JP3133126B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP3133126B2
JP3133126B2 JP04016606A JP1660692A JP3133126B2 JP 3133126 B2 JP3133126 B2 JP 3133126B2 JP 04016606 A JP04016606 A JP 04016606A JP 1660692 A JP1660692 A JP 1660692A JP 3133126 B2 JP3133126 B2 JP 3133126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン及び変速機が
並列にかつ横置きに搭載された車両の動力伝達装置に関
し、特に、変速機等の潤滑構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、4輪駆動車やFF(フロントエン
ジン・フロントドライブ)型車等の車両において、車体
前部のエンジンルーム内にエンジン及び変速機を配置す
るに当っては、これらを縦置きまたは横置きのいずれで
搭載するかで種々の態様がある。これらのうち、特に、
エンジン及び変速機を共に横置きに配置する場合、この
両者を直列に配置するとパワートレイン全体の軸方向長
さがかなり長くなるという不具合がある。このため、動
力伝達装置として、例えば特開平1−316561号公
報に開示されるように、エンジンの後方に変速機を並列
に配置し、その両者をギヤやチェーン等の伝達機構によ
り動力伝達可能に連結するとともに、エンジンのクラン
クシャフトの軸線上におけるエンジンと伝達機構との間
にクラッチを配置する一方、上記変速機と別軸上に該変
速機からの動力を左右のドライブシャフトに伝達する差
動装置を設けたものが開発され、実用化されている。
【0003】また、この種の動力伝達装置においては、
装置の小型・軽量化等を図るために、エンジン、変速機
及び差動装置等のケースを一体成形するとともに、これ
らの軸間距離を可及的に短くするように配置設定が行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
配置設定の場合、エンジン、変速機、差動装置及び伝達
機構の各室は、それぞれ基準オイルレベルが上下に異な
るようになる。これに対処すべく各室毎に独立して潤滑
個所にオイルを供給する構造を取る場合には、サービス
時でのオイル交換に手間がかかり、サービス性が悪くな
るという問題がある。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、特に、基準オイルレベ
ルの異なる変速機、伝達機構及び差動装置の各室間にお
いて、それらの基準オイルレベルを独立的に維持しつつ
オイルを循還させることにより、サービス時でのオイル
交換を容易なものにして、サービス性の向上を図り得る
動力伝達装置を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、動力伝達装置として、エン
ジンがそのクランクシャフトを車幅方向に向けて横置き
に配置されているとともに、変速機が該エンジンの後方
に並列に配置されており、上記エンジンのクランクシャ
フトの一端にはクラッチが設けられ、該クラッチのエン
ジンと反対側の側方には、クラッチを通して出力される
エンジン動力を変速機に伝達する伝達機構が設けられて
いる一方、上記変速機と別軸上に該変速機からの動力を
左右のドライブシャフトに伝達する差動装置が設けられ
ており、上記変速機、伝達機構及び差動装置の各室は、
それぞれ基準オイルレベルが上下に異なって設けられて
いることを前提とする。そして、このような動力伝達装
置において、上記差動装置の室の基準オイルレベルは、
変速機及び伝達機構の各室の基準オイルレベルよりも低
くなっており、差動装置の室から変速機の室を通して伝
達機構の室へオイルを供給するオイル供給通路と、上記
変速機のシャフトのうち伝達機構側と反対側端 部に配置
された状態で上記オイル供給通路に設けられたオイルポ
ンプと、上記変速機、伝達機構及び差動装置の各室のう
ち、基準オイルレベルの高い室から低い室にオイルを自
然流下させるドレーン通路とを備える構成とする。
【0007】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明に従属するものであって、上記伝達機構が、二つのス
プロケット間にチェーンを巻き掛けてなるチェーン式
ものである場合、該伝達機構のケースに、上記二つのス
プロケット間に跨がって延び、一方のスプロケットによ
り掻き揚げられたオイルの滴下を促すリブを形成する構
成とする。
【0008】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明に従属するものであって、上記オイル供給通路をより
具体的に示す。すなわち、変速機の室内では該変速機の
シャフトに形成された通路により構成し、差動装置の室
内ではストレーナに接続されたストレーナパイプにより
構成するものである。
【0009】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明に従属するものであって、上記差動装置の室に、差動
装置の作動によりストレーナの配置側から差動装置の配
置側にオイルが流動するのを規制する仕切壁を形成する
構成とする。
【0010】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明に従属するものであって、上記仕切壁の近傍にスピー
ドメータのギヤを設け、該ギヤの回転により差動装置の
配置側からオイルをストレーナの配置側に流動させるよ
うにするものである。
【0011】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明に従属するものであって、上記ストレーナパイプを、
その途中でリバースアイドルギヤ支持部材に取り付ける
構成とする。
【0012】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
エンジン動力が変速機側に伝達される時には、オイル
、オイルポンプの作動によってオイル供給通路を通し
て、最も基準オイルレベルが低い差動装置の室から基準
オイルレベルの高い変速機及び伝達機構の各供給さ
れ、その室内の潤滑個所に対する潤滑に供される。ま
た、この室内のオイルは、その室の基準オイルレベル以
上になると、ドレーン通路を通って基準オイルレベルの
低い方の室に自然流下し、その室内の潤滑個所に対する
潤滑に供される。
【0013】一方、サービス時には、上記変速機、伝達
機構及び差動装置の各室毎に個別に新しいオイルを注入
する必要はなく、最もオイルレベルの低い差動装置の室
にオイルを注入すれば上述したオイル循還により他の室
にもオイルが注入される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0015】図1〜図4は本発明の一実施例に係わる車
両の動力伝達装置を示し、この動力伝達装置は、FF型
車として車体前部のエンジンルーム内に搭載され、左右
の前輪を駆動するものである。
【0016】図1〜図3において、1は4気筒のレシプ
ロエンジンであって、該エンジン1は、車体に対して、
そのクランクシャフト2を車幅方向に向けた横置きに配
置されている。3は上記エンジン1の後方でかつクラン
クシャフト2と並列に横置きに配置された変速機であ
る。
【0017】また、11は上記エンジン1のクランクシ
ャフト2の一端部に設けられたクラッチ、12は該クラ
ッチ11を通して出力されるエンジン1の動力(クラン
クシャフト2の回転力)を上記変速機3の入力軸21に
伝達するチェーン式の伝達機構であって、該伝達機構1
2は、上記クラッチ11の後述するクラッチディスク5
2に回転一体に連結されたドライブスプロケット16
と、変速機3の入力軸21に回転一体に設けられたドリ
ブンスプロケット17と、上記両スプロケット16,1
7間に巻き掛けられたチェーン18とからなる。
【0018】上記変速機3は、同軸線上に位置する入力
軸21及び出力軸22と、これらと平行なカウンタシャ
フト23とを有する。上記入力軸21とカウンタシャフ
ト23とは、一対の減速ギヤ24を介して駆動連結され
ている一方、上記出力軸22とカウンタシャフト23と
の間には変速用ギヤ列25が配設されている。しかし
て、入力軸21に入力されたエンジン動力は、該入力軸
21から減速ギヤ24を介してカウンタシャフト23に
