JP4441492B2 - 内視鏡用高周波ナイフ - Google Patents

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この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通され、高周波電流を通電して体内粘膜の切開等に用いられる内視鏡用高周波ナイフに関する。
内視鏡用高周波ナイフは一般に、電気絶縁性の可撓性シースの先端に棒状の導電性の高周波電極が前方に向かって突出する状態に配置されて、可撓性シース内に挿通配置された導電線の先端が高周波電極の後端部に接続され、導電線を介して高周波電極に高周波電流を通電することができるように構成されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2002−113016 特開2002−153484
内視鏡用高周波ナイフによる処置は、体内粘膜を狙った通りの方向に狙った通りの深さで狙った通りの範囲だけ切開する必要があり、非常に微妙な動作制御を必要とする場合が少なくない。そのため、内視鏡の挿入部の先端から突出された高周波電極の向きを、所望される切開状態に合わせて調整する必要が生じる。
しかし、内視鏡に設けられた湾曲部の屈曲動作や処置具起上装置の起上操作等による方向変換等では、高周波電極の向きを小回りがきいた状態に変えることができない。また、高周波ナイフを構成する可撓性シースの先端近傍を遠隔操作によって屈曲するように構成しても、構造が徒に複雑になるにもかかわらず高周波電極の小回りがそれほど可能になるわけでもない。
そこで本発明は、シンプルで簡単な構造により、棒状の高周波電極の向きだけを手元側からの操作で任意に変えることができて、小回りのきいた内視鏡的切開処置を行うことができるようにした内視鏡用高周波ナイフを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用高周波ナイフは、電気絶縁性の可撓性シースの先端に導電性の棒状の高周波電極が前方に向かって突出する状態に配置されて、可撓性シース内に挿通配置された導電線の先端が高周波電極の後端部に接続され、導電線を介して高周波電極に高周波電流を通電することができるように構成された内視鏡用高周波ナイフにおいて、棒状の高周波電極を可撓性シースの先端部分に支軸を中心に回動自在に配置すると共に、導電線を可撓性シース内に軸線方向に進退自在に配置し、導電線を基端側から進退操作することにより高周波電極が支軸を中心に回動して、可撓性シースの先端からの高周波電極の突出方向を変えることができるようにしたものである。
なお、支軸が高周波電極の棒状部分の軸線の延長線に対して直交する向きに配置されていてもよく、支軸が、高周波電極に対する導電線接続部との間に間隔をあけて高周波電極の後半部分に取り付けられていてもよい。
また、支軸を支持する支持枠体が可撓性シースの先端に取り付けられていてもよく、支持枠体に支軸の両端部が支持されて、支軸の中間部分に高周波電極が回動自在に支持されていてもよい。
そして、高周波電極の回動可能範囲を規制するストッパが支持枠体に設けられていてもよく、高周波電極の回動可能範囲の一端側では高周波電極が可撓性シースの真っ直ぐ前方を向き、他端側では高周波電極が斜め前方を向くように、高周波電極の回動可能範囲がストッパにより規制されるようにしてもよい。
また、支持枠体の外周面の全面が可撓性シースによって被覆されていてもよく、或いは、高周波電極が回動した時に高周波電極の後端側の部分が出入りする穴が支持枠体の側面部に形成されていてもよい。
また、高周波電極が支軸付近で屈曲した形状に形成されていてもよく、先端付近で曲がったフック状の形状に形成されていてもよい。また、高周波電極が全長にわたって真っ直ぐな形状に形成されていてもよく、導電線が押し込み操作された時に高周波電極を回動させ易い方向に導電線に曲がり癖が付けられていてもよい。
本発明によれば、可撓性シース内に通された導電線を基端側から進退操作することにより棒状の高周波電極が支軸を中心に回動して、可撓性シースの先端からの高周波電極の突出方向を変えることができるので、極めてシンプルで簡単な構造により、高周波電極の向きだけを手元側からの操作で任意に変えて、術者の意に則した小回りのきいた内視鏡的切開処置を行うことができる。
電気絶縁性の可撓性シースの先端に導電性の棒状の高周波電極が前方に向かって突出する状態に配置されて、可撓性シース内に挿通配置された導電線の先端が高周波電極の後端部に接続され、導電線を介して高周波電極に高周波電流を通電することができるように構成された内視鏡用高周波ナイフにおいて、棒状の高周波電極を可撓性シースの先端部分に支軸を中心に回動自在に配置すると共に、導電線を可撓性シース内に軸線方向に進退自在に配置し、導電線を基端側から進退操作することにより高周波電極が支軸を中心に回動して、可撓性シースの先端からの高周波電極の突出方向を変えることができるようにする。
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図3は、本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフを示しており、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シース1は、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような電気絶縁性の可撓性チューブにより形成されている。
可撓性シース1の先端には、導電性の高周波電極2が首振り自在に前方に向かって突出配置されており、可撓性シース1内には、導電性の操作ワイヤ3(導電線)が軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されて、その先端が高周波電極2に接続されている。
可撓性シース1の基端には操作部10が連結されており、操作部10にスライド自在に配置されたスライド操作部材11をスライド操作することにより、操作ワイヤ3が進退操作されて可撓性シース1の先端で高周波電極2を首振り動作させることができる。
