JP4441020B2 - パワーユニットにおける補機駆動構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンと、該エンジンの出力を変速する変速機とを備えるパワーユニットに関し、特にクランクシャフトで補機を駆動するための構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなパワーユニットは、たとえば特開平11−222043号で既に知られており、このものでは、クランクシャフトの一端部に、出力軸が発進クラッチを介して連結され、変速機および前記出力軸の一端部間にチェーンを用いた動力伝達手段が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、変速機ケース内に配置されるオイルポンプ等の補機をクランクシャフトで回転駆動する場合に、クランクシャフトからの動力を効率的に補機に伝達するには、補機の補機軸をクランクシャフトの一端に直接連結することが望まれる。しかるにクランクケース内と変速機ケース内とを隔てる隔壁に、クランクシャフトと同軸の出力軸が回転自在に支承されているので、変速機ケース内に収容される補機の補機軸をクランクシャフトに単純に連結することはできず、出力軸を貫通した補機軸をクランクシャフトに連結することが必要である。このため補機軸およびクランクシャフトの連結部は出力軸で邪魔されて変速機ケース側から見えず、前記連結部が見えなくても補機軸をクランクシャフトに容易に連結可能とする構造が必要である。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、変速機ケースに収容される補機をクランクシャフトで直接駆動するにあたり、補機軸のクランクシャフトへの連結を容易としたパワーユニットにおける補機駆動構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンのクランクケースに回転自在に支承されるクランクシャフトの一端部に、変速機ケースの少なくとも一部を構成するケース部材に回転自在に支承されるとともに前記クランクシャフトと同軸に配置される出力軸が発進クラッチを介して連結され、前記変速機ケース内に、変速機と、該変速機の入力部材および前記出力軸間に設けられる動力伝達手段とが収容されるパワーユニットにおいて、クランクケース側および変速機ケース側間を隔てて前記ケース部材に設けられる隔壁に、前記クランクシャフトと同軸である挿通孔を有する前記出力軸が回転自在に支承され、前記クランクシャフトと同軸上に配置される補機軸を備える補機が、前記変速機ケース内で前記ケース部材に支持され、前記挿通孔に挿通される前記補機軸および前記クランクシャフトの対向端部が相対回転を不能として嵌合され、前記隔壁および前記出力軸間には第1軸受および第1オイルシールが設けられ、前記出力軸および前記補機軸間には第2オイルシールが設けられ、前記隔壁に設けられる油路に通じる第1環状室が、前記第1軸受および前記第1オイルシール間で前記出力軸の周囲に形成され、前記発進クラッチのクラッチインナおよびクラッチアウタ間に設けられる第2軸受と、前記第2オイルシールとの間で前記補機軸および前記クランクシャフトの周囲には、前記第1環状室に通じる第2環状室が形成されることを特徴とする。
【0006】
このような本発明の構成によれば、補機軸がクランクシャフトに直接連結されるので、クランクシャフトからの動力を効率的に補機に伝達することができる。しかも補機軸およびクランクシャフトの連結部が出力軸で邪魔されて変速機ケース側から見えないのであるが、補機軸およびクランクシャフトの対向端部が相対回転を不能として嵌合されるので、出力軸の挿通孔に補機軸を挿通するようにして補機をケース部材に取付けるだけで補機軸をクランクシャフトに容易に連結することができる。
【0007】
さらに隔壁の油路から第1環状室および第2環状室にオイルを供給することができ、第1および第2軸受の潤滑を行なうことができる。しかもケース部材および出力軸間に第1オイルシールが設けられるとともに、出力軸および補機軸間に第2オイルシールが設けられるが、エンジンの回転数が低く、発進クラッチが遮断状態にあるときには出力軸は停止しており、補機軸がクランクシャフトとともに回転するので第1オイルシール側でフリクションロスが生じることはなく、エンジンの回転数が高くなって発進クラッチが接続状態となったときには出力軸および補機軸間の回転数差が生じることはないので第2オイルシール側でフリクションロスが生じることはない。