伝達され、該カウンタシャフト23から変速用ギヤ列2
5のいずれか一つのギヤを介して出力軸22に伝達され
るとともに、この間に適宜減速されるようになってい
る。
【0019】上記変速機3の出力軸22の端部には出力
ギヤ26が回転一体に設けられ、該出力ギヤ26は、差
動装置31のデフケースに回転一体に設けられたギヤ2
7と噛合している。しかして、変速機3の出力軸22か
ら出力される動力は上記差動装置31に伝達され、該差
動装置31で左右に分割された後、各々ドライブシャフ
ト32L,32Rを介して左右の前輪(図示せず)に伝
達される。
【0020】上記エンジン1は、図4に示すように、そ
のシリンダ軸を車体後方に傾けた状態で横置きに配置さ
れている。また、エンジン1のケース40は、上側から
ヘッドカバー41とシリンダヘッド42と上部クランク
ケース43と下部クランクケース44とオイルパン45
とからなり、上記上部クランクケース43と下部クラン
クケース44との合わせ面Fは、クランクシャフト2の
軸心を通る平面でシリンダ軸と略直交して設けられてい
る。上記変速機3は、上記エンジン1の上部クランクケ
ース43内に収納されており、その入・出力軸21,2
2はカウンタシャフト23よりも前側に位置し、この両
者間の下方にリバースアイドルギヤ28が配設されてい
る。
【0021】また、上記合わせ面F上には、変速機3の
下方位置で上記ドライブシャフト32Rが設けられてお
り、該ドライブシャフト32Rと同軸線上に位置する差
動装置31は、上部クランクケース43内と下部クラン
クケース44内とに跨がって収納されている。以上によ
って、エンジン1、変速機3及び差動装置31は、それ
らの室(つまりエンジン室、ミッション室46及びデフ
室47)が各々独立した基準オイルレベルを有するよう
仕切られつつケース全てが一体成形された構造になって
いる。
【0022】一方、上記クラッチ11は、図1及び図2
に示すように、クランクシャフト2と回転一体に連結さ
れたサポートディスク51と、該サポートディスク51
と対向して配置されたクラッチディスク52と、該クラ
ッチディスク52を上記サポートディスク51に押圧せ
しめるプレッシャプレート53と、該プレッシャプレー
ト53をクラッチ11の接続方向(つまり上記クラッチ
ディスク52をサポートディスク51に押圧せしめて動
力を伝達する方向)に常時付勢する皿ばね54と、該皿
ばね54の付勢力に抗して上記プレッシャプレート53
をクラッチ11の遮断方向(つまり上記クラッチディス
ク52をサポートディスク51から離反させて動力伝達
を遮断する方向)に戻すリリースフォーク55とを備え
ている。また、クラッチ11は、上記サポートディスク
51等のクラッチ本体を覆うクラッチケース56を備え
ており、該クラッチケース56は、上記エンジン1等の
ケース40とは別体のものであり、このクラッチケース
56の側方にはクラッチケース56と共に上記伝達機構
12のスプロケット16,17及びチェーン18を覆う
チェーンカバー57が取り付けられている。
【0023】上記伝達機構12の各スプロケット16,
17は、それぞれ上記クラッチケース56にベアリング
58を介して回転自在に支持されており、また、ドライ
ブスプロケット16は、それと一体形成されたシャフト
59を介して上記クラッチディスク52に回転一体に連
結され、ドリブンスプロケット17には、上記クラッチ
ケース56内を貫通して延長された変速機3の入力軸2
1の一端がスプライン結合で回転一体に連結されてい
る。上記クラッチケース56には、その軸受部(ベアリ
ング58を支持する部位)から上記シャフト59の外周
を覆うように突出する円筒状のカラー部60が形成さ
れ、該カラー部60上には上記皿ばね54の中央部がリ
リースベアリング61を介して軸方向にスライド可能に
支持されている。
【0024】上記リリースフォーク55は、中央部がピ
ボットピン62で支持されたてこ式のものであって、そ
の一端は上記皿ばね54の中央部に係合され、他端はク
ラッチケース56内からクランクシャフト8を挟んで変
速機3と反対側の外部に延出され、その延出部にて操作
機構部(図示せず)と接続されている。上記ピボットピ
ン60は、クラッチケース56に立設されている。
【0025】また、上記左右のドライブシャフト32
