JP4441041B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに係り、コーナリング性に優れ、さらに高速耐久性についても優れる空気入りラジアルタイヤ、特に、軽量化を主目的とした乗用車用に適した空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
周方向剛性と面内曲げ剛性に優れた空気入りラジアルタイヤを提供するために、従来からクラウン部にスチールコードから形成されている二層のベルト層が積層され、一方のベルト層のコードと、他方のベルト層のコードとがタイヤ赤道面を挟んで互いに反対方向に傾斜しているクロスベルト構造のものが幅広く使用されている。
【0003】
しかしながら、近年、省エネルギー化が叫ばれるようになり、自動車においても重量の低減による燃費の向上が図られている。これに伴って、タイヤについても軽量化の要求が年々高まる傾向にあり、特に汎用の乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいては、この傾向が顕著である。
【0004】
そこで、かかる軽量化を図るために、タイヤ赤道面に対して傾斜する複数のスチールコードを含む傾斜ベルトと、タイヤ赤道面に対して平行な複数の有機繊維コードまたはスチールコードを含む周方向ベルトとからなる空気入りラジアルタイヤが提案されている(例えば、特開平8−318706号公報等)。
【0005】
特開平8−318706号公報に記載の空気入りラジアルタイヤ(以下、従来技術という)では、ベルトが2層であり、周方向ベルトに高強度の有機繊維コード(または最適に配置されたスチールコード)を用いることにより軽量化及び高速耐久性の向上が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では最外層のベルト層が周方向ベルト層、すなわち、コードまたはフィラメントが赤道面に略平行に配置されているため、クロスベルト構造のものと比較してプライステアが減少しており、これに伴なって残留コーナリングフォースがゼロに近い値となってしまう。
【0007】
残留コーナリングフォースは、ゼロに近い値ほど平坦路上ではタイヤの直進性が良好となるものであるが、路面には通常、雨水の排水のために傾斜(カント)がつけられている。したがって、この傾斜に逆らってタイヤの直進性を確保するために、タイヤには、右側通行、左側通行に応じて所定の残留コーナリングフォースを付与しておくことが必要である。
【0008】
そこで、本発明は上記事実を考慮し、軽量化しつつ、所定の残留コーナリングフォースを確保した空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードまたはフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平行に複数本のコードを配列した1層の周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記周方向ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称であることにより残留コーナリングフォースが確保されるように、前記周方向ベルト層が、タイヤ幅方向において赤道面から一端までの距離L2が赤道面から他端までの距離R2よりも大きくなるように配置され、かつ、δ=[|L2−R2|/(R2+L2)]×100(%)が2%以上15%以下とされていることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0011】
通常、残留コーナリングフォースは、タイヤに積層されたベルト層の最外層に配置されたベルト層のコードまたはフィラメントの配列方向によって発生する。例えば、上記クロスベルト構造では、最外層ベルトにおけるコードの配列方向(赤道面に対する傾斜角度)に基づいて残留コーナリングフォースが発生する。本発明では最外層の周方向ベルト層のコードが赤道面と略平行に配列されているため、コードの配列方向によって残留コーナリングフォースはほとんど発生しない。
【0012】
そこで、ベルト層(周方向ベルト層あるいは傾斜ベルト層のいずれでも良く、両方でも良いが、請求項1では周方向ベルト層)の剛性を赤道面を挟んで左右非対称とすることによって、タイヤに残留コーナリングフォースを発生させている。
すなわち、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤでは、周方向ベルト層はタイヤ幅方向において赤道面を挟んで両端までの距離が異なっている。よって、周方向ベルト層が赤道面を挟んで左右非対称に配置されている。したがって、ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称となり、空気入りラジアルタイヤに所定の残留コーナリングフォースを発生させることができる。
従って、タイヤ軽量化のために、最外層に周方向ベルト層を用いた空気入りラジアルタイヤにおいても、ベルト層の剛性を左右非対称とすることにより、所定の残留コーナリングフォースを確保することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記傾斜ベルト層が、タイヤ幅方向において赤道面から一端までの距離と他端までの距離が異なるように配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードまたはフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平行に複数本のコードを配列した1層の周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記周方向ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称であることにより残留コーナリングフォースが確保されるように、前記周方向ベルト層では、赤道面から一方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔が、赤道面から他方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔と異なっていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0016】
