8への取り付けにおいては、次のようにして水密的な取り付けが行われる。
施工の際に、フランジ部材1のフランジ部1b下面の平滑領域H2部分と、トラップ本体2の開口上縁とで、すべりパッキン6、環状パッキン7を介して洗濯機用防水パン8の取付孔8b周縁を挟持する。この状態から、トラップ本体2の雌ネジ部2cとフランジ部材1の雄ネジ部1eの螺合が充分に進むと、フランジ部材1のフランジ部1b下面とパッキンの上面、またトラップ本体2の開口上縁とパッキンの下面とが、螺合による応力により強く押圧されて固定される。このような取り付けを行うことにより、パッキンに沿って環状に当接面が生じ、この環状の当接面の内側と外側とで漏水の流れが遮断され、水密な接続が行われる。
特に、本実施例の排水トラップにおいては、フランジ部1bのネジ部側の面である下面にパーティングラインが全く存在しない環状の平滑領域H2を形成し、フランジ部1b下面とすべりパッキン6、またすべりパッキン6と環状パッキン7は、フランジ部1b下面の平滑領域H2において隙間なく当接し、フランジ部1b下面の本体側端部と平滑領域H2外縁までの間が完全に遮断されている。
特に、すべりパッキン6はゴム素材からなる環状パッキン7と比較して硬度が高く弾性が低いため、パーティングラインが当接部分にあると隙間が生じるが、環状の平滑領域H2によりフランジ部1bの内径側端部から平滑領域H2外縁まで連続して生じるパーティングラインが全く存在しないため、すべりパッキン6を利用してもフランジ部1bの内径側端部から平滑領域H2外縁まで連続する隙間が生じず、水密また気密が確保される。
このようにして、洗濯機用防水パン8上の排水が、フランジ部1bの雄ネジ部1e側の面を通過し本体部1aに達する事がないものとすることができる。また排水トラップ内の排水が、雄ネジ部1eと雌ネジ部2cの間を通過し、更に洗濯機用防水パン8とトラップ本体2の上縁との間を通過し床下空間に漏水する、ということを防止することが出来る。
本発明の実施例は上記のようであるが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、発明の主旨を変更しない範囲で自由に変更が可能である。例えば、上記実施例では、フランジ部付き部材としてのフランジ部材1は、洗濯機用防水パン8に取り付けられる排水トラップのフランジ部材1であるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、浴槽や浴室、洗面台や流し台等、排水機器に取り付けられる排水器のフランジ部付き部材であればどのような排水機器の排水器に用いても構わない。
また、上記実施例では、フランジ部1bはフランジ部材1の本体部1aの上端に配置されているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、フランジ部付き部材の本体部1aの側面の中間の高さ位置等、任意の高さ位置に配置しても構わない。
また、上記実施例では、フランジ部付き部材の凹凸部は雄ネジ部1eによって形成されているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本体部1aの側面に沿って設けられた凸条や溝等であっても構わない。
1 フランジ部材 1a 本体部
1b フランジ部 1c 内鍔部
1d 正円部 1e 雄ネジ部
2 トラップ本体 2a 排出口
2b 板状部 2c 雌ネジ部
3 オワン部材 4 防臭筒
5 泡止めパイプ管 6 すべりパッキン
7 環状パッキン 8 洗濯機用防水パン
8a 底面部 8b 取付孔
8c 台座部 8d 壁面部
H1 平滑面 H2 平滑領域
K1 第一の金型部 K2 第二の金型部
K3 第三の金型部 K4 第四の金型部
PL1 第一のパーティングライン PL2 第二のパーティングライン
PL3 第三のパーティングライン PL4 第四のパーティングライン
PL5 第五のパーティングライン PL6 第六のパーティングライン
S 隙間 W 洗濯機

Claims (4)