L,32Rのうち、差動装置31から離れた車体右側の
前輪に動力を伝達するドライブシャフト32Rは、上記
クラッチ11ないしクラッチケース56の後方位置にユ
ニバーサルジョイントからなるジョイント部66を有
し、このジョイント部66から前輪までのドライブシャ
フト32Rの長さは、車体左側のドライブシャフト32
Lの差動装置31に近接した部位に設けられたジョイン
ト部67から前輪までの長さと略等しく設定されてい
る。上記差動装置31を収納するデフ室47は、差動装
置31側からドライブシャフト32Rの外周を覆いつつ
該ドライブシャフト32Rのジョイント部66近傍にま
で拡張されている。
【0026】次に、上記変速機3、伝達機構12及び差
動装置31の各室、つまりミッション室46、チェーン
室71及びデフ室47に対する潤滑オイルの循還構造に
ついて説明する。
【0027】上記三つの室の基準オイルレベルは、デフ
室47が最も低く、ミッション室46、チェーン室71
の順で高く設定されている。上記デフ室47内にはスト
レーナ72が配置され、デフ室47の底部に溜まったオ
イルを該ストレーナ72からオイル供給通路73内に吸
込み、該オイル供給通路73内を通してミッション室4
6を経てチェーン室71にオイルを供給するようになっ
ており、上記オイル供給通路73の途中にはオイルポン
プ74が設けられている。
【0028】上記デフ室47には、図5にも示すよう
に、差動装置31の配置側とストレーナ72の配置側と
を仕切る仕切壁76が下部クランクケース44と一体的
に形成されており、該仕切壁76は、デフ室47の基準
オイルラインよりも上側に連通口77を有し、デフ室4
7内の差動装置31の配置側とストレーナ72の配置側
の両方で同一の基準オイルラインを確保しつつ、差動装
置31の回転によりストレーナ72の配置側から差動装
置31の配置側にオイルが流動するのを規制するように
なっている。また、上記仕切壁76の近傍にはスピード
メータのギヤ78が設けられている。該ギヤ78は、差
動装置31と一体回転するドライブギヤ79により回転
駆動されるとともに、このギヤ78の回転により差動装
置31の配置側からオイルを上記仕切壁76の連通口7
7を通してストレーナ72の配置側に送給するようにな
っている。
【0029】上記オイル供給通路73は、デフ室47内
では一端が上記ストレーナ72に接続されたストレーナ
パイプ81により構成され、ミッション室46内では変
速機3の入・出力軸21,22に軸線に沿って形成され
た通路82により構成されている。上記ストレーナパイ
プ81は、図4に示すように、エンジンケース40の組
付け(詳しくは上部クランクケース43に対する下部ク
ランクケース44の組付け)を考慮して、ドライブシャ
フト32Rを迂回するように配置されている一方、該ス
トレーナパイプ81の途中は、図6に示すように、上記
リバースアイドルギヤ28を支持するリバースアイドル
ギヤ支持部材83を上部クランクケース43の取付け部
84に固定する際該支持部材83にクリップ部材85を
介して共締めして取り付けられている。上記取付け部8
4は、差動装置31をベアリング86を介して回転自在
に支持する軸受部87に近接して設けられている。
【0030】上記オイルポンプ74は、変速機3の出力
軸22の出力ギヤ26取付け側端部に設けられている。
このオイルポンプ74は、図7及び図8に拡大詳示する
ように、エンジンケース40に取り付けられるポンプハ
ウジング91と、該ポンプハウジング91内にその軸方
向に摺動可能に嵌入され、ポンプハウジング91との間
にポンプ室92を形成するサイド部材93と、該サイド
部材93をポンプハウジング91内の奥側(つまり当接
面91aに当接する方向)に付勢する板バネからなる付
勢部材94と、上記ポンプ室92内に固定された内向き
のトロコイド歯を有する大歯車95と、上記ポンプ室9
2内に回転自在に配置された外向きのトロコイド歯を有
するロータとして小歯車96とを備えている。上記小歯
車96は、上記サイド部材93を貫通する中間軸97と
回転一体に連結され、該中間軸97は、図3に示すよう
に、上記出力軸22とスプライン結合される出力ギヤ2
6のスプライン孔98に対し、軸方向に摺動可能にかつ
回転一体にスプライン結合されていて、出力軸22から
の動力を出力ギヤ26を介して受けるようになってお
