JP4439357B2 - 記録媒体 - Google Patents
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Description
また本発明においては、上記密着層を設けることにより、記録時において物質Aが分解する際に、記録層と、記録層に接する層とが剥離することを防ぐことができるからである。
さらに、窒化物及び酸化物は、粒径が小さく記録信号のノイズを低減できる上、適切な光学定数を有する物質を選択することもできる。さらには、窒化物及び酸化物を物質Aとして用いる場合は、分解による体積変化が大きくなり、より大きな信号振幅が得られる。また、窒化物及び酸化物を物質Bとして用いる場合は、融点が高く反応性の低い物質を選択できることから良好な記録信号特性が得られる。
以下、この特に好ましい態様について本発明をより詳細に説明する。当然ながら、本発明に用いられる記録媒体は、下記の追記型光記録媒体の態様に限定されるものではない。
本発明において特に好ましい態様である追記型光記録媒体は、基板上に記録層を有し、一般的には上記記録層にレーザーを照射することにより記録を行うものである。以下、追記型光記録媒体を構成する記録層及び基板について詳しく述べる。
本発明に用いられる記録層は、記録時の加熱によって記録層が到達する温度において分解する物質Aと、記録時の加熱によって記録層が到達する温度において化学反応又は相変化を起こすことのない物質Bとを含有するものである。
物質A及び物質Bとして用いる材料は、本発明における所定の性質を満足するものであれば特に限定されない。上記性質を満足しやすいという理由から、物質A、物質Bともに無機物質を用いることが好ましい。無機物質は、記録層の昇温によって分解する物質及び記録層の昇温によって分解することなく安定に存在する物質がそれぞれ得やすい利点がある。
物質A及び物質Bが、それぞれ窒化物及び/又は酸化物で構成される場合には、物質Aの構成元素のうち窒素及び酸素以外の元素αと、物質Bの構成元素のうち窒素及び酸素以外の元素βとが、0.03≦(βの原子数)/((αの原子数)+(βの原子数))≦0.95の関係を満たすことが好ましい。つまり、記録層中に存在する元素βの原子数が、元素αの原子数と元素βの原子数との合計に対して、0.03以上、0.95以下となることが好ましい。(βの原子数)/((αの原子数)+(βの原子数))は、0.03以上とするのが好ましいが、0.05以上とすることがより好ましい。この範囲とすることにより、物質Bを添加した効果が十分にあらわれるようになる。一方、(βの原子数)/((αの原子数)+(βの原子数))は、0.95以下とすることが好ましいが、0.9以下とすることがより好ましく、0.8以下とすることがさらに好ましく、0.7以下とすることが特に好ましい。この範囲とすることにより記録信号の振幅が十分にとれるようになる。
本発明において、記録層は、物質A及び物質Bを主成分とすることが好ましい。
本発明において、記録層の消衰係数は、用途に応じて適宜決定されるものであるが、記録層の消衰係数の下限は、記録再生に用いるレーザーの波長において、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上とする。この範囲とすれば、記録層での入射レーザー光の吸収が十分となり記録感度が良好になる。一方、上記消衰係数の上限は、好ましくは1.6以下、より好ましくは1.4以下、特に好ましくは1.2以下とする。この範囲とすれば、記録層での光吸収が大きすぎて十分な反射率を得ることができなくなるということがなくなる。
本発明において記録層は、通常スパッタリング法によって製造される。例えば、真空チャンバー内で微量のArガスを流して所定の真空圧力にして、物質Aからなるターゲットと物質Bからなるターゲットとに、電圧を加え放電させ成膜するスパッタリング法によって製造することができる。また、例えば、真空チャンバー内で微量のArガスを流して所定の真空圧力にして、物質Aと物質Bとの混合物からなるターゲットに、電圧を加え放電させ成膜するスパッタリング法によって製造することができる。
本発明の記録媒体が特に追記型光記録媒体である場合は、上記記録層は基板上に形成される。
本発明の追記型光記録媒体は、少なくとも基板と記録層とを有するものであればよい。このため、層構成は特に限定されるものではない。例えば、本発明の追記型光記録媒体は、記録層の少なくとも一方の面に耐熱性の保護層を設けることもできる。また、例えば、本発明の追記型光記録媒体は、記録層のレーザー照射する面とは反対側に反射層を設けることもできる。このように、本発明の追記型光記録媒体は、特定の機能を有する層を積層した任意の多層構造とすることができる。
図1は本発明に用いることができる追記型光記録媒体の一例を示す拡大断面図である。図1に示すようにこの追記型光記録媒体は基板1上に反射層2、反射層側の保護層3、記録層4、レーザー光入射側の保護層5、光透過層6をこの順序で順次積層して構成されており、光透過層6側からレーザー光を入射して記録及び再生を行うものである。