また、スライド操作部材11には図示されていない高周波電源コードを接続するための接続端子12が設けられており、そこに高周波接続端子を接続することにより、操作ワイヤ3を介して高周波電極2に高周波電流を通電することができる。
図4は、内視鏡用高周波ナイフが内視鏡50の処置具挿通チャンネルに通された使用状態を示しており、処置具挿入口51から処置具挿通チャンネルに差し込まれた可撓性シース1の先端部分が内視鏡挿入部先端の処置具突出口52から突出し、可撓性シース1の先端から突出する高周波電極2に高周波電流を通電することにより、高周波電極2に接触している体内粘膜をジュール熱で切開することができる。操作部10の接続端子12には高周波電源コード20が接続されている。
図5は内視鏡用高周波ナイフの先端部分の側面断面図、図6は正面断面図であり、可撓性シース1の最先端部分には、例えばステンレス鋼等のような剛体からなる支持枠体4が嵌め込まれた状態で接合固定されている。なお、支持枠体4は硬質プラスチック等で形成してもよい。
支持枠体4の外周面は全面が可撓性シース1により被覆されて電気絶縁された状態になっている。また、支持枠体4内には空間4aが形成されてその空間4a内から後方に貫通するワイヤ通し孔4bが後端寄りの部分の軸線位置に形成されている。
高周波電極2は全体が真っ直ぐに形成されていて、可撓性シース1の先端から前方に突出する部分は細い円柱状の棒状に形成されているが、可撓性シース1内に位置する部分は、支持枠体4の空間4aの幅に合わせてそこに緩く内接する幅広部2aになっている。
そして、図6におけるVII−VII断面を図示する図7にも示されるように、高周波電極2には、棒状部分の軸線の延長線に対して直交する向きに、幅広部2aを横断する状態に貫通孔が形成されていて、可撓性シース1の直径位置においてその貫通孔に緩く通された支軸5の両端が支持枠体4にかしめ等で固定されて支持されている。
したがって高周波電極2の幅広部2aが支軸5の両端の支持部と支持部との中間部分において支軸5に回動自在に支持されていて、高周波電極2が支軸5を中心に自由に回動することができる状態になっている。
図5及び図6に戻って、操作ワイヤ3の先端はループ状に形成されて、その部分が高周波電極2の後端近傍に形成された接続孔6に緩く通されて接続/連結されている。支軸5は、接続孔6との間に間隔をあけて高周波電極2の後半部分の幅広部2aを貫通している。
このように構成された実施例の内視鏡用高周波ナイフにおいては、図5に示されるように、操作ワイヤ3が操作部10側から牽引された状態では、高周波電極2が可撓性シース1の軸線の延長線上で真っ直ぐ前方に向いた状態になる。なお、その状態で高周波電極2がぐらつかないように、高周波電極2の幅広部2aに当接して高周波電極2の回動可能範囲を規制する第1ストッパ7が支持枠体4の先端部分に形成されている。
そして、操作ワイヤ3が操作部10側から押し込み操作されると、図1及び図2に示されるように、高周波電極2が支軸5を中心に回動して可撓性シース1の先端部分で斜め前方に向けて首を振った状態になる。
この状態のときに高周波電極2の回動可能範囲を規制する第2ストッパ8が支持枠体4の先端に形成されている。ただし、支持枠体4の空間4a内において高周波電極2の後端が当接する部分を第2ストッパ8′にしてもよい。また、図1に示されるように、操作ワイヤ3が押し込み操作された時に高周波電極2が回動し易くなる方向に、操作ワイヤ3に僅かに曲がり癖を付けておくとよい。
このようにして、操作部10からの操作によって可撓性シース1の先端からの高周波電極2の突出方向を真っ直ぐな状態と斜め前方に向いた状態の間で首を振らせて任意に変えることができ、高周波電極2だけが方向変換をして非常に小回りがきくので、体内粘膜を切開する際に高周波電極2の位置と向きを細かく制御して所望の状態に切開することができる。
図8は本発明の第2の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分を示しており、高周波電極2が支軸5付近でくの字状に屈曲した形状に形成されて、接続孔6が高周波電極2の棒状の前方突出部分の軸線の延長線から外れた位置に配置されている。その他の点は前述の第1の実施例と同様の構成である。
このように構成された実施例の内視鏡用高周波ナイフにおいては、操作部10側から操作ワイヤ3を押し込み操作すると図8に示されるように高周波電極2が真っ直ぐの状態になり、引っ張り操作すると図9に示されるように高周波電極2が斜め前方に首を振った状態になる。
図10は、本発明の第3の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分を示しており、棒状の高周波電極2を先端付近でフック状に曲げて形成したものである。このように、高周波電極2は、使用目的等に応じて適宜の形状にすることができる。
図11は、本発明の第4の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分を示しており、支持枠体4を、可撓性シース1の前方に突出する状態に配置して、支持枠体4の後端寄りの部分を可撓性シース1の先端内に嵌め込んで連結固定したものである。
そしてこの実施例では、接続孔6が高周波電極2の棒状の前方突出部分の軸線の延長線上にあるものの、高周波電極2が支軸5の前後で各々くの字状に曲がった形状に形成されていて、さらに、高周波電極2が回動した時に高周波電極2の後端部分2bが出入りする穴4cが支持枠体4の側面部に形成されている。
このように構成することにより、図12及び図13に示されるように、高周波電極2の後端部分2b付近が支持枠体4の穴4cから飛び出した状態まで高周波電極2を回動させることができるので、高周波電極2を大きな角度回動させて可撓性シース1の先端からの突出方向を広範囲に変換することができる。