り、これにより、中間軸97及び小歯車96は出力軸2
2と一体回転する。この小歯車96の回転に伴う小歯車
96と大歯車95との間の容積変化により、上記ストレ
ーナパイプ81と連通する吸入通路99からオイルを吸
入し、そのオイルを上記中間軸97に形成された吐出通
路100から出力軸22の通路82へ吐出するように構
成されている。
【0031】上記サイド部材93は、上記付勢部材94
の付勢力を受けてポンプハウジング91の当接面91a
に当接した状態ではポンプ室92を油密的にシールする
一方、ポンプ室92内の油圧が所定値以上になったとき
付勢部材94の付勢力に抗して上記当接面91aから離
反する方向に移動し、かつその離反した位置ではポンプ
室92内の油圧をサイド部材93の外周面とポンプハウ
ジング91の内周面との間の隙間を通してリリーフする
ようになっている。よって、このサイド部材93と付勢
部材94とにより、ポンプ室92内の油圧を一定圧に保
つためのリリーフ機構101が構成されている。また、
サイド部材93は、上記中間軸97に対して、相対回転
可能であるが、軸方向には一体的に移動するよう係合さ
れている。よって、サイド部材93が軸方向にリリーフ
移動する際には中間軸97と一体的に、該中間軸97と
スプライン結合する出力ギヤ26のスプライン孔98の
溝にガイドされながら移動する。
【0032】一方、上記チェーン室71を構成するクラ
ッチケース56には、図2に示すように、該チェーン
71のオイルレベルが基準オイルレベルよりも高くなっ
たとき該チェーン室71内のオイルをミッション室46
側へ自然流下させるドレーン通路102が形成されてい
るとともに、図9にも示すように、伝達機構12のドラ
イブスプロケット16及びドリブンスプロケット17を
各々支持する二つのボス部103,104間に跨がって
延び、ドリブンスプロケット17により掻き揚げられた
オイルの滴下を促すリブ105が形成されている。ま
た、図3に示すように、ケース40の上記ミッション室
46とデフ室47とを仕切る部位には、該ミッション室
46のオイルレベルが基準オイルレベルよりも高くなっ
たとき該ミッション室46内のオイルをデフ室47へ自
然流下させるドレーン通路106が形成されている。
【0033】尚、図4及び図5中、111はエンジン1
の前側に配設された給気管、112はエンジン1の後側
に配設された排気管である。
【0034】次に、上記実施例のオイル循還構造の作用
・効果について説明するに、エンジン1の動力が変速機
3側に伝達されるときには、該変速機3の出力軸22の
回転に伴ってオイルポンプ74が作動する。このオイル
ポンプ74の作動により、ミッション室46,デフ室4
7及びチェーン室71のうち、基準オイルレベルが最も
低いデフ室47内からオイルがストレーナパイプ81を
通して吸引され、オイルポンプ74内を経た後、変速機
3の入・出力軸21,22の通路82を通して基準オイ
ルレベルの最も高いチェーン室71に供給される。この
チェーン室71内のオイルは、該チェーン室71の基準
オイルレベル以上になると、ドレーン通路102を通っ
て基準オイルレベルの低いミッション室46に自然流下
する。また、このミッション室46内のオイルは、該ミ
ッション室46の基準オイルレベル以上になると、ドレ
ーン通路106を通って基準オイルレベルの低いデフ室
47に自然流下する。従って、上記三つの室46,4
7,71は、いずれも基準オイルレベルに維持されるの
で、各室の潤滑個所に対して過不足なくオイル潤滑を適
切に行うことができる。
【0035】一方、サービス時にオイル交換をするとき
には、上記ミッション室46,デフ室47及びチェーン
室71にそれぞれ溜まっているオイルを各室毎に抜き取
る必要があるものの、新しいオイルを各室毎に個別に注
入する必要はなく、デフ室47に注入すれば上述したオ
イル循還によりチェーン室71及びミッション室46に
もオイルが注入されるので、その分オイル交換を容易に
行うことができ、サービス性の向上を図ることができ
る。
【0036】その上、上記実施例においては、オイルポ
ンプ74を、回転が安定しかつ他の部材と干渉しない位
置にある、変速機3の出力軸22の伝達機構12と反対
側端部(つまり出力ギヤ26側端部)に設けているた
め、該オイルポンプ74の回転ひいてはオイル供給の安