すなわちエンジンの回転数が低いときには第2オイルシール側だけでフリクションロスが生じ、エンジンの回転数が高くなったときには第1オイルシール側だけでフリクションロスが生じることになり、第1および第2オイルシールを必要とするにもかかわらず、それらのオイルシールによって生じるフリクションロスを極力小さく抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図6は本発明の一実施例を示すものであり、図1はパワーユニットの一部を示す縦断面図であって図2の1−1線断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面図、図4はスカベンジングポンプの構成を示すための図3の4−4線拡大断面図、図5はフィードポンプの構成を示すための図3の5−5線拡大断面図、図6は図3の6−6線拡大断面図である。
【0010】
先ず図1において、エンジンEのクランクケース11で回転自在に支承されるクランクシャフト12からの動力は発進クラッチ13を介して出力軸14に伝達され、該出力軸14の回転動力は、動力伝達手段15を介して変速機としての静油圧式無段変速機16に入力される。
【0011】
動力伝達手段15および静油圧式無段変速機16は、変速機ケース17内に収容されるものであり、該変速機ケース17は、クランクケース11に結合される第1ケース部材18、ならびに第1ケース部材18に結合される第2ケース部材19を含む複数のケース部材18,19…で構成される。
【0012】
第1ケース部材18には、クランクケース11側および変速機ケース側17間を隔てる隔壁18aが設けられており、隔壁18aおよびクランクケース11間でクランクシャフト12の一端部に発進クラッチ13が装着される。この発進クラッチ13は、クランクシャフト12に結合されるクラッチインナ20と、クラッチインナ20との相対回転が可能なクラッチアウタ21と、クラッチアウタ21の内周面に摩擦係合することを可能としてクラッチインナ20に支承される複数の遠心錘22,22…と、それらの遠心錘22,22…がクラッチアウタ21との摩擦係合を解除する方向のばね力を発揮して各遠心錘22,22…およびクラッチインナ20間に設けられるばね23,23…とを有した従来周知の遠心クラッチである。しかもクラッチインナ20およびクラッチアウタ21間には第2軸受としてのボールベアリング24が介装される。
【0013】
このような発進クラッチ13にあっては、クランクシャフト12の回転数が低いときには各遠心錘22,22…はクラッチアウタ21に摩擦係合することはなく、クランクシャフト12の回転動力がクラッチアウタ21に伝達されることはないが、クランクシャフト12の回転数が所定回転数よりも高くなると、各遠心錘22,22…はクラッチアウタ21に摩擦係合してクランクシャフト12の回転動力がクラッチアウタ21に伝達されることになる。
【0014】
クランクシャフト12の軸線と同軸である出力軸14は、わずかな範囲での相対回転を可能としてクラッチアウタ21に連結されるものであり、クラッチアウタ21および出力軸14間にはダンパばね25が設けられる。すなわちクラッチアウタ21からの回転動力はダンパばね25を介して出力軸14に伝達される。
【0015】
出力軸14は、隔壁18aを回転自在に貫通するものであり、この出力軸14および隔壁18a間には第1軸受としてのボールベアリング26が介装され、該ボールベアリング26よりも変速機ケース17側で出力軸14および隔壁18a間には第1オイルシール27が介装される。
【0016】
クランクシャフト12と平行な軸線を有して変速機ケース17に支持されるスタータモータ28が第1ケース部材18の外方に配置されており、このスタータモータ28の出力軸28aに設けられる駆動ギヤ29が、クランクケース11および第1ケース部材18間で回転自在に支承されるアイドルギヤ30に噛合される。またクランクシャフト12との軸線まわりの相対回転が可能である被動ギヤ31がアイドルギヤ30に噛合されており、被動ギヤ31およびクランクシャフト12間には一方向クラッチ32が設けられる。
【0017】
一方向クラッチ32は、被動ギヤ31からクランクシャフト12への動力を伝達するとともにクランクシャフト12から被動ギヤ31への動力伝達は遮断するものであり、スタータモータ28の作動によりエンジン始動用の回転動力がクランクシャフト12に伝達されるが、エンジンEの始動後にクランクシャフト12の回転動力がスタータモータ28側に伝達されることはない。
【0018】
第1ケース部材18における隔壁18aのクランクケース11側の面には、エンジンEの各部の潤滑を果すためのエンジン用オイルポンプ(図示せず)が設けられており、発進クラッチ13および被動ギヤ31間でクランクシャフト12に固定される駆動スプロケット33と、該駆動スプロケット33に巻掛けられる無端状のチェーン34とを介して前記エンジン用オイルポンプに、クランクシャフト12からの回転動力が伝達される。