  1. 排水器のフランジ部付き部材であって、
    筒状の本体部と、
    前記本体部の側面の周縁に沿って設けられたフランジ部と、
    前記本体部の側面に設けられた凹凸部と、からなり、
    前記フランジ部と前記凹凸部との間において、前記本体部の周方向に沿って形成されるパーティングラインと、
    前記凹凸部上において、前記本体部の軸方向に形成されるパーティングラインとを有し、
    前記フランジ部の前記凹凸部側の面が平滑に構成されてなることを特徴とする、排水器のフランジ部付き部材。
  2. 排水器のフランジ部付き部材であって、
    筒状の本体部と、
    前記本体部の側面の周縁に沿って設けられたフランジ部と、
    前記本体部の側面に設けられた凹凸部と、からなり、
    前記フランジ部と前記凹凸部との間において、前記本体部の周方向に沿って形成されるパーティングラインと、
    前記凹凸部上において、前記本体部の軸方向に形成されるパーティングラインとを有し、
    前記フランジ部の前記凹凸部側の面に、環状の平滑領域が構成されてなることを特徴とする、排水器のフランジ部付き部材。
  3. 前記排水器のフランジ部付き部材において、
    前記凹凸部が雄ネジ部であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の排水器のフランジ部付き部材。
  4. 筒状の本体部と、
    前記本体部の側面の周縁に沿って設けられたフランジ部と、
    前記本体部の側面に設けられた凹凸部と、からなり、
    前記フランジ部の前記凹凸部側の面が平滑に構成される排水器のフランジ部付き部材の金型構造であって、
    前記本体部の前記凹凸部を成型する、成型後に分割して前記本体部の側面方向に移動する第一の金型部と、
    前記フランジ部の前記凹凸部側の平滑な面を成型する、前記第一の金型部の移動後に前記本体部の軸方向に移動する第二の金型部と、
    からなる排水器のフランジ部付き部材の金型構造。
JP2018194775A 2018-10-16 2018-10-16 排水器のフランジ部付き部材及び該部材の金型構造 Active JP7253683B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018194775A JP7253683B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 排水器のフランジ部付き部材及び該部材の金型構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018194775A JP7253683B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 排水器のフランジ部付き部材及び該部材の金型構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020063572A JP2020063572A (ja) 2020-04-23
JP7253683B2 true JP7253683B2 (ja) 2023-04-07

Family

ID=70386933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018194775A Active JP7253683B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 排水器のフランジ部付き部材及び該部材の金型構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7253683B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001182120A (ja) 1999-12-24 2001-07-03 Kazuhiro Sueyoshi 床の防水パン用トラップ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5884335B2 (ja) * 2011-08-18 2016-03-15 株式会社ノーリツ 操作部固定ボルトおよび浴槽の排水装置
JP2014034782A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Nippon Alpha:Kk 排水栓装置
JP6436460B2 (ja) * 2015-07-27 2018-12-12 矢崎総業株式会社 成形金型および成形方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001182120A (ja) 1999-12-24 2001-07-03 Kazuhiro Sueyoshi 床の防水パン用トラップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020063572A (ja) 2020-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10119263B2 (en) Universal height absorbing toilet seal
US10294647B2 (en) Universal height absorbing toilet seal
US11828052B2 (en) Universal height absorbing toilet seal
US20140062035A1 (en) Flexible seal with modular spacers
JP2015507113A (ja) 洗面器用ポップアップ装置の設置構造及び設置方法
JP7253683B2 (ja) 排水器のフランジ部付き部材及び該部材の金型構造
JP2011137330A (ja) 槽体の配管構造
JP2017095930A (ja) 排水トラップ
US20230111926A1 (en) Pop-up sink drain assembly with overflow knock-out blank band
KR20100127461A (ko) 세면대용 배수장치
JP2013104202A (ja) 排水装置の取り付け構造
JP2015113556A (ja) 排水栓の水抜き構造
JP6909451B2 (ja) 管体の接続構造
JP7139003B2 (ja) 配管構造
JP2012180656A (ja) 逆流防止弁
KR101186776B1 (ko) 배수관 고정구를 구비한 세면대 배수장치
KR101534002B1 (ko) 양변기용 배출유닛
JP2024060904A (ja) 排水部材
JP7066149B2 (ja) 弁部材
JP7333555B2 (ja) 接続継手及び接続継手を用いた排水配管の補修方法
JP2023079010A (ja) 排水装置
JPS6019189Y2 (ja) 排水トラツプ
JP6785400B2 (ja) 排水器の取付構造
JPS6329019Y2 (ja)
RU46020U1 (ru) Сифон для санитарно-гигиенического устройства и горловина сифона

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7253683

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150