記録層4は、上記[1]で説明したとおりである。
基板1は、上記[1]で説明したとおりである。
反射層2は、Ag又はAg合金の他、例えばAl、Au及びこれらを主成分とする合金など種々の材料を用いることができる。
保護層3及び保護層5は、通常、以下の3つの役割を有する。すなわち、記録層での記録時に発生する熱が基板などの他の層に拡散するのを防止する役割、光記録媒体の反射率を干渉効果により制御する役割、及び、高温・高湿環境下での水分を遮断するバリア層としての役割である。
光透過層6は、スパッタ膜を水分や塵埃から保護すると同時に薄い入射基板としての役割も必要とされる。したがって、記録・再生に用いられるレーザー光に対して透明であると同時にその厚さは50μm以上150μm以下が好ましい。また、光透過層6の膜厚分布は、光記録媒体内で5μm以内の均一な厚み分布を実現することが好ましい。光透過層6は、通常、紫外線硬化樹脂をスピンコート法により塗布した後硬化することで、あるいは透明シートを貼り合せることで形成される。
拡散防止層7は、反射層側保護層3に用いられる誘電体の成分の金属反射層2への拡散を防止することを一目的とする。反射層2には優れた熱伝導性や経済性の点から銀または銀合金が広く利用されている。一方で反射層側の保護層3としては成膜後の膜応力が小さいこと、耐熱性に優れていること、成膜レートが速いこと、等からZnS−SiO2が広く利用されている。この両者を図1、3、5に示すように反射層2、反射層側保護層3として直接に接して設けた場合、反射層側の保護層3のZnS−SiO2中の硫黄が銀または銀合金からなる反射層2へと拡散し、反射率の低下、あるいは反射層の熱伝導度の低下といった弊害を招くおそれがある。このため拡散防止層7を設けることで、上記拡散を防止し保存安定性を向上させることが好ましい。
下地層8は、通常、基板1と反射層2の間の剥離を抑制する効果がある。このため、より耐候性に優れた記録媒体を得ることが可能となるので、下地層8を基板1と反射層2との間に設けることが好ましい。前述のとおり、下地層8は、温度変化時に生じる基板1と反射層2の界面で膜剥離を抑制する目的で形成されている。
基板面入射型の追記型光記録媒体とする場合は、図5、6に示すように、その最表面側に、空気との直接接触及び異物との接触による傷を防ぐため、保護コート層9を設けるのが好ましい。保護コート層9の材料は、上記機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機材料や、SiO2、SiN4、MgF2、SnO2等の無機材料を用いることができる。
記録層4と保護層3及び/又は保護層5との間に密着層を設けてもよい。本発明の記録媒体に用いる記録層においては、記録時に記録層が到達する温度において物質Aが分解するが、この物質Aの分解時に、記録層4とそれに接する層(図1〜6においては保護層3又は保護層5)とが剥がれる場合がある。具体的には、追記型光記録媒体に対してレーザーを照射して記録を行うと保護層3又は保護層5が記録層4から剥離する場合がある。このような場合、記録層4に接して密着層10を設けることが好ましい。そして、この密着層10に接して保護層3及び/又は保護層5を設けることが好ましい。具体的には、図10に示すように密着層10を、記録層4と保護層3との間、及び/又は、記録層4と保護層5との間に設けることが好ましい。特に、記録層4とその前に成膜される保護層(図10では保護層3となる。)との間において記録後の剥離が起きやすい傾向にあるため、記録層4と保護層3との間に密着層10を挿入することがより好ましい。
無論、上記材料は任意の組み合わせ及び比率で複数用いてもよいことはいうまでもない。
(実施例1)
本実施形態の例として、図4に示した構成の光記録媒体を作製した。基板1には厚さ1.1mm、直径120mmのディスク状ポリカーボネート樹脂を用いた。下地層8にはTaを用いた。反射層2には、Ag−Cu−Ndからなる合金を用いた。拡散防止層7にはGe−Cr−Nを用いた。保護層3、5にはZnS−SiO2からなる混合物を用いた。記録層4には物質Aとして窒化スズ(Sn窒化物)、及び物質Bとして窒化タンタル(Ta窒化物)を用いた。
・スパッタリングターゲット Ta
・スパッタ電力 DC500W
・Arガス圧 0.18Pa
・膜厚 10nm
(B)金属反射層2
・スパッタリングターゲット Ag97.4Cu0.9Nd0.7(原子%)
・スパッタ電力 DC1000W
・Arガス圧 0.15Pa
・膜厚 80nm
(C)拡散防止層7
・スパッタリングターゲット Ge80Cr20(原子%)
・スパッタ電力 RF300W
・Ar+N2ガス圧 0.18Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.5
・膜厚 3nm
(G)反射層側保護層3
・スパッタリングターゲット (ZnS)80(SiO2)20(mol%)
・スパッタ電力 RF2000W
・Arガス圧 0.25Pa
・膜厚 22nm
(D)記録層4
