JP4439709B2 - 建物の屋根構造、屋根の施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の屋根構造、屋根の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特公昭58−20352号公報や特開平10−230564号公報に記載されている折板屋根は、鋼板を折り曲げて複数の山部と谷部を形成した折板屋根材を、多数用い、その幅方向に重ね合わせて接合し、屋根を形成するものである。
【0003】
また、特公平7−6234号公報に記載されている多数の屋根パネルからなる屋根は、ステンレス鋼板などからなる屋根材を支持枠部材に張った屋根パネルの多数を建物躯体上に設置接合して形成している。
【0004】
しかしながら、上記従来の折板屋根は、長尺の折板屋根材を多数枚重ねて建物躯体の上にクレーンで運び上げ、それから1枚づつ人力により手運びして端から設置していたので、設置作業に時間がかかったり、手運び途中に強風によりあおられる危険があるなどの問題があった。
【0005】
また、上記従来の多数の屋根パネルからなる屋根は、屋根パネルが屋根材の下に支持枠部材を必要とし、費用がかかるとともに、多数の屋根パネルを必要とするため、これらの設置と接合作業に手間がかかる問題があった。
【0006】
そこで、本出願人が先に提案した、特許願2000−222364号に記載の屋根は、複数の金属板が一体に溶接されて大面積になされた屋根葺材で葺き、この屋根葺材に張力を与え緊張状態にしたものである。このようにして葺いた屋根は、設置が容易で危険が少なく費用がかからず、雨音の遮音が容易で、防水性能に優れるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許願2000−222364号に記載の上記従来の屋根においては、屋根葺材の端縁を軒先支持金具(軒先支持母屋材)に多数のリベットで取付け固定しているので、設置に手間がかかるという問題があった。
また、上記屋根葺材は、その端縁を軒先方向に略水平に向けているので、屋根葺材の下側から吹き上げた雨水が内部に浸入しやすかったり、リベット孔が略垂直方向に向いているので、リベット孔から雨水が浸入しやすく、防水性能の面で問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、設置が容易で防水性能に優れる建物の屋根構造と屋根の施工方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数の金属板が一体に溶接され大面積になされた屋根葺材で屋根が葺かれ、屋根葺材に張力を与えて緊張状態になされている建物の屋根構造であって、前記屋根葺材の端縁部が、下方に折り曲げられて建物の軒先部に取り付けられており、前記下方に折り曲げられた屋根葺材の端縁部が、建物の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具とピン結合されており、前記下方に折り曲げられた屋根葺材の端縁角部が、折り込みまたは切り欠けを付けることにより屋根出隅部に収められていることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の建物の屋根構造において、前記軒先支持金具が、屋根葺材の折り曲げ部が当接される円弧状の取付け面を備えた第1金具と、屋根葺材の端縁部に設けられたピン孔と係合するピンが設けられた第2金具とからなり、第1金具が建物の躯体に取付け可能になされ、第2金具が第1金具に対して折り曲げた屋根葺材の端縁部が向く方向に移動調節可能な引張ボルトで取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、複数の金属板が一体に溶接され大面積になされた屋根葺材で屋根が葺かれ、屋根葺材に張力を与えて緊張状態になされている建物の屋根構造であって、前記屋根葺材の端縁部が、建物の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具とピン結合されており、前記軒先支持金具が、屋根葺材の折り曲げ部が当接される円弧状の取付け面を備えた第1金具と、屋根葺材の端縁部に設けられたピン孔と係合するピンが設けられた第2金具とからなり、第1金具が建物の躯体に取付け可能になされ、第2金具が第1金具に対して折り曲げた屋根葺材の端縁部が向く方向に移動調節可能な引張ボルトで取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項に記載の建物の屋根構造において、前記下方に折り曲げられた屋根葺材の端縁角部が、折り込みまたは切り欠けを付けることにより屋根出隅部に収められていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物の屋根構造において、屋根葺材の端縁部にピン結合用のピン孔が設けられ、軒先支持金具に前記ピン孔と係合するピンが設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の建物の屋根構造において、屋根葺材の端縁部が、軒先支持金具と、軒先支持金具の屋根葺材取付け面と向き合う側に設けられた板材との間に挟まれて取り付けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の建物の屋根構造において、屋根葺材の裏面側に、スリット状遮音シートが間隔を開けて貼り付けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項記載の発明は、複数の金属板が一体に溶接され大面積になされた屋根葺材を、建物躯体の上に被覆するとともに、この屋根葺材に張力を与えて緊張状態にする屋根の施工方法であって、軒先支持金具を建物の躯体に仮止めしておき、建物躯体の上に被覆した屋根葺材の端縁部を略水平状態のまま前記仮止めした軒先支持金具にピン結合し、その後、軒先支持金具を下方に回転させることにより、屋根葺材の端縁部を下方に折り曲げ、軒先支持金具を建物の躯体に固定することを特徴とする。
【0018】
上記本発明において、屋根葺材の材料となる金属板としては、一般に屋根に用いられている鋼板、ステンレス鋼板、鍍金鋼板、塗装鋼板、樹脂被覆鋼板、アルミニウム板、銅板などが用いられる。金属板の厚みとしては、0.3〜1.2mmの範囲のものが好ましく、更に好ましくは0.4〜0.8mmである。薄すぎると、張力により破断の危険があり、遮音性が減少し、面座屈の恐れも生じる。厚すぎると、強度、遮音性等が向上するが、重くなり施工性が悪くなり、材料コストが上昇する。
【0019】
上記本発明において、複数の金属板を一体に溶接する方法としは、シーム溶接、アーク溶接、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接、ろう付け溶接などの溶接方法が使用できるが、特にシーム溶接が連続して溶接ができ、気密性が高く、溶接速度が速く、好ましい。
【0020】
上記本発明において、屋根葺材に張力を与えるには、屋根葺材の周囲を引っ張る、あるいは、屋根葺材の周囲を固定し内部を押し上げる等して、屋根葺材に張力(テンション)を与えることができる。張力としては、100kg〜1000kg/303mm幅(建物の基準モジュール寸法)の範囲が作業員の荷重や積雪荷重に耐えられ好ましい。小さすぎると撓む恐れがあり、大きすぎると建物躯体や屋根葺材に負荷がかかり劣化を早める恐れがある。
【0021】
上記本発明において、屋根葺材の端縁部の折り曲げ角度は、水平方向に対して30度前後以上とすると、ピン孔からの雨水の浸入を防止しやすい。
また、屋根葺材の端縁部の折り曲げ部は、張力をそのまま下方に伝え金属板の塑性変形を避けるため、半径30mm以上の緩やかな円弧形状にするのがよい。また、上記折り曲げ部は、垂直距離で55mm以上下方に垂下するようにすると、水切り性がよい。
【0022】
【作用】
本発明に係る建物の屋根構造は、屋根葺材の端縁部が、建物の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具とピン結合されているので、屋根葺材の端縁部をピンによる引っ掛けにて取り付けでき、設置が容易である。
【0023】
本発明に係る建物の屋根構造は、屋根葺材の端縁部が、下方に折り曲げられて建物の軒先部に取り付けられているので、屋根葺材の下側から吹き上げた雨水が屋根内部に浸入しにくくなり、防水性能が向上する。
【0024】