周方向ベルト層は、赤道面を挟んでコード又はフィラメントの密度が左右非対称である。例えば、コードの打ち込み本数が赤道面を挟んで左右で異ならせることによって、密度を左右非対称とすることができる。したがって、ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右で異なり、空気入りラジアルタイヤに所定の残留コーナリングフォースを発生させることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、赤道面から一方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔と、赤道面から他方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔とでは、間隔比が70〜90%の範囲であることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードまたはフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平行に複数本のコードを配列した1層の周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記周方向ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称であることにより残留コーナリングフォースが確保されるように、前記周方向ベルト層では、赤道面の一方側と他方側とでコードの径が異なっていることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記周方向ベルト層と前記傾斜ベルト層は、タイヤ幅方向において赤道面から一端までの距離が異なることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0021】
2枚のベルト層の内の1枚、即ち、周方向ベルト層あるいは傾斜ベルト層の幅を他のベルト層の幅より狭くすることにより、ショルダー部付近ではベルト層が単層となり、周方向引っ張り剛性を著しく低下できるので、制動力を向上させることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンテレフタレート繊維またはナイロン繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≦0.3の範囲であることを特徴としている。
【0023】
請求項7に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0024】
周方向ベルト層のコードをポリエチレンテレフタレート繊維またはナイロン繊維とし、このコードの撚り係数Ntを0.3以下とすることにより、十分なコーナリング性能が得られる。
【0025】
なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性の点からであり、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的にコードを打ち込むのが難しいからである。一方、6000dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加を招く結果となるからである。
【0026】
また、撚り係数Ntは、小さすぎるとコードがばらけて作業性が悪化する恐れがあるため、0.1以上とすることが好ましい。
【0027】
また、周方向ベルト層のコードにポリエチレンテレフタレート繊維またはナイロン繊維を用いることで、圧縮疲労によるコード切れが、従来使用されていた撚り係数(Nt)が0.3以上のアラミドコードに比し生じにくくなる。
【0028】
ここで、双撚り構造とは、糸1本または2本以上引きそろえて撚りを加え(下撚り)、これを2本以上引きそろえて下撚りと反対方向に撚り(上撚り)をかけたものをいう。
【0029】
また、総デニール数DT とは、原糸デニールと撚りの本数の積をいう。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンナフタレート繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数が、Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≦0.6の範囲であることを特徴としている。
【0031】
請求項8に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0032】
周方向ベルト層のコードをポリエチレンナフタレート繊維とし、このコードの撚り係数Ntを0.6以下とすることにより、十分なコーナリング性能が得られる。
【0033】
なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性の点からであり、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的にコードを打ち込むのが難しいからである。一方、6000dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加を招く結果となるからである。
【0034】
また、撚り係数Ntは、小さすぎるとコードがばらけて作業性が悪化する恐れがあるあるため、0.1以上とすることが好ましい。
【0035】
また、周方向ベルト層のコードにポリエチレンナフタレート繊維を用いることで、圧縮疲労によるコード切れが、従来使用されていた撚り係数(Nt)が0.3以上のアラミドコードに比し生じにくくなる。
【0036】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、ビニロン繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≦0.6