定化を図ることができるとともに、組付性の向上を図る
ことができる。また、チェーン室71に形成されたリブ
105により該チェーン室71内でドリブンスプロケッ
ト17の掻き揚げで飛散したオイルの滴下を促すことが
できるので、チェーン室71等でその基準オイルレベル
の維持を確実に行うことができる。
【0037】さらに、上記デフ室47においては、仕切
壁76によって、差動装置31の回転に伴いストレーナ
72の配置側からオイルが差動装置31の配置側に流動
するのを規制することができるので、ストレーナ72か
らのオイルの吸入ひいてはオイル循還を円滑に行うこと
ができる。しかも、仕切壁76の近傍に設けたスピード
メータのギヤ78の回転により差動装置31の配置側か
らオイルがストレーナ72の配置側に流動するようにな
っているので、この効果を更に高めることができる。
【0038】加えて、上記ストレーナパイプ81を、そ
の途中でリバースアイドルギヤ支持部材83に取り付け
たことにより、その支持剛性を高めることができるとい
う効果をも有する。
【0039】尚、本発明は、上記実施例に限定されるも
のではなく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。例えば、上記実施例では、ミッション室46、デフ
室47及びチェーン室71の基準オイルレベルが、デフ
室47、ミッション室46、チェーン室71の順で高く
なっている場合について説明したが、本発明は、ミッシ
ョン室46及びチェーン室71について、これ以外の順
序で基準オイルレベルが上下に異なっている場合にも同
様に適用することができる。また、場合によっては、上
記3室のうちの2室の間でのみオイル循還を行うように
構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上の如く、本発明の動力伝達装置によ
れば、変速機、伝達機構及び差動装置の各室間で、それ
ぞれ基準オイルレベルを維持しながらオイルを循還させ
ることができるので、各室内の潤滑個所に対するオイル
潤滑を適切に行うことができるとともに、サービス時で
のオイル交換を容易に行うことができ、サービス性の向
上を図ることができる。しかも、オイルポンプを、回転
が安定しかつ他の部材と干渉しない位置ある、変速機
のシャフトのうち伝達機構と反対側端部に設けること
により、該オイルポンプの回転ひいてはオイル供給の安
定化を図ることができるとともに、組付性の向上を図る
ことができるという効果をも有する。
【0041】また、請求項記載の発明によれば、チェ
ーン式伝達機構のケースに形成されたリブにより室内に
飛散したオイルの滴下を促すことができるので、各室で
の基準オイルレベルの維持を確実に行うことができると
いう効果を併有する。
【0042】請求項記載の発明によれば、差動装置の
室に形成した仕切壁によって、差動装置の作動に伴いス
トレーナの配置側からオイルが差動装置の配置側に流動
するのを規制することができるので、ストレーナからの
オイルの吸込みひいてはオイル循還を円滑に行うことが
できるという効果を併有する。さらに、この効果は、請
求項記載の発明の如く、仕切壁の近傍に設けたスピー
ドメータのギヤの回転により差動装置の配置側からオイ
ルをストレーナの配置側に流動させるようにすれば顕著
なものとなる。
【0043】さらに、請求項記載の発明によれば、ス
トレーナパイプを、その途中でリバースアイドルギヤ支
持部材に取り付けることにより、その支持剛性を高める
ことができるという効果をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる動力伝達装置の全体概
略構成を示すスケルトン図である。
【図2】同動力伝達装置のクラッチ部付近の構成を示す
断面図である。
【図3】同動力伝達装置の変速機及び差動装置付近の構
成を示す断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿って一部切開して見た動力
伝達装置の側面図である。
【図5】図3のB−B線に沿って一部切開して見た動力
伝達装置の側面図である。
【図6】リバースアイドルギヤ支持部材の取付個所付近
の分解斜視図である。
【図7】オイルポンプの縦断側面図である。
【図8】同側面図である。
【図9】クラッチケースをチェーンカバーとの合わせ面