本発明に係る建物の屋根構造は、さらに、前記下方に曲げられた屋根葺材の端縁部が、建物の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具とピン結合されているので、設置が容易であると同時に、ピン孔が水平方向に向くので、ピン孔周縁に雨水が溜まりにくくなり、防水性能がさらに向上する。
【0025】
本発明に係る建物の屋根構造は、さらに、前記下方に折り曲げられた屋根葺材の端縁角部が、折り込みまたは切り欠けを付けることにより屋根出隅部に収められているので、特別な部品を屋根出隅部に設ける必要がなく、屋根出隅部の施工が容易である。
【0026】
本発明に係る建物の屋根構造は、さらに、屋根葺材の端縁部にピン結合用のピン孔が設けられ、軒先支持金具に前記ピン孔と係合するピンが設けられているので、屋根葺材のピン孔に軒先支持金具のピンを引っ掛けて取り付けでき、設置が容易である。
【0027】
本発明に係る建物の屋根構造は、さらに、屋根葺材の端縁部が、軒先支持金具と、軒先支持金具の屋根葺材取付け面と向き合う側に設けられた板材との間に挟まれて取り付けられているので、屋根葺材の端縁部が摩擦力により取り付けられ、外れにくくなる。
【0028】
本発明に係る建物の屋根構造は、さらに、前記軒先支持金具が第1金具と第2金具とからなり、第2金具が第1金具に対して折り曲げた屋根葺材の端縁部が向く方向に移動調節可能な引張ボルトで取り付けられているので、この引張ボルトで屋根葺材に張力を与えて緊張状態にすることができる。
【0029】
本発明に係る建物の屋根構造は、さらに、屋根葺材の裏面側に、スリット状遮音シートが間隔を開けて貼り付けられているので、遮音シートの使用量を少なくでき、経済的である。
【0030】
本発明に係る屋根の施工方法は、軒先支持金具を建物の躯体に仮止めしておき、建物躯体の上に被覆した屋根葺材の端縁部を略水平状態のまま前記仮止めした軒先支持金具にピン結合し、その後、軒先支持金具を下方に回転させることにより、屋根葺材の端縁部を下方に折り曲げ、軒先支持金具を建物の躯体に固定するので、設置が容易で防水性能に優れる屋根構造にできる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図10は本発明の一実施の形態であって、図1(イ)図は建物の斜視図、(ロ)図は(イ)図のY−Y線における断面図である。
図2(イ)図は屋根葺材の斜視図、(ロ)図は(イ)図の屋根葺材を裏面側から見た斜視図である。
図3は図1に示す屋根構造の要部を拡大して示す断面図、図4は軒先支持金具の斜視図、図5はピンが設けられた第2金具の斜視図、図6は屋根葺材の端縁部が第2金具と板材で挟まれて取り付けられている状態を説明する断面図である。
図7と図8は、屋根出隅部に収められている屋根葺材の端縁角部の説明図であって、(イ)図は収める前の平面図であり、(ロ)図は収めた後の斜視図である。
図9は屋根の施工方法を示す説明図であり、図10は屋根の施工状態を手順通りに示す断面図である。
【0032】
(建物)
図1に示す建物1は、屋根面が略平坦な屋根2によって建物1の躯体3上方が覆われているものである。
建物1の躯体3は、工場生産した箱形状の建物ユニットを水平方向に複数個隣接配置して形成されているが、建築現場で構築されたものであってもよい。
上記建物ユニットは、四隅の柱と、柱の上端部間に接続された屋根梁と、柱の下端部に接続された床梁とからなる軸組式の骨組み構造を有しているが、床パネルの周縁部に壁パネルを立設した壁式工法のものであってもよい。
【0033】
(建物の屋根構造)
上記建物1の屋根構造は、図1(イ)図と(ロ)図に示すように、複数の金属板21、21、・・が一体にシーム溶接され大面積になされた四角形の屋根葺材20で屋根2が葺かれ、屋根葺材20に張力Tを与えて緊張状態になされている。
【0034】
上記屋根葺材20の四周の端縁部は、建物1の躯体3の外周部から突出され、下方に折り曲げられ、略垂直になされて建物1の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具4とピン結合されている。
【0035】
上記屋根葺材20は、図2(イ)図に示すように、薄肉ステンレス鋼板である長尺の金属板21、21、・・を複数枚長手方向に並列し、これを突き合わせて一体にシーム溶接し、建物1の屋根2全体を覆う大きさの大面積になされている。
屋根葺材20の端縁部には、ピン結合用のピン孔22が多数設けられ、このピン孔22には、後述する軒先支持金具4に設けられているピン43が係合する。