・スパッタリングターゲット Sn及びTa(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sn DC210W
Ta RF300W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
(G)レーザー光入射側保護層5
・スパッタリングターゲット (ZnS)80(SiO2)20(mol%)
・スパッタ電力 RF2000W
・Arガス圧 0.25Pa
・膜厚 50nm
・スパッタリングターゲット Sn及びTa(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sn DC210W
Ta RF500W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
・スパッタリングターゲット Sn及びTa(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sn DC210W
Ta RF700W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
・スパッタリングターゲット Sn及びTa(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sn DC210W
Ta RF900W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
実施例1において、記録層4で用いる物質Bを窒化タンタル(Ta窒化物)から窒化バナジウム(V窒化物)に変更したこと以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した(実施例5)。
・スパッタリングターゲット Sn及びV(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sn DC90W
V RF900W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
・スパッタリングターゲット Sn及びNb(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sn DC90W
Nb RF900W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
・スパッタリングターゲット SnTi混合物(Sn33.3Ti66.7(原子%))
・スパッタ電力 Sn33.3Ti66.7(原子%) RF900W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
・スパッタリングターゲット SnTi混合物(Sn33.3Ti66.7(原子%))及びSi(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sn33.3Ti66.7(原子%) RF900W
Si DC150W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
比較例として、記録層を物質Aである窒化スズ(Sn窒化物)単体から作製した他は、実施例1と全く同じ構成の光記録媒体を作製した。記録層の成膜条件は以下のとおりである。
・スパッタリングターゲット Sn
・スパッタ電力 Sn DC210W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
実施例1において、物質Aを窒化スズ(Sn窒化物)から窒化アンチモン(Sb窒化物)に変更し、物質Bを窒化タンタル(Ta窒化物)から窒化バナジウム(V窒化物)に変更したこと以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した(実施例9)。
・スパッタリングターゲット Sb及びV(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sb DC85W
V RF900W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
・スパッタリングターゲット Sb及びNb(コスパッタリング)
・スパッタ電力 Sb DC85W
Nb RF900W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
比較例として、記録層を物質Aである窒化アンチモン(Sb窒化物)単体から作製した他は、実施例1と全く同構成の光記録媒体を作製した。記録層の成膜条件は以下のとおりである。
・スパッタリングターゲット Sb
・スパッタ電力 Sb DC85W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 15nm