【0019】
前記ボールベアリング26および第1オイルシール27間で出力軸14の周囲には第1環状室35が形成されており、第1ケース部材18には、前記エンジン用オイルポンプからのオイルを第1環状室35に導く油路36が設けられる。而して第1環状室35に導入されたオイルはボールベアリング26を潤滑するが、第1オイルシール27でシールされることにより変速機ケース17側に洩れることはない。
【0020】
静油圧式無段変速機16は、定容量型斜板式の油圧ポンプPと、可変容量型斜板式の油圧モータMとが、通常の負荷運転中には低圧路となるが逆負荷運転中(エンジンブレーキ中)には高圧路となる内周環状油路37、ならびに通常の負荷運転中には高圧路となるが逆負荷運転中には低圧路となる外周環状油路38を介して油圧閉回路を構成すべく接続されて成るものである。
【0021】
油圧ポンプPは、クランクシャフト12と平行な軸線まわりの回転を可能として第1ケース部材18に支承される入力部材としての入力筒軸39と、入力筒軸39の内周壁に相対回転自在に支承されるポンプシリンダ40と、該ポンプシリンダ40にその回転軸線を囲む環状配列で摺動自在に嵌合される複数のポンププランジャ41…と、各ポンププランジャ41…の外端に前面を係合、当接させるポンプ斜板42とを備え、ポンプ斜板42は入力筒軸39に支承される。
【0022】
油圧モータMは、クランクシャフト12と平行な軸線を有するとともに一端が第1ケース部材18に回転自在に支承される出力回転軸43と、ポンプシリンダ40に一体に連結されて出力回転軸43に相対回転不能に結合されるモータシリンダ44と、該モータシリンダ44にその回転軸線を囲む環状配列で摺動可能に嵌合される複数のモータプランジャ45…と、各モータプランジャ45…の外端に前面を係合、当接させるモータ斜板(図示せず)とを備え、モータ斜板の傾斜角度を変化させることにより容量を変化させることができる。
【0023】
このような静油圧式無段変速機16では、ポンプシリンダ40が吐出行程のポンププランジャ41を介してポンプ斜板42から受ける反動トルクと、モータシリンダ44が膨張行程のモータプランジャ45を介してモータ斜板から受ける反動トルクとの和によって出力回転軸43が回転される。しかも入力筒軸39に対する出力回転軸43の変速比は、{変速比=1+(油圧モータMの容量/油圧ポンプPの容量)で与えられる。したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変えれば、変速比を1から或る必要な値まで変えることができる。しかも、その油圧モータMの容量はモータプランジャ45のストロークにより決定されるので、モータ斜板を直立位置から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速比を1から或る値まで無段階に制御することができる。
【0024】
静油圧式無段変速機16の入力筒軸39は、動力伝達手段15を介して出力軸14に連結されており、該動力伝達手段15は、出力軸14に固定される駆動ギヤ46と、入力筒軸39の外周に一体に形成されて駆動ギヤ46に噛合する被動ギヤ47とで構成される。
【0025】
図2〜図5を併せて参照して、変速機ケース17内には、少なくとも前記静油圧式無段変速機16のオイル補給および潤滑のためにエンジンE側とは独立してオイルを循環させる補機としてのオイルポンプ50が収納され、該オイルポンプ50は、変速機ケース17内でオイルを冷却しつつ循環せしめるためのスカベンジングポンプ51と、静油圧式無段変速機16のオイル補給および潤滑のために静油圧式無段変速機16にオイルを供給するフィードポンプ52とを備える。
【0026】
オイルポンプ50のポンプハウジング53は、第1、第2および第3ハウジング部材54,55,56が相互に重ねた状態で複数本たとえば4本のボルト57,57…により相互に締結されて成るものであり、このポンプハウジング53は、第1ハウジング部材54を第1ケース部材18の隔壁18a側に配置して、複数本たとえば3本のボルト58,58…により前記隔壁18aに締結される。
【0027】
オイルポンプ50が備える補機軸としてのポンプ軸59は、クランクシャフト12と同軸上に配置されてポンプハウジング53で回転自在に支承されるものであり、ポンプ軸59の両端はポンプハウジング53から両側に突出される。
【0028】
前記出力軸14には、ポンプ軸59を挿通させる挿通孔60がクランクシャフト12と同軸に設けられており、ポンプ軸59およびクランクシャフト12の対向端部は相対回転を不能として嵌合される。