【0036】
また、屋根葺材20の裏面側には、図2(ロ)図に示すように、スリット状遮音シート23が間隔を開けて貼り付けられている。
この遮音シート23は、金属板21の長手方向(溶接方向)と同一の方向に貼り付けられている。
そして、建物の躯体3の上面と屋根葺材20との間に介在させる支持部材(不図示)を、前記遮音シート23と直交する方向に取り付けると、屋根葺材20は必ず遮音シート23を介して接することになり、飛んできた小石等が屋根葺材20に衝突して発生する振動音を軽減させることができる。
【0037】
つぎに、図3〜図6を参照して上記軒先支持金具4を詳細に説明する。
軒先支持金具4は、図3と図4に示すように、屋根葺材20の折り曲げ部が当接される円弧状の取付け面を備えた長尺の第1金具41と、屋根葺材20の端縁部に設けられた前記ピン孔22と係合するピン43が設けられた断面L字形の第2金具42とを有して構成されている。
【0038】
第1金具41は、建物1の躯体3に設けられたC型鋼でなる屋根梁31の開口側に取付け可能になされている。具体的には、第1金具41の上部から垂設された取付け材44を屋根梁31の開口側面に当接し、アングル型鋼でなる位置決め材45によって取付け位置を決め、ボルトナット46により屋根梁31に固定される。上記取付け材44は、断面コ字形の型鋼の両側にフランジを突設したハット形(帽子形)のものである。
第2金具42は、断面略L字形の型鋼であって、上記第1金具41と略同じ長さの長尺体である。第2金具42は、第1金具41に対して折り曲げた屋根葺材20の端縁部が向く方向(取付け状態で垂直方向)に移動調節可能な引張ボルト47で取り付けられている。
円弧状になされた第1金具41の先端部は内側に向かって直角に折り曲げられ、この折り曲げ部にナット48が溶着されている。引張ボルト47は第2金具42に挿通され、軸部先端部を上記ナット48に螺入されて取り付けられている。
引張ボルト47の頭部を固定し、軸部中間に設けられたナット49を締めると、第2金具42を下方に移動調節できる。この第2金具42の移動調節により、屋根葺材20に張力Tを与え、緊張状態にする。
【0039】
第2金具42に設けられているピン43は、図5(イ)図に示すように、下方に30〜60度の角度で傾けられ、屋根葺材20に張力を与えた後、抜けないようにしている。
図5(ロ)図に示すピン43Aは、円柱形の根本に切り込みを入れたものであって、この切り込み部にピン孔22を引っ掛けることにより、抜けにくくしたものである。
屋根葺材20の張力を支えるために、上記ピン43、43Aの直径は8〜16mm程度、ピン43、43Aのピッチは20〜50mm程度とするのがよい。
【0040】
屋根葺材20の端縁部は、図6に示すように、軒先支持金具4の第2金具42と、第2金具42の屋根葺材20取付け面と向き合う側に設けられた板材42Aとの間に挟まれて取り付けられていてもよい。
板材42Aは、ピン43に嵌合して取り付けられる嵌合孔を有しているが、ボルト止めして取り付けると、ピン43にかかる負担を軽減できる。
【0041】
本実施例の建物1の屋根構造において、下方に折り曲げられた屋根葺材20の端縁角部は、図7、図8に示すように、折り込みまたは切り欠けを付けることにより屋根出隅部に収められている。
図7に示す屋根出隅部においては、屋根端縁に沿って直交する折り込み線24、24と、角部に斜交する折り込み線25とを型付けしておき、これら折り込み線24、25を内側に折り込んで屋根出隅部に収めるようにしている。
図8に示す屋根出隅部においては、屋根端縁に沿って直交する折り込み線24、24と、角部に斜交する切り込み26とを形成しておき、これらを内側に折り込んで屋根出隅部に収めるようにしている。
【0042】
(屋根の施工方法)
つぎに、上記構成になされた屋根2の施工方法を、図9、図10を参照しなから説明する。
(1)複数の金属板21を一体に溶接して大面積になされた屋根葺材20を、建物の躯体3の上に被覆し、屋根葺材20の端縁部を建物の躯体3より突出させておく。
この際、屋根葺材20がそれ程大きくない場合、図9(イ)図に示すように、U字形状に折り曲げて吊るし、図9(ロ)図に示すように、これを建物の躯体3の上に広げて被覆する。
屋根葺材20が長尺の場合は、ロール状に巻き取っておき、これを建物の躯体3の上に展開して被覆する。
【0043】