実施例1〜10及び比較例1、2の光記録媒体に対して、光源波長405nm、開口数NA0.85の評価器を使用して、線速5.7m/sec.、RLL1−7変調、チャンネルクロック66MHzからなる条件でランダム信号の記録を行った。この条件で記録を行った場合の、ジッターの記録パワー依存性を図7〜9にそれぞれ示す。ジッターは、記録信号をリミットイコライザーにより波形等化した後2値化を行い、2値化した信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジと、周期クロック信号の立ち上がりエッジと、の時間差の分布をタイムインターバルアナライザにより測定した(データ.トゥー.クロック.ジッター Data to Clock Jitter)。
基板1及び光透過層6については実施例1〜10と同様のものとした。多層膜については、下地層8にTa、反射層2にAg−Cu−Auからなる合金、拡散防止層7にはGe−Cr−N、保護層3、5にはZnS−SiO2からなる混合物を用いた。記録層4には物質Aとして窒化スズ(Sn窒化物)、及び物質Bとして窒化ニオブ(Nb窒化物)からなる物質を用いてスパッタリング法により作製した。
各層の成膜条件及び膜厚は以下のとおりとした。
・スパッタリングターゲット Ta
・スパッタ電力 DC500W
・Arガス圧 0.18Pa
・膜厚 5nm
(B)金属反射層2
・スパッタリングターゲット Ag97Cu1Au2(原子%)
・スパッタ電力 DC1000W
・Arガス圧 0.15Pa
・膜厚 80nm
(C)拡散防止層7
・スパッタリングターゲット Ge80Cr20(原子%)
・スパッタ電力 RF300W
・Ar+N2ガス圧 0.18Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.5
・膜厚 3nm
(G)反射層側保護層3
・スパッタリングターゲット (ZnS)80(SiO2)20(mol%)
・スパッタ電力 RF2000W
・Arガス圧 0.25Pa
・膜厚 27nm
(D)記録層4
・スパッタリングターゲット Sn50Nb50(重量%)
・スパッタ電力 Sn RF500W
・Ar+N2ガス圧 0.35Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.75
・膜厚 13nm
(G)レーザー光入射側保護層5
・スパッタリングターゲット (ZnS)80(SiO2)20(mol%)
・スパッタ電力 RF2000W
・Arガス圧 0.25Pa
・膜厚 60nm
実施例11の構成から反射層側保護層3と記録層4の間に密着層10を設けた光記録媒体を作製した。実施例12〜18の層構成は表−3に示すとおりである。
・スパッタリングターゲット Sn50Nb50(重量%)
・スパッタ電力 Sn RF500W
・Ar+N2+O2ガス圧 0.35Pa
・流量比 Ar:N2:O2=5:15:5
・スパッタリングターゲット ((ZrO)97(Y2O3)3)80(SiO2)20(mol%)
・スパッタ電力 RF1000W
・Arガス圧 0.35Pa
・スパッタリングターゲット (ZnO)97(Al2O3)3(mol%)
・スパッタ電力 RF1000W
・Arガス圧 0.35Pa
・スパッタリングターゲット SiC
・スパッタ電力 RF1000W
・Arガス圧 0.28Pa
実施例11〜18の光記録媒体において、(実施例1〜10の光記録媒体の評価に用いたものとは異なる)波長光源406nm、開口数NA0.85の評価機を使用して、線速4.92m/sec.、17PP変調、チャンネルクロック66MHzからなる条件で半径方向に0.5mmの幅で記録を行った。その後、80℃/85%Rhの環境下にて100時間保存した(環境試験)。そして、環境試験の前後で記録部中央部分のジッター値を測定した。ジッター値は、実施例1〜10と同様にして測定した。なお記録時のパワーは、ジッターが最も小さくなる記録パワーを選択した。
これに対して実施例12〜18に関しては、表−4に示すように、環境試験前後でのジッター値の変化は1%以内に抑えられている。またこれらの環境試験後の光記録媒体を光学顕微鏡で観察しても実施例11のような欠陥は確認できなかった。
さらに記録層に窒化物と酸化物とが混在する例として実施例11の構成から記録層を窒化物と酸化物との混合物とした光記録媒体を作製した。
各層の成膜条件及び膜厚は以下のとおりである。
・スパッタリングターゲット Nb
・スパッタ電力 DC500W
・Arガス圧 0.18Pa
・膜厚 5nm
(B)金属反射層2
・スパッタリングターゲット Ag97Cu1Au2(原子%)
・スパッタ電力 DC1000W
・Arガス圧 0.15Pa
・膜厚 80nm
(C)拡散防止層7
・スパッタリングターゲット Ge80Cr20(原子%)
・スパッタ電力 RF300W
・Ar+N2ガス圧 0.18Pa
・N2/(Ar+N2)流量比 0.5
・膜厚 3nm
(G)反射層側保護層3
・スパッタリングターゲット (ZnS)80(SiO2)20(mol%)
・スパッタ電力 RF2000W
・Arガス圧 0.25Pa
・膜厚 25nm
(D)記録層4
・スパッタリングターゲット Sn50Nb50(重量%)
・スパッタ電力 Sn50Nb50 DC500W