の範囲であることを特徴としている。
【0037】
請求項9に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0038】
周方向ベルト層のコードをビニロン繊維とし、このコードの撚り係数Ntを0.6以下とすることにより、十分なコーナリング性能が得られる。
【0039】
なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性の点からであり、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的にコードを打ち込むのが難しいからである。一方、6000dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加を招く結果となるからである。
【0040】
また、撚り係数Ntは、小さすぎるとコードがばらけて作業性が悪化する恐れがあるあるため、0.1以上とすることが好ましい。
【0041】
また、周方向ベルト層のコードにビニロン繊維を用いることで、圧縮疲労によるコード切れが、従来使用されていた撚り係数(Nt)が0.3以上のアラミドコードに比し生じにくくなる。
【0042】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、アラミド繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≧0.3
の範囲であることを特徴としている。
【0043】
請求項10に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0044】
周方向ベルト層のコードをアラミド繊維とし、このコードの撚り係数Ntを0.3以上とすることにより、良好な耐コード切れ性が得られる。
【0045】
なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性の点からであり、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的にコードを打ち込むのが難しいからである。一方、6000dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加を招く結果となるからである。
【0046】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードの正接損失tanδが、初期張力1kgf/本、歪振幅0.1%、周波数20Hz 、雰囲気温度25°Cの条件下で、0.3以下であることを特徴としている。
【0047】
請求項11に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0048】
PET、ナイロン、PEN、ビニロン及びアラミドの繊維は、仕事損失が大きく発熱しやすいため、高速耐久性試験においては、これらの繊維コードが融解する虞れがある。このため、周方向ベルト層のコードの正接損失tanδを、初期張力1kgf/本、歪振幅0.1%、周波数20Hz 、雰囲気温度25°Cの条件下で、0.3以下とすることによって、これらの繊維コードの融解を防止することができる。
【0049】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記周方向ベルト層のコードは、弾性率が3000kgf/mm2以上のスチールコードであることを特徴とする。
【0050】
請求項12に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0051】
周方向ベルト層のコードにスチールコードを用いる場合、弾性率を3000kgf/mm2 以上とすることによって、周方向ベルトに上述したPET、ナイロン、PEN、ビニロン、又はアラミド等の有機繊維コードを使用した場合に比し、タイヤ重量は幾分増加するものの、より一層周方向剛性を高めることができ、十分なコーナリングパワーが得られる。
【0052】
なお、前記弾性率が3000kgf/mm2 未満だとより効果的に剛性を向上させることができず、また、撚り構造でない場合には重量及びコストで優れているというメリットが薄らいでしまう。
【0053】
また、スチールコードの打ち込み数は、周方向剛性の確保と軽量化の観点から、50mm当たり15〜50本の範囲内にすることが好ましい。
【0054】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率は、200kgf/mm2 以上であることを特徴としている。
【0055】
請求項13に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0056】
周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率が低すぎるとコードが動きやすくくなり、コードの局所的なバックリングを起こしやすくなり、コード切れが発生する虞れがある。そのため、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率を200kgf/mm2 以上とすることにより、コード切れを生じにくくすることができる。
【0057】
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、螺旋状に巻回されていることを特徴としている。
【0058】
請求項14に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0059】
周方向ベルト層のコードを螺旋状に巻回することにより、タイヤのユニフォミティーを向上させることができる。
【0060】
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、傾斜ベルト層のコードまたはフィラメントは、スチール材料からなることを特徴としている。
【0061】
請求項15に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0062】
傾斜ベルト層のコードまたはフィラメントにスチール材料を用いることによって、十分なタイヤ強度が得られる。