(2)つぎに、図9(ハ)図に示す仮脚部材5を使用して、軒先支持金具4を建物の屋根梁31に仮止めしておく。上記仮脚部材5を、図9(ニ)図に示すように、屋根梁31の側面に取り付け、この仮脚部材5に軒先支持金具4の取付け材44を水平方向に向けて仮止めする(図10(イ)図参照)。
そして、建物躯体3の上に被覆した屋根葺材20の端縁部を略水平状態のまま前記仮止めした軒先支持金具4にピン結合し、引張りボルト47を操作して屋根葺材20に張力を与えて屋根葺材20を緊張状態にする。
【0044】
(3)その後、図9(ホ)図と(ヘ)図に示すように、仮止めした軒先支持金具4を仮脚部材5から取り外し、下方に回転させることにより、屋根葺材20の端縁部を下方に折り曲げ、軒先支持金具4を屋根梁31にボルトナット46で固定する。
なお、上記軒先支持金具4を下方に回転させて屋根葺材20の端縁部を下方に折り曲げる際、軒先支持金具4の位置決め材45を屋根梁31のリップに当てると、屋根梁31の方に寄せやすい(図10(ロ)、(ハ)図参照)。
【0045】
(実施の形態の作用)
上記した本実施の形態に示した建物1の屋根構造は、屋根葺材20の端縁部が、建物1の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具4とピン結合されているので、屋根葺材20の端縁部をピンによる引っ掛けにて取り付けでき、設置が容易である。
【0046】
また、建物1の屋根構造は、屋根葺材20の端縁部が、下方に折り曲げられて建物1の軒先部に取り付けられているので、屋根葺材20の下側から吹き上げた雨水が屋根内部に浸入しにくくなり、防水性能が向上する。
【0047】
さらに、前記下方に曲げられた屋根葺材20の端縁部に設けられたピン孔22が水平方向に向くので、ピン孔22周縁に雨水が溜まりにくくなり、防水性能がさらに向上する。
【0048】
さらに、前記下方に折り曲げられた屋根葺材20の端縁角部が、折り込みまたは切り欠けを付けることにより屋根2出隅部に収められているので、特別な部品を屋根2出隅部に設ける必要がなく、屋根2出隅部の施工が容易である。
【0049】
さらに、屋根葺材20の端縁部が、軒先支持金具4と、軒先支持金具4の屋根葺材取付け面と向き合う側に設けられた板材42Aとの間に挟まれて取り付けられているようにすると、屋根葺材20の端縁部が摩擦力により取り付けられ、外れにくくなる。
【0050】
さらに、前記軒先支持金具4が第1金具41と第2金具42とからなり、第2金具42が第1金具41に対して折り曲げた屋根葺材20の端縁部が向く方向に移動調節可能な引張ボルト47で取り付けられているので、この引張ボルト47の操作で屋根葺材20に張力Tを与えて緊張状態にすることができる。
【0051】
さらに、屋根葺材20の裏面側に、スリット状遮音シート23が間隔を開けて貼り付けられているので、遮音シート23の使用量を少なくでき、経済的である。
なお、遮音シートを全面に貼った場合と、スリット状遮音シート23で使用量を半減させた場合とでは、遮音効果は殆ど変わらないことが実験的に確かめられている。
【0052】
本実施例における屋根2の施工方法は、軒先支持金具4を建物1の躯体3に仮止めしておき、建物躯体3の上に被覆した屋根葺材20の端縁部を略水平状態のまま前記仮止めした軒先支持金具4にピン結合し、その後、軒先支持金具4を下方に回転させることにより、屋根葺材20の端縁部を下方に折り曲げ、軒先支持金具4を建物1の躯体3に固定するので、設置が容易で防水性能に優れる屋根構造にできる。
【0053】
図11は、屋根2の施工方法に関する別の実施例を示す説明図である。
本実施例の屋根2の施工方法は、図11(イ)図に示すように、軒先支持金具4の第1金具41と第2金具42を取り外しておき、第1金具41だけを先に屋根梁31に取り付ける。
そして、第1金具41から取り外した第2金具のピン43を屋根葺材20のピン孔22に挿入して、屋根葺材20の端縁部を第2金具42とピン結合する。
【0054】
つぎに、図11(ロ)図に示すように、屋根葺材20の端縁部を曲げながら、屋根梁31の側面側に寄せていき、図示省略の前記引張りボルト47を使用して第2金具42を第1金具41に取り付ける。
そして、上記引張りボルト47を操作して屋根葺材20に張力を与えて屋根葺材20を緊張状態にする。
【0055】
図12は、屋根2の施工方法に関する他の実施例を示す説明図である。