【0029】
図6を併せて参照して、クランクシャフト12のポンプ軸59への対向端面には、クランクシャフト12の一直径線に沿う嵌合溝61が設けられる。またポンプ軸59のクランクシャフト12への対向端面には、前記嵌合溝61に嵌合する嵌合突部62が、ポンプ軸59の一直径線上でクランクシャフト12側に突出するようにして設けられる。したがって挿通孔60にポンプ軸59を挿通して嵌合突部62を嵌合溝61に嵌合するだけで、ポンプ軸59が相対回転を不能として同軸に連結されることになる。
【0030】
挿通孔60の内面およびポンプ軸59間には第2オイルシール70が介装される。而して第2オイルシール70と、発進クラッチ13のクラッチインナ20およびクラッチアウタ21間に設けられているボールベアリング24との間で、ポンプ軸59およびクランクシャフト12の周囲には第2環状室71が形成されており、出力軸14には第1および第2環状室35,71間を連通させる複数の連通孔72…が設けられる。したがって第1環状室35から第2環状室71に導入されたオイルでボールベアリング24を潤滑することが可能となるが、ポンプ軸59が第1オイルシール70でシールされることにより第2環状室71のオイルが変速機ケース17側に洩れることはない。またクランクシャフト12には、被動ギヤ31およびクランクシャフト12間に設けられているローラベアリング73にオイルを導く油路74が、嵌合溝61に一端を開口して同軸に設けられており、該油路74には第2環状室71のオイルが導入される。
【0031】
図4に特に注目して、スカベンジングポンプ51は、ポンプ軸59に固定されるインナーロータ63と、該インナロータ63に噛合するアウターロータ64とを備えるトロコイドポンプであり、ポンプ軸59の軸線とは偏心した円形形状のポンプ室65が第1および第2ハウジング部材54,55間に形成され、アウターロータ64がポンプ室65に回転自在に嵌合される。
【0032】
また図5に特に注目して、フィードポンプ52は、ポンプ軸59に固定されるインナーロータ66と、該インナロータ66に噛合するアウターロータ67とを備えるトロコイドポンプであり、ポンプ軸59の軸線とは偏心した円形形状のポンプ室68が第2および第3ハウジング部材55,56間に形成され、アウターロータ67がポンプ室68に回転自在に嵌合される。
【0033】
変速機ケース17内の底部にはオイル溜まり75が形成されており、スカベンジングポンプ51は、オイルストレーナ76を介して前記オイル溜まり75のオイルを吸引し、オイルクーラ80で冷却したオイルをオイル溜まり75に戻すようにしてオイルを循環する。
【0034】
第1ケース部材18の隔壁18aには、前記オイルストレーナ76に通じる油路77が設けられており、ポンプハウジング53における第1および第2ハウジング部材54,55には、ポンプ室65および前記油路77間を結ぶ吸引路78が設けられる。また第1および第2ハウジング部材54,55にはポンプ室65に通じる吐出路79が設けられており、この吐出路79はオイルクーラ80に接続され、オイルクーラ80で冷却されたオイルはオイル溜まり75に戻される。さらに第1ハウジング部材54には、前記吐出路59に接続されたリリーフ弁81が内蔵されており、このリリーフ弁81は、吐出路59の吐出圧すなわちオイルクーラ80に作用する圧力が所定圧を超えるのに応じて開弁し、スカベンジングポンプ51から吐出されるオイルがオイルクーラ80をバイパスしてオイル溜まり75に直接戻るようにする。
【0035】
フィードポンプ52は、オイル溜まり75のオイルを吸引し、オイルフィルタ85で浄化したオイルを静油圧式無段変速機16に供給するものであり、第1ケース部材18の隔壁18aには、前記オイル溜まり75に通じる油路87に接続される吸入路82がポンプ室68に通じるようにして設けられる。またポンプハウジング53を構成する第1〜第3ハウジング部材54,55,56には、ポンプ室68に通じる吐出路83が設けられており、第1ケース部材18の隔壁18aには、吐出路83に通じる油路84が設けられ、この油路84がオイルフィルタ85に接続される。
【0036】
図1および図2に特に注目して、オイルフィルタ85は、外方に開放するようにして第1ケース部材18に設けられる凹部88と、該凹部88の開放端を塞ぐフィルタキャップ89とで形成される空間内にリング状のフィルタ素材90が収納されて成るものであり、フィルタキャップ89は、該フィルタキャップ89の中央部を貫通して第1ケース部材18に螺合されるセンターボルト91により第1ケース部材18に固定される。またフィルタ素材90およびフィルタキャップ89間にはコイルばね92が設けられており、このコイルばね92でフィルタ素材90が第1ケース部材18に押付けられる。