【0063】
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、傾斜ベルト層のコードまたはフィラメントは、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が15°〜45°の範囲であることを特徴としている。
【0064】
請求項16に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0065】
傾斜ベルト層のコードまたはフィラメントのタイヤ赤道面に対する傾斜角度を15°〜45°の範囲にすることによって、トレッドにおいて十分な面内剪断剛性が得られる。
【0066】
請求項17記載の発明は、請求項1乃至請求項16の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記傾斜ベルト層のコード又はフィラメントと、前記周方向ベルト層のコードとの間に位置するゴムの厚み(tl)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比しより大きくしてなることを特徴とする。
【0067】
請求項17に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0068】
傾斜ベルト層のコード又はフィラメントと周方向ベルト層のコードとの間に位置するゴムの厚み(tl)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比しより大きくしている。したがって、周方向のタイヤ曲げ剛性はタイヤ幅方向中央部がタイヤ幅方向端部に比べて相対的に低下する。この結果、タイヤ接地長がトレッドの中央域で長く、両ショルダー域で短くなって、接地形状は角がとれたラウンド形状となる。したがって、ウェット路面走行時にタイヤ進行方向前方の水をタイヤ側方に素早く排除して、ハイドロプレーニングの発生を抑制することができる。
【0069】
請求項18記載の発明は、請求項17記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記周方向ベルト層のコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置するゴムの厚み(t2)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向中央部でタイヤ幅方向端部に比しより大きくしてなることを特徴とする。
【0070】
請求項18に記載の空気入りラジアルタイヤの作用を説明する。
【0071】
周方向ベルト層のコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置するゴムの厚み(t2)を、タイヤ幅方向中央部でタイヤ幅方向端部に比しより大きくしている。この結果、請求項14記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、傾斜ベルト層の厚みと周方向ベルト層の厚みの和が一定となる。したがって、タイヤ加硫後のタイヤ内周面のタイヤ幅方向中央部近傍にコードに対応した凹凸が現れること(コード出現現象)を防止できる。
【0072】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のラジアルタイヤの一実施形態を図面にしたがって説明する。
【0073】
図1に示すように、ラジアルタイヤ10はビード部11に埋設されたビードコア12の周りにタイヤ内側から外側に折返して係止されるカーカス14と、カーカス14の本体部14Aと巻上部14Bとの間に配置されるビードフィラー15と、カーカス14のクラウン部に位置するトレッド部16と、カーカス14のサイド部に位置するサイドウォール部18と、トレッド部16の内側に配置された二層のベルト層20を備えている。
【0074】
カーカス14は、繊維コードを実質的に周方向と直交する方向に配列されており、本実施形態では一枚のカーカスプライから構成されている。
【0075】
図2に示すように、ベルト層20は、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本のスチールコード19を配列した1層の傾斜ベルト層20Aと、この傾斜ベルト層20A上に位置し、タイヤ赤道面CLに対して実質的に平行に複数本の有機繊維コード21を配列した周方向ベルト層20Bとを備えている。
【0076】
ここで、傾斜ベルト層20Aのスチールコード19のタイヤ赤道面CLに対する傾斜角度は15°〜45°の範囲であることが好ましい。
【0077】
一方、周方向ベルト層20Bは、有機繊維コード21を復数本含む(場合によっては1本でも良い)ゴム引きされた狭幅のストリップを、有機繊維コード21がタイヤ周方向に実質的に平行(0°〜5°)となるようにラセン状(スパイラル状)に、エンドレスに巻きつけられている。
【0078】
周方向ベルト層20Bの有機繊維コードは、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ナイロン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN。ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維が好ましい。)、ビニロン繊維、アラミド繊維等が好ましく、双撚り構造が好ましく、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であることが好ましい。
【0079】
また、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ナイロン繊維の場合は撚り係数Ntが0.3以下、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、ビニロン繊維、アラミド繊維の場合は撚り係数Ntが0.3以上であることが好ましい。
【0080】
なお、撚り係数Ntは、何れも0.1以上とすることが好ましい。
【0081】
また、周方向ベルト層20Bには、有機繊維コードに代えてスチールコードを用いることもできる。この場合、スチールコードの弾性率は3000kgf/mm2 以上であることが好ましい。