本実施例の屋根2の施工方法は、図12(イ)図に示すように、屋根梁31のリップに一対のガイド用台座6を取り付けておく。
上記一対のガイド用台座6間に、軒先支持金具4の第1金具41を挿入し、軸61によってガイド用台材6に軒先支持金具4を回動自在に取り付け、この第1金具41に第2金具42のピン43が上を向くように取り付ける。
この時、ガイド用台座6と軒先支持金具4との間にスペーサー(不図示)等を噛ませることにより、軒先支持金具4の自重による回転を抑えて軒先支持金具4を仮固定する。
【0056】
つぎに、図12(ロ)図に示すように、第2金具42のピン43を屋根葺材20の端縁部に設けられたピン孔22に挿入して、屋根葺材20の端縁部を水平状態のまま第2金具42とピン結合する。
そして、軒先支持金具4の取付け材44を下方に回転させ、図12(ハ)図に示すように、屋根葺材20の端縁部を曲げながら、屋根梁31の側面側に寄せていき、取付け材44を屋根梁31にボルト固定する。
そして、上記引張りボルト47を操作して屋根葺材20に張力を与えて屋根葺材20を緊張状態にする。
【0057】
本実施例の施工方法によると、軒先支持金具4をガイド用台座6を使用して回動自在に取り付けているので、ステンレス膜でなる屋根葺材20が反るなどして波打っている場合であっても、軒先支持金具4を回して屋根梁31に固定させる際、屋根梁31のボルト孔と取付け材44のボルト孔がずれることがなく、施工が容易である。
【0058】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、傾斜のほとんどない陸屋根形状の屋根について説明したが、傾斜の急な傾斜屋根としてもよい。また、複数の箱形状の建物ユニットを水平方向に隣接配置してユニット建物を形成する場合は、上記大面積になされた金属板からなる屋根葺材を各建物ユニット毎に張力を与えて緊張状態に葺いてもよい。この場合は、金属板は一枚であっても複数枚が一体に溶接されたものであってもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明の建物の屋根構造は、屋根葺材の端縁部をピンによる引っ掛けにて取り付けでき、設置が容易である。
【0060】
本発明の建物の屋根構造は、屋根葺材の端縁部が、下方に折り曲げられて建物の軒先部に取り付けられているので、屋根葺材の下側から吹き上げた雨水が屋根内部に浸入しにくくなり、防水性能が向上する。
【0061】
本発明の建物の屋根構造は、さらに、設置が容易であると同時に、ピン孔が水平方向に向くので、ピン孔周縁に雨水が溜まりにくくなり、防水性能がさらに向上する。
【0062】
本発明の建物の屋根構造は、さらに、特別な部品を屋根出隅部に設ける必要がなく、屋根出隅部の施工が容易である。
【0063】
本発明の建物の屋根構造は、さらに、屋根葺材のピン孔に軒先支持金具のピンを引っ掛けて取り付けでき、設置が容易である。
【0064】
本発明の建物の屋根構造は、さらに、屋根葺材の端縁部が、軒先支持金具と板材との間に挟まれて取り付けられているので、屋根葺材の端縁部が摩擦力により取り付けられ、外れにくくなる。
【0065】
本発明の建物の屋根構造は、さらに、前記軒先支持金具が第1金具と第2金具とからなり、第2金具が第1金具に対して移動調節可能な引張ボルトで取り付けられているので、この引張ボルトで屋根葺材に張力を与えて緊張状態にすることができる。
【0066】
本発明の建物の屋根構造は、さらに、屋根葺材の裏面側に、スリット状遮音シートが間隔を開けて貼り付けられているので、遮音シートの使用量を少なくでき、経済的である。
【0067】
本発明の屋根の施工方法は、設置が容易で防水性能に優れる屋根構造にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であって、(イ)図は建物の斜視図、(ロ)図は(イ)図のY−Y線における断面図である。
【図2】(イ)図は屋根葺材の斜視図、(ロ)図は(イ)図の屋根葺材を裏面側から見た斜視図である。
【図3】図1に示す屋根構造の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】軒先支持金具の斜視図である。
【図5】ピンが設けられた第2金具の斜視図である。
【図6】屋根葺材の端縁部が第2金具と板材で挟まれて取り付けられている状態を説明する断面図である。