【0037】
オイルフィルタ85において前記フィルタ素材90の周囲には未浄化室93が形成されており、フィードポンプ52の吐出路83に通じて隔壁18aに設けられる油路84は未浄化室93に連通される。またセンターボルト91およびフィルタ素材90間には環状の浄化室94が形成されており、未浄化室93のオイルはフィルタ素材90を浄化室94側に透過することで浄化される。
【0038】
センターボルト91には、浄化室94に通じる油路95が設けられており、この油路95は、第1ケース部材18の隔壁18aに設けられた油路96に同軸に連通され、該油路96は、静油圧式無段変速機16のオイル補給および潤滑のために出力回転軸43に同軸に設けられた補給・潤滑油路97の一端に連通される。而して静油圧式無段変速機16から排出されるオイルはオイル溜まり75に戻される。
【0039】
センターボルト91内にはリリーフ弁86が収納されており、このリリーフ弁86は、フィルタ素材90で目詰まり等を生じることにより、未浄化室93の圧力が所定圧以上に昇圧したときに開弁し、フィルタ素材90をバイパスして未浄化室93のオイルを浄化室94に直接導く働きをする。
【0040】
次にこの実施例の作用について説明すると、クランクケース11側および変速機ケース17側間を隔てて第1ケース部材18に設けられる隔壁18aに、出力軸14がボールベアリング26および第1オイルシール27を介して回転自在に支承されており、静油圧式無段変速機16のオイル補給および潤滑のためにエンジンE側とは独立してオイルを循環させるオイルポンプ50が、変速機ケース17内で第1ケース部材18に支持され、クランクシャフト12と同軸にして出力軸14に設けられる挿通孔60にオイルポンプ50のポンプ軸59が挿通される。しかもポンプ軸59およびクランクシャフト12の対向端部が相対回転を不能として嵌合される。
【0041】
このような構成によれば、静油圧式無段変速機16専用のオイルポンプ50のポンプ軸59をクランクシャフト12に直接連結することで、クランクシャフト12からの動力を効率的にオイルポンプ50に伝達することができる。
【0042】
またポンプ軸59およびクランクシャフト12の連結部は出力軸14で邪魔されて変速機ケース17側から見えないのであるが、ポンプ軸59およびクランクシャフト12の対向端部が相対回転を不能として嵌合されることにより、出力軸14の挿通孔60にポンプ軸59を挿通するようにしてオイルポンプ50を第1ケース部材18に取付けるだけでポンプ軸59をクランクシャフト12に容易に連結することができる。
【0043】
また第1ケース部材18および出力軸14間に第1オイルシール27が設けられるとともに、出力軸14およびポンプ軸59間に第2オイルシール70が設けられるが、エンジンEの回転数が低く、発進クラッチ13が遮断状態にあるときには出力軸14は停止しており、ポンプ軸59がクランクシャフト12とともに回転するので第1オイルシール27側でフリクションロスが生じることはない。一方、エンジンEの回転数が高くなって発進クラッチ13が接続状態となったときには出力軸14およびポンプ軸59間の回転数差が生じることはないので、第2オイルシール70側でフリクションロスが生じることはない。すなわちエンジンEの回転数が低いときには第2オイルシール70側だけでフリクションロスが生じ、エンジンEの回転数が高くなったときには第1オイルシール27側だけでフリクションロスが生じることになり、クランクケース11側および変速機ケース17側間をシールするために第1および第2オイルシール27,70を必要とするにもかかわらず、それらのオイルシール27,70によって生じるフリクションロスを極力小さく抑えることができる。
【0044】
さらにオイルポンプ50におけるフィードポンプ52から突出されるオイルはオイルフィルタ85を介して静油圧式無段変速機16に供給されるのであるが、フィードポンプ52およびオイルフィルタ85間を結ぶ油路84、ならびにオイルフィルタ85および静油圧式無段変速機16間を結ぶ油路96が、第1ケース部材18の隔壁18aに設けられているので、フィードポンプ52および静油圧式無段変速機16間のオイル流通距離を極力短くして圧力損失を少なくし、オイルポンプ50の小型化に寄与することができる。またフィードポンプ52および静油圧式無段変速機16間のオイル流通経路の洩れを検査するための圧力検査を1回ですますことができ、コスト低減に寄与することができる。
【0045】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0046】