【0082】
さらに、スチールコードの打ち込み数は、軽量化の観点から50mm当たり15〜50本の範囲内にすることが好ましい。
【0083】
さらに、周方向ベルト層20Bの有機繊維コードの正接損失tanδは、初期張力1kgf/本、歪振幅0.1%、周波数20Hz 、雰囲気温度25°Cの条件下で、0.3以下であることが好ましい。
【0084】
周方向ベルト層20Bの被覆ゴムの弾性率は、200kgf/mm2 以上であることが好ましい。
【0085】
被覆ゴムの弾性率は、図9(A)に示すように、直径dが14mm、高さhが28mmの円筒状の空洞をもつ鋼鉄製の治具100の空洞内に、ゴム試験片102を隙間なく充填した後、この治具100を、図9(B)に示すように、圧縮試験機104にセットし、ゴム試験片102の上下面に0.6mm/minの速度で荷重Wを負荷し、このときの変位量をレーザ変位計106で測定し、荷重と変位の関係から算出することとする。
【0086】
なお、図2に示すように、傾斜ベルト層20Aは、タイヤ幅方向において赤道面CLから左端までの距離L1と、右端までの距離R1が等しく(L1=R1)配置されている。一方、周方向ベルト層20Bは、タイヤ幅方向において赤道面CLから左端までの距離L2が右端までの距離R2の距離よりも大きく(L2>R2)配置されている。すなわち、傾斜ベルト層20Aは赤道面CLを挟んで左右対称に、周方向ベルト層20Bは赤道面CLを挟んで左側に偏って配置されている。
【0087】
図1に示すように、トレッド部16には、タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝24が複数本、本実施形態ではタイヤ赤道面CLを挟んで左右に2本づつ合計4本形成されている。
【0088】
次に、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10の作用を説明する。
【0089】
本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本のスチールコード19を配列した傾斜ベルト層20Aによりトレッド部16の面内曲げ剛性が得られ、コーナリング時の横力に耐えることができる。
【0090】
また、タイヤ赤道面CLに対して実質状平行に複数本の有機繊維コード21を配列した周方向ベルト層20Bにより、トレッド部16の周方向剛性が得られ、内圧を保持でき、また、高い高速耐久性が得られる。
【0091】
本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10では、周方向ベルト層20Bが赤道面CLを挟んで左右非対称に配置されているため、赤道面CLを挟んで両側でタイヤ(周方向ベルト層20B)の剛性が異なり、残留コーナリングフォースを発生させる。
【0092】
ここで、所定の残留コーナリングフォースを発生させるためには、δ=[|L2−R2|/(R2+L2)]×100(%)が2%以上15%以下であることが望ましい。δが2%未満であると残留コーナリングフォースが不足し、δが15%を越えると残留コーナリングフォースが過剰となってしまうためである。
【0093】
このように、タイヤの軽量化を図るために、有機繊維からなる周方向ベルト層20Bとスチールコードからなる傾斜ベルト層20Aの二層から構成される空気入りラジアルタイヤ10でも、最外層に位置する周方向ベルト層20Bを左右非対称に配置することによってタイヤの剛性が左右非対称となり、所定の残留コーナリングフォースを確保することができる。
【0094】
また、傾斜ベルト層20Aと周方向ベルト層20Bのタイヤ幅方向における赤道面CLから端部までの距離が異なる(L1≠L2、R1≠R2)ため、ショルダー部近傍ではベルト層が局部的に一層となり、周方向引張剛性を著しく低下させるため、制動力が増大するという効果もある。
【0095】
なお、本実施形態では、周方向ベルト層20Bのみを左右非対称としたが、傾斜ベルト層20Aも左右非対称(L1>R1)とすることによって、一層大きな残留コーナリングフォースを確保することができる(図3参照)。
【0096】
また、傾斜ベルト層20Aのみを左右非対称とすることによって、所定の残留コーナリングフォースを確保することも可能である。
【0097】
ところで、ベルト層の厚みを変化させることによって、以下のような作用効果を奏するように構成することも可能である。
【0098】
すなわち、図4に示すように、傾斜ベルト層20Aのコード又はフィラメント36と、周方向ベルト層20Bのコード38との間に位置するゴムの厚みt1を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向端部40でタイヤ幅方向中央部42に比しより大きくすること、具体的には、タイヤ幅方向端部40での前記ゴム厚みを、タイヤ幅方向中央部42での前記ゴム厚みに比し2倍以上とし、また、タイヤ幅方向中央部42での前記ゴム厚みを維持する範囲W2は、タイヤ赤道面CLを中心として、傾斜ベルト層20Aの幅Wlの50〜90%の範囲にすることによって、いわゆるサンドイッチ梁の効果(T.W.Chou and F.K.KO,” ”Textile Structural Composite” ”Elsevir(1989)に記載)が生じ、その結果、タイヤ周方向の曲げ剛性は、タイヤ幅方向中央部42がタイヤ幅方向両端部40よりも相対的に低下する。この結果、タイヤ接地長が、トレッドの中央域で長く、両ショルダー域で短くなって、タイヤの接地形状を角の落ちたラウンド形状に近づけることができ、これによって、ウエット路面走行時に、タイヤ進行方向前方の水をタイヤ側方に速やかに排除して、ハイドロプレーニングの発生を抑制することができる。
【0099】
さらに、図4に示すように、傾斜ベルト層20Aの厚さと周方向ベルト層20Bの厚さの和Tが、タイヤ幅方向中央部位置で小さくなることによって、加硫後のタイヤ内周面のタイヤ幅方向中央部付近にコードに対応した凹凸が現れる現象(コード出現象)が生じる場合には、図5に示すように、周方向ベルト層20Bのコード38と、トレッドゴムの内周面との間に位置するゴムの厚みt2を、タイヤ幅方向中央部42でタイヤ幅方向端部40に比しより大きくすることによって、傾斜ベルト層20Aの厚さと周方向ベルト層20Bの厚さの和Tをタイヤ幅方向にわたって均一にすることができ、コード出現象を抑制することができる。