側から見た側面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クランクシャフト 3 変速機 11 クラッチ 12 伝達機構 31 差動装置 46 ミッション室(変速機の室) 47 デフ室(差動装置の室) 71 チェーン室(伝達機構の室) 72 ストレーナ 73 オイル供給通路 74 オイルポンプ 76 仕切壁 78 スピードメータのギヤ 81 ストレーナパイプ 82 通路 83 リバースアイドルギヤ支持部材 102,106 ドレーン通路 105 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−316561(JP,A) 特開 平5−209673(JP,A) 特開 平5−71615(JP,A) 特開 平5−209672(JP,A) 実開 昭62−40365(JP,U) 実開 平4−27252(JP,U) 実開 平2−146259(JP,U) 実公 昭39−13411(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 57/00 - 57/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンがそのクランクシャフトを車幅
    方向に向けて横置きに配置されているとともに、変速機
    上記エンジンの後方に並列に配置されており、 上記エンジンのクランクシャフトの一端にはクラッチが
    設けられ、上記 クラッチのエンジンと反対側の側方には、クラッチ
    を通して出力されるエンジン動力を変速機に伝達する伝
    達機構が設けられている一方、 上記変速機と別軸上に該変速機からの動力を左右のドラ
    イブシャフトに伝達する差動装置が設けられており、 上記変速機、伝達機構及び差動装置の各室は、それぞれ
    基準オイルレベルが上下に異なって設けられている動力
    伝達装置において、上記差動装置の室の基準オイルレベルは、変速機及び伝
    達機構の各室の基準オイルレベルよりも低くなってお
    り、 差動装置の室から変速機の室を通して伝達機構の室へオ
    イルを供給する オイル供給通路と、上記変速機のシャフトのうち伝達機構側と反対側端部に
    配置された状態で上記オイル供給通路に 設けられたオイ
    ルポンプと、 上記変速機、伝達機構及び差動装置の各室のうち、基準
    オイルレベルの高い室から低い室にオイルを自然流下さ
    せるドレーン通路とを備えたことを特徴とする動力伝達
    装置。
  2. 【請求項2】 上記伝達機構は、二つのスプロケット間
    にチェーンを巻き掛けてなるチェーン式のものであり、上記 伝達機構のケースには、上記二つのスプロケット間
    に跨がって延び、一方のスプロケットにより掻き揚げら
    れたオイルの滴下を促すリブが形成されている請求項
    記載の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 上記オイル供給通路は、変速機の室内で
    は該変速機のシャフトに形成された通路により構成さ
    れ、差動装置の室内ではストレーナに接続されたストレ
    ーナパイプにより構成されている請求項記載の動力伝
    達装置。
  4. 【請求項4】 上記差動装置の室には、差動装置の作動
    によりストレーナの配置側から差動装置の配置側にオイ
    ルが流動するのを規制する仕切壁が形成されている請求
    記載の動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 上記仕切壁の近傍にはスピードメータの
    ギヤが設けられ、該ギヤの回転により差動装置の配置側
    からオイルをストレーナの配置側に流動させるようにな
    っている請求項記載の動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 上記ストレーナパイプは、その途中でリ
    バースアイドルギヤ支持部材により取り付けられている
    請求項記載の動力伝達装置。
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