・Ar+N2+O2ガス圧 0.30Pa
・流量比 Ar:N2:O2=25:73.75:1.25
・膜厚 14nm
(G)レーザー光入射側保護層5
・スパッタリングターゲット (ZnS)80(SiO2)20(mol%)
・スパッタ電力 RF2000W
・Arガス圧 0.25Pa
・膜厚 50nm
実施例19の光記録媒体の記録特性評価を、実施例11〜18と同様に(実施例1〜10の光記録媒体の評価に用いたものとは異なる)波長光源406nm、開口数NA0.85の評価機を使用して行った。具体的には、線速4.92m/sec.、チャンネルクロック66MHzからなる条件で17PP変調コードからなるランダム信号を記録し、ジッター値を測定することによって評価をおこなった。
2…反射層
3、5…保護層
4…記録層
6…光透過層
7…拡散防止層
8…下地層
9…保護コート層
10…密着層
Claims (16)
- 記録層を有し、前記記録層を加熱することにより記録を行う記録媒体であって、
前記記録層が、記録時の加熱によって前記記録層が到達する温度において気体窒素又は気体酸素を放出する窒化物及び/又は酸化物である物質Aと、記録時の加熱によって前記記録層が到達する温度において化学反応又は相変化を起こすことのない酸化物及び/又は窒化物である物質Bとを含有し、
前記記録層に接してY、Zr、Nb、Zn、Al、Si、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物、Ge及び/又はCrの窒化物、Siの炭化物、または、これらの混合物、からなる密着層が設けられていることを特徴とする記録媒体。 - 前記記録層が到達する温度において、前記物質Bが化学反応及び相変化を起こさないことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
- 前記記録層が到達する温度において、前記物質Bが分解しない又は化合しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録媒体。
- 前記記録層が到達する温度において、前記物質Bが融解しない又は昇華しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録媒体。
- 前記物質Aの分解温度と前記物質Bの分解温度又は融点との差が200℃以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記記録媒体が、基板上に記録層を有し、レーザー照射により記録を行う追記型光記録媒体であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記物質Aが1200℃以下に分解温度をもつ物質であり、前記物質Bが1500℃以下には分解温度及び融点をもたない物質であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記物質AがCr、Mo、W、Fe、Ge、Sn、及びSbからなる群から選ばれる1つの元素の窒化物であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記物質BがTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Al、及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の窒化物であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記物質Aの構成元素のうち窒素及び酸素以外の元素αと、前記物質Bの構成元素のうち窒素及び酸素以外の元素βとが、0.03≦(βの原子数)/((αの原子数)+(βの原子数))≦0.95の関係を満たすことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- (βの原子数)/((αの原子数)+(βの原子数))≦0.7であることを特徴とする請求項10に記載の記録媒体。
- 前記記録層の膜厚が4nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記密着層に接して保護層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記密着層が前記物質Aよりも分解温度が高い物質を含有することを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記密着層がGeN、ZrO、ZnO、およびSiCからなる群から選択される少なくとも1種類を主成分とすることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
- 前記記録層の記録レーザー波長における消衰係数が0.2以上1.6以下であることを特徴とする請求項6から請求項15までのいずれかの請求項に記載の記録媒体。
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