本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフの高周波電極が首を振った状態の先端部分の側面断面図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフの高周波電極が首を振った状態の先端部分の斜視図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフの全体構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフが内視鏡の処置具挿通チャンネルに通された状態の側面図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分の側面断面図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分の正面断面図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波ナイフの図6におけるVII−VII断面図である。 本発明の第2の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分の側面断面図である。 本発明の第2の実施例の内視鏡用高周波ナイフの高周波電極が首を振った状態の先端部分の側面断面図である。 本発明の第3の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分の側面図である。 本発明の第4の実施例の内視鏡用高周波ナイフの先端部分の側面断面図である。 本発明の第4の実施例の内視鏡用高周波ナイフの高周波電極が首を振った状態の先端部分の側面断面図である。 本発明の第4の実施例の内視鏡用高周波ナイフの高周波電極が首を振った状態の先端部分の斜視図である。
符号の説明
1 可撓性シース
2 高周波電極
2b 後端部分
3 操作ワイヤ(導電線)
4 支持枠体
4c 穴
5 支軸
6 接続孔
7 第1ストッパ
8,8′ 第2ストッパ
10 操作部
12 接続端子

Claims (13)

  1. 電気絶縁性の可撓性シースの先端に導電性の棒状の高周波電極が前方に向かって突出する状態に配置されて、上記可撓性シース内に挿通配置された導電線の先端が上記高周波電極の後端部に接続され、上記導電線を介して上記高周波電極に高周波電流を通電することができるように構成された内視鏡用高周波ナイフにおいて、
    上記棒状の高周波電極上記可撓性シースの先端部分に支軸を中心に回動自在に配置されると共に、上記導電線上記可撓性シース内に軸線方向に進退自在に配置されて、上記導電線の先端が上記高周波電極の後端付近に連結され
    上記導電線を基端側から進退操作することにより、上記可撓性シースの先端部分において上記導電線の先端部分と上記高周波電極のみが上記支軸を中心に回動して、上記可撓性シースの先端の向きが変わることなく上記可撓性シースの先端からの上記高周波電極の突出方向るようにしたことを特徴とする内視鏡用高周波ナイフ。
  2. 上記支軸が上記高周波電極の棒状部分の軸線の延長線に対して直交する向きに配置されている請求項1記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  3. 上記支軸が、上記高周波電極に対する上記導電線接続部との間に間隔をあけて上記高周波電極の後半部分に取り付けられている請求項1又は2記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  4. 上記支軸を支持する支持枠体が上記可撓性シースの先端に取り付けられている請求項1、2又は3記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  5. 上記支持枠体に上記支軸の両端部が支持されて、上記支軸の中間部分に上記高周波電極が回動自在に支持されている請求項4記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  6. 上記高周波電極の回動可能範囲を規制するストッパが上記支持枠体に設けられている請求項4又は5記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  7. 上記高周波電極の回動可能範囲の一端側では上記高周波電極が上記可撓性シースの真っ直ぐ前方を向き、他端側では上記高周波電極が斜め前方を向くように、上記高周波電極の回動可能範囲が上記ストッパにより規制される請求項6記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  8. 上記支持枠体の外周面の全面が上記可撓性シースによって被覆されている請求項4ないし7のいずれかの項に記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  9. 上記高周波電極が回動した時に上記高周波電極の後端側の部分が出入りする穴が上記支持枠体の側面部に形成されている請求項4ないし7のいずれかの項に記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  10. 上記高周波電極が上記支軸付近で屈曲した形状に形成されている請求項1ないし9のいずれかの項に記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  11. 上記高周波電極が、先端付近で曲がったフック状の形状に形成されている請求項1ないし10のいずれかの項に記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  12. 上記高周波電極が全長にわたって真っ直ぐな形状に形成されている請求項1ないし8のいずれかの項に記載の内視鏡用高周波ナイフ。
  13. 上記導電線が押し込み操作された時に上記高周波電極を回動させ易い方向に上記導電線に曲がり癖が付けられている請求項1ないし12のいずれかの項に記載の内視鏡用高周波ナイフ。
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