たとえば本発明は、多段変速機を備えるパワーユニットにも適用可能であり、また補機であるオイルポンプ50が、静油圧式無段変速機16専用ではなくエンジンEにも共通なものであってもよく、さらにオイルポンプ50以外の補機をクランクシャフト12で直接駆動するように構成することも可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、クランクシャフトからの動力を効率的に補機に伝達することができるとともに、補機軸をクランクシャフトに容易に連結することができる。
【0048】
また隔壁および出力軸間に設けられる第1軸受、ならびに発進クラッチのクラッチインナおよびクラッチアウタ間に設けられる第2軸受に潤滑用オイルを供給するために第1および第2オイルシールを必要とするにもかかわらず、それらのオイルシールによって生じるフリクションロスを極力小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パワーユニットの一部を示す縦断面図であって図2の1−1線断面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図1の3−3線断面図
【図4】 スカベンジングポンプの構成を示すための図3の4−4線拡大断面図
【図5】 フィードポンプの構成を示すための図3の5−5線拡大断面図
【図6】 図3の6−6線拡大断面図
【符号の説明】
11・・・クランクケース
12・・・クランクシャフト
13・・・発進クラッチ
14・・・出力軸
15・・・動力伝達手段
16・・・変速機としての静油圧式無段変速機
17・・・変速機ケース
18・・・ケース部材
18a・・隔壁
24・・・第2軸受としてのボールベアリング
26・・・第1軸受としてのボールベアリング
27・・・第1オイルシール
35・・・第1環状室
50・・・補機としてのオイルポンプ
59・・・補機軸としてのポンプ軸
60・・・挿通孔
70・・・第2オイルシール
71・・・第2環状室
E・・・・エンジン
Claims (1)
- エンジン(E)のクランクケース(11)に回転自在に支承されるクランクシャフト(12)の一端部に、変速機ケース(17)の少なくとも一部を構成するケース部材(18)に回転自在に支承されるとともに前記クランクシャフト(12)と同軸に配置される出力軸(14)が発進クラッチ(13)を介して連結され、前記変速機ケース(17)内に、変速機(16)と、該変速機(16)の入力部材(39)および前記出力軸(14)間に設けられる動力伝達手段(15)とが収容されるパワーユニットにおいて、
クランクケース(11)側および変速機ケース(17)側間を隔てて前記ケース部材(18)に設けられる隔壁(18a)に、前記クランクシャフト(12)と同軸である挿通孔(60)を有する前記出力軸(14)が回転自在に支承され、前記クランクシャフト(12)と同軸上に配置される補機軸(59)を備える補機(50)が、前記変速機ケース(17)内で前記ケース部材(18)に支持され、前記挿通孔(60)に挿通される前記補機軸(59)および前記クランクシャフト(12)の対向端部が相対回転を不能として嵌合され、前記隔壁(18a)および前記出力軸(14)間には第1軸受(26)および第1オイルシール(27)が設けられ、前記出力軸(14)および前記補機軸(59)間には第2オイルシール(70)が設けられ、前記隔壁(18a)に設けられる油路(36)に通じる第1環状室(35)が、前記第1軸受(26)および前記第1オイルシール(27)間で前記出力軸(14)の周囲に形成され、前記発進クラッチ(13)のクラッチインナ(20)およびクラッチアウタ(21)間に設けられる第2軸受(24)と、前記第2オイルシール(70)との間で前記補機軸(59)および前記クランクシャフト(12)の周囲には、前記第1環状室(35)に通じる第2環状室(71)が形成されることを特徴とする、パワーユニットにおける補機駆動構造。
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JP29044799A JP4441020B2 (ja) | 1999-10-13 | 1999-10-13 | パワーユニットにおける補機駆動構造 |
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JP29044799A JP4441020B2 (ja) | 1999-10-13 | 1999-10-13 | パワーユニットにおける補機駆動構造 |
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-
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