【図7】屋根出隅部に収められている屋根葺材の端縁角部の説明図であって、(イ)図は収める前の平面図であり、(ロ)図は収めた後の斜視図である。
【図8】屋根出隅部に収められている屋根葺材の端縁角部の説明図であって、(イ)図は収める前の平面図であり、(ロ)図は収めた後の斜視図である。
【図9】屋根の施工方法を示す説明図である。
【図10】屋根の施工状態を手順通りに示す断面図である。
【図11】屋根の施工方法に関する別の実施例を示す説明図である。
【図12】屋根の施工方法に関する他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 建物
2 屋根
20 屋根葺材
21 金属板
22 ピン孔
23 遮音シート
3 建物の躯体
4 軒先支持金具
41 第1金具
42 第2金具
42A 板材
43 ピン

Claims (8)

  1. 複数の金属板が一体に溶接され大面積になされた屋根葺材で屋根が葺かれ、屋根葺材に張力を与えて緊張状態になされている建物の屋根構造であって、前記屋根葺材の端縁部が、下方に折り曲げられて建物の軒先部に取り付けられており、
    前記下方に折り曲げられた屋根葺材の端縁部が、建物の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具とピン結合されており、
    前記下方に折り曲げられた屋根葺材の端縁角部が、折り込みまたは切り欠けを付けることにより屋根出隅部に収められていることを特徴とする建物の屋根構造。
  2. 前記軒先支持金具が、屋根葺材の折り曲げ部が当接される円弧状の取付け面を備えた第1金具と、屋根葺材の端縁部に設けられたピン孔と係合するピンが設けられた第2金具とからなり、第1金具が建物の躯体に取付け可能になされ、第2金具が第1金具に対して折り曲げた屋根葺材の端縁部が向く方向に移動調節可能な引張ボルトで取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の建物の屋根構造。
  3. 複数の金属板が一体に溶接され大面積になされた屋根葺材で屋根が葺かれ、屋根葺材に張力を与えて緊張状態になされている建物の屋根構造であって、前記屋根葺材の端縁部が、建物の軒先部に沿って取り付けられる軒先支持金具とピン結合されており、
    前記軒先支持金具が、屋根葺材の折り曲げ部が当接される円弧状の取付け面を備えた第1金具と、屋根葺材の端縁部に設けられたピン孔と係合するピンが設けられた第2金具とからなり、第1金具が建物の躯体に取付け可能になされ、第2金具が第1金具に対して折り曲げた屋根葺材の端縁部が向く方向に移動調節可能な引張ボルトで取り付けられていることを特徴とする建物の屋根構造。
  4. 前記下方に折り曲げられた屋根葺材の端縁角部が、折り込みまたは切り欠けを付けることにより屋根出隅部に収められていることを特徴とする請求項に記載の建物の屋根構造。
  5. 屋根葺材の端縁部にピン結合用のピン孔が設けられ、軒先支持金具に前記ピン孔と係合するピンが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物の屋根構造。
  6. 屋根葺材の端縁部が、軒先支持金具と、軒先支持金具の屋根葺材取付け面と向き合う側に設けられた板材との間に挟まれて取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建物の屋根構造。
  7. 屋根葺材の裏面側に、スリット状遮音シートが間隔を開けて貼り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の建物の屋根構造。
  8. 複数の金属板が一体に溶接され大面積になされた屋根葺材を、建物躯体の上に被覆するとともに、この屋根葺材に張力を与えて緊張状態にする屋根の施工方法であって、
    軒先支持金具を建物の躯体に仮止めしておき、建物躯体の上に被覆した屋根葺材の端縁部を略水平状態のまま前記仮止めした軒先支持金具にピン結合し、その後、軒先支持金具を下方に回転させることにより、屋根葺材の端縁部を下方に折り曲げ、軒先支持金具を建物の躯体に固定することを特徴とする屋根の施工方法。
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