【0100】
次に、本発明の第2実施形態に係る空気入りラジアルタイヤについて図6および図7を参照して説明する。第1実施形態と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0101】
空気入りラジアルタイヤ30では、図6および図7に示すように、傾斜ベルト層20Aおよび周方向ベルト層20Bは、それぞれ赤道面CLに対して左右対称に配置されている(L1=R1、L2=R2)。
【0102】
なお、周方向ベルト層20Bでは、赤道面CLから左側における有機繊維のコード21の打ち込みの間隔P1が右側の打ち込み間隔P2よりも高くなっている。
【0103】
このように空気入りラジアルタイヤ30を構成することによって、赤道面CLから左側のタイヤ剛性が右側のタイヤ剛性よりも高くなり、残留コーナリングフォースが発生する。したがって、赤道面CLから左側と右側のコード打ちこみ間隔P1、P2の比P1/P2によって残留コーナリングフォースを調節することができる。所定の残留コーナリングフォースを発生させるために、好ましくは、コード打ち込み間隔の比P1/P2が90%〜70%である。
【0104】
なお、本実施形態では、周方向ベルト層20Bのコード打ち込み間隔を赤道面CLを挟んで変更したが、コード打ち込み間隔を左端から右端に向かって漸次増加させていく構成とすることによって、同様に所定の残留コーナリングフォースを確保することができる(図8参照)。
【0105】
また、周方向ベルト層20Bにおいて、赤道面CLを挟んで左右両側でコードの径を変更することによっても、密度を左右非対称にでき、所定の残留コーナリングフォースを確保することができる。
【0106】
なお、ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称となる構成であれば、上記実施形態に限定されず、他の構成であっても良い。
(試験例)
本発明の作用(残留コーナリングフォースの発生)を確認するために、以下の試験を行なった。すなわち、外径3000mmのドラム上に、内圧1.7kgf/cm2に調整した供試タイヤ(タイヤサイズ195/65R14)をセットし、上記のタイヤサイズと内圧からJATMA又はJISに定められている荷重を供試タイヤに負荷した後、30km/hの速さで30分間予備走行させ、無負荷状態で内圧を1.7kgf/cm2に再調整し、再度予備走行の荷重を負荷し、同一速度で回転させたときに、供試タイヤから回転軸に作用するタイヤ進行方向に対する横方向荷重(スリップアングル0度)から、残留コーナリングフォースを算出した。
【0107】
ここで、供試タイヤ(従来例、および実施例1〜4)は、第1実施形態の空気入りラジアルタイヤ10と同様であり、それぞれδ値を変更したものである。
【0108】
表1にその試験結果を示す。なお、表中の残留コーナリングフォースレベルは、スチールコードが赤道面と±20%に交錯して配列された二層のスチールベルト層から構成された空気入りラジアルタイヤ(従来例)を100とした指数比で示してあり、大きいほど優れている。
【0109】
【表1】
【0110】
試験結果を示すように、δが20%を越えると、残留コーナリングフォースが過剰となってタイヤの直進性を損なう。一方、δが0%となると、残留コーナリングフォースが不足する。すなわち、δが2〜15%であると、所定の残留コーナリングフォースを確保できることが確認された。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは上記の構成としたので、軽量化及び高速耐久性を維持しつつ、所定の残留コーナリングフォースを確保するという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの断面図である。
【図2】 図1に示す空気入りラジアルタイヤのベルト層の平面図である。
【図3】 他の例に係る空気入りラジアルタイヤのベルト層の平面図である。
【図4】 他の例に係る空気入りラジアルタイヤのベルト層の断面図である。
【図5】 他の例に係る空気入りラジアルタイヤのベルト層の断面図である。
【図6】 本発明の第2実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの断面図である。
【図7】 図6に示す空気入りラジアルタイヤのベルト層の平面図である。
【図8】 他の例に係る空気入りラジアルタイヤのベルト層の平面図である。
【図9】 (A)、(B)は、被覆ゴムの弾性率の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
10 空気入りラジアルタイヤ
12 ビードコア
14 カーカス
16 トレッド部
19 スチールコード(コード)
20A 傾斜ベルト層
20B 周方向ベルト層
21 有機繊維コード(コード)
24 周方向主溝
Claims (18)
- 少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードまたはフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平行に複数本のコードを配列した1層の周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記周方向ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称であることにより残留コーナリングフォースが確保されるように、前記周方向ベルト層が、タイヤ幅方向において赤道面から一端までの距離L2が赤道面から他端までの距離R2よりも大きくなるように配置され、かつ、δ=[|L2−R2|/(R2+L2)]×100(%)が2%以上15%以下とされていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記傾斜ベルト層が、タイヤ幅方向において赤道面から一端までの距離と他端までの距離が異なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードまたはフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平行に複数本のコードを配列した1層の周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記周方向ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称であることにより残留コーナリングフォースが確保されるように、前記周方向ベルト層では、赤道面から一方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔が、赤道面から他方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔と異なっていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 赤道面から一方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔と、赤道面から他方側における有機繊維のコードの打ち込み間隔とでは、間隔比が70〜90%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードまたはフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平行に複数本のコードを配列した1層の周方向ベルト層と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記周方向ベルト層の剛性が赤道面を挟んで左右非対称であることにより残留コーナリングフォースが確保されるように、前記周方向ベルト層では、赤道面の一方側と他方側とでコードの径が異なっていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記周方向ベルト層と前記傾斜ベルト層とでは、タイヤ幅方向において赤道面から一端までの距離が互いに異なることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンテレフタレート繊維またはナイロン繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、
Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≦0.3
の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンナフタレート繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、
Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≦0.6
の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 周方向ベルト層のコードは、ビニロン繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、
Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≦0.6
の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 周方向ベルト層のコードは、アラミド繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、
Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×10-3≧0.3
の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 周方向ベルト層のコードの正接損失tanδが、初期張力1kgf/本、歪振幅0.1%、周波数20Hz 、雰囲気温度25°Cの条件下で、0.3以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記周方向ベルト層のコードは、弾性率が3000kgf/mm2以上のスチールコードであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率は、200kgf/mm2 以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 周方向ベルト層のコードは、螺旋状に巻回されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 傾斜ベルト層のコードまたはフィラメントは、スチール材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 傾斜ベルト層のコードまたはフィラメントは、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が15°〜45°の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記傾斜ベルト層のコード又はフィラメントと、前記周方向ベルト層のコードとの間に位置するゴムの厚み(tl)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比しより大きくしてなることを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記周方向ベルト層のコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置するゴムの厚み(t2)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向中央部でタイヤ幅方向端部に比しより大きくしてなることを特徴とする